JP3740860B2 - 分割境界線認識方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被写体の局部的なX線画像が1枚の記録媒体に複数記録された各々の画像領域を自動認識して各種画像処理を実行する放射線画像処理システムなどに適用して好適な分割境界線認識方法に関する。
【0002】
詳しくは、放射線画像を走査し、走査方向と略直角な画素列であって、分割境界線の候補となる画素列の組を抽出し、その画素列が諸条件を満たす場合には、その放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として認識して、被写体に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線を認識できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】
近年、放射線画像をデジタルデータとして取り扱う放射線画像処理システムが開発されている。例えば、X線検出器として輝尽性蛍光体を用いたシステムによれば、被写体に照射された放射線量を検出し、その検出量に対応して形成された放射線画像を電気信号に変換してデジタルデータを得ている。この種のシステムについては技術文献である特開昭55−12429号や、特開昭63−189853号公報等に多数開示されている。
【0004】
このような輝尽性蛍光体を用いたシステムでは、シート状の基板に輝尽性蛍光体が塗布され、あるいは蒸着等によって輝尽性蛍光体を固着した放射線画像変換パネル(X線検出器)が準備される。この変換パネルに被写体を透過した放射線が照射されると、その輝尽性蛍光体が放射線を一旦吸収する。その後、この輝尽性蛍光体を光又は熱エネルギーで励起すると、上記吸収によって輝尽性蛍光体に蓄積されている放射線エネルギーの蛍光が放射され、この蛍光を光電変換することにより放射線画像信号を得ることができる。
【0005】
上述の輝尽性蛍光体による放射線画像変換パネルの他に、半導体素子を用いたX線検出器が開発されている。この種のX線検出器によれば、被写体に照射された放射線の強度に応じた電荷が光導電層に生成され、その電荷が二次元的に配列されたコンデンサに蓄積される。これらのコンデンサから電荷を読み出すことにより放射線画像データが得られる。近頃では、このようなX線検出器を備えた画像データを画像処理する放射線画像処理システムも提案されている。
【0006】
これらのシステムでは、被写体の放射線画像を診断に適した階調で表現するために、医師が注目する部分(関心領域)について見やすくするように、自動的に階調変換処理が行われる。このような自動階調変換処理を行うためには、画像データから関心領域を抽出し、その統計的特徴(データの最大値、最小値、ヒストグラム等)から処理条件を決定し、画像全体に対して輝度信号などの信号値の調整処理を施すことが行われる。
【0007】
一方、胸部レントゲンなどに比べて手や足等のように比較的サイズが小さい被写体に関して放射線画像撮影を行う場合には、放射線画像変換パネルの被照射領域を2つに分割して使用されることがある。この種の変換パネルは上述した輝尽性蛍光体などからなる。このように被照射領域を分割して使用する場合に、図8に示す分割撮影板4を用いる場合がある。この分割撮影板4には、枠体4Aが設けられ、放射線画像変換パネルがその枠内に収まるようになされる。その枠体4Aの上部及び下部には軸受け部4B、4Cが設けられる。この軸受け部4B、4Cには軸部4Dが渡され、この軸部4Dには変換パネルの半分の被照射領域を覆う大きさの遮光板4Eが左右に回転可能な状態で取付けられている。
【0008】
例えば、図9Aに示す遮光板4Eを右側に回転させると、被照射領域Bが遮光されて被照射領域Aが露出するようになされる。反対に図9Bに示す遮光板4Bを左側に回転させると、被照射領域Aが遮光されて被照射領域Bが露出するようになされる。これにより、被照射領域を水平方向のA、Bの2つに分割して個々の被照射領域に1個の被写体の左右の手や足などを写し込む分割撮影を行うことができる。
【0009】
このような分割撮影によれば、被写体の左右の足の同じ部位や、同じ被写体について異なる向きから撮影した足などの放射線画像を1枚の記録媒体の中に写し込むことができる。従って、分割撮影では医師にとって両者が比較読影し易くなるし、経済的なメリットがある。
【0010】
しかしながら、この種の分割撮影では個々の被照射領域の境界部分において、二重にX線撮影され、被写体の撮影領域同士が重なって多重露光され、その境界部分の信号値が他の部分よりも高くなったり、逆に撮影領域が全然重ならず、X線がほとんど照射されずに他の部分より信号値が低くなったりして様々な分割境界線ができることがある。この分割境界線は上述のような分割撮影板を用いると、画像全体の中心近傍を通る直線となる。また、このような分割撮影板を用いなくとも、個々の撮影領域には同じような被写体を撮影するため、撮影領域同士のサイズがほぼ等しくなるので、分割境界線は画像中心の近傍にできる。
【0011】
上述の様々な分割境界線が存在すると、そのまま上述の階調変換処理を行った場合には、システムが分割境界線を被写体の一部や、照射野絞りの輪郭部分と誤認識して、誤った関心領域を抽出してしまう場合がある。ここで照射野絞りとは、人体への無用な被曝を避けるために用いる遮光板をいう。このように誤った関心領域を抽出した場合には、階調変換処理を行っても、診断に適した放射線画像を得ることができない。
【0012】
そこで、システムで正しく階調変化処理を行うために、分割境界線を認識する処理が、階調変換処理を行う前に必要になる。つまり、予め放射線画像の分割境界線を認識することにより、個々の画像領域を認識し、その画像領域内の画像データだけを用いた画像処理を行う。これにより、各画像領域毎に処理条件を決定して階調変換処理を行うことができるので、診断に適した放射線画像を得ることができる。
【0013】
この種の分割境界線を認識する処理としては、技術文献の特開平2−100183号公報や、特開平2ー267679号公報等に開示されている。前者は分割境界線を横切る方向で、複数の線分に沿って信号値のプロファイルを調べ、その信号変化に関して上方又は下方に変化した頂点を抽出し、その頂点が直線状に並ぶところを分割境界線と認識するものである。後者は分割境界線を横切る方向で、複数の線分に沿って信号値のプロファイルを調べ、その頂点の信号値に関して所定の閾値以上になる点が直線状に並ぶところを分割境界線と認識するものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、骨折等のけがをした場合に、骨折部分を支えるために棒状の金属製支持具を足などの患部に埋め込む治療がなされる場合がある。このような支持具を伴った患部をX線撮影すると、図10に示す放射線画像(図中上側)90が得られる。この放射線画像において、中央の白い線が分割境界線PLであり、その信号値は非常に低い。この分割境界線PLの左側が正常な方の足91の放射線画像であり、その右側が骨折した方の足92の放射線画像である。足92の放射線画像90中で92Aは骨部であり、92Bは肉部である。
【0015】
図10に示す支持具93による放射線画像は人体の組織と比較してX線を良く吸収するために、その放射線画像上の走査線aにおける信号値(図中下側)94に関して、他の部位に比べて非常に信号値が低くなる。従って、分割境界線PLと非常に類似した信号値の低い支持具93が混在した放射線画像に対して上述のような分割境界線認識方法を適用した場合には、誤ってこの支持具93を分割境界線PLと認識してしまうことがある。これにより、分割境界線PLを誤認識したために、その後の階調変換処理を正しく実行することができないという問題がある。
【0016】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、被写体に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定する分割境界線を精度良く認識できるようにした分割境界線認識方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明に係る分割境界線認識方法は、半導体X線検出素子から成る1枚の記録媒体が複数の被照射領域に分割され、該被照射領域毎に放射線撮影された被写体の放射線画像に関して、該放射線画像を画素単位に記録した記録媒体の各々の画像領域を画定するための分割境界線を認識する分割境界線認識方法において、記録媒体の半導体X線検出素子から得られる放射線画像を画像中心近傍から画像端方向へ順に走査し、その走査の方向と略直交する2本の近接した略平行な画素列の組について、その画素列の組の特徴量を抽出し、画素列の組の特徴量と予め設定された基準量とを比較し、その基準量を満たす分割境界線の候補となる画素列の組を抽出すると共に、それらの画素列の組のうち、半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として認識することを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第1の分割境界線認識方法によれば、半導体X線検出素子から得られた放射線画像が画像中心近傍から画像端方向へ順に走査され、2本の近接した画素列の組の特徴量と予め設定された基準量とが比較され、その基準量を満たす場合には、その画素列の組が分割境界線の候補として抽出される。そして、半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組が分割境界線として認識されるので、被写体に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線を認識することができる。
【0019】
本発明の第2の分割境界線認識方法は、半導体X線検出素子から成る1枚の記録媒体が複数の被照射領域に分割され、該被照射領域毎に放射線撮影された被写体の放射線画像に関して、該放射線画像を画素単位に記録した記録媒体の各々の画像領域を画定するための分割境界線を認識する分割境界線認識方法において、半導体X線検出素子から得られる放射線画像を画像中心近傍から画像端方向へ順に走査し、その走査の方向と略直交する画素列についてその画素列の特徴量を抽出し、画素列の組の特徴量と予め設定された基準量とを比較し、
その基準量を満たす分割境界線の候補となる画素列を抽出すると共に、それらの画素列のうち、半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列を分割境界線として認識することを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第2の分割境界線認識方法によれば、注目画素の信号値が近傍画素よりも高いか、もしくは、低いかを走査線上で検出したとき、最も、画像中心に近い画素列が分割境界線である確率が高いと考えられる。そこで、半導体X線検出素子から得られる放射線画像を画像中心近傍から画像端方向へ順に走査し、1本の画素列の特徴量と予め設定された基準量とが比較され、その基準量を満たす場合には、その画素列が分割境界線の候補として抽出される。従って、半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列が分割境界線として認識されるので、被写体に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線を認識することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態について説明をする。
【0022】
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の各実施形態としての分割境界線認識方法を適用した放射線画像処理システム100の構成例を示すブロック図である。
【0023】
本実施の形態では、放射線画像を走査し、走査方向と略直角な画素列であって、分割境界線の候補となる画素列の組を抽出し、その画素列が諸条件を満たす場合には、その放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として認識して、被写体に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線を認識できるようにしたものである。
【0024】
この発明に係る放射線画像処理システム100は図8で説明したような分割撮影板4を使用するものである。この例では放射線画像変換パネルの被照射領域を水平方向で2分割して被写体のX線などの放射線撮影を行う場合を想定して説明する。従って、2つの撮影領域を画定する分割境界線は放射線画像に対して垂直方向に現れる。
【0025】
この放射線画像処理システム100は図1に示す記録読み取り装置3を有している。記録読み取り装置3には放射線画像変換パネル40が設けられ、手や足などの被写体30を透過した放射線が検出される。この変換パネル40では放射線量に対する足部などの放射線透過率分布に従ったエネルギーが輝尽性蛍光体層に蓄積され、そこに足部の潜像などが形成される。この例の変換パネル40によれば、輝尽性蛍光体の気相堆積、あるいは、輝尽性蛍光体塗料の塗布によって支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられる。その輝尽性蛍光体層は環境による悪影響及び損傷を遮断するために保護部材によって遮蔽もしくは被覆されている。この輝尽性蛍光体材料としては例えば、特開昭61−72091号公報、あるいは、特開昭57−75200号公報に開示されているような材料を用いる。
【0026】
もちろん、放射線画像変換パネル40(以下単に変換パネルという)に対向した位置には放射線発生源1が設けられ、電源2による高電圧に基づいて被写体30の手や足の局部に向けてX線などの放射線が照射される。この例で放射線発生源1と被写体30との間に遮光板20を設け、人体への被曝量を少なくするためのいわゆる照射野絞りを用いた放射線撮影を行ってもよい。
【0027】
更に、記録読み取り装置3は放射線画像変換パネル40の他に光ビーム発生部5、走査器6、反射鏡7、集光体8、フィルタ9、フォトマル10、電流/電圧変換器(I/V)11、増幅器(Amp)12、アナログ・デジタル変換器(以下A/D変換器という)13、読み取りゲイン調整回路18及び記録電圧制御装置19を有している。
【0028】
光ビーム発生部5にはガスレーザ、固体レーザ、半導体レーザ等が使用され、そのレーザ源から所定の出射強度の光ビームが発生される。その光ビームは図示しない種々の光学系を経由して走査器6に到達し、そこで、偏向走査され、更に、反射鏡7で光路が変更されて、変換パネル40に輝尽励起走査光として導かれる。
【0029】
この変換パネル40上には近接して集光体8が設けられる。集光体8は光ファイバからなる集光端を有しており、その集光端は変換パネル40に近接して配置される。この例では光ビームで走査された変換パネル40からの潜像エネルギーに比例した光強度の輝尽発光が集光体8によって受光される。この集光体8の後段にはフィルタ9が取付けられ、集光体8から導かれた光のうち輝尽発光波長領域の光のみが通過する。フィルタ9を通過した光はフォトマル10に入射し、その入射光に対応した電流信号に光電変換される。この電流信号は放射線透過量に比例したものである。
【0030】
また、フォトマル10の出力段には電流/電圧変換器11が接続され、フォトマル10による出力電流が電圧信号に変換される。この電流/電圧変換器11の出力段には増幅器12が接続され、電圧信号が増幅される。増幅器12の出力段には、A/D変換器13が接続され、増幅後の電圧信号がデジタルデータに変換される。このデジタルデータは以後放射線画像データDinともいう。
【0031】
このA/D変換器13の出力段には画像処理装置14が接続され、放射線画像データDinを入力し、第1の実施形態では放射線画像を走査し2本の近接した画素列であって、分割境界線の候補となる画素列の組が抽出され、その組が諸条件を満たす場合には、その放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として認識するような画像処理が実行される。
【0032】
また、他の実施形態では放射線画像を走査し1本の画素列であって、分割境界線の候補となる画素列を抽出し、その画素列が諸条件を満たす場合には、その放射線画像の画像中心に最も近い画素列を分割境界線として認識するような画像処理が実行される。この画像処理装置14にはCPU(中央演算装置)15が接続され、分割境界線認識方法を実行するための制御やその他の制御がなされる。
【0033】
この際の分割境界線認識方法については図2及び図3で説明する。その他の制御としてはA/D変換器13から出力された放射線画像データDinに対して階調処理を含む種々の画像処理、例えば、空間周波数、拡大、縮小、移動、回転、統計処理などであり、これらの処理を画像処理装置14に行わせる。これにより、診断に適した形の画像信号Soutが画像処理装置14から出力される。
【0034】
この画像処理装置14の出力段にはインタフェース16が接続され、画像処理後の画像信号Soutがプリンタ17などに伝送される。プリンタ17では診断に適した形の例えば足部の放射線画像がハードコピーとして得られる。なお、インタフェース16を介して接続されるのは、プリンタ17に限られることはなく、CRTなどのモニタであってもよく、更に、半導体記憶装置(ファイリングシステム)などのメモリであってもよい。
【0035】
これらの電流/電圧変換器11、増幅器12、A/D変換器13及び読み取りゲイン調整回路18には記録電圧制御装置19が接続され、フォトマル用の高圧電源やA/D変換用の低圧電源などが供給される。読み取りゲイン調整回路18では放射線画像信号の読み取りゲインが総合的に調整される。この調整のために、記録電圧制御装置19では光ビーム発生部5の光ビーム強度調整、フォトマル用の高圧電源の電圧調整によるフォトマル10のゲイン調整、電流/電流変換器11と増幅器12のゲイン調整及びA/D変換器13のダイナミックレンジ調整が行われる。
【0036】
次に、図2及び図3を参照しながら、第1の実施形態としての分割境界線認識方法について説明をする。図2は各実施形態としての分割境界線認識方法の処理例を示すフローチャートである。図3Aは第1の実施形態としての分割境界線認識方法に係る放射線画像例であり、図3Bはその走査線a上の輝度信号の信号差分値例を示す図である。図3Bにおいて、縦軸は走査線a上の差分値であり、横軸は水平走査方向の位置である。
【0037】
この例では、図8で説明した分割撮影板4を用いたN画素×M画素(=縦×横)の放射線画像変換パネル40が水平方向に2つの被照射領域に分割される。そして、被照射領域毎に放射線撮影された被写体30の放射線画像の各々の撮影領域を画定するための分割境界線を認識する場合を前提とする。また、本例では、放射線画像を記録した変換パネル40の画素数を縮小して分割境界線を認識する場合を説明する。
【0038】
まず、図2に示すフローチャートのステップST1で記録読み取り装置3から画像処理装置14へ放射線画像データDinが入力される。この例では、放射線画像の原画像が2000画素×2000画素程度であるが、画像処理を短縮するために、128画素×128画素に程度まで間引き処理がなされる。この間引き処理に関してはマトリクス内の1点の画素の輝度信号の信号値を用いてもよいし、そのマトリクス内の画素の平均値を用いてもよい。
【0039】
その後、ステップST2〜ステップST4で画素列の組を抽出するために分割境界線検出処理が行われる。例えば、ステップST2で画像中心近傍から画像端に向かって放射線画像を水平方向に順に走査することによって、分割境界線候補点の検出処理が行われる。この例では、図3Aの放射線画像90Aの走査線a上で、まず、注目画素P1と、この画素P1から画像端側に隣接する近傍画素P2とが抽出される。
【0040】
そして、この2つの画素P1、P2を輝度信号で示したとき、その画素の組について、輝度信号の信号値の差が算出され、その差の絶対値Dが求められる。この例では、この絶対値Dが予め定められた図3Bに示す信号差分値で所定の閾値Thd1以上となるときは、画素P1、P2が分割境界線候補点として検出される。図3Bにおいて、縦軸は走査線a上の信号差分値であり、横軸は水平走査方向の位置である。
【0041】
次に、図3Aに示す放射線画像90Aの走査線aと異なる走査線b上で、同様に画像中心から画像端方向へ走査する。その走査線b上で、注目画素Q1と、この画素Q1から画像端側に隣接する近傍画素Q2とが抽出される。そして、この2つの画素Q1、Q2を輝度信号で示したとき、その画素の組となる輝度信号の信号値の差が算出され、その差の絶対値Dが求められる。この絶対値Dが予め定められた所定の閾値Thd1以上となるときは、画素Q1、Q2が分割境界線候補点として検出される。画素P1、Q1のどちらか一方でも分割境界線候補点が検出できない場合は画像水平方向には分割撮影されていないと判断され、放射線画像90Aを90°回転する処理などに移行される。
【0042】
その後、ステップST3で画素列に関して分割境界線の算出処理が行われる。この際の算出処理は放射線画像90Aの走査の方向と略直交する2本の近接した略平行した画素列であって、分割境界線の候補となる画素列の組を抽出するためである。具体的には上述の分割境界線候補点検出処理によって検出された分割境界線候補点P1、Q1を通る直線L1及び、分割境界線候補点P2、Q2を通る直線L2が求められる。
【0043】
その後、ステップST4で画素列の組の特徴量と予め設定された基準量とを比較して分割境界線の判定処理が行われる。この判定処理に先立ち、各々の画素列の組の特徴量を抽出するために、直線L1上の画素列の平均信号値A1及び直線L2上の画素列の平均信号値A2が求められる。その後、平均信号値A1及びA2の差分値が計算され、この差分値が閾値Thd1以上となるときは、直線L1、L2のいずれかを分割境界線PLとして検出する。逆に、差分値が閾値Thd1以下のときは水平方向には分割撮影されていないと判断する。このようにして求められた直線L1、L2は画像中心側から画像端側へ順に走査して、最初に検出されたものなので、この走査方向に対して条件を満たす画像中心に最も近い画素列の組となる。
【0044】
ここで、直線L1、L2のどちらを分割境界線PLとして選択するかについては、平均信号値A1、A2の値に基づいて行う。例えば、平均信号値A1、A2のどちらか一方が画像全体の平均信号値に比べて非常に高い場合には、分割境界線は個々の画像領域が重なって、多重露光されたと考えられるので、平均信号値A1又はA2の高い方を分割境界線PLとする。
【0045】
反対に、平均信号値A1、A2のどちらか一方が画像全体の平均信号値に比べて非常に低い場合には、分割境界線は個々の画像領域が全く重ならずに、ほとんどX線が照射されなかったと考えられるので、平均信号値A1又はA2の低い方を分割境界線とする。ここでは、画素列L1、L2の代表値を平均信号値としたが、画素列に含まれる画素信号値の総和を用いてもよい。その際には画像の大きさに依存して定まる、閾値Thd1と異なる他の閾値Thdxを用いる必要がある。
【0046】
これにより、この基準量を満たす画素列の組であって、放射線画像90Aの画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として例えばCPU15に認識させることができる。
【0047】
その後、ステップST5で分割境界線で区切られた画像領域内の画像データだけを用いた画像処理がなされる。この際の画像処理では各画像領域毎に処理条件が決定され、診断に適した放射線画像90Aを得るための階調変換処理がなされる。その後、ステップST6で画像信号Soutがインタフェース16を介してプリンタ17などに出力される。プリンタ17では診断に適した形の例えば足部の放射線画像90Aがハードコピーとして得られる。
【0048】
このようにして、第1の実施形態として分割境界線認識方法によれば、2本の画素列L1、L2などの組が予め設定された閾値Thd1(基準量)を満たす場合には、分割境界線の候補として抽出され、その候補となった画素列の組が放射線画像90Aの画像中心に最も近い画素列の組となる場合には、それが分割境界線PLとして認識されるので、図10に示した放射線画像90で被写体30に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線を認識することができる。
【0049】
従って、放射線画像処理システム100に対して、1枚の放射線画像変換パネル40に2つに分割記録された被写体30の放射線画像90Aの各々の画像領域を自動認識させ、被写体30の手や足などの局部的な放射線画像90Aの階調変換処理などを信頼性良く実行させることができる。
【0050】
(2)第2の実施形態
図4Aは第2の実施形態としての分割境界線認識方法に係る境界線未露光時の放射線画像例であり、図4Bはその放射線画像90Bの輝度信号の信号値例を示す図である。図5Aは多重露光時の放射線画像例であり、図5Bはその放射線画像90Cの輝度信号の信号値例を示す図である。図4B及び図5Bにおいて、縦軸は放射線画像90Cの走査線a上の信号値である。
【0051】
この放射線画像90Bは照射野絞りを使用した場合の指のX線撮影例であり、放射線画像90Cは照射野絞りを使用しない場合の足のX線撮影例である。この例でも放射線画像変換パネル40の各々の画像領域を画定するための分割境界線Lを認識する場合を前提とする。なお、図2のフローチャートを再び使用して説明する。
【0052】
まず、図2に示したフローチャートのステップST1で記録読み取り装置3から画像処理装置14へ放射線画像データDinが出力される。この例でも、2000画素×2000画素程度の放射線画像90Bが、128画素×128画素程度まで縮小処理される。その後、ステップST2からステップST4で分割境界線検出処理が行われる。例えば、ステップST2で画像中心近傍から画像端に向かって拡がるように放射線画像90Bを順に走査することによって、分割境界線候補点の検出処理が行われる。
【0053】
例えば、照射野絞りにより放射線画像が撮影された場合には、図4Aに示す白抜きで囲んだ部分が照射野絞りによりX線が遮光された領域となる。この場合に、放射線画像90Bの走査線a上で画像中心から画像端方向へ走査すると、その走査線上aで注目画素P1が抽出され、その画素P1の輝度信号の信号値が図4Bに示す予め定められた所定の閾値Thd2以下となるときは、その画素P1が分割境界線Lの候補点として検出される。
【0054】
次に、図4Aに示す放射線画像90Bの走査線aと異なる走査線b上で、同様に、画像中心から画像端方向へ走査する。その走査線b上で注目画素Q1の信号値が図4Bに示す閾値Thd2以下となるときは、その画素Q1が分割境界線Lの候補点として検出される。画素P1、Q1のどちらか一方でも分割境界線候補点が検出できない場合は、水平方向で分割撮影した放射線画像ではないと判断され、放射線画像90Bを90°回転する処理などに移行される。
【0055】
このときの閾値Thd2は、図4Aに示す放射線画像90Bで個々の画像領域が全然重ならず、X線が照射されず、低信号値となった分割境界線Lを検出するために使用するものであり、その値としては、画像全体の最大信号値Smaxと最小信号値Sminの差の5〜20%程度の値を最小信号値Sminに加えたものや、最小信号値Sminから順に累積した累積ヒストグラムで、10〜20%以下になる値等を用いるとよい。
【0056】
また、分割撮影された放射線画像が多重露光された場合には、図5Aに示す黒帯破線部分が多重露光された領域となる。この場合に、放射線画像90Cの走査線a上で画像中心から画像端方向へ走査すると、その走査線上aで注目画素P1が抽出され、その画素P1の輝度信号の信号値が図5Bに示す予め定められた所定の閾値Thd3以上となるときは、その画素P1を分割境界線Lの候補点として検出される。
【0057】
次に、図5Aに示す放射線画像90Cの走査線aと異なる走査線b上で、同様に、画像中心から画像端方向へ走査する。その走査線b上で注目画素Q1の信号値が図5Bに示す閾値Thd3以上となるときは、その画素Q1を分割境界線Lの候補点として検出される。画素P1、Q1のどちらか一方でも分割境界線候補点が検出できない場合は画像水平方向には分割撮影されていないと判断され、放射線画像90Cを90°回転する処理などに移行される。
【0058】
ここで、閾値Thd3は図5Aに示す放射線画像90Cで個々の画像領域が重なって多重露光され、高信号値となった分割境界線Lを検出するために使用するものであり、その値としては、画像全体の最大信号値Smaxと最小信号値Sminの差の5〜20%程度の値を最大信号値Smaxから引いたものや、最小信号値Sminから順に累積した累積ヒストグラムで、80〜90%以上になる値等を用いるとよい。
【0059】
その後、ステップST3で画素列に関して分割境界線Lの算出処理が行われる。そこで、例えば、放射線画像90Bの走査の方向と略直交する略平行な1本の画素列であって、分割境界線Lの候補となる複数の画素列を抽出するための算出処理がなされる。具体的には、上述した分割境界線候補点の検出処理によって検出された分割境界線候補点の画素P1、Q1を結ぶ画素列(以下、直線Lという)が求められる。この直線Lは、画像中心側から画像端側へ順に走査して最初に検出される画素列なので、その走査方向において、画像中心に最も近い画素列となる。
【0060】
その後、ステップST4で画素列の特徴量と予め設定された基準量とを比較して分割境界線Lの判定処理が行われる。この判定処理に先立ち、各々の画素列の組の特徴量を抽出するために、直線L上の画素の平均信号値Aが求められる。この平均信号値Aが閾値Thd2以下となるときには、直線Lは未露光であると考え、それを分割境界線Lとして検出する。逆に、その平均信号値Aが閾値Thd3以上のときには、直線Lは多重露光されていると考え、それを分割境界線Lとして検出する。平均信号値Aが閾値Thd2以下でも、閾値Thd3以上でもないときは、水平方向には分割撮影されていないと判断される。
【0061】
ここでは、画素列の代表値を平均信号値Aとしたが、画素列に含まれる画素信号値の総和を用いてもよい。その際には画像の大きさに依存して定まる、閾値Thd2、Thd3と異なる閾値Thdxを用いる必要がある。これにより、その基準量を満たす画素列であって、放射線画像90Bなどの画像中心に最も近い画素列を分割境界線Lとして認識することができる。
【0062】
その後、ステップST5で分割境界線Lで区切られた画像領域内の画像データだけを用いた画像処理がなされる。この際の画像処理では各画像領域毎に処理条件が決定され、診断に適した放射線画像90Bなどを得るための階調変換処理がなされる。その後、ステップST6で画像信号Soutがインタフェース16を介してプリンタ17などに出力される。プリンタ17では診断に適した形の例えば足部の放射線画像90Bなどがハードコピーとして得られる。
【0063】
このようにして、第2の実施形態としての分割境界線認識方法によれば、1本の画素列(直線)Lが予め設定された基準量を満たす場合には、分割境界線Lの候補として抽出され、その候補となった分割境界線Lが放射線画像90Bなどの画像中心に最も近い画素列の場合には、それが分割境界線Lとして認識されるので、図10に示した放射線画像90で被写体30に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線Lと誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線Lとして認識することができる。
【0064】
従って、放射線画像処理システム100に対して、第1の実施形態と同様に1枚の放射線画像変換パネル40に複数記録された被写体30の放射線画像90Bなどの各々の画像領域を自動認識させ、被写体30の手や足などの局部的な放射線画像90Bの階調処理などを信頼性良く実行させることができる。なお、より精度良く分割境界線Lを認識するために、第1及び第2の実施形態に係る分割境界線認識方法を順次行ってその判定結果を吟味するような処理を行ってもよい。
【0065】
(3)記録読み取り装置3の他の実施例
図6は他の実施例の記録読み取り装置3として用いるフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector、以下FPDという)400の構成例を示す回路図である。図7はその半導体X線検出素子41のセル構造例を示す断面図である。
【0066】
この例でFPD400は半導体X線検出素子41を集積化したものである。半導体X線検出素子41の内部構造については図7で説明する。図6に示すFPD400はX線撮像パネル42の他、垂直走査部31、水平走査部32および信号処理回路33などで構成される。
【0067】
X線撮像パネル42自体の基本的な構成は半導体X線検出素子41をマトリックス状(m×n)に集積化したものである。その基本単位である半導体X線検出素子41は、電荷生成部22の他に、生成電荷を蓄積するコンデンサ24および蓄積電荷を取り出すTFT構成のスイッチングトランジスタ(以下単にトランジスタという)26を有する。電荷生成部22は被写体30のX線画像に関して画素単位にX線光子を受けるために画素電極46が画定され、その画素電極46がガラス基板50にm行×n列だけ設けられる。その断面構成については図7で説明する。
【0068】
上述のトランジスタ26は垂直走査部31によってゲート制御(オン・オフ制御)され、各々のトランジスタ26が時系列的に選択されると、その選択されたトランジスタ26のドレイン電極54から読み出された電荷が水平走査部32を介して信号処理回路33に出力される。信号処理回路33では電気信号を増幅した後のオリジナル画像信号Sorgが図1に示した画像処理装置14などに出力される。この例では、人体の手や足などの組織内を透過したX線がFPD400に分割投影され、このFPD400内ではX線画像が直接電気信号(オリジナル画像信号)Sorgに変換されて出力される。このオリジナル画像信号Sorgは非常に鮮鋭性の高いものである。
【0069】
図7は、半導体X線検出素子41のセル構造例を示す断面図である。この半導体X線検出素子41は図7に示すガラス基板(誘電基板)50上に基板電極43、画素電極46および絶縁層{(SiO2)などの誘電体層}44がそれぞれ被着形成されてコンデンサ(容量:C)24が構成される。このコンデンサ24によって画素電極46で受けたX線光子による電荷が蓄積される。このために、コンデンサ24も画素電極46毎に設けられている。
【0070】
また、コンデンサ24に隣接してトランジスタ26が設けられる。コンデンサ24に蓄積された電荷はトランジスタ26によって読み出し制御される。トランジスタ26は図示するようにゲート電極52、ドレイン電極54およびソース電極56がそれぞれ被着形成されて構成されるものであり、ソース電極56はコンデンサ24の画素電極46に接続される。
【0071】
コンデンサ24およびスイッチング用トランジスタ26の上面には所定の厚みを有する電荷生成部22が設けられる。この電荷生成部22を構成する光導電層57としてX線吸収率が高く、光導電性を有する無機化合物が用いられる。この例では光導電層57として膜厚が500μm程度のアモルファスセレンなどが使用される。アモルファスセレンはコンデンサ24およびトランジスタ26の上面に蒸着される。
【0072】
この光導電層(アモルファスセレン層)57の上面にはさらに誘電層58と電界発生用の電極としての表面電極60がそれぞれ被着形成される。このときの誘電層58には厚さ0.5〜9μm程度のポリエチレンテレフタレート樹脂などが用いられる。ガラス基板50には厚みが0.5μm〜2cm程度の樹脂部材を用いてもよい。
【0073】
この半導体X線検出素子41では、光導電層57に入射したX線光子が直接電気信号に変換される。この電気信号はX線照射により光導電層57内に発生した電子・ホールペアによるものである。この電子・ホールペアに所定の電界をかけると、電荷分離が行われる。この際の電界は電源59から表面電極60と基板電極43とに印加された所定電位によって生ずる。この場合に、表面電極60には0V(接地線電位)で基板電極43には負の電圧(例えば−1200V)を印加する。表面電極60を0Vとしたのは、被写体30への感電防止のためである。この電界によって集められた電荷がコンデンサ24に蓄積され、この電荷をスイッチングトランジスタ26によってコンデンサ24から読み出すことにより放射線画像(X線画像)データDinが得られる。
【0074】
このように記録読み取り装置3にFPD400を用いた場合には、図1に示した光ビーム発生部5、走査器6、反射鏡7、集光体8、フィルタ9、フォトマル10、電流/電圧変換器11、増幅器12、読み取りゲイン調整回路18及び記録電圧制御装置19などが不要になるだけでなく、非常に鮮鋭性の高い放射線画像データDinに基づいて画像処理装置14で分割境界線認識処理を行うことができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の分割境界線認識方法によれば、記録媒体の半導体X線検出素子から得られる放射線画像を画像中心近傍から画像端方向へ順に走査し、2本の近接した画素列の組の特徴量と予め設定された基準量とを比較し、その基準量を満たす場合に、その画素列の組を分割境界線の候補として抽出し、半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として認識するものである。
【0076】
この構成によって、被写体に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線を認識することができる。しかも、非常に鮮鋭性の高い放射線画像データに基づいて分割境界線認識処理を行うことができる。これにより、放射線画像処理システムに対して、1枚の記録媒体に複数記録された被写体の放射線画像の各々の画像領域を自動認識させ、被写体の手や足などの局部的な放射線画像の階調処理などを信頼性良く実行させることができる。
【0077】
本発明の第2の分割境界線認識方法によれば、半導体X線検出素子から得られる放射線画像を画像中心近傍から画像端方向へ順に走査し、1本の画素列の特徴量と予め設定された基準量とを比較し、その基準量を満たす場合には、その画素列を分割境界線の候補として抽出し、半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列を分割境界線として認識するものである。
【0078】
この構成によって、被写体に埋め込まれた放射線の吸収率が高い支持具などを分割境界線と誤ることなく、各々の画像領域を画定するための真の分割境界線を認識することができる。しかも、非常に鮮鋭性の高い放射線画像データに基づいて分割境界線認識処理を行うことができる。これにより、第1の分割境界線認識方法と同様にして、被写体の手や足などの局部的な放射線画像の階調処理などを信頼性良く実行させることができる。
【0079】
この発明は被写体の局部的なX線画像が半導体X線検出素子から成る1枚の記録媒体に複数記録された各々の画像領域を自動認識して各種画像処理を実行する放射線画像処理システムなどに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施形態としての分割境界線認識方法を適用する放射線画像処理システム100の構成例を示すブロック図である。
【図2】各実施形態としての分割境界線認識方法による処理例を示すフローチャートである。
【図3】Aは、第1の実施形態としての分割境界線認識方法に係る放射線画像例、Bは、その輝度信号の差分値例を示す図である。
【図4】Aは、第2の実施形態としての分割境界線認識方法に係る境界線未露光時の放射線画像例、Bは、その輝度信号の信号値例を示す図である。
【図5】Aは、その境界線多重露光時の放射線画像例、Bは、その輝度信号の信号値例を示す図である。
【図6】他の実施例の記録読み取り装置3に使用するフラットパネルディテクタ(FPD)400の構成例を示す回路図である。
【図7】半導体X線検出素子41のセル構造例を示す断面図である。
【図8】従来方式の分割境界線認識方法に係る分割撮影板4の構成例を示す斜視図である。
【図9】A、Bはその分割撮影板4の使用例を示す平面図である。
【図10】従来方式の分割境界線認識方法に係る放射線画像90とその輝度信号の信号レベル94との関係例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・放射線発生源、3・・・記録読み取り装置、4・・・分割撮影板、14・・・画像処理装置、15・・・CPU、17・・・プリンタ、20・・・遮光板、40・・・放射線画像変換パネル、41・・・半導体X線検出素子、100・・・放射線画像処理システム、400・・・フラットパネルディテクタ(FPD)

Claims (6)

  1. 半導体X線検出素子から成る1枚の記録媒体が複数の被照射領域に分割され、該被照射領域毎に放射線撮影された被写体の放射線画像に関して、該放射線画像を画素単位に記録した記録媒体の各々の画像領域を画定するための分割境界線を認識する分割境界線認識方法において、
    前記記録媒体の半導体X線検出素子から得られる放射線画像を画像中心近傍から画像端方向へ順に走査し、
    前記走査の方向と略直交する2本の近接した略平行な画素列の組について、該画素列の組の特徴量を抽出し、
    前記画素列の組の特徴量と予め設定された基準量とを比較し、
    前記基準量を満たす分割境界線の候補となる画素列の組を抽出すると共に、それらの画素列の組のうち、
    前記半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として認識することを特徴とする分割境界線認識方法。
  2. 前記半導体X線検出素子から得られる放射線画像の画素列の各々の画素を輝度信号で示したとき、
    前記画素列について、各々の画素の輝度信号の信号値の平均値を求め、前記画素列の組の間で前記平均値の差の絶対値を求め、
    前記絶対値が予め設定された所定の閾値を越える画素列の組のうち、
    前記放射線画像の画像中心に最も近い画素列の組を分割境界線として認識することを特徴とする請求項1記載の分割境界線認識方法。
  3. 半導体X線検出素子から成る1枚の記録媒体が複数の被照射領域に分割され、該被照射領域毎に放射線撮影された被写体の放射線画像に関して、該放射線画像を画素単位に記録した記録媒体の各々の画像領域を画定するための分割境界線を認識する分割境界線認識方法において、
    前記記録媒体の半導体X線検出素子から得られる放射線画像を画像中心近傍から画像端方向へ順に走査し、
    前記走査の方向と略直交する画素列について該画素列の特徴量を抽出し、
    前記画素列の特徴量と予め設定された基準量とを比較し、
    前記基準量を満たす分割境界線の候補となる画素列を抽出すると共に、それらの画素列のうち、
    前記半導体X線検出素子から得られた放射線画像の画像中心に最も近い画素列を分割境界線として認識することを特徴とする分割境界線認識方法。
  4. 前記半導体X線検出素子から得られる放射線画像の画素列に含まれる各々の画素の信号値の平均値Aを求め、
    前記平均値Aが予め設定された第1の閾値以上であって、
    前記放射線画像の画像中心に最も近い画素列を分割境界線として認識することを特徴とする請求項3記載の分割境界線認識方法。
  5. 前記半導体X線検出素子から得られる放射線画像の画素列に含まれる各々の画素を信号値の平均値Aを求め、
    前記平均値Aが予め設定された第2の閾値以下であって、
    前記放射線画像の画像中心に最も近い画素列を分割境界線として認識することを特徴とする請求項3記載の分割境界線認識方法。
  6. 前記半導体X線検出素子から得られる放射線画像を記録した記録媒体の画素数を縮小し、
    前記縮小された放射線画像から分割境界線を認識することを特徴とする請求項1乃至5記載のいずれかの分割境界線認識方法。
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