JP3745729B2 - 電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出方法及び電子透かし埋め込み装置、及び電子透かし検出装置、及び電子透かし埋め込みプログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かしシステム - Google Patents

電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出方法及び電子透かし埋め込み装置、及び電子透かし検出装置、及び電子透かし埋め込みプログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かしシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出方法及び電子透かし埋め込み装置、及び電子透かし検出装置、及び電子透かし埋め込みプログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かしシステムに係り、特に、ディジタルコンテンツの著作権保護を実現するために、コンテンツ自体の情報を人間には知覚出来ない程度の微小量だけ変更し、当該コンテンツ内に、人間の知覚に感知されないようにするための情報である透かし情報を埋め込み、その透かし情報を検出するための電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出方法及び電子透かし埋め込み装置、及び電子透かし検出装置、及び電子透かし埋め込みプログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かしシステムに関する。
【0002】
近年、ディジタルコンテンツをネットワークを利用して送信することが、音声・動画・静止画などのディジタル情報に対する技術(例えば、JPEG方式[Joint Picture Coding Expert Group ]など)の進歩により、容易になってきている。また、ネットワークによるコンテンツの流通も、インターネットなどの情報インフラの普及に伴い始まりつつある。
【0003】
ところが、ネットワークによって配送されるコンテンツは、ディジタル情報であるため、パーソナルコンテンツなどを用いて完全な複製を行うことが容易である。また、インターネットなどの情報インフラでは、すべての利用者が情報発信者となり得るため、不正コピーや、不正コピーを販売するといった著作権侵害が行われ得る。さらに、パーソナルコンピュータの処理能力の向上に伴って、パーソナルコンピュータ上で画像や音声データを加工・編集することも容易となり、原著作権者の意図しない改ざんや、不正な二次利用等の著作権侵害も行われ得る。これらの、著作権侵害の脅威が著作者に情報提供を躊躇させ、ネットワークによる情報流通を阻害しているという現状がある。
【0004】
また、これとは別に、現在コンテンツ製作の現場からは「あるコンテンツを正しく権利処理して正当な二次利用をしたいと思っても、権利の所在が分からずどこに問い合わせればよいのか分からない」といった問題もあり、コンテンツの再利用の促進が抑制されている現状である。
【0005】
本発明は、これらの現状を踏まえて、電子透かしの埋込及び検出を行うための電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出方法及び電子透かし埋め込み装置、
及び電子透かし検出装置、及び電子透かし埋め込みプログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かしシステムに関する。
【0006】
【従来の技術】
従来において、電子透かし技術を利用した著作権管理/保護システムが提案されている。
【0007】
電子透かし技術に関連した技術として、「A.Piva et al.:"DCT-based Watermark Recovering without Resorting to the Uncorrupted Orignal Image", Proceedings of the 1997 International Conference on Image Processing (ICIP'97),1997」(以下、Ref.1 と記す) や、「Takao Nakamura, Hiroshi Ogawa, Youichi Takashima,:"A Watermarking Technique for Still Image" NTT R&D Vol.47, No.6, 1998 」(以下、Ref.2 と記す) や、「Wisetsuit Piyapisuit, Kineo Matsui,: "Block Characteristic in Color Image Watermarking Using Equivalent Signal Transform" National Conference of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers, D-11-42, 1999 」(以下、Ref.3 と記す) 等がある。
【0008】
Ref.1 に示す方法は、画像サイズで直交変換して周波数成分行列を取得し、透周波数成分行列の中の中間周波数帯域の係数値を変更することにより透かし情報を埋め込む。係数値の変更は、スペクトル拡散技術を用いる。これにより、画像の非可逆圧縮や色変換、コントラスト変更などに対し、耐性がある。
【0009】
また、Ref.1 に示す方法は、透かし情報を読み取りの際には、調べたい画像を直交変換して得られる周波数成分行列中の中間周波数帯域の係数値を逆拡散することにより、透かし情報読み取る。これにより、画像の拡大/ 縮小に対しては、オリジナルのディジタルコンテンツと比較し、オリジナルのディジタルコンテンツと同じサイズに併せてから検出を行うことで対応できる。
【0010】
また、Ref.1 に示す方法は、読み取り時は、スペクトル拡散で用いる乱数の初期値を一つずつ試して、レスポンスが高かったものを読み取り透かし情報とする。これにより、一部切り出しなどについては、切り取られた部分がオリジナルのディジタルコンテンツのどこにあたるかがわかれば、検出可能である。
【0011】
次に、上記のRef.2 に示す方法は、画像を一般の非可逆圧縮で用いられるブロックサイズにより大きなブロックに分割し、ブロック毎に直交変換を行い周波数成分行列を得て、これを正規化する。そして、埋め込みを行う係数列を鍵情報によって選択し、係数値の量子化によって透かし情報を埋め込む。変更後の行列を逆正規化、逆直交変換を行うことで透かし埋め込み済画像を得る。また、当該方法は、低周波数帯域を変更することにより耐性が向上する。
【0012】
上記のRef.3 に示す方法は、カラー像の等価信号変換(例えば、RGB←→YCbCrなど)の変換行列を定義通りのものから透かし情報に応じて若干変更した変換を施すことで埋め込みを行う。Ref.3 における透かし情報検出時には、検出対象画像を等価信号変換し、これらの統計値が埋め込みによって特異な状態になっているかどうかで検出を行う。これにより、Ref.3 に示す方法は、画像の幾何学的改変に対して耐性を持つ。
【0013】
また、電子透かしをディジタル画像内に埋め込む際に、画像全体に渡って、透かしパターンと呼ばれる模様を等しい強さで加算して電子透かしを埋め込んだ画像を得る方法もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のRef.1 に示す方法は、以下のような問題がある。
【0015】
I. 部分切取りに対する耐性が低い。
【0016】
II. 原画像サイズの直交変換を用いるため処理が重い。
【0017】
III. 透かし埋め込みによる画質劣化が大きい。
【0018】
IV. 透かし情報の検出時に透かし情報の取り得る値全てについて試行を行うので、処理が重い。
【0019】
また、上記のRef.2 に示す方法は、非可逆圧縮に対する耐性を有するが、色変換、コントラスト変更、部分切取りに対する耐性が低いという問題がある。また、正規化によって画像の複雑部分には強く、平坦部分には弱く埋め込むことにより画質/耐性の向上を狙っているがあまり有効に機能しない。また、Ref.2 における透かし情報検出時には、埋め込み時の正規化までの処理を行い、鍵情報と正規化周波数成分行列から透かし情報を検出する。これにより、ブロックサイズが画像サイズと同じ場合、拡大/縮小に対する耐性を持つ。しかし、検出した透かし情報の信頼度の定量的評価をしていない。また、透かし埋め込みによる画質劣化が大きいという問題がある。
【0020】
また、Ref.3 に示す方法は、非可逆圧縮や色変換などに非常に弱い。また、多ビット埋め込みの場合、ブロック毎に1ビットを埋め込むので、幾何学的改変に対する耐性が弱くなるという問題がある。
【0021】
さらに、電子透かしを埋め込む際に、透かしパターンという模様を等しい強さで埋め込む方法は、一般に画像の平坦部分は複雑な部分よりも劣化に対して知覚されやすいので、平坦部分で劣化が知覚されない程度の強さでしか透かしパターンを画像に加算することができないという問題がある。
【0022】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、埋め込み処理を高速に行うことが可能であると共に、検出処理において、原画像がなく、部分画像が原画像のどの部分に相当するかが分からない場合においても、部分画像からの電子透かしを検出することが可能な、電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出方法及び電子透かし埋め込み装置、及び電子透かし検出装置、及び電子透かし埋め込みプログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体、及び電子透かしシステムを提供することを目的とする。
【0023】
上記の問題を解決するため、本発明による電子透かし埋め込み方法は、ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータと、埋め込む電子透かしと、鍵情報とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、入力である鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報として出力するステップと、電子透かしと鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、電子透かしを予め定められたシンボル表現に変換して得られる各シンボルについて、各シンボルの位置毎に拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される鍵情報を種として得られる拡散系列により該シンボル値をスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を重畳し、全てのシンボルについて拡散および重畳を行って得られる系列長の系列を埋込系列として出力するステップと、予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列を、初期値を零行列として用意するステップと、埋込対象成分位置情報と埋込系列を入力とし、透かし係数行列の、埋込対象成分位置情報の各項で指定される成分値を、埋込系列の対応する項の値に順次変更し、これを系列長の項数分繰り返すことにより前記透かし係数行列の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップと、透かし係数行列を入力とし、透かし係数行列を離散逆フーリエ変換して透かしパターンを生成し出力するステップと、入力画像と強度パラメータと透かしパターンを入力とし、透かしパターンの振幅を強度パラメータの値で増幅し、増幅後の透かしパターンをディジタル画像にタイル状に加算し、埋込済画像出力するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし埋め込み方法は、ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータと、埋め込む電子透かしと、鍵情報とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、入力した鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報として出力するステップと、電子透かしと鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段の中から一つ選択し、選択された拡散系列生成手段を用いて鍵情報を種として得られる拡散系列によって、予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られる前記系列長の系列に対し、電子透かしを予め定められたシンボル表現に変換して得られる各シンボルについて、各シンボルの位置毎に、選択された拡散系列生成手段以外の拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される鍵情報を種として得られる拡散系列によりシンボル値をスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を重畳し、全てのシンボルについて拡散および重畳を行って得られる系列長の系列を埋込系列として出力するステップと、予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列を、初期値を零行列として用意するステップと、埋込対象成分位置情報と埋込系列を入力とし、透かし係数行列の、埋込対象成分位置情報の各項で指定される成分値を、埋込系列の対応する項の値に順次変更し、これを系列長の項数分繰り返すことにより透かし係数行列の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップと、透かし係数行列を入力とし、透かし係数行列を離散逆フーリエ変換して透かしパターンを生成し出力するステップと、入力画像と強度パラメータと透かしパターンを入力とし、透 かしパターンの振幅を強度パラメータの値で増幅し、増幅後の透かしパターンをディジタル画像にタイル状に加算し、埋込済画像出力するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし埋め込み方法は、ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータと、埋め込む電子透かしと、鍵情報とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、入力した鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報として出力するステップと、電子透かしと鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、拡散系列手段を順序付けし,鍵情報を種として 0 番目の拡散系列生成手段で生成される拡散系列を系列長の項数だけ生成し、その振幅を予め定められた倍率で増幅してこれをバッファに保存し、電子透かしを予め定められたシンボル表現に変換して得られる各シンボルについて、鍵情報に該シンボルの値を加えた値を種として、該シンボルの桁位置( 1 桁目 , 2 桁目 , 3 桁目 , …)の順番の拡散系列生成手段を用いて生成される系列長の系列の各項を、バッファに保存された系列の対応する各項に順次加算することで重畳し、全てのシンボルについて処理を行った後のバッファの内容を埋込系列として出力するステップと、予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列を、初期値を零行列として用意するステップと、埋込対象成分位置情報と埋込系列を入力とし、透かし係数行列の、埋込対象成分位置情報の各項で指定される成分値を、埋込系列の対応する項の値に順次変更し、これを系列長の項数分繰り返すことにより透かし係数行列の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップと、透かし係数行列を入力とし、透かし係数行列を離散逆フーリエ変換して透かしパターンを生成し出力するステップと、入力画像と強度パラメータと透かしパターンを入力とし、透かしパターンの振幅を強度パラメータの値で増幅し、増幅後の透かしパターンをディジタル画像にタイル状に加算し、埋込済画像を出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像と、鍵情報とを入力とし、電子透かしの検出結果を出力とする電子透かし検出方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報として出力するステップと、検出対象画像と鍵情報と検出対象成分位置情報を入力とし、検出対象画像から、ブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列を検出対象系列とし、各シンボルの位置毎に、拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される鍵情報を種として得られる拡散系列を用いて、該検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより各検出シンボルを得て、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果として出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像と、鍵情報と、を入力とし、電子透かしの検出結果を出力とする電子透かし検出方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用い て予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報として出力するステップと、鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段の中から一つ選択し、選択された拡散系列生成手段を用いて鍵情報を種として得られる拡散系列によって、予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られる系列長の系列を、位置マーカ系列として出力するステップと、検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を入力とし、 2 次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、 2 次元座標であるオフセット候補情報を順次得て、オフセット候補情報の各々に対し、検出対象画像から、該オフセット候補情報で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列を検出対象系列とし、位置マーカ系列との相関を計算し、オフセット候補情報の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報として出力するステップと、検出対象画像と鍵情報と検出対象成分位置情報とオフセット情報を入力とし、検出対象画像から、オフセット情報で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列を検出対象系列とし、各シンボルの位置毎に、選択された拡散系列生成手段以外の拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される鍵情報を種として得られる拡散系列を用いて、検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより各検出シンボルを得て、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果として出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像と、鍵情報とを入力とし、電子透かしの検出結果を出力とする電子透かし検出方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報として出力するステップと、鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、鍵情報を種として 0 番目の拡散系列生成手段で生成される拡散系列を系列長の項数だけ生成し、これを位置マーカ系列として出力するステップと、検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を入力とし、 2 次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、 2 次元座標であるオフセット候補情報を順次得て、前記オフセット候補情報の各々に対し、検出対象画像から、該オフセット候補情報で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列を検出対象系列とし、位置マーカ系列との相関を計算し、オフセット候補情報の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報として出力するステップと、検出対象画像と鍵情報と検出対象成分位置情報とオフセット情報を入力とし、検出対象画像から、オフセット情報で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列を検出対象系列とし、鍵情報と取り得る全てのシンボル候補の値を加算した値を各々種として、各シン ボル位置に対応した拡散系列生成手段を用いて得られるシンボル系列と、該検出対象系列との相関を計算してシンボル検出情報を得て、各シンボル位置について最大の相関値を取るときのシンボル候補を該シンボル位置における検出シンボルとし、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果として出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像と、鍵情報とを入力とし、電子透かしの検出結果を出力とする電子透かし検出方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報として出力するステップと、鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段の中から一つ選択し、選択された拡散系列生成手段を用いて前記鍵情報を種として得られる拡散系列によって、予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られる前記系列長の系列を、位置マーカ系列として出力するステップと、検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を入力とし、検出対象画像の予め定められた位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、 2 次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、 2 次元座標であるオフセット候補情報を順次得て、該検出対象係数行列の、前記検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列の各項に対し該オフセット候補情報に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列とし、位置マーカ系列との相関を計算し、オフセット候補情報の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報として出力するステップと、検出対象画像と鍵情報と検出対象成分位置情報とオフセット情報を入力とし、検出対象画像の予め定められた位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列の各項に対し該オフセット候補情報に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列とし、各シンボルの位置毎に、選択された拡散系列生成手段以外の拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される鍵情報を種として得られる拡散系列を用いて、検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより各検出シンボルを得て、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果として出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像と、鍵情報)とを入力とし、電子透かしの検出結果を出力とする電子透かし検出方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報として出力するステップと、鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、鍵情報を種として 0 番目の拡散系列生成手段で生成される拡散系列を前記系列長の項数だけ生成し、これを位置マーカ系列として出力するステップと、検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を入力とし、検出対象画像の左上の位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、 2 次元座標の原点を起点として、横方向および 縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、 2 次元座標であるオフセット候補情報を順次得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列の各項に対し該オフセット候補情報に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列とし、前記位置マーカ系列との相関を計算し、オフセット候補情報の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報として出力するステップと、検出対象画像と鍵情報と検出対象成分位置情報とオフセット情報を入力とし、前記検出対象画像の左上の位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列の各項に対し該オフセット候補情報に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列とし、鍵情報と取り得る全てのシンボル候補の値を加算した値を各々種として、各シンボル位置に対応した拡散系列生成手段を用いて得られるシンボル系列と、該検出対象系列との相関を計算してシンボル検出情報を得て、各シンボル位置について最大の相関値を取るときのシンボル候補を該シンボル位置における検出シンボルとし、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果として出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、オフセット情報を出力するステップ、および検出結果を出力するステップにおいて、検出対象画像を入力するステップと、検出対象画像の左上からブロックサイズの画素ブロックを切り取り出力するステップにおいて、検出対象画像から切り出せる画像領域がブロックサイズに満たない場合には、ブロックサイズに含まれる前記検出対象画像の画素領域の画素値の平均値を求めるステップと、該平均値でブロックサイズの不足分を埋めたものを画素ブロックとして出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、オフセット情報を出力するステップ、および検出結果を出力するステップにおいて、検出対象画像を入力とし画素ブロックを出力とするステップとして、検出対象画像を左上からブロックサイズのブロック群に分割し、全てのブロックを加算して得られる加算ブロックを画素ブロックとして出力するステップと、
を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、オフセット情報を出力するステップにおいて、算出した最大の相関値が、予め定められた閾値に満たない場合に処理を中断し、電子透かしの検出に失敗した旨の検出結果を出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、検出結果を出力するステップにおいて、各シンボル位置毎に算出した最大の相関値の中で、予め定められた閾値に満たないものがある場合に処理を中断し、電子透かしの検出に失敗した旨の検出結果を出力するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、閾値として、特定の確率分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を適用することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、確率分布の分布関数として、正規分布の分布関数を適用することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし埋め込み方法は、ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータと、埋め込む電子透かしと、鍵情報とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指 定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報として出力するステップと、電子透かしと鍵情報を入力とし、少なくとも一つの拡散系列生成手段を持ち、前記拡散系列生成手段に前記鍵情報を与えることにより生成される拡散系列を用いて前記電子透かしをスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を埋込系列として出力するステップと、予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列を、初期値を零行列として用意するステップと、埋込対象成分位置情報と前記埋込系列を入力とし、透かし係数行列の、埋込対象成分位置情報の各項で指定される成分値を、前記埋込系列の対応する項の値に順次変更し、これを系列長の項数分繰り返すことにより透かし係数行列の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップと、透かし係数行列を入力とし、透かし係数行列を離散逆フーリエ変換して透かしパターンを生成し出力するステップと、入力画像と強度パラメータと透かしパターンを入力とし、透かしパターンの振幅を強度パラメータの値で増幅し、増幅後の透かしパターンを前記ディジタル画像にタイル状に加算し、埋込済画像出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし埋め込み方法は、ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータと、埋め込む電子透かしと、鍵情報とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報として出力するステップと、電子透かしと鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段から少なくとも一つの拡散系列生成手段を選択し,選択された拡散系列生成手段に鍵情報を与えることにより生成される拡散系列を用いて,予め定められた値をスペクトラム拡散変調して系列長の系列を得て,選択された拡散系列生成手段以外の少なくとも一つの拡散系列に鍵情報を与えることにより生成される拡散系列を用いて,電子透かしをスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を,予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られた系列に重畳して,埋込系列として出力するステップと、予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列を、初期値を零行列として用意するステップと、埋込対象成分位置情報と前記埋込系列を入力とし、透かし係数行列の、前記埋込対象成分位置情報の各項で指定される成分値を、前記埋込系列の対応する項の値に順次変更し、これを系列長の項数分繰り返すことにより前記透かし係数行列の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップと、透かし係数行列を入力とし、前記透かし係数行列を離散逆フーリエ変換して透かしパターンを生成し出力するステップと、入力画像と前記強度パラメータと透かしパターンを入力とし、透かしパターンの振幅を強度パラメータ(102)の値で増幅し、増幅後の透かしパターンをディジタル画像にタイル状に加算し、埋込済画像出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像と、鍵情報とを入力とし、電子透かしの検出結果を出力とする電子透かし検出方法であって、入力とした鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報として出力するステップと、検出対象画像と鍵情報と検出対象成分位置情報を入力とし、検出対象画像から、ブロックサイズの領域である画素ブロック を少なくとも一つ切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列を検出対象系列とし、少なくとも一つの拡散系列生成手段に鍵情報を与えることにより得られる拡散系列を用いて、該検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより電子透かし情報を検出し,検出結果として出力するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子透かし検出方法は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像と、鍵情報とを入力とし、電子透かしの検出結果を出力とする電子透かし検出方法であって、鍵情報を入力とし、鍵情報を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報として出力するステップと、鍵情報を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段から少なくとも一つの拡散系列生成手段を選択し,選択された拡散系列生成手段に鍵情報を与えることにより生成される拡散系列を用いて,予め定められた値をスペクトラム拡散変調して前記系列長の系列を得て,これを位置マーカ系列として出力するステップと、検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を入力とし、検出対象画像の任意の位置から少なくとも一つのブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、 2 次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、 2 次元座標であるオフセット候補情報を順次得て、該検出対象係数行列の、検出対象成分位置情報の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列の各項に対し該オフセット候補情報に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列とし、位置マーカ系列との相関を計算し、オフセット候補情報の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報として出力するステップと、検出対象画像と鍵情報と検出対象成分位置情報とオフセット情報を入力とし、オフセット情報で表される位相差を与えて得られる検出対象系列と,複数の拡散系列生成手段のうち選択されたものを除いた中から少なくとも一つの拡散系列生成手段に鍵情報を与えて得られる拡散系列により,該検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより電子透かし情報を検出し,検出結果として出力するステップと、を有することを特徴とする。
図1は、本発明の第1の原理を説明するための図である。
【0024】
本発明の参考例(原出願の請求項1)は、ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込みを行う電子透かし埋込方法において、
電子透かしをディジタル原画像に埋め込む際に、
鍵情報とディジタル画像に埋め込む電子透かしから複素行列である透かし係数行列の各係数値の実数成分と虚数成分を独立に変更し(ステップ1)、
変更後の透かし系列行列を離散逆フーリエ変換して、透かしパターンを生成し(ステップ2)、
透かしパターンを原画像にタイル状に加算し(ステップ3)、埋め込み済画像を生成する(ステップ4)。
【0025】
本発明の参考例(原出願の請求項2)は、鍵情報から電子透かしを埋め込む長さの系列である埋め込み対象成分位置情報を生成し、
鍵情報を用いて、位置マーカ情報と電子透かしを埋め込み系列に拡散し、
埋め込み対象成分位置情報と埋め込み系列を用いて、初期値が零行列の複素行列である透かし係数行列の成分値を変更し、
透かし係数行列を離散逆フーリエ変換し、透かしパターンを生成し、
透かしパターンを強度パラメータによって強調し、
強調された透かしパターンを入力された画像にタイル状に加算して得られる埋め込み済画像を生成する。
【0026】
本発明の参考例(原出願の請求項3)は、埋め込み対象成分位置情報を生成する際に、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成し、
乱数列から埋め込み対象成分位置情報を生成する。
【0027】
本発明の参考例(原出願の請求項4)は、位置マーカ情報と電子透かしを埋込系列に拡散する際に、
鍵情報を初期値とする0番目の拡散系列を生成し、
拡散系列を位置マーカ情報を表す系列とし、所定倍して格納しておき、
電子透かしをシンボル表現に変換し、シンボル総数及び各シンボル値を取得し、
鍵情報にシンボル値を加えたものを初期値とする拡散系列を生成し、シンボルを表す系列として、格納されている拡散系列の各項に加え、
格納されている値の平均値を求め、各項から平均値を減算した値を埋め込み系列とする。
【0028】
本発明の参考例(原出願の請求項5)は、拡散系列を生成する際に、
拡散系列として、+1または、−1のいずれかを用いる。
【0029】
本発明の参考例(原出願の請求項6)は、位置マーカ情報と電子透かしを埋め込み系列に拡散する際に、 鍵情報を初期値として、拡散系列を生成し、所定のパラメータを該拡散系列に乗算して、記憶手段に保持し、
電子透かしをシンボル表現に変換し、該シンボル表現のシンボルに対応する拡散系列を、記憶手段の各項に加算し、
記憶手段の各項から平均値を減算した結果を埋め込み系列とする。
【0030】
本発明の参考例(原出願の請求項7)は、拡散系列を生成する際に、
拡散系列として、+1または、−1のいずれかを用いる。
【0031】
本発明の参考例(原出願の請求項8)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように電子透かしが埋め込まれた検出対象画像から該電子透かしを検出するための電子透かし検出方法において、
検出対象画像に埋め込まれている電子透かしを検出する際に、
検出対象画像の任意の位置からブロックを切り出し(ステップ5)、
ブロックを離散フーリエ変換して、係数行列を取得し(ステップ6)、
鍵情報によって指定される検出対象成分位置情報を生成し(ステップ7)、
検出対象成分位置情報の各項に平行移動量による係数の位相差を掛け算し、位置マーカ系列を生成し(ステップ8)、埋め込まれている透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点が一致する時の平行移動量であるオフセット情報を抽出し(ステップ9)、
オフセット情報に基づいて切り出した画素ブロックから埋め込まれている電子透かしを検出する(ステップ10)。
【0032】
本発明の参考例(原出願の請求項9)は、鍵情報から検出対象成分位置情報を生成する際に、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成し、
乱数列から検出対象成分位置情報を生成する。
【0033】
本発明の参考例(原出願の請求項10)は、位置マーカ系列を生成する際に、
鍵情報を初期値とする0番目の拡散系列を生成し、
拡散系列を位置マーカ系列として出力する。
【0034】
本発明の参考例(原出願の請求項11)は、オフセット情報を抽出する際に、
オフセット候補情報を生成し、
検出対象画像のオフセット候補情報の位置から画素ブロックを切り出し、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成し、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成し、
位置マーカ系列と検出対象系列の相関値とオフセット候補情報を組にして、位置マーカ検出情報を生成し、
位置マーカ系列と検出対象系列の相関値が最大の時のオフセット候補情報をオフセット情報として抽出する。
【0035】
本発明の参考例(原出願の請求項12)は、電子透かしを検出する際に、
検出対象画像からオフセット候補情報だけ平行移動した位置から、N×N画素の画素ブロックを切り出し、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成し、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成し、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成し、
シンボル検出情報から検出シンボルを生成し、
各検出シンボルから検出結果を電子透かしとして検出して出力する。
【0036】
本発明の参考例(原出願の請求項13)は、電子透かしを検出する際に、
シンボル検出情報からシンボル位置毎にシンボル位置毎系列を生成し、
各シンボル位置毎系列の中で最大値をとる時のシンボル候補を検出シンボルとし、
検出シンボルを逆シンボル変換し、検出結果を取得する。
【0037】
本発明の参考例(原出願の請求項14)は、電子透かしを検出する際に、
切り出した画素ブロックをオフセット情報によりサイクリックシフトすることにより画素ブロックを出力する。
【0038】
本発明の参考例(原出願の請求項15)は、電子透かしを検出する際に、
検出対象画像がN×Nサイズ以上である場合には、該検出対象画像からN×N画素の画素ブロックを切り出し、
検出対象画像がN×Nサイズより小さい場合には、該検出対象画像のN×Nサイズに含まれる検出対象画像部分の平均画素値を求め、該N×Nサイズに足りない部分を該平均画素値で埋め、画素ブロックを生成し、
切り出された画素ブロックをサイクリックシフトすることにより画素ブロックを出力する。
【0039】
本発明の参考例(原出願の請求項16)は、電子透かしを検出する際に、
検出対象画像のオフセットの位置から画素ブロックを分割し、
分割された画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成し、
検出対象成分位置情報と、検出対象係数行列から検出対象系列を生成し、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成し、
シンボル検出情報から画素ブロックを出力する。
【0040】
本発明の参考例(原出願の請求項17)は、電子透かしを検出する際に、
検出対象画像を画素ブロックに分割し、該画素ブロックをオフセット情報によりサイクリックシフトし、
サイクリックシフトされた画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象系列行列を生成し、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成し、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成し、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成し、
検出シンボルから電子透かしを検出する。
【0041】
本発明の参考例(原出願の請求項18)は、電子透かしを検出する際に、
検出対象画像を画素ブロックに分割し、該画素ブロックをオフセットによりサイクリックシフトし、このとき、該検出対象画像の端の辺りでN×Nサイズに満たない部分については、足りない部分を平均画素値で埋め、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成し、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成し、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成し、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成し、
検出シンボルから電子透かしを検出する。
【0042】
本発明の参考例(原出願の請求項19)は、位置マーカ系列を生成する際に、
検出対象画像をオフセット情報によりブロックに分割し、
画素ブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとして出力する。
【0043】
本発明の参考例(原出願の請求項20)は、位置マーカ系列を生成する際に、
検出対象画像をブロックに分割し、
分割されたブロックの画素値を加算して得られたブロックを加算ブロックとし、
加算ブロックをオフセット情報によりサイクリックシフトし、画素ブロックを生成する。
【0044】
本発明の参考例(原出願の請求項21)は、位置マーカ系列を生成する際に、
検出対象画像をブロックに分割し、このとき、該検出対象画像の端の辺りで1ブロックに満たない画素領域について、分割時の検出対象画像相当分の平均値を求めて埋め、それでも足りない部分は検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で埋めてブロックとし、
分割されたブロックの画素値を加算して得られたブロックを加算ブロックとし、
加算ブロックをオフセット情報によりサイクリックシフトし、画素ブロックを生成する。
【0045】
本発明の参考例(原出願の請求項22)は、位置マーカ系列を生成する際に、検出対象系列生成後に、該検出対象系列の平均を0に変える。
【0046】
本発明の参考例(原出願の請求項23)は、電子透かしを検出する際に、検出対象系列を生成した後に、該検出対象系列の平均を0に変える。
【0047】
本発明の参考例(原出願の請求項24)は、位置マーカ系列の検出時にオフセット情報を抽出する際に、すべての位置マーカ検出情報の最大値を求め、所定の閾値より該最大値が小さい場合には、オフセットの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が該所定の閾値以上である場合には、該最大値をとるときのオフセット情報を出力する。
【0048】
本発明の参考例(原出願の請求項25)は、電子透かしを検出する際に、
シンボル検出情報をシンボル位置毎に分割して、シンボル位置毎系列を生成し、
シンボル位置毎系列の最大値を求め、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が該所定の閾値以上の場合には、該最大値をとるときのシンボル候補を検出シンボルとし、
検出シンボルから電子透かしの表現に変換する。
【0049】
本発明の参考例(原出願の請求項26)は、閾値として、平均0、分散1の正規分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を適用する。
【0050】
本発明の参考例(原出願の請求項27)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように電子透かしが埋め込まれた検出対象画像から該電子透かしを検出するための電子透かし検出方法において、
検出対象画像から電子透かしを検出する際に、
鍵情報から検出対象成分位置情報を生成し、
鍵情報から位置マーカ系列を生成し、
検出された位置マーカ検出情報により、埋め込み時の透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点とのずれを表すオフセット情報を検出し、
オフセット情報を用いて画素ブロックに埋め込まれている電子透かしを検出する。
【0051】
本発明の参考例(原出願の請求項28)は、検出対象成分位置情報を生成する際に、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成し、
乱数列を元に、埋め込まれている埋め込み系列の長さと同じ長さの検出対象成分位置情報を生成する。
【0052】
本発明の参考例(原出願の請求項29)は、位置マーカ系列を生成する際に、
鍵情報を初期値とする最初の拡散系列を生成し、該拡散系列を位置マーカ系列とする。
【0053】
本発明の参考例(原出願の請求項30)は、位置マーカ検出情報を検出する際に、
検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を用いて、該検出対象画像からN×Nサイズの画素ブロックを切り出し、
画素ブロックを離散フーリエ変換して、検出対象係数行列を生成し、
オフセット情報、検出対象係数行列、及び検出対象成分位置情報から検出対象系列を生成し、
位置マーカ系列と検出対象系列との相関値を組にして位置マーカ検出情報とする。
【0054】
本発明の参考例(原出願の請求項31)は、位置マーカ系列を生成する際に、
検出対象画像をN×Nサイズのブロックに分割し、
すべてのブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとする。
【0055】
本発明の参考例(原出願の請求項32)は、電子透かしを検出する際に、
検出対象画像と、検出対象成分位置情報とオフセット情報及び鍵情報を用いて、該検出対象画像から画素ブロックを切り出し、
画素ブロックを離散フーリエ変換して、検出対象係数行列を生成し、
オフセット情報、検出対象係数行列、及び検出対象成分位置情報から検出対象系列を生成し、
鍵情報とシンボル候補情報から生成される系列と検出対象系列との相関値からシンボル検出結果を生成し、
シンボル検出結果の各シンボル位置に基づいて、鍵情報とシンボル候補情報から生成される系列と検出対象系列との相関値が最大時のシンボル候補値を検出シンボルとし、
検出シンボルを電子透かしの形式に変換した結果を出力する。
【0056】
本発明の参考例(原出願の請求項33)は、位置マーカ系列を生成する際に、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均を求め、該平均で足りない部分を埋める。
【0057】
本発明の参考例(原出願の請求項34)は、電子透かしを検出する際に、
検出対象画像から画素ブロックを分割し、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成し、
オフセット情報と検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成し、
検出対象系列と鍵情報から検出シンボルを生成し、
検出シンボルから副画像を検出する。
【0058】
本発明の参考例(原出願の請求項35)は、検出対象画像から画素ブロックを分割する際に、検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分について、該検出対象画像相当分の画素値の平均値を求めて埋める。
【0059】
本発明の参考例(原出願の請求項36)は、位置マーカ系列を検出する際及び、電子透かしを検出する際に、検出対象画像をN×Nサイズのブロックに分割し、すべてのブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとする。
【0060】
本発明の参考例(原出願の請求項37)は、電子透かしを検出する際に、検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で足りない部分を埋める。
【0061】
本発明の参考例(原出願の請求項38)は、位置マーカ系列を検出する際に、検出対象系列を生成した後に、該検出対象系列の平均を0に変える処理を行う。
【0062】
本発明の参考例(原出願の請求項39)は、請求項32において電子透かしを検出する際に、検出対象系列の生成後に、該検出対象系列の平均を0に変える処理を行う。
【0063】
本発明の参考例(原出願の請求項40)は、請求項34において電子透かしを検出する際に、検出対象系列の生成後に、該検出対象系列の平均を0に変える処理を行う。
【0064】
本発明の参考例(原出願の請求項41)は、オフセット情報を検出する際に、
位置マーカ検出情報の最大値を求め、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、オフセット情報の検出に失敗したことを表す信号を出力し、
最大値が所定の閾値以上の場合には、該最大値をとる時のオフセット情報を出力する。
【0065】
本発明の参考例(原出願の請求項42)は、電子透かしを検出する際に、
シンボル検出結果をシンボル位置毎に分割し、
シンボル位置毎のシンボル位置毎系列の最大値を求め、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを表す信号を出力し、
最大値が所定の閾値以上の場合には、該最大値をとる時のシンボル候補を出力する。
【0066】
本発明の参考例(原出願の請求項43)は、上記の閾値として、平均0、分散1の正規分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を用いる。
【0067】
図2は、本発明の第1の原理構成図である。
【0068】
本発明の参考例(原出願の請求項44)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように電子透かしの埋め込みを行う電子透かし埋込装置であって、
鍵情報とディジタル画像に埋め込む電子透かしから複素行列である透かし係数行列の各係数値の実数成分と虚数成分を独立に変更する変更手段1Aと、
変更後の透かし系列行列を離散逆フーリエ変換して、透かしパターンを生成する透かしパターン生成手段2Aと、
透かしパターンを原画像にタイル状に加算する加算手段3Aと、埋め込み済画像を生成する画像生成手段4Aとを有する。
【0069】
本発明の参考例(原出願の請求項45)は、鍵情報から電子透かしを埋め込む長さの系列である埋め込み対象成分位置情報を生成する埋め込み対象成分指定手段と、
鍵情報を用いて、位置マーカ情報と電子透かしを埋め込み系列に拡散する埋め込み系列生成手段と、
埋め込み対象成分位置情報と埋め込み系列を用いて、初期値が零行列の複素行列である透かし係数行列の成分値を変更する成分値変更手段と、
透かし係数行列を離散逆フーリエ変換し、透かしパターンを生成する離散逆フーリエ変換手段と、
透かしパターンを強度パラメータによって強調し、強調された透かしパターンを入力された画像にタイル状に加算して得られる埋め込み済画像を生成する透かしパターン加算手段とを有する。
【0070】
本発明の参考例(原出願の請求項46)は、埋め込み対象成分指定手段において、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成する乱数生成手段を含み、
乱数列から埋め込み対象成分位置情報を生成する手段を含む。
【0071】
本発明の参考例(原出願の請求項47)は、埋め込み系列生成手段において、
鍵情報を初期値とする0番目の拡散系列を生成し、該拡散系列を位置マーカ情報を表す系列とし、所定倍して格納しておき、電子透かしをシンボル表現に変換し、シンボル総数及び各シンボル値を取得し、鍵情報にシンボル値を加えたものを初期値とする拡散系列を生成し、シンボルを表す系列として、格納されている拡散系列の各項に加え、格納されている値の平均値を求め、各項から平均値を減算した値を埋め込み系列とする手段を含む。
【0072】
本発明の参考例(原出願の請求項48)は、埋め込み系列生成手段において、拡散系列として、+1または、−1のいずれかを用いる。
【0073】
本発明の参考例(原出願の請求項49)は、埋め込み系列生成手段において、
鍵情報を初期値として、拡散系列を生成し、所定のパラメータを該拡散系列に乗算して、記憶手段に保持し、電子透かしをシンボル表現に変換し、該シンボル表現のシンボルに対応する拡散系列を、記憶手段の各項に加算し、該記憶手段の各項から平均値を減算した結果を埋め込み系列とする手段を含む。
【0074】
本発明の参考例(原出願の請求項50)は、埋め込み系列生成手段において、拡散系列として、+1または、−1のいずれかを用いる。
【0075】
本発明の参考例(原出願の請求項51)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように電子透かしが埋め込まれた検出対象画像から該電子透かしを検出するための電子透かし検出装置であって、
鍵情報から検出対象成分位置情報を生成する検出対象成分指定手段5Aと、
鍵情報から位置マーカ系列を生成する位置マーカ系列生成手段6Aと、
位置マーカ系列を検出し、埋め込み時の透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点が一致する時のオフセット情報を抽出する位置マーカ検出手段7Aと、
オフセット情報に基づいて切り出した画素ブロックから埋め込まれている電子透かしを検出する電子透かし検出手段8Aとを有する。
【0076】
本発明の参考例(原出願の請求項52)は、検出対象成分指定手段5Aにおいて、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成する手段を含み、
乱数列から検出対象成分位置情報を生成する手段を含む。
【0077】
本発明の参考例(原出願の請求項53)は、位置マーカ系列生成手段6Aにおいて、
鍵情報を初期値とする0番目の拡散系列を生成し、該拡散系列を位置マーカ系列として出力する手段を含む。
【0078】
本発明の参考例(原出願の請求項54)は、位置マーカ検出手段7Aにおいて、
オフセット候補情報を生成し、検出対象画像のオフセット候補情報の位置から画素ブロックを切り出す手段と、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成する手段と、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成する手段と、
位置マーカ系列と該検出対象系列の相関値と該オフセット候補情報を組にして、位置マーカ検出情報を生成する手段と、
位置マーカ系列と該検出対象系列の相関値が最大の時のオフセット候補情報をオフセット情報として抽出する手段を含む。
【0079】
本発明の参考例(原出願の請求項55)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
検出対象画像からオフセット候補情報だけ平行移動した位置から、N×N画素の画素ブロックを切り出す手段と、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成する手段と、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成する手段と、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成する手段と、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成する手段と、
各検出シンボルから検出結果を電子透かしとして出力する手段とを含む。
【0080】
本発明の参考例(原出願の請求項56)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
シンボル検出情報から各シンボル位置毎に各シンボル位置毎系列を生成する手段と、
各シンボル位置毎系列の中で最大値をとる時のシンボル候補を検出シンボルとし、検出シンボルを逆シンボル変換し、検出結果を取得する手段とを含む。
【0081】
本発明の参考例(原出願の請求項57)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
切り出した画素ブロックをオフセットによりサイクリックシフトすることにより画素ブロックを出力する手段を含む。
【0082】
本発明の参考例(原出願の請求項58)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
検出対象画像がN×Nサイズ以上である場合には、該検出対象画像からN×N画素の画素ブロックを切り出す手段と、
検出対象画像がN×Nサイズより小さい場合には、該検出対象画像のN×Nサイズに含まれる検出対象画像部分の平均画素値を求め、該N×Nサイズに足りない部分を該平均画素値で埋め、画素ブロックを生成する手段と、
切り出された画素ブロックをサイクリックシフトすることにより画素ブロックを出力する手段を含む。
【0083】
本発明の参考例(原出願の請求項59)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
検出対象画像のオフセットの位置から画素ブロックを分割する手段と、
分割された画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成する手段と、
検出対象成分位置情報と、検出対象係数行列から検出対象系列を生成する手段と、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成する手段と、
シンボル検出情報から画素ブロックを出力する手段とを含む。
【0084】
本発明の参考例(原出願の請求項60)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
検出対象画像を画素ブロックに分割し、該画素ブロックをオフセットでサイクリックシフトする手段と、
サイクリックシフトされた画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象系列行列を生成する手段と、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成する手段と、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成する手段と、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成する手段と、
検出シンボルから電子透かしを検出する手段とを含む。
【0085】
本発明の参考例(原出願の請求項61)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
検出対象画像を画素ブロックに分割し、該画素ブロックをオフセットでサイクリックシフトし、このとき、検出対象画像の端の辺りでN×Nサイズに満たない部分については、足りない部分を平均画素値で埋める手段と、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成する手段と、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成する手段と、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成する手段と、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成する手段と、
検出シンボルから電子透かしを検出する手段とを含む。
【0086】
本発明の参考例(原出願の請求項62)は、位置マーカ系列生成手段6Aにおいて、
検出対象画像をオフセットにより画素ブロックに分割する手段と、
画素ブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとして出力する手段とを含む。
【0087】
本発明の参考例(原出願の請求項63)は、位置マーカ系列生成手段6Aにおいて、
検出対象画像をブロックに分割する手段と、
分割されたブロックの画素値を加算して得られたブロックを加算ブロックとし、該加算ブロックをオフセットによりサイクリックシフトし、画素ブロックを生成する手段を含む。
【0088】
本発明の参考例(原出願の請求項64)は、位置マーカ系列生成手段6Aにおいて、
検出対象画像をブロックに分割し、このとき、該検出対象画像の端の辺りで1ブロックに満たない画素領域について、分割時の検出対象画像相当分の平均値を求め、足りない部分は検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で埋めてブロックとする手段と、
分割されたブロックの画素値を加算して得られたブロックを加算ブロックとする手段と、
加算ブロックをオフセットによりサイクリックシフトし、画素ブロックを生成する手段とを含む。
【0089】
本発明の参考例(原出願の請求項65)は、位置マーカ系列生成手段6Aにおいて、検出対象系列生成後に、該検出対象系列の平均を0に変える手段を含む。
【0090】
本発明の参考例(原出願の請求項66)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、検出対象系列を生成した後に、該検出対象系列の平均を0に変える手段を含む。
【0091】
本発明の参考例(原出願の請求項67)は、位置マーカ検出手段7Aにおいて、
すべての位置マーカ検出情報の最大値を求め、所定の閾値より該最大値が小さい場合には、オフセットの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が該所定の閾値以上である場合には、該最大値をとるときのオフセットを出力する手段を含む。
【0092】
本発明の参考例(原出願の請求項68)は、電子透かし検出手段8Aにおいて、
シンボル検出情報をシンボル位置毎に分割して、シンボル位置毎系列を生成する手段と、
シンボル位置毎系列の最大値を求める手段と、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が該所定の閾値以上の場合には、該最大値をとるときのシンボル候補を検出シンボルとする手段と、
検出シンボルから電子透かしの表現に変換する手段とを含む。
【0093】
本発明の参考例(原出願の請求項69)は、上記の閾値として、平均0、分散1の正規分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を適用する。
【0094】
本発明の参考例(原出願の請求項70)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出するための電子透かし検出装置であって、
鍵情報から検出対象成分位置情報を生成する検出対象成分指定手段と、
鍵情報から位置マーカ系列を生成する位置マーカ系列生成手段と、
検出された位置マーカ検出情報により、埋め込み時の透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点とのずれを表すオフセット情報を検出する位置マーカ検出手段と、
オフセット情報を用いて画素ブロックに埋め込まれている電子透かしを検出する電子透かし検出手段とを有する。
【0095】
本発明の参考例(原出願の請求項71)は、検出対象成分指定手段において、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成する手段と、
乱数列を元に、埋め込まれている埋め込み系列の長さと同じ長さの検出対象成分位置情報を生成する手段を含む。
【0096】
本発明の参考例(原出願の請求項72)は、位置マーカ系列生成手段において、
鍵情報を初期値とする最初の拡散系列を生成し、該拡散系列を位置マーカ系列とする手段を含む。
【0097】
本発明の参考例(原出願の請求項73)は、位置マーカ検出手段において、
検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を用いて、該検出対象画像からN×Nサイズの画素ブロックを切り出す手段と、
画素ブロックを離散フーリエ変換して、検出対象係数行列を生成する手段と、
オフセット情報、検出対象係数行列、及び検出対象成分位置情報から検出対象系列を生成する手段と、
位置マーカ系列と検出対象系列との相関値を組にして位置マーカ検出情報とする手段とを含む。
【0098】
本発明の参考例(原出願の請求項74)は、電子透かし検出手段において、
検出対象画像と、検出対象成分位置情報とオフセット情報及び鍵情報を用いて、該検出対象画像から画素ブロックを切り出す手段と、
画素ブロックを離散フーリエ変換して、検出対象係数行列を生成する手段と、
オフセット情報、検出対象係数行列、及び検出対象成分位置情報から検出対象系列を生成する手段と、
鍵情報とシンボル候補情報から生成される系列と検出対象系列との相関値からシンボル検出結果を生成する手段と、
シンボル検出結果の各シンボル位置に基づいて、鍵情報とシンボル候補情報から生成される系列と検出対象系列との相関値が最大時のシンボル候補値を検出シンボルとする手段と、
検出シンボルを電子透かしの形式に変換した結果を出力する手段とを含む。
【0099】
本発明の参考例(原出願の請求項75)は、位置マーカ系列生成手段において、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均を求め、該平均で足りない部分を埋める手段を含む。
【0100】
本発明の参考例(原出願の請求項76)は、電子透かし検出手段において、
検出対象画像から画素ブロックを分割する手段と、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成する手段と、
オフセット情報と検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成する手段と、
検出対象系列と鍵情報から検出シンボルを生成する手段と、
検出シンボルから副画像を検出する。
【0101】
本発明の参考例(原出願の請求項77)は、電子透かし検出手段において、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で足りない部分を埋める手段を含む。
【0102】
本発明の参考例(原出願の請求項78)は、位置マーカ系列生成手段及び電子透かし検出手段において、
検出対象画像をN×Nサイズのブロックに分割する手段と、
すべてのブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとする手段を含む。
【0103】
本発明の参考例(原出願の請求項79)は、位置マーカ系列生成手段及び電子透かし検出手段において、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で足りない部分を埋める手段を含む。
【0104】
本発明の参考例(原出願の請求項80)は、位置マーカ系列生成手段において、
検出対象系列を生成した後に、該検出対象系列の平均を0に変える処理を行う手段を含む。
【0105】
本発明の参考例(原出願の請求項81)は、電子透かし検出手段において、
検出対象系列の生成後に、該検出対象系列の平均を0に変える処理を行う手段を含む。
【0106】
本発明の参考例(原出願の請求項82)は、位置マーカ検出手段において、
位置マーカ検出情報の最大値を求める手段と、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、オフセット情報の検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が所定の閾値以上の場合には、該最大値をとる時のオフセット情報を出力する手段を含む。
【0107】
本発明の参考例(原出願の請求項83)は、電子透かし検出手段において、
検出対象系列と鍵情報から生成されたシンボル検出情報シンボル位置毎に分割する手段と、
シンボル位置毎のシンボル位置毎系列の最大値を求める手段と、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が所定の閾値以上の場合には、該最大値をとる時のシンボル候補を出力する手段を含む。
【0108】
本発明の参考例(原出願の請求項84)は、上記閾値として、平均0、分散1の正規分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を用いる。
【0109】
本発明の参考例(原出願の請求項85)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないための電子透かしを埋め込む電子透かし埋込プログラムを格納した記憶媒体であって、
鍵情報とディジタル画像に埋め込む電子透かしから複素行列である透かし係数行列の各係数値の実数成分と虚数成分を独立に変更するプロセスと、
変更後の透かし系列行列を離散逆フーリエ変換して、透かしパターンを生成するプロセスと、
透かしパターンを原画像にタイル状に加算し、埋め込み済画像を生成するプロセスとを有する。
【0110】
本発明の参考例(原出願の請求項86)は、鍵情報から電子透かしを埋め込む長さの系列である埋め込み対象成分位置情報を生成する埋め込み対象成分指定プロセスと、
鍵情報を用いて、位置マーカ情報と電子透かしを埋め込み系列に拡散する埋め込み系列生成プロセスと、
埋め込み対象成分位置情報と埋め込み系列を用いて、初期値が零行列の複素行列である透かし係数行列の成分値を変更する成分値変更プロセスと、
透かし係数行列を離散逆フーリエ変換し、透かしパターンを生成する離散逆フーリエ変換プロセスと、
透かしパターンを強度パラメータによって強調し、強調された透かしパターンを入力された画像にタイル状に加算して得られる埋め込み済画像を生成する透かしパターン加算プロセスとを有する。
【0111】
本発明の参考例(原出願の請求項87)は、埋め込み対象成分指定プロセスにおいて、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成する乱数生成プロセスを含み、乱数列から埋め込み対象成分位置情報を生成するプロセスを含む。
【0112】
本発明の参考例(原出願の請求項88)は、埋め込み系列生成プロセスにおいて、
鍵情報を初期値とする0番目の拡散系列を生成し、該拡散系列を位置マーカ情報を表す系列とし、所定倍して格納しておき、電子透かしをシンボル表現に変換し、シンボル総数及び各シンボル値を取得し、鍵情報にシンボル値を加えたものを初期値とする拡散系列を生成し、シンボルを表す系列として、格納されている拡散系列の各項に加え、格納されている値の平均値を求め、各項から平均値を減算した値を埋め込み系列とするプロセスを含む。
【0113】
本発明の参考例(原出願の請求項89)埋め込み系列生成プロセスにおいて、
鍵情報を初期値として、拡散系列を生成し、所定のパラメータを該拡散系列に乗算して、記憶手段に保持し、電子透かしをシンボル表現に変換し、該シンボル表現のシンボルに対応する拡散系列を、記憶手段の各項に加算し、該記憶手段の各項から平均値を減算した結果を埋め込み系列とするプロセスを含む。
【0114】
本発明の参考例(原出願の請求項90)は、埋め込み系列生成プロセスにおいて、拡散系列として、+1または、−1のいずれかを用いる。
【0115】
本発明の参考例(原出願の請求項91)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないための電子透かしが埋め込まれた検出対象画像から該電子透かしを検出するための電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体であって、
鍵情報から検出対象成分位置情報を生成する検出対象成分指定プロセスと、
鍵情報から位置マーカ系列を生成する位置マーカ系列生成プロセスと、
位置マーカ系列を検出し、埋め込み時の透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点が一致する時のオフセット情報を抽出する位置マーカ検出プロセスと、
オフセット情報に基づいて切り出した画素ブロックから埋め込まれている電子透かしを検出する電子透かし検出プロセスとを有する。
【0116】
本発明の参考例(原出願の請求項92)は、検出対象成分指定プロセスにおいて、鍵情報を初期値とする乱数列を生成するプロセスを含み、
乱数列から検出対象成分位置情報を生成するプロセスを含む。
【0117】
本発明の参考例(原出願の請求項93)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、鍵情報を初期値とする0番目の拡散系列を生成し、該拡散系列を位置マーカ系列として出力するプロセスを含む。
【0118】
本発明の参考例(原出願の請求項94)は、位置マーカ検出プロセスにおいて、
オフセット候補情報を生成し、検出対象画像のオフセット候補情報の位置から画素ブロックを切り出すプロセスと、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成するプロセスと、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成するプロセスと、
位置マーカ系列と該検出対象系列の相関値と該オフセット候補情報を組にして、位置マーカ検出情報を生成するプロセスと、
位置マーカ系列と該検出対象系列の相関値が最大の時のオフセット候補情報をオフセット情報として抽出するプロセスを含む。
【0119】
本発明の参考例(原出願の請求項95)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像からオフセット候補情報だけ平行移動した位置から、N×N画素の画素ブロックを切り出すプロセスと、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成するプロセスと、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成するプロセスと、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成するプロセスと、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成するプロセスと、
各検出シンボルから検出結果を電子透かしとして出力するプロセスとを含む。
【0120】
本発明の参考例(原出願の請求項96)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
シンボル検出情報から各シンボル位置毎に各シンボル位置毎系列を生成するプロセスと、
各シンボル位置毎系列の中で最大値をとる時のシンボル候補を検出シンボルとし、検出シンボルを逆シンボル変換し、検出結果を取得するプロセスとを含む。
【0121】
本発明の参考例(原出願の請求項97)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
切り出した画素ブロックをオフセットによりサイクリックシフトすることにより画素ブロックを出力するプロセスを含む。
【0122】
本発明の参考例(原出願の請求項98)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像がN×Nサイズ以上である場合には、該検出対象画像からN×N画素の画素ブロックを切り出すプロセスと、
検出対象画像がN×Nサイズより小さい場合には、該検出対象画像のN×Nサイズに含まれる検出対象画像部分の平均画素値を求め、該N×Nサイズに足りない部分を該平均画素値で埋め、画素ブロックを生成するプロセスと、
切り出された画素ブロックをサイクリックシフトすることにより画素ブロックを出力するプロセスを含む。
【0123】
本発明の参考例(原出願の請求項99)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像のオフセットの位置から画素ブロックを分割するプロセスと、
分割された画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成するプロセスと、
検出対象成分位置情報と、検出対象係数行列から検出対象系列を生成するプロセスと、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成するプロセスと、
シンボル検出情報から画素ブロックを出力するプロセスとを含む。
【0124】
本発明の参考例(原出願の請求項100)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像を画素ブロックに分割し、該画素ブロックをオフセットでサイクリックシフトするプロセスと、
サイクリックシフトされた画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象系列行列を生成するプロセスと、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成するプロセスと、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成するプロセスと、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成するプロセスと、
検出シンボルから電子透かしを検出するプロセスとを含む。
【0125】
本発明の参考例(原出願の請求項101)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像を画素ブロックに分割し、該画素ブロックをオフセットでサイクリックシフトし、このとき、検出対象画像の端の辺りでN×Nサイズに満たない部分については、足りない部分を平均画素値で埋めるプロセスと、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成するプロセスと、
検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成するプロセスと、
検出対象系列と鍵情報からシンボル検出情報を生成するプロセスと、
シンボル検出情報から各検出シンボルを生成するプロセスと、
検出シンボルから電子透かしを検出するプロセスとを含む。
【0126】
本発明の参考例(原出願の請求項102)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
検出対象画像をオフセットによりブロックに分割するプロセスと、
画素ブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとして出力するプロセスとを含む。
【0127】
本発明の参考例(原出願の請求項103)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
検出対象画像をブロックに分割するプロセスと、
分割されたブロックの画素値を加算して得られたブロックを加算ブロックとし、該加算ブロックをオフセットによりサイクリックシフトし、画素ブロックを生成するプロセスを含む。
【0128】
本発明の参考例(原出願の請求項104)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
検出対象画像をブロックに分割し、このとき、該検出対象画像の端の辺りで1ブロックに満たない画素領域について、分割時の検出対象画像相当分の平均値を求め、足りない部分は検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で埋めてブロックとするプロセスと、
分割されたブロックの画素値を加算して得られたブロックを加算ブロックとするプロセスと、
加算ブロックをオフセットによりサイクリックシフトし、画素ブロックを生成するプロセスとを含む。
【0129】
本発明の参考例(原出願の請求項105)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、検出対象系列生成後に、該検出対象系列の平均を0に変えるプロセスを含む。
【0130】
本発明の参考例(原出願の請求項106)は、電子透かし検出プロセスにおいて、検出対象系列を生成した後に、該検出対象系列の平均を0に変えるプロセスを含む。
【0131】
本発明の参考例(原出願の請求項107)は、電子透かし検出プロセスにおいて、検出対象系列を生成した後に、該検出対象系列の平均を0に変えるプロセスを含む。
【0132】
本発明の参考例(原出願の請求項108)は、位置マーカ検出プロセスにおいて、
すべての位置マーカ検出情報の最大値を求め、所定の閾値より該最大値が小さい場合には、オフセットの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が該所定の閾値以上である場合には、該最大値をとるときのオフセットを出力するプロセスを含む。
【0133】
本発明の参考例(原出願の請求項109)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
シンボル検出情報をシンボル位置毎に分割して、シンボル位置毎系列を生成するプロセスと、
シンボル位置毎系列の最大値を求めるプロセスと、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が該所定の閾値以上の場合には、該最大値をとるときのシンボル候補を検出シンボルとするプロセスと、
検出シンボルから電子透かしの表現に変換するプロセスとを含む。
【0134】
本発明の参考例(原出願の請求項110)は、閾値として、平均0、分散1の正規分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を適用する。
【0135】
本発明の参考例(原出願の請求項111)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出するための電子透かし検出プログラムを格納した記憶媒体であって、
鍵情報から検出対象成分位置情報を生成する検出対象成分指定プロセスと、
鍵情報から位置マーカ系列を生成する位置マーカ系列生成プロセスと、
検出された位置マーカ検出情報により、埋め込み時の透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点とのずれを表すオフセット情報を検出する位置マーカ検出プロセスと、
オフセット情報を用いて画素ブロックに埋め込まれている電子透かしを検出する電子透かし検出プロセスとを有する。
【0136】
本発明の参考例(原出願の請求項112)は、検出対象成分指定プロセスにおいて、
鍵情報を初期値とする乱数列を生成するプロセスと、
乱数列を元に、埋め込まれている埋め込み系列の長さと同じ長さの検出対象成分位置情報を生成するプロセスを含む。
【0137】
本発明の参考例(原出願の請求項113)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
鍵情報を初期値とする最初の拡散系列を生成し、該拡散系列を位置マーカ系列とするプロセスを含む。
【0138】
本発明の参考例(原出願の請求項114)は、位置マーカ検出プロセスにおいて、
検出対象画像と検出対象成分位置情報と位置マーカ系列を用いて、該検出対象画像からN×Nサイズの画素ブロックを切り出すプロセスと、
画素ブロックを離散フーリエ変換して、検出対象係数行列を生成するプロセスと、
オフセット情報、検出対象係数行列、及び検出対象成分位置情報から検出対象系列を生成するプロセスと、
位置マーカ系列と検出対象系列との相関値を組にして位置マーカ検出情報とするプロセスとを含む。
【0139】
本発明の参考例(原出願の請求項115)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像と、検出対象成分位置情報とオフセット情報及び鍵情報を用いて、該検出対象画像から画素ブロックを切り出すプロセスと、
画素ブロックを離散フーリエ変換して、検出対象係数行列を生成するプロセスと、
オフセット情報、検出対象係数行列、及び検出対象成分位置情報から検出対象系列を生成するプロセスと、
鍵情報とシンボル候補情報から生成される系列と検出対象系列との相関値からシンボル検出結果を生成するプロセスと、
シンボル検出結果の各シンボル位置に基づいて、相関値が最大時のシンボル候補値を検出シンボルとするプロセスと、
検出シンボルを電子透かしの形式に変換した結果を出力するプロセスとを含む。
【0140】
本発明の参考例(原出願の請求項116)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均を求め、該平均で足りない部分を埋めるプロセスを含む。
【0141】
本発明の参考例(原出願の請求項117)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像から画素ブロックを分割するプロセスと、
画素ブロックを離散フーリエ変換し、検出対象係数行列を生成するプロセスと、
オフセット情報と検出対象成分位置情報と検出対象係数行列から検出対象系列を生成するプロセスと、
検出対象系列と鍵情報から検出シンボルを生成するプロセスと、
検出シンボルから副画像を検出する。
【0142】
本発明の参考例(原出願の請求項118)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で足りない部分を埋めるプロセスを含む。
【0143】
本発明の参考例(原出願の請求項119)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
検出対象画像をN×Nサイズのブロックに分割するプロセスと、
すべてのブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとするプロセスを含む。
【0144】
本発明の参考例(原出願の請求項120)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像をN×Nサイズのブロックに分割するプロセスと、
すべてのブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとするプロセスを含む。
【0145】
本発明の参考例(原出願の請求項121)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で足りない部分を埋めるプロセスを含む。
【0146】
本発明の参考例(原出願の請求項122)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出した時、該検出対象画像からN×Nサイズに切り出せない場合には、N×Nサイズで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズで足りない部分は、該検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、該平均値で足りない部分を埋めるプロセスを含む。
【0147】
本発明の参考例(原出願の請求項123)は、位置マーカ系列生成プロセスにおいて、
検出対象系列を生成した後に、該検出対象系列の平均を0に変える処理を行うプロセスを含む。
【0148】
本発明の参考例(原出願の請求項124)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象系列の生成後に、該検出対象系列の平均を0に変える処理を行うプロセスを含む。
【0149】
本発明の参考例(原出願の請求項125)は、位置マーカ検出プロセスにおいて、
位置マーカ検出情報の最大値を求めるプロセスと、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、オフセット情報の検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が所定の閾値以上の場合には、該最大値をとる時のオフセット情報を出力するプロセスを含む。
【0150】
本発明の参考例(原出願の請求項126)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象系列と鍵情報から生成されたシンボル検出情報シンボル位置毎に分割するプロセスと、
シンボル位置毎のシンボル位置毎系列の最大値を求めるプロセスと、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が所定の閾値以上の場合には、該最大値をとる時のシンボル候補を出力するプロセスを含む。
【0151】
本発明の参考例(原出願の請求項127)は、電子透かし検出プロセスにおいて、
検出対象系列と鍵情報から生成されたシンボル検出情報シンボル位置毎に分割するプロセスと、
シンボル位置毎のシンボル位置毎系列の最大値を求めるプロセスと、
最大値が所定の閾値より小さい場合には、検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを表す信号を出力し、該最大値が所定の閾値以上の場合には、該最大値をとる時のシンボル候補を出力するプロセスを含む。
【0152】
本発明の参考例(原出願の請求項128)は、請求項126において、上記閾値として、平均0、分散1の正規分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を用いる。
【0153】
本発明の参考例(原出願の請求項129)は、請求項127において、閾値は、平均0、分散1の正規分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を用いる。
【0154】
本発明の参考例(原出願の請求項130)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないための電子透かしを埋め込む電子透かし埋込装置と、該電子透かしを検出する電子透かし検出装置からなる電子透かしシステムであって、
電子透かし埋め込み装置は、
埋め込みのための鍵情報から電子透かしを埋め込む長さと同じ長さの系列である埋め込み対象成分位置情報を生成する埋め込み対象成分指定手段と、
鍵情報を用いて、位置マーカ情報と電子透かしを埋め込み系列に拡散する埋め込み系列生成手段と、
埋め込み対象成分位置情報と埋め込み系列を用いて、初期値が零行列の複素行列である透かし係数行列の成分値を変更する成分値変更手段と、
透かし係数行列を離散逆フーリエ変換し、透かしパターンを生成する離散逆フーリエ変換手段と、
透かしパターンを強度パラメータによって強調し、強調された透かしパターンを入力された画像にタイル状に加算して得られる埋め込み済画像を生成する透かしパターン加算手段とを有し、
電子透かし検出装置は、
鍵情報から検出対象成分位置情報を生成する検出対象成分指定手段と、
鍵情報から位置マーカ系列を生成する位置マーカ系列生成手段と、
位置マーカ系列を検出し、埋め込み時の透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点が一致するオフセット情報を抽出する位置マーカ検出手段と、
オフセット情報に基づいて切り出した画素ブロックから埋め込まれている電子透かしを検出する電子透かし検出手段とを有する。
【0155】
本発明の参考例(原出願の請求項131)は、電子透かし埋込装置が、集積回路により構成される。
【0156】
本発明の参考例(原出願の請求項132)は、電子透かし検出装置が、集積回路により構成される。
【0157】
本発明の参考例(原出願の請求項133)は、ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないための電子透かしを埋め込む電子透かし埋込装置と、該電子透かしを検出する電子透かし検出装置からなる電子透かしシステムであって、
電子透かし埋込装置は、
埋め込みのための鍵情報から電子透かしを埋め込む長さと同じ長さの系列である埋め込み対象成分位置情報を生成する埋め込み対象成分指定手段と、
鍵情報を用いて、位置マーカ情報と電子透かしを埋め込み系列に拡散する埋め込み系列生成手段と、
埋め込み対象成分位置情報と埋め込み系列を用いて、初期値が零行列の複素行列である透かし係数行列の成分値を変更する成分値変更手段と、
透かし係数行列を離散逆フーリエ変換し、透かしパターンを生成する離散逆フーリエ変換手段と、
透かしパターンを強度パラメータによって強調し、強調された透かしパターンを入力された画像にタイル状に加算して得られる埋め込み済画像を生成する透かしパターン加算手段とを有し、
電子透かし検出装置は、
鍵情報から検出対象成分位置情報を生成する検出対象成分指定手段と、
鍵情報から位置マーカ系列を生成する位置マーカ系列生成手段と、
検出された位置マーカ検出情報により、埋め込み時の透かしパターンの開始点と検出対象画像から切り出した画素ブロックの開始点とのずれを表すオフセット情報を検出する位置マーカ検出手段と、
オフセット情報を用いて画素ブロックに埋め込まれている電子透かしを検出する電子透かし検出手段とを有する。
【0158】
本発明の参考例(原出願の請求項134)は、電子透かし埋込装置が、集積回路で構成される。
【0159】
本発明の参考例(原出願の請求項135)は、電子透かし検出装置が、集積回路で構成される。
【0160】
これにより、本発明によれば、鍵情報と電子透かしから、複素行列である透かし係数行列の各係数値の実数成分と虚数成分を独立に変更し、変更後の透かし係数行列を離散逆フーリエ変換することによって、透かしパターンを生成し、透かしパターンを原画像にタイル状に加算することによって埋め込み済画像を得ることが可能となる。
【0161】
また、本発明によれば、埋め込みの際に、元の画像の模様を反映したパターンを加算することから、より画質の向上、つまり相対的な耐性の更なる向上が可能となる。
【0162】
また、本発明によれば、検出の際に、検出対象画像の任意の位置からブロックを切り出し、ブロックを離散フーリエ変換して係数行列を得た後、鍵情報によって指定される成分値列を作成し、成分値列の各項に平行移動量による係数の位相差を掛け算した系列と、透かしパターンの開始点を意味する系列との相関をとることによって平行移動量のサーチを行い、サーチの結果、最大のレスポンス値を出力した時の平行移動量が透かしパターンの開始点から切り出されたブロックの開始点までの平行移動量であるとし、この平行移動量を用いて、さらに埋め込まれている電子透かしを検出することが可能となる。
【0163】
さらに、本発明によれば、平行移動量の探索の際に、走査毎に離散フーリエ変換を行う必要がなく、探索前に一度だけ離散フーリエ変換をすれば良いことから、単純な平行移動量探索(座標をずらしながら直交変換して走査する方法)よりも検出処理時間の短縮が可能となる。
【0164】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に、本発明の実施例の形態として、いくつかの実施例を用いて説明する。
【0165】
[第1の実施例]
本実施例では、透かし情報を埋め込む第1の例を説明する。
【0166】
図3は、本発明の第1の実施例の透かし埋込装置の構成を示す。
【0167】
同図に示す電子透かし埋込装置100は、透かしパターン加算部110、埋込系列生成部120、埋込対象成分指定部130、成分値変更部140、離散逆フーリエ変換部150から構成される。
【0168】
当該電子透かし埋込装置100は、入力画像101、強度パラメータ102、電子透かし103、鍵情報104を入力とし、最終的に埋込済画像105を出力する。
【0169】
次に、上記の構成による動作の概要を説明する。
【0170】
図4は、本発明の第1の実施例の透かし埋込装置の動作を示すフローチャートである。
【0171】
ステップ110) 入力を受け付けた情報埋込装置100には、入力画像101、強度パラメータ102、電子透かし103、鍵情報104が入力される。まず、埋込対象成分指定部130において、鍵情報104を用いて埋込対象成分位置情報131を生成し、これを成分値変更部140に送る。
【0172】
ステップ120) また、埋込系列生成部120において、鍵情報104を用い位置マーカ系列と電子透かし103を埋込系列121に拡散し、これを成分値変更部140に送る。
【0173】
ステップ140) 成分値変更部140は、零行列の複素行列である透かし係数行列141の成分値を変更する。
【0174】
ステップ150) 離散逆フーリエ変換部150は、透かし係数行列141を離散逆フーリエ変換することにより、透かしパターン151を作成する。
【0175】
ステップ160) 透かしパターン加算部110は、透かしパターン151を強度パラメータ102によって強調し、これを入力画像101にタイル状に加算して得られる埋込済画像105を出力し、情報埋込処理を終了する。
【0176】
まず、図3における埋込対象成分指定部130の処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施例の埋込対象成分指定部の構成を示す。同図に示す埋込対象成分指定部130は、鍵情報104を入力として埋込対象成分位置情報131を生成する乱数生成器132を有する。
【0177】
図5は、本発明の第1の実施例の埋込対象成分指定部の動作を示すフローチャートである。
【0178】
ステップ111) 埋込対象成分指定部130は、鍵情報104を入力とし、乱数生成器132を用いて鍵情報104を初期値とする乱数列を生成する。
【0179】
ステップ112) 埋込対象成分指定部130は、さらに、生成した乱数列を元に、後述する埋込系列の長さnと同じ長さの系列である埋込対象成分位置情報131を生成する。
【0180】
埋込対象成分位置情報131は、以下のような構成になっている。
【0181】
k =(xk ,yk ,zk ) (0≦k<n)
k :埋込対象係数x方向次数
k :埋込対象係数y方向次数
k :埋込対象係数の虚実を表すフラグ(実数成分か虚数成分か)
埋込対象成分指定部130は、埋込対象成分位置情報131の各項において、重複(2つの項Lk とLm について、上記3つの成分が全て一致)することがないようにして選ぶ。また、電子透かしの雑音付加、非可逆圧縮耐性を実現するために、帯域制限をして、高周波帯域から係数を選ばないようにする(例えば、
【0182】
【数1】
Figure 0003745729
のような制約条件によっては(rはフィルタリング帯域))。さらに、離散逆フーリエ変換で得られる信号が実数値となるのに必要な係数行列の対称性
F(u,v) = F* (N−u,N−v)
(但し、F(u,v)は、標本値f(x,y)(0≦x<N,0≦y<N)のフーリエ変換)
(Nは後述する透かし係数行列の縦及び横のサイズ)
(*は複素共役を表す)
を保って埋め込みを行うために、埋め込み対象系列のx方向次数、あるいは、y方向次数は、正のもののみを選ぶ、といった考慮も必要である。埋め込み対象成分位置情報131は、成分値変更部140に送られる。
【0183】
次に、本実施例における埋め込み系列生成部120の構成について説明する。
【0184】
図7は、本発明の第1の実施例の埋め込み系列生成部の構成を示す。埋め込み系列生成部120は、拡散系列生成器122を有し、電子透かし103及び鍵情報104を入力とする。基本的にはスペクトル拡散通信方式における直接拡散方式を基にしたものである。具体的には図8に示す処理で、長さnの実数列である埋め込み系列121を生成する。
【0185】
図8は、本発明の第1の実施例の埋め込み系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0186】
ステップ121) 位置マーカの拡散: 拡散系列生成器122は、長さnの系列を、K種類生成しうるものとし、各々の拡散系列をr(k) 、(0≦k<K−1)と表すことにする。拡散系列としては、例えば、M−系列などを用いる。
【0187】
拡散系列生成器122は、鍵情報104を初期値として、0番目の長さnの拡散系列{ri (0) }(0≦i<n)を生成し、これに予め定められているパラメータである重みα(≧1)を乗算して、長さnの実数値バッファ{mi }(0≦i<n)に格納する。これを式で表すと、
i :=α・ri (0) (0≦i<n)
(:=は右辺の値を左辺に代入することを表す)
となる。
【0188】
ステップ122) 電子透かしのシンボル表現への変換: 埋込系列生成部120は、電子透かし103をシンボル表現に変換する。例えば、電子透かしが4文字の8ビット文字からなる情報であるとして、8ビットずつをシンボルに変換すると、4つのシンボル(各シンボルの値は0〜255、文字のASCIIコードに相当)に変換できる。この時、シンボルの個数はKより小さく、各シンボルのとり得る最大値は、nより小であるように選ぶ。各シンボルの値をsj (1≦j≦J(<K))、sj のとり得る値の最大値をM(≦n)と表すことにする。ステップ123) 電子透かしの拡散: 埋込系列生成部120は、各シンボルsj に対応する拡散系列を{mi }に加算する、j番目の処理について説明する。鍵情報104にシンボル値sj を加えた値を初期値として、拡散系列生成器122でj番目の長さのnの拡散系列{ri (j) }(0≦i<n)を生成する。
【0189】
次に、埋込系列生成部120は、{ri (j) }の各項を{mi }の各項に加算する。式で表すと、
i :=mi +ri (j) (0≦i<n)
これを1≦j≦Jの間繰り返す。
【0190】
ステップ124) 埋込系列生成部120は、上記のステップ123までに得られた{mi }の平均値を0とするように、{mi }の各項から平均値を減算した結果を埋め込み系列121として出力し、成分値変更部140に送る。減算処理を式で表すと、
【0191】
【数2】
Figure 0003745729
i :=mi − ave (0≦i<n)とする。
【0192】
次に、本実施例の成分値変更部140の動作を説明する。
【0193】
成分値変更部140は、埋め込み対象成分位置情報131と、埋め込み系列121を入力とし、図9に示す手順で透かし係数行列を生成する。
【0194】
図9は、本発明の第1の実施例の成分値変更部の動作のフローチャートである。
【0195】
ステップ131) 成分値変更部140において、N×Nサイズの複素行列である透かし係数行列F(u,v)を用意し、初期値を零行列とする。
【0196】
ステップ141) 成分値変更部140は、k番目の埋め込み対象成分位置情報131であるLk =(xk ,yk ,zk )を用いて、F(u,v)の要素を変更する。
【0197】
ステップ142) zk が実数成分を表す値の時:
成分値変更部140は、F(xk ,yk )の実数成分にmk を加える。また、フーリエ変換係数の対称性を保つように、F(N−xk ,N−yk )の実数成分にもmk を加える。式で表せば、
F(xk ,yk ):=F(xk ,yk )+mk
F(N−xk ,N−yk ):=F(N−xk ,N−yk )+mk
となる。
【0198】
ステップ143) zk が虚数成分を表す値の時:
成分値変更部140は、F(xk ,yk )の虚数成分にmk を加える。また、フーリエ変換係数の対称性を保つように、F(N−xk ,N−yk )の虚数成分から、mk を引算する。式で表すと、
F(xk ,yk ):=F(xk ,yk )+mk ・i
F(N−xk ,N−yk ):=F(N−xk ,N−yk )+mk ・i
(iは虚数単位)
これを、k=0…n−1について順次行う。
【0199】
次に、本実施例における離散逆フーリエ変換部150の動作について説明する。図10は、本発明の第1の実施例の離散逆フーリエ変換部の動作を説明するための図である。
【0200】
離散逆フーリエ変換部150は、透かし係数行列141を離散逆フーリエ変換して、N×Nサイズの実数行列(虚数成分を切り捨てる)である透かしパターン151を得て、これを透かしパターン加算部110に送る。
【0201】
次に、本実施例における透かしパターン加算部110の動作について説明する。
【0202】
図11は、本発明の第1の実施例の透かしパターン加算部の動作を説明するための図である。
【0203】
透かしパターン加算部110は、透かしパターン151を強度パラメータ102の値で強調して、入力画像101にタイル状に加算して埋め込み済画像105を生成して出力する。式で表すと、
{Ixy}:入力画像(0≦x<Width ,0≦y<Height)
(Width は入力画像の横サイズ、Heightは入力画像の縦サイズ)
{Wij}:透かしパターン(0≦i,j<N)
power :強度パラメータ
のとき、
I’xy:=Ixy+power ・WX%N,y%N (0≦x<Width ,0≦y<Height)
(a%bは、aをbで割った時の剰余を表す)
によって定まる。透かしパターン加算部110は、{i’xy}を埋め込み済画像105として出力する。なお、強度パラメータ102の値が1であるときには、透かしパターンは強調されずに加算される。つまり、強度パラメータを用いなかった場合と等価となる。
【0204】
上記により、本実施例の電子透かし埋め込み装置の動作は終了する。
【0205】
本実施例を用いた電子透かし埋め込み処理では、N×Nの大きさの2次元離散逆フーリエ変換を1回行うだけである。従来の技術では、N×Nの大きさの離散フーリエ変換と、離散逆フーリエ変換を、画像をN×N画素のブロックに分割した時のブロックの数だけ行う必要がある。例えば、ブロック数がbの場合、第1の実施例と従来の技術の埋め込み処理量の比は、1:2bとなり、第1の実施例を用いれば高速に埋め込み処理を行うことができる。
【0206】
[第2の実施例]
次に、本実施例では、上記の第1の実施例に示す電子透かし埋込装置において埋め込まれた電子透かしを検出対象画像から検出するための処理について説明する。
【0207】
図12は、本発明の第2の実施例の電子透かし検出装置の構成を示す。
【0208】
電子透かし検出装置200は、前述の第1の実施例の方法を用いて得られる埋め込み済画像に一部切取り、非可逆圧縮などの処理が施された画像から、埋め込まれた電子透かしを検出するための装置である。
【0209】
電子透かし検出装置200は、検出対象成分指定部210、位置マーカ系列生成部220、位置マーカ検出部230、電子透かし検出部240から構成される。
【0210】
図13は、本発明の第2の実施例の電子透かし検出装置の動作を示すフローチャートである。
【0211】
ステップ210) 電子透かし検出装置200は、検出対象画像201と、埋め込み時に用いた鍵情報202を入力とする。まず、検出対象成分指定部210において、鍵情報から前述の第1の実施例における埋め込み対象成分指定部130と同様の方法によって、検出対象成分位置情報211を生成し、これを位置マーカ検出部230と電子透かし検出部240に送る。
【0212】
ステップ220) 位置マーカ系列生成部220において、鍵情報202から位置マーカ系列221を生成し、これを位置マーカ検出部230に送る。
【0213】
ステップ230) 位置マーカ検出部230は、検出対象画像201から、N×N(Nは、前述の第1の実施例における透かしパターンのサイズ)サイズの画素ブロックを切り出し、切り出した画素ブロックの開始点(画素ブロックの左上の位置)の埋め込み時の透かしパターンの開始点と一致するときの、画素ブロックの開始点をオフセット情報231として出力し、電子透かし検出部240に送る。
【0214】
ステップ240) 電子透かし検出部240は、検出対象画像201と鍵情報202と検出対象成分位置情報211とオフセット情報231で指定されるオフセット位置からN×Nサイズの画素ブロックを切り出し、この画素ブロックに埋め込まれている電子透かしを検出し、検出結果203を出力する。
【0215】
次に、本実施例における検出対象成分指定部210について説明する。
【0216】
図14は、本発明の第2の実施例の検出対象成分指定部の構成を示し、図15は、本発明の第2の実施例の検出対象成分指定部の動作を示すフローチャートである。
【0217】
ステップ211) 検出対象成分指定部210は、乱数生成器212を有し、鍵情報202を入力とし、乱数生成器212を用いて、当該鍵情報202を初期値とする乱数列を生成する。
【0218】
ステップ212) 生成した乱数列を元に、前述の第1の実施例で用いた埋め込み系列の長さnと同じ長さの系列である検出対象成分位置情報211を生成する。
【0219】
検出対象成分位置情報211は、以下のような構成になっている。
【0220】
k =(xk ,yk ,zk ) (0≦k<n)
k :検出対象係数x方向次数
k :検出対象係数y方向次数
k :検出対象係数の虚実を表すフラグ(実数成分か虚数成分か)
検出対象成分指定部210は、前述の第1の実施例における埋め込み対象成分指定部130と全く同様の動作をする。即ち、同じ鍵情報を入力として、第1の実施例の埋め込み対象成分指定部130で生成される埋め込み対象成分位置情報131と、本実施例の検出対象成分指定部210で生成される検出対象成分位置情報211は全く同じものである。生成された検出対象成分位置情報211は、位置マーカ検出部230に送られる。
【0221】
次に、本実施例における位置マーカ系列生成部220について説明する。
【0222】
図16は、本発明の第2の実施例の位置マーカ系列生成部の構成を示し、図17は、本発明の第2の実施例の位置マーカ系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0223】
ステップ221) 位置マーカ系列生成部220は、拡散系列生成器222を有し、鍵情報202を入力として、当該拡散系列生成器222によって、鍵情報202を初期値とする0番目の長さnの拡散系列{ri (0) }(0≦i<n)を生成し、この拡散系列をそのまま位置マーカ系列221({pi }(0≦i<n)とする(pi :=ri (0) (0≦i<n))とする。これを、位置マーカ検出部230に送る。位置マーカ系列生成部220の中の拡散系列生成器222は、前述の第1の実施例における埋め込み系列生成部120の中の拡散系列生成器122と同様の動作をするものを用いる。
【0224】
次に、本実施例における位置マーカ検出部230について説明する。
【0225】
図18は、本発明の第2の実施例の位置マーカ検出部の構成を示す。
【0226】
同図に示す位置マーカ検出部230は、オフセット候補情報生成部232、ブロック生成部233、離散フーリエ変換部234、検出対象系列生成部235、位置マーカ検出情報生成部236、オフセット情報生成部237から構成される。
【0227】
図19は、本発明の第2の実施例の位置マーカ検出部の動作を示すフローチャートである。
【0228】
ステップ231) 位置マーカ検出部230は、検出対象画像201と検出対象成分位置情報211と位置マーカ系列221を入力として、まず、オフセット候補情報生成部232にいて、オフセット候補情報204(a,b)を(0,0)から(N−1,N−1)まで順次生成する。
【0229】
ステップ232) 以下、ブロック生成部233から位置マーカ検出情報生成部236までの処理は各々オフセット候補情報204毎に行われる。図20は、本発明の第2の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図であり、図21は、本発明の第2の実施例のブロック生成部の動作のフローチャートである。以下、図20と図21に基づいてブロック生成部233の動作を説明する。
【0230】
ステップ232−1) ブロック生成部233は、検出対象画像201とオフセット候補情報204を入力する。
【0231】
ステップ232−2) 検出対象画像201の左上からオフセット候補情報204(a,b)だけオフセットした位置からN×Nサイズの画素ブロックを切り出す。
【0232】
ステップ232−3) 切り出した画素ブロックを離散フーリエ変換部234に送る。
【0233】
ステップ233) 離散フーリエ変換部234は、画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列206を生成し、これを検出対象系列生成部235に送る。
【0234】
ステップ234) 検出対象系列生成部235において、検出対象成分位置情報211と検出対象係数行列206から次のようにして検出対象系列207を得る。図22は、本発明の第2の実施例の検出対象系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0235】
ステップ234−1) 検出対象系列生成部235は、検出対象成分位置情報211をLk (xk ,yk ,zk )(0≦k<n)、検出対象係数行列206をF(u,v)(0≦u<N,0≦v<N)とし、検出対象系列207を{qk }(0≦k<n)と表すと、以下の分岐により処理を行う。
【0236】
ステップ234−2) zk が実数成分を表す値の時:
k :=(F(x ,y )の実数成分値)
とする。
【0237】
ステップ234−3) zk が虚数成分を表す値の時:
k :=(F(x ,y )の虚数成分値)
とする。
【0238】
上記のステップ234−2、234−3の処理をk=0…n−1について順次行う。
【0239】
ステップ234−4) 上記で求めた検出対象系列207{qk }を出力する。
【0240】
ステップ235) 次に、位置マーカ検出情報生成部236において、以下の式により位置マーカ系列221と検出対象系列207の相関値を求め、これをオフセット候補情報204と組にして、位置マーカ検出情報208corrabとして出力する。当該位置マーカ検出情報208は以下の式により求められる。
【0241】
【数3】
Figure 0003745729
上記のブロック生成部233から位置マーカ検出情報生成部236までの処理をオフセット候補情報(a,b)204が(0,0)〜(N−1,N−1)まで巡回する間順次繰り返し、全ての位置マーカ検出情報208をオフセット情報生成部237に送る。
【0242】
ステップ236) オフセット情報生成部237は、入力された全ての位置マーカ検出情報208のうち、入力されたすべての位置マーカ系列221と検出対象系列207の相関値が最大のときオフセット候補情報(a,b)をオフセット情報231として出力し、電子透かし検出部240に送る。
【0243】
位置マーカ検出部230から出力されるオフセット情報231は、検出対象画像201の左上から埋め込み時の透かしパターンの開始点がどれだけずれた位置にあるかを表している。
【0244】
次に、本実施例における電子透かし検出部240について説明する。
【0245】
図23は、本発明の第2の実施例の電子透かし検出部の構成を示す。同図に示す電子透かし検出部240は、ブロック生成部241、離散フーリエ変換部242、検出対象系列生成部243、シンボル検出部244、検出結果生成部245から構成される。
【0246】
図24は、本発明の第2の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【0247】
ステップ241) 電子透かし検出部240は、検出対象画像201、検出対象成分位置情報211、オフセット情報231、及び鍵情報202を入力として、
まず、ブロック生成部241において検出対象画像の左上からオフセット情報(a,b)に基づいてオフセットした位置からN×Nサイズの画素ブロックを切り出し、離散フーリエ変換部242に送る。
【0248】
ステップ242) 離散フーリエ変換部242は、画素ブロック205を離散フーリエ変換して検出対象係数行列247を生成し、これを検出対象系列生成部243に送る。
【0249】
ステップ243) 検出対象系列生成部243は、位置マーカ検出部230の中の検出対象系列生成部235と同様の処理によって検出対象系列248を得て、シンボル検出部244に送る。
【0250】
ステップ244) シンボル検出部244は、鍵情報202と各シンボル候補情報とから生成される系列と検出対象系列248との相関値を求めて、シンボル検出情報249を生成する。
【0251】
ステップ245) すべてのシンボル検出情報249を得た後、検出結果生成部245は、シンボル検出情報249の各シンボル位置について、相関値が最大の時のシンボル候補値を検出シンボルとする。
【0252】
ステップ246) 全てのシンボル位置から検出シンボルを決定した後、検出結果生成部245は、検出シンボルを電子透かしの形式に逆変換した結果を検出結果203として出力する。
【0253】
次に、上記の電子透かし検出部240のシンボル検出部244について説明する。図25は、本発明の第2の実施例のシンボル検出部の構成を示す。
【0254】
同図に示すシンボル検出部244は、シンボル候補生成部2441、シンボル系列生成部2442、シンボル検出情報生成部2443から構成され、鍵情報202と検出対象系列248とを入力とし、予め設定されている検出するシンボル数J個の各シンボル位置毎に、M個のシンボル候補についてのシンボル検出情報249を生成し、検出結果生成部245に出力する。以下、j(1≦j≦J)番目のシンボル検出について説明する。
【0255】
図26は、本発明の第2の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【0256】
ステップ244−1) シンボル検出部244のシンボル候補生成部2441は、シンボル候補cを0からM−1まで順次生成し、各シンボル候補ごとに、ステップ244−2からステップ244−3までの処理を行う。Mは、前述の第1の実施例におけるシンボル変換によるシンボル値の最大値を表す。
【0257】
ステップ244−2) シンボル系列生成部2442で行われる処理について説明する。図27は、本発明の第2の実施例のシンボル系列生成部の構成を示し、図28は、本発明の第2の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0258】
ステップ244−2−1) シンボル系列生成部2442は、鍵情報202とシンボル候補c2444を入力とし、cと鍵情報202を加算した値を初期値として、拡散系列生成器2447でj番目の長さnの拡散系列{ri (j) }(0≦i<n)を生成し、これをそのままシンボル系列2445{pi (j) }(0≦i<n)として用いる(pi j):=ri (j) (0≦i<n))。シンボル系列をシンボル検出情報生成部2443に送る。
【0259】
ステップ244−3) シンボル検出情報生成部2443は、検出対象系列248とシンボル系列2445とシンボル候補c2444と現在処理中のシンボル位置jを入力として、以下の式によりシンボル系列と検出対象系列248の相関値を求め、相関値とシンボル候補とシンボル位置を組にしてシンボル検出情報corrc (j) 249を生成する。
【0260】
【数4】
Figure 0003745729
シンボル検出情報249は、検出結果生成部245に送られる。
【0261】
次に、本実施例の検出結果生成部245について説明する。
【0262】
図29は、本発明の第2の実施例の検出結果生成部の構成を示す。同図に示す検出結果生成部245は、各シンボル位置毎系列生成部2451、検出シンボル生成部2452、及び逆シンボル変換部2453から構成される。
【0263】
図30は、本発明の第2の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【0264】
ステップ245−1) 検出結果生成部245は、シンボル検出情報249を入力とし、まず、各シンボル位置毎系列生成部2451において、シンボル検出情報249をシンボル位置j毎に分割し、長さMの各シンボル位置毎系列corrc (j) ,(0≦c<M)2454をj=1〜Jまでの各々のjについて生成して検出シンボル生成部2452に送る。
【0265】
ステップ245−2) 検出シンボル生成部2452は、各シンボル位置毎系列2454を入力とし、各シンボル位置j毎に各シンボル位置毎系列2454中で最大の相関値をとる時のシンボル候補cを見つけて検出シンボルsj (1≦j<J)2455を生成する。
【0266】
ステップ245−3) すべてのsj を求めた後に、逆シンボル変換部2453は、シンボル表現から元々の電子透かしの表現に変換(例えば、第1の実施例における変換に対応する逆変換は、4つの検出シンボル(各検出シンボルの値は、0〜255)の値を各々ASCIIコードとみなして、4文字の8ビット文字に変換する処理である)して、検出結果203を生成し、出力する。この検出結果203は、検出対象画像201に埋め込まれていた電子透かしを表している。上記の処理により、第2の実施例における電子透かし検出装置の処理を終了する。
【0267】
上記の第2の実施例による電子透かし検出処理では、検出対象画像からブロック画素をずらしながら、切り出し、離散フーリエ変換を行って検出対象系列を得て、検出対象系列と位置マーカ系列との相関のピークを見つけることで、埋め込み時の透かしパターンの開始点が検出対象画像の左上からどれだけオフセットしているかを見つける。このことによって検出対象画像が、第1の実施例における埋め込み済画像を任意の位置から切り出した部分画像(サイズは2N×2N以上)である場合についても正しく透かしパターンの位置を見つけることができる。オフセット量を見つけたら、その位置から始まる画素ブロックから電子透かしの検出を行えば、埋め込まれている電子透かしを正しく検出することができる。
【0268】
また、第2の実施例による電子透かし検出処理では、原画像(第1の実施例の入力画像)が不要である。以上述べたように第2の実施例による電子透かし検出は、従来の技術では不可能であった埋め込み済画像を任意の位置から切り出した画像からの電子透かしの検出を原画像なしに行うことが可能となる。
【0269】
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例として、前述の第2の実施例において、切り出した画素ブロックをオフセット情報によりサイクリックシフトする例を説明する。
【0270】
以下の本実施例の説明において、以下に述べる部分以外については、前述の第2の実施例と同様である。
【0271】
最初に、本実施例における位置マーカ検出部230中のブロック生成部233の動作を説明する。なお、構成は、図18に示す構成と同様である。
【0272】
図31は、本発明の第3の実施例のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【0273】
ステップ301) 位置マーカ検出部230のブロック生成部233は、検出対象画像201とオフセット候補情報204を入力する。
【0274】
ステップ302) まず、ブロック生成部233は、図32に示すように、検出対象画像201の左上からN×Nサイズのブロックを切り出す。
【0275】
ステップ303) 次に、ブロック生成部233は、このブロックをオフセット候補情報204をもとにサイクリックシフト(平行移動によってブロックからはみ出した部分は、反対側の辺の方に移す)を行って画素ブロック205を得る。
【0276】
ステップ304) 得られた画素ブロック205を出力する。
【0277】
この画素ブロックを式で表すと、
{Bij}:検出対象画像201の左上からN×Nサイズを切り出して得られるブロックとすると、オフセット候補情報(a,b)によるサイクリックシフトで得られる画素ブロックは、
B’ij=B(i+a)%N,(j+b)%N
(0≦i<N,0≦j<N,x%yは、xをyで割った剰余を表す)
と表した時の{B’ij}を画素ブロックとして出力する。
【0278】
次に、第3の実施例における電子透かし検出部240中のブロック生成部241の動作について以下に説明する。
【0279】
本実施例における電子透かし検出部240中のブロック生成部241は、検出対象画像201とオフセット情報231を入力とし、位置マーカ検出部230中のブロック生成部233と同様に(オフセット情報をオフセット候補情報として入力して)、サイクリックシフトを用いて画素ブロックを出力する。
【0280】
本実施例を用いた電子透かし検出処理の場合、前述の第2の実施例に比べて、検出対象画像に必要なサイズが、2N×2N以上からN×N以上になり、より小さな検出対象画像からの検出が可能となる。
【0281】
[第4の実施例]
次に、本発明の第4の実施例では、電子透かしを検出する際に、検出対象画像がN×Nサイズ以上または、N×Nサイズより小さい場合における画素ブロックの切り出しの例を説明する。
【0282】
まず、位置マーカ検出部230のブロック生成部233について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第2の実施例及び第3の実施例と同様である。
【0283】
図33は、本発明の第4の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図であり、図34は、本発明の第4の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【0284】
ステップ401) 本実施例における位置マーカ検出部230のブロック生成部233には、検出対象画像201とオフセット候補情報204が入力される。
ステップ402) ブロック生成部233は、検出対象画像201がN×Nサイズ以上であるかを判断し、そうであれば、ステップ403に移行し、そうでない場合にはステップ404に移行する。
【0285】
ステップ403) ブロック生成部233は、検出対象画像の左上からN×Nサイズのブロックを切り出す。
【0286】
ステップ404) 検出対象画像201が小さくてN×Nサイズに切り出せない場合は、ブロック生成部233は、N×Nで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分(図33A)のみを切り出し、N×Nサイズに足りない部分は、検出対象画像相当分の画素値の平均値を求めて、これで埋める。
【0287】
ステップ405) ブロック生成部233は、上記の処理で得られたブロックを前述の第3の実施例と同様にサイクリックシフトして画素ブロックを得る。
【0288】
ステップ406) ブロック生成部233は、得られた画素ブロック205を出力する。
【0289】
以下に、電子透かし検出部240中のブロック生成部241の動作について説明する。
【0290】
前述の第3の実施例における電子透かし検出部240のブロック生成部241は、検出対象画像201とオフセット情報231が入力され、位置マーカ検出部230のブロック生成部233と同様の処理によって(オフセット情報をオフセット候補情報として入力して)画素ブロック246を得て出力する。
【0291】
本実施例を用いた電子透かし検出処理の場合、第3の実施例に比べて、検出対象画像に必要なサイズがN×N以上から任意のサイズになり、より小さな検出対象画像からの検出が可能となる。
【0292】
[第5の実施例]
次に、本発明の第5の実施例について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第2の実施例と同様である。
【0293】
本実施例では、電子透かし検出部について説明する。
【0294】
図35は、本発明の第5の実施例の電子透かし検出部の構成を示す。
【0295】
同図に示す電子透かし検出部500は、ブロック分割部510、離散フーリエ変換部520、検出対象系列生成部530、シンボル検出部540、検出結果生成部550から構成される。
【0296】
図36は、本発明の第5の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【0297】
ステップ510) 電子透かし検出部500は、検出対象画像201と検出対象成分位置情報211とオフセット情報231と鍵情報202を入力として、まず、ブロック分割部510において、検出対象画像201を、図37に示すように、左上からオフセット情報(a,b)231だけオフセットした位置からN×Nサイズの画素ブロックT個に分割し、分割によって得られた画素ブロック511に0〜T−1の番号を振る。
【0298】
t(0≦t<T)番目の画素ブロック511について、以下の処理を行う。
【0299】
ステップ520) 離散フーリエ変換部520は、t番目の画素ブロック511を離散フーリエ変換して、検出対象係数行列521を得る。
【0300】
ステップ530) 検出対象系列生成部530は、検出対象成分位置情報211と検出対象係数行列521から検出対象系列531を生成する。
【0301】
ステップ540) シンボル検出部540は、鍵情報202と各シンボル候補情報とから生成される系列と検出対象系列531との相関値を求めてシンボル検出情報546を生成する。
【0302】
ステップ550) すべてのtについてシンボル検出情報546を得た後、検出結果生成部550は、シンボル検出情報546の各シンボル位置について、相関値が最大の時のシンボル候補値を検出シンボルとする。
【0303】
ステップ560) 検出結果生成部550は、すべてのシンボル位置から検出シンボルを決定した後、検出シンボルを電子透かしの形式に逆変換した検出結果203として出力する。
【0304】
次に、本実施例におけるシンボル検出部540について説明する。
【0305】
図38は、本発明の第5の実施例のシンボル検出部の構成を示す。同図に示すシンボル検出部540は、シンボル候補生成部541、シンボル系列生成部542、シンボル検出情報生成部543から構成され、シンボル検出部540は、鍵情報202と(t番目の画素ブロックから得られる)検出対象系列531を入力とし、予め設定されている検出するシンボル数J個の各シンボル位置毎に、M個のシンボル候補544についてのシンボル検出情報546を生成し、検出結果生成部550に出力する。以下j(1≦j≦J)番目のシンボル検出について説明する。
【0306】
図39は、本発明の第5の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【0307】
ステップ551) シンボル候補生成部541は、シンボル候補cを0からM−1まで順次生成し、各シンボル候補毎に以下のステップ552〜ステップ553の処理を行う。Mは、前述の第1の実施例におけるシンボル変換によるシンボル値の最大値を表す。
【0308】
ステップ552) シンボル系列生成部542について説明する。図40は、本発明の第5の実施例のシンボル系列生成部の構成を示し、図41は、本発明の第5の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0309】
ステップ552−1) シンボル系列生成部542は、鍵情報202とシンボル情報cを入力とし、cと鍵情報202を加算した値を初期値として、拡散系列生成器5421でj番目の長さnの拡散系列{ri (j) }(0≦i<n)を生成し、これをそのままシンボル系列545{pi (j) }(0≦i<n)として用いる(pi (j) :=ri (j) (0≦i<n))。シンボル系列545をシンボル検出情報生成部543に送る。
【0310】
ステップ553) シンボル検出情報生成部543は、検出対象系列531とシンボル系列545と、シンボル候補cと現在処理中のシンボル位置jを入力として、以下の式によりシンボル系列545と検出対象系列531の相関値を求め、相関値とシンボル候補とシンボル位置と画素ブロック位置を組にしてシンボル検出情報corrc (j)(t)546を生成する。
【0311】
【数5】
Figure 0003745729
シンボル検出情報546は、検出結果生成部550に送られる。
【0312】
次に、本実施例の検出結果生成部550について説明する。
【0313】
図42は、本発明の第5の実施例の検出結果生成部の構成を示す。同図に示す検出結果生成部550は、各シンボル位置毎系列生成部551、検出シンボル生成部552、逆シンボル変換部553から構成される。
【0314】
図43は、本発明の第5の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【0315】
ステップ561) 検出結果生成部550は、シンボル検出情報546を入力とし、シンボルを検出結果556(電子透かし)として取得する。まず、各シンボル位置毎系列生成部551は、シンボル検出情報546をシンボル位置j毎に分割し、長さM×Tの各シンボル位置毎系列corrc (j)(t),(0≦c<M,0≦t<T)554をj=1〜Jまでの各々のjについて生成して検出シンボル生成部552に送る。
【0316】
ステップ562) 検出シンボル生成部552は、各シンボル位置毎系列554を入力とし、各シンボル位置j毎に各シンボル位置毎系列554中で最大の相関値をとる時のシンボル候補cを見つけて検出シンボルsj (1≦j<J)を生成する。
【0317】
ステップ563) すべてのsj を求めた後に、逆シンボル変換部553は、シンボル表現からもともとの電子透かしの表現に変換(例えば、第1の実施例における変換に対応する逆変換は、4つの検出シンボル(各検出シンボルの値は、0から255)の値を各々ASCIIコードとみなして、4文字の8ビット文字に変換する処理である)して、検出結果203を生成し、出力する。
【0318】
検出結果203は、検出対象画像に埋め込まれていた電子透かしを表している。
【0319】
本実施例による電子透かし検出処理では、検出対象画像(2N×2N以上のサイズ)201をブロックに分割して、すべてのブロックの中で最大の相関値をとる時のシンボルを検出しているので、前述の第2の実施例(1つのブロックからしか検出しない)に比べて、より精度の高い検出が可能となる。
【0320】
[第6の実施例]
次に、本発明の第6の実施例として、電子透かし検出部について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第3の実施例と同様である。
【0321】
図44は、本発明の第6の実施例の電子透かし検出部の構成を示す。同図に示す電子透かし検出部600は、ブロック分割部610、離散フーリエ変換部620、検出対象系列生成部630、シンボル検出部640、検出結果生成部650から構成される。
【0322】
図45は、本発明の第6の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【0323】
ステップ610) 電子透かし検出部600は、検出対象画像201と検出対象成分位置情報211とオフセット情報231と鍵情報202を入力とし、電子透かしを検出結果203として出力する。まず、ブロック分割部610は、検出対象画像201を図46に示すように、左上からN×Nサイズのブロックに分割し、位置マーカ検出部230のブロック生成部233と同様にして、オフセット情報(a,b)231を用いて各ブロックをサイクリックシフトして得られるT個のN×Nサイズの画素ブロックを生成する。さらに、ブロック分割部610は、分割によって得られた画素ブロックに0〜T−1の番号を振る。t(0≦t<T)番目の画素ブロック601について、ステップ620からステップ640の処理を繰り返す。
【0324】
ステップ620) 離散フーリエ変換部620は、t番目の画素ブロック601を離散フーリエ変換して検出対象係数行列602を得る。
【0325】
ステップ630) 検出対象系列生成部630は、位置マーカ検出部230の検出対象系列生成部235と同様の処理によって検出対象系列603を得て、シンボル検出部640に送る。
【0326】
ステップ640) シンボル検出部640は、鍵情報202と各シンボル候補情報とから生成される系列と検出対象系列603との相関値を求めてシンボル検出情報604を生成する。T番目の画素ブロック601まで、ステップ620以降の処理を繰り返す。
【0327】
ステップ650) すべてのtの画素ブロック601について、シンボル検出情報604を得た後、検出結果生成部650は、シンボル検出情報604の各シンボル位置について相関値が最大の時のシンボル候補値を検出シンボルとする。ステップ660) 検出結果生成部650は、すべてのシンボル位置から検出シンボルを決定した後、検出シンボルを電子透かしの形式に逆変換した結果を検出結果203として出力する。
【0328】
次に、本実施例におけるシンボル検出部640について説明する。
【0329】
図47は、本発明の第6の実施例のシンボル検出部の構成を示す。同図に示すシンボル検出部640は、シンボル候補生成部641、シンボル系列生成部643、シンボル検出情報生成部645から構成される。
【0330】
シンボル検出部640は、鍵情報202と(t番目の画素ブロックから得られる)検出対象系列603を入力とし、シンボル検出情報646を出力する。予め設定されている検出するシンボル数J個の各シンボル位置毎に、M個のシンボル候補642についてのシンボル検出情報604を生成し、検出結果生成部650に出力する。以下、j(1≦j<J)番目のシンボル検出について説明する。
【0331】
図48は、本発明の第6の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【0332】
ステップ641) シンボル候補生成部641において、シンボル候補cを0からM−1まで順次生成し、各シンボル候補642ごとに、ステップ642〜ステップ643までの処理を行う。Mは、前述の第1の実施例におけるシンボル変換によるシンボル値の最大値を表す。
【0333】
ステップ642) シンボル系列生成部643の構成を図49に示し、その動作を図50に示す。
【0334】
ステップ642−1) シンボル系列生成部643は、鍵情報202とシンボル候補c642を入力とし、cと鍵情報202を加算した値を初期値として、拡散系列生成器6431でj番目の長さnの拡散系列{ri (j) }(0≦i<n)を生成し、これをそのままシンボル系列644{pi (j) }(0≦i<n)として用いる(pi (j) :=ri (j) (0≦i<n))。シンボル系列644をシンボル検出情報生成部645に送る。
【0335】
ステップ643) シンボル検出情報生成部645は、検出対象系列603とシンボル系列644とシンボル候補cと現在処理中のシンボル位置jを入力として、以下の式によりシンボル系列644と検出対象系列603の相関値を求め、相関値とシンボル候補とシンボル位置と画素ブロック位置を組にしてシンボル検出情報corrc (j)(t)604を生成する。
【0336】
【数6】
Figure 0003745729
シンボル検出情報604は、検出結果生成部650に送られる。
【0337】
次に、本実施例における検出結果生成部650について説明する。
【0338】
図51は、本発明の第6の実施例の検出結果生成部の構成を示す。同図に示す検出結果生成部650は、各シンボル位置毎系列生成部651、検出シンボル生成部653、逆シンボル変換部655から構成される。
【0339】
図52は、本発明の第6の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【0340】
ステップ651) 検出結果生成部650は、シンボル検出情報604を入力とし、まず、各シンボル位置毎系列生成部651において、シンボル検出情報604をシンボル位置j毎に分割し、長さM×Tの各シンボル位置毎系列corrc (j)(t)(0≦c<M,0≦t<T)652をj=1〜Jまでの各々のjについて生成して検出シンボル生成部653に送る。
【0341】
ステップ652) 検出シンボル生成部653は、各シンボル位置毎系列652を入力とし、各シンボル位置j毎に、各シンボル位置毎系列652中で最大の相関値を採る時のシンボル候補cを見つけて検出シンボルsj (1≦j<J)654を生成する。すべてのsj を求めるまで上記の処理を繰り返す。
【0342】
ステップ653) 全ての検出シンボルsj を求めた後に、逆シンボル変換部655において、シンボル表現からもともとの電子透かしの表現に変換(例えば、第1の実施例における変換に対応する逆変換は、4つの検出シンボル(各検出シンボルの値は0〜255)の値を各々ASCIIコードとみなして4文字の8ビット文字に変換する処理である)して、検出結果203を生成し、出力する。検出結果203は、検出対象画像に埋め込まれていた電子透かしを表している。
【0343】
本実施例による電子透かし検出処理では、検出対象画像の最低サイズが(N×Nとなり第5の実施例よりも小さな部分画像から検出が可能となり、また、検出に用いるブロックの個数が第5の実施例よりも多くなるので、第5の実施例に比べてより精度の高い検出が可能となる。
【0344】
また、第3の実施例(1つのブロックからしか検出できない)に比べて、より精度の高い検出が可能となる。
【0345】
[第7の実施例]
本発明の第7の実施例として電子透かし検出部について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第4の実施例と同様である。
【0346】
図53は、本発明の第7の実施例の電子透かし検出部の構成を示す。同図に示す電子透かし検出部700は、ブロック分割部710、離散フーリエ変換部720、検出対象系列生成部730、シンボル検出部740、検出結果生成部750から構成される。
【0347】
図54は、本発明の第7の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【0348】
ステップ710) 電子透かし検出部700は、検出対象画像201と検出対象成分位置情報211とオフセット情報231と鍵情報202を入力として、まず、ブロック分割部710において、検出対象画像201を、図55に示すように、左上からN×Nサイズのブロックに分割し、位置マーカ検出部230のブロック生成部233と同様に、オフセット情報(a,b)を用いて各ブロックをサイクリックシフトして得られるT個のN×Nサイズの画素ブロックを生成する。この際、検出対象画像201の端の辺りでN×Nサイズに切り出せないブロックについては、N×Nで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズに足りない部分は、検出対象画像相当分の画素値の平均値を求めてこれで埋める、という処理を行ってからサイクリックシフトを行う。ブロック分割部710は、分割によって得られた画素ブロックに0〜T−1の番号を振る。t(0≦t<T)番目の画素ブロック701について、以下のステップ720〜ステップ740の処理を繰り返す。
【0349】
ステップ720) 離散フーリエ変換部720は、t番目の画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列702を得る。
【0350】
ステップ730) 検出対象系列生成部730は、位置マーカ検出部230の検出対象系列生成部235と同様の処理によって、検出対象系列703を得て、シンボル検出部740に送る。
【0351】
ステップ740) シンボル検出部740は、鍵情報202と各シンボル候補情報とから生成される系列と検出対象系列703との相関値を求めてシンボル検出情報704を生成する。
【0352】
ステップ750) すべてのtについてシンボル検出情報704を得た後、検出結果生成部750は、シンボル検出情報704の各シンボル位置について、相関値が最大の時のシンボル候補値を検出シンボルとする。
【0353】
ステップ760) すべてのシンボル位置から検出シンボルを決定した後、検出結果生成部750は、検出シンボルを電子透かしの形式に逆変換した結果を検出結果203として出力する。
【0354】
次に、本実施例におけるシンボル検出部740について説明する。
【0355】
図56は、本発明の第7の実施例のシンボル検出部の構成を示す。同図に示すシンボル検出部740は、シンボル候補生成部741、シンボル系列生成部743、シンボル検出情報生成部745から構成される。
【0356】
当該シンボル検出部740は、鍵情報202と(t番目の画素ブロックから得られる)検出対象系列703を入力とし、予め設定されている検出するシンボル数j個の各シンボル位置毎に、M個のシンボル候補742についてのシンボル検出情報704を生成し、検出結果生成部750に出力する。
【0357】
以下、j(1≦j≦J)番目のシンボル検出について説明する。
【0358】
図57は、本発明の第7の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【0359】
ステップ741) シンボル候補生成部741は、シンボル候補cを0からM−1まで順次生成し、各シンボル候補毎にステップ742からステップ743の処理を行う。Mは、前述の第1の実施例におけるシンボル値の最大値を表す。
【0360】
ステップ742) シンボル系列生成部743の構成と動作を説明する。図58は、本発明の第7の実施例のシンボル系列生成部の構成を示し、図59は、本発明の第7の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0361】
ステップ742−1) シンボル系列生成部743は、鍵情報202とシンボル候補cを入力とし、cと鍵情報202を加算した値を初期値として、拡散系列生成器7431でj番目の長さnの拡散系列{ri (j) }(0≦i<n)を生成し、これをそのままシンボル系列744{pi (j) }(0≦i<n)として用いる(pi (j) :=ri (j) (0≦i<n))。シンボル系列744をシンボル検出情報生成部745に送る。
【0362】
ステップ743) シンボル検出情報生成部745は、検出対象系列703とシンボル系列744とシンボル候補cと現在処理中のシンボル位置jを入力として、以下の式によりシンボル系列744と検出対象系列703の相関値を求め、相関値とシンボル候補とシンボル位置と画素ブロック位置を組にして、シンボル検出情報corrc (j)(t)746を生成する。
【0363】
【数7】
Figure 0003745729
シンボル検出情報746は、検出結果生成部750に送られる。
【0364】
次に、本実施例における検出結果生成部750について説明する。
【0365】
図60は、本発明の第7の実施例の検出結果生成部の構成を示す。同図に示す検出結果生成部750は、各シンボル位置毎系列生成部751、検出シンボル生成部753、逆シンボル変換部755から構成される。
【0366】
図61は、本発明の第7の実施例の検出結果生成部の動作のフローチャートである。
【0367】
ステップ751) 検出結果生成部750は、シンボル検出情報704を入力とし、まず、各シンボル位置毎系列生成部751において、シンボル検出情報704をシンボル位置j毎に分割し、長さM×Tの各シンボル位置毎系列corrc (j)(t),(0≦c<M,0≦t<T)752をj=1〜Jまでの各々のjについて生成して検出シンボル生成部753に送る。
【0368】
ステップ752) 検出シンボル生成部753は、各シンボル位置毎系列752を入力とし、各シンボル位置j毎に各シンボル位置毎系列752中で最大の相関値をとる時のシンボル候補cを見つけて検出シンボルsj (1≦j≦J)754を生成する。ステップ751とステップ752の処理を全てのsj を求めるまで繰り返す。
【0369】
ステップ753) すべてのsj を求めた後に、逆シンボル変換部755において、シンボル表現からもともとの電子透かしの表現に変換(例えば、前述の第1の実施例における変換に対応する逆変換は、4つの検出シンボル(各検出シンボルの値は0〜255)の値を各々ASCIIコードと見做して4文字の8ビット文字に変換する処理である)して、検出結果203を生成し、出力する。
【0370】
検出結果203は、検出対象画像に埋め込まれていた電子透かしを表している。
【0371】
本実施例における電子透かし検出処理では、検出対象画像の最低サイズに関する制限が無くなるので、前述の第6の実施例よりも小さな部分画像からの検出が可能となり、また、検出に用いるブロックの個数が第6の実施例よりも多くなるので、第6の実施例に比べて精度の高い検出が可能となる。また、第4の実施例(1つのブロックからしか検出しない)に比べてより精度の高い検出が可能となる。
【0372】
[第8の実施例]
次に、本発明の第8の実施例として、検出対象画像をオフセット情報によりブロックに分割し、当該画素ブロックの画素値が加算された加算ブロックを画素ブロックとして出力する位置マーカ検出部について説明する。以下の説明以外の部分については、前述の第2の実施例と同様である。
【0373】
図62は、本発明の第8の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成を示す。
【0374】
位置マーカ検出部230のブロック生成部800は、ブロック分割部810、ブロック加算部820を有する。
【0375】
図63は、本発明の第8の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【0376】
ステップ810) ブロック生成部800は、検出対象画像201とオフセット候補情報204を入力とし、ブロック分割部810において、図64に示すように、検出対象画像201の左上からオフセット候補情報204(a,b)だけずれた位置からT個のN×N画素ブロックに分割する。
【0377】
ステップ820) 次に、ブロック加算部820は、これら全てのブロックを加算して加算ブロック802を生成する。式で表すと、
ij (t) :t番目のブロック(0≦i<N,0≦j<N,0≦t<T)
のとき、加算ブロックAij(0≦i<N,0≦j<N)は、
【0378】
【数8】
Figure 0003745729
によって得られる。
【0379】
ステップ830) ブロック生成部800は、この加算ブロック802を画素ブロック803として離散フーリエ変換部234に出力する。
【0380】
次に、本実施例における電子透かし検出部240のブロック生成部241について図23を用いて説明する。
【0381】
本実施例における電子透かし検出部240のブロック生成部241は、検出対象画像201とオフセット情報231を入力とし、位置マーカ検出部230のブロック生成部233と同様に、(オフセット情報をオフセット候補情報として入力して)、検出対象画像をオフセット情報(a,b)だけずれた位置からT個のN×Nのブロックに分割する。次に、ブロック生成部241内において、これらすべてのブロックを加算して、加算ブロックを生成する。この加算ブロックを画素ブロック246として離散フーリエ変換部242に出力する。
【0382】
本実施例における電子透かし検出処理では、検出対象画像(2N×2Nサイズ以上)をN×Nサイズのブロックに分割し、全てのブロックを加算したブロックから位置マーカの検出及び電子透かしの検出を行う。
【0383】
T個のブロックの加算によって、N×Nサイズの繰り返しパターンである透かしパターンは、T倍強調されるが、原画像のパターンはブロック間の相関が低いので、加算によって徐々にキャンセルされている。即ち、加算ブロックからの検出によって原画像の影響は少なくなり、同時に透かしパターンは強調されていくので、前述の第2の実施例より精度の高い検出が可能となる。
【0384】
また、検出に伴う処理量は、第2の実施例に比べて加算ブロックを生成する分だけ増加するが、この処理量は検出処理の他の部分の処理量と比較すれば、無視できるほど小さく、また、第5の実施例のように1つずつのブロックから検出する場合と比較するとブロック数倍だけ高速な処理が可能である。
【0385】
[第9の実施例]
次に、本発明の第9の実施例として、検出対象画像をブロックに分割し、分割されたブロックの画素値を加算して得られたブロックを加算ブロックとし、当該加算ブロックをオフセット情報によりサイクリックシフトし、画素ブロックを生成する処理を行う、位置マーカ検出部と電子透かし検出部について説明する。なお、以下に述べる部分以外については前述の第3の実施例と同様である。
【0386】
図65は、本発明の第9の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成を示す。同図に示すブロック生成部900は、ブロック分割部910、ブロック加算部920、サイクリックシフト部930から構成される。
【0387】
図66は、本発明の第9の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【0388】
ステップ910) ブロック生成部900は、検出対象画像201とオフセット候補情報204を入力とし、ブロック分割部910において、図67に示すように、検出対象画像201の左上からN×N画素のブロックにT個に分割する。
【0389】
ステップ920) 次に、ブロック加算部920は、これらすべてのブロックを加算して加算ブロック902を生成する。式で表すと、
ij (t) :t番目のブロック(0≦i<N,0≦j<N,0≦t<T)
のとき、加算ブロックAij(0≦i<N,0≦j<N)902は、
【0390】
【数9】
Figure 0003745729
によって得られる。
【0391】
次に、本実施例における位置マーカ検出部230(図18)のブロック生成部900のサイクリックシフト部930の動作について説明する。
【0392】
図68は、本発明の第9の実施例のサイクリックシフト部の動作を説明するための図である。
【0393】
同図に示すように、サイクリックシフト部930において、オフセット候補情報204を元に加算ブロック902をサイクリックシフトして画素ブロック246を生成し、これを離散フーリエ変換部234に出力する。式で表すと、
ij :加算ブロック(0≦i<N,0≦j<N)
をオフセット候補情報(a,b)204によって、サイクリックシフトして得られる画素ブロック246は、
ij=A(i+a)%N,(j+b)%N (0≦i<N,0≦j<N)
によって得られる。
【0394】
次に、本実施例における電子透かし検出部240のブロック生成部について、図23に基づいて説明する。
【0395】
本実施例における電子透かし検出部240のブロック生成部241は、検出対象画像201とオフセット情報231を入力とし、位置マーカ検出部230中のブロック生成部900と同様に(オフセット情報をオフセット候補情報として入力して)、検出対象画像201を左上からT個のN×N画素のブロックに分割する。
【0396】
次に、ブロック生成部241内のブロック加算部において、これらすべてのブロックを加算して、加算ブロックを生成する。そして、ブロック生成部241内のサイクリックシフト部において、オフセット情報を元に、加算ブロックをサイクリックシフトして画素ブロック246を生成し、離散フーリエ変換部234に出力する。
【0397】
本実施例による電子透かし検出処理では、検出対象画像の必要最低サイズがN×Nとなり、前述の第8の実施例よりも小さな検出対象画像からの検出が可能である。
【0398】
さらに、第8の実施例と比較して分割ブロック数Tが大きくなるので、検出において、原画像の影響はより少なくなり、透かしパターンはより強調されていくので、第8の実施例より精度の高い検出が可能となる。
【0399】
また、ブロックの加算によって、検出において、原画像の影響は少なくなり、透かしパターンは強調されていくので、第3の実施例より精度の高い検出が可能である。
【0400】
また、電子透かし検出に伴う処理量は、第3の実施例に比べて加算ブロックを生成する分だけ増加するが、この処理量は検出処理の他の部分の処理量と比較すれば無視できるほど小さく、また、第6の実施例のように1つずつのブロックから検出する場合と比較すると、ブロック数倍だけ高速に処理が可能である。
【0401】
[第10の実施例]
次に、本発明の第10の実施例として、位置マーカ検出部230について説明する。以下に説明されている部分以外は前述の第4の実施例と同様である。
【0402】
本実施例では、位置マーカ検出部230において、検出対象画像をブロックに分割し、このとき、検出対象画像の端の辺りで1ブロックに満たない画素領域について、分割時の検出対象画像相当分の平均値を求め、足りない部分は検出対象画像相当分の画素値の平均を求め、平均値で埋めてブロックとする点において、前述の第9の実施例と異なる。
【0403】
まず、本実施例における位置マーカ検出部230のブロック生成部について説明する。
【0404】
図69は、本発明の第10の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成を示す。同図に示すブロック生成部1000は、ブロック分割部1010、ブロック加算部1020、サイクリックシフト部1030から構成される。
【0405】
図70は、本発明の第10の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【0406】
ステップ1010) ブロック生成部1000は、検出対象画像201とオフセット候補情報204を入力とし、ブロック分割部1010において、図71に示すように、検出対象画像201の左上からN×N画素のブロックにT個に分割する。この際、検出対象画像201の端の辺りで1ブロックに満たない画素領域については、図72に示すように、N×Nで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分(図72A)の平均値を求め、足りない部分は、検出対象画像201相当分の画素値の平均値を求めてこれで埋める。
【0407】
ステップ1020) 次に、ブロック加算部1020において、これらすべてのブロックを加算して加算ブロック1012を生成する。式で表すと、
ij (t) :t番目のブロック(0≦i<N,0≦j<N,0≦t<T)
のとき、加算ブロックAij(0≦i<N,0≦j<N)1012は、
【0408】
【数10】
Figure 0003745729
によって得られる。
【0409】
次に、本実施例における位置マーカ検出部230のブロック生成部のサイクリックシフト部の動作について説明する。
【0410】
図73は、本発明の第10の実施例のサイクリックシフト部の動作を説明するための図である。
【0411】
サイクリックシフト部1030において、オフセット候補情報204を元に加算ブロック1012をサイクリックシフトして画素ブロックを生成し、これを離散フーリエ変換部234に出力する。式で表すと、
ij:加算ブロック(0≦i<N,0≦j<N)
をオフセット候補情報(a,b)204によってサイクリックシフトして得られる画素ブロックは、
ij=A(i+a)%N,(j+b)%N (0≦i<N,0≦j<N)
によって得られる。
【0412】
次に、本発明の第10の実施例における電子透かし検出部のブロック生成部(図示せず)を説明する。
【0413】
本実施例における電子透かし検出部のブロック生成部は、検出対象画像とオフセット情報を入力とし、位置マーカ検出部のブロック生成部と同様に(オフセット情報をオフセット候補情報として入力して)、検出対象画像を左上からT個のN×N画素のブロックに分割する。
【0414】
次に、ブロック加算部においてこれら全てのブロックを加算して、加算ブロックを生成する。そして、サイクリックシフト部において、オフセット情報を元に、加算ブロックをサイクリックシフトして画素ブロックを生成し、離散フーリエ変換部に出力する。
【0415】
本実施例による電子透かし検出処理では、検出対象画像の必要最低サイズが任意サイズとなり、第9の実施例よりも小さな検出対象画像から検出が可能である。
【0416】
さらに、第9の実施例と比較して分割ブロック数Tが大きくなるので、検出において原画像の影響はより少なくなり、透かしパターンはより強調されていくので、第9の実施例より精度の高い検出が可能となる。
【0417】
また、ブロックの加算によって、検出において原画像の影響は少なくなり、透かしパターンは強調されていくので、第4の実施例より精度の高い検出が可能となる。
【0418】
また、電子透かし検出に伴う処理量は、第4の実施例に比べて加算ブロックを生成する分だけ増加するが、この処理量は検出処理の他の部分の処理量と比較すれば無視できるほど小さく、また、第7の実施例のように1つずつのブロックから検出する場合と比較すると、ブロック数倍だけ高速に処理が可能である。
【0419】
[第11の実施例]
次に、本発明の第11の実施例として、電子透かし検出装置について説明する。
【0420】
本実施例の電子透かし検出装置は、前述の第1の実施例の方法により、電子透かしが埋め込まれた埋め込み済画像に一部切取り、非可逆圧縮等の処理が施された画像から、埋め込まれた電子透かしを検出するための装置である。
【0421】
図74は、本発明の第11の実施例の電子透かし検出装置の構成を示す。同図に示す電子透かし検出装置1100は、位置マーカ検出部1110、位置マーカ系列生成部1120、検出対象成分指定部1130、電子透かし検出部1140から構成される。
【0422】
図75は、本発明の第11の実施例の電子透かし検出装置の動作を示すフローチャートである。
【0423】
ステップ1110) 電子透かし検出装置1100は、検出対象画像201と埋め込み時に用いた鍵情報202が入力される。まず、電子透かし検出装置1100の検出対象成分指定部1130において、鍵情報202から前述の第1の実施例における埋め込み対象成分指定部130と同様の方法によって、検出対象成分位置情報1103を生成し、これを位置マーカ検出部1110と電子透かし検出部1140に送る。
【0424】
ステップ1120) 位置マーカ系列生成部1120は、鍵情報202から位置マーカ系列1102を生成し、これを位置マーカ検出部1110に送る。
【0425】
ステップ1130) 位置マーカ検出部1110は、検出対象画像201の左上からN×N(Nは、第1の実施例における透かしパターンのサイズ)サイズの画素ブロックを切り出し、切り出した画素ブロックの開始点から埋め込み時の透かしパターンの開始点がどれだけずれているかを表すオフセット情報1101を出力し、電子透かし検出部1140に送る。
【0426】
ステップ1140) 電子透かし検出部1140は、検出対象画像201と鍵情報202と検出対象成分位置情報1103とオフセット情報1101を入力とし、検出対象画像201の左上からN×Nサイズの画素ブロックを切り出し、オフセット情報1101と鍵情報202と検出対象成分位置情報1103を用いて、この画素ブロックに埋め込まれている電子透かしを検出し、これを検出結果203として出力する。
【0427】
次に、本実施例における検出対象成分指定部1130について説明する。
【0428】
図76は、本発明の第11の実施例の検出対象成分指定部の構成を示し、図77は、本発明の第11の実施例の検出対象成分指定部の動作を示すフローチャートである。
【0429】
ステップ1111) 検出対象成分指定部1130は、鍵情報202を入力とし、乱数生成器1131を用いて鍵情報202を初期値とする乱数列を生成する。
【0430】
ステップ1112) さらに、検出対象成分指定部1130は、生成した乱数列を元に、第1の実施例で用いた埋め込み系列の長さnと同じ長さの系列である検出対象成分位置情報1103を生成する。検出対象成分位置情報1103は、以下のような構成になっている。
【0431】
k =(xk ,yk ,zk )(0≦k<n)
k :検出対象係数x方向次数
k :検出対象係数y方向次数
k :検出対象係数の虚実を表すフラグ(実数成分か虚数成分か)
検出対象成分指定部1130は、第1の実施例における埋め込み対象成分指定部と全く同様の動作を行う。即ち、同じ鍵情報を入力として、第1の実施例の埋め込み対象成分指定部130で生成される埋め込み対象成分位置情報131と、本実施例の検出対象成分指定部1130で生成される検出対象成分位置情報1103は全く同じものである。生成された検出対象成分位置情報1103は位置マーカ検出部1110に送られる。
【0432】
次に、本実施例における位置マーカ系列生成部1120について説明する。
【0433】
図78は、本発明の第11の実施例の位置マーカ系列生成部の構成を示し、図79は、本発明の第11の実施例の位置マーカ系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0434】
ステップ1121) 位置マーカ系列生成部1120は、鍵情報202を入力として、拡散系列生成器1121によって、鍵情報202を初期値とする0番目の長さnの拡散系列{ri (0) }(0≦i<n)を生成し、この拡散系列をそのまま位置マーカ系列{pi }(0≦i<n)1102とする(pi :=ri (0) (0≦i<n))。これを位置マーカ系列生成部1120の拡散系列生成器1121は、第1の実施例における埋め込み系列生成部120の拡散系列生成器122と同様の動作をするものを用いる。
【0435】
次に、本実施例の位置マーカ検出部1110について説明する。
【0436】
図80は、本発明の第11の実施例の位置マーカ検出部の構成を示す。
【0437】
同図に示す位置マーカ検出部1110は、ブロック生成部1111、離散フーリエ変換部1113、検出対象系列生成部1115、オフセット候補情報生成部1117、位置マーカ検出情報生成部1118、オフセット情報生成部1119から構成される。
【0438】
図81は、本発明の第11の実施例の位置マーカ検出部の動作を示すフローチャートである。
【0439】
ステップ1131) 位置マーカ検出部1110は、検出対象画像201と検出対象成分位置情報1103と位置マーカ系列1102を入力として、まず、ブロック生成部1111において、検出対象画像201の左上からN×Nサイズの画素ブロック1104を切り出す。
【0440】
ステップ1132) 次に、離散フーリエ変換部1113は、画素ブロック1104を離散フーリエ変換して検出対象係数行列1105を得る。
【0441】
ステップ1133) 次に、オフセット候補情報生成部1117は、オフセット候補情報(a,b)を(0,0)から(N−1,N−1)まで順次生成する。
【0442】
ステップ1134) 以下、検出対象系列生成部1115から位置マーカ検出情報生成部1118までの処理は、各々のオフセット候補情報1106毎に行われる。検出対象系列生成部1115は、検出対象成分位置情報1103と検出対象係数行列1105とオフセット候補情報1106を入力とし、以下のようにして検出対象系列1107を生成する。図82は、本発明の第11の実施例の位置マーカ検出部の検出対象系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0443】
ステップ1134−1) 検出対象系列生成部1115は、検出対象係数行列1105をF(u,v)(0≦u<N,0≦v<N)、検出対象成分位置情報1103をLk =(xk ,yk ,zk )(0≦k<n)、オフセット候補情報1106を(a,b)とし、検出対象系列1107を{qk }(0≦k<n)と表すと、
k が実数成分を表す値の時には、ステップ1134−2に移行し、zk が虚数成分を表す値の時には、ステップ1134−3に移行する。
【0444】
ステップ1134−2)
【0445】
【数11】
Figure 0003745729
の処理をk=0…n−1について行う。
【0446】
ステップ1134−3)
【0447】
【数12】
Figure 0003745729
の処理をk=0…n−1について行う。
【0448】
ステップ1134−4) 検出対象系列{qk }1107を出力する。
【0449】
ステップ1135) 次に、位置マーカ検出情報生成部1118は、以下の式により位置マーカ系列1102と検出対象系列1107の相関値を求め、これをオフセット候補情報1106と組にして位置マーカ検出情報corrab1108として出力する。
【0450】
【数13】
Figure 0003745729
上記検出対象系列生成部1115から位置マーカ検出情報生成部1118までの処理を、オフセット候補情報(a,b)が(0,0)〜(N−1,N−1)まで巡回する間順次繰り返し、全ての位置マーカ検出情報1108をオフセット情報生成部1119に送る。
【0451】
ステップ1136) オフセット情報生成部1119は、入力された全ての位置マーカ検出情報1108のうち、位置マーカ系列1102と検出対象系列1107の相関値が最大のときのオフセット候補情報(a,b)1106をオフセット情報1101として出力し、電子透かし検出部1140に送る。
【0452】
位置マーカ検出部1110から出力されるオフセット情報1101は、検出対象画像201の左上から埋め込み時の透かしパターンの開始点がどれだけずれた位置にあるかを表している。
【0453】
次に、本実施例における電子透かし検出部1140について説明する。
【0454】
図83は、本発明の第11の実施例の電子透かし検出部の構成を示す。同図に示す電子透かし検出部1140は、ブロック生成部1141、離散フーリエ変換部1143、検出対象系列生成部1145、シンボル検出部1147、検出結果生成部1149から構成される。
【0455】
図84は、本発明の第11の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【0456】
ステップ1141) 電子透かし検出部1140は、検出対象画像201と検出対象成分位置情報1103とオフセット情報1101と鍵情報202を入力として、まず、ブロック生成部1141において、検出対象画像201の左上からN×Nサイズの画素ブロック1142を切り出し、これを離散フーリエ変換部1143に送る。
【0457】
ステップ1142) 離散フーリエ変換部1143は、画素ブロック1142を離散フーリエ変換して検出対象係数行列1144を生成し、これを検出対象系列生成部1145に送る。
【0458】
ステップ1143) 検出対象系列生成部1145は、位置マーカ検出部1110の検出対象系列生成部1115と同様の処理(オフセット情報1101をオフセット候補情報として)によって検出対象系列1146を得て、シンボル検出部1147に送る。
【0459】
ステップ1144) シンボル検出部1147は、鍵情報202と各シンボル候補情報とから生成される系列と検出対象系列1146との相関値を求めてシンボル検出情報1148を生成する。
【0460】
ステップ1145) すべてのシンボル検出情報1148を得た後、検出結果生成部1149は、シンボル検出情報1148の各シンボル位置について、相関値が最大の時のシンボル候補値を検出シンボルとする。
【0461】
ステップ1146) すべてのシンボル位置から検出シンボルを決定した後、検出シンボルを電子透かしの形式に逆変換した結果を検出結果203として出力する。
【0462】
次に、本実施例におけるシンボル検出部1147について説明する。
【0463】
図85は、本発明の第11の実施例のシンボル検出部の構成を示す。同図に示すシンボル検出部1147は、シンボル候補生成部11471、シンボル系列生成部11473、シンボル検出情報生成部11475から構成される。シンボル検出部1147は、鍵情報202と検出対象系列1146を入力とし、予め設定されている検出するシンボル数J個の各シンボル位置毎に、M個のシンボル候補についてのシンボル検出情報11476を生成し、検出結果生成部1149に出力する。以下、j(1≦j≦J)番目のシンボル検出について説明する。
【0464】
図86は、本発明の第11の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【0465】
ステップ1144−1) シンボル候補生成部11471は、シンボル候補cを0からM−1まで順次生成し、各シンボル候補毎にステップ1144−2〜1144−3までの処理を行う。Mは、前述の第1の実施例におけるシンボル変換によるシンボル値の最大値を表す。
【0466】
ステップ1144−2) シンボル系列生成部11473について説明する。図87は、本発明の第11の実施例のシンボル系列生成部の構成を示し、図88は、本発明の第11の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【0467】
ステップ1144−2−1) シンボル系列生成部11473は、鍵情報202とシンボル候補cを入力とし、cと鍵情報202を加算した値を初期値として、拡散系列生成器114731でj番目の長さnの拡散系列{ri (j) }(0≦i<n)を生成し、これをそのままシンボル系列11474{pi (j) }(0≦i<n)として用いる(pi (j) :=ri (j) (0≦i<n))。シンボル系列11474をシンボル検出情報生成部11475に送る。
【0468】
ステップ1144−3) シンボル検出情報生成部11475は、検出対象系列1146とシンボル系列11474とシンボル候補cと現在処理中のシンボル位置jを入力として、以下の式により、シンボル系列11474と検出対象系列1146の相関値を求め、相関値とシンボル候補とシンボル位置を組としてシンボル検出情報corrc (j) 1148を生成する。
【0469】
【数14】
Figure 0003745729
シンボル検出情報1148は、検出結果生成部1149に送られる。
【0470】
次に、本実施例における検出結果生成部1149について説明する。
【0471】
図89は、本発明の第11の実施例の検出結果生成部の構成を示す。同図に示す検出結果生成部1149は、各シンボル位置毎系列生成部11491、検出シンボル生成部11493、逆シンボル変換部11495から構成される。
【0472】
図90は、本発明の第11の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【0473】
ステップ1145−1) 検出結果生成部1149は、シンボル検出情報1148を入力とし、まず、各シンボル位置毎系列生成部11491において、シンボル検出情報1148をシンボル位置j毎に分割し、長さMの各シンボル位置毎系列corrc (j) ,(0≦c<M)11492をj=1〜Jまでの各々のjについて生成して検出シンボル生成部11493に送る。
【0474】
ステップ1145−2) 検出シンボル生成部11493は、各シンボル位置毎系列11492を入力とし、各シンボル位置j毎に各シンボル位置毎系列中で最大の相関値をとる時のシンボル候補cを見つけて検出シンボルsj (1≦j<J)11494を生成する。
【0475】
ステップ1145−3) 全てのsj を求めた後、逆シンボル変換部11495において、シンボル表現からもともとの電子透かしの表現に変換(例えば、第1の実施例における変換に対応する逆変換は、4つの検出シンボル(各検出シンボルの値は、0〜255)の値を各々ASCIIコードとみなして4文字の8ビット文字に変換する処理である)して、検出結果203を生成し、出力する。
【0476】
当該検出結果203は、検出対象画像201に埋め込まれていた電子透かしを表している。
【0477】
以上で、第11の実施例における電子透かし検出装置の処理は終了する。
【0478】
本実施例による電子透かし検出では、検出対象画像の左上からブロックを切り出し、離散フーリエ変換を行って検出対象係数行列1105を得た後に、検出対象成分位置情報1103で指定される成分にオフセットと係数の次数によって定まる位相差を掛け算して、検出対象系列1107を生成している。これは、フーリエ変換の平行移動に関する性質
F(u,v)←→f(x,y)(←→はフーリエ変換/逆変換を表す)のとき、
【0479】
【数15】
Figure 0003745729
を利用している。これにより、検出時に必要な離散フーリエ変換は一回だけで済み、第2の実施例〜第10の実施例までの検出処理よりも高速に処理を行うことが可能である。(N=128のブロックサイズにおける計算機シミュレーションによる処理時間の比較は、第2の実施例:第11の実施例=65:1)であった。
【0480】
また、第1の実施例における埋め込み済画像を任意の位置から切り出した部分画像(サイズは、N×N以上)である場合についても、検出が可能である。
【0481】
[第12の実施例]
次に、本発明の第12の実施例として、位置マーカ検出部のブロック生成部において、検出対象画像をブロックに分割した際に、検出対象画像相当分の平均値を求め、足りない部分は検出対象画像相当分の画素値の平均値を求め、当該平均値で足りない部分を埋めてブロックする例について説明する。以下に述べられている部分以外は、前述の第11の実施例と同様である。
【0482】
図91は、本発明の第12の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【0483】
本実施例における位置マーカ検出部1110のブロック生成部1111は、検出対象画像201を入力とし、検出対象画像201の左上からN×Nサイズのブロックを切り出す。この際、検出対象画像201が小さくてN×Nサイズに切り出せない場合は、N×Nで切り出そうとしたときに含まれる検出対象画像相当分(同図A)のみを切り出し、N×Nサイズに足りない部分は、検出対象画像相当分の画素値の平均値を求めて、これで埋める。
【0484】
上記の処理で得られたブロックを前述の第11の実施例と同様に画素ブロックとして出力する。
【0485】
次に、本実施例における電子透かし検出部のブロック生成の動作について説明する。本実施例における電子透かし検出部のブロック生成部は検出対象画像を入力とし、位置マーカ検出部の中のブロック生成部と同様の処理によって、画素ブロックを得て出力する。
【0486】
本実施例を用いた電子透かし検出処理の場合、前述の第11の実施例に比べて検出対象画像に必要なサイズがN×N以上から任意のサイズにより、より小さな検出対象画像からの検出が可能となる。
【0487】
[第13の実施例]
次に、本発明の第13の実施例として、電子透かし検出部、シンボル検出部、検出結果生成部について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第11の実施例と同様である。
【0488】
図92は、本発明の第13の実施例の電子透かし検出部の構成を示す。同図に示す電子透かし検出部2000は、ブロック分割部2100、離散フーリエ変換部2200、検出対象系列生成部2300、シンボル検出部2400、検出結果生成部2500から構成される。
【0489】
図93は、本発明の第13の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【0490】
ステップ2100) 電子透かし検出部2000は、検出対象画像201と、検出対象成分位置情報211、オフセット情報231と鍵情報202を入力として、まず、ブロック分割部2100において検出対象画像201を、図94に示すように、左上からN×Nサイズの画素ブロックT個に分割する。
【0491】
ステップ2200) 分割によって得られた個々の画素ブロック2001に0〜T−1の番号を振る。t(0≦t<T)番目の画素ブロック2001について、以下のステップ2300〜ステップ2400の処理を繰り返す。
【0492】
ステップ2300) 離散フーリエ変換部2200は、t番目の画素ブロック2001を離散フーリエ変換して、検出対象係数行列2002を得る。
【0493】
ステップ2400) 検出対象系列生成部2300は、位置マーカ検出部の検出対象系列生成部と同様の処理によって、検出対象系列2003を得て、シンボル検出部2400に送る。
【0494】
ステップ2500) シンボル検出部2400は、鍵情報202と各シンボル候補情報とから生成される系列と検出対象系列2003との相関値を求めてシンボル検出情報2004を生成する。
【0495】
ステップ2600) 検出結果生成部2500は、全てのtについてシンボル検出情報2004を得た後、シンボル検出情報2004の各シンボル位置について、相関値が最大の時のシンボル候補値を検出シンボルとし、全てのシンボル位置から検出シンボルを決定した後、検出シンボルを電子透かしの形式に逆変換した結果を検出結果203として出力する。
【0496】
次に、本実施例におけるシンボル検出部2400について説明する。
【0497】
図95は、本発明の第13の実施例のシンボル検出部の構成を示す。同図に示すシンボル検出部2400は、シンボル候補生成部2410、シンボル系列生成部2420、シンボル検出情報生成部2430から構成される。
【0498】
シンボル検出部2400は、鍵情報202と(t番目の画素ブロックから得られる)検出対象系列2003を入力とし、予め設定されている検出するシンボル数J個の各シンボル位置毎に、M個のシンボル候補についてのシンボル検出情報2004を生成し、検出結果生成部2500に出力する。
【0499】
図96は、本発明の第13の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【0500】
ステップ2410) シンボル候補生成部2410において、シンボル候補c2401を0からM−1まで順次生成し、各シンボル候補毎に、ステップ2420〜2430の処理を繰り返す。Mは、第1の実施例におけるシンボル変換によるシンボル値の最大値を表す。
【0501】
ステップ2420) ここで、シンボル系列生成部2420について説明する。図97は、本発明の第13の実施例のシンボル系列生成部の構成を示し、図98は、本発明の第13の実施例のシンボル系列生成部の動作を示す。
【0502】
ステップ2421) シンボル系列生成部2420は、鍵情報202とシンボル候補c2401を入力とし、cと鍵情報202を加算した値を初期値として、拡散系列生成器2421でj番目の長さnの拡散系列{ri (j) }(0≦i<n)を生成し、これをそのままシンボル系列{pi (j) }(0≦i<n)2402として用いる(pi (j) :=ri (j) (0≦i<n))。シンボル系列2402をシンボル検出情報生成部2430に送る。
【0503】
ステップ2430) シンボル検出情報生成部2430は、検出対象系列2003とシンボル系列2402とシンボル候補と現在処理中のシンボル位置jを入力として、以下の式によりシンボル系列2402と検出対象系列2003の相関値を求め、相関値とシンボル候補とシンボル位置と画素ブロック位置を組にしてシンボル検出情報corrc (j)(t)2403を生成する。
【0504】
【数16】
Figure 0003745729
シンボル検出情報2004は、検出結果生成部2500に送られる。
【0505】
次に、本実施例における検出結果生成部2500について説明する。
【0506】
図99は、本発明の第13の実施例の検出結果生成部の構成を示す。同図に示す検出結果生成部2500は、各シンボル位置毎系列生成部2510、検出シンボル生成部2520、逆シンボル変換部2530から構成される。
【0507】
図100は、本発明の第13の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【0508】
ステップ2510) 検出結果生成部2500は、シンボル検出情報2004を入力とし、まず、各シンボル位置毎系列生成部2510において、シンボル検出情報2004をシンボル位置j毎に分割し、長さM×Tの各シンボル位置毎系列corrc (j)(t)(0≦c<M,0≦t<T)2501をj=1〜Jまでの各々のjについて生成して検出シンボル生成部2520に送る。
【0509】
ステップ2520) 検出シンボル生成部2520は、各シンボル位置毎系列2501を入力とし、各シンボル位置j毎に各シンボル位置毎系列中で最大の相関値を採る時のシンボル候補cを見つけて検出シンボルsj (1≦j<J)2502を生成する。すべてのsj を求めるまで上記の処理を繰り返す。
【0510】
ステップ2530) 全てのsj を求めた後に、逆シンボル変換部2530において、シンボル表現からもともとの電子透かしの表現に変換(例えば、第1の実施例における変換に対応する逆変換は、4つの検出シンボル(各検出シンボルの値は0〜255)の値を各々ASCIIコードとみなして4文字の8ビット文字に変換する処理である)して、検出結果203を生成し、出力する。検出結果203は、検出対象画像に埋め込まれていた電子透かしを表している。
【0511】
本実施例による電子透かし検出処理では、検出対象画像(N×N以上のサイズ)をブロックに分割して、全てのブロックの中で最大の相関値をとる時のシンボルを検出しているので、前述の第11の実施例(1つのブロックからしか検出しない)に比べて、より精度の高い検出が可能となる。さらに、検出処理の際に必要な離散フーリエ変換の回数はブロック数分だけであるので、前述の第5の実施例よりも高速な処理が可能である。
【0512】
[第14の実施例]
次に、本発明の第14の実施例として、電子透かし検出部のブロック分割部において、検出対象画像からN×Nサイズのブロックを切り出せない場合の処理について説明する。
【0513】
図101は、本発明の第14の実施例の電子透かし検出部のブロック分割部の動作を説明するための図である。
【0514】
ブロック分割部2100は、検出対象画像201を左からN×NサイズのブロックT個に分割する。この際、検出対象画像201の端の辺りで、N×Nサイズに切り出せないブロックについては、N×Nで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズに足りない部分は、検出対象画像相当分の画素値の平均値を求めてこれで埋める、という処理を行う。分割によって得られた画素ブロックのそれぞれに0〜T−1の番号を振る。
【0515】
本実施例による情報検出では、検出対象画像の必要最低サイズが任意のサイズでよくなり、前述の第13の実施例よりも小さな検出対象画像からの検出が可能である。また、検出に用いるブロックの個数が第13の実施例よりも多くなるので、第13の実施例に比べてより精度の高い検出が可能となる。
【0516】
さらに、検出処理の際に必要な離散フーリエ変換の回数は、ブロック数分だけであるので、第6の実施例よりも高速に処理が可能である。
【0517】
[第15の実施例]
次に、本発明の第15の実施例として、位置マーカ検出部、電子透かし検出部について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第11の実施例と共通である。
【0518】
図102は、本発明の第15の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成を示す。同図に示すブロック生成部3000は、ブロック分割部3100、ブロック加算部3200から構成される。
【0519】
図103は、本発明の第15の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【0520】
ステップ3100) ブロック生成部3000は、検出対象画像201を入力とし、ブロック分割部3100において、図104に示すように検出対象画像を左上からT個のN×N画素のブロックに分割する。
【0521】
ステップ3200) 次に、ブロック加算部3200は、これら全てのブロックを加算して、加算ブロック3002を生成する。これを式で表すと、
ij (t) :t番目のブロック(0≦i<N,0≦j<N,0≦t<T)
のとき、加算ブロックAij(0≦i<N,0≦j<N)は、
【0522】
【数17】
Figure 0003745729
によって得られる。
【0523】
この加算ブロック3002を画素ブロック205として、離散フーリエ変換部1113に出力する。
【0524】
本実施例による情報検出では、検出対象画像201(N×Nサイズ以上)をN×Nサイズのブロックに分割し、全てのブロックを加算したブロックから位置マーカの検出及び電子透かしの検出を行う。
【0525】
T個のブロックの加算によって、N×Nサイズの繰り返しパターンである透かしパターンは、T倍強調されるが、原画像のパターンは、ブロック間の相関が低いので、加算によって徐々にキャンセルされていく。即ち、加算ブロックからの検出によって原画像の影響は少なくなり、同時に透かしパターンは強調されていくので、第11の実施例より精度の高い検出が可能となる。
【0526】
また、検出に伴う処理量は、第11の実施例に比べて、加算ブロックを生成する分だけ増加するが、この処理量は、検出処理の他の部分の処理量と比較すれば、無視できるほど小さく、また、第13の実施例のように1つずつのブロックから検出する場合と比較すると、ブロック数倍だけ高速に処理が可能である。
【0527】
さらに、検出処理の際に必要な離散フーリエ変換の回数は1回だけであるので、第2の実施例〜第10の実施例よりも高速に処理が可能である。
【0528】
[第16の実施例]
次に、本発明の第16の実施例として位置マーカ検出部のブロック生成部について説明する。以下に述べる部分以外は、第12の実施例と同様である。
【0529】
図105は、本発明の第16の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成を示す。同図に示すブロック生成部4000は、ブロック分割部4100、ブロック加算部4200から構成される。
【0530】
図106は、本発明の第16の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【0531】
ステップ4100) ブロック生成部4000は、検出対象画像201を入力とし、ブロック分割部4100において、図107に示すように、検出対象画像201を左上からT個のN×N画素のブロックに分割する。この際、検出対象画像201の端の辺りでN×Nサイズに切り出せないブロックについては、N×Nで切り出そうとした時に含まれる検出対象画像相当分のみを切り出し、N×Nサイズに足りない部分は、検出対象画像相当分の画素値の平均値を求めてこれで埋めるという処理を行う。
【0532】
ステップ4200) 次に、ブロック加算部4200は、これらすべてのブロックを加算して、加算ブロック4002を生成する。これを式で表すと、
ij (t) :t番目のブロック(0≦i<N,0≦j<N,0≦t<T)のとき、加算ブロックAij(0≦i<N,0≦j<N)は、
【0533】
【数18】
Figure 0003745729
によって得られる。
【0534】
ステップ4300) この加算ブロック4002を画素ブロックとして離散フーリエ変換部1113に出力する。
【0535】
次に、本実施例における電子透かし検出部中のブロック生成部(図示せず)について説明する。
【0536】
本実施例における電子透かし検出部中のブロック生成部は、検出対象画像を入力とし、位置マーカ検出部の中のブロック生成部4000と同様に、検出対象画像を左上からT個のN×N画素のブロックに分割する。
【0537】
次に、ブロック加算部において、これら全てのブロックを加算して、加算ブロックを生成する。この加算ブロックを画素ブロックとして離散フーリエ変換部に出力する。
【0538】
上記の本実施例による情報検出では、検出対象画像の必要最低サイズが任意のサイズとなり、前述の第15の実施例に比べてより小さな検出対象画像からの検出が可能である。
【0539】
さらに、第15の実施例と比較して、分割ブロック数Tが大きくなるので、検出において原画像の影響はより少なくなり、透かしパターンはより強調されていくので、第15の実施例より精度の高い検出が可能である。
【0540】
また、ブロックの加算によって、検出において原画像の影響は少なくなり、透かしパターンは強調されていくので、第12の実施例より精度の高い検出が可能となる。
【0541】
また、検出に伴う処理量は第12の実施例に比べて、加算ブロックを生成する分だけ増加するが、この処理量は、検出処理の他の部分の処理量と比較すれば、無視できるほど小さく、また、第14の実施例のように1つずつのブロックから検出する場合と比較すると、ブロック数倍だけ高速に処理が可能である。
【0542】
[第17の実施例]
次に、本発明の第17の実施例として、位置マーカ検出部の検出対象系列生成部について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第2の実施例〜第16の実施例と同様である。
【0543】
本実施例においては、第2の実施例〜第16の実施例の各実施例における位置マーカ検出部の検出対象系列生成部において、各実施例で記載されているように、検出対象系列を生成し終えた最終段の後に、さらに、以下のように検出対象系列の平均を0とする処理を行い、この処理を施した検出対象系列をその後の処理に用いる。
【0544】
{qi }:処理前の検出対象系列(0≦i<n)
のとき、
【0545】
【数19】
Figure 0003745729
を求めて、
i :=qi −ave (0≦i<n)
によって平均が0になるように変更する。
【0546】
本実施例によれば、検出対象系列の平均が0となり、各項は、正または、負(または、0)の値を持つようになる。これにより、その後の相関値の計算において、位置マーカ検出情報が有効なピークを持つ時以外の相関値が低く抑えられるので、本実施例の処理を行わない場合に比べて、位置マーカ検出情報の有効なピークをより精度よく検出することが可能となる。
【0547】
[第18の実施例]
次に、本発明の第18の実施例として、電子透かし検出部の検出対象系列生成部について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第2の実施例〜第17の実施例と同様である。
【0548】
本実施例は、前述の第2の実施例〜第17の実施例における電子透かし検出部中の検出対象系列生成部において、各実施例で記載しているとおり検出対象系列を生成し終えた最終段の後に、さらに以下のように検出対象系列の平均を0とする処理を行い、この処理を施した検出対象系列をその後の処理に用いる。
【0549】
{qi }:処理前の検出対象系列(0≦i<n)
のとき、
【0550】
【数20】
Figure 0003745729
を求めて、
i :=qi −ave (0≦i<n)
によって平均が0になるように変更する。
【0551】
本実施例によれば、検出対象系列の平均が0となり、各項は、正または、負(または、0)の値を持つようになる。これにより、その後の相関値の計算において、シンボル検出情報が有効なピークを持つ時以外の相関値が低く抑えられるので、本実施例の処理を行わない場合に比べて、シンボル検出情報の有効なピークをより精度よく検出することが可能となる。
【0552】
[第19の実施例]
次に、本発明の第19の実施例として、位置マーカ検出部のオフセット情報生成部ついて説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第2の実施例〜第18の実施例と同様である。
【0553】
図108は、本発明の第19の実施例の位置マーカ検出部のオフセット情報生成部の動作を示すフローチャートである。
【0554】
ステップ5100) オフセット情報生成部は、位置マーカ検出情報を入力として、まず、すべての位置マーカ検出情報の中の最大値Omax を求める。
【0555】
ステップ5200) 次に、予め定められている閾値βによって、以下ように処理を分ける。Omax <βであるときは、ステップ5300に移行し、そうでない場合にはステップ5400に移行する。
【0556】
ステップ5300) オフセット情報の検出に失敗したことを意味する内容の検出結果を、情報検出装置の外に出力し、情報検出装置におけるすべての処理を終了する。
【0557】
ステップ5400) 最大値Omax をとる時のオフセット候補情報(a,b)をオフセット情報として出力し、電子透かし検出部に送る。
【0558】
上記の第19の実施例によれば、位置マーカ検出情報、つまり、位置マーカ系列と検出対象系列の相関値が閾値β以上でないと検出を続行しない。これにより、情報が埋め込まれていない画像を検出対象画像としたり、あるいは、埋め込み済画像が激しく傷ついて既に検出が不可能であるような場合に、無理に検出を行って誤った検出結果を出力せずに、検出に失敗したことを意味する内容の検出結果を出力するので、出力される検出結果の信頼性が増す。
【0559】
[第20の実施例]
次に、本発明の第20の実施例として、電子透かし検出部の検出結果生成部について説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第2の実施例〜第19の実施例と同様である。
【0560】
図109は、本発明の第20の実施例の電子透かし検出部の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【0561】
ステップ6100) 検出結果生成部は、シンボル検出情報を入力として、まず、各シンボル位置毎系列生成部において、シンボル検出情報をシンボル位置j毎に分割する。
【0562】
ステップ6200) 検出結果生成部は、j(1≦j≦J)番目のシンボル位置毎系列の最大値smax (j) を求め、予め定めれている閾値γによって以下のように処理を分岐する。
【0563】
ステップ6300) smax (j) <γであるときは、ステップ6400に移行し、そうでない場合には、ステップ6500に移行する。
【0564】
ステップ6400) 検出対象画像に埋め込まれている電子透かしの検出に失敗したことを意味する内容の検出結果を出力し、検出結果生成部におけるすべての処理を終了する。
【0565】
ステップ6500) smax (j) ≧γであるときは、最大値smax (j) をとる時のシンボル候補cを、j番目の検出シンボルsj (1≦j≦J)とする。
【0566】
ステップ6600) 全てのsj を求めた後に、シンボル表現からもともとの電子透かしの表現に変換(例えば、第1の実施例における4つの検出シンボル(各検出シンボルの値は、0から255)の値を各々ASCIIコードとみなして、4文字の8ビット文字に変換する処理である)して、検出結果を生成し、出力する。
【0567】
上記の第20の実施例によれば、シンボル検出情報、つまり、各シンボル系列と検出対象系列の相関値が閾値γ以上でないと検出を続行しない。これにより情報が埋め込まれていない画像を検出対象画像としたり、あるいは、埋め込み済画像が激しく傷ついて既に検出が不可能であるような場合に、無理に検出を行って誤った検出結果を出力せずに、検出に失敗したことを意味する内容の検出結果を出力するので、出力される検出結果の信頼性が増す。
【0568】
[第21の実施例]
最後に、本発明の第21の実施例を説明する。以下に述べる部分以外については、前述の第1の実施例及び第20の実施例と同様である。
【0569】
本実施例では、第1の実施例における埋め込み系列生成部の拡散系列生成器、第20の実施例における位置マーカ系列生成部の拡散系列生成器及び電子透かし検出部のシンボル系列生成部の拡散系列生成器は、+1または、−1の値をそれぞれ確率1/2でランダムに順次生成するもの(例えば、宮川・岩垂・今井:「符号理論」昭晃堂、128ページに記載されているM系列発生”についてk次の生成多項式(kは十分大きな整数)を用いて得られる“+1”、“−1”の2値からなるランダムな系列など)を用いる。
【0570】
また、本実施例では、第20の実施例における電子透かし検出部のシンボル検出部のシンボル検出情報生成部における相関を求める計算式として、以下のものを用いる。
【0571】
{pi }:シンボル系列(0≦i<n)
{qi }:検出対象系列(0≦i<n)
のとき、この2つの系列の相関値は、
【0572】
【数21】
Figure 0003745729
シンボル検出情報生成部における相関値の分布について考えると、
【0573】
【数22】
Figure 0003745729
は、平均0(第18の実施例による)、分散1/nの分布に従う系列である。
【0574】
また、pi (0≦i<n)は、+1、または、−1の値をそれぞれ確率1/2でとる。平均0、分散1の分布に従う系列である。nが十分大きければ、
【0575】
【数23】
Figure 0003745729
は、平均0、分散1/nの分布に従う系列となる。ここで、確率統計学における中心極限定理を用いると、nが十分に大きい時には、
【0576】
【数24】
Figure 0003745729
は、平均0、分散1の正規分布N(0,1)に従う。図110は、本発明の第21の実施例の計算機シミュレーションによるcorrの値と、理論値N(0,1)を示したグラフである(n=1024)、推論通り、corrがN(0,1)に従っていることが分かる。
【0577】
corrがN(0,1)に従うことがわかれば、第20の実施例における閾値γを、確度(どの程度検出したピークが有意なものかを表す尺度)によって、決定することができる。例えば、確度99.999%(偶然に閾値以上のピークが現れる確率が10-5)であるとすると、正規分布表からはその時の閾値γ=4.26489 となる。図111は、本発明の第21の実施例の計算機シミュレーションによるシンボル検出情報のグラフである。同図に示すように、4つのシンボル(1シンボルは、0〜255までの値を持つ)を検出した結果、“A”、“B”、“C”、“D”を表すシンボル値において、有意なピークが見られる。このピークがどの程度有意か(偶然による値ではなく)を評価するために先程のγを用いる。図111の例では、各ピーク値は、4.26489 以上であるので、確度99.999以上でのこれらのピークは有意であると判断してよい。
【0578】
上記の第21の実施例によれば、シンボル検出情報の分布を、具体的に平均0、分散1の正規分布になるようにできるので、シンボル検出を確度を指定して行うことが可能となる。これにより、検出結果がどの程度確からしいかが把握でき、検出結果の信頼性が増し、また、利便性が向上する。
【0579】
本発明の提案方法の有効性を確認するために計算機シミュレーションを行った。テスト画像として、512×512画素の8ビットグレイスケール画像(Lena,sailboat,baboon)を用いた。また、シミュレーションに用いたパラメータの値は、N=128、n=1023,α=1.4、M=256(un ,vn )は、
【0580】
【数25】
Figure 0003745729
で指定される中周波帯域から選択、透かし情報は、32ビット(ASCII文字列“ABCD”)である。
【0581】
ここで、透かし入り画像の画質について説明する。
【0582】
埋め込み強度power を変化させた時のPSNRを図112に示す。但し、グラフ中のpower の値は、power =ξの時を基準とした相対値で表している。画像によってpower に対するPSNRに差が生じているが、これは、局所的重み付けによるものである。
【0583】
平行移動・切取りについては、まず、透かし入り画像(Lena,power =ξ,PSNR=42.107873 )から透かし情報を検出した結果を図113に示す。オフセット値(0,0)において、ピーク(14.761541 )を検出している。また、透かし情報の各シンボル“A”、“B”、“C”、“D”においてもピーク(11.180982 〜9.108589)を検出しており、透かし情報の検出は、成功している。
【0584】
次に、各画像から切り取った部分画像から透かし情報の検出を試みた。部分画像(各サイズ毎に始点をランダムに50箇所選んだ)のサイズN×Nを変化させた時のオフセット検出成功率(正しいオフセットを検出できたときに成功する)、シンボル検出成功率(全てのシンボルを正しく検出でき、かつ4つのピーク値の最小値が閾値4.26489 より大のときに成功とする) を図114に示す。N=256より大きな部分画像に対しては透かし情報の検出がほぼ確実に可能である。透かし情報は、128×128画素のブロック毎に埋め込まれているが、図115(a)に示すようなエッジを含む画像などではいくつかの周波数成分値が大きな値を持ち、これが、前述の原画像による大きな雑音となり、検出が失敗していると考えられる。逆に図115(b)のような比較的平坦な画像、あるいは、テクスチャ画像などでは検出に成功している。原画像との差分を用いた検出の場合、原画像による雑音がキャンセルされるので、検出は成功すると考えられる。
【0585】
次に、JPEG圧縮について説明する。
【0586】
透かし入り画像(Lena,sailboat,baboon,power =ξ)をJPEGで非可逆圧縮して得られる画像から透かし情報の検出を試みた。quality パラメータを変化させた時のオフセットレスポンスピーク値とシンボルレスポンスピークの最小値を図116に示す。図中の折れ線が途絶えたところまで検出に成功している。前述の平行移動・切取りの説明で述べた閾値を考慮すると、実効的な耐性は、図116よりも若干低めだと考えられる。
【0587】
次に、階調変換について説明する。
【0588】
透かし入り画像(Lena、power =ξ)を階調変換した画像から透かし情報の検出を試みた。2値画像まで落とした場合、Floyd-Steinberg 法でディザリングした画像(図117(a))から得られたオフセットレスポンスピーク値は、13.616614 、各シンボルレスポンスピーク値は、9.395720〜6.825329であり、透かし情報の検出に成功した。また、単純な2値量子化画像(図117(b))から得られたオフセットレスポンスピーク値は、10.388254 、各シンボルレスポンスピーク値は、8.133438〜5.680073であり、透かし情報の検出に成功した。
【0589】
次に、印刷画面からの検出について説明する。
【0590】
透かし入り画像(Lena、power =ξ)をプリンタで印刷し、それをスキャナで読み取った画像から透かし情報の検出を試みた。72dpi のPostScriptデータに変換した透かし入り画像を、白黒レーザープリンタ(RICOH SP-10PS Pro/6F,600dpi )を用いて印刷し、スキャナ(EPSON GT-6000 )を用いて72dpi ,16bit グレイスケールで取り込み、8bit グレイスケールに落とした画像から検出を行った。この時のオフセットレスポンスピーク値は、9.080504,各シンボルレスポンスピーク値は、8.139693〜5.615208であり、透かし情報の検出に成功した。また、プリンタとスキャナの組み合わせから若干アスペクト比が変化することが分かったので、これを補正した場合の検出では、オフセットレスポンスピーク値は、11.701824 、各シンボルレスポンスピーク値は、11.701824 、各シンボルレスポンスピーク値は、8.807638〜6.623429であり透かし情報の検出に成功した。
【0591】
次に、合成について説明する。
【0592】
透かし入りの2枚の画像(Lena、sailboat,どちらもpower =ξ)を1:1の比率で合成して得られる画像(図118)から、それぞれの鍵情報を用いて透かし情報の検出を試みた。オフセットレスポンスピーク値は、Lena=9.549749、sailboat=9.883106、各シンボルスポンスピーク値は、Lena=8.102563〜6.325033、sailboat=6.661891〜7.285404であり、1枚の合成画像から2つの異なる透かし情報を検出することができた。
【0593】
次に、検出処理時間について説明する。
【0594】
本発明の提案手法のオフセット探索空間は、N2 であり、全探索を行っていると言えるが、オフセット候補毎にブロックをリサンプリングし、離散フーリエ変換を行う単純な全探索を比較すると、1回の探索に係る計算量が少なくなる。また、探索処理中に行うe-ix の計算も、予めテーブルを持つなどすれば高速化が可能である。提案方法と前述の単純な全探索の計算機シミュレーションによる処理時間の比は、1:65であった。なお、離散フーリエ変換は、128×128画素ブロックに対して行い、高速フーリエ変換(FFT)を用いた。
【0595】
なお、上記の第1の実施例から第21の実施例で述べた電子透かし埋込装置及び電子透かし検出装置を集積回路によっても実現できる。図119に示す集積回路は、メモリ部1、マイクロプロセッサ部2、外部とのインタフェースを司るインタフェース部3から構成される。なお、同図は、主要部を示すものであり、他の回路も含み得る。メモリ部1に格納したプログラムをマイクロプロセッサ部2が実行する。集積回路の構成については、他に種々の構成が可能である。
【0596】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、入力画像全体に渡って透かしパターンをタイル状に加算することで、副情報を埋め込む。入力画像をブロックに分割して1ブロック毎に離散フーリエ変換、離散逆フーリエ変換を行う必要がないので、従来の技術に比べ埋め込み処理の高速化を実現している。
【0597】
検出時には、透かしパターンの開始位置を見つけることにより、任意の平行移動に対し、耐性を持つ電子透かし方式を実現できる。
【0598】
また、切取り部分がある程度のサイズ(ブロックサイズ程度)以上であれば、電子透かし埋込済画像の一部分を切り出した画像からも埋め込んだ情報を読み取ることができる。
【0599】
また、検出対象画像を透かしパターンと同じサイズのブロックに分割し、すべてのブロックからの検出結果を用いて検出精度を向上させることが可能である。
【0600】
さらに、すべてのブロックを加算して得られる加算ブロックからの検出を用いると、検出精度の向上と検出処理の高速化が実現できる。
【0601】
また、第11の実施例から第16の実施例においては、透かしパターンの開始位置の探索前に一度だけ離散フーリエ変換を行うだけでよいので、探索時間を大幅に短縮することができる。
【0602】
さらに、第19の実施例から第21の実施例で述べたように、予め定めた閾値を用いて検出結果が有意である場合には、正常に検出処理を行い、検出結果が有意でないと思われる場合には、検出失敗とすることで、検出結果の信頼性が向上する。特に、具体的に確度を定めた時に閾値をどのように設定すればよいかという問題について、数学的に示すことができるような構成になっており、実用性が高い。
【0603】
また、本発明では、フーリエ変換係数値を変更して情報を埋め込むので、従来までの同時に平行移動や切取りに対する耐性を持つことが可能である。
【0604】
また、離散フーリエ変換以外の直交変換を用いてもよい。
【0605】
さらに、動画像の各フレームに対し本発明を適用することにより、動画像への電子透かし埋め込み及び動画像からの電子透かし検出も可能である。
さらに、埋め込みの際に、元の画像の模様を反映したパターンを加算することから、より画質の向上、つまり相対的な耐性の更なる向上を実現できる。
【0606】
また、情報検出装置については、従来のものをそのまま用いることができ、移行コストを低くできる。
【0607】
さらに、動画像の各フレームに対し、本発明を適用することにより、動画像への電子透かし埋め込み及び動画像からの電子透かし検出も可能である。
【0608】
これにより、著作権者にとっては、情報コンテンツの著作権を保護することが目的であるため、電子透かし情報は、利用者のさまざまな編集に対して耐性を持つ必要があり、利用者にとっては、電子透かしを意識することなく、情報コンテンツを利用できなければならないため、電子透かし処理を施した画像で劣化が知覚されてはならない。本発明によれば、従来よりも画質/耐性共に向上することにより、著作権保護システムが、より有効に機能し、著作者が安心してコンテンツを情報提供することが可能となることから、ネットワークによる情報流通が促進される。
【0609】
本発明は、コンテンツ流通システムにおいては、コンテンツを一意に識別するためのコンテンツIDを付与し、これをコンテンツに埋め込み、コンテンツの著作権者情報や利用条件などとリンクすることによるコンテンツ管理システムに適用することにより、コンテンツの正しい利用が促進され、また、権利者側は、コンテンツの権利者が自分であることの保証が得られる。
【0610】
また、本発明は、コンテンツ配送時に、ユーザ情報を埋め込むことにより、不正コピーを抑止できる。
【0611】
さらに、DVD等で用いられているコピー管理信号を埋め込むことで、現在より強固なコピープロテクトが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の原理を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の原理構成図である。
【図3】本発明の第1の実施例の電子透かし埋込装置の構成図である。
【図4】本発明の第1の実施例の電子透かし埋込装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施例の埋込対象成分指定部の構成図である。
【図6】本発明の第1の実施例の埋込対象成分指定部の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施例の埋込系列生成部の構成図である。
【図8】本発明の第1の実施例の埋込系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施例の成分値変更部の動作のフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施例の離散逆フーリエ変換部の動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第1の実施例の透かしパターン加算部の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施例の電子透かし検出装置の構成図である。
【図13】本発明の第2の実施例の電子透かし検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施例の検出対象成分指定部の構成図である。
【図15】本発明の第2の実施例の検出対象成分指定部の動作のフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施例の位置マーカ系列生成部の構成図である。
【図17】本発明の第2の実施例の位置マーカ系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施例の位置マーカ検出部の構成図である。
【図19】本発明の第2の実施例の位置マーカ検出部の動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【図21】本発明の第2の実施例のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施例の検出対象系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第2の実施例の電子透かし検出部の構成図である。
【図24】本発明の第2の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第2の実施例のシンボル検出部の構成図である。
【図26】本発明の第2の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【図27】本発明の第2の実施例のシンボル系列生成部の構成図である。
【図28】本発明の第2の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第2の実施例の検出結果生成部の構成図である。
【図30】本発明の第2の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【図31】本発明の第3の実施例のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図32】本発明の第3の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【図33】本発明の第4の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【図34】本発明の第4の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図35】本発明の第5の実施例の電子透かし検出部の構成図である。
【図36】本発明の第5の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【図37】本発明の第5の実施例のブロック分割部の動作を説明するための図である。
【図38】本発明の第5の実施例のシンボル検出部の構成図である。
【図39】本発明の第5の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【図40】本発明の第5の実施例のシンボル系列生成部の構成図である。
【図41】本発明の第5の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図42】本発明の第5の実施例の検出結果生成部の構成図である。
【図43】本発明の第5の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【図44】本発明の第6の実施例の電子透かし検出部の構成図である。
【図45】本発明の第6の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【図46】本発明の第6の実施例のブロック分割部の動作を説明するための図である。
【図47】本発明の第6の実施例のシンボル検出部の構成図である。
【図48】本発明の第6の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【図49】本発明の第6の実施例のシンボル系列生成部の構成図である。
【図50】本発明の第6の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図51】本発明の第6の実施例の検出結果生成部の構成図である。
【図52】本発明の第6の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【図53】本発明の第7の実施例の電子透かし検出部の構成図である。
【図54】本発明の第7の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【図55】本発明の第7の実施例のブロック分割部を説明するための図である。
【図56】本発明の第7の実施例のシンボル検出部の構成図である。
【図57】本発明の第7の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【図58】本発明の第7の実施例のシンボル系列生成部の構成図である。
【図59】本発明の第7の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図60】本発明の第7の実施例の検出結果生成部の構成図である。
【図61】本発明の第7の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【図62】本発明の第8の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成図である。
【図63】本発明の第8の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図64】本発明の第8の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【図65】本発明の第9の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成図である。
【図66】本発明の第9の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図67】本発明の第9の実施例のブロック生成部のブロック分割を説明するための図である。
【図68】本発明の第9の実施例のブロック生成部のサイクリックシフトの動作を説明するための図である。
【図69】本発明の第10の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成図である。
【図70】本発明の第10の実施例のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図71】本発明の第10の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【図72】本発明の第10の実施例のブロック生成部の分割処理を説明するための図である。
【図73】本発明の第10の実施例のサイクリックシフト部の動作を説明するための図である。
【図74】本発明の第11の実施例の電子透かし検出装置の構成図である。
【図75】本発明の第11の実施例の電子透かし検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図76】本発明の第11の実施例の検出対象成分指定部の構成図である。
【図77】本発明の第11の実施例の検出対象成分指定部の動作を示すフローチャートである。
【図78】本発明の第11の実施例の位置マーカ系列生成部の構成図である。
【図79】本発明の第11の実施例の位置マーカ系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図80】本発明の第11の実施例の位置マーカ検出部の構成図である。
【図81】本発明の第11の実施例の位置マーカ検出部の動作を示すフローチャートである。
【図82】本発明の第11の実施例の位置マーカ検出部の検出対象系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図83】本発明の第11の実施例の電子透かし検出部の構成図である。
【図84】本発明の第11の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【図85】本発明の第11の実施例のシンボル検出部の構成図である。
【図86】本発明の第11の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【図87】本発明の第11の実施例のシンボル生成部の構成図である。
【図88】本発明の第11の実施例のシンボル生成部の動作を示すフローチャートである。
【図89】本発明の第11の実施例の検出結果生成部の構成図である。
【図90】本発明の第11の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【図91】本発明の第12の実施例の位置マーカ検出部の動作を説明するための図である。
【図92】本発明の第13の実施例の電子透かし検出部の構成図である。
【図93】本発明の第13の実施例の電子透かし検出部の動作を示すフローチャートである。
【図94】本発明の第13の実施例のブロック分割部の動作を説明するための図である。
【図95】本発明の第13の実施例のシンボル検出部の構成図である。
【図96】本発明の第13の実施例のシンボル検出部の動作を示すフローチャートである。
【図97】本発明の第13の実施例のシンボル系列生成部の構成図である。
【図98】本発明の第13の実施例のシンボル系列生成部の動作を示すフローチャートである。
【図99】本発明の第13の実施例の検出結果生成部の構成図である。
【図100】本発明の第13の実施例の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【図101】本発明の第14の実施例の電子透かし検出部のブロック分割部の動作を説明するための図である。
【図102】本発明の第15の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成図である。
【図103】本発明の第15の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図104】本発明の第15の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【図105】本発明の第16の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の構成図である。
【図106】本発明の第16の実施例の位置マーカ検出部のブロック生成部の動作を示すフローチャートである。
【図107】本発明の第16の実施例のブロック生成部の動作を説明するための図である。
【図108】本発明の第19の実施例の位置マーカ検出部のオフセット情報生成部の動作を示すフローチャートである。
【図109】本発明の第20の実施例の電子透かし検出部の検出結果生成部の動作を示すフローチャートである。
【図110】本発明の第21の実施例の計算機シミュレーションによるcorrの値と理論値を示したグラフである。
【図111】本発明の第21の実施例の計算機シミュレーションによるシンボル検出情報のグラフである。
【図112】本発明の埋込強度を変化させた時のPSNRを示す図である。
【図113】本発明の計算機シミュレーションによる透かし入り画像から透かし情報を検出した結果を示す図である。
【図114】本発明の計算機シミュレーションによる部分画像からの検出結果を示す図である。
【図115】本発明の計算機シミュレーションによる検出失敗及び成功部分画像を示す図である。
【図116】本発明の計算機シミュレーションによるJPEG圧縮画像からの検出結果を示す図である。
【図117】本発明の計算機シミュレーションによる階調変換画像(2値画像)を示す図である。
【図118】本発明の計算機シミュレーションの合成画像の例である。
【図119】本発明の一実施例の集積回路の構成図である。
【符号の説明】
1 メモリ
2 マイクロプロセッサ
3 インタフェース部
1A 変更手段
2A 透かしパターン生成手段
3A 加算手段
4A 埋込画像生成手段
5A 検出対象成分指定手段
6A 位置マーカ系列生成手段
7A 位置マーカ検出手段
8A 電子透かし検出手段
10 入力画像
20 画像の局所的複雑度
51 入力画像
52 電子透かし
53 鍵情報
54 強度パラメータ
55 電子透かし埋込済画像
61 入力画像
62 電子透かし
63 鍵情報
64 強度パラメータ
65 電子透かし埋込済画像
100 情報埋込装置
101 入力画像
102 強度パラメータ
103 電子透かし
104 鍵情報
105 埋込済画像
110 透かしパターン加算部
120 埋込系列生成部
121 埋込系列
122 拡散系列生成器
130 埋込対象成分指定部
131 埋込対象成分位置情報
132 乱数生成器
140 成分値変更部
141 透かし係数行列
150 離散逆フーリエ変換部
151 透かしパターン
200 電子透かし検出装置
201 検出対象画像
202 鍵情報
203 検出結果
204 オフセット候補情報
205 画素ブロック
206 検出対象係数行列
207 検出対象系列
208 位置マーカ検出情報
210 検出対象成分指定部
211 検出対象成分位置情報
212 乱数生成器
220 位置マーカ系列生成部
221 位置マーカ系列
222 拡散系列生成器
230 位置マーカ検出部
231 オフセット情報
232 オフセット候補情報生成部
233 ブロック生成部
234 離散フーリエ変換部
235 検出対象系列生成部
236 位置マーカ検出情報生成部
237 オフセット情報生成部
240 電子透かし検出部
241 ブロック生成部
242 離散フーリエ変換部
243 検出対象系列生成部
244 シンボル検出部
245 検出結果生成部
246 画素ブロック
247 検出対象係数行列
248 検出対象系列
249 シンボル検出情報
251 検出結果
500 電子透かし検出部
510 ブロック分割部
511 画素ブロック
520 離散フーリエ変換部
521 検出対象係数行列
530 検出対象系列生成部
531 検出対象系列
540 シンボル検出部
541 シンボル候補生成部
542 シンボル系列生成部
543 シンボル検出情報生成部
544 シンボル候補
545 シンボル系列
546 シンボル検出情報
550 検出結果生成部
551 各シンボル位置毎系列生成部
552 検出シンボル生成部
553 逆シンボル変換部
554 各シンボル位置毎系列
555 検出シンボル
556 検出結果
600 電子透かし検出部
601 画素ブロック
602 検出対象系列行列
603 検出対象系列
604 シンボル検出情報
610 ブロック分割部
620 離散フーリエ変換部
630 検出対象系列生成部
640 シンボル検出部
641 シンボル候補生成部
642 シンボル候補
643 シンボル系列生成部
644 シンボル系列
645 シンボル検出情報生成部
646 シンボル検出情報
650 検出結果生成部
651 各シンボル位置毎系列生成部
652 各シンボル位置毎系列
653 検出シンボル生成部
654 検出シンボル
655 逆シンボル変換部
656 検出結果
663 検出対象系列
700 電子透かし検出部
701 画素ブロック
702 検出対象係数行列
703 検出対象系列
704 シンボル検出情報
705 検出結果
710 ブロック分割部
720 離散フーリエ変換部
730 検出対象系列生成部
740 シンボル検出部
741 シンボル候補生成部
742 シンボル候補
743 シンボル系列生成部
744 シンボル系列
745 シンボル検出情報生成部
746 シンボル検出情報
750 検出結果生成部
751 各シンボル位置毎系列生成部
752 各シンボル位置毎系列
753 検出シンボル生成部
754 検出シンボル
755 逆シンボル変換部
756 検出結果
800 ブロック生成部
801 t個のブロック
802 加算ブロック
803 画素ブロック
810 ブロック分割部
820 ブロック加算部
900 ブロック生成部
901 t個のブロック
902 加算ブロック
903 画素ブロック
910 ブロック分割部
920 ブロック加算部
930 サイクリックシフト部
1000 ブロック生成部
1010 ブロック分割部
1011 t個のブロック
1012 加算ブロック
1013 画素ブロック
1020 ブロック加算部
1030 サイクリックシフト部
1100 電子透かし検出装置
1101 オフセット情報
1102 位置マーカ系列
1103 検出対象成分位置情報
1104 画素ブロック
1105 検出対象係数行列
1106 オフセット候補情報
1107 検出対象系列
1108 位置マーカ検出情報
1110 位置マーカ検出部
1111 ブロック生成部
1113 離散フーリエ変換部
1115 検出対象系列生成部
1117 オフセット候補情報生成部
1118 位置マーカ検出情報生成部
1119 オフセット情報生成部
1120 位置マーカ系列生成部
1121 拡散系列生成器
1130 検出対象成分指定部
1131 乱数生成器
1140 電子透かし検出部
1141 ブロック生成部
1142 画素ブロック
1143 離散フーリエ変換部
1144 検出対象係数行列
1145 検出対象系列生成部
1146 検出対象系列
1147 シンボル検出部
1148 シンボル検出情報
1149 検出結果生成部
2000 電子透かし検出部
2001 画素ブロック
2002 検出対象係数行列
2003 検出対象系列
2004 シンボル検出情報
2100 ブロック分割部
2200 離散フーリエ変換部
2300 検出対象系列生成部
2400 シンボル検出部
2401 シンボル候補
2402 シンボル系列
2403 シンボル検出情報
2410 シンボル候補生成部
2420 シンボル系列生成部
2421 拡散系列生成器
2430 シンボル検出情報生成部
2500 検出結果生成部
2501 各シンボル位置毎系列
2502 検出シンボル
2510 各シンボル位置毎系列生成部
2520 検出シンボル生成部
2530 逆シンボル変換部
2441 シンボル候補生成部
2442 シンボル系列生成部
2443 シンボル検出情報生成部
2444 シンボル候補
2445 シンボル系列
2446 シンボル検出情報
2447 拡散系列生成器
2451 各シンボル位置毎系列生成部
2452 各シンボル位置毎系列
2453 逆シンボル変換部
2454 各シンボル位置毎系列
2455 検出シンボル

Claims (18)

  1. ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像(101)と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータ(102)と、埋め込む電子透かし(103)と、鍵情報(104)とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像(105)を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、
    前記鍵情報(104)を入力とし、前記鍵情報(104)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報(131)として出力するステップ(S110)と、
    前記電子透かし(103)と前記鍵情報(104)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、前記電子透かし(103)を予め定められたシンボル表現に変換して得られる各シンボルについて、各シンボルの位置毎に前記拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される前記鍵情報(104)を種として得られる拡散系列により該シンボル値をスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を重畳し、全てのシンボルについて拡散および重畳を行って得られる前記系列長の系列を埋込系列(121)として出力するステップ(S120)と、
    予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列(141)を、初期値を零行列として用意するステップ(S130)と、
    前記埋込対象成分位置情報(131)と前記埋込系列(121)を入力とし、前記透かし係数行列(141)の、前記埋込対象成分位置情報(131)の各項で指定される成分値を、前記埋込系列(121)の対応する項の値に順次変更し、これを前記系列長の項数分繰り返すことにより前記透かし係数行列(141)の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップ(S140)と、
    前記透かし係数行列(141)を入力とし、前記透かし係数行列(141)を離散逆フーリエ変換して透かしパターン(151)を生成し出力するステップ(S150)と、
    前記入力画像(101)と前記強度パラメータ(102)と前記透かしパターン(150)を入力とし、前記透かしパターン(150)の振幅を前記強度パラメータ(102)の値で増幅し、増幅後の透かしパターンを前記ディジタル画像(101)にタイル状に加算し、埋込済画像(105)出力するステップと、
    を有することを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  2. ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像(101)と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータ(102)と、埋め込む電子透かし(103)と、鍵情報(104)とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像(105)を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、
    前記鍵情報(104)を入力とし、前記鍵情報(104)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報(131)として出力するステップ(S110)と、
    前記電子透かし(103)と前記鍵情報(104)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段の中から一つ選択し、選択された拡散系列生成手段を用いて前記鍵情報(104)を種として得られる拡散系列によって、予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られる前記系列長の系列に対し、前記電子透かし(103)を予め定められたシンボル表現に変換して得られる各シンボルについて、各シンボルの位置毎に、前記選択された拡散系列生成手段以外の拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される前記鍵情報(104)を種として得られる拡散系列により該シンボル値をスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を重畳し、全てのシンボルについて拡散および重畳を行って得られる前記系列長の系列を埋込系列(121)として出力するステップ(S120)と、
    予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列(141)を、初期値を零行列として用意するステップ(S130)と、
    前記埋込対象成分位置情報(131)と前記埋込系列(121)を入力とし、前記透かし係数行列(141)の、前記埋込対象成分位置情報(131)の各項で指定される成分値を、前記埋込系列(121)の対応する項の値に順次変更し、これを前記系列長の項数分繰り返すことにより前記透かし係数行列(141)の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップ(S140)と、
    前記透かし係数行列(141)を入力とし、前記透かし係数行列(141)を離散逆フーリエ変換して透かしパターン(151)を生成し出力するステップ(S150)と、
    前記入力画像(101)と前記強度パラメータ(102)と前記透かしパターン(150)を入力とし、前記透かしパターン(150)の振幅を前記強度パラメータ(102)の値で増幅し、増幅後の透かしパターンを前記ディジタル画像(101)にタイル状に加算し、埋込済画像(105)出力するステップと、を有することを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  3. ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像(101)と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータ(102)と、埋め込む電子透かし(103)と、鍵情報(104)とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像(105)を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、
    前記鍵情報(104)を入力とし、前記鍵情報(104)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報(131)として出力するステップ(S110)と、
    前記電子透かし(103)と前記鍵情報(104)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、拡散系列手段を順序付けし,前記鍵情報(104)を種として0番目の拡散系列生成手段で生成される拡散系列を前記系列長の項数だけ生成し、その振幅を予め定められた倍率で増幅してこれをバッファに保存し、前記電子透かし(103)を予め定められたシンボル表現に変換して得られる各シンボルについて、前記鍵情報(104)に該シンボルの値を加えた値を種として、該シンボルの桁位置( 1 桁目 , 2 桁目 , 3 桁目 , …)の順番の拡散系列生成手段を用いて生成される前記系列長の系列の各項を、前記バッファに保存された系列の対応する各項に順次加算することで重畳し、全てのシンボルについて処理を行った後のバッファの内容を埋込系列(121)として出力するステップ(S120)と、
    予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列(141)を、初期値を零行列として用意するステップ(S130)と、
    前記埋込対象成分位置情報(131)と前記埋込系列(121)を入力とし、前記透かし係数行列(141)の、前記埋込対象成分位置情報(131)の各項で指定される成分値を、前記埋込系列(121)の対応する項の値に順次変更し、これを前記系列長の項数分繰り返すことにより前記透かし係数行列(141)の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップ(S140)と、
    前記透かし係数行列(141)を入力とし、前記透かし係数行列(141)を離散逆フーリエ変換して透かしパターン(151)を生成し出力するステップ(S150)と、
    前記入力画像(101)と前記強度パラメータ(102)と前記透かしパターン(150)を入力とし、前記透かしパターン(150)の振幅を前記強度パラメータ(102)の値で増幅し、増幅後の透かしパターンを前記ディジタル画像(101)にタイル状に加算し、埋込済画像(105)出力するステップと、
    を有することを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  4. ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像(201)と、鍵情報(202)とを入力とし、電子透かしの検出結果(203)を出力とする電子透かし検出方法であって、
    前記鍵情報(202)を入力とし、前記鍵情報(202)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報(211)として出力するステップ(S210)と、
    前記検出対象画像(201)と前記鍵情報(202)と前記検出対象成分位置情報(211)を入力とし、前記検出対象画像(201)から、ブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、前記検出対象成分位置情報(211)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列を検出対象系列(248)とし、各シンボルの位置毎に、拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される前記鍵情報(104)を種として得られる拡散系列を用いて、該検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより各検出シンボルを得て、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果(203)として出力するステップ(S240)と、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  5. ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像(201)と、鍵情報(202)と、を入力とし、電子透かしの検出結果(203)を出力とする電子透かし検出方法であって、
    前記鍵情報(202)を入力とし、前記鍵情報(202)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報(211)として出力するステップ(S210)と、
    前記鍵情報(202)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段の中から一つ選択し、選択された拡散系列生成手段を用いて前記鍵情報(202)を種として得られる拡散系列によって、予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られる前記系列長の系列を、位置マーカ系列(221)として出力するステップ(S221)と、
    前記検出対象画像(201)と前記検出対象成分位置情報(211)と前記位置マーカ系列(221)を入力とし、2次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、2次元座標であるオフセット候補情報(204)を順次得て、前記オフセット候補情報の各々に対し、前記検出対象画像(201)から、該オフセット候補情報(204)で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロック(205)を切り出し、該画素ブロック(205)を離散フーリエ変換して検出対象係数行列(206)を得て、該検出対象係数行列(206)の、前記検出対象成分位置情報(211)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列を検出対象系列(207)とし、前記位置マーカ系列(221)との相関を計算し、前記オフセット候補情報(204)の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報(231)として出力するステップ(S230)と、
    前記検出対象画像(201)と前記鍵情報(202)と前記検出対象成分位置情報(211)と前記オフセット情報(231)を入力とし、前記検出対象画像(201)から、前記オフセット情報(231)で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、前記検出対象成分位置情報(211)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列を検出対象系列(248)とし、各シンボルの位置毎に、前記選択された拡散系列生成手段以外の拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される前記鍵情報(104)を種として得られる拡散系列を用いて、検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより各検出シンボルを得て、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果(203)として出力するステップ(S240)と、を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  6. ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像(201)と、鍵情報(202)とを入力とし、電子透かしの検出結果(203)を出力とする電子透かし検出方法であって、
    前記鍵情報(202)を入力とし、前記鍵情報(202)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報(211)として出力するステップ(S210)と、
    前記鍵情報(202)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、前記鍵情報(202)を種として0番目の拡散系列生成手段で生成される拡散系列を前記系列長の項数だけ生成し、これを位置マーカ系列(221)として出力するステップ(S220)と、
    前記検出対象画像(201)と前記検出対象成分位置情報(211)と前記位置マーカ系列(221)を入力とし、2次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、2次元座標であるオフセット候補情報(204)を順次得て、前記オフセット候補情報の各々に対し、前記検出対象画像(201)から、該オフセット候補情報(204)で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロック(205)を切り出し、該画素ブロック(205)を離散フーリエ変換して検出対象係数行列(206)を得て、該検出対象係数行列(206)の、前記検出対象成分位置情報(211)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列を検出対象系列(207)とし、前記位置マーカ系列(221)との相関を計算し、前記オフセット候補情報(204)の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報(231)として出力するステップ(S230)と、
    前記検出対象画像(201)と前記鍵情報(202)と前記検出対象成分位置情報(211)と前記オフセット情報(231)を入力とし、前記検出対象画像(201)から、前記オフセット情報(231)で指定されるオフセット位置を起点としてブロックサイズの領域である画素ブロックを切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、前記検出対象成分位置情報(211)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列を検出対象系列(248)とし、前記鍵情報(202)と取り得る全てのシンボル候補(2444)の値を加算した値を各々種として、各シンボル位置に対応した拡散系列生成手段を用いて得られるシンボル系列(2445)と、該検出対象系列(248)との相関を計算してシンボル検出情報(249)を得て、各シンボル位置について最大の相関値を取るときのシンボル候補(2444)を該シンボル位置における検出シンボルとし、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果(203)として出力するステップ(S240)と、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  7. ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像(201)と、鍵情報(202)とを入力とし、電子透かしの検出結果(203)を出力とする電子透かし検出方法であって、
    前記鍵情報(202)を入力とし、前記鍵情報(202)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報(1103)として出力するステップ(S1110)と、
    前記鍵情報(202)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段の中から一つ選択し、選択された拡散系列生成手段を用いて前記鍵情報(202)を種として得られる拡散系列によって、予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られる前記系列長の系列を、位置マーカ系列(1102)として出力するステップ(S1120)と、
    前記検出対象画像(201)と前記検出対象成分位置情報(1103)と前記位置マーカ系列(1102)を入力とし、前記検出対象画像(201)の予め定められた位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロック(1104)を切り出し、該画素ブロック(1104)を離散フーリエ変換して検出対象係数行列(1105)を得て、2次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、2次元座標であるオフセット候補情報(1106)を順次得て、該検出対象係数行列(1105)の、前記検出対象成分位置情報(1103)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列の各項に対し該オフセット候補情報(1106)に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列(1107)とし、前記位置マーカ系列(1102)との相関を計算し、前記オフセット候補情報(1106)の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報(1101)として出力するステップ(S1130)と、
    前記検出対象画像(201)と前記鍵情報(202)と前記検出対象成分位置情報(1103)と前記オフセット情報(1101)を入力とし、前記検出対象画像(201)の予め定められた位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロック(1142)を切り出し、該画素ブロック(1142)を離散フーリエ変換して検出対象係数行列(1144)を得て、該検出対象係数行列(1144)の、前記検出対象成分位置情報(1103)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列の各項に対し該オフセット候補情報(1106)に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列(1146)とし、各シンボルの位置毎に、前記選択された拡散系列生成手段以外の拡散系列生成手段を一つずつ対応付け、該シンボル位置に対応する拡散系列生成手段を用いて生成される前記鍵情報(104)を種として得られる拡散系列を用いて、検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより各検出シンボルを得て、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果(203)として出力するステップ(S1140)と、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  8. ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像(201)と、鍵情報(202)とを入力とし、電子透かしの検出結果(203)を出力とする電子透かし検出方法であって、
    前記鍵情報(202)を入力とし、前記鍵情報(202)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる3次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報(1103)として出力するステップ(S1110)と、
    前記鍵情報(202)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、前記鍵情報(202)を種として0番目の拡散系列生成手段で生成される拡散系列を前記系列長の項数だけ生成し、これを位置マーカ系列(1102)として出力するステップ(S1120)と、
    前記検出対象画像(201)と前記検出対象成分位置情報(1103)と前記位置マーカ系列(1102)を入力とし、前記検出対象画像(201)の左上の位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロック(1104)を切り出し、該画素ブロック(1104)を離散フーリエ変換して検出対象係数行列(1105)を得て、2次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、2次元座標であるオフセット候補情報(1106)を順次得て、該検出対象係数行列(1105)の、前記検出対象成分位置情報(1103)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列の各項に対し該オフセット候補情報(1106)に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列(1107)とし、前記位置マーカ系列(1102)との相関を計算し、前記オフセット候補情報(1106)の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報(1101)として出力するステップ(S1130)と、
    前記検出対象画像(201)と前記鍵情報(202)と前記検出対象成分位置情報(1103)と前記オフセット情報(1101)を入力とし、前記検出対象画像(201)の左上の位置から、ブロックサイズの領域である画素ブロック(1142)を切り出し、該画素ブロック(1142)を離散フーリエ変換して検出対象係数行列(1144)を得て、該検出対象係数行列(1144)の、前記検出対象成分位置情報(1103)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた1次元系列の各項に対し該オフセット候補情報(1106)に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列(1146)とし、前記鍵情報(202)と取り得る全てのシンボル候補(11472)の値を加算した値を各々種として、各シンボル位置に対応した拡散系列生成手段を用いて得られるシンボル系列(11474)と、該検出対象系列(1146)との相関を計算してシンボル検出情報(1148)を得て、各シンボル位置について最大の相関値を取るときのシンボル候補(11474)を該シンボル位置における検出シンボルとし、検出シンボルの値を電子透かし情報の表現に変換して検出結果(203)として出力するステップ(S1140)と、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  9. 請求項4乃至請求項8に記載の電子透かし検出方法であって、
    オフセット情報を出力するステップ、および検出結果を出力するステップにおいて、検出対象画像(201)を入力するステップと、
    検出対象画像の左上からブロックサイズの画素ブロックを切り取り出力するステップにおいて、前記検出対象画像(201)から切り出せる画像領域がブロックサイズに満たない場合には、ブロックサイズに含まれる前記検出対象画像(201)の画素領域の画素値の平均値を求めるステップと、該平均値でブロックサイズの不足分を埋めたものを画素ブロックとして出力するステップと、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  10. 請求項4乃至請求項に記載の電子透かし検出方法であって、
    オフセット情報を出力するステップ、および検出結果を出力するステップにおいて、検出対象画像(201)を入力とし画素ブロックを出力とするステップとして、検出対象画像を左上からブロックサイズのブロック群に分割し、全てのブロックを加算して得られる加算ブロックを画素ブロックとして出力するステップと、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  11. 請求項4乃至請求項10に記載の電子透かし検出方法であって、
    オフセット情報を出力するステップにおいて、算出した最大の相関値が、予め定められた閾値に満たない場合に処理を中断し、電子透かしの検出に失敗した旨の検出結果を出力するステップと、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  12. 請求項4乃至請求項11に記載の電子透かし検出方法であって、
    検出結果を出力するステップにおいて、各シンボル位置毎に算出した最大の相関値の中で、予め定められた閾値に満たないものがある場合に処理を中断し、電子透かしの検出に失敗した旨の検出結果を出力するステップと
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  13. 請求項12に記載の電子透かし検出方法であって、
    前記閾値として、特定の確率分布の分布関数の値に基づいて定められた閾値を適用することを特徴とする電子透かし検出方法。
  14. 請求項13に記載の電子透かし検出方法であって、
    前記確率分布の分布関数として、正規分布の分布関数を適用することを特徴とする電子透かし検出方法。
  15. (埋め込み方法抽象化(位置マーカ無し))
    ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像(101)と、電子透かしの埋め込みの強さの程度 を制御するための強度パラメータ(102)と、埋め込む電子透かし(103)と、鍵情報(104)とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像(105)を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、
    前記鍵情報(104)を入力とし、前記鍵情報(104)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報(131)として出力するステップ(S110)と、
    前記電子透かし(103)と前記鍵情報(104)を入力とし、少なくとも一つの拡散系列生成手段を持ち、前記拡散系列生成手段に前記鍵情報(104)を与えることにより生成される拡散系列を用いて前記電子透かし(103)をスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を埋込系列(121)として出力するステップ(S120)と、
    予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列(141)を、初期値を零行列として用意するステップ(S130)と、
    前記埋込対象成分位置情報(131)と前記埋込系列(121)を入力とし、前記透かし係数行列(141)の、前記埋込対象成分位置情報(131)の各項で指定される成分値を、前記埋込系列(121)の対応する項の値に順次変更し、これを前記系列長の項数分繰り返すことにより前記透かし係数行列(141)の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップ(S140)と、
    前記透かし係数行列(141)を入力とし、前記透かし係数行列(141)を離散逆フーリエ変換して透かしパターン(151)を生成し出力するステップ(S150)と、
    前記入力画像(101)と前記強度パラメータ(102)と前記透かしパターン(150)を入力とし、前記透かしパターン(150)の振幅を前記強度パラメータ(102)の値で増幅し、増幅後の透かしパターンを前記ディジタル画像(101)にタイル状に加算し、埋込済画像(105)出力するステップと、
    を有することを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  16. (埋め込み方法抽象化(位置マーカ有り))
    ディジタル画像に対して電子透かしを人間の知覚に感知されないように埋め込む、電子透かしを埋め込む対象である入力画像(101)と、電子透かしの埋め込みの強さの程度を制御するための強度パラメータ(102)と、埋め込む電子透かし(103)と、鍵情報(104)とを入力とし、電子透かしが埋め込まれた埋込済画像(105)を出力とする電子透かし埋め込み方法であって、
    前記鍵情報(104)を入力とし、前記鍵情報(104)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを埋込対象成分位置情報(131)として出力するステップ(S110)と、
    前記電子透かし(103)と前記鍵情報(104)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成手段から少なくとも一つの拡散系列生成手段を選択し,選択された拡散系列生成手段に前記鍵情報(104)を与えることにより生成される拡散系列を用いて,予め定められた値をスペクトラム拡散変調して前記系列長の系列を得て,
    前記選択された拡散系列生成手段以外の少なくとも一つの拡散系列に前記鍵情報(104)を与えることにより生成される拡散系列を用いて,前記電子透かし(103)をスペクトラム拡散変調することによって得られる系列を,前記予め定められた値をスペクトラム拡散変調して得られた系列に重畳して,埋込系列(121)として出力するステップ(S120)と、
    予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列である透かし係数行列(141)を、初期値を零行列として用意するステップ(S130)と、
    前記埋込対象成分位置情報(131)と前記埋込系列(121)を入力とし、前記透かし係数行列(141)の、前記埋込対象成分位置情報(131)の各項で指定される成分値を、前記埋込系列(121)の対応する項の値に順次変更し、これを前記系列長の項数分繰り返すことにより前記透かし係数行列(141)の実数成分と虚数成分を独立に変更して出力するステップ(S140)と、
    前記透かし係数行列(141)を入力とし、前記透かし係数行列(141)を離散逆フーリエ変換して透かしパターン(151)を生成し出力するステップ(S150)と、
    前記入力画像(101)と前記強度パラメータ(102)と前記透かしパターン(150)を入力とし、前記透かしパターン(150)の振幅を前記強度パラメータ(102)の値で増幅し、増幅後の透かしパターンを前記ディジタル画像(101)にタイル状に加算し、埋込済画像(105)出力するステップと、
    を有することを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  17. (検出方法抽象化(位置マーカ無し))
    ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像(201)と、鍵情報(202)とを入力とし、電子透かしの検出結果(203)を出力とする電子透かし検出方法であって、
    前記鍵情報(202)を入力とし、前記鍵情報(202)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報(211)として出力するステップ(S210)と、
    前記検出対象画像(201)と前記鍵情報(202)と前記検出対象成分位置情報(211)を入力とし、前記検出対象画像(201)から、ブロックサイズの領域である画素ブロックを少なくとも一つ切り出し、該画素ブロックを離散フーリエ変換して検出対象係数行列を得て、該検出対象係数行列の、前記検出対象成分位置情報(211)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列を検出対象系列(248)とし、
    少なくとも一つの拡散系列生成手段に前記鍵情報(202)を与えることにより得られる拡散系列を用いて、該検出対象系列をスペクトラム拡散復調することにより電子透かし情報を検出し,検出結果(203)として出力するステップ(S240)と、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
  18. (検出方法抽象化(位置マーカ有り))
    ディジタル画像に対して人間の知覚に感知されないように埋め込まれた電子透かしを検出する、電子透かしを検出する対象である検出対象画像(201)と、鍵情報(202)とを入力とし、電子透かしの検出結果(203)を出力とする電子透かし検出方法であって、
    前記鍵情報(202)を入力とし、前記鍵情報(202)を乱数生成の種として乱数列を生成し、この乱数列を用いて予め定められたブロックサイズの行数および列数を持つ複素行列内の、行位置、列位置、および行位置と列位置で指定される成分値の実数成分または虚数成分を指定するためのフラグ、からなる 3 次元の順列を、予め定められた系列長の項数分だけ重複なく決定し、これを検出対象成分位置情報(1103)として出力するステップ(S1110)と、
    前記鍵情報(202)を入力とし、複数の拡散系列生成手段を持ち、複数の拡散系列生成 手段から少なくとも一つの拡散系列生成手段を選択し,選択された拡散系列生成手段に前記鍵情報(202)を与えることにより生成される拡散系列を用いて,予め定められた値をスペクトラム拡散変調して前記系列長の系列を得て,これを位置マーカ系列(1102)として出力するステップ(S1120)と、
    前記検出対象画像(201)と前記検出対象成分位置情報(1103)と前記位置マーカ系列(1102)を入力とし、前記検出対象画像(201)の任意の位置から少なくとも一つのブロックサイズの領域である画素ブロック(1104)を切り出し、該画素ブロック(1104)を離散フーリエ変換して検出対象係数行列(1105)を得て、 2 次元座標の原点を起点として、横方向および縦方向についてブロックサイズまでの全てを走査するようにして、 2 次元座標であるオフセット候補情報(1106)を順次得て、該検出対象係数行列(1105)の、前記検出対象成分位置情報(1103)の各項で指定される成分値を順次読み取り、これを並べた 1 次元系列の各項に対し該オフセット候補情報(1106)に対応する位相差を与えて得られる系列を検出対象系列(1107)とし、前記位置マーカ系列(1102)との相関を計算し、前記オフセット候補情報(1106)の中で、最大の相関値を取るときのものをオフセット情報(1101)として出力するステップ(S1130)と、
    前記検出対象画像(201)と前記鍵情報(202)と前記検出対象成分位置情報(1103)と前記オフセット情報(1101)を入力とし、前記オフセット情報(1101)で表される位相差を与えて得られる前記検出対象系列(1146)と,前記複数の拡散系列生成手段のうち前記選択されたものを除いた中から少なくとも一つの拡散系列生成手段に鍵情報を与えて得られる拡散系列により,該検出対象系列(1146)をスペクトラム拡散復調することにより電子透かし情報を検出し,検出結果(203)として出力するステップ(S1140)と、
    を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
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