JP3746354B2 - 磁界検出装置 - Google Patents

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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地磁気等の平行磁界の方位や強度を検出する装置や、磁気式の位置検出装置に関し、特に、検出精度の向上や、回路構成の簡略化や、低コスト化を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーナビゲーションシステム等において、地磁気のような比較的微弱な平行磁界の方位や強度を検出するための装置として、リング状の高透磁率磁性材を利用した磁気変調器(一名としてフラックス・ゲート型磁気センサと呼ばれるもの)が用いられている。
【0003】
このフラックス・ゲート型磁気センサについては、特開昭54−21889号公報や特開昭61−83909号公報に詳細に記載されているが、その全体構成の一例を示すと、図11の通りである。
【0004】
磁路形成部材31は、リング状の高透磁率磁性材からなっている。
磁路形成部材31には、励磁コイル32がリングの全周にわたり均一に巻装されている。励磁コイル32には発振器34から周波数fの励磁電圧が印加され、これにより磁路形成部材31が飽和磁界まで励磁される。
【0005】
また磁路形成部材31には、互いに直交するX軸,Y軸のうち、X軸方向上で相対向する箇所を包囲するように出力コイル33xが巻装されるとともに、Y軸方向上で相対向する箇所を包囲するように出力コイル33yが巻装されている。
【0006】
出力コイル33xには、中心周波数が2fのバンドパスフィルタ36xと同期検波回路37xと平滑回路38xとが順次接続されている。また出力コイル33yには、中心周波数が2fのバンドパスフィルタ36yと同期検波回路37yと平滑回路38yとが順次接続されている。
【0007】
周波数逓倍回路35は、発振器34からの周波数fの信号から周波数2fの信号を生成し、この信号を同期検波のための基準信号として同期検波回路37x,37yに供給する。
【0008】
このセンサにおける平行磁界の方位や強度の検出方式は、次の通りである。
センサが平行磁界の中に置かれていない場合には、出力コイル33x,33yに誘起される電圧は、発振器34からの励磁電圧に基づくものだけとなる。しかるに、この励磁電圧による磁路形成部材31のリング内の磁束は、各出力コイル33x,33yの両端箇所ではそれぞれ逆向き且つ大きさが等しいものである。従って、この場合には出力コイル33x,33yには電圧は誘起されない。
【0009】
これに対し、センサが例えば図11に示すような平行磁界Hの中に置かれている場合には、磁路形成部材31のリング内の磁束が、各出力コイル33x,33yの両端箇所でそれぞれ大きさが異なるようになる。従って、出力コイル33x,33yから、平行磁界HのX軸,Y軸成分であるHx,Hyにそれぞれ比例した、励磁周波数fの偶数次高調波成分2f,4f,6f…がそれぞれ出力されるようになる。
【0010】
この偶数次調波成分のうち、2f成分のみが、バンドパスフィルタ36x,36yで取り出され、同期検波回路37x,37yで同期検波された後、平滑回路38x,38yを経ることにより、Hx,Hyに比例した出力信号Vx,Vyがそれぞれ得られる。
【0011】
ここで、Hx,HyとVx,Vyとの比例定数をKとし、平行磁界Hの向きとX軸方向との間の角度をθとすると、Vx,Vyは、
Vx=KHx=KHcosθ
Vy=KHy=KHsinθ
となる。
【0012】
従って、例えば出力信号Vx,Vyを用いて平行磁界Hの方位を求めようとする場合には、
Vy/Vx=KHsinθ/KHcosθ=tanθ
θ=tan-1Vy/Vx
として求めることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図11に示したような従来のフラックス・ゲート型磁気センサには、次のような不都合があった。
【0014】
(1) 磁路形成部材31のリングの全周にわたって励磁コイル32を巻装しなければならないので、励磁コイル32の巻き方が僅かながら不均一になることがあるが、それに応じて磁路形成部材31の磁界強度が不均一になることにより、出力コイル33x,33yに誘起される電圧にアンバランスが生じてしまうので、検出精度が悪化する。
【0015】
(2) 出力コイル33xと33yとが磁路形成部材1の中心部分で交差するので、いずれか一方を全て巻装し終えた後で残りの一方を巻装すると、出力コイル33xと33yとで抵抗やインダクタンスに差が生じ、且つ、出力コイル33xを貫く磁束数と出力コイル33yを貫く磁束数とが異なってしまう。このため、出力信号VxとVyとに差を生じるので、検出精度が悪化する。
【0016】
この不都合を解消する対策として、出力コイル33xと33yとを一層ずつ交互に巻装する方法も提案されている(特開平1−288718号)。しかし、この方法には、巻装を行うのにたいへん手間がかかるという別の不都合がある。
【0017】
(3) 検出原理として磁気変調方式を採用しているため、バンドパスフィルタ36x,36y,同期検波回路37x,37y,周波数逓倍回路35を必要とするので、回路構成が複雑になるとともにコスト高になってしまう。
【0018】
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、コイルの均一な巻装が容易であり、コイル同士の抵抗やインダクタンスや磁束数の相違がなく、しかも回路構成が簡単で低コストな磁界検出装置を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る磁界検出装置は、高透磁率磁性材から成る閉磁路をもつ磁路形成部材と、この閉磁路上の互いに異なる箇所にそれぞれ巻装された3つのコイルとを含む磁界検出部と、これらのコイルに励磁電圧を印加する励磁部と、これらのコイルにかかる励磁電圧を検波、平滑化して出力する出力部とを備え、励磁部により、励磁電圧による閉磁路内の磁界の向きが等しくなるようにこれらのコイルを励磁して、出力部から、外部磁界に応じた3相の出力を得るようにしたことを特徴としている。
【0020】
この磁界検出装置によれば、磁路形成部材の閉磁路上の互いに異なる箇所に、それぞれ個別にコイルを巻装するようになっている。従って、図11に示した励磁コイル2のようにリング(閉磁路)の全周にわたって巻装しなければならないものと違って、均一な巻装が容易であるので、上述の(1)の不都合が解消される。また、例えば磁路形成部材をボビンに装着した状態で巻装を行うこと等により、コイルを正確に閉磁路上の所定箇所に位置決めして巻装することができる。
【0021】
そして、このように閉磁路上の互いに異なる箇所に巻装されるコイルは、図11に示した出力コイル33xと33yのように交差することはない。従って、いずれか一つを全て巻装し終えた後で残りを巻装しても、それを原因としてコイル同士の抵抗やインダクタンスや磁束数の相違が生じることはないので、上述の(2)の不都合も解消される。
【0022】
更に、図11に示したバンドパスフィルタ36x,36y,同期検波回路37x,37y,周波数逓倍回路35のような複雑な回路を用いることなく、検波器や平滑回路といった比較的簡単な構成の回路により出力が得られるので、上述の(3)の不都合も解消される。
【0023】
尚、この磁界検出装置は、例えば磁路形成部材を、閉磁路を含む面が地磁気等の平行磁界と平行になるように配置することにより、図11に示したセンサと同じく、平行磁界の方位や強度を検出するために用いることが可能である。
【0024】
しかし、別の用途として、例えば相対移動する2部材のうちの一方の部材に発磁体(永久磁石等)を取り付けるとともに残りの一方の部材にこの磁界検出装置を上記発磁体に近接させて取り付けることにより、これら2部材の相対移動に応じた出力を得る位置検出装置として用いるようにすることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る磁界検出装置の磁界検出部の構造の一例を示すものであり、Aは平面図、BはAのX軸に沿ったX−X’断面図である。
【0026】
この磁界検出部1は、磁路形成部材2とコイルX1,X2,Y1とを含んでいる。
磁路形成部材2は、高透磁率磁性材の一種であるパーマロイを材質としており、リング状の閉磁路をもつ形状をしている。このリングの寸法は、例えば外径10mm,リング断面の幅0.2mm,リング断面の厚さ0.05mmである(但しこの寸法以外であってもよいことはもちろんである)。
【0027】
磁路形成部材2のリングの、互いに直交する二軸(図のX軸,Y軸)のうちY軸方向上で相対向する箇所には、一対のコイルX1,X2が巻装されており、X軸方向上で相対向する箇所のうちの一方の箇所には、コイルY1が巻装されている。コイルX1,X2,Y1は、全て巻線数が等しくなっている。
【0028】
同図から明らかなように、コイルX1,X2,Y1は、リング上の互いに異なる箇所に個別に巻装されるので、これらのコイルを均一に巻装することは容易になっている。
【0029】
また、これらのコイルは互いに交差することはないので、いずれか一つを全て巻装し終えた後で残りを巻装しても、それを原因として、コイル同士の抵抗やインダクタンスに相違が生じたり、後述の励磁電圧によりこれらのコイルを貫く磁束数に相違が生じたりすることはない。
【0030】
磁路形成部材2は、Y軸方向上の相対向する2箇所及びX軸方向上の相対向する2箇所のうちの1箇所のみを露出させるようにして3個のボビン22a〜22cに装着されており、この状態で、コイルX1,X2,Y1が磁路形成部材2に巻装される。これにより、コイルX1及びX2,Y1を、それぞれ正確にリング上のY軸,X軸方向上の箇所に位置決めして巻装することができる。
ボビン22a〜22cには、各コイルX1,X2,Y1毎に、その一端に接続された端子P1と、その残りの一般に接続された端子P2とが取り付けられている。
【0031】
図2は、この磁界検出部1の磁界−インピーダンス特性(コイルX1〜Y1にかかる磁界の方位及び強度とコイルX1〜Y1のインピーダンスとの関係)の一例を示す。磁界の方位にかかわらず、磁界が強くなると、磁路形成部材2の透磁率が小さくなることにより、コイルX1〜Y1のインピーダンスが小さくなっており、逆に磁界が弱くなると、磁路形成部材2の透磁率が大きくなることにより、コイルX1〜Y1のインピーダンスが大きくなる様子が表れている。そして、こうしたインピーダンス変化は、地磁気程度の微弱な磁界によってもほぼリニアに生じており、磁界の強度が1Oe変化するとインピーダンスが約10%変化し、全体ではインピーダンスが約50%変化している。
【0032】
尚、磁界検出部の変更例として、磁路形成部材の材質をパーマロイ以外の高透磁率磁性材(例えばフェライトまたはアモルファス合金等)にしてもよく、また、磁路形成部材としてリング状以外の(例えば矩形状または三角形状の)閉磁路をもつ形状のものを用いるようにしてもよい。矩形状の閉磁路をもつ形状の磁路形成部材2’を用いた場合の例を図1と同様にして示すと、図3の通りである。
【0033】
図4は、この実施例に係る磁界検出装置の全体の回路構成の一例を示す(同図ではボビン22a〜22cの図示は省略している)。
励磁部3は、高周波発振器4と、増幅器5と、抵抗器R4,R5,R6とを含んでいる。
【0034】
高周波発振器4は、マルチバイブレータ回路を応用するとともに、ヒステリシスをもつシュミット・インバータIC1によりチャタリングを除去するようにしたものである。高周波発振器4からは、周波数が数十kHz〜数MHzの範囲内(例えば約1MHz)でありデューティー比が約1/10であるパルス波が発振される。このように発振周波数を高くすることにより、出力の応答性を向上させることができる。
【0035】
このパルス波は、増幅器5で増幅され、図1の端子P1を介して各コイルX1〜Y1の一端に供給される。他方、コイルX1,X2,Y1の残りの一端は、図1の端子P2を介し、互いに抵抗値の等しい抵抗器R4,R6,R5をそれぞれ挟んで、図示しない共通のDC電源(電圧Bとする)に接続されており、これにより各コイルX1,X2,Y1に励磁電圧が印加される。
【0036】
具体的には、この励磁電圧のピーク値をDC電源の電圧Bに略等しくし、このピーク値の励磁電圧による磁界の強さが図のHdとなるように抵抗器R4,R5,R6の抵抗値を設定するものとする。
【0037】
尚、励磁部3に、パルス波を発振する高周波発振器4の代わりに正弦波を発振する発振回路を設けるようにしてもよい。但し、消費電流の節減や素子の感度の向上を図るという観点からは、正弦波よりもパルス波を用いることが一層好適である。
【0038】
出力部6は、検波器7と平滑回路8とを含んでいる。
検波器7は、コイルX1と抵抗器R4との接続中点aに接続されてコイルX1の励磁電圧を検波するためのダイオードD1と、コイルY1と抵抗器R5との接続中点cに接続されてコイルY1の励磁電圧を検波するためのダイオードD2と、コイルX2と抵抗器R6との接続中点bに接続されてコイルX2の励磁電圧を検波するためのダイオードD3とから成る。
【0039】
平滑回路8は、抵抗器R7,R8,R9と、コンデンサC2,C3,C4,C5,C6と、出力電圧の直流成分調整用のボリュームVR1,VR2と、出力電圧のゲイン調整用のボリュームVR3,VR4とから成り、励磁部3による励磁電圧の周期よりも十分大きい時定数をもっており、コイルX1の励磁電圧を平滑化した電圧Vx1と、コイルY1の励磁電圧を平滑化した電圧Vyと、コイルX2の励磁電圧を平滑化した電圧Vx2とを出力する。
このように、出力部6は、少数ずつのダイオード,抵抗器,コンデンサ,ボリュームを用いた簡単な構成のものになっている。
【0040】
この磁界検出装置を平行磁界の方位や強度を検出する装置として用いる際の検出方式は、次の通りである。
前述のようにコイルX1〜Y1は互いに交差することなく均一に巻装することができるとともに巻線数が全て等しく(従ってそれらの抵抗値やインダクタンスは互いに等しく)、且つ、抵抗器R4〜R6の抵抗値も全て等しいので、磁界検出装置が平行磁界の中に置かれていない場合には、コイルX1〜Y1にかかる励磁電圧は全て等しくなる。
従って、この場合には、平滑回路8の出力電圧Vx1,Vy,Vx2が、DC電源の電圧よりも低く且つ互いに等しい大きさ(電圧Eとする)になる。
【0041】
これに対し、磁界検出装置が図4に示すような平行磁界Hの中に置かれている場合には、コイルX1では磁界の強度がHd+Hxと増大するので、図2に示したようにコイルX1のインピーダンスは小さくなる。従って、コイルX1にかかる励磁電圧が小さくなるので、出力電圧Vx1はEよりも小さくなる。
【0042】
他方、コイルX2では磁界の強度がHd−Hxと減少するので、コイルX1のインピーダンスが大きくなる。従って、コイルX2にかかる励磁電圧が大きくなるので、出力電圧Vx2はEよりも大きくなる。
【0043】
また、X軸成分Hxの方位が図4に示したのと逆のときには、出力電圧Vx1のほうがEよりも大きくなるとともに、出力電圧Vx2のほうがEよりも小さくなる。
【0044】
このように、出力電圧Vx1,Vx2は、それぞれ電圧Eを中心としてX軸成分Hxの強さに応じてレベルが変動する信号となり、且つ、それらの位相は互いに180度ずれることになる。
【0045】
コイルY1についても同様であり、出力電圧Vyは、電圧Eを中心としてY軸成分Hyの強さに応じてレベル変動する信号となる。但し、この信号の位相は、X軸成分HxとY軸成分Hyとが直交していることから、信号Vx1,Vx2に対して90度ずれることになる。
これにより、位相差が90度ずつの3相信号Vx1,Vy,Vx2が得られることになる。図5は、この3相信号の位相関係をベクトルで表したものである。
【0046】
ここで、平行磁界Hの方位を算出するためには、原理的には、互いに位相が90度ずれた2相信号があれば足りるので、上記3相信号のうちのVx1とVyとのみ、あるいはVx2とVyとのみを利用すればよいことになる。しかし、各信号Vx1,Vy,Vx2には、磁界とは関係のないオフセット電圧である電圧Eが含まれている。この電圧Eは、温度差によるドリフト等により変動するので、例えばカーナビゲーションシステムのような温度変化等の激しい環境で磁界検出装置を使用する場合には、この変動分が誤差となって検出精度を悪化させてしまう。
【0047】
そこで、信号Vx1とVyとの差動信号A(A=Vy−Vx1)を求めるとともに、信号Vx2とVyとの差動信号B(B=Vy−Vx2)を求めるようにする。この信号A,Bは、図5にも表れているように、オフセット電圧Eが除外され、且つ、互いに位相が90度ずれたものとなる。従って、この信号A,Bを利用して、平行磁界Hの方位を高精度に検出できるようになる。
【0048】
図6は、この磁界検出装置を、図7に示すように磁界検出部1(ここでは形状を略示している)を地表面に平行に配置した(即ち図1のXY平面を地表面に平行にした)状態で、地表面に(従ってXY平面に)垂直なZ軸を中心として回転させたときの回転角度−出力特性(回転角度と信号A,Bとの関係)の測定例を示す。信号A,Bとして、互いに位相とが90度すれた正弦波が得られることが表れている。
【0049】
次に、この磁界検出装置を位置検出装置として用いる際の検出方式は、次の通りである。
図8に示すように、発磁体(永久磁石等)11を、検出対象の工作機械等において相対移動する2部材(図示せず)のうちの一方の部材に取り付ける。また、当該2部材のうちの残りの一方の部材に、図4に示した構成の磁界検出装置(ここでは励磁部3及び出力部6を簡略化して示している)を、発磁体11に近接させて取り付ける。その際、磁界検出部1のコイルX1〜Y1の位置関係は、相対移動方向(図ではY軸方向)上にコイルX1とX2とが並ぶとともに、コイルY1が発磁体11と対向するようにしておく。
【0050】
すると、発磁体11からの磁界により、コイルX1,X2では、磁界の強度がHd−Hs1(但しHs1は発磁体11からコイルX1,X2までの距離における発磁体11からの磁界のX軸成分の強度)となり、コイルY1では、磁界の強度がHd+Hs2(但しHs2は発磁体11からコイルY1までの距離における発磁体11からの磁界のY軸成分の強度)となる。
【0051】
そして、X軸成分の強度Hs1は、発磁体11のY軸方向上の中央部分で最小となり、この中央部分からずれるに従って増大していき、発磁体11のY軸方向上のエッジ部分の近傍において最大になる。また、Y軸成分の強度Hs2は、発磁体11のY軸方向上の中央部分で最大となり、この中央部分からずれるに従って減少していき、発磁体11のY軸方向上のエッジ部分の近傍において最小になる。
【0052】
従って、磁界検出部1と発磁体11との相対位置に応じて、出力部6からの出力電圧Vx1,Vy,Vx2は、図9に示すような、位相差が略90度ずつの3相信号となる。(尚、この位相差は発磁体11の大きさや発磁体11と磁界検出部1との距離等によっても異なるが、それらを適宜設定することにより位相差を略90度ずつとすることが可能である。)
【0053】
ここで、信号Vx1とVx2の差動信号Cを求め、この信号Cと信号Vyとの関係を示すと、図10Aのようになる。従って、例えば信号Vyから図10Bのようなゲート信号Gを得て、このゲート信号Gの動作範囲内で信号Cを位置検出信号として用いてサーボ制御を行うことにより、検出信号の直線性の良好な範囲内にサーボの安定点を位置させることができるようになる。
【0054】
尚、以上の実施例において、磁路形成部材の閉磁路上での3つのコイルの巻層箇所は、図1に示した箇所に限る必要はない。例えば3相信号Vx1,Vy,Vx2をどのような位相関係の信号にしたいかに応じて、これら3つのコイルを巻層する箇所を決定してよい(一例として、信号Vx1,Vy,Vx2の位相が120度ずつずれるような箇所にこれら3つのコイルを巻層するようにしてよい)。あるいは、磁路形成部材の形状やコイルを巻装するスペース等の都合に応じて、これら3つのコイルを巻層する箇所を決定するようにしてもよい。
【0055】
また、本発明は、以上の実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る磁界検出装置によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)コイルの均一な巻装が容易であり、また、例えば磁路形成部材をボビンに装着した状態で巻装を行うこと等により、コイルを正確に閉磁路上の所定箇所に位置決めして巻装することができる。従って、不均一な巻装を原因とする検出精度の悪化を防止して、平行磁界の方位及び強度の検出精度や、相対移動する部材の位置の検出精度を向上させることができる。
【0057】
(2)各コイルは互いに交差することはないので、コイル同士の抵抗やインダクタンスに相違が生じたり、後述の励磁電圧によりこれらのコイルを貫く磁束数に相違が生じたりすることはない。従って、この点でも平行磁界の方位及び強度の検出精度や、相対移動する部材の位置の検出精度を向上させることができる。
(3)検波器や平滑回路といった比較的簡単な構成の回路により出力が得られるので、回路構成が簡単となり、装置を低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁界検出部の構造の一例を示す図である。
【図2】磁界検出部の磁界−インピーダンス特性の一例を示す図である。
【図3】磁界検出部の変更例を示す図である。
【図4】磁界検出装置の全体の回路構成の一例を示す図である。
【図5】3相信号の位相関係を示す図である。
【図6】磁界検出装置の回転角度−出力特性の一例を示す図である。
【図7】磁界検出装置の使用態様の一例を示す図である。
【図8】磁界検出装置の適用例を示す図である。
【図9】図9の例における3相信号の位相関係を示す図である。
【図10】図9の3相信号から得られる信号の一例を示す図である。
【図11】従来の磁界検出装置の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 磁界検出部、 2 磁路形成部材、 3 励磁部、 4 高周波発振器、5 増幅器、 6 出力部、 7 検波器、 8 平滑回路、 22a,22b,22c ボビン、 X1,X2,Y1 コイル、 R4,R5,R6 抵抗器

Claims (3)

  1. 高透磁率磁性材から成る閉磁路をもつ磁路形成部材と、前記閉磁路上の互いに異なる箇所にそれぞれ巻装された3つのコイルとを含む磁界検出部と、
    前記コイルに励磁電圧を印加する励磁部と、
    前記コイルにかかる励磁電圧を検波、平滑化して出力する出力部と
    を備え、前記励磁部により、励磁電圧による前記閉磁路内の磁界の向きが等しくなるように前記コイルを励磁して、前記出力部から、外部磁界に応じた3相の出力を得るようにしたことを特徴とする磁界検出装置。
  2. 請求項1の磁界検出装置において、前記3相の出力から位相差が90度の2相の信号を求め、該信号により外部磁界を検出するようにしたことを特徴とする磁界検出装置。
  3. 請求項1または請求項2の磁界検出装置において、前記3つのコイルが、前記3相の出力の位相差がそれぞれ90度ずつとなるような位置関係で前記閉磁路上の箇所に巻装されていることを特徴とする磁界検出装置。
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