JP3744040B2 - インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙にインクを吹き付けて印字するインクジェットプリンタに係わり、特に、インクを吹き付ける多数のノズルを有するインクジェットプリンタヘッドの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置等の通信機器やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置は、通常、文字や図形からなるデータを視覚情報として記録するように、これらのデータを用紙に印字可能なプリンタを有している。このプリンタは、インパクト方式や感熱方式、インクジェット方式等の各種の印字方式が採用されているが、近年においては、静粛性に優れていると共に各種材質の用紙に印字可能なインクジェット方式が多用されるようになっている。
上記インクジェットプリンタは、多数のノズルを有したインクジェットプリンタヘッドと用紙とを対向配置し、インクジェットプリンタヘッドを主走査、用紙を副走査しながら、出力データに対応するノズルからインクを噴射させて用紙に吹き付けることによって、用紙に文字や図形を印字するようになっている。
【0003】
このような、従来技術におけるインクジェットプリンタヘッド101は、図9(a)に示すように、矩形状のキャビティプレート102と、矩形状のエネルギー発生素子103とを接合することにより形成されている。また、キャビティプレート102には、その巾方向Bに延びて形成されたインク溝111…を並列配置し、各インク溝111…にはインク供給溝112…と、ノズル104aを形成するインク吐出通路113…とが連通している。エネルギー発生素子103には、この巾方向Bの一端側を閉鎖する壁部124を有して他端側に開口する凹状溝125…を長手方向Aに並列形成することで、キャビティプレート102の各インク溝111…に対向する複数の駆動部126…が並列突設されていると共に、この各凹状溝125…との間で気密空間131…を区画するようにして薄膜状のダイヤフラム130が加熱接着されている。これにより、ダイヤフラム130と各インク溝111…とで各インク溝室135…を、又はインク供給溝112とでインク供給溝136を区画している。
【0004】
そして、文字や図形からなるデータに応じて、駆動電圧をエネルギー発生素子103の各駆動部126…に印加して、各インク溝室135…に物理的変形して突出するように駆動することで、各インク溝室135…の容積減少に伴って各インク溝室135…に発生する圧力で、インク115を各ノズル104a…から噴射して、用紙105に吹きつける。また、エネルギー発生素子103に対する駆動電圧の印加を消失すると、各駆動部126…は元の形状に戻されるので、各インク溝室135…の容積増加に伴って発生する負圧で、インク供給溝室136から各インク溝室135…内にインク115を供給する。
【0005】
ところで、従来技術のインクジェットプリンタヘッド101においては、これを構成するエネルギー発生素子103に複数の駆動部126…を形成するために、超音波ホーニング加工により複数の凹状溝125…を並列形成している。従って、この各凹状溝125…をエネルギー発生素子103の巾方向Bに亘って形成すると、その加工工数が多く掛かり、不経済なものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解決するために、本発明の発明者は、エネルギー発生素子の両端側を閉鎖する壁部123〔図9(a)の2点鎖線で示す部分〕,124を有する状態で、各凹状溝125…を並列形成することにより、各凹状溝125…の超音波ホーニング加工の工数を最小限なものとして、各駆動部126…を形成することを考えた。
【0007】
しかしながら、このようにエネルギー発生素子の両端側を閉鎖する壁部123,124を有して各凹状溝125…を形成すると、エネルギー発生素子103に対してダイヤフラム130が加熱接着されるので、このダイヤフラム130と各凹状溝125…とに気密空間131が区画され、加熱により各気密空間131内に存在する空気が膨張して、ダイヤフラム130も膨張する。そして、ダイヤフラム130をエネルギー発生素子103に接着した後に、常温まで冷えると、気密空間131内の空気が収縮して、図9(b)に示すように、この空気の収縮に伴って、ダイヤフラム130も各凹状溝125…内に引き込まれるように変形される。
従って、この状態で、エネルギー発生素子103をキャビティプレート102に接合すると、ダイヤフラム130で区画される各インク溝室135…同士が遮断されずに、変形状態のダイヤフラム130の隙間でつながった状態になる。
この結果、エネルギー発生素子103の各駆動部126…を駆動すると、各インク溝室135…に発生する圧力が相互につながった隣りのインク溝室135…に逃げることになり、各インク溝室135…の一様な吐出圧を確保することができないという問題が発生した。
【0008】
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、エネルギー発生素子の加工工数の減少と、ダイヤフラムのエネルギー発生素子に対する加熱接着における膨張、収縮を防止して、各インク溝室から噴射されるインクの吐出圧を一様にして、均一な印字を可能とすることのできるジェットインクプリンタヘンドを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明のインクジェットプリンタヘッドでは、
請求項1においては、並列して形成された複数のインク溝室とこれら複数のインク溝室を区画する複数の隔壁とを有するキャビティプレートと、
両端側に壁部を有して複数の凹状溝を並列形成することで、前記キャビティプレートの複数のインク溝室にそれぞれ対向する複数の駆動部が形成されたエネルギー発生素子と、
前記エネルギー発生素子の各駆動部側から当該エネルギー発生素子に加熱接着されるダイヤフラムとを備え、
前記複数の凹状溝は前記ダイヤフラムを介して前記複数の隔壁とそれぞれ対向しており、
前記エネルギー発生素子には、前記ダイヤフラムの加熱接着で各凹状溝に区画される気密空間が形成されると共に、
全ての前記凹状溝によりそれぞれ区画される全ての前記気密空間に直線的に連通し、これら気密空間内に存する空気を、外部に逃がす空気逃がし通路が形成されていることを特徴とするものである。
これにより、エネルギー発生素子は、各駆動部を形成するために最小限の凹状溝を並列形成すればよくなる。
また、エネルギー発生素子には、ダイヤフラムで各凹状溝に区画される気密空間内に存する空気を、外部に逃がす空気逃がし通路を形成して、常に、各気密空間を大気圧状態にしているので、エネルギー発生素子に対するダイヤフラムの加熱接着により、気密空間内の空気が膨張し、常温への冷却により収縮することをなくして、これに伴ってエネルギー発生素子に接着されるダイヤフラムを膨張、又は収縮させることを防止できる。
【0010】
請求項2においては、前記凹状溝により前記エネルギー発生素子の略中央部に分離形成された複数の凸部が前記駆動部を構成し、
前記空気逃がし通路は、前記エネルギー発生素子に形成された溝により構成され、
全ての前記凹状溝によりそれぞれ区画される全ての前記気密空間を互いに連通させる直線的な通路であることを特徴とするものである。
これにより、ダイヤフラムと各凹状溝とで形成される各気密空間内から空気を逃がすための空気逃がし通路を形成するための溝加工が1つの工程ですむことになり、生産性が向上する。また、ダイヤフラムをエネルギー発生素子に加熱接着した後には、各気密空間の空気抜けが良くなるので、品質も向上する
求項においては、前記空気逃がし通路の端が、前記エネルギー発生素子の前記ダイヤフラムと接着される面以外の何れかの面において開口していることを特徴とするものである。
請求項においては、前記エネルギー発生素子は、複数枚の積層された圧電材料シートとこれら複数枚の圧電材料シートの間に配置された内部電極層とを有する積層体からなり、前記積層体の、前記ダイヤフラム側の一部の前記圧電材料シートの間には前記内部電極層が形成されておらず、前記一部の圧電材料シートに前記空気逃がし通路が形成されていることを特徴とするものである。
請求項においては、前記空気逃がし通路は、前記一部の圧電材料シートに形成された空気逃がし溝と前記ダイヤフラムとにより形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェットプリンタヘッドについて、図1乃至図8を参照して説明する。
【0012】
図1において、インクジェットプリンタヘッド1(以下、単に「ヘッド1」という。)は、キャビティプレート2と圧電素子のエネルギー発生素子3とを互いに接合して構成されており、このエネルギー発生素子3の駆動によりインクを噴射する複数のノズル4a…を有している。これらのノズル4a…は、主走査方向Xに対して直交する副走査方向Yに一定間隔で配置されている。そして、ヘッド1は、これらのノズル4a…を用紙5に対して並行となるように対向させており、各ノズル4a…から噴射されたインクを用紙5に対して垂直方向に吹き付けるようになっている。これにより、ヘッド1の主走査と、用紙5の副走査とが繰り返されることによって、用紙5の全面又は一部にインクの吹き付けによる印字が施されるようになっている。
【0013】
次に、ヘッド1を構成するキャビティプレート2と、エネルギー発生素子3との具体的な構成と、これら相互の接合構造について、図2乃至図8に基づいて説明する。
先ず、キャビティプレート2は、図2及び図3に示すように、樹脂もしくはセラミック材料による矩形状のプレートであり、その巾方向Bの両端側部9,10を残して、この巾方向Bに延びる複数のインク溝11…が形成されている。このインク溝11…は、例えば、超音波ホーニング加工や射出成形法等により、相互にキャビティプレート2の長手方向Aに並列となるように形成されている。また、キャビティプレート2には、各インク溝11…の一方端11aに連通するインク供給溝12が形成されており、このインク供給溝12はキャビティプレート2の長手方向Aの一端側に開口して、この方向Aに延びている。
そして、各インク溝11…は、図3に示すように、インク供給溝12が連通している一方端11aとは反対側の他方端11bに開口するインク吐出通路13…に連絡されている。この各インク吐出通路13…は、各インク溝11…の他方端11bからキャビティプレート2のノズル面2Aに向かって(図3中の下側に向かって)段々に縮径して、このノズル面2Aに開口しており、このノズル面2Aに取り付けられたノズルプレート14を貫通することで、ヘッド1のノズル4a…を形成している。尚、各インク溝11…は、インク供給溝12を介して図示しないインク貯留器に連絡されて、インク15が供給されるようになっている。
【0014】
一方、エネルギー発生素子3は、図4、図5R>5及び図8に示すように、圧電・電歪効果を有する矩形状のセラミックシート20…を複数枚積層して矩形状の積層体に形成されている。エネルギー発生素子3は、その中央部が複数の凹状溝25に分割されており、その分割された中央部であり且つ内部負電極層21…と内部正電極層22とに挟まれた複数の凸部を各駆動部26…として有している。この各駆動部26…は、キャピティープレート2の各インク溝11…に対応するように形成されており、その幅は各インク溝11…の幅より小さくしてある。
エネルギー発生素子3について詳細に説明を行う。エネルギー発生素子3を構成するセラミックシート20は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とする圧電材料からなり、そのセラミックシート20の表面には、図8に示すように、Ag−Pdペーストをスクリーン印刷した2種類の電極パターンが形成されている。その電極は、前記各インク溝11…に1対1に対応するように複数に分割された内部正電極層22…と、全てのインク溝11…に亘る内部負電極層21…である。尚、図8は説明の簡略化のために、駆動部26を3つ有するエネルギー発生素子3の例を示している。
また、内部正電極層21…及び内部負電極層22…は、その先端部が対応するインク溝11の伸長方向端部を幾分超えない部位で設けられ、2種のセラミックシート20を積層されたエネルギー発生素子3において、内部正電極層21…と内部負電極層22…とが、凹状溝25にて分割された駆動部26のみで積層方向に対向するようにしてある。尚、積層されたセラミックシート20の最下層より数層間には、内部電極層21,22が形成されていない。
また、エネルギー発生素子3は、図4に示すように、その巾方向Bの両端側に壁部23,24を有して、例えば、超音波ホーニング加工により各凹状溝25…が相互にエネルギー発生素子3の長手方向Aに並列となるように形成され、この一側端に各層の各内部負電極層21…と通電する外部負電極27と、各内部正電極層22…と通電する外部正電極28とが形成されている。
更に、エネルギー発生素子3には、空気逃がし溝29が形成されている。この空気逃がし溝29は、エネルギー発生素子3の長手方向Aの両端側に開口して、各凹状溝25…が延びる方向に直交する方向に亘って、且つ直線的に横切るように形成されている。これにより、各凹状溝25…は、この空気逃がし溝29により連通状態にされている。但し、空気逃がし溝29は、各駆動部26…において、前記内部電極層21,22が形成されていない最下層より数層分の厚み未満の深さで形成される。つまり、空気逃がし溝29が形成されることによって、内部電極層21,22が分断されるようなことが無いように形成されている。尚、エネルギー発生素子3の各駆動部26…が突出する側と反対側面には、ヘッド1を主走査する図示しない走行機構に連結されるベースプレート30が取り付けられている。
【0015】
そして、エネルギー発生素子3には、薄膜状のダイヤフラム31が接着されている。このダイヤフラム31は、各凹状溝25…と空気逃がし溝29とが開口する側から各壁部23,24と、各溝25…,29とが形成された他部分とに亘って塗布された接着剤を介して接着する。その後、ダイヤフラム31を図示しない加熱器で加熱しつつ押圧力Pを均等作用させて、エネルギー発生素子3から剥がれることのないように強固に接着する。このとき、ダイヤフラム31の加熱により、このダイヤフラム31と各凹状溝25…とで区画される各気密空間32に存在する空気が熱膨張して、ダイヤフラム31を膨らませようとするが、各凹状溝25…をエネルギー発生素子3の外部に連通する空気逃がし溝29を介して各気密空間32内は大気圧状態にされているので、この各空間32内に存在する空気が、空気逃がし溝29を通してエネルギー発生素子3の外部に逃がされて、ダイヤフラム31が膨らむことを防止している。また、エネルギー発生素子3に対するダイヤフラム31の加熱接着した後、一旦、加熱された気密空間32内の空気が常温まで冷やされて収縮して、ダイヤフラム31を各凹状溝25…内に引き込ませようとするが、上述の如く、各気密空間32…は空気逃がし溝29を介して大気圧状態にされているので、ダイヤフラム31が収縮することを防止している。これにより、ダイヤフラム31は、エネルギー発生素子3の平面3Aに対して並行に張設される状態で、即ち、ダイヤフラム31の膨張や収縮を防止しつつエネルギー発生素子3に加熱接着される。
【0016】
以上のように構成されるキャビティプレート2とエネルギー発生素子3とは、図6(a)に示すように、各駆動部26…を各インク溝11…に対して並列に対向する状態で、キャビティプレート2の一端側部9にエネルギー発生素子3の壁部24を接合し、他端側部10に壁部23を接合すると共に、この壁部23がインク供給溝12上を介して各インク溝11…を構成する隔壁上部の一方端11aに接合することで、3点支持a〜c状態にされている。これにより、ダイヤフラム31は、図6(b)にも示すように、キャビティプレート2の各インク溝11…とインク供給溝12の開口側から、各インク溝11…とインク供給溝12とを覆うようにキャビティプレート2の平面2Bに亘って接合されると共に、エネルギー発生素子3の平面3Aに対して並行に張設状態で加熱接着されているので、各インク溝11…とで、各インク溝11を互いに遮断するように各インク溝室35…を区画すると共に、インク供給溝12との間でインク供給室36を区画する。
【0017】
そして、文字や図形からなるデータに応じて制御信号として、駆動電圧がエネルギー発生素子3の各外部電極27,28を介して各内部電極層21,22間に印加されると、このエネルギー発生素子3の各駆動部26…が、図7(a)に示すように、各インク溝室35…に物理的変形して突出するように駆動する。これにより、各駆動部26…の駆動に追従して、ダイヤフラム31が各インク溝室35…の容積を減少させるように変形されるので、この容積減少に伴って各インク溝室35…内には圧力P1が発生し、結果、インク15が加圧されインク吐出通路13…を介して各ノズル4a…からインク液滴28Aが噴射して、各ノズル4aに対向する用紙5に吹き付ける。そして、文字や図形からなるデータに応じて、ヘッド1の主走査と、用紙5の副走査とが繰り返されることによって、用紙5の全面又は一部にインクの吹き付けによる印字が施されるようになっている。また、エネルギー発生素子3の各内部電極層21,22間に対する駆動電圧の印加を消失すると、各駆動部26…はダイヤフラム31の変形を解消しつつ元の形状に戻されるので、各インク溝室35…の容積は増加する。これにより、各インク溝室35…の容積増加に伴って、各インク溝室35…内には負圧が発生し、結果、上記インク貯留器から各インク供給溝室36にインク15が供給される。このとき、ダイヤフラム31は、図7(b)にも示すように、エネルギー発生素子3の内部電極層21,22に駆動電圧を印加、消失することで、各駆動部26…の駆動に伴ってこの各駆動部26…に当接部分のダイヤフラム31のみが変形し、又はその変形を解消して元の形状に復元される作動が繰り返えされるが、ダイヤフラム31は、エネルギー発生素子3に対して張設状態で加熱接着されているので、各インク溝室35…の相互を、常に遮断する状態でその変形、又は復元されることになる。この結果、各インク溝室35…から噴射されるインク15の吐出圧を一様にして、均一な印字が可能となる。
【0018】
尚、本発明において、各インク溝室35…を連絡してエネルギー発生素子3の外部に連通するものとして、インク溝11…が並列する方向に延びる空気戻し溝29について説明したが、これに限定されるものでなく、各インク溝11…を貫通する空気逃げ孔としてもよく、各々のインク溝11を個別に、複数の空気逃げ孔や溝等でエネルギー発生素子3の外部に連通する構成としてもよい。
【0019】
【発明の効果】
このように本発明のインクジェットプリンタヘッドによれば、請求項1では、エネルギー発生素子は、各駆動部を形成するために最小限の凹状溝を並列形成すればよくなる。また、エネルギー発生素子には、ダイヤフラムで各凹状溝に区画される気密空間内に存する空気を、外部に逃がす空気逃がし通路を形成して、常に、気密空気内を大気圧状態にしているので、エネルギー発生素子に対するダイヤフラムの加熱接着により、気密空間内の空気が膨張し、常温への冷却により収縮することをなくして、これに伴ってエネルギー発生素子に接着されるダイヤフラムを膨張、又は収縮させることを防止できる。この結果、エネルギー発生素子の加工工数を低減して経済的に作成することができると共に、キャビティプレートに接合した際に、ダイヤフラムで適正、且つ互いに遮断状態となる各インク溝室を区画することができるので、各インク溝室から噴射されるインクの吐出圧を一様にして、均一な印字が可能となる。
【0020】
請求項2では、請求項1の効果に加えて、凹状溝によりエネルギー発生素子の略中央部に分離形成された複数の凸部が前記駆動部を構成し、空気逃がし通路は、エネルギー発生素子に形成された溝により構成され、全ての前記凹状溝によりそれぞれ区画される全ての前記気密空間を互いに連通させる直線的な通路としたので、ダイヤフラムと各凹状溝とで形成される各気密空間内から空気を逃がすための空気逃がし通路を形成するための溝加工が1つの工程ですむことになり、生産性が向上する。また、ダイヤフラムをエネルギー発生素子に加熱接着した後には、各気密空間の空気抜けが良くなるので、品質も向上する
求項では、前記空気逃がし通路の端が、前記エネルギー発生素子の前記ダイヤフラムと接着される面以外の何れかの面において開口している。
請求項では、前記エネルギー発生素子は、複数枚の積層された圧電材料シートとこれら複数枚の圧電材料シートの間に配置された内部電極層とを有する積層体からなり、前記積層体の、前記ダイヤフラム側の一部の前記圧電材料シートの間には前記内部電極層が形成されておらず、前記一部の圧電材料シートに前記空気逃がし通路が形成されている。そのため、空気逃がし通路が形成されることによって、内部電極層が分断されるようなことが無い。
請求項では、前記空気逃がし通路は、前記一部の圧電材料シートに形成された空気逃がし溝と前記ダイヤフラムとにより形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタヘッドの構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態のおけるインクジェットプリンタヘッドを構成するキャビティプレートを示す斜視図である。
【図3】 図2におけるC−C断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態のおけるインクジェットプリンタヘッドを構成するエネルギー発生素子を示す斜視図である。
【図5】 図4におけるD−D断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタヘッドを構成するキャビティプレートをエネルギー発生素子との接合状態を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は図6(a)におけるE−E断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタヘッドの作動を説明する図であって、(a)は正面断面図、(b)は図7(a)におけるF−F断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタヘッドを構成するエネルギー発生素子の構成を示す説明図である。
【図9】 従来技術のインクジェットプリンタヘッドの構成を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタヘッド
2 キャビティプレート
3 エネルギー発生素子
23,24 壁部
25 凹状溝
26 駆動部
29 空気逃がし溝
31 ダイヤフラム
32 空間
35 インク溝室

Claims (5)

  1. 並列して形成された複数のインク溝室とこれら複数のインク溝室を区画する複数の隔壁とを有するキャビティプレートと、
    両端側に壁部を有して複数の凹状溝を並列形成することで、前記キャビティプレートの複数のインク溝室にそれぞれ対向する複数の駆動部が形成されたエネルギー発生素子と、
    前記エネルギー発生素子の各駆動部側から当該エネルギー発生素子に加熱接着されるダイヤフラムとを備え、
    前記複数の凹状溝は前記ダイヤフラムを介して前記複数の隔壁とそれぞれ対向しており、
    前記エネルギー発生素子には、前記ダイヤフラムの加熱接着で各凹状溝に区画される気密空間が形成されると共に、
    全ての前記凹状溝によりそれぞれ区画される全ての前記気密空間に直線的に連通し、これら気密空間内に存する空気を、外部に逃がす空気逃がし通路が形成されていることを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  2. 前記凹状溝により前記エネルギー発生素子の略中央部に分離形成された複数の凸部が前記駆動部を構成し、
    前記空気逃がし通路は、前記エネルギー発生素子に形成された溝により構成され、全ての前記凹状溝によりそれぞれ区画される全ての前記気密空間を互いに連通させる直線的な通路であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタヘッド。
  3. 前記空気逃がし通路の端が、前記エネルギー発生素子の前記ダイヤフラムと接着される面以外の何れかの面において開口していることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  4. 前記エネルギー発生素子は、複数枚の積層された圧電材料シートとこれら複数枚の圧電材料シートの間に配置された内部電極層とを有する積層体からなり、
    前記積層体の、前記ダイヤフラム側の一部の前記圧電材料シートの間には前記内部電極層が形成されておらず、
    前記一部の圧電材料シートに前記空気逃がし通路が形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
  5. 前記空気逃がし通路は、前記一部の圧電材料シートに形成された空気逃がし溝と前記ダイヤフラムとにより形成されていることを特徴とする請求項記載のインクジェットプリンタヘッド。
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