JP3742884B2 - 極低温破壊靭性の改良されたAl‐Cu‐Li合金 - Google Patents

極低温破壊靭性の改良されたAl‐Cu‐Li合金 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本願は、1993年3月12日出願の米国特許出願第08/032158号の部分継続出願であり、当該米国特許出願第08/032158号は1990年3月14日出願の米国特許出願第07/493255号の部分継続出願であり、当該米国特許出願第07/493255号は1989年3月23日出願の米国特許出願第07/327666号の部分継続出願であり、米国特許出願第07/327666号は既に放棄された1988年8月18日出願の米国特許出願第07/233705号の部分継続出願である。
発明の分野
本発明は、極低温での破壊靭性の改良されたアルミニウム-銅-リチウム合金に関する。より具体的には、組成及び加工パラメーターの制御によって、低温で改善された破壊靭性と強度を示す合金が提供され、打上げロケットなどの極低温タンクへの使用に適したものとなる。
発明の背景
アルミニウム-銅-リチウム合金は、打上げシステムにおける従来のアルミニウム合金の代替材料として検討されている。現在、打上げロケットは主にアルミニウムアソシエーション(Aluminum Association)登録合金2014(タイタン(Titan))及び2219(スペースシャトル外部タンク)から作られている。このような打上げシステムの空重量(すなわち、推進薬を除外した重量)の大半は推進薬収納容器にある。スペースシャトル外部タンクや計画中のタイタンIV極低温上段のような最新式システムでは、好ましい推進薬系は液体水素と液体酸素であり、共に極低温の液体である。したがって、このような推進薬収納容器用の構造合金は極低温使用温度で高い強度と高い靭性を有していることが重要である。さらに、こうした合金が母材及び溶接物共に極低温で室温に比して実質的に等しい又は大きい強度及び靭性を有していると特に有益である。極低温においてより高い破壊靭性及び強度を達成する能力を有していれば、タンクの構造耐力試験を極低温でなくとも室温において経済的に行うことができる。極低温での強度及び靭性が共に実質的に等しいか又は増大していれば、室温での耐力試験に合格することで極低温使用温度において強度超過荷重による破壊も靭性不足による破壊も起こらないことが保証される。
溶体化処理と急冷処理の後で人工時効の前に冷間加工すると、Al−Cu及びAl−Cu−Li合金の機械的性質が影響を受けることが知られている。こうした冷間加工を起こすための最も一般的な方法は押出品、薄板及び厚板のような軸対称成形品の塑性引伸し(stretching)によるものである。こうした引伸し(通常は室温で実施される)は、塑性オフセットにより製品を矯正(straigthening)するとともに、高アスペクト比の強化析出物(例えば、小板(platelet)、ラス(lath)など)の核生成部位として役立つ転位を与えるという2つの機能を発揮し、それにより強度を増加させる。引伸しAl−Cu及びAl−Cu−Li合金において室温靭性を増大させることも知られているが、我々の知る限り、極低温靭性に対する引伸しの影響についてこれまで報告された例はない。
何種類かのアルミニウム-銅-リチウム合金が商品化されている。その中には、アルミニウムアソシエーション(AA)登録合金2020、2090、2091、2094、2095、2195及び8090が含まれる。
合金2020は、重量%で表してAl−4.5Cu−1.1Li−0.5Mn−0.2Cdの呼称組成を有しており、1950年代に登録されたものである。この合金は比較的低密度で高い強度を発揮したが、非常に低レベルの破壊靭性及び延性しか有していなかった。これらの問題に加えて、加工処理の難しさのために、この合金はアルミニウムアソシエーションの登録から外された。
Al−(2.4〜3.0)Cu−(1.9〜2.6)Li−(0〜0.25)Mg−0.12Zrからなる合金2090は、2024や7075のような高強度合金の低密度代替物として設計されたものである。この合金は比較的高い強度を発揮するが、短横断方向破壊靭性と短横断方向延性に劣っており、層間剥離の問題と相俟って、広範な商業的成功を収めるには至っていない。
Al−(1.8〜2.5)Cu−(1.7〜2.3)Li−(1.1〜1.9)Mg−0.12Zrからなる合金2091は、高強度・高延性合金として設計された。しかし、最大強度を生じる熱処理条件において、延性は短横断方向で比較的低い。さらに、非冷間加工テンパーのときの合金2091で達成される強度は冷間加工テンパーのときの合金で得られる強度を下回る。
Al−(1.0〜1.6)Cu−(2.2〜2.7)Li−(0.6〜1.3)Mg−0.12Zrからなる合金8090は、剥離腐食抵抗及び耐損傷性の要求される航空機用に設計されたものである。しかし、合金8090は強度性能に限りがあり破壊靭性に乏しいことから航空宇宙及び航空機の用途に広く受け入れられるようにはなっていない。
合金2094はAl−(4.4〜5.2)Cu−(0.8〜1.5)Li−(0.25〜0.6)Mg−(0.25〜0.6)Ag−最大0.25Zn−最大0.1Mn−(0.04〜0.18)Zrからなり、合金2095はAl−(3.9〜4.6)Cu−(1.0〜1.6)Li−(0.25〜0.6)Mg−(0.25〜0.6)Ag−最大0.25Zn−最大0.1Mn−(0.04〜0.18)Zrからなる。合金2195は合金2095に類似しているが、Cu及びLiの範囲が僅かに低い。これらの合金は、超高強度、高モジュラス、良好な溶接性など、ひときわ優れた性質を有する。
米国特許第5032359号、同第5122339号、1989年3月23日出願の米国特許出願第07/327666号、1990年3月14日出願の米国特許出願第07/493255号及び1990年1月26日出願の米国特許出願第07/471299号には、銅、リチウム、マグネシウム及び他の合金添加成分を含んたアルミニウム基体合金が開示されている。これらは文献の援用によって本願明細書の内容の一部をなす。これらの合金は、高強度、高モジュラス、良好な溶接性及び良好な自然時効レスポンスなど非常に有益な性質を有することが判明している。
極低温で改良合金を使用することの技術的重要性に鑑みれば、従来のアルミニウム合金に比べて高い強度と破壊脆性をもち、しかも極性低温で室温よりも高い強度及び靭性をもつ低密度アルミニウム基体合金を提供することが望ましい。本願発明は、上記に鑑みて開発されたものであり、本発明の方法で加工処理したときに改善された組合わせの極低温破壊脆性及び強度を示すような特定の組成範囲にあるアルミニウム-銅-リチウム合金を提供する。
発明の概要
本発明の目的は、室温よりも極低温で向上した破壊靭性及び強度をもつアルミニウム-銅-リチウム合金の製造方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、アルミニウム基体合金の極低温破壊脆性及び強度を増加させる方法にして、溶体化処理及び急冷処理した特定組成範囲内のアルミニウム基体合金を準備し、極低温での強度及び破壊靭性が所望の増加に達するに十分な量で合金を塑性加工及び人工時効に付す段階を含んでなる方法を提供することである。
本発明のもう一つ目的は、室温よりも極低温で向上した破壊靭性及び強度をもつアルミニウム-銅-リチウム合金を提供することである。
本発明のもう一つ目的は、改良された極低温破壊靭性及び強度を有する鍛造アルミニウム基体合金にして、極低温での強度及び破壊靭性が所望の増加に達するに十分な量で合金を塑性加工し人工時効した鍛造アルミニウム基体合金を提供することである。さらに、当該合金中に存在する銅、リチウム及び他の元素の量は、極低温での特性が所定通り改良されるように調節される。
本発明のもう一つ目的は、液体水素、液体酸素及び液体窒素のような極低温物質を収容するための容器にして、極低温使用温度での破壊靭性及び強度の改良されたアルミニウム-銅-リチウム合金でできた容器を提供することである。
本発明によれば、その一つの形態において、次の段階を含んでなる改良アルミニウム基体合金の製造方法が提供される。
a)2.0〜6.5重量%のCu、0.2〜2.7重量%のLi及び残余のアルミニウム及び付随不純物から基本的になる、溶体化処理及び急冷処理されたアルミニウム基体合金を準備する段階、及び
b)極低温での強度及び破壊靭性が所望の増加に達するに十分な量で、上記合金の塑性加工及び人工時効の少なくともいずれかを行う段階。
本発明の別の実施形態では、2.8〜4.8重量%のCu、0.4〜1.5重量%のLi、0.2〜1.0重量%のMg及び残余のアルミニウム及び付随不純物から基本的になる鍛造アルミニウム基体合金にして、室温での強度及び破壊靭性と実質的に等しいか又はそれらを上回る極低温での強度及び破壊靭性を当該合金に与えるに十分な量で、塑性加工、又は人工時効、又は塑性加工及び人工時効に付された鍛造アルミニウム基体合金が提供される。
本発明の別の実施形態では、2.8〜4.5重量%のCu、0.4〜1.5重量%のLi、0.2〜1.0重量%のMg及び残余のアルミニウム及び付随不純物から基本的になる合金でできた極低温物質収容容器にして、当該合金が、室温での強度及び破壊靭性と実質的に等しいか又はそれらを上回る極低温での強度及び破壊靭性を当該合金に与えるに十分な量で、塑性加工、又は人工時効、又は塑性加工及び人工時効されたものである極低温物質収容容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、室温及び極低温における合金の破壊強さと降伏強さの関係を示すグラフである。このグラフは、合金を低い降伏点まで人工時効したとき極低温での合金の破壊靭性が増大するが、合金を高い降伏点まで人工時効したときは室温での破壊靭性に比べて極低温破壊靭性が低下することを示している。
図2は、室温及び極低温における合金の破壊強さとリチウム含量の関係を示すグラフである。このグラフは、リチウム含量の低い合金では極低温対室温破壊靭性の増大が観察されるのに対して、リチウム含量の高い合金では極低温破壊靭性の増大は全く認められないことを示している。
図3は、室温及び極低温における合金の破壊強さとマグネシウム(Mg)含量の関係を示すグラフである。このグラフは、すべての合金で極低温対室温破壊靭性の増大が観察されることを示している。
図4は、様々な量で引伸した合金の破壊靭性と温度との関係を示すグラフである。このグラフは、合金の引伸しの量を少なくすると極低温対室温破壊靭性が低下するが、合金の引伸しの量を大きくすると極低温破壊靭性が増大することを実証している。
図5は、室温及び極低温における合金の破壊強さと引伸し率(%)の関係を示すグラフである。このグラフは、引伸しレベルが低いと極低温対室温破壊靭性が減少するが、引伸しレベルを高めると極低温破壊靭性が増大することを示している。
図6は、室温及び極低温における合金の破壊強さと時効温度の関係を示すグラフである。このグラフは、時効温度の低下に伴って室温及び極低温靭性共に増大することを示している。
図7は、様々な量で引伸した本発明の合金の破壊靭性と温度との関係を示すグラフである。加えて、従来の合金の破壊靭性と温度との関係も示してある。このグラフは、本発明の合金では引伸しの量が大きいと極低温破壊靭性が改善されることを実証している。さらに、従来の合金と比べると本発明の合金の強度及び破壊靭性共に格段に向上していることも示している。
発明の詳細な説明
本発明は、改善された極低温破壊靭性及び強度特性を生じさせるための、アルミニウム-銅-リチウム合金の組成、製作及び熱処理の調節に関する。本発明によれば、鍛造アルミニウム-銅-リチウム合金が提供されるが、極低温での破壊靭性は室温での破壊靭性と実質的に等しいか又はそれを上回る。さらに、極低温での強度は室温での強度よりも高い。極低温におけるこのような向上した破壊靭性と強度との組合わせを、本発明では、「望ましい極低温破壊靭性傾向(desirable cryogenic fracture toughness trend)」と定義する。この望ましい傾向は、合金中の銅及びリチウムの濃度の調節、並びに合金の引伸し(ストレッチ)、時効及び再結晶のような加工パラメーターの調節によって達成することができる。
「極低温」という用語は、本発明では、室温を大きく下回る温度で通常は0℃未満の温度を含むと定義される。例えば、水素(−253℃)、酸素(−183℃)及び窒素(−196℃)が液体となるような温度は極低温に含まれる。実験的評価を目的とする場合には、−196℃の温度を極低温とみなす。室温はその一般的用法にしたがって定義され、約20〜約25℃の温度を含む。実験的評価を目的とする場合には、25℃の温度を室温とみなす。
アルミニウム、銅及びリチウムに加えて、本発明の合金は、ある好ましい実施形態では、マグネシウム、銀、亜鉛及びそれらの組合わせを結晶微細化剤、ディスパーソイド形成元素及び核生成助剤のような他の合金元素と共に含んでいてもよい。本発明の合金の合金添加成分の組成範囲を次の表1に示す。特記しない限り、本願明細書中の組成値はすべて重量%である。
Figure 0003742884
その添加によって望ましい極低温破壊靭性傾向の達成に格段の支障が生じない限り、Zr、Ti、Cr、Mn、Hf、Nb、B、Fe、Y、La、V、Mo、Se、Co、Ni、Cd、In、Sn、Ge及びそれらの組合わせのような他の合金添加成分が合計約10重量%以下の量で含まれていてもよい。Zr、Ti、Cr、Mn、Hf、Nb、B、V及びTiB2のような結晶微細化剤が約0.01〜約1.0重量%の好ましい合計量、さらに好ましくは約0.08〜約0.3重量%の合計量で含まれていてもよい。結晶微細化元素及び/又はディスパーソイド形成元素の量は、例えば急冷凝固、機械的合金化(mechanical alloying)及び反応ミリング(reaction milling)などの粉末冶金加工法を採用する場合には、1.0%を超過してもよい。ジルコニウム及びチタンは結晶微細化用添加成分として特に好ましく、Zrは再結晶防止剤としても有益である。
本発明にしたがって、表2に示す組成をもつ合金を製造した。表2には記載されていないが、アルミニウムが各組成の残部をなす。
Figure 0003742884
特記しない限り、上記の表に示す個々の組成物は次のようにして製造した。ガス誘導溶融炉を用いて、合金を23kg(50lb)の直径16.5cm(6.5インチ)のインゴットに鋳造した。インゴットを450℃で160時間さらに504℃で8時間均質化し、皮むきし、370℃(700°F)の予熱温度で1.9×5.1cm(3/4×2インチ)の長方形の条材に押出加工した。この押出物を固相線を僅かに下回る温度で1時間溶体化処理し、次いで水中急冷した。0〜9.5%の様々な量の引伸しを合金に施し、種々の人工時効温度及び時間を用いた。
本発明において「塑性加工された(worked)」という用語は、合金に最高約12%の引伸しに相当するものを導入することであると定義される。引伸し以外にも、圧延加工(rolling)、ロールフォーミング(roll forming)、バンプフォーミング(bump forming)、スピニング加工(spinning)、ショットピーニング(shot peening)など、その他の塑性加工手段を用いることもできる。引伸し(又はそれに相当するもの)の好ましい量は約3〜約9%であり、一般に約4.5〜約7%がさらに好ましいが、合金組成、部品の形状寸法及びその他の加工パラメーターに依存する。合金の塑性加工は通常は室温で行われる(冷間加工)が、極低温及び中温も適することがある。
人工時効温度としては様々な温度を用いることができ、多くの合金では約120℃未満から約180℃を超える温度で十分である。望ましい極低温破壊靭性傾向を促進するためには、約125℃から約145℃又は150℃の人工時効温度が好ましい。時効時間は時効温度に依存し、時間の長さが実際的でなくなるまで延長してもよい。約0.25〜約500時間の時効時間が通常用いられるが、約2〜約48時間が好ましく、約4〜約24時間が最も好ましい。ただし、合金組成及びその他の加工パラメーターに依存する。
本発明の合金は通常はインゴット形又はビレット形の鋳造される。本願明細書中で用いられる「インゴット」という用語は合金材料の固体塊であると概括的に定義される。本願明細書中で用いられる「ビレット」という用語には、熱間加工された半仕上製品で、圧延、押出、鍛造などの方法による後段での塑性加工に適したものが含まれる。本発明の合金のインゴット又はビレットの製造は鋳造技術によるのが好ましいが、合金はまた微粉末又は微粒から圧密化されたインゴット又はビレット形で準備し得る。粉末又は微粒材料は、アトマイゼーション(atomization)、機械的合金化(mechanical alloying)、メルトスピニング(melt spinning)、スプラット冷却(splat cooling)、プラズマデポジション(plasma deposition)などの方法で製造することができる。
本発明の合金は、押出品、薄板、厚板、鍛造品など、各種の公知の鍛造形で提供し得る。本願明細書中で用いられる「鍛造」合金という用語は、押出、圧延、鍛造、スピン成形(spin forming)などの方法による機械加工を施された製品であると定義される。「薄板」という用語は本発明では、剪断又はすり割り又は鋸引きされた縁をもつ厚さ約0.15mm〜約6.3mm(約0.006〜約0.249インチ)の概略長方形の断面をもつ圧延製品であると定義される。「厚板」という用語は、厚さが約6.35mm(約0.250インチ)以上である点を除けば薄板と同様に定義される。
以下の実施例で本発明の様々な態様を例示するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。特記しない限り、降伏強さの値はすべて長手方向におけるものであり、靭性の値はすべてL−T配向におけるものである。「L−T」という用語は、荷重の方向が靭性加工方向と平行であって、亀裂伝播の方向が塑性加工方向と直交するその製品の最長軸にそっていることを意味する。ほとんどの破壊靭性は予亀裂コンパクト試験片(precracked compact tension specimen)で測定された平面歪破壊靭性である。幾つかの破壊された試験片はASTM B339の塑性検査に合格せず、その靭性はKIc(ASTM B339)ではなくてKQと評価される。しかし、その破壊が平坦破壊であったことから、KQ値はKIc値に近いことが示唆される。
打上げシステムに用いられる大抵の極低温タンクは、運用荷重状態が平面歪みの下にあるように十分に薄いゲージ(厚さ)のアルミニウム合金を使用している。平面歪破壊靭性は厚さに依存し、合金及び加工効果によって引き起こされる靭性の微妙な違いが識別できるように十分低いバラツキでかかる靭性値を得るのは困難である。こうした困難を回避すべく、靭性及び極低温靭性傾向を評価するためもっと厚いゲージを用いて平面歪破壊靭性(KIc)を測定した。その理由は、KIcは基本的材料パラメーターであって試験片の寸法の違いによる影響をほとんど受けないからである。さらに、KIc値は、一般に、靭性のその他の測定のときよりもバラツキが少ない。
例1
合金A(6.18wt%Cu)の押出品を504℃で1時間溶体化処理し、20℃で水中急冷(WQ、water quench)し、20℃で1時間恒温処理(incubation)し、長手方向に3%引伸し、160℃で6時間人工時効した。20℃で5%の伸びとともに、650.2MPa(94.3ksi)の長手方向降伏強さ(YS)及び679.13MPa(98.5ksi)の極限引張強さ(UTS)、すなわち、アンダー時効(underaged)T8特性が、得られた。疲労予亀裂コンパクト試験片についてL−T配向で測定した20℃平面歪破壊靭性(KIc)は20.4MPa√m(18.6ksi√in)であった。−196℃においてYS及びUTSはそれぞれ799.8MPa(116ksi)及び848MPa(123ksi)に増大した。ある所定のアルミニウムの強度は、その合金が早期脆性破壊(premature brittle fracture)を経験していなければ、試験温度の低下に伴って増大すると予測される。早期脆性破壊は低い靭性及び延性が顕在化したものである。−196℃での延性は2.2%の伸びまで低下し、靭性は18.7MPa√m(17ksi√in)に低下した。これは、望ましくない極低温破壊靭性傾向を例示する。
例2
合金Aを例1よりも高いレベルの強度に時効した。すなわち、160℃で24時間時効して、20℃で680.5MPa(98.7ksi)のYS、699.8MPa(101.5ksi)のUTS及び5.4%の伸びとした。この高強度における20℃での破壊靭性は14.7MPa√m(13.4ksi√in)と極めて低い。この靭性は余りに低くて、この強度レベルにおいて靭性を重要因子とする用途にはこの合金は競合しないと考えられる。そのため−196℃における靭性は測定しなかったが、極低温靭性傾向は望ましくないと予測される。
例3
合金Bを上記の例における合金Aと同様に加工処理した。合金Bは、Cu含量が4.52重量%と格段に低い点を除けば、合金Aと類似の組成を有する。僅かにアンダー時効の熱処理(160℃で16時間)後の合金Bの20℃アンダー時効T8特性は、YSが687.4MPa(99.7ksi)でUTSが703.2MPa(102ksi)と強度が高く、引張伸びも6.4%と高かった。合金Bの20℃破壊靭性も、この高強度レベルにおいてKIc24.5MPa√m(22.3ksi√in)と高かった。この合金は例1の合金Aよりも34.5MPa(5ksi)強く時効したが、合金Aの20℃における靭性が20.4MPa√m(18.6ksi√in)に過ぎなかったことからすると、この結果は重大な意義をもつ。これらの室温延性及び靭性における改善はCu含量の低下に起因していると考えられる。−196℃において、YSは841.1MPa(122ksi)に増大し、UTSは896.3MPa(130ksi)に増大し、延性は7.4%の伸びまで増大した。一方、−196℃において、靭性が23.5MPa√m(21.4ksi√in)とごく僅か低下したが、極めて高い強度レベルにおいては事実上平ら(フラット)な傾向であるといえる。このように、Cu含量を6.18から4.52%に減少させると、3%引伸して約689.5MPa(約100ksi)の20℃YSまで時効した材料では望ましい極低温破壊靭性傾向を生じる状態に非常に近づく。
例4
合金Bを、例3と同様に160℃で16時間時効したが、3%ではなくて5%引伸した。5%の引伸しにより、時効キネティクスが増進して、160℃で16時間の人工時効でピーク強度[710.6MPa(103ksi)のYS、723.9MPa(105ksi)のUTS、6%の伸びを与えるようになった。20℃の破壊靭性はこの超高強度レベルで22.2MPa√m(20.2ksi√in)である。しかし、靭性は−196℃において27.47MPa√m(25.0ksi√in)へと格段に増大した。このように、Cuを4.52%に下げて引伸しレベルを5%に高めることによって、著しく高い強度レベルで望ましい傾向が達成される。
例5
合金Cは合金A及びBに類似しているが、4.13%のCu含量を有している。同様に加工処理(511℃で1時間SHT、WQ、3%引伸し及び160℃で12時間時効)したとき、この合金はT8テンパーにおいて648.1MPa(94ksi)のYS及び675.7MPa(98ksi)のUTSと強度が若干弱いものの、Cu含量4.52%の合金Bよりも優れた20℃破壊靭性を有しているすなわち、24.5MPa√m(22.3ksi√in)に対して26.9MPa√m(24.5ksi√in)]。−196℃において、YSは792.9MPa(115ksi)に増大するが、破壊靭性は21.2MPa√m(19.3ksi√in)に低下した(図1参照)。このように、Cu含量を4.13%に低下させると、3%の引伸しレベルで20℃の靭性は増大するものの、648.1MPa(94ksi)のYSレベルでは望ましい極低温破壊靭性傾向は達成されない。
例6
合金Cをアンダー時効して613.6MPa(89ksi)の20℃YSとしたが、この点で望ましい傾向20℃で37.2MPa(33.9ksi√in)及び−196℃で37.7MPa√m(34.3ksi√in)の破壊靭性がみられるようになった。合金Cを20℃で592.9MPa(86ksi)のYSにアンダー時効すると、靭性が増大して望ましい傾向がはっきりと現れる。すなわち、20℃靭性が42.5MPa√m(38.7ksi√in)であるのに対して、−196℃靭性は44.4MPa√m(40.4ksi√in)である(図1参照)。これは、高強度レベル及び高靭性レベルにおける望ましい極低温破壊靭性傾向の卓越した一例である。
以上の例では、望ましい極低温破壊靭性傾向に関して低濃度Cuの与える効果を示した。しかし、望ましい傾向は、以下の例に示す通り、高濃度Cuでも引伸しを大きくすると達成できる。
例7
合金Dは、Li含量が若干低い点を除けば、合金Bと類似の組成を有する。この押出品の一部を3%引伸し、一部を6%引伸した。3%の引伸しレベルでは望ましい傾向は606.7MPa(88ksi)の20℃YSでほぼ達成されたといえる程度であったが、6%の引伸しでは641.2MPa(93ksi)の20℃YSレベルで容易に望ましい傾向に達する(表3参照)。さらに、679.1MPa(98.5ksi)YSにおいても望ましい傾向がほぼ達成される。望ましい傾向は、高い引伸しレベルのみならず、以降で例示する通り相対的に低いLi含量によって、さらに容易に達成される。
Cu含量を下げて望ましい傾向を達成できるようになるときの容易さは、Al−Cu−Li−Mg系でも観察される。これは次の例8及び例9にみられる。
例8
合金Eは、合金EがAgを含んでいない点を除いては、合金Aに類似している。合金Eの3%引伸しでの20℃ピーク強度は160℃で16時間時効することによって達成できる(656.3MPa(95.2ksi)のYS、677.7MPa(98.3ksi)のUTS及び6%伸び)。合金Eのこのピーク強度は、合金EにAgが存在しないために、合金Aのピーク強度よりも僅かに低い。−196℃において、強度は786MPa(114ksi)のYS及び848MPa(123ksi)のUTSに増大するが、伸びは4.0%に減少する。20℃における靭性は18.6MPa√m(16.9ksi√in)であり、−196℃では18.2MPa√m(16.6ksi√in)へと僅かに減少した。この靭性はアンダー時効によるほんの僅かな不利益をもって増大させることができる。例えば、160℃で6時間時効すると、20℃で649.5MPa(94.2ksi)のYS、679.8MPa(98.6ksi)のUTS、7.9%の伸び及び27.9MPa√m(25.4ksi√in)のKQを生じる。−196℃における特性は、765.3MPa(111ksi)のYS、848MPa(123ksi)のUTS、7.5%の伸び及び25.3MPa√m(23.0ksi√in)のKQである。いずれの場合も、望ましい傾向が達成されるには至らない。
例9
合金Fは合金Eと組成が類似しているが、Cu及びLi含量が格段に低い(表2参照)。こうして溶質量の低減によって20℃におけるピークYSが620.5MPa(90ksi)と合金Eに比べて低くなる。6%引伸し後の僅かにアンダー時効の条件下(143℃で30時間)では、20℃の特性は607.4MPa(88.1ksi)のYS、626MPa(90.8ksi)のUTS、10.5%の伸び及び43.3MPa√m(39.4ksi√in)の靭性であった。−196℃において、YSは722.6MPa(104.8ksi)に増大し、UTSは766.7MPa(111.2ksi)に増大し、伸びは11.2%に増大した。重要な点は、靭性が51.7MPa√m(47.1ksi√in)に増大したことであり、望ましい傾向の卓越した一例である。合金Fの時効を586MPa(85ksi)の20℃YSまで若干少なくすると、43.6MPa√m(39.7ksi√in)の20℃KIcが得られるが、−196℃靭性は56.0MPa√m(51.0ksi√in)に達する。このように、望ましい傾向が達成されるとともに、例1〜例7のAl−Cu−Li−Ag−Mg合金に関する教示内容はAl−Cu−Li−Mg合金にも当てはまる。
例10
合金Gは合金A(高Cu含量)と組成が類似しているが、1.0%という低いLi含量を有する(表2参照)。合金Aと同様に加工処理(押出のために370℃で予熱、504℃でのSHT、WQ、3%引伸し、160℃で16時間時効)したとき、合金Aと同様の引張特性が得られたが、靭性はもっと高かった。すなわち、25℃において、710.2MPa(103ksi)のYS、723.9MPa(105ksi)のUTS、3.8%の伸び及び20.5MPa√m(18.7ksi√in)のKIcが得られた。この靭性は、超高強度レベルの合金Aで得られる14.7MPa√m(13.4ksi√in)よりも高い(実施例2参照)。−196℃において、合金Aと同様の特性(848MPa(123ksi)のYS、882.5MPa(128ksi)のUTS、3.6%の伸び)が再度得られたが、25℃における靭性は21.1MPa√m(19.2ksi√in)で合金Gよりも僅かに高かった。このように、高Cu含量であってもLi含量を下げることによって、平ら又は望ましい極低温破壊靭性傾向を得ることができる。合金Gの160℃での時効を16時間の代わりに6時間にすることによって、アンダー時効の有益な効果も観察できる。25℃における強度はYSが604MPa(87.6ksi)でUTSが639.8MPa(92.8ksi)と依然として高かったが、伸びが8%に増大するとともに靭性が35.8MPa√m(30.0ksi√in)に増大する。−196℃においては、強度が高くなり[779.1MPa(113ksi)のYS、834.3MPa(121ksi)のUTS及び6.5%の伸び、靭性が35.8MPa√m(32.6ksi√in)に増大し、望ましい傾向であることは明らかである。このように、アンダー時効は強度と交換に靭性を手にいれるが、意外にも、望ましい極低温靭性傾向が一段と容易に達成される。重要なことは、望ましい傾向が比較的高いCu濃度で達成されることである。
例11
この例では、望ましい極低温靭性傾向に対するLi含量の効果について検証する。特に、Li含量を下げると望ましい傾向を達成する際の容易さが増す。これは図2にみることができる。この図では、数種類の合金の組成はLi含量以外は非常に類似している。これらの合金は呼称Al−4.0Cu−XLi−0.4Ag−0.4Mg−0.14Zrを含んでいる(表2における合金H〜M).各合金は370℃で予熱し、直径16.2cm(6.375インチ)のコンテナ内で0.25cm/s(0.1in/s)のラム速度で5.1×1.9cm(2×3/4インチ)の条材に押出加工した。各条材をそれぞれに特有の固相線温度よりも4〜7℃低い温度で固溶化し、25℃で水中急冷し、6%引伸した。各押出品について143℃での時効について研究した後、目標とする620.5MPa(90ksi)の室温YSに達するまで143℃で各押出品を時効した。得られた実際のYS値は低いもので610.2MPa(88.5ksi)、高いもので639.8MPa(92.8ksi)と似通っていた。図2に示す通り、25℃及び−196℃における靭性はいずれもLi含量の増加に伴って単調に低下する。1.2%を上回るLi含量では、いずれの場合も靭性傾向はほぼ平らである。しかし、約1.2未満のLi濃度では、−196℃での靭性は25℃の靭性を一貫して上回っており、換言すれば、望ましい傾向が明らかに達成されている。
例12
この例では、望ましい極低温靭性傾向に対するMg含量の効果について検証する。呼称組成Al−4Cu−0.8Li−0.4Ag−XMg−0.14Zr(表2における合金N〜Q)の鋳造物を同様の条件下で製造した。合金は370℃で予熱し、直径16.2cm(6.375インチ)のコンテナ内で0.25cm/s(0.1in/s)のラム速度で5.1×1.9cm(2×3/4インチ)の条材に押出加工した。これらの熱処理材を個々の固相線温度よりも3〜6℃低い温度で固溶化(すなわち511〜515℃で固溶化)し、25℃で水中急冷し、6%引伸した。これらを、様々なYSレベルまで143℃で時効した。図3に示す呼称620.5MPa(90ksi)のYSレベルにおける特性は20℃における破壊靭性がMg含量に伴って増大することを示している。−196℃における靭性も一般にMg含量に伴って増大する。次に、25℃及び−196℃における様々な強度レベルにおける破壊靭性について合金を試験した。25℃では、強度−靭性の組合わせはMg含量の増加に伴って改善される。−196℃では、強度−靭性の組合わせはMg含量を0.2重量%から0.4重量%に上げることによって改善される。0.6重量%のMg含量では、データの変動は大きくなるが、一段と高い靭性及び望ましい傾向を示す。望ましい傾向は0.2〜0.6%の各Mg濃度で達成されるが、Mg含量0.4%及び0.6%の合金は一段と高い強度すなわち、Mg含量0.2%の合金のYSが627.4MPa(91ksi)であるのに対して668.7〜676.3MPa(97〜98.1ksi)のYSに時効することができる。明らかな通り、−196℃における靭性値はこれらすべての合金で極めて高かった。さらに、アンダー時効は、これらMg含量の異なる合金で望ましい極低温破壊靭性傾向を達成する能力を促進する。
例13
この例では、望ましい極低温靭性傾向に対する冷間引伸しの効果について検証する。Al−4.9Cu−1.15Li−0.4Ag−0.4Mg−0.14Zrの組成をもつ合金Rを鋳造し、370℃(700°F)の予熱温度において直径16.2cm(6.375インチ)のコンテナ内で0.25cm/s(0.1in/s)の呼称ラム速度で5.1×1.9cm(2×0.75インチ)の長方形の条材に押出加工した。この押出品を504℃で3/4時間溶体化処理し、25℃で水中急冷し、条材の一部を取り除いた(0%引伸しの状態で)。条材の残りを1.5%に引伸し、その一部分を切り取り、再び引伸して材料を切り取り、この操作を繰返して、引伸しレベル0%、1.5%、4%、7%及び9.5%の個々の断片を得た。各引伸しレベルで人工時効レスポンスを測定して、個々の押出部分を20℃YSが606.7MPa(88ksi)となるまで熱処理した。疲労予亀裂CT(compact tension)試験片についての平面歪破壊靭性を各引伸しレベルにおいて20℃及び−196℃で測定した。20℃における靭性は引伸しの増大に伴って増大することが判明した(図4参照)。この強度レベルにおいては0%、1.5%及び4%の引伸しで望ましくない傾向が得られた(図4及び図5参照)。しかし、7%及び9.5%の高い引伸しレベルでは、望ましい極低温破壊靭性傾向が得られた。各試験片について破面解析及び透過型顕微鏡検査を行った。如何なる特定の理論にも束縛されるつもりはないが、引伸しは結晶粒内の強化析出物を微細化する一方で結晶粒界及び亜結晶粒界上の粗大析出物の析出を減少させると考えられる。このような粗大析出物は室温靭性を低下させることが知られている。しかし、引伸しレベルを高めると、室温靭性との比較において極低温靭性が増大するという驚くべき結果は知られていない。YS=606.7MPa(88ksi)の強度レベルの合金Rでは、極低温靭性傾向は4%付近の引伸しで望ましくない傾向から望ましい傾向に転じる(図5参照)。この転換点は、低YSレベルへのアンダー時効、Cu及び/又はLi含量の低減、或いは(効果の大きさは低減するものの)時効温度の低下によって、低い引伸しレベルに移動させることができる。
例14
Al−Cu−Li−Ag−Mg−Zr合金及びAl−Cu−Li−Mg−Zr合金について例1〜例13で示した望ましい極低温靭性傾向を得ることに関する教示内容は、Znを含む類似合金にも当てはまる。合金Sは、Cu及びLi含量が比較的低く6%引伸しされている点で高靭性Al−Cu−Li−Ag−Mg−Zr合金Jと類似しているが、1/4%のZnを含んでいる。亜鉛は、時効レスポンスの増大などの有益な効果を合金にもたらすことが判明した。合金を143℃で20時間人工時効すると、25℃において628.8MPa(91.2ksi)のYS、649.5MPa(94.2ksi)のUTS及び12.4%の伸びが得られる。Znを含まない合金の場合と全く同様に、強度は極低温で増大した−196℃において、YS=772.9MPa(112.1ksi)、UTS=819.8MPa(118.9ksi)及び伸び=5.2%。重要な点は、42.7MPa√m(38.9ksi√in)という高い25℃靭性が−196℃において47.9MPa√m(43.6ksi√in)に増大することであり、望ましい傾向の卓越した一例である。Cu及び/又はLi含有量を下げることによって靭生をさらに増大させることができた。
例15
合金Tは、Zn含量が0.4%とほぼ倍である点を除けば、合金Sと組成が類似している。この合金を143℃で28時間時効したが、この時効は上記例の合金Sよりも時効曲線上で若干先へと進行している。この合金はその他の点では同一の加工処理が施されている。25℃で若干高い648MPa(94.0ksi)のYS、660.5MPa(95.8ksi)のUTS及び9.9%の伸びが得られた。−196℃において、YSは786MPa(114ksi)に増大し、UTSは826MPa(119.8ksi)に増大し、伸びは9.4%である。重要な点は、25℃における39.4MPa√m(35.9ksi√in)という高い靭性が−196℃において39.7MPa√m(36.1ksi√in)と実質上変化しなかったことであり、望ましい傾向の閾値に既に到達していることを示している。このZn含有Al−Cu−Li−Ag−Mg合金は上記の例の合金Sよりも若干長時間時効されており、そのため、非常に望ましい傾向から平らな傾向に移行しているという事実は、Al−Cu−Li−Ag−Mg合金及びAl−Cu−Li−Mg合金において観察された挙動と同じである。とはいっても、各Zn含有合金について非常に高い強度レベルで望ましい又は平らな傾向が得られている。
例16
この例では、望ましい極低温靭性傾向に対する時効温度の効果について検証する。Al−4.19Cu−1.21Li−0.37Ag−0.38Mg−0.14Zr−0.04Tiの組成をもつ合金Kを、例11に記載の通り、鋳造し、押出加工し、溶体化処理し、急冷し、6%引伸した。次に、約620.5MPa(約90ksi)の室温YSが得られるように、試料を127℃から160℃までの様々な温度で人工時効した。1つの試料は127℃で100時間時効して、室温で609.5MPa(88.4ksi)のYS、652.9MPa(94.7ksi)のUTS、8.8%の伸び及び40.2MPa√m(36.6ksi√in)のKQを得た。127℃で時効したこの試料は、−196℃において、712.9MPa(103.4ksi)のYS、781.9MPa(113.4ksi)のUTS、10.9%の伸び及び40MPa√m(36.4ksi√in)のKQを示した。別の試料は143℃で22時間時効した。25℃で625.4MPa(90.7ksi)のYS、654.3MPa(94.9ksi)のUTS、10.1%の伸び及び35.1MPa√m(31.9ksi√in)のKQを得た。この試料は、−196℃において、748.8MPa(108.7ksi)のYS、799.8MPa(116.0ksi)のUTS、9.4%の伸び及び34.1MPa√m(31.0ksi√in)のKQを示した。3番目の試料は160℃で4.5時間時効して、25℃で620.5MPa(91.0ksi)のYS、650.9MPa(94.4ksi)のUTS、7.7%の伸び及び31.2MPa√m(28.4ksi√in)のKQを得た。この試料は、−196℃において、748.8MPa(108.6ksi)のYS、796.3MPa(115.5ksi)のUTS、8.7%の伸び及び31.6MPa√m(28.8ksi√in)のKQを示した。図6に示す通り、上記の時効温度の各々に関して、極低温破壊靭性傾向はこの強度レベルでは各時効温度で基本的に平らである。しかし、室温及び極低温における破壊靭性値は共に合金の時効温度の低下に伴って格段に増大する。
例17
Al−4.0Cu−1.0Li−0.4Ag−0.4Mg−0.14Zrの組成(合金Jと実質上同一)をもつ合金Uを鋳造し、9.5mm(0.375インチ)の厚板に圧延し、510℃(950°F)で溶体化処理し、20℃で水中急冷し、3%又は6%引伸した。各引伸しレベルの厚板を、20℃のYSが586.1MPa(85ksi)となるように、143℃で時効した。スペースシャトルの外部タンクの予測フライトゲージ(flight gauge)を模擬するため、上記厚板を2.0mmに機械加工した。この厚さの合金の破壊靭性を評価するため、表面亀裂引張試験(ASTM E740)を採用した。この試験では、中央切欠を放電加工して、疲労荷重によって所定の半楕円形の大きさまで疲労予亀裂を発生させた。このキズは亀裂深さと板厚との比が0.66となるように、すなわち、キズが厚さの約3分の2に達するように調節した。この試験片を張力下で破断するまで試験して、その破壊応力をもって、このほぼ平面応力試験片における靭性の尺度とした。前記のL−T配向のデータを補完すべく、試験はT−L配向で実施した。比較のため従来の合金2219−T87の試験片についても試験した。図7に示す通り、いずれの引伸しレベルでも、現在のスペースシャトル外部タンクに用いられている合金2219−T87よりも格段に優れた靭性を示した。例えば、6%引伸したものは試験温度4Kにおいて2219よりも69%優位にあり、この結果はそのゲージのタンク膜における構造重量の節約に直接つながるといえる。どちらの引伸しレベルも2.0mmゲージについて望ましい傾向を示したこと、並びに前出の例で押出品について示したとおり靭性が延性レベルに伴って増大することが注目される。
例18
Al−3.62Cu−0.99Li−0.35Ag−0.36Mg−0.15Zr−0.04Tiからなる合金Vは本発明のもっとも好適な組成範囲に属する。6%の引伸し及び143℃で26時間の時効で、この合金は620.5MPa(90.0ksi)のYS、630.9MPa(91.5ksi)のUTS、8.7%の伸び及び42.5MPa√m(38.7ksi√in)のKIcの室温特性を示した。−196℃において、この合金は791.5MPa(114.8ksi)のYS、827.4MPa(120.0ksi)のUTS、9.6%の伸び及び44.7MPa√m(40.7ksi√in)のKIcの特性を示し(表3参照)、換言すれば、望ましい極低温破壊靭性傾向が得られた。
例19
Al−3.61Cu−0.91Li−0.33Mg−0.39Zn−0.15Zr−0.04Tiからなる合金Wを6%引伸し、143℃で表3に示す通り時間を変えて人工時効した。この合金は約620.5MPa(約90ksi)のピーク強度を示したが、このピーク強度は143℃で26時間時効したときに得られた。この時効温度では、それ以上長時間時効しても強度はあまり変化しない。例えば、時効時間を約70%延長して44時間としても、25℃のYSが約613.6MPa(約89ksi)に低下することから(表3参照)、合金は極く僅かしか過時効(overaging)されない。しかし、このような長時間の時効は、極低温破壊靭性傾向に対して悪影響をもつ。表3から分かる通り、望ましい極低温破壊靭性傾向は相対的に短い時効時間で得られ、長期の時効時間では得られない。
例20
合金X及びYはAgを含まず、Znを含んでいる(表2参照)。表3に示す通り、これらの合金の室温強度は、特にこれらの合金における合金元素含量が低いことを考慮すれば、非常に高い。さらに、室温平面歪破壊靭性は54.9MPa√m(50ksi√in)をかなり上回る。これらの合金の靭性は余りに高すぎて、2×19mm(3/4インチ)の押出棒試料では確実なL−T KIc靭性値を得られない。合金X及びYはいずれも望ましい極低温破壊靭性傾向を得ることができる。
例21
合金Zは2.16%のCuを含む(表2参照)。この低銅合金は表3に示す通り非常に低い強度を示した。この合金でも望ましい傾向が得られるが、強度は前出の例の合金ほど望ましいとはいえない。
例22
合金AAは本発明の最も好適な組成範囲に属する(表2参照)。表3に示す通り、特にこの合金における合金元素含量が低いことを考慮すれば、高強度が室温で得られた。室温平面歪破壊靭性は54.9MPa√m(50ksi√in)を上回る。ただし、靭性が余りに高すぎて、2×19mm(3/4インチ)の押出棒試料では確実なL−T KIc靭性値を得られない。合金AAは望ましい極低温破壊靭性傾向を容易に得ることができる。
例23
合金BB及びCCはそれぞれ0.29%のLi及び0.56%のLiを含む。その点を除けば、これらの合金は組成が非常に類似している(表2参照)。表3に示す通り、Li含量の相対的に低い合金BBは合金CCに比してかなり低い室温強度をもつ。どちらの合金でも望ましい極低温破壊靭性傾向が得られるが、Li含量の低い合金BBは合金CC及び前出の例の合金よりも合金が格段に低い強度をもつようにする。
前出の例から、本発明にしたがって合金の組成、引伸し及び人工時効を調節することによって、望ましい極低温破壊靭性傾向が得られることが分かる。これらのパラメーターの効果を表3に示す。
例24
合金DDは、Znを含まずCu含量が3.41%と低くLi含量が1.12%と高い点を除けば、合金Sと組成が類似している。この合金はこの研究における他の合金と同様に加工処理したが、押出品の一部分を3%引伸し、残りの部分を6%引伸した。3%引伸し材料は143℃で24時間時効して、25℃で610.2MPa(88.5ksi)のYS及び32.8MPa√m(29.8ksi√in)のKQを得た。(表3参照。)−196℃において、YSは747.4MPa(108.4ksi)に増大し、KQ45.7MPa√m(41.6ksi√in)に増大した。6%引伸し材料は143℃で16時間時効して、25℃で実質上同じ609.5MPa(88.4ksi)のYS及び31.5MPa√m(28.7ksi√in)のKQ値を得た。−196℃において、YSは739.1MPa(107.2ksi)に増大し、靭性は3%及び6%引伸し材料双方で46.3MPa√m(42.1ksi√in)に増大した。このように、いずれの場合も望ましい極低温破壊靭性傾向が達成された。この例は、適切に選択された組成で、異なる引伸しレベルにおいて同様の結果が達成できることを示している。さらに、本発明の合金では、熱処理を注意深く制御すると異なる引伸しレベルにおいて望ましい傾向が達成できる。この教示内容による組成の合金で、高強度レベル(例えば、658.4MPa(95.5ksi)の25℃YS、表3参照)で望ましい傾向が達成できることも注目される。
例25
合金EEは合金DDと組成が類似していて、Al−4.47Cu−0.95Li−0.43Ag−0.43Mg−0.14Zr−0.02Tiという組成を有する。この合金は前出の例の合金と同様に加工処理したが、重要なことは、これは2×19mm(0.75インチ)の長方形の条材に押出加工した点である。この押出品のアスペクト比は2.67(すなわち、2÷0.75)とかなり低く、そのため長横断特性は短横断特性に極めて近いと予想される。
上記条材の断片を3%引伸し、160℃で6時間時効して、25℃において596.4MPa(86.5ksi)の長手方向YS及び44.7MPa√m(40.7ksi√in)のL−T KIcとした。これらの性質は−196℃においてYSが732.2MPa(106.2ksi)及びKIc54.2MPa√m(49.3ksi√in)にそれぞれ増大した。長横断配向では、25℃でのYSは486.1MPa(705ksi)でT−L(すなわち、長横断靭性)KIc33.8MPa√m(30.8ksi√in)であった。−196℃において、長横断KIc40MPa√m(36.4ksi√in)に増大した。このように、望ましい極低温破壊靭性傾向は長手方向及び横断方向のいずれでも達成される。
例26
組成FF(Al−4.99Cu−1.23Li−0.38Ag−0.46Mg−0.17Zr−0.04Ti)の合金を、組成GG(Al−5.20Cu−1.00Li−0.40Ag−0.16Zr)の溶加ワイヤを用いて、ガスタングステンアーク溶接法で溶接した。亀裂の伝播が融合部に平行かつ貫通するか或いは熱影響部(HAZ)に平行かつ貫通するように配向させたコンパクト試験片で平面歪破壊靭性を測定した。これらの試験片はT−L配向に配置した。さらに、長横断引張試験を融合部及びHAZ双方を含んだ試験片で実施した。試験は25℃及び−196℃で行った。
溶接強度は、25℃における225.5MPa(32.7ksi)のYS、354.4MPa(51.4ksi)のUTS(伸び6.9%)から、−196℃における289.6MPa(42.0ksi)のYS、438.5MPa(63.6ksi)のUTS(伸び6.1%)に増大した。また、融合部靭性は25℃における20.9MPa√m(19.0ksi√in)から−196℃における28.2MPa√m(22.9ksi√in)に増大した。さらに、HAZ靭性は25℃における20.7MPa√m(18.8ksi√in)から−196℃における25.9MPa√m(23.6ksi√in)に増大した。このように、望ましい極低温靭性傾向が溶接物で達成される。
Figure 0003742884
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Figure 0003742884
組成
本発明によれば、望ましい極低温破壊靭性傾向はCu及びLi濃度の調節によって達成することができる。高強度レベルで望ましい傾向を最も容易に得るには、約3.0〜約4.5%の銅濃度及び約0.7〜約1.1%のリチウム濃度が最も好ましい。ただし、望ましい傾向は約2.0〜約6.5%の銅濃度及び約0.2〜約2.7%のリチウム濃度で達成することができる。望ましい極低温破壊靭性傾向を生じさせると同時に高レベルの強度を生じさせるためには、2.8〜4.8%のCu濃度及び約0.4〜1.5%のLi濃度が一段と好ましい。これらの組成範囲内において、総合的な極低温破壊靭性及び強度特性が最大となり、かかる合金は極低温用途に極めて優れたものとなる。極低温用途に特に好ましい合金の一つは4.0%のCu及び1.0%のLiを含んでなるが、もう一つの非常に好ましい合金は4.5%のCu及び0.8%のLiを含んでなる。Cu及びLiの使用量は相互に依存する。例えば、銅濃度が広域範囲の上限に近いとき、例えば6.5%のとき、高強度レベルで望ましい極低温破壊靭性傾向を達成するためには、リチウム濃度は約1.0%に近くすべきである。銅濃度が広域範囲の下限に近いとき、例えば2.0%のとき、もっと多量のリチウムが存在していてもよいが、達成可能な最高強度は合金Z(表3参照)にみられる通り一般に低くなる。逆に、リチウム濃度が広域範囲の下限に近いとき、例えば0.2%のとき、銅濃度は比較的高くすることができて望ましい傾向が得られるが、合金BB(表3参照)にみられる通り、そのときの強度はリチウム濃度が約1%程度の高い水準にあるときよりも低いであろう。リチウム濃度がその広域範囲の上限に近いとき、例えば2.7%のとき、望ましい傾向を得るには2%程度の相対的に低いCu濃度が好ましい。
銅及びリチウム濃度は本発明の合金で得られる強度レベルに多大な影響を与える。約4%を超える銅濃度が最高の強度を生じ、約3%未満では強度が著しく低下する(表3の合金Z参照)。また、最高の強度は約1.05〜約1.35のレベルのLiで得られ、約1.2%のリチウムでピークとなる。約0.5%を下回るLi及び約1.5%を上回るLiでは強度が著しく低下する(表3における合金BBを合金CCと対比されたい)。このように、約4%程度の銅及び約1%程度のリチウムで望ましい極低温破壊靭性傾向が最も容易に達成されるとともに強度レベルに非常の高く、これらの量を大きく下回る銅及びリチウム濃度では望ましい傾向が依然として得られることがあるものの、強度は低くなる。約2.8〜約4.8%のCu及び約0.4〜約1.5%のLiを含んでなる本発明の合金は極低温破壊靭性及び強度特性の優れた組合わせを有していることが判明し、したがって、極低温で使用したときに驚くほど向上した性能を与える。こうした高い靭性は2090の合金にみられるような層間剥離を起こさずに得られる。2090は「層間剥離強靭化(delamination toughening)」として知られる効果のために誇張された靭性を有する。したがって、実際には、2090のような合金は実際のタンクゲージにおいては2219よりも低い破壊強度を示す。
銅及びリチウムの使用量は、望ましい傾向を達成するために用いる必要のある加工処理法にも影響を与える。例えば、約4.0%の銅及び1.0%のリチウムという最も好ましいレベルにおいて、高強度レベルで望ましい傾向を達成するために引伸し(ストレッチ)はほとんど或いは全く必要とされない。しかし、銅及びリチウム範囲の限界に近付くと、技術的に有用な強度レベルで望ましい極低温破壊靭性傾向を生じさせるために、至適量の引伸し及び注意深く制御された人工時効処理が必要となることがある。
合金中に存在するマグネシウムの使用量は極低温破壊靭性傾向に対してはほんの小さな影響しかもたない。しかし、合金の強度はMg含量に大きく依存し、ピーク強度は約0.3〜約0.6%のレベルのMgで得られる。さらに、Mg含量を約0.6乃至約1.0%に上げると、好ましいCu及びLi濃度における靭性の絶対値が増大する。
本発明の合金中の銀の存在の有無は極低温破壊靭性傾向には大して影響しない。しかし、Agは強度の改善を生じさせる。
合金に使用される亜鉛の量は極低温破壊靭性傾向に対してはさほどの影響をもつようにはみえないが、強度レベル及び時効キネティクス(合金が時効曲線上を進む速度)は微量のZnの添加によって増大し得る(表3の合金S、T、W、X及びY参照)。このように、Zn及び/又はAgの添加は望ましい靭性傾向を達成する能力には悪影響を及ぼさないが、それらの存在は強度のような他の性質を改善するのに有効であり得る。
引伸し
本発明において用いられる引伸しの量は、極低温破壊靭性並びに望ましい傾向を達成するための能力に対して多大な影響をもつ。一般に、引伸しの量が大きいと改善された極低温破壊靭性傾向が得られる。ある所定のAl−Cu−Li合金について、ある引伸しレベルを上回ると望ましい傾向が達成され、そのレベルを下回ると望ましい傾向が得られないという転換点がみられることがある。図5に示した合金では、620.5MPa(90ksi)の強度レベルにおいて4%〜5%引伸しの間で転換が起こる。ただし、この転換点は、組成及び加工処理変数の変化によって変動する。4.0のCu及び1.0のLiレベルに近い組成物では、引伸しの量は重要でなくなることもある。しかし、表1に示す広域Cu及びLi範囲の上限近くでは、望ましい極低温破壊靭性傾向を達成するためにはかなりの量の引伸しを与える必要がある。用いる引伸しの量は、以下でより詳しく説明する通り、用いる人工時効の程度にも依存する。
人工時効
本発明によれば、人工時効は極低温破壊靭性傾向に対して多大な影響をもつ。一般に、アンダー時効は、ピーク時効又は過時効に比べると、望ましい傾向を生じる傾向にある。ピーク強度未満の点までの時効により、望ましい傾向は一段と容易に得られる。例えば、本発明のある所定の合金では689.5MPa(100psi)のピーク降伏強さを達成し得るが、620.5MPa(90ksi)の降伏強さにアンダー時効したときのほうが望ましい極低温破壊靭性傾向が生じ易い。この現象は十分には理解されていないが、その説明として亜結晶粒間破壊からミクロ空洞破壊への移行が関与しているとも考えられる。アンダー時効の程度は合金組成及び加工処理履歴に依存する。例えば、好適な4%の銅濃度及び1%のリチウム濃度或いは4.5%の銅濃度及び0.8%のリチウム濃度においては、技術的に広範な引伸しレベルで、アンダー時効が必要とされないこともあり、望ましい傾向をピーク強度で得ることができる。しかし、銅及びリチウムの範囲の上限に近いところでは、望ましい傾向を生じさせるためにかなりのアンダー時効が必要とされることもある。典型的なアンダー時効処理は、合金のピーク降伏強さを約34.5MPa(約5psi)以上下回る降伏強さまで合金を人工時効することである。このようなアンダー時効は、望ましい極低温破壊靭性傾向を格段に促進することが判明した。生産環境においてより大きな安全限界をもって望ましい傾向を得るためには、ピーク降伏強さを約68.95〜137.9MPa(約10〜20ksi)下回る降伏強さに時効するのが好ましいであろう。かなりのアンダー時効でも技術的に有効な強度を依然として達成することができるので、本発明の合金がこうした高いピーク強度を得ることができることは重要な意義をもつ。
再結晶
厚板、薄板、鍛造品その他の形態の鍛造Al−Cu−Li合金に関して、極低温破壊靭性傾向は再結晶の量によって大きく影響される可能性がある。一般に、再結晶していない厚板は望ましい極低温破壊靭性傾向を促進するのに対して、再結晶した厚板は、溶体化処理、引伸し及び時効後に望ましい傾向を得ることのできる容易さが低下する傾向にある。さらに、再結晶していないミクロ組織は所定温度で破壊靭性を高めるために望ましい。したがって、例えば、再結晶が誘起されるような低温よりも再結晶の起きにくい高温で合金を圧延するのが望ましい。再結晶の量の高い製品では、望ましい極低温靭性傾向を得るために、一般にアンダー時効の程度を大きくすること及び/又は引伸しの量を大きくすることが必要である。さらに、Cu及び/又はLiの量を低減すると、後段での溶体化処理、急冷、引伸し及び人工時効後に望ましい傾向を依然として達成しつつ、再結晶の量の増大に対して許容できるようになる。
極低温容器の製作
本発明の合金は、極低温物質を収容するための容器の製作に必要とされる製品形態に圧延、押出及び鍛造することができる。このような極低温タンクは、液体水素や液体酸素や液体窒素のような極低温液化ガスの収容に使用する場合、一般に、中空の円筒であるバレル、半球に近い形状のドーム及びバレルを前後のドームと連結するためのリングからなる。バレルは、本発明にしたがって厚板として加工処理した後、長手方向にT形又はL形のスチフナー(補剛材)をもつように機械加工した厚板から製作することができる。別法として、バレルは、押出加工時に導入されたT形又はL形の長手方向スチフナーを有する一体補剛(integrally-stiffened)押出物から製作することもできる。さらに、簡単なスチフナーは厚板に圧延されたもの、例えばリニアスチフナー(linear stiffener)であってもよい。リングは、曲面工具上で曲げ加工して円環状に溶接した押出物、或いはロールリング鍛造(ビレットをドーナツ形に穿孔して、直径を大きくしながら壁厚を減少させる加工をする作業)した押出物から作ることができる。ドームは、厚板又は薄板のゴアパネルを工具上で引張り成形してそれらを溶接し合わせたものから作ることができる。別法として、ドームは、低温、中温又は高温の加工温度で厚板からスピン成形することができる。
これら極低温タンクの構成部材の各々において、望ましい極低温靭性傾向を生じさせるために必要とされる量の引伸しは、溶体化処理及び急冷の後の鍛造作業中に導入することができる。例えば、厚板及び押出物は単に引張り直線加工(stretch straightening)することができる。別法では、ゴアパネルをマンドレル上で引張り成形するとき、バレルパネルを工具上でバンプ成形するとき、リング押出物を工具上で曲げて引伸ばして曲面を作り出すとき、或いはドームをスピン成形するときに、冷間加工を導入することができる。人工時効の条件は、前述の通り、望ましい傾向が達成されるように選択される。
タンク構成部材は、ガスタングステンアーク溶接法、デュアルトーチガスタングステンアーク溶接法、溶融不活性ガス溶接法(melt inert gas welding)、可変極性プラズマアーク溶接法(variable polarity plasma arc welding)、可変極性ガスタングステンアーク溶接法(variable polarity gas tungsten arc welding)、電子ビーム溶接法その他の溶接法を含めた、実質上如何なる従来の溶接技術によっても、溶接し合わせることができる。2319のような従来の合金溶加材も、本発明の母合金溶加材と同様に、満足し得る。さらに、溶接強度を高めるためには、ZrやTiのような結晶微細化剤の含有量が高くてCu含量の僅かに大きい母合金が好ましいことが多い。
極低温タンク又は容器の製作において、複数のバレル用パネルを溶接し合わせて直円柱を形成し、それをリングに溶接する。2つのドームはそれぞれリングに溶接されて、極低温タンクが形成される。付記すると、極低温タンクは典型的には鍛造によって非対称の形状に製作される(すなわち、引伸しのできない)二次ハードウエアを有している。このような部材は、引伸しが全然なくても高強度レベルを依然として維持しながら望ましい傾向が得られるように、一段と好ましい量のCu及びLi(例えば、2.8〜4.8%のCu及び0.7〜1.1%のLi)を含むようにすべきである。ある種の鍛造品については、ショットピーニング(shot peening)によって冷間加工を実際上導入することができる。
極低温タンクの構成部材は、選択した技術に依存して、様々なパラメーターによって溶接することができる。好ましい経路は、従来のガスタングステンアーク溶接法を用いて従来の2319溶加材で構成部材を溶接することである。溶接すべき表面は、好ましくは、約0.5mmの表面が削り取られるように、機械削除又は100g/l NaOH水溶液中で化学的に削除される。14l/minの75%Ar/25%He不活性ガスカバーを使用できる。直径1mmの2319溶加材では、電流170アンペア及び電圧12.5ボルトにおいて24cm/minの移動速度が高度無欠溶接物を生じる。タンクの重量を減少させる必要があるときは、従来の化学的削除法を用いて低運用荷重領域におけるバレルの厚さを減少させることができる。かかる削除用の典型的な溶液は、103g/lのNaOH、22g/lの硫化ナトリウム及び2.2g/lのグルコン酸ナトリウムを1lの溶液としたものである。
上述の通り製造した溶接物も温度の低下とともに増大した溶接靭性及び強度を示す。こうして作製したタンクは耐力試験を室温において経済的に行うことができる。靭性及び強度は共に極低温において室温耐力試験温度と実質的に等しいか又は増大するので、靱性不足又は強度超過荷重によって引き起こされる破壊のリスクは最小限となって安全に使用することができる。
本発明の以上の説明には当業者による種々の変更、交換及び改変を加えることができ、かかる変更、交換及び改変は添付の請求の範囲に記載された発明の思想及び範囲に含まれるとみなされることを理解すべきである。

Claims (38)

  1. 室温における破壊靭性が少なくとも20.5MPa√m(18.7ksi√in)であり、−196℃における破壊靭性が少なくとも21.1MPa√m(19.2ksi√in)である改良アルミニウム基体合金の、下記段階を含んでなる、製造方法
    a)2.0〜6.5重量%のCu、0.2〜2.7重量%のLi及び残余のアルミニウム及び付随不純物から基本的になる、溶体化処理及び急冷処理されたアルミニウム基体合金を準備する段階、及び
    b)室温での強度及び破壊靭性と実質的に等しい又はそれらを上回る極低温での強度及び破壊靭性を合金に与えるのに十分な量で、少なくとも3%の引伸しに相当するものを合金に導入することによる上記合金の塑性加工及び得ることができるピーク降伏強さよりも少なくとも34.5MPa(5ksi)下回る降伏強さまで上記合金アンダー時効することによる上記合金の人工時効の少なくともいずれかを行う段階。
  2. 請求項1記載の方法において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、Zr、Ti、Cr、Mn、Hf、Nb、B、V及びTiB2からなる群から選択される少なくとも1種類の結晶微細化剤を0.01〜1.0重量%含んでいることを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載の方法において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、4.0重量%以下の量のAg、4.0重量%以下の量のMg及び3.0重量%以下の量のZnを含んでいることを特徴とする方法。
  4. 請求項2記載の方法において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、4.0重量%以下の量のAg、4.0重量%以下の量のMg及び3.0重量%以下の量のZnを含んでいることを特徴とする方法。
  5. 請求項1記載の方法において、上記合金の塑性加工が実質的に室温で実施されることを特徴とする方法。
  6. 請求項1記載の方法において、上記合金の塑性加工が合金に3〜7%の引伸しに相当するものを導入することによって達成されることを特徴とする方法。
  7. 請求項1記載の方法において、上記人工時効を実施する時間及び温度が、上記合金の達成可能なピーク降伏強さを34.5MPa(5ksi)以上下回る降伏強さの上記合金のアンダー時効を与えることを特徴とする方法。
  8. 請求項1記載の方法において、上記人工時効が125〜150℃の温度で実施されることを特徴とする方法。
  9. 請求項1記載の方法において、上記Cuが合金の2.8〜4.8重量%を占め、上記Liが合金の0.4〜1.5重量%を占め、さらに合金の0.2〜1.0重量%の量のMgを含んでいることを特徴とする方法。
  10. 請求項2記載の方法において、上記Cuが合金の2.8〜4.8重量%を占め、上記Liが合金の0.4〜1.5重量%を占め、さらに上記アルミニウム基体合金が当該合金の0.2〜1.0重量%の量のMgを含んでいることを特徴とする方法。
  11. 請求項9記載の方法において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、0.8重量%以下の量のAg及び1.0重量%以下の量のZnの少なくとも一方を含んでいることを特徴とする方法。
  12. 請求項10記載の方法において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、0.8重量%以下の量のAg及び1.0重量%以下の量のZnの少なくとも一方を含んでいることを特徴とする方法。
  13. 請求項2記載の方法において、上記Cuが合金の3.0〜4.5重量%を占め、上記Liが合金の0.7〜1.1重量%を占め、上記Mgが合金の0.3〜0.6重量%を占め、上記結晶微細化剤が合金の0.08〜0.3重量%を占めていて、当該結晶微細化剤がZr、Ti及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする方法。
  14. 請求項13記載の方法において、上記Cuが合金の2.8〜4.8重量%を占め、上記Liが合金の0.4〜1.5重量%を占めていて、上記アルミニウム基体合金が0.2〜1.0重量%の量のMgをさらに含んでいることを特徴とする方法。
  15. 請求項13記載の方法において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、0.8重量%以下の量のAg及び1.0重量%以下の量のZnの少なくとも一方を含んでいることを特徴とする方法。
  16. 請求項13記載の方法において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、0.8重量%以下の量のAg及び1.0重量%以下の量のZnの少なくとも一方を含んでいることを特徴とする方法。
  17. 請求項1記載の方法において、上記合金の極低温での降伏強さがその室温での降伏強さよりも大きくて、586.1MPa(85ksi)(長手方向)より大であり、かつ上記合金の極低温の平面歪破壊靭性がその室温での平面歪破壊靭性よりも大きくて、27.5MPa√m(25ksi√in)より大であることを特徴とする方法。
  18. 2.8〜4.8重量%のCu、0.4〜1.5重量%のLi、0.2〜1.0重量%のMg及び残余のアルミニウム及び付随不純物から基本的になる鍛造アルミニウム基体合金にして、当該合金が、室温での強度及び破壊靭性と実質的に等しいか又はそれらを上回る極低温での強度及び破壊靭性を当該合金に与えるに十分な量で、少なくとも3%の引伸しに相当するものを合金に導入することによる上記合金の塑性加工、又は合金が得ることができるピーク降伏強さよりも少なくとも34.5MPa(5ksi)下回る降伏強さまで上記合金をアンダー時効することによる上記合金の人工時効、又は塑性加工及び人工時効に付されていることを特徴とする、室温における破壊靭性が少なくとも20.5MPa√in(18.7ksi√in)であり、−196℃における破壊靭性が少なくとも21.1MPa(19.2ksi√in)である鍛造アルミニウム基体合金。
  19. 請求項18記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該合金が、さらに、Zr、Ti、Cr、Mn、Hf、Nb、B、V及びTiB2からなる群から選択される少なくとも1種類の結晶微細化剤を0.01〜1.0重量%含んでいることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  20. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該アルミニウム基体合金が、さらに、0.8重量%以下の量のAg及び1.0重量%以下の量のMg及び3.0重量%以下の量のZnを含んでいることを特徴とする、室温における破壊靭性が少なくとも20.5MPa(18.7ksi√in)であり、−196℃における破壊靭性が少なくとも21.1MPa√m(19.2ksi√in)である鍛造アルミニウム基体合金。
  21. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、上記Cuが合金の3.0〜4.5重量%を占め、上記Liが合金の0.7〜1.1重量%を占め、上記Mgが合金の0.3〜0.6重量%を占め、上記結晶微細化剤が合金の0.08〜0.3重量%を占めていて、当該結晶微細化剤がZr、Ti及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  22. 請求項20記載の鍛造アルミニウム基体合金において、上記Cuが合金の3.0〜4.5重量%を占め、上記Liが合金の0.7〜1.1重量%を占め、上記Mgが合金の0.3〜0.6重量%を占め、上記結晶微細化剤が合金の0.08〜0.3重量%を占めていて、当該結晶微細化剤がZr、Ti及びそれらの組合わせからなる群から選択されることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  23. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、上記Cuが合金の3.04.5重量%を占めることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  24. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、上記Liが合金の0.71.1重量%を占めることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  25. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該合金が押出物の形であることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  26. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該合金が厚板の形であることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  27. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該合金が薄板の形であることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  28. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該合金の極低温での降伏強さがその室温での降伏強さと実質的に同一又はそれを上回っていて、586.1MPa(85ksi)より大であり、かつ当該合金の極低温での平面歪破壊靭性がその室温での平面歪破壊靭性より大きくて、27.5MPa√m(25ksi√in)より大であることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  29. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該合金の極低温での降伏強さがその室温での降伏強さよりも大きくて、586.1MPa(85ksi)より大であり、かつ当該合金の極低温での平面歪破壊靭性がその室温での平面歪破壊靭性よりも大きくて、27.5MPa√m(25ksi√in)より大であることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  30. 請求項19記載の鍛造アルミニウム基体合金において、当該合金が、当該合金の達成可能なピーク降伏強さを34.5MPa(5ksi)以上下回る降伏強さにアンダー時効されていることを特徴とする鍛造アルミニウム基体合金。
  31. 2.8〜4.8重量%のCu、0.4〜1.5重量%のLi、0.2〜1.0重量%のMg及び残余のアルミニウム及び付随不純物から基本的になる、室温における破壊靭性が少なくとも18.7ksi√inであり、−196℃における破壊靭性が少なくとも19.2ksi√inである合金でできた極低温物質収容容器にして、当該合金が、室温での強度及び破壊靭性と実質的に等しいか又はそれらを上回る極低温での強度及び破壊靭性を当該合金に与えるに十分な量で、少なくとも3%の引伸しに相当するものを合金に導入することによる上記合金の塑性加工、又は合金が得ることができるピーク降伏強さよりも少なくとも34.5(5ksi)下回る降伏強さまで上記合金をアンダー時効することによる上記合金の人工時効、又は塑性加工及び人工時効に付されていることを特徴とする極低温物質収容容器。
  32. 請求項31記載の極低温物質収容容器において、上記合金が、さらに、Zr、Ti、Cr、Mn、Hf、Nb、B、V及びTiB2からなる群から選択される少なくとも1種類の結晶微細化剤を0.01〜1.0重量%含んでいることを特徴とする極低温物質収容容器。
  33. 請求項32記載の極低温物質収容容器において、上記アルミニウム基体合金が、さらに、0.8重量%以下の量のAg及び1.0重量%以下の量のZnの少なくとも一方を含んでいることを特徴とする極低温物質収容容器。
  34. 請求項32記載の極低温物質収容容器において、上記合金の極低温での降伏強さがその室温での降伏強さよりも大きくて、586.1MPa(85ksi)(長手方向)より大であり、かつ上記合金の極低温での平面歪破壊靭性がその室温での平面歪破壊靭性よりも大きくて、27.5MPa√m(25ksi√in)より大であることを特徴とする極低温物質収容容器。
  35. 請求項32記載の極低温物質収容容器において、上記合金の極低温での降伏強さがその室温での降伏強さよりも大きくて、586.1MPa(85ksi)(長手方向)より大であり、かつ上記合金の極低温での平面歪破壊靭性がその室温での平面歪破壊靭性よりも大きくて、27.5MPa√m(25ksi√in)より大であることを特徴とする極低温物質収容容器。
  36. 請求項32記載の極低温物質収容容器において、上記合金が、当該合金の達成可能なピーク降伏強さを34.5MPa(5ksi)以上下回る降伏強さにアンダー時効されていることを特徴とする極低温物質収容容器。
  37. 請求項32記載の極低温物質収容容器において、当該容器が溶接によって作られていることを特徴とする極低温物質収容容器。
  38. 請求項32記載の極低温物質収容容器において、当該極低温物質収容容器が液体水素、液体酸素及び液体窒素からなる群から選択されることを特徴とする極低温物質収容容器。
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