JP3744817B2 - 難燃性ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリアセタール樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は難燃性に優れたポリアセタール樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、熱安定性および機械物性に優れた難燃性ポリアセタール樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアセタール樹脂はバランスのとれた機械的性質と優れた成形性を有するエンジニアリング樹脂として自動車部品、OA機器部品を中心に広範な分野において用いられている。しかしながら、可燃性である為に難燃性が必要とされる用途においては使用が制限されており、該用途には難燃性を付与した他の樹脂が使用されているのが現状である。
【0003】
従来、ポリアセタール樹脂に難燃性を付与するために様々な方法が提案されている。例えば、特公昭43−22671号公報にはリン酸アンモニウムを添加する方法、特公昭53−31899号公報にはリン酸グアニジン、メラミンとポリメタリン酸アンモニウムをポリアセタール樹脂に添加する方法が開示されている。又、特開平9−324105号公報には粒径が30μm以下のポリリン酸アンモニウム単独、またはポリリン酸アンモニウムとメラミンと併用して添加する方法が開示されている。しかしながら、上記の方法においては難燃性が充分であるものの添加量が多い為にポリアセタール樹脂の物性を著しく損なうという欠点を有する。
【0004】
又、赤リンとトリアジン類化合物とをポリアセタール樹脂に添加して難燃性を付与する方法が特開昭48−7044号公報、特公昭55−35421号公報に開示されているが、十分な難燃性を得る為にはメラミン、リン酸グアニジン、シアノグアニジン等のトリアジン類化合物を大量に添加する必要がありポリアセタール樹脂の物性低下が著しく、特にメラミンを大量に用いた場合はブリードやモールドデポジットなどの問題を有する。又、特開昭55−84348号公報には赤リンとモリブデン化合物との併用により難燃性を向上させたポリアセタール樹脂組成物が提案されているが、熱安定が不十分であり良好な成形加工性が得られない。
【0005】
一方、ポリアセタール樹脂にフェノール樹脂やポリカーボネート樹脂を添加することは従来から知られており、例えば、特公昭49−42662号公報にはフェノール樹脂を酸化防止剤としてポリアセタール樹脂に添加することが開示されている。又、特開平6−248163号公報、特開平6−329873号公報、特開平7−11101号公報、特開平7−292186号公報には、ポリアセタール樹脂とポリカーボネート、ポリスチレン、脂肪族ポリエーテル、芳香族ポリエーテルとの組成物にフェノール樹脂を添加することにより、親和性、分散性を改良し、機械的性質や成形収縮率を改善する方法に関して開示されている。しかしながら、ポリアセタール樹脂にフェノール樹脂やポリカーボネート樹脂を添加することにより難燃性を向上させることに関する知見はない。
以上述べたとおり、ポリアセタール樹脂の難燃性付与はその樹脂特性から非常に困難であり、ポリアセタール樹脂の優れた物性と難燃性を併せ持つ組成物は現段階において実在しないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリアセタール樹脂の優れた物性を保持しつつ難燃性を付与することによって、これまで制限されていた分野へ材料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは難燃性ポリアセタール樹脂に関して鋭意研究を重ねた結果、赤リンとフェノール樹脂および/またはポリカーボネート樹脂とをポリアセタール樹脂に配合することによりポリアセタール樹脂の難燃化を達成出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、
1.(A)ポリアセタール樹脂60〜90重量%、(B)赤リン1〜30重量%、(C)フェノール樹脂およびポリカーボネート樹脂より選ばれる少なくとも1種1〜13重量%および(D)熱安定剤として脂肪酸リチウム塩0.1〜5重量%よりなることを特徴とする難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
2.赤リンが無機物および/または樹脂で被覆されていることを特徴とする1記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
3.赤リンが0.1〜100μmの平均粒子径であることを特徴とする1または2記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
4.赤リンが5〜15重量%であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
5.(C)がノボラック型フェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂の重量平均分子量が500〜10,000であることを特徴とする1記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
6.(C)がフェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂がパラキシリレンあるいはアルキルベンゼンで変性されていることを特徴とする1または5記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
7.(C)がフェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂が5%以下の未反応フェノールを含有することを特徴とする1、5または6のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
8.(D)熱安定剤として、脂肪酸リチウム塩に加えて更に脂肪酸リチウム塩以外のアルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ土類金属脂肪酸塩およびホルムアルデヒドと反応し得る窒素含有化合物から選ばれる少なくとも1種である1〜7のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
9.(D)脂肪酸リチウム塩がステアリン酸リチウムである1〜8のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
10.脂肪酸リチウム塩に加えて更に配合される熱安定剤がステアリン酸カルシウム、メラミンおよびポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする9記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
11.さらに(E)シリコン系潤滑剤を5重量%以下含有することを特徴とする1〜10のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
に関する。
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアセタール樹脂はホルムアルデヒドの単量体またはその3量体であるトリオキサン、4量体のテトラオキサンを単独重合し、末端をエステル末端やエーテル末端で封鎖したホモポリマーや前記トリオキサンやテトラオキサンとエチレンオキシド、1、3−ジオキソラン、1、4−ブタンジオール等の環状エーテルとを共重合して得られる炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を含有するコポリマー、更にポリオキシアルキレン等の異種成分セグメントを導入してなるブロックポリマー、グリシジルエーテル等を反応させて得られる分岐ポリマー、更にはジグリシジルエーテル等により架橋させた架橋ポリマー等が挙げられ、本発明においてはこれらのポリマーも使用可能で特に制限されない。又、その重合度に関しても成形加工性を有するもの(例えば190℃、2160g荷重下でのメルトフロー値(MFR)が1〜100)であればよく何ら制限はない。
【0010】
本発明の(B)として用いられる赤リンは通常の市販されているものを用いることが出来る。一般的に用いられている未処理の赤リンは約260℃で自己発火すると同時に加水分解されてホスフィンを発生する。本発明においてはこの一般的な赤リンやこの赤リンに表面処理を施して自己発火温度を高くした安定化赤リンが用いられる。表面処理された赤リンとして具体的には、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の金属水酸化物の被膜で被覆処理された赤リンや水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の金属水酸化物と樹脂の混合物で被覆処理された赤リン、更には水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の金属水酸化物の被膜の上に更に樹脂で2層に被覆処理された赤リン、更には各種オイルで表面処理した赤リンが挙げられる。
【0011】
ここで、被覆処理用の樹脂としては特に制限されないが、例えばフェノール樹脂が挙げられる。本発明における好ましい赤リンは、金属水酸化物および/または樹脂により被覆安定化された赤リン、金属水酸化物と樹脂により2層に被覆安定化された赤リンである。又、用いる赤リンの粒子径は通常200μm以下のものであり、本発明においては特に制限されないが、0.1〜100μmの粒子径のものが好ましく、特に好ましくは1〜50μmの粒径を有する赤リンが用いられる。粒子径の測定方法としては、シーラス社のレーザー回折式粒度分析計を用いる方法が挙げられ、赤リン粉末を純水中に投入し粒度分布曲線から平均粒径を求める方法が挙げられる。赤リンの具体例としては、燐化学工業(株)製のノーバレッド120、ノーバエクセル140、ノーバエクセルF5(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0012】
本発明における赤リンの全組成物中の濃度は1〜30重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。赤リンの濃度が1重量%以下では難燃性が不十分であり、30重量%以上の添加量にすると機械物性、特に耐衝撃性が著しく低下するために好ましくない。
本発明の(C)は、フェノール樹脂および/またはポリカーボネート樹脂より選ばれる少なくとも1種の成分である。本発明におけるフェノール樹脂はフェノールとホルムアルデヒドとを反応させて得られるが、酸性触媒を用いて反応させたノボラック型とアルカリ性触媒を用いて反応させたレゾール型が挙げられ、本発明においては共に使用出来るが、特にノボラック型のフェノール樹脂が好ましい。分子量としては、500〜10,000の重量平均分子量を有するものが好ましいが、特に制限されない。又、フェノール樹脂はパラキシリレン或いはアルキルベンゼンで変性したものが好ましく、特にアルキルベンゼン変性(変成率40%以上)が好ましい。
【0013】
さらにフェノール樹脂中には一般的に未反応のフェノールを数%含有するが、本発明においては5%以下の未反応フェノールを含有するフェノール樹脂が好ましく、特に2%以下の未反応フェノールを含有するフェノール樹脂が好ましい。未反応フェノールの濃度が5%以上のフェノール樹脂を用いた場合、熱安定性を損なうと同時に未反応フェノールの臭気が問題となり好ましくない。具体的なフェノール樹脂としては、住友デュレズ(株)製のスミライトレジンPR−50731、PR−53647、PR−54443,R−54537、PR−51992や旭有機材工業(株)製のフェノールレジンCP−504等(いずれも商品名)が挙げられる。
【0014】
本発明におけるもうひとつの(C)であるポリカーボネート樹脂は特に制限されないが、二価フェノールとホスゲンとの反応、または二価フェノールとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネート樹脂を挙げることが出来る。二価フェノールとしては、ビスフェノール類が挙げられ、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられるが、特に制限されない。又、この二価フェノールは二価フェノールのホモポリマー、2種以上の二価フェノールのコポリマーであってもよい。
【0015】
更に、本発明においてはポリカーボネート樹脂としてポリエステルカーボネート等のポリカーボネート共重合体や分岐したポリカーボネート樹脂を用いることも可能である。具体的なポリカーボネート樹脂としては、帝人化成(株)製のパンライトL−1225(商品名)、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のユーピロンS2000、S2000R、S3000、S3000R(いずれも商品名)等が挙げられる。
本発明における(C)成分の全組成物中の濃度は1〜40重量%である。添加量が1重量%以下の場合は充分な難燃性が得られない。又、40重量%以上添加すると難燃性は充分であるもののポリアセタール樹脂の有する機械物性が低下し好ましくない。
【0016】
更に本発明の(D)成分の熱安定剤は脂肪酸リチウム塩である。具体的にはミリスチン酸リチウム、パルミチン酸リチウム、ヘプタデシル酸リチウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられ、ステアリン酸リチウムが特に好ましい。
また、脂肪酸リチウム塩に加えて更に、脂肪酸リチウム塩以外のアルカリ金属脂肪酸塩、アルキル土類金属脂肪酸塩およびホルムアルデヒドと反応し得る化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加しても良い。
【0017】
アルカリ金属脂肪酸塩およびアルキル土類金属脂肪酸塩の具体例としては、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジヘプタデシル酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムなどが挙げられる。好ましくはジステアリン酸カルシウムである。なお、これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合物として使用してもよい。
また、ホルムアルデヒドと反応し得る化合物としてはアミノ基を有するトリアジン類化合物およびアミド基を有するポリアミド樹脂等が挙げられる。具体的なトリアジン類化合物として、メラミン、ベンゾグアナミン、メラム、メレム、メロン、1、2−ビス−(3、5−ジアミノ−2、4、6−トリアジニル)エタン、1、3−ビス−(3、5−ジアミノ−2、4、6−トリアジニル)プロパン等が挙げられ、これらの中でも特にメラミンが好ましい。
【0018】
又、アミド基を有するポリアミド樹脂等としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン46、ナイロン12、ナイロン3、ナイロン6/66/610等のポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリ−N−ビニルホルムアミド等が挙げられるが、特に制限されない。ポリアセタール樹脂の通常の成形加工温度において溶融しない化合物、例えば、ナイロン66、ナイロン3、ポリ−N−ビニルアセトアミド等を用いる場合は粒径を50μm以下、好ましくは10μm以下の粒径として用いることが望ましい。
全組成物中における(D)熱安定剤の量は0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。0.1重量%以下の場合は赤リンの分解で生成するリン酸やフェノール樹脂中の未反応フェノールの影響により熱安定性が劣り好ましくない。5重量%を超えると、難燃性が低下し好ましくない。
【0019】
さらに本発明においては、摺動性を付与する為に(E)シリコン系潤滑剤を添加しても良い。本発明におけるシリコン系潤滑剤は、公知のシリコン化合物、およびその変性品から必要に応じて選ばれるものである。また、他の樹脂にシリコンをグラフト重合させたものも使用できる。これらのシリコン化合物は2種以上を併用しても使用できる。さらにこれらのシリコン化合物は、取り扱いの利便性から他の樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂)と予め混錬し、ペレット化されたマスターバッチを用いることや、他の樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂)にシリコン化合物をグラフトさせたものなどを用いることも可能である。
【0020】
シリコン化合物をグラフトさせるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)などが挙げられる。シリコン化合物の具体的な例としては、信越化学工業(株)製のシリコンガムマスターバッチ(ポリアセタール40%/シリコン60%)、ダウコーニングアジア(株)製のマスターペレットSP−100(シリコン60%−EMMA40%グラフト)、SP−300(シリコン40%−LDPE60%グラフト)、SP−350(シリコン50%−LDPE50%グラフト)等(いずれも商品名)が挙げられる。
【0021】
本発明における(E)シリコン系潤滑剤の全組成物中の濃度は5重量%以下である。5重量%を超える濃度は、成形剥離性、難燃性、機械物性が低下するため好ましくない。
又、本発明の組成物には、更にその目的に応じて所望の特性を付与する為に、本発明の目的を損なわない範囲において、従来公知の添加剤を添加しても良い。例えば、ヒンダードフェノール系などの酸化防止剤、エチレンビスアミド等の離型剤、潤滑剤、更に帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加することが可能である。更に、ガラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム等のフィラー類も添加することが可能である。
【0022】
本発明の組成物は、通常行われている溶融混練機を用いて得られる。溶融混練機としては単軸押出機、2軸押出機、ニーダー等が挙げられる。本発明の(B)、(C)および(D)はポリアセタール樹脂と一緒に溶融混練機に供給され溶融混練されるが、添加方法や混練方法等は特に制限されず、従来公知の方法で添加することが可能である。例えば、ポリアセタール樹脂と赤リン粉末、フェノール樹脂やポリカーボネート樹脂、熱安定剤等とを混合して押出後ペレットとする方法が挙げられる。
【0023】
又、赤リンと熱安定剤を一旦ポリアセタール樹脂のマスターバッチペレットとして、その後マスターバッチペレットとフェノール樹脂やポリカーボネート樹脂、更に熱安定剤等を混合して押出後ペレットとする方法等を用いることも可能であり、本発明では特に制限されない。赤リンは衝撃や摩擦により発火しやすい性質を有しており、粉末状赤リンを取り扱う際には多大の注意が必要である。赤リンの取り扱いの改善方法として、上記に述べたように、例えば赤リンをポリアセタール樹脂のマスターバッチペレットとする方法が好ましく、マスターバッチペレットとすることにより取り扱い性が容易となり、粉末状赤リンに対し取り扱いが大幅に改善される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下実施例などを挙げて、本発明を詳細に説明する。尚、本発明の実施例および比較例で使用する成分は次の通りである。
Figure 0003744817
【0025】
Figure 0003744817
【0026】
Figure 0003744817
【0027】
更に本発明の実施例および比較例の難燃性、物性、熱安定性の評価方法は次の通りである。
(1)難燃性;
127×12.7×3mmの試験片5本を、23℃、50%湿度で2日間放置後、UL耐炎試験規格に準じて2回接炎した時の各燃焼時間および合計10回の接炎した時の合計燃焼時間(秒)からUL耐炎性試験規格のランクを求めた。
(2)曲げ弾性率;
東芝(株)製、IS−100E射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度70℃で試験片を作成し、ASTM−D790に基づき測定した。
【0028】
(3)アイゾット衝撃値;
東芝(株)製、IS−100E射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度70℃で試験片を作成し、ノッチを付け、ASTM−D256に基づき測定した。
(4)熱安定性;
230℃、窒素気流中において加熱溶融し、30分間に発生するホルムアルデヒドを亜硫酸ナトリウム水溶液に吸収させ、硫酸水溶液を用いて滴定して測定した。
【0029】
【実施例1】
ポリアセタール樹脂68重量%、(B1)赤リン30重量%、(D1)熱安定剤2重量%を配合して2軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を用いて190℃でペレタイズし、30%の赤リンマスターバッチを得た。このマスターバッチに全組成物中の濃度がポリアセタール樹脂83重量%、(B1)赤リン10重量%、(C1)フェノール樹脂6重量%、(D1)熱安定剤1重量%となるようにポリアセタール樹脂、(C1)フェノール樹脂、(D1)熱安定剤を配合して2軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を用いて190℃でペレタイズした。得られたペレットを成形して試験片を得、温度23℃、湿度50%に制御された室内に2日放置後、難燃性、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃試験の測定を行った。更にペレットの熱安定性を測定した。評価結果を表1に示す。
【0030】
【実施例2】
ポリアセタール樹脂83重量%、(B1)赤リン10重量%、(C1)フェノール樹脂6重量%、(D1)熱安定剤1重量%を配合して2軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を用いて190℃でペレタイズした。得られたペレットを成形して試験片を得、温度23℃、湿度50%に制御された室内に2日放置後難燃性、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃試験の測定を行った。評価結果を表1に示す。
【0031】
【実施例3〜11】
実施例1のフェノール樹脂、難燃剤、熱安定剤の種類、濃度を表1に示す如くに変えた以外は実施例1と同様にペレタイズを行い評価した。評価結果を表1に示す。
【実施例12】
実施例10に(E)シリコン系潤滑剤2重量%を加えた以外は実施例10と全く同様にペレタイズを行い評価した。評価結果を表1に示す。
【比較例1〜15】
実施例1のフェノール樹脂、難燃剤、熱安定剤の種類、濃度を表2に示す如くに変えた以外は実施例1と同様にペレタイズを行い評価した。評価結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003744817
【0033】
【表2】
Figure 0003744817
【0034】
【発明の効果】
本発明のポリアセタール組成物は従来ポリアセタール樹脂の有する優れた物性を保持しつつ難燃性を付与するものである。

Claims (11)

  1. (A)ポリアセタール樹脂60〜90重量%、(B)赤リン1〜30重量%、(C)フェノール樹脂およびポリカーボネート樹脂より選ばれる少なくとも1種1〜13重量%および(D)熱安定剤として脂肪酸リチウム塩0.1〜5重量%よりなることを特徴とする難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 赤リンが無機物および/または樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  3. 赤リンが0.1〜100μmの平均粒子径であることを特徴とする請求項1または2記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  4. 赤リンが5〜15重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  5. (C)がノボラック型フェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂の重量平均分子量が500〜10,000であることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  6. (C)がフェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂がパラキシリレンあるいはアルキルベンゼンで変性されていることを特徴とする請求項1または5記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  7. (C)がフェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂が5%以下の未反応フェノールを含有することを特徴とする請求項1、5または6のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  8. (D)熱安定剤として、脂肪酸リチウム塩に加えて更に脂肪酸リチウム塩以外のアルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ土類金属脂肪酸塩およびホルムアルデヒドと反応し得る窒素含有化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  9. (D)脂肪酸リチウム塩がステアリン酸リチウムである請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  10. 脂肪酸リチウム塩に加えて更に配合される熱安定剤がステアリン酸カルシウム、メラミンおよびポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
  11. さらに(E)シリコン系潤滑剤を5重量%以下含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物。
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