JP3740192B2 - 緊急遮水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、緊急遮水装置に関するもので、例えば、水道用の貯水槽(配水池)に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上水道の貯水槽に設置される緊急遮水装置としては、例えば、実公昭63−29009号公報に開示されるものがある。この種の緊急遮水装置は、地震発生時に遮水弁を自動的に閉じるようにしたもので、その装置構成は、貯水槽の底部の送水口に弁蓋を設け、この弁蓋を開閉可能に貯水槽の上方からウインチで吊り上げる。そして、所定の震度以上の地震が発生したときに、ボールを受け台から落下させ、ウインチのロックを解除してワイヤーを緩め、弁蓋を閉じるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の緊急遮水装置によると、地震発生時に自動的に遮水弁を作動させることは可能であるが、遮水弁の状態を正確に把握するのは困難である。このため、地震の震度の大きさによっては、遮水弁が作動したか否かが不明になり、貯水槽の管理者の対応が遅れることが考えられる。
また、従来の緊急遮水装置は、一旦閉じた遮水弁を全開状態に復帰させる場合に、管理者が配水池へ行ってウインチを作動させる必要があり、給水の回復操作が煩雑になりやすい。一般に、配水池は、丘陵地等に設けられることから、管理者が地震発生後に現場へ向かうときに、道路状況の悪化等の理由により給水の回復までに時間がかかりやすくなる。
【0004】
本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、地震発生時に貯水槽の遮水を自動的に行うとともに、遮水弁が全閉または全開したときは迅速に管理者に知らせることが可能で、しかも、遠隔地からでも容易に遮水弁の開閉を制御することを可能にした緊急遮水装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の緊急遮水装置は、上記の目的を達成するため次の手段を採った。すなわち、貯水槽の底部に設けた送水管の送水口に遮水弁を設け、該遮水弁を開閉するための駆動装置を該貯水槽の上側に設けるとともに該駆動装置と該遮水弁を連結部材で連結し、地震計から所定の震度以上の検知信号を入力したときに該駆動装置を作動させる制御装置を備えた緊急遮水装置において、該遮水弁は、縦型の外筒に、送水窓を有する内筒を摺動可能に挿入し、該外筒の上端フランジに該送水窓へ導入する水の流れを規制する整流窓を備えた整流筒を固設したものとし、該遮水弁の全閉と全開を検知するリミッタと、電話回線により複数の電話機と通信できる通報装置を設け、該制御装置は、該検知信号を入力したときに該駆動装置へ該遮水弁を閉鎖する作動命令を送り、該リミッタから該遮水弁の全閉または全開信号を入力したときは該通報装置へ通報命令を出し、該通報装置が電話回線を通じて該遮水弁の開閉指令を受信したときは、該駆動装置へ該遮水弁を開閉する作動命令を送ることを特徴としている。遮水弁の外筒には請求項2に記載のように、上端が貯水槽内の水面上に突出する吸気管を設けるのが望ましい。また、制御装置は請求項3に記載のように地震計からの検知信号のほか、流量計または水位計からの検知信号によっても該駆動装置を作動させて遮水弁を閉鎖するとよい。
【0006】
【作用】
本発明の緊急遮水装置によると、地震計が所定の震度以上の地震を検知すると、制御装置へ検知信号を出力する。制御装置はこの検知信号に基づいて駆動装置の作動スイッチをオンにする。駆動装置は、連結部材を介して遮水弁を全閉位置まで駆動する。遮水弁が全閉になると、リミッタから全閉信号が制御装置へ出力され、この信号を処理して通報装置へ通報命令を送る。通報装置は電話回線を通じて複数の管理者の電話機へコールし、音声等により遮水弁が全閉になったことを知らせる。全閉状態の遮水弁を再び全開状態に復帰させる場合は、管理者のいずれかが電話機で電話回線を通じて制御装置に駆動信号を送ると、この駆動信号に基づいて制御装置が駆動装置の作動スイッチをオンにし、遮水弁が全開位置まで戻される。遮水弁の開弁動作が完了すると、通報装置が遮水弁の全開状態を、電話回線を通じて複数の管理者へ知らせる。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本発明の第1実施例を図1〜図7に示す。図1に示すように、緊急遮水装置1は、貯水槽2の底部に送水管3が設けられ、この送水管3の送水口に遮水弁としてのシリンダ弁4が設けられる。そして、貯水槽2の上部には、駆動装置5が設けられ、シリンダ弁4と駆動装置5とが連結部材としての連結軸6によって連結される。また、貯水槽2の周囲の所定位置には、緊急時の状況を検知するための検知装置として、地震計11、流量計12および水位計13が設けられており、これらの検知信号を処理する制御装置7に所定の配線により接続される。そして、制御装置7に隣接した位置には、電話回線により電話局を介して複数の電話機9に接続される通報装置8が設けられている。
【0008】
貯水槽2は、タンクの容量が例えば、200〜300トンの小型のものから、1000トンを超える大型のものまで使用可能である。図4に示すように、連結軸6を挿入するための天井穴2aには、シール部材2bが取り付けられ、連結軸6と天井穴2aとの間の隙間を気密に封鎖している。シール部材2bは、駆動装置5に生じる水滴や潤滑油等の貯水槽2への落下を防止するとともに、貯水槽2に生じる塩素ガスが駆動装置5に侵入するのを防止する役割を果たす。
【0009】
図2に示すように、シリンダ弁4の構成は、外筒21、内筒22および整流筒23からなる。外筒21の内周面に内筒22が摺動可能に挿入される。外筒21の上端フランジ部21aに整流筒23がボルトにより同軸方向に固定されている。内筒22の周面の先端部および後端部には、水漏れ防止のためのOリング24、25が設けられている。内筒22の外筒21との摺接面には、送水窓22aが設けられ、内筒22から外筒21内に貯水槽の水を導入可能になっている。図3に示すように、外筒21の軸方向に内筒22が摺動すると、外筒21の上方に送水窓22aが覗き、貯水槽2の水が外筒21に流入するようになっている。すなわち、内筒22の移動の高さ位置に応じて弁が開閉することになる。また、内筒22の中間部には、整流筒23の筒長さ範囲で内筒22の移動を規制するフランジ28が形成されている。外筒21の底面には、フランジ28を係止するパッキン29が設けられる。送水窓22aは、内筒22の外周面に軸方向に所定の長さで形成され、送水窓22aの数は、内筒22の外周面に60゜間隔で6個設けられている。送水窓22aの上部は、三角形に切断されるが、これは、弁の開き始めたときに流入量が急激に増大するのを防止し、水の流れをスムーズにするためである。
【0010】
また、整流筒23は、内筒22との間に内径方向に所定の間隔を保って設けられるもので、整流筒23の筒面に周方向に60゜間隔で整流窓23aを有している。貯水槽2の水は、整流窓23aを通過し、一定方向に流れて送水窓22aに導入される。すなわち、整流窓23aに導入される前に整流筒23内で水の流れが規制されることになる。外筒21のすぐ下部側面からは、吸気管26が上方に延びるように形成される。図1に示すように、吸気管26の先端は、貯水槽2の天井付近に達し、貯水槽2内の水面上に突出する高さになっている。これにより、シリンダ弁4が全閉から開方向へ作動するときに、吸気管26から外筒21にエアーが吸い込まれ、シリンダ弁4の内部が過度の負圧状態になるのを防止し、弁の開閉が良好になる。また、全閉時に生ずる送水管3以降の配管が負圧になることを防止する。さらには、外筒21、内筒22等にかかる負担が少なくなってシリンダ弁4および駆動装置5の耐久性が向上する。
【0011】
図4に示すように、駆動装置5は、油圧シリンダ31、電動ポンプ32、バルブユニット33、手動ポンプ34、リミッタ35およびストッパ装置36を備える。電動ポンプ32の圧力タンクから接続ホースおよびバルブユニット33を介して油圧シリンダ31へ作動油が循環するようになっている。作動油が油圧シリンダ31のポートAに流入すると、油圧シリンダ31の可動部31aが下降し、これにともなって連結軸6が下降する。また、作動油がポートBに流入すると、油圧シリンダ31が連結軸6を上昇させる。油圧シリンダ31の可動部31aに取り付けられるリミッタ35は、シリンダ弁4の開度に応じて連結軸6が所定距離だけ移動すると、油圧シリンダ31の作動を停止させるようになっている。ストッパ装置36は、油圧シリンダ31の可動部31aの自重による下降を防止している。なお、電動ポンプ32の圧力タンクについては、駆動装置5の構成をよりコンパクトに形成するため、縦型タンクが採用される。バルブユニット33の内部は、作動油の通路を電動ポンプ32側と手動ポンプ34側に切り換可能な弁構造になっている。作業者が現場でバルブを操作して手動ポンプ34側に設定すると、バルブユニット33の作動油通路が手動ポンプ34ホース側に切り替わる。例えば、電動ポンプ32の故障時などの際には、作業者が手動でシリンダ弁4を開閉することが可能である。
【0012】
図5に示すように、リミッタ35は、作動棒41の側方に所定間隔をあけて全開リミット42および全閉リミット44が設けられる。作動棒41には、全開リミット42および全閉リミット44に接触可能な開カム43および閉カム45が所定の高さ位置に固定されている。開カム43および閉カム45の間には、開度計46の針部46aが固定されており、図5に示すように、目盛り盤46bによって作業者がシリンダ弁4の開度を視覚的に確認可能になっている。
また、開カム43および閉カム45の鉛直方向には、補助リミット47、48が設けられ、全開リミット42および全閉リミット44を超えて作動棒41が移動するのを二次的に制限している。
【0013】
ストッパ装置36は、図4に示すように、係止爪51、電磁ソレノイド52、戻しスプリング53およびリミットスイッチ54からなる。電磁ソレノイド52の駆動軸に連動して係止爪51が水平方向に移動可能に取り付けられる。駆動軸の後端部52aは、リミットスイッチ54に接触可能になっている。
連結軸6の上端部には、ガイドバー55が縦向きに固定され、このガイドバー55の下端面に係止爪51が係止される。ガイドバー55の下端面の位置は、遮水弁4が全開位置にあるときに係止爪51の高さに一致するように設定されている。
駆動装置5の作動開始時、まず、油圧シリンダ31の可動部31aが僅かに上昇し、数秒間そのままの状態で保持される。次いで、電磁ソレノイド52に電圧が付加され、係止爪51が後方に引き込まれる。そして、駆動軸の後端部52aがリミットスイッチ54に接触すると、リミットスイッチ54から制御装置7に係止爪51の係止解除の信号が伝達される。可動部31aは、この信号に基づいて制御装置7が駆動命令を送ると、全閉位置まで下降する。
可動部31aの作動中は、電磁ソレノイド52の通電が停止され、係止爪51の先端部は、ガイドバー55の側面を摺動する。
また、シリンダ弁4の全開位置への復帰時には、ガイドバー55の下端面が上昇し、係止爪51を超える位置までくると、戻しスプリング53により係止爪51が元の位置に戻される。
【0014】
連結軸6は、金属等の帯板からなるもので、シリンダ弁4と駆動装置5との間にほぼ鉛直方向に配置されている。連結軸6の下端が内筒22の上端舌部27に固定され、連結軸6の上端が貯水槽2の天井穴2aを通して油圧シリンダ31の可動部31aに固定されている。油圧シリンダ31が作動すると、可動部31aの動きに連動して連結軸6がシリンダ弁4の開閉動作を行う。
【0015】
次に、地震計11は、図6に示すように、制御装置7および通報装置8とともに制御盤の内部に設置されるか、または、強固な壁や床などに設置される。地震計11に一定以上の揺れが加わると、感知体に設定水平加速度以上の力が作用し、感知体が瞬時に落下してレバーを押し下げ、マイクロスイッチをOFFにする。地震計11の検知精度としては、例えば、250ガル以下の(震度0〜5)の範囲で設定することが可能である。
【0016】
流量計12は、貯水槽2の外部に設けられ、送水管3のすぐ下流側の流量が測定可能になっている。貯水槽2からの流出量が一定の流量以上になると、流量計12から制御装置7に検知信号が出力される。例えば、地下配管の破裂等のため貯水槽2の水が地下に大量に漏れ出している場合などの緊急時に流量計12が制御装置7に検知信号を送ることになる。
【0017】
また、水位計13は、貯水槽2内に水位センサを設けてなるもので、許容水位の上限と下限とを検知可能になっている。例えば、貯水槽2の水位が異常に低下している場合などの緊急時に制御装置7に検知信号を出力する。水位センサには、例えば、電極棒、フロート式のスイッチ等を用いることができる。
【0018】
次に、制御装置7は、地震計11、流量計12、水位計13の検知信号を入力し、駆動装置5に作動命令を送るように構成される。地震計11、流量計12および水位計13からの検知信号を受けて緊急時の状況を判断すると、所定のタイミングで駆動装置5の駆動スイッチをオンにする。また、マイクロコンピュータを内蔵させてこれらの制御操作をプログラムすることもできる。
また、制御装置7は、遮水弁4の開閉動作の完了後に、全開または全閉信号を入力するようになっており、これらの信号を処理して通報装置8に通報命令を送る。全開または全閉信号については、全開リミット42または全閉リミット44の作動時にリミッタ35から制御装置7に出力される。
【0019】
通報装置8は、一般の電話回線(プッシュホン回線)により電話局を介して管理者の電話機9に接続される。電話機9は、管理者の人数、管理室の数等に応じて複数個設定されている。制御装置7からの通報命令がなされると、所定の順位にしたがって各電話機9にダイヤルし、シリンダ弁4の弁状態を通報メッセージで管理者に伝達するようになっている。通報メッセージには、全開状態を知らせるものと、全閉状態を知らせるものの2種が設定されており、制御装置7からの通報命令に応じていずれか一方のメッセージが送られる。管理者が受話器を取ると、メッセージが音声等で流れる。
【0020】
また、通報装置8は、管理者側から電話回線を通じて駆動信号を受信することも可能になっており、具体的には、管理者からのシリンダ弁4を全開または全閉にする命令を、予め設定された暗証番号から判別して制御装置7に送る。制御装置7が駆動命令を受けると、この命令にしたがって駆動装置5の作動スイッチをオンにする。なお、シリンダ弁4の開閉動作の完了後は、折り返し、弁の状態のメッセージが管理者の電話機9に通報される。
さらに、通報装置8は、所定の暗証番号により管理者がシリンダ弁4の弁状態を確認する命令を受けることもでき、この場合、油圧シリンダ31の可動部31の移動位置からシリンダ弁4の開閉位置を判断し、弁状態のメッセージが管理者の電話機9に通報される。
【0021】
ここで、通報装置8の電話回線については、一般のプッシュホン回線を使用している。なお、電話回線以外の手段として、特別の専用回線で通報装置と受信機とを接続する場合は、管理者の受信機の場所が限定されやすく、管理者の操作が比較的面倒なものになりやすい。また、専用回線を設置するのに設備費が膨大にかかり、複数の貯水槽に遮水装置を取り付けることが困難になる。
これに対し、前記通報装置8のように一般の電話回線を利用すると、管理者が一般の電話機9で通報を受け、また、電話機9でシリンダ弁4の開閉を遠隔操作することが可能になる。特に、最近では、携帯電話やパーソナルハンディホン(PHS)等が使用可能になっているため、管理者がこれらの電話機を使用することで、貯水槽の管理がさらに容易になる。
【0022】
駆動装置5、制御装置7および通報装置8の電源については、家庭用の交流電源が使用される。また、緊急時の停電に備えて交流電源から補助バッテリに充電するようになっており、停電の際には、制御装置7からの命令により交流電源からインバータを介して補助バッテリに切り替わる。したがって、地震等で貯水槽2の設置される地域が停電になっても、電話回線が使用可能であれば、シリンダ弁5の開閉を遠隔操作したり、また、弁状態を確認することも可能になる。
また、補助バッテリとして太陽電池を設置してもよい。太陽電池によれば、日中に太陽光で繰り返し充電することができるため、長時間の停電を生じても、シリンダ弁4の開閉操作を繰り返し実施することができる。
【0023】
次に、前記緊急遮水装置1の作動について説明する。
例えば地震計11が所定震度以上の揺れを検知すると、地震計11から制御装置7に検知信号が出力され、この検知信号に基づいて制御装置7が駆動装置5の作動スイッチをオンにし、油圧シリンダ31を駆動する。このとき、連結軸6が下降し、シリンダ弁4を全閉状態にする。
シリンダ弁4が全閉状態になると、全閉リミット44から制御装置7へ全閉信号が出力され、この全閉信号に基づいて制御装置7が通報装置8に通報命令を送る。通報装置8は、通報命令に応じて電話回線により管理者の電話機9に所定回数のコールをし、管理者が電話機9を通話状態にすると、通報装置8から音声によりシリンダ弁4が全閉になったことを知らせるメッセージが受話器に流れる。
【0024】
流量計12または水位計13により異常を検知する場合にも、同様に、制御装置5が検知信号に基づいて駆動装置5を作動させ、シリンダ弁4を全閉にする。また、シリンダ弁4の閉弁完了後には、通報装置8から電話回線を通じて管理者にシリンダ弁4の全閉状態のメッセージが通報されることになる。
【0025】
全閉状態のシリンダ弁4を再び全開に復帰させる場合は、管理者が通報装置8に電話をかけ、所定の暗証番号を押して通報装置8に駆動信号を送る。すると、この駆動信号に基づいて制御装置7が駆動装置5の作動スイッチをオンにし、油圧シリンダ31が連結軸6を介してシリンダ弁4を全開状態にする。
そして、シリンダ弁4が全開になると、全開リミット42からの全開信号に基づいて制御装置7が通報装置8に通報命令を送る。通報装置8は、この通報命令に応じて全開状態のメッセージを電話回線を通じて管理者の電話機9に流す。
【0026】
次に、シリンダ弁4の開閉制御のフローチャートを図7に示す。
図7にしたがって説明すると、まず、現場でシリンダ弁4を制御する場合については、作業者が制御盤の所定のスイッチを操作して駆動装置5を作動させるか(ステップ71)、または、駆動装置5の油圧シリンダ31の駆動ポンプを電動ポンプ32から手動ポンプ34側に切り換えて手動操作でシリンダ弁4を作動させる(ステップ72)。
また、遠隔地からシリンダ弁4を制御する場合については、電話回線を通じて通報装置8に駆動信号を送り、この駆動信号により制御装置7から駆動装置5に作動命令を送るようにする(ステップ73)。すなわち、管理者は、上記3つの操作の選択により、シリンダ弁4を開閉することができる。
なお、現場または遠隔操作のいずれの場合についても、シリンダ弁4が全閉または全開になると、通報装置8から電話回線を通じて管理者の電話機9にシリンダ弁4の弁状態が通報される(ステップ74、75)。
【0027】
一方、緊急時には、ステップ76、77、78に示すように、地震計11、流量計12または水位計13がそれぞれ予め設定された震度、過大流量または異常低水位を検知し、シリンダ弁4が全開から全閉状態へ駆動される。この場合にも、シリンダ弁4の閉弁操作の完了後に、通報装置8から電話回線を通じて管理者の電話機9にシリンダ弁4の閉弁状態が管理者に通報される(ステップ74)。
【0028】
この第1実施例の緊急遮水装置1によれば、流量計12および水位計13を備えたので地震のほかに過剰送水や異常低水位であることを検知したときも遮水弁が自動的に閉鎖され、より安全な管理ができる。また、遮水弁を縦型の外筒21に、送水窓22aを有する内筒22を摺動可能に挿入し、外筒21の上端フランジ21aに送水窓22aへ導入する水の流れを規制する整流窓23aを備えた整流筒23を固設した、いわゆるシリンダ弁4としたので、構造がシンプルで破損しがたく、地震発生時など緊急時において迅速かつ確実に遮水できる。また、駆動装置5は、電動ポンプ32で油圧シリンダ31を作動させて連結部材6を昇降させているが、別途、手動ポンプ34も備えているので、停電時や制御装置7の故障時にも手動で遮水弁を開閉することができる。また、停電の際には、制御装置7からの命令により交流電源からインバータを介して補助バッテリに切り替わるようにしているので、地震によって停電になっても遮水弁が確実に閉鎖され、電話回線が使用可能であれば、遮水弁の開閉を遠隔操作することができる。
さらに、通報装置8から通報される電話機9は管理者数や管理室数に応じて複数個設定されているので、連絡を必要とする人に自動的に報知される。
【0029】
次に、本発明の第2実施例を図8に示す。第2実施例による緊急遮水装置は、シリンダ弁4の内筒22に補助窓81を設けたものである。補助窓81は、外筒21と内筒22のスライド面の上端部に周方向に一定間隔を保って形成されている。補助窓81の位置は、各送水窓22aの中間位置に配置され、穴形状については楕円形になっている。シリンダ弁4の作動時、内筒22が上昇を開始すると、貯水槽2の水は、まず、補助窓81から内筒22に流入し、さらに内筒22が上昇すると、補助窓81および送水窓22aから内筒22に流入する。これにより、送水管3に送られる水の量が緩やかに増大するため、水圧の変化によって弁の開閉動作が影響を受けにくく、よりスムーズにシリンダ弁4が作動する。
【0030】
本発明の第3実施例を図9に示す。
第3実施例による緊急遮水装置は、連結部材を連結軸6から連結パイプ82に変更したものである。内筒22の上部中央に円柱部83が設けられ、この円柱部83の径方向に固定ボルト84、84が嵌合可能になっている。
取付時、円柱部83の外周に連結パイプ82の下端を挿入し、連結パイプ82および円柱部83の取付孔に固定ボルト84を貫挿し、円柱部83と連結パイプ82とをナットで締め付ける。連結パイプ82の上端についても、同様な固定手段で油圧シリンダ31の可動部に固定する。
このような連結パイプ82を使用する場合、シリンダ弁4の操作時の撓みが少なく、連結部の強度が向上し、さらに、シリンダ弁4の位置の調整の精度が向上する。
【0031】
なお、前記第1実施例〜第3実施例では、緊急遮水装置の遮水弁としてシリンダ弁を用いる構成としたが、その他の実施例としては、シリンダ弁に代えてゲート弁、バタフライ弁等を用いることも可能である。
また、通報装置の通報時期については、前記第1実施例では、全閉または全開時の弁状態を管理者に通報するようにしたが、その他の実施例としては、遮水弁の開度に応じて弁状態を詳細に管理者に通報するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の緊急遮水装置によれば、遮水弁は縦型の外筒に送水窓を有する内筒を摺動可能に挿入し、外筒の上端フランジに送水窓へ導入する水の流れを規制する整流窓を備えた整流筒を固設したものとし、遮水弁の全閉と全開を検知するリミッタと、電話回線により複数の電話機と通信できる通報装置を設け、制御装置は、一定以上の震度を検知したときに駆動装置へ遮水弁を閉鎖する作動命令を送り、リミッタから遮水弁の全閉または全開信号を入力したときは通報装置へ通報命令を出し、通報装置が電話回線を通じて遮水弁の開閉指令を受信したときは、駆動装置へ遮水弁を開閉する作動命令を送るように作動するので、一定震度以上の地震発生時には自動的かつ迅速に遮水弁を全閉し、確実に全閉されると複数の管理者へ電話回線で通報される。したがって、主たる管理者が不在であっても、必要な管理者へ貯水槽2の遮水弁が閉鎖されたことが通報され、また、管理者が遠隔地にいても迅速かつ正確に把握することができる。これにより、緊急時の対応を早急に行い、二次災害を未然に防止することが可能となる。
また、管理者は電話回線により遮水弁の開閉を遠隔操作することができるため、緊急時に現場へ行く必要がなく、現場までの道路状況の如何によらず、迅速な対応をすることができる。また、携帯電話等で操作することもでき、例えば、休日に自宅から操作したり、出張先から操作することで、貯水槽の監視の負担を軽減することができる。
さらに、貯水槽の底部に遮水弁を設け、これを開閉するための駆動装置を貯水槽の上側に設けて連結部材で連結し、上下に移動させて開閉するので、構造がシンプルで確実であり、遮水装置を設置するために特別の土木工事等をする必要がなく、比較的少ない工費および短い工期で遮水装置を設置することができ、既設の水槽へ取り付けや、保守点検等も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による緊急遮水装置を示す概略構成図である 。
【図2】第1実施例による緊急遮水装置のシリンダ弁の全閉状態を示す縦断面図である。
【図3】第1実施例による緊急遮水装置のシリンダ弁の全開状態を示す縦断面図である。
【図4】第1実施例による緊急遮水装置の駆動装置を示す側面図である。
【図5】第1実施例による緊急遮水装置のリミッタを示す側面図である 。
【図6】第1実施例による緊急遮水装置の制御装置の構成を説明するための模式図である。
【図7】第1実施例による緊急遮水装置のシリンダ弁の開閉制御を説明するためのフローチャートである 。
【図8】本発明の第2実施例による緊急遮水装置のシリンダ弁を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第3実施例による緊急遮水装置のシリンダ弁および連結部材を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 緊急遮水装置
2 貯水槽
2a 天井穴
2b シール部材
3 送水管
4 シリンダ弁(遮水弁)
5 駆動装置
6 連結軸(連結部材)
7 制御装置
8 通報装置
9 電話機
11 地震計(検知装置)
12 流量計(検知装置)
13 水位計(検知装置)
21 外筒
21a 上端フランジ
22 内筒
22a 送水窓
23 整流筒
23a 整流窓
26 吸気管
27 上端舌部
28 フランジ
29 パッキン
31 油圧シリンダ
31a 可動部
32 電動ポンプ
33 パルブユニット
34 手動ポンプ
35 リミッタ
36 ストッパ装置
41 作動棒
42 全開リミット
43 開カム
44 全閉リミット
45 閉カム
46 開度計
46a 針部
46b 目盛盤
47、48 補助リミット
51 係止爪
52 電磁ソレノイド
52a 駆動軸の後端部
53 戻しスプリング
54 リミットスイッチ
55 ガイドバー
81 補助窓
82 連結パイプ
83 円柱部
84 固定ボルト

Claims (3)

  1. 貯水槽の底部に設けた送水管の送水口に遮水弁を設け、該遮水弁を開閉するための駆動装置を該貯水槽の上側に設けるとともに該駆動装置と該遮水弁を連結部材で連結し、地震計から所定の震度以上の検知信号を入力したときに該駆動装置を作動させる制御装置を備えた緊急遮水装置において、該遮水弁は、縦型の外筒に、送水窓を有する内筒を摺動可能に挿入し、該外筒の上端フランジに該送水窓へ導入する水の流れを規制する整流窓を備えた整流筒を固設したものとし、該遮水弁の全閉と全開を検知するリミッタと、電話回線により複数の電話機と通信できる通報装置を設け、該制御装置は、該検知信号を入力したときに該駆動装置へ該遮水弁を閉鎖する作動命令を送り、該リミッタから該遮水弁の全閉または全開信号を入力したときは該通報装置へ通報命令を出し、該通報装置が電話回線を通じて該遮水弁の開閉指令を受信したときは、該駆動装置へ該遮水弁を開閉する作動命令を送ることを特徴とする緊急遮水装置。
  2. 前記遮水弁の外筒に上端が前記貯水槽内の水面上に突出する吸気管を設けたことを特徴とする請求項1記載の緊急遮水装置。
  3. 前記制御装置は前記地震計からの検知信号のほか、流量計または水位計からの検知信号によっても該駆動装置を作動させることを特徴とする請求項1記載の緊急遮水装置。
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