JP3746209B2 - 無線送受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムで用いられる無線送受信機に関し、特に複数の無線通信システムで用いられるマルチモード無線機の無線送受信部に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムで用いられる無線機は、無線機が信号を送信する際に用いる送信部(以下、送信部)と、他の無線機から送られてくる信号を受信する際に用いる受信部(以下、受信部)とに分かれる。
【0003】
送信部および受信部の構成方法は、送信部および受信部に用いる無線方式により異なる。無線方式には、「Super-Heterodyne」や「Direct-Conversion」など様々な種類が存在するが、それらは無線機を利用する無線通信システムに最も適した無線方式が選択される。
【0004】
従来の無線機では、利用したい無線通信システムに対し、その無線通信システムに最も有効である無線方式を選択し、その無線方式の送信部と受信部を構成していた。すなわち、1つの無線通信システムに対して、その無線通信システム専用の無線機を構成するのが普通であり、1つの無線機は1つの無線通信システムにしか対応していなかった。
【0005】
ところが、最近になって1つの無線機で複数の無線通信システムで利用できる「マルチモード無線機」の需要が高まってきた。このような1つの無線機で複数の無線通信システムで利用できるようなマルチモード無線機を従来の技術で実現しようとした場合、複数の無線通信システム専用の送信部と受信部を無線通信システムの数だけ並べなければならず、その無線機は非常に大規模なものになってしまう。
【0006】
図19にマルチモード無線機の一例を示す。図19は、3つの無線通信システムで利用できるマルチモード無線機であり、無線通信システム用の送信部の無線方式は、それぞれ「Direct-Conversion」、「Super-Heterodyne」、「Translation Loop」と呼ばれる無線方式であり、受信部の無線方式は「Direct-Conversion」である。このマルチモード無線機で利用できる具体的な無線通信システムは、たとえばGSM900とW-CDMAとPHSの3つの無線通信システムである。
【0007】
図中、1は受信信号入力端子、2は第1の受信部用RF帯域通過フィルタ、7は受信信号出力端子、8は送信信号入力端子、9は第1のシンセサイザ、10は第1の送信部用RF帯域通過フィルタ、11は第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器、12は送信信号出力端子、14は送信部用RF緩衝増幅器、16は第1の受信部用ベースバンド利得可変増幅器、17は送信部用IF帯域通過フィルタ、18は第1の周波数変換器、19は第2のシンセサイザ、20は送信部用IF利得可変増幅器、21は第1の受信部用低雑音増幅器、22は位相比較器、23はループフィルタ、24は電圧制御発振器、25は第1の受信部用低域通過フィルタ、26は第1の送信部用低域通過フィルタ、27は送信部用ベースバンド利得可変増幅器、28は第1の受信信号切り換え手段、29は第2の受信部用RF帯域通過フィルタ、30は第3の受信部用RF帯域通過フィルタ、31は第2の受信信号切り換え手段、35は第1の送信ベースバンド信号切り換え手段、39はRF送信信号切り換え手段、42は第1の直交復調器、43は第2の受信部用低域通過フィルタ、44は第2の直交復調器、45は第2の受信部用低域通過フィルタ、46は第2の受信部用ベースバンド利得可変増幅器、47は第4の受信部用RF帯域通過フィルタ、48は第3の受信部用低雑音増幅器、49は第3の直交復調器、50は第3の受信部用低域通過フィルタ、51は第3の受信部用ベースバンド利得可変増幅器、52は第1の直交変調器、53は第2の送信部用RF帯域通過フィルタ、54は第2の直交変調器、55は第2の送信用低域通過フィルタ、56は第2の周波数変換器、57は第3の直交変調器、58は第3の送信部用低域通過フィルタである。
【0008】
このように従来の技術を用いて、複数の無線通信システムで利用できるマルチモード無線機を実現しようとすると、複数の無線通信システム専用の送信部と受信部を無線通信システムの数だけ並べなければならず、無線機が大規模なものになり無線機の重量化や消費電力の増大という欠点が生じてくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無線機の送信部と受信部の部品を共通化し、小型で軽量な無線送受信機を提供することであり、特に、複数の無線通信システムで利用できるマルチモードの無線送受信機でありながら、小型で軽量なマルチモード無線送受信機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、ベースバンド送信信号及びベースバンド受信信号を処理するデジタル信号処理部(100)と、送信用ローカル発振信号及び受信用ローカル発振信号を出力する周波数シンセサイザ(9)と、前記ベースバンド送信信号と前記送信用ローカル発振信号とにより高周波送信信号を出力するとともに、受信した高周波受信信号と前記受信用ローカル信号とにより前記ベースバンド受信信号を出力する直交変復調器(4)と、前記直交変復調器から出力された前記高周波送信信号を増幅して高周波送信信号出力端子へ供給するとともに、高周波受信信号入力端子から得られた前記高周波受信信号を増幅して前記直交変復調器に供給する送受共用可変利得増幅器(3)と、前記デジタル信号処理部からのベースバンド送信信号及び前記直交変復調器からのベースバンド受信信号が選択的に供給される送受共用ベースバンド低域通過フィルタ(5)を備え、前記送受共用ベースバンド低域通過フィルタは、多段の低域通過フィルタ(301,302,303)と、前記多段の低域通過フィルタの次数を、送信時には低くし、受信時には高くする切り換え手段(304)を有し、送信時には、前記送受共用ベースバンド低域通過フィルタを通過したベースバンド送信信号が前記直交変復調器に供給され、受信時には、前記送受共用ベースバンド低域通過フィルタを通過したベースバンド受信信号が前記デジタル信号処理部に供給されることを特徴とする無線送受信機である。
【0011】
第2の発明は、前記送受共用可変利得増幅器は、可変利得増幅器と、前記可変利得増幅器の出力を受け取る減衰手段を含むことを特徴とする第1の発明記載の無線送受信機である。
【0012】
第3の発明は、前記送受共用可変利得増幅器は、減衰手段と、前記減衰手段の出力を受け取る可変利得増幅器を含むことを特徴とする第1の発明記載の無線送受信機である。
【0013】
第4の発明は、前記デジタル信号処理部は、複数の無線通信システムの中から利用する無線通信システムに応じて、前記周波数シンセサイザから出力される送信用及び受信用ローカル発振信号の周波数帯を制御すると共に、前記送受共用可変利得増幅器の利得を制御することを特徴とする第1の発明記載の無線送受信機である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施形態;送受信を同時に行わない無線通信システムに利用できる無線機であり、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信で共用できる第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3と送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5と送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6とを用いた無線機)
図1は本発明の第1の実施形態であって、送受信を同時に行わない(時分割多重を用いて同じタイミングで送受信を行わない意味。以下同様)無線通信システムに利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0017】
第1の実施形態の特徴は、従来、送信部と受信部にそれぞれ別々に設けられていた高周波(RF)信号増幅用の利得可変増幅器、ベースバンド信号用低域通過フィルタ、ベースバンド信号増幅用の利得可変増幅器を送信部と受信部で共用し、かつ、送信部用のIチャネル及びQチャネルベースバンド信号と局部発振(LO)信号を乗算し、RF信号を出力する直交変調器及び、受信部用のRF信号とLO信号とを乗算し、受信部用のIチャネル及びQチャネルベースバンド信号を出力する直交復調器の両方の機能を兼ね備えた送受信共用直交変復調器を用いて、それを送信部と受信部で共用することである。つまり、送受信共用直交変復調器とは、Iチャネル用周波数変換器及びQチャネル用周波数変換器がそれぞれ1つしかないものをいう。なお、送受信共用直交変復調器には、90度位相器やバッファアンプを含む場合もある。
【0018】
第1の実施形態は、送信部と受信部で部品を共用するため、送信部と受信部が同時に動作しない、例えばGSM(Global System for Mobile communication)のような無線通信システムで利用できる。第1の実施形態を用いることにより、無線機の構成が従来のものに比べて、より小型、簡素化することが出来、無線機の容量や消費電流の低下が実現できる。
【0019】
図中、1は受信信号入力端子、2は第1の受信部用RF帯域通過フィルタ、3は第1の送受信部共用RF利得可変増幅器、4は送受信部共用直交変復調器、5は送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ、6は送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器、7は受信信号出力端子、8は送信信号入力端子、9は第1の周波数シンセサイザ(以下、単にシンセサイザという)、10は第1の送信部用RF帯域通過フィルタ、11は第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器、12は送信信号出力端子、100はデジタル信号処理部である。
【0020】
ここで、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3は、送信部用RF利得可変緩衝増幅器と受信部用RF利得可変低雑音増幅器の両方の機能を兼ね備え、かつ送信または受信時には、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じてその機能を切り換えることが出来る増幅器である。具体的には、送信時、すなわち送信部用RF利得可変緩衝増幅器として用いる場合は、後段である第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11の最大入力電力値を超えない程度の小さな利得で増幅するという特性を持ち、入力されたRF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能を持つ。一方、受信時、すなわち受信部用RF利得可変低雑音増幅器として用いる場合は、送信時のような利得の制限がないので送信時よりも大きな利得で増幅するという特性を持ち、入力された受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能を持つ。
【0021】
図2は、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3のブロック図である。第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3は利得可変低雑音増幅器(V-LNA)220とその後段の可変減衰器(V-ATT)210を含む。デジタル信号処理部100は、現在扱っている信号が送信信号か受信信号か知っており、利得可変低雑音増幅器220及び可変減衰器210は共に、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じて利得及び減衰量を変化させることができる。
【0022】
可変減衰器210は、送信信号が入力される場合、利得可変低雑音増幅器220から得られた必要以上に大きな利得を、後段である第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11の最大入力電力値を超えない程度に減衰させる。一方、受信信号が入力される場合、減衰量を0にする。
【0023】
また、送受信部共用直交変復調器4とは、Iチャネル用周波数変換器及びQチャネル用周波数変換器がそれぞれ1つしかないものをいう。なお、送受信共用直交変復調器には、90度位相器やバッファアンプを含む場合もある。送信部用直交変調器と受信部用直交復調器の両方の機能を兼ね備え、かつ送信または受信時には、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じてその機能を切り換えることが出来る直交変復調器である。具体的には送信時に用いた場合、入力された送信すべきベースバンド信号をLO信号と乗算することでRF信号に周波数変換する動作を行い、受信時に用いた場合は、入力された受信RF信号をLO信号と乗算することでベースバンド信号に周波数変換する動作を行う。
【0024】
なお、送受信部共用直交変復調器4において用いられる周波数変換器には、入力および出力信号としてベースバンド信号からRF信号までに対して正しく動作する広い入出力周波数範囲を持つ周波数変換器が用いられる。例えば、特開平9−252324号公報に開示されている周波数変換器が利用できる。
【0025】
また、送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5とは、送信部用ベースバンド低域通過フィルタと受信部用ベースバンド低域通過フィルタの両方の機能を兼ね備え、かつ送信または受信時には、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じてその機能を切り換えることが出来る低域通過フィルタである。具体的には送信時に用いた場合、送信信号入力端子8より入力されるベースバンド信号のうち、送信すべき信号成分のみ通過させ、不要な信号成分を除去する低域通過フィルタとして動作し、受信時に用いた場合、受信した信号のうち必要な信号成分のみ通過させ、不要な信号成分を除去する低域通過フィルタとして動作する。
【0026】
図3〜図5に、送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5の構成例を示す。
【0027】
図3に示す送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5は、1次のローバスフィルタ(1次LPF)301,2次のローパスフィルタ(2次LPF)302,2次のローバスフィルタ(2次LPF)303,及び、2次LPF303を迂回するためのバイパススイッチ304で構成されている。LPF301,302,303はアクティブフィルタであり、それぞれの利得は20dB,10dB,10dBである。また、バイパススイッチ304のON/OFF及び2次LPF303の電源のON/OFFは、図1のデジタル信号処理部100からの制御信号によって制御されている。
【0028】
受信信号は、1次LPF301,2次LPF302,2次LPF303を通るので、受信系全体のローパスフィルタの次数は5次であり、利得は40dBである。一方、送信信号は、1次LPF301,2次LPF302,バイパススイッチ304を通るので、送信系全体のローパスフィルタの次数は3次であり、利得は30dBである。
【0029】
ローパスフィルタの次数が高くなるにつれて、遮断特性は急峻になる。したがって、図3のような送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5を用いることにより、遮断特性が急峻になることが要求される受信系ローパスフィルタ(301,302,303)の次数を高くすることができ、一方、遮断特性の急峻さを受信系ほど要求されない送信系ローパスフィルタ(301,302,304)の次数を低くすると同時に、2次LPF303の電源をOFFするので、消費電力の低減も可能である。
【0030】
図4に示す送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5は、図3の変形例であり、バイパススイッチ304の代わりに、1次LPF301を迂回するためのバイパススイッチ314を用いている。バイパススイッチ314のON/OFF及び1次LPF301の電源のON/OFFは、図1のデジタル信号処理部100からの制御信号によって制御されている。
【0031】
受信信号は、1次LPF301,2次LPF302,2次LPF303を通るので、受信系全体のローパスフィルタの次数は5次であり、利得は40dBである。一方、送信信号は、バイパススイッチ314,2次LPF302,2次LPF303を通るので、送信系全体のローパスフィルタの次数は4次であり、利得は20dBである。
【0032】
図5に示す送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5は、図3の変形例であり、1次LPF301の代わりに、1次利得可変LPF311を用いている。1次利得可変LPF311の利得は、図1のデジタル信号処理部100からの制御信号によって、0〜20dBに制御される。
【0033】
受信信号は、1次利得可変LPF311,2次LPF302,2次LPF303を通るので、受信系全体のローパスフィルタの次数は5次であり、利得は20〜40dBである。一方、送信信号は、1次利得可変LPF311,2次LPF302,バイパススイッチ304を通るので、送信系全体のローパスフィルタの次数は3次であり、利得は10〜30dBである。
【0034】
また、送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6とは、送信部用ベースバンド利得可変増幅器と受信用ベースバンド利得可変増幅器としての機能を持ち、かつ送信または受信時には、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じてその機能を切り換えることが出来るベースバンド増幅器である。具体的には送信時に用いた場合、入力された送信すべきベースバンド信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できるベースバンド利得可変増幅器として動作し、受信時に用いた場合、入力された受信ベースバンド信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できるベースバンド利得可変増幅器として動作する。
【0035】
以下、第1の実施形態の具体的な動作を説明する。なお具体的な説明を行うに際し、無線通信システムの一例としてGSM900を挙げ、下記表1のような周波数構成を用いることにする。
【0036】
【表1】
Figure 0003746209
【0037】
(送信時)
デジタル信号処理部100より、直流から100kHzまで周波数成分を持つGSM900の送信ベースバンド信号が送信信号入力端子8を介して入力され、送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5に入力される。
【0038】
送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号の内、送信すべき直流成分から100kHzまでのGSM900の信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号を除去した後、GSM900の送信ベースバンド信号を送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6に出力する。
【0039】
送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号を任意の大きさに増幅した後、送受信部共用直交変復調器4に出力する。
【0040】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号を第1のシンセサイザ9より出力される第1のLO信号と乗算し、周波数がGSM900の送信周波数である880〜915MHzであるRF信号に変換した後、そのGSM900の送信RF信号を第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3へ出力する。
【0041】
ここで、第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号の周波数は、GSM900の送信RF周波数と同じ880〜915MHzである。
【0042】
第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3は、入力されたGSM900の送信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10へ出力する。
【0043】
第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10は、入力されたGSM900の送信RF信号のうち、周波数が880〜915MHzまでの送信すべきGSM900の信号成分のみを通過させ、それ以外の不用な信号成分を除去した後、第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11へ出力する。
【0044】
第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11は、入力されたGSM900の送信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送信信号出力端子12を介し、さらに電力増幅器及びアンテナ(共に不図示)を通り外部へ出力する。
【0045】
(受信時)
アンテナ(不図示)で受信したGSM900の受信RF信号が、受信信号入力端子1を介して第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2に入力される。
【0046】
第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2は、入力された受信RF信号のうち、受信すべきGSM900の信号成分である周波数が925〜960MHzの信号成分のみ通過させ、その他の不要な信号成分を除去した後、GSM900の受信RF信号を第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3へ出力する。
【0047】
第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3は、入力されたGSM900の受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送受信部共用直交変復調器4へ出力する。
【0048】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたGSM900の受信RF信号と第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号と乗算し、ベースバンドに周波数変換した後、そのGSM900の受信ベースバンド信号を送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5へ出力する。
【0049】
ここで、第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号の周波数は、GSM900の受信RF信号周波数と同じ、925〜960MHzである。
【0050】
送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5は、入力されたGSM900の受信ベースバンド信号のうち、受信すべきGSM900の信号成分である直流成分から100kHzまでの信号成分のみを通過させ、それ以外の不用な信号成分を除去した後、GSM900の受信ベースバンド信号を送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6へ出力する。
【0051】
送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6は、入力されたGSM900の受信ベースバンド信号を、ある限られた範囲内で任意の値に増幅した後、受信信号出力端子7を介してデジタル信号処理部100へ出力する。
【0052】
以上のように、本発明の第1の実施形態では、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていたRF利得可変増幅器とベースバンド低域通過フィルタとベースバンド利得可変増幅器と直交変調器および直交復調器を共用することで、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信が同時に行われない無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0053】
なお、本発明の第1の実施形態の動作説明において、送受信を同時に行わない無線通信システムの1つの例としてGSM900を取り上げたが、GSM900以外の他の無線通信システムで利用してもよい。
【0054】
(第2の実施形態;送受信を同時に行わない無線通信システムに利用できる無線機であり、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信で共用できる第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13と送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5と送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6とを用いた無線機)
図6は本発明の第2の実施形態であって、送受信を同時に行わない無線通信システムに利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0055】
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態では、受信部用RF低雑音増幅器と送信部用RF利得可変緩衝増幅器との機能を持つ第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3を送信部と受信部で共用していたが、第2の実施形態では、受信部用RF低雑音増幅器と送信部用RF利得可変駆動増幅器との機能を持つ第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13を送信部と受信部で共用する場合である。
【0056】
第2の実施形態は、受信すべき信号の電力値が第1の実施形態を利用する場合の時に比べて大きい時に用いる。
【0057】
図中、図1と同じ符号については図1の説明を参照していただき、ここでは省略する。13は第2の送受信部共用RF利得可変増幅器、14は送信部用RF緩衝増幅器である。
【0058】
ここで、第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13は、送信部用RF利得可変駆動増幅器と受信部用RF利得可変低雑音増幅器の両方の機能を兼ね備え、かつ送信または受信時には、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じてその機能を切り換えることが出来る増幅器である。具体的には、送信時、すなわち送信部用RF利得可変駆動増幅器として用いる場合は、送信部用RF緩衝増幅器14でV-LNA220(後述)の最大入力可能レベル以上に増幅された送信信号を減衰させてから再度増幅させる特性を持つ。一方、受信時、すなわち受信部用RF利得可変低雑音増幅器に用いる場合は、送信時のような入力電力値の制限がないという特性を持つ。
【0059】
図7は、第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13のブロック図である。第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13は可変減衰器(V-ATT)210とその後段の利得可変低雑音増幅器(V-LNA)220を含む。デジタル信号処理部100は、現在扱っている信号が送信信号か受信信号か知っており、可変減衰器210及び利得可変低雑音増幅器220は共に、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じて減衰量及び利得を変化させることができる。
【0060】
可変減衰器210は、送信信号が入力される場合、利得可変低雑音増幅器220は元々、微弱なRF受信信号を入力するように設計されているものであるから、前段である送信部用RF緩衝増幅器14から得られた、利得可変低雑音増幅器220の最大入力電力値を超えるような大きなレベルの信号を、利得可変低雑音増幅器220の最大入力電力値を超えない程度に減衰させる。一方、受信信号が入力される場合、減衰量を0にする。
【0061】
第2の実施形態の具体的な動作は、第1の実施形態の具体的な動作において、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3が送信時に行う動作と第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11の行う動作を、それぞれ図6の送信部用RF緩衝増幅器14と第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13が送信時に行うという点以外は、第1の実施形態と同様であるため、ここでは省略する。
【0062】
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信を同時に行わない無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0063】
(第3の実施形態;送受信を同時に行わない無線通信システムに利用できる無線機であり、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信で共用できる送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15と送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5とを用いた無線機)
図8は本発明の第3の実施形態であって、送受信を同時に行わない無線通信システムに利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0064】
第3の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態は、送信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用いる場合であるが、第3の実施形態は、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」を用いる場合である。
【0065】
図中、図1と同じ符号については図1の説明を参照していただき、ここでは省略する。15は送受信部共用RF/IF利得可変増幅器、16は第1の受信部用ベースバンド利得可変増幅器、17は送信部用中間周波(IF)帯域通過フィルタ、18は第1の周波数変換器、19は第2のシンセサイザである。
【0066】
ここで、送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15とは、送信部用IF利得可変増幅器と受信部用RF利得可変低雑音増幅器の両方の機能を兼ね備え、かつ送信または受信時には、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じてその機能を切り換えることが出来る増幅器である。具体的には送信時に用いた場合は、IF利得可変増幅器として入力されたIF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅させる特性を持つ。一方、受信時に用いた場合は、低雑音増幅器としての特性である雑音指数が十分小さいという特性を持ち、入力された受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能を持つ。送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15のブロック図としては図2が挙げられる。
【0067】
以下、第3の実施形態の具体的な動作を説明する。なお具体的な説明を行うに際し、無線通信システムの一例としてGSM900を挙げ、下記のような周波数構成を用いることにする。
【0068】
【表2】
Figure 0003746209
【0069】
(送信時)
デジタル信号処理部100より、GSM900の送信ベースバンド信号が送信信号入力端子8を介して入力され、送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5に入力される。
【0070】
送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号の内、送信すべき直流成分から100kHzまでのGSM900の信号のみを通過させ、それ以外の不要な信号を除去した後、GSM900の送信ベースバンド信号を送受信部共用直交変復調器4に出力する。
【0071】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号を第1のシンセサイザ9より出力される第1のLO信号と乗算し、周波数がGSM900のIF周波数である190MHzのIF信号に変換した後、そのGSM900の送信IF信号を送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15へ出力する。
【0072】
ここで、第1のシンセサイザ9より出力される第1のLO信号の周波数は、GSM900の送信IF周波数である、190MHzである。
【0073】
送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15は、入力されたGSM900の送信IF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送信部用IF帯域通過フィルタ17へ出力する。
【0074】
送信部用IF帯域通過フィルタ17は、入力されたGSM900の送信IF信号のうち、周波数が190MHz±100kHzの送信すべきGSM900のIF信号成分のみを通過させ、それ以外の不用な信号成分を除去した後、第1の周波数変換器18へ出力する。
【0075】
第1の周波数変換器18は、入力されたGSM900の送信IF信号と第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号とを乗算し、周波数が880〜915MHzまでの送信すべきGSM900の送信RF信号を第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10へ出力する。
【0076】
ここで、第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号の周波数は、GSM900の送信RF周波数と送信IF周波数との和、または差の大きさである、1070〜1105MHzまたは690〜725MHzである。なお、第2のLO信号周波数として、前記のどちらの周波数が使われたとしてもよい。
【0077】
第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10は、入力されたGSM900の送信RF信号のうち、周波数が880〜915MHzまでの送信すべきGSM900の信号成分のみを通過させ、それ以外の不用な信号成分を除去した後、第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11へ出力する。
【0078】
第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11は、入力されたGSM900の送信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送信信号出力端子12を介して外部へ出力する。
【0079】
(受信時)
第3の実施形態の受信時の具体的動作は、第1の実施形態の受信時の具体的な動作における、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3と送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6の動作を、それぞれ送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15と第1の受信部用ベースバンド利得可変増幅器16が行う点のみが異なり、その他の動作は第1の実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
【0080】
以上のように、第3の実施形態では、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていたRFおよびIF利得可変増幅器とベースバンド低域通過フィルタとベースバンド利得可変増幅器と直交変調器および直交復調器を共用することで、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信を同時に行わない無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0081】
なお、第3の実施形態の動作説明において、送受信を同時に行わない無線通信システムの1つの例としてGSM900を取り上げたが、GSM900以外の他の無線通信システムで利用してもよい。
【0082】
(第4の実施形態;送受信を同時に行わない無線通信システムに利用できる無線機であり、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信で共用できる第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13と送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5とを用いた無線機)
図9は本発明の第4の実施形態であって、送受信を同時に行わない無線通信システムに利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0083】
第4の実施形態は、第3の実施形態の変形例であり、第3の実施形態では、受信部用RF低雑音増幅器と送信部用IF利得可変増幅器との機能を持つ送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15を送信部と受信部で共用していたが、第4の実施形態では、受信部用RF低雑音増幅器と送信部用RF利得可変駆動増幅器との機能を持つ第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13を送信部と受信部で共用する場合である。
【0084】
図中、図6又は図8と同じ符号については図6又は図8の説明を参照していただき、ここでは省略する。20は送信部用IF利得可変増幅器である。
【0085】
第4の実施形態の具体的な動作は、前記図8に示す第3の実施形態の具体的な動作において、送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15が送信時に行う動作と第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11の行う動作を、それぞれ図9の送信部用IF利得可変増幅器20と第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13が送信時に行うという点以外は、第3の実施形態と同様であるため、ここでは省略する。
【0086】
第4の実施形態では、第1の実施形態と同様に、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信を同時に行わない無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0087】
(第5の実施形態;送受信を同時に行わない無線通信システムに利用できる無線機であり、送信部の無線方式に「Translation Loop」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信で共用できる送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5とを用いた無線機)
図10は本発明の第5の実施形態であって、送受信を同時に行わない無線通信システムに利用でき、送信部の無線方式に「Translation Loop」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0088】
本発明の第5の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態では、送信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用いていたが、第5の実施形態では送信部の無線方式に「Translation Loop」を用いている場合である。
【0089】
図中、図9と同じ符号については図9の説明を参照していただき、ここでは省略する。21は第1の受信部用低雑音増幅器、22は位相比較器、23はループフィルタ、24は電圧制御発振器である。
【0090】
ここで電圧制御発振器24とは、入力される電圧の大きさに応じて出力する発振信号の周波数を変化させられる発振器であり、入力する電圧値を変えることにより出力する発振周波数を制御できる発振器である。
【0091】
以下、第5の実施形態の具体的な動作を説明する。なお具体的な説明を行うに際し、無線通信システムの一例としてGSM900を挙げ、下記のような周波数構成を用いることにする。
【0092】
【表3】
Figure 0003746209
【0093】
(送信時)
デジタル信号処理部100より、GSM900の送信ベースバンド信号が送信信号入力端子8を介して入力され、送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5に入力される。
【0094】
送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号の内、送信すべき直流成分から100kHzまでのGSM900の信号のみを通過させ、それ以外の不要な信号を除去した後、GSM900の送信ベースバンド信号を送受信部共用直交変復調器4に出力する。
【0095】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号を第1のシンセサイザ9より出力される第1のLO信号と乗算し、周波数がGSM900のIF周波数である95MHzの第1のIF信号に変換した後、その第1のIF信号を位相比較器22へ出力する。
【0096】
ここで、第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号の周波数は、GSM900のIF周波数である95MHzである。
【0097】
位相比較器22には、送受信部共用直交変復調器4から入力される第1のIF信号の他に、第1の周波数変換器18から出力される第2のIF信号が入力される。
【0098】
この第1の周波数変換器18から出力される第2のIF信号は、第1の周波数変換器18において、供給される電圧値に応じて出力するRF発振信号の周波数が変化する電圧制御発振器24から出力されるRF出力発振信号と、第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号とが乗算されて、生成される。
【0099】
ここで、から出力される第2のLO信号の周波数は、GSM900の送信RF周波数と第1のIF信号周波数との和、または差である975〜1010MHzまたは785〜820MHzである。なお、第2のLO信号周波数として、前記のどちらの周波数が使われたとしても、本発明の特許性はなんら損なわれることはない。
【0100】
位相比較器22では、入力された前記第1のIF信号と前記第2のIF信号の位相差を検出し、位相差がある場合は、その差に応じた大きさの電圧を出力する。位相比較器22から出力された電圧はループフィルタ23を通り、電圧制御発振器24に入力される。
【0101】
電圧制御発振器24は、入力された電圧値に応じた発振周波数のRF発振信号を第1の周波数変換器18と、送信信号出力端子12へ出力する。
【0102】
(受信時)
第5の実施形態の受信時の具体的動作は、第1の実施形態の受信時の具体的な動作における、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3と送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6の動作を、それぞれ第1の受信部用低雑音増幅器21と第1の受信部用ベースバンド利得可変増幅器16が行う点のみが異なり、その他の動作は本発明の第1の実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
【0103】
以上のように、第5の実施形態では、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた直交変調器および直交復調器とベースバンド用低域通過フィルタを共用することで、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信を同時に行わない無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0104】
なお、第5の実施形態の動作説明において、送受信を同時に行わない無線通信システムの1つの例としてGSM900を取り上げたが、GSM900以外の他の無線通信システムで利用してもよい。
【0105】
(第6の実施形態;送受信を同時に行う無線通信システムに利用できる無線機であり、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信部で共用できる第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3’と送受信部共用直交変復調器4とを用いた無線機)
図11は本発明の第6の実施形態であって、送受信を同時に行う無線通信システムに利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0106】
第6の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、送受信が同時に行われない無線通信システムで利用できるものであった第1の実施形態を、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用できるようにした場合であり、受信部用RF低雑音増幅器と送信部用RF利得可変緩衝増幅器との機能を持つ第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3’と、送信部用直交変調器と受信部用直交復調器との機能を持つ送受信部共用直交変復調器4とを送信部と受信部で共用した場合である。
【0107】
図中、図1又は図8と同じ符号についてはこれらの図の説明を参照していただき、ここでは省略する。3’は第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3、25は第1の受信部用低域通過フィルタ、26は第1の送信部用低域通過フィルタ、27は送信部用ベースバンド利得可変増幅器である。
【0108】
ここで、第6の実施形態に用いられる第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3’には、第1の実施形態で用いられる第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3と異なる機能が必要となる。
【0109】
一般的に送受信が同時に行われる無線通信システムにおいて、無線機が送信信号を増幅する時は受信信号も増幅する必要がある。具体的に、無線機が端末側である場合を例に取ると、端末が送信RF信号の増幅が行う時は、信号の送信先である基地局が地理的に遠く離れている時であり、この時は端末が受信する基地局から送られる受信RF信号も小さくなるため、端末における受信RF信号の増幅も必要となる。すなわち、端末側における送信RF信号と受信RF信号の増幅は同時に行われる。逆に、基地局側でも同様である。
【0110】
すなわち、第6の実施形態に用いられる第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3’には、送信部用RF利得可変緩衝増幅器と受信部用RF利得可変低雑音増幅器の両方の機能を兼ね備え、かつ送信および受信が同時に行われても、それらの機能を維持できる増幅器が用いられる。具体的には送信RF信号に対しては、RF利得可変緩衝増幅器としての特性である入力インピーダンスが十分に小さく、出力インピーダンスが十分大きいという特性を持ち、入力された送信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能が必要であり、また、同時に受信RF信号に対しては、RF低雑音増幅器としての特性である雑音指数が十分小さいという特性を持ち、入力された受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能が必要となる。
【0111】
図12は、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3’のブロック図である。第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3’は利得可変低雑音増幅器(V-LNA)220とその後段のハイパスフィルタ(HPF)230を含む。V-LNA220はデジタル信号処理部100からの制御信号に応じて利得を変化させることができる。
【0112】
HPF230は、受信信号は減衰せずに、受信信号よりも周波数帯域の低い送信信号のみを減衰させる機能を有していればよい。例えば、1次など次数の低いハイパスフィルタであれば良い。次数が低いので、遮断特性が緩やかになり、送信信号のみを減衰させることができる。
【0113】
したがって、第1の実施形態と同様に、送信信号については、V-LNA220から得られた必要以上に大きな利得を、後段である第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11の最大入力電力値を超えない程度に減衰させることができる。一方、受信信号については、減衰されない。
【0114】
また、本発明の第6の実施形態に用いられる送受信部共用直交変復調器4には、送信部用直交変調器と受信部用直交復調器の両方の機能を兼ね備え、かつ送信ベースバンド信号と受信RF信号に対して、同時にその機能を維持することが出来る直交変復調器である。具体的には入力された送信すべきベースバンド信号をLO信号と乗算することでRF信号に周波数変換する動作を行い、入力された受信RF信号をLO信号と乗算することでベースバンド信号に周波数変換する動作を同時に行える機能が必要となる。
【0115】
以下、本発明の第6の実施形態の具体的な動作を説明する。なお具体的な説明を行うに際し、送受信が同時に行われる無線通信システムの一例としてW-CDMA(Wide-band Code Division Multiple Access)を挙げ、下記のような周波数構成を用いることにする。また、以下の具体的な動作の説明は送信部の動作と受信部の動作に分けて行うが、これらの送受信の動作は同時に行われる。
【0116】
【表4】
Figure 0003746209
【0117】
(送信部の動作)
デジタル信号処理部100より、直流から1.92MHzまで周波数成分を持つW-CDMAの送信ベースバンド信号が送信信号入力端子8を介して入力され、第1の送信部用低域通過フィルタ26に入力される。
【0118】
第1の送信部用低域通過フィルタ26は、入力されたW-CDMAのベースバンド信号のうち、送信すべき直流から1.92MHzまでのW-CDMAの信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号を除去した後、W-CDMAの送信ベースバンド信号を送信部用ベースバンド利得可変増幅器27に出力する。
【0119】
送信部用ベースバンド利得可変増幅器27は、入力されたW-CDMAの送信ベースバンド信号を任意の大きさに増幅した後、送受信部共用直交変復調器4に出力する。
【0120】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたW-CDMAの送信ベースバンド信号を第1のシンセサイザ9より出力される第1のLO信号と乗算し、周波数がW-CDMAの送信周波数である1920〜1980MHzであるRF信号に変換した後、そのW-CDMAの送信RF信号を第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3へ出力する。
【0121】
ここで、から出力される第1のLO信号の周波数は、W-CDMAの送信RF周波数と同じ1920〜1980MHzである。
【0122】
第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3は、入力されたW-CDMAの送信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10へ出力する。
【0123】
第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10は、入力されたW-CDMAの送信RF信号のうち、周波数が1920〜1980MHzまでの送信すべきW-CDMAの信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号成分を除去した後、第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11へ出力する。
【0124】
第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11は、入力されたW-CDMAの送信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送信信号出力端子12を介して外部へ出力する。
【0125】
(受信部の動作)
W-CDMAの受信RF信号が、受信信号入力端子1を介して第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2に入力される。
【0126】
第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2は、入力された受信RF信号のうち、受信すべきW-CDMAの信号成分である周波数が2110〜2170MHzの信号成分のみを通過させ、その他の不要な信号成分を除去した後、W-CDMAの受信RF信号を第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3へ出力する。
【0127】
第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3は、入力されたW-CDMAの受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送受信部共用直交変復調器4へ出力する。
【0128】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたW-CDMAの受信RF信号と第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号とを乗算し、ベースバンドに周波数変換した後、そのW-CDMAの受信ベースバンド信号を第1の受信部用低域通過フィルタ25へ出力する。
【0129】
第1の受信部用低域通過フィルタ25は、入力されたW-CDMAの受信ベースバンド信号のうち、受信すべきW-CDMAの信号成分である直流成分から1.92MHzまでの信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号成分を除去した後、W-CDMAの受信ベースバンド信号を第1の受信部用ベースバンド利得可変増幅器16へ出力する。
【0130】
第1の受信部用ベースバンド利得可変増幅器16は、入力されたW-CDMAの受信ベースバンド信号を、ある限られた範囲内で任意の値に増幅した後、受信信号出力端子7を介してデジタル信号処理部へ出力する。
【0131】
以上のように、第6の実施形態では、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていたRF利得可変増幅器とベースバンド低域通過フィルタとベースバンド利得可変増幅器と直交変調器および直交復調器を共用することで、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信が同時に行われる無線通信システムに利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0132】
また、第6の実施形態の動作説明において、送受信を同時に行う無線通信システムの1つの例としてW-CDMAを取り上げたが、W-CDMA以外の他の無線通信システムで利用してもよい。
【0133】
(第7の実施形態;送受信を同時に行う無線通信システムに利用できる無線機であり、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信で共用できる第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13’と送受信部共用直交変復調器4とを用いた無線機)
図13は本発明の第7の実施形態であって、送受信を同時に行う無線通信システムに利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0134】
第7の実施形態は、第6の実施形態の変形例であり、第6の実施形態では、受信部用RF利得可変低雑音増幅器と送信部用RF利得可変緩衝増幅器との機能を持つ第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3を送信部と受信部で共用していたが、第7の実施形態では、受信部用RF利得可変低雑音増幅器と送信部用RF利得可変駆動増幅器との機能を持つ第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13’を送信部と受信部で共用する場合である。
【0135】
図中、図1,図8又は図11と同じ符号についてはこれらの図の説明を参照していただき、ここでは省略する。13’は第2の送受信部共用RF利得可変増幅器である。
【0136】
ここで、第7の実施形態に用いられる第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13’には、本発明の第2の実施形態で用いられる第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13と異なる機能が必要となる。
【0137】
すなわち、第7の実施形態は、第6の実施形態と同様に、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用される無線機であるため、第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13’には、受信部用RF利得可変低雑音増幅器と送信部用RF利得可変駆動増幅器との両方の機能を兼ね備え、かつ送信および受信が同時に行われても、それらの機能を維持できる増幅器が用いられる。具体的には送信RF信号に対しては、RF利得可変駆動増幅器として入力されたRF信号をある限られた範囲内で、後に続く無線部構成部品を駆動できるだけの任意の大きさに増幅させる特性が必要であり、また、同時に受信RF信号に対しては、RF低雑音増幅器としての特性である雑音指数が十分小さいという特性を持ち、入力された受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能が必要となる。
【0138】
図14は、第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13’のブロック図である。第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13’は可変減衰器(V-ATT)210とその後段の利得可変低雑音増幅器(V-LNA)220の他に、合波器240を含む。V-ATT210及びV-LNA220は共に、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じて減衰量及び利得を変化させることができる。
【0139】
送信信号は、V-ATT210を経由して合波器240に入り、一方、受信信号は、受信信号入力端子から直接、合波器240に入る。そして、合波器240で合波された送信信号及び受信信号がV-LNA220に入る。
【0140】
したがって、第2の実施形態と同様に、送信信号については、前段である送信部用RF緩衝増幅器14から得られた、利得可変低雑音増幅器220の最大入力電力値を超えるような大きなレベルの信号を、利得可変低雑音増幅器220の最大入力電力値を超えない程度に減衰させることができる。一方、受信信号については、減衰されない。
【0141】
また、第7の実施形態に用いられる送受信部共用直交変復調器4には、第6の実施形態で用いられる送受信部共用直交変復調器4と同様な特性が必要となる。
【0142】
第7の実施形態の具体的な動作は、前記第6の実施形態の具体的な動作において、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3の送信部における動作と第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11の行う動作が、それぞれ第7の実施形態の送信部用RF緩衝増幅器14と第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13の送信部における動作になるという点以外は、第6の実施形態と同様であるため、ここでは省略する。
【0143】
以上のように、第7の実施形態では、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていたRF利得可変増幅器と直交変調器および直交復調器を共用することで、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信が同時に行われる無線通信システムに利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0144】
また、第7の実施形態の動作説明において、送受信を同時に行う無線通信システムの1つの例としてW-CDMAを取り上げたが、W-CDMA以外の他の無線通信システムで利用してもよい。
【0145】
(第8の実施形態;送受信を同時に行う無線通信システムに利用できる無線機であり、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」を用い、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信部で共用できる送受信部共用RF/IF利得可変増幅器と送受信部共用直交変復調器とを用いた無線機)
図15は本発明の第8の実施形態であって、送受信を同時に行う無線通信システムに利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」を用い、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0146】
第8の実施形態は、第6の実施形態の変形例であり、第6の実施形態では、「Direct-Conversion」であった送信部の無線方式を「Super-Heterodyne」とした場合である。
【0147】
図中、図8又は図11と同じ符号についてはこれらの図の説明を参照していただき、ここでは省略する。
【0148】
ここで、第8の実施形態に用いられる送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15は、第3の実施形態でも用いられるが、第8の実施形態で用いられる場合は、第3の実施形態の場合と異なる機能が必要となる。
【0149】
すなわち、第8の実施形態は、第6の実施形態と同様に、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用される無線機であるため、送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15には、受信部用RF利得可変低雑音増幅器と送信部用IF利得可変増幅器との両方の機能を兼ね備え、かつ送信および受信が同時に行われても、それらの機能を維持できる増幅器が用いられる。具体的には送信IF信号に対しては、IF利得可変増幅器として入力されたIF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅させる特性を持ち、また、同時に受信RF信号に対しては、RF低雑音増幅器としての特性である雑音指数が十分小さいという特性を持ち、入力された受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能が必要となる。
【0150】
また、第1のシンセサイザ9には、第6の実施形態で用いられる場合と異なる機能が必要となる。すなわち、受信RF信号の周波数変換にはRF周波数のLO信号が必要となり、送信ベースバンド信号にはIF周波数のLO信号が必要となり、これらのLO信号は同時に必要とされる。一例として、異なる周波数帯のLO信号を発振させるデュアルモード発振器が挙げられる。
【0151】
また、本発明の第8の実施形態に用いられる送受信部共用直交変復調器4には、第6の実施形態で用いられる場合と異なる特性が求められる。すなわち、第8の実施形態では、送信ベースバンド信号と第1のシンセサイザ9から出力されるIF周波数の第1のLO信号との乗算と、受信RF信号と第1のシンセサイザ9から出力されるRF周波数の第3のLO信号との乗算を同時に行うという機能が必要になる。
【0152】
以下、第8の実施形態の具体的な動作を説明する。なお具体的な説明を行うに際し、送受信が同時に行われる無線通信システムの一例としてW-CDMAを挙げ、下記のような周波数構成を用いることにする。また、以下の具体的な動作の説明は送信部の動作と受信部の動作に分けて行うが、これらの送受信の動作は同時に行われる。
【0153】
【表5】
Figure 0003746209
【0154】
(送信部の動作)
デジタル信号処理部100より、直流から1.92MHzまで周波数成分を持つW-CDMAの送信ベースバンド信号が送信信号入力端子8を介して入力され、第1の送信部用低域通過フィルタ26に入力される。
【0155】
第1の送信部用低域通過フィルタ26は、入力されたW-CDMAのベースバンド信号のうち、送信すべき直流から1.92MHzまでのW-CDMAの信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号を除去した後、W-CDMAの送信ベースバンド信号を送受信部共用直交変復調器4に出力する。
【0156】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたW-CDMAの送信ベースバンド信号を第1のシンセサイザ9より出力される第1のLO信号と乗算し、周波数がW-CDMAの送信IF周波数である380MHzのIF信号に変換した後、そのW-CDMAの送信IF信号を送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15へ出力する。
【0157】
ここで、第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号の周波数は、W-CDMAの送信IF周波数と同じ380MHzである。
【0158】
送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15は、入力されたW-CDMAの送信IF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送信部用IF帯域通過フィルタ17へ出力する。
【0159】
送信部用IF帯域通過フィルタ17は、入力されたW-CDMAの送信IF信号のうち、周波数が380MHz±1.92MHzの送信すべきW-CDMAのIF信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号成分を除去した後、第1の周波数変換器18へ出力する。
【0160】
第1の周波数変換器18は、入力されたW-CDMAの送信IF信号と第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号とを乗算し、周波数が1920〜1980MHzまでの送信すべきW-CDMAの送信RF信号を第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10へ出力する。
【0161】
ここで、第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号の周波数は、W-CDMAの送信RF周波数と送信IF周波数との和、または差の大きさである、2300〜2360MHzまたは1540〜1600MHzである。なお、第2のLO信号周波数として、前記のどちらの周波数が使われたとしてもよい。
【0162】
第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10は、入力されたW-CDMAの送信RF信号のうち、周波数が1920〜1980MHzまでの送信すべきW-CDMAの信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号成分を除去した後、第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11へ出力する。
【0163】
第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11は、入力されたW-CDMAの送信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、送信信号出力端子12を介して外部へ出力する。
【0164】
(受信部の動作)
第8の実施形態における受信部の動作は、第6の実施形態における受信部の動作において、第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3の動作を送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15が行う点のみ異なり、その他の動作は第6の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0165】
以上のように、第8の実施形態では、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていたRF利得可変増幅器と直交変調器および直交復調器を共用することで、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信が同時に行われる無線通信システムに利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0166】
また、第8の実施形態の動作説明において、送受信を同時に行う無線通信システムの1つの例としてW-CDMAを取り上げたが、W-CDMA以外の他の無線通信システムで利用してもよい。
【0167】
(第9の実施形態;送受信を同時に行う無線通信システムに利用できる無線機であり、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」を用い、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信部で共用できる第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13と送受信部共用直交変復調器4とを用いた無線機)
図16は本発明の第9の実施形態であって、送受信を同時に行う無線通信システムに利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」を用い、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0168】
第9の実施形態は、第8の実施形態の変形例であり、第8の実施形態では、受信部用RF低雑音増幅器と送信部用IF利得可変増幅器との機能を持つ送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15を送信部と受信部で共用していたが、第9の実施形態では、受信部用RF低雑音増幅器と送信部用RF利得可変駆動増幅器との機能を持つ第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13を送信部と受信部で共用する場合である。
【0169】
図中、図8又は図11と同じ符号についてはこれらの図の説明を参照していただき、ここでは省略する。
【0170】
ここで、第9の実施形態に用いられる第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13は、第4の実施形態でも用いられるが、第9の実施形態で用いられる場合は、本発明の第4の実施形態の場合と異なる機能が必要となる。
【0171】
すなわち、第9の実施形態は、第6の実施形態と同様に、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用される無線機であるため、第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13には、受信部用RF利得可変低雑音増幅器と送信部用RF利得可変駆動増幅器との両方の機能を兼ね備え、かつ送信および受信が同時に行われても、それらの機能を維持できる増幅器が用いられる。具体的には送信RF信号に対しては、RF利得可変駆動増幅器として入力されたRF信号をある限られた範囲内で、後ろに続く無線部構成部品を駆動できるだけの任意の大きさに増幅させる機能が必要となり、また、同時に受信RF信号に対しては、RF低雑音増幅器としての特性である雑音指数が十分小さいという特性を持ち、入力された受信RF信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅できる機能が必要となる。
【0172】
また、第1のシンセサイザ9には、第8の実施形態で用いられる場合と同様に、LO信号としてRF周波数とIF周波数のLO信号を同時に出力できる機能が必要となる。
【0173】
また、第9の実施形態に用いられる送受信部共用直交変復調器4には、第8の実施形態で用いられる場合と同様に、送信ベースバンド信号と第1のシンセサイザ9から出力されるIF周波数のLO信号との乗算と、受信RF信号と第1のシンセサイザ9から出力されるRF周波数のLO信号との乗算を同時に行うという機能が必要になる。
【0174】
第9の実施形態の具体的な動作は、前記第8の実施形態の具体的な動作において、送受信部共用RF/IF利得可変増幅器15が送信時に行う動作と第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器11の行う動作を、第9の実施形態の送信部用IF利得可変増幅器20と第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13が送信時に行うという点以外は、第8の実施形態と同様であるため、ここでは省略する。
【0175】
第9の実施形態では、第8の実施形態と同様に、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、送受信を同時に行わない無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0176】
また、第9の実施形態の動作説明においても、送受信を同時に行う無線通信システムの1つの例としてW-CDMAを取り上げたが、W-CDMA以外の他の無線通信システムで利用してもよい。
【0177】
(第10の実施形態;複数の無線通信システムに利用できる無線機であり、送信部の無線方式として「Direct-Conversion」か「Super-Heterodyne」か「Translation Loop」かを選択でき、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信部で共用できる第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32と送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34と送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6を用いた無線機)
図17は本発明の第10の実施形態であって、複数の無線通信システムに利用でき、送信部の無線方式として「Direct-Conversion」か「Super-Heterodyne」か「Translation Loop」かを選択でき、受信部の無線方式として「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0178】
第10の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態では、送受信を同時に行わない1つの無線通信システムのみに利用できる無線機であったが、第10の実施形態は送受信を同時に行う行わないに拠らず、少なくとも3つ以上の無線通信システムに利用できる無線機である。
【0179】
本発明の第10の実施形態の特徴は、複数の無線通信システムで利用できる送信部および受信部を持ち、かつ送信部と受信部で第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32と送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34と送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6を共用することである。
【0180】
図中、図1乃至図17と同じ符号についてはこれらの図の説明を参照していただき、ここでは省略する。28は第1の受信信号切り換え手段、29は第2の受信部用RF帯域通過フィルタ、30は第3の受信部用RF帯域通過フィルタ、31は第2の受信信号切り換え手段、32は第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器、33は受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット、34は送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ、35は第1の送信ベースバンド信号切り換え手段、36は第2の送信ベースバンド信号切り換え手段、37は第1の送信信号切り分け手段、38は第2の送信信号切り分け手段、39はRF送信信号切り換え手段である。
【0181】
ここで、第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32は、IF信号からRF信号までをある限られた範囲内で任意の大きさに増幅でき、かつ送受信を同時に行う無線通信システムにおいて送信信号と受信信号が同時に入力された場合でも、前記動作を同時かつ正常に行う機能を有する。
【0182】
また、送受信部共用直交変復調器4は、入力されたベースバンド信号をIFまたはRF信号に周波数変換し、また入力されたIFまたはRF信号をベースバンド信号に周波数変換し、かつ送受信を同時に行う無線通信システムで用いた場合には、同時に入力される入力信号に対し、前記動作を同時かつ正常に行える機能を有する。
【0183】
また、送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34は、入力されたベースバンド信号のうち、必要な信号成分のみ通過させ、その他の不要な信号成分を除去する機能を有する。
【0184】
また、送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6は、入力されたベースバンド信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅する機能を有する。
【0185】
また、受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33とは、受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備え、利用する無線通信システムが受信部用RF帯域通過フィルタを必要とする場合は、信号を受信部用RF帯域通過フィルタに通し、必要としない場合は、信号伝送路に通すという動作をするユニットである。
【0186】
以下、第10の実施形態の具体的な動作を説明する。なお具体的な説明を行うに際し、無線通信システムの例として、無線方式に「Translation Loop」を用いる無線通信システムにGSM900、「Direct-Conversion」を用いる無線通信システムにPHS、「Super-Heterodyne」を用いる無線通信システムにW-CDMAを挙げ、下記のような周波数構成を用いることにする。
【0187】
また、W-CDMAは送受信が同時に行われる無線通信システムであり、GSM900とPHSは送受信が同時に行われない無線システムである。
【0188】
【表6】
Figure 0003746209
【0189】
(1)GSM900で用いる場合
(送信部の動作)
デジタル信号処理部100より、送信すべきGSM900の送信ベースバンド信号が送信信号入力端子8を介して第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35へ入力される。
【0190】
第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35は、入力された信号が送受信を同時に行う無線通信システムの信号である場合、入力された信号を第1の送信部用低域通過フィルタ26に出力し、送受信を同時に行わない無線通信システムの信号である場合、送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34に出力する。
【0191】
今、第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35に入力された信号は、送受信を同時に行わないGSM900の送信ベースバンド信号であるため、第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号を送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34へ出力する。
【0192】
送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号のうち、送信すべきGSM900の送信信号である、直流成分から100kHzまでの信号のみ通過させ、それ以外の不要な信号は除去し、送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6へ出力する。
【0193】
送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号をある限られた範囲内で任意の大きさに増幅し、第2の送信ベースバンド信号切り換え手段36へ出力する。
【0194】
第2の送信ベースバンド信号切り換え手段36は、送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6または第1の送信部用低域通過フィルタ26から入力された送信ベースバンド信号を送受信部共用直交変復調器4へ出力する。
【0195】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたGSM900の送信ベースバンド信号と第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号とを乗算し、周波数が95MHzであるGSM900の第1のIF信号を生成し、第1の送信信号切り分け手段37に出力する。
【0196】
ここで、第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号の周波数は、GSM900のIF周波数である95MHzである。
【0197】
第1の送信信号切り分け手段37は、入力された信号が「Translation Loop」を用いる無線通信システムの信号か、「Super-Heterodyne」または「Direct-Conversion」を用いる無線通信システムの信号かによって、入力された信号を位相比較器22または第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32に出力する。
【0198】
今、入力された信号はGSM900の第1の送信IF信号であるため第1の送信信号切り分け手段37は入力された信号を位相比較器22へ出力するように動作する。
【0199】
位相比較器22には、前記第1の送信信号切り分け手段37からのGSM900の第1の送信IF信号の他に、第1の周波数変換器18から出力される第2のIF信号が入力される。
【0200】
ここで、第2のIF信号とは、第1の周波数変換器18にて電圧制御発振器24から出力されるRF発振信号と第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号との乗算により生成されるIF信号である。
【0201】
また、第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号の周波数は、GSM900の送信RF周波数である880〜915MHzよりIF周波数の95MHzだけ高いまたは低い周波数である、975〜1010MHzまたは785〜820MHzである。
【0202】
ここで、第2のLO信号の周波数として前記どちらの周波数が使われたとしてもよい。
【0203】
位相比較器22は、入力された前記第1の送信IF信号と第2のIF信号の位相差を検出し、その差に応じた電圧をループフィルタ23を介して電圧制御発振器24へ出力する。
【0204】
電圧制御発振器24は、入力された電圧の大きさに応じた発振周波数のRF発振信号をRF送信信号切り換え手段39に出力する。
【0205】
RF送信信号切り換え手段39は、入力されたRF発振信号を送信信号出力端子12を介して外部へ出力する。
【0206】
(受信部の動作)
受信信号入力端子1を介して入力された周波数915〜960MHzのGSM900の受信RF信号は、第1の受信信号切り換え手段28に入力される。
【0207】
第1の受信信号切り換え手段28は、入力された受信RF信号が何の無線通信システムの信号なのかにより信号を切り分け、第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2か第2の受信部用RF帯域通過フィルタ29か第3の受信部用RF帯域通過フィルタ30にその受信RF信号を出力する。
【0208】
今、仮に第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2がGSM900用、第2の受信部用RF帯域通過フィルタ29がPHS用、第3の受信部用RF帯域通過フィルタ30がW-CDMA用のRF帯域通過フィルタであるとすると、GSM900の受信RF信号を第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2に出力するように動作する。
【0209】
第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2は、入力された受信RF信号のうち、受信すべきGSM900の受信RF信号である周波数915MHz〜960MHzまでの信号を通過させ、それ以外の不要な信号成分を除去し、第2の受信信号切り換え手段31を介して第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32へ出力する。
【0210】
第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32は、入力されたGSM900の受信RF信号をある範囲内で任意の大きさに増幅し、受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33へ出力する。
【0211】
受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33は、入力された受信RF信号が受信部用RF帯域通過フィルタを必要とするか、そうでないかにより、受信RF信号の伝送路を切り換える。
【0212】
今、GSM900は受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33内の受信部用RF帯域通過フィルタを必要としない無線通信システムであるとすると、受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33は入力された受信RF信号が伝送路を通るように動作し、信号を送受信部共用直交変復調器4に入力する。
【0213】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたGSM900の受信RF信号と第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号とを乗算し、GSM900の受信ベースバンド信号を送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34に出力する。
【0214】
ここで、第1のLO信号の周波数は、受信RF信号の周波数と同じ915〜960MHzである。
【0215】
送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34は、入力された受信ベースバンド信号のうち、受信すべきGSM900の信号成分である、直流成分から100kHzまでの信号成分のみを通過させ、その他の不要な信号成分は除去し、送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6へ出力する。
【0216】
送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6に入力された受信ベースバンド信号を、ある範囲内で任意の大きさに増幅し、受信信号出力端子7を介してデジタル信号処理部へ出力する。
【0217】
(2)PHSで用いる場合
(送信部の動作)
デジタル信号処理部100よりPHSの送信ベースバンド信号が、送信信号入力端子8を介して第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35に入力される。
【0218】
PHSは送受信を同時に行わない無線通信システムであるため、第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35は、入力されたPHSの送信ベースバンド信号を送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34へ出力する。
【0219】
送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34は、入力された送信ベースバンド信号のうち、直流成分から192kHzまでの送信すべきPHSの送信ベースバンド信号を通過させ、その他の不要な信号成分は除去し、送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6へ出力する。
【0220】
送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6は、入力されたPHSの送信ベースバンド信号をある範囲内で任意の大きさに増幅した後、第2の送信ベースバンド信号切り換え手段36を介して送受信部共用直交変復調器4へ出力する。
【0221】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたPHSの送信ベースバンド信号と第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号とを乗算し、PHSの送信RF信号を生成し、第1の送信信号切り分け手段37を介して第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32へ出力する。
【0222】
ここで、第1のLO信号の周波数は、PHSの送信RF周波数と同じ1894〜1919MHzである。
【0223】
第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32は、入力されたPHSの送信RF信号をある範囲内で任意の大きさに増幅し、第2の送信信号切り分け手段38を介して第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10に出力する。
【0224】
第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10は、入力されたPHSの送信RF信号のうち、周波数が1894〜1919MHzの送信すべきPHSの送信RF信号成分のみを通過させ、その他の不要な信号成分は除去し、RF送信信号切り換え手段39、送信信号出力端子12を介して、外部へ出力する。
【0225】
(受信部の動作)
PHSで利用する場合の受信部の動作は、前記GSM900の受信部の動作の説明において、GSM900用の第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2をPHS用の第2の受信部用RF帯域通過フィルタ29とし、送受信部共用直交変復調器4に入力される第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号の周波数をPHSの周波数である1894〜1919MHzとし、送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34の信号通過帯域の周波数が直流成分から192kHzとした場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0226】
(3)W-CDMAで用いる場合
(送信部の動作)
デジタル信号処理部100より、送信すべきW-CDMAのベースバンド信号が送信信号入力端子8を介して第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35に入力される。
【0227】
W−CDMAは、送受信を同時に行う無線通信システムであるため、第1の送信ベースバンド信号切り換え手段35は、入力されたW-CDMAの送信ベースバンド信号を第1の送信部用低域通過フィルタ26へ出力する。
【0228】
第1の送信部用低域通過フィルタ26は、入力されたW-CDMAの送信ベースバンド信号のうち、周波数が直流成分から1.92MHzの送信すべきW-CDMAの信号成分のみを通過させ、それ以外の不要な信号成分は除去し、第2の送信ベースバンド信号切り換え手段36を介し、送受信部共用直交変復調器4に出力する。
【0229】
送受信部共用直交変復調器4は、入力されたW-CDMAの送信ベースバンド信号と第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号とを乗算し、W-CDMAの送信IF信号を生成し、第1の送信信号切り分け手段37を介して第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32に出力する。
【0230】
ここで、第1のLO信号の周波数は、W-CDMAのIF信号周波数である380MHzである。
【0231】
第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32は、入力されたW-CDMAの送信IF信号をある範囲内で任意の大きさに増幅した後、第2の送信信号切り分け手段38を介して送信部用IF帯域通過フィルタ17に入力する。
【0232】
送信部用IF帯域通過フィルタ17は、入力されたW-CDMAの送信IF信号のうち、周波数が380±1.92MHzの送信すべきW-CDMAの送信IF信号のみ通過させ、その他の不要な信号は除去し、第1の周波数変換器18へ出力する。
【0233】
第1の周波数変換器18は、入力されたW-CDMAの送信IF信号と第2のシンセサイザ19から出力される第2のLO信号とを乗算し、W-CDMAの送信RF信号を生成し、RF送信信号切り換え手段39、送信信号出力端子12を介して外部へ出力する。
【0234】
ここで、第2のLO信号の周波数は、W-CDMAの送信RF周波数である1920〜1980MHzから380MHz高いまたは低い周波数である、2300〜2360MHzまたは1540〜1600MHzである。なお、第2のLO信号の周波数に前記どちらの周波数を用いたとしてもよい。
【0235】
(受信部の動作)
W-CDMAで利用している時の受信部の動作は、前記GSM900の受信部の動作の説明において、GSM900用の第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2をW-CDMA用の第3の受信部用RF帯域通過フィルタ30とし、受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33において受信部用RF帯域通過フィルタを通過し、第1のシンセサイザ9から出力される第1のLO信号の周波数がW-CDMAの送信RF周波数である1920〜1980MHzであり、送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34の通過帯域が直流成分から1.92MHzまでの周波数になること以外は、GSM900の受信部の動作と同様であるために、ここでは説明を省略する。
【0236】
本発明の第10の実施形態では、送信部と受信部で無線部構成部品を共用することで、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、複数の無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0237】
また、本発明の第10の実施形態の動作説明において、無線方式に「Translation Loop」を用いる無線通信システムにGSM900、「Direct-Conversion」を用いる無線通信システムにPHS、「Super-Heterodyne」を用いる無線通信システムにW-CDMAを挙げたが、これ以外の無線方式と無線通信システムの組み合わせであってもよい。
【0238】
尚、上述した切り換え手段28,31,33及び35〜39はデジタル信号処理部100からの制御信号に応じて切り換えを行っている。
【0239】
(第11の実施形態;複数の無線通信システムに利用できる無線機であり、送信部の無線方式として「Direct-Conversion」か「Super-Heterodyne」か「Translation Loop」かを選択でき、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送受信部で共用できる送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ40と第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器32と送受信部共用直交変復調器4と送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ34と送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器6を用いた無線機)
図18は本発明の第11の実施形態であって、複数の無線通信システムに利用でき、送信部の無線方式として「Direct-Conversion」か「Super-Heterodyne」か「Translation Loop」かを選択でき、受信部の無線方式として「Direct-Conversion」を用い、従来、送信部と受信部でそれぞれ別々に設けられていた無線部構成部品を送信部と受信部で共用した無線機である。
【0240】
第11の実施形態は、第10の実施形態の変形例であり、第10の実施形態で用いていた、第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2、第2の受信部用RF帯域通過フィルタ29、第3の受信部用RF帯域通過フィルタ30、第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10の代わりに送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ40を用い、受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33の代わりに受信部用帯域可変RF帯域通過フィルタ41を用いた場合である。
【0241】
第10の実施形態の特徴は、無線部構成部品の数を減らすために、送信部と受信部で共用できる送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ40を用いた点である。
【0242】
この送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ40とは、通過させる信号の周波数および帯域幅をある範囲内で任意の大きさに変えることが可能であるフィルタである。
【0243】
図中、図16と同じ符号についてはこれらの図の説明を参照していただき、ここでは省略する。40は送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ、41は受信部用帯域可変RF帯域通過フィルタである。
【0244】
ここで、第11の実施形態に用いられる送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ40は、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じて、前記のように通過帯域の中心周波数および帯域幅をある範囲内で任意の大きさに調整することが可能である。
【0245】
また、受信部用帯域可変RF帯域通過フィルタ41は、デジタル信号処理部100からの制御信号に応じて、入力された受信RF信号に対し、その入力された信号から不要な信号を除去する必要がある場合は、不要な信号を除去する帯域通過フィルタとして動作し、不要な信号を除去する必要がない場合はそのまま信号を通過させるように動作する。
【0246】
第11の実施形態の具体的な動作は、受信部の動作については、第10の実施形態の動作において第1の受信信号切り換え手段28と第1の受信部用RF帯域通過フィルタ2と第2の受信部用RF帯域通過フィルタ29と第3の受信部用RF帯域通過フィルタ30と第2の受信信号切り換え手段31と第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10との動作を送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ40が行い、受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット33の動作を受信部用帯域可変RF帯域通過フィルタ41が行った場合に等しく、また送信部の動作については、第1の送信部用RF帯域通過フィルタ10の動作を送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ40が行う場合に等しいため、ここでは説明の省略する。
【0247】
第11の実施形態では、第10の実施形態と同様に、無線部構成部品を減らしつつも従来の無線機と同等の機能を有し、複数の無線通信システムで利用できる無線機を実現することが可能となる。
【0248】
また、第11の実施形態の動作説明においても、第10の実施形態の場合と同様に、これ以外の無線方式と無線通信システムの組み合わせであってもよい。
【0249】
【発明の効果】
本発明によれば、無線機の送信部と受信部の部品を共通化でき、小型で軽量な無線送受信機を提供することができ、特に、複数の無線通信システムで利用できるマルチモードの無線送受信機でありながら、小型で軽量なマルチモード無線送受信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われない無線通信システムで利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF利得可変増幅器と直交変調器とベースバンド低域通過フィルタとベースバンド利得可変増幅器とを共用した無線機のブロック図。
【図2】 第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3のブロック図。
【図3】 送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ5のブロック図。
【図4】 図3の変形例を示す図。
【図5】 図3の別の変形例を示す図。
【図6】 本発明の第2の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われない無線通信システムで利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF利得可変増幅器と直交変調器とベースバンド低域通過フィルタとベースバンド利得可変増幅器とを共用した無線機のブロック図。
【図7】 第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13のブロック図。
【図8】 本発明の第3の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われない無線通信システムで利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF/IF利得可変増幅器と直交変調器とベースバンド低域通過フィルタとを共用した無線機のブロック図。
【図9】 本発明の第4の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われない無線通信システムで利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF利得可変増幅器と直交変調器とベースバンド低域通過フィルタとを共用した無線機のブロック図。
【図10】 本発明の第5の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われない無線通信システムで利用でき、送信部の無線方式に「Translation Loop」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部で直交変調器とベースバンド低域通過フィルタとを共用した無線機のブロック図。
【図11】 本発明の第6の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部で、RF利得可変増幅器と直交変調器とを共用した無線機のブロック図。
【図12】 第1の送受信部共用RF利得可変増幅器3’のブロック図。
【図13】 本発明の第7の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用でき、送受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部で、RF利得可変増幅器と直交変調器とを共用した無線機のブロック図。
【図14】 第2の送受信部共用RF利得可変増幅器13’のブロック図。
【図15】 本発明の第8の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF/IF利得可変増幅器と直交変調器とを共用した無線機のブロック図。
【図16】 本発明の第9の実施形態に係る無線送受信機であり、送受信が同時に行われる無線通信システムで利用でき、送信部の無線方式に「Super-Heterodyne」、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF利得可変増幅器と直交変調器とを共用した無線機のブロック図。
【図17】 本発明の第10の実施形態に係る無線送受信機であり、送信部の無線方式として「Direct-Conversion」または「Super-Heterodyne」または「Translation Loop」を用い、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF/IF利得可変増幅器と直交変調器とベースバンド帯域可変低域通過フィルタとベースバンド利得可変増幅器とを共用し、切り換え手段等により信号経路や仕様部品を切り換えることで複数の無線通信システムで利用できる無線機のブロック図。
【図18】 本発明の第11の実施形態を表す無線送受信機であり、送信部の無線方式として「Direct-Conversion」または「Super-Heterodyne」または「Translation Loop」を用い、受信部の無線方式に「Direct-Conversion」を用い、送信部と受信部でRF/IF帯域可変帯域通過フィルタとRF/IF利得可変増幅器と直交変調器とベースバンド帯域可変低域通過フィルタとベースバンド利得可変増幅器とを共用し、中心周波数や通過帯域幅を任意の値に調整できる帯域通過フィルタを用い、切り換え手段等により信号経路を切り換えることで複数の無線通信システムで利用できる無線機のブロック図。
【図19】 従来の技術を用いて構成した、複数の無線通信システムで利用できる無線機の図。
【符号の説明】
1 受信信号入力端子
2 第1の受信部用RF帯域通過フィルタ
3,3’ 第1の送受信部共用RF利得可変増幅器
4 送受信部共用直交変復調器
5 送受信部共用ベースバンド低域通過フィルタ
6 送受信部共用ベースバンド利得可変増幅器
7 受信信号出力端子
8 送信信号入力端子
9 第1のシンセサイザ
10 第1の送信部用RF帯域通過フィルタ
11 第1の送信部用RF利得可変駆動増幅器
12 送信信号出力端子
13,13’ 第2の送受信部共用RF利得可変増幅器
14 送信部用RF緩衝増幅器
15 送受信部共用RF/IF利得可変増幅器
16 第1の受信部用ベースバンド利得可変増幅器
17 送信部用IF帯域通過フィルタ
18 第1の周波数変換器
19 第2のシンセサイザ
20 送信部用IF利得可変増幅器
21 第1の受信部用低雑音増幅器
22 位相比較器
23 ループフィルタ
24 電圧制御発振器
25 第1の受信部用低域通過フィルタ
26 第1の送信部用低域通過フィルタ
27 送信部用ベースバンド利得可変増幅器
28 第1の受信信号切り換え手段
29 第2の受信部用RF帯域通過フィルタ
30 第3の受信部用RF帯域通過フィルタ
31 第2の受信信号切り換え手段
32 第2の送受信部共用のRF/IF利得可変増幅器
33 受信部用RF帯域通過フィルタと信号伝送路とそれらの切り換え手段を備えたユニット
34 送受信部共用ベースバンド帯域可変低域通過フィルタ
35 第1の送信ベースバンド信号切り換え手段
36 第2の送信ベースバンド信号切り換え手段
37 第1の送信信号切り分け手段
38 第2の送信信号切り分け手段
39 RF送信信号切り換え手段
40 送受信部共用帯域可変RF帯域通過フィルタ
41 受信部用帯域可変RF帯域通過フィルタ
42 第1の直交復調器
43 第2の受信部用低域通過フィルタ
44 第2の直交復調器
45 第2の受信部用低域通過フィルタ
46 第2の受信部用ベースバンド利得可変増幅器
47 第4の受信部用RF帯域通過フィルタ
48 第3の受信部用低雑音増幅器
49 第3の直交復調器
50 第3の受信部用低域通過フィルタ
51 第3の受信部用ベースバンド利得可変増幅器
52 第1の直交変調器
53 第2の送信部用RF帯域通過フィルタ
54 第2の直交変調器
55 第2の送信用低域通過フィルタ
56 第2の周波数変換器
57 第3の直交変調器
58 第3の送信部用低域通過フィルタ
100 デジタル信号処理部
210 可変減衰器
220 利得可変低雑音増幅器
230 HPF
240 合波器
301 1次LPF
302 2次LPF
303 2次LPF
304,314 バイパススイッチ
311 1次利得可変LPF

Claims (4)

  1. ベースバンド送信信号及びベースバンド受信信号を処理するデジタル信号処理部と、
    送信用ローカル発振信号及び受信用ローカル発振信号を出力する周波数シンセサイザと、
    前記ベースバンド送信信号と前記送信用ローカル発振信号とにより高周波送信信号を出力するとともに、受信した高周波受信信号と前記受信用ローカル信号とにより前記ベースバンド受信信号を出力する直交変復調器と、
    前記直交変復調器から出力された前記高周波送信信号を増幅して高周波送信信号出力端子へ供給するとともに、高周波受信信号入力端子から得られた前記高周波受信信号を増幅して前記直交変復調器に供給する送受共用可変利得増幅器と、
    前記デジタル信号処理部からのベースバンド送信信号及び前記直交変復調器からのベースバンド受信信号が選択的に供給される送受共用ベースバンド低域通過フィルタを備え、
    前記送受共用ベースバンド低域通過フィルタは、
    多段の低域通過フィルタと、
    前記多段の低域通過フィルタの次数を、送信時には低くし、受信時には高くする切り換え手段を有し、
    送信時には、前記送受共用ベースバンド低域通過フィルタを通過したベースバンド送信信号が前記直交変復調器に供給され、
    受信時には、前記送受共用ベースバンド低域通過フィルタを通過したベースバンド受信信号が前記デジタル信号処理部に供給されることを特徴とする無線送受信機。
  2. 前記送受共用可変利得増幅器は、可変利得増幅器と、前記可変利得増幅器の出力を受け取る減衰手段を含むことを特徴とする請求項1記載の無線送受信機。
  3. 前記送受共用可変利得増幅器は、減衰手段と、前記減衰手段の出力を受け取る可変利得増幅器を含むことを特徴とする請求項1記載の無線送受信機。
  4. 前記デジタル信号処理部は、複数の無線通信システムの中から利用する無線通信システムに応じて、
    前記周波数シンセサイザから出力される送信用及び受信用ローカル発振信号の周波数帯を制御すると共に、前記送受共用可変利得増幅器の利得を制御することを特徴とする請求項1記載の無線送受信機。
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