JP3738257B2 - パック電池およびパック電池の異常検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護部を備えるパック電池およびパック電池の異常検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パック電池は、繰り返し充放電が可能なニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池を内蔵する。パック電池を利用する携帯機器等は、使用時の環境によって過電流が流れることがある。過電流が流れると障害が生じる等の問題があるため、過電流を防止するための電子回路で構成された過電流保護部を構成し、パック電池内に設けることがある。一方、このような過電流保護部のないパック電池においては、過電流を遮断するためのより単純な構成のブレーカが設けられる。ブレーカは過電流を検出すると、強制的に電源供給回路を開放して電流を遮断する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−315483号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなブレーカによって電流が完全に遮断されると、瞬電が発生し、機器の動作が停止されるため、作業中のデータの消失等の不具合が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、簡単な構成で異常を検出可能なパック電池およびパック電池の異常検出方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るパック電池は、第1の極と第2の極を備える充電可能な二次電池4と、前記二次電池4を異常発生時に保護するための保護部2を備える。このパック電池では、前記保護部2が、前記二次電池4の第1の極に接続され、外部に表出する第1の極側電源端子T+と、前記二次電池4の第2の極に接続され、外部に表出する第2の極側電源端子T−と、信号検出のため外部に表出する信号用端子TSと、前記二次電池4の第2の極と前記第2の極側電源端子T−との間に接続されたバイパス素子5と、前記信号用端子TSと前記第2の極側電源端子T−との間に接続された、二次電池4の種別を判別するための判別抵抗R2と、前記二次電池4の異常が検出されると接点を切り換え可能な接点切換部6であって、前記接点切換部6は一端を前記第2の極側電源端子T−に接続し、他端を前記二次電池4の第2の極と接続する接点と、前記信号用端子TSと接続する接点とに切り換え可能に接続しており、異常非検出時には他端を前記二次電池4の第2の極と接続する接点に接続し、異常検出時には他端を前記信号用端子TSと接続する接点に切り換えるよう構成された接点切換部6とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2のパック電池は、請求項1に記載のパック電池であって、前記バイパス素子5がPTC素子であることを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項3のパック電池は、請求項1または2に記載のパック電池であって、前記接点切換部6は、バイメタルで作動するアーム6Aを備えており、前記アーム6Aの一端は固定端C、他端は切換端として、切換端が前記二次電池4の第2の極と接続する接点Aに接続されて前記バイパス素子5と並行に接続される非異常位置と、切換端が前記信号用端子TSと接続する接点Bに接続されて前記信号用端子TSと前記第2の極側電源端子T−とを接続する異常位置とを切り換え可能であり、前記バイメタルで作動するアーム6Aが温度上昇によって異常を検出すると、非異常位置から異常位置に切り換えられ、アーム6Aが異常を検出しなくなると非異常位置に復帰するよう構成されてなることを特徴とする。
【0009】
さらにまた、請求項4のパック電池は、請求項1から3のいずれかに記載のパック電池であって、前記保護部2は、前記第1の極側電源端子T+と第2の極側電源端子T−と信号用端子TSと、前記接点切換部6とが、一体として成形されていることを特徴とする。
【0010】
さらにまた、請求項5のパック電池は、請求項1から4のいずれかに記載のパック電池であって、前記二次電池4と、前記保護部2とが、樹脂でモールドされて一体に形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6のパック電池の異常検出方法は、第1の極と第2の極を備える充電可能な二次電池4と、前記二次電池4を異常発生時に保護するための保護部2を備えるパック電池の異常検出方法である。この方法は、前記保護部2が二次電池4の異常を検出しないとき、前記パック電池に接続された電気機器は、二次電池4の種別を判別するための判別抵抗R2を接続した信号用端子TSから、判別抵抗R2に応じた信号を検出するステップと、前記保護部2が二次電池4の異常を検出したとき、前記判別抵抗R2をバイパスして前記第2の極側電源端子T−が前記信号用端子TSと接続されるステップと、前記電気機器は前記信号用端子TSを通じて異常を検出し、前記二次電池4の定格電圧よりも低い電圧で動作可能な所定の異常時動作に移行するステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項7のパック電池の異常検出方法は、請求項6に記載のパック電池の異常検出方法であって、前記所定の異常時動作が、所定の画面を表示させる動作であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのパック電池およびパック電池の異常検出方法を例示するものであって、本発明のパック電池およびパック電池の異常検出方法を以下のものに特定するものではない。さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよい。
【0014】
図1および図2に、本発明の一実施の形態に係るパック電池の回路図を、図3および図4にパック電池の斜視図を、それぞれ示す。これらの図に示すパック電池は、二次電池4と、二次電池4の異常放電等を検出、防止するための保護部2とを備える。保護部2は、バイパス素子5と、接点切換部6と、判別抵抗R2を備える。また保護部2は、正極側電源端子T+と、負極側電源端子T−と、信号用端子TSの3つの端子を備え、それぞれ図3および図4に示すように並設して電極面を外部に表出させている。なおこれらの図においては、左から一直線に正極側電源端子T+、信号用端子TS、負極側電源端子T−の順に端子を配置しているが、この配置に限られないことはいうまでもない。各端子の配置を入れ替えたり、縦、横、斜め、三角状等、端子の配置状態は適宜採択できる。正極側電源端子T+には、二次電池4の正極が接続される。また二次電池4の負極には、バイパス素子5と接点切換部6の一端が接続されている。バイパス素子5の他端は、判別抵抗R2の一端と、負極側電源端子T−に接続される。さらに判別抵抗R2の他端は、信号用端子TSに接続されている。
【0015】
さらに、接点切換部6は一端を固定しつつ、他端を異常検出時に切り換え可能な切換端として構成されている。図1および図2の例では、接点切換部6の固定端(図1におけるC点)を負極側電源端子T−とバイパス素子5との間に接続している。一方、切換端はバイパス素子5の他端と二次電池4の負極側との間、図1においてA点、または判別抵抗R2と信号用端子TSとの間、図2においてB点のいずれかを切り換え可能としている。この接点切換部6は、異常が検出されない非異常時もしくは正常時においては非異常位置であるA点、異常検出時においては異常位置であるB点に、切換端を切り換えて接続する。その結果、正常時においては図1の回路は等価的に図5の回路で、異常時においては図2の回路は等価的に図6の回路でそれぞれ表現することができる。各等価回路において、接点切換部6によりバイパスされた部材は各々破線で示している。
【0016】
[非異常時]
非異常時もしくは正常時においては、接点切換部6によってC点とA点が接続されるため、バイパス素子5が短絡された状態となり、バイパス素子5には殆ど通電されない。その結果、図5の等価回路で示すように正極側電源端子T+と、負極側電源端子T−は二次電池4の正極および負極とそれぞれ接続された状態となるので、パック電池に接続された電気機器に二次電池4から電力が供給される。また信号用端子TSは、判別抵抗R2を介して二次電池4の負極と接続された状態となる。このため、信号用端子TSには所定の電圧が生じる。図1で示すように、電気機器には正極側電源端子T+と信号用端子TSとの間に分圧抵抗R1が接続されているため、信号用端子TSには分圧抵抗R1と判別抵抗R2で二次電池4の端子電圧を分圧された電圧値が検出される。
【0017】
[判別抵抗R2]
判別抵抗R2は、パック電池の二次電池4の特性や種別に応じて設定することができる。例えば、二次電池4の容量に応じた抵抗値となるように判別抵抗R2を設定することで、パック電池に接続される電気機器はパック電池の電池容量を判別できる。パック電池を充電するための充電装置であれば、信号用端子TSによって判別抵抗値を検出して電池容量を判別でき、最適な充電を行うことが可能となる。具体的には、定電流充電時の電流値が760mAである電池の場合、判別抵抗R2を75kΩ、820mAの場合85kΩ等に設定する。
【0018】
また、判別抵抗R2に基づいてパック電池の真贋を判別することもできる。例えば、パック電池の端子電圧が等しいが推奨される正規のパック電池でない電池、言い換えると判別抵抗R2を有しないパック電池を電気機器に接続した場合、信号用端子TSで電圧を検出することにより、正規のパック電池でないと判別できるので、電気器側でエラーメッセージを表示させる等の真贋判定を行うことが可能となる。
【0019】
なお判別抵抗R2は、その名称に限られず抵抗器以外を使用してもよい。例えば本発明の他の実施の形態において、ICチップ等を使用すれば、信号用端子を介してデータ通信等をパック電池と電気機器との間で行う等により、更に高度な判別を行うことが可能となる。
【0020】
[異常時]
さらにこの構成では、判別抵抗R2をパック電池の検出のみに使用するのでなく、異常時の検出にも利用している。異常時においては、接点切換部6によって切換端がA点からB点に切り換えられる。その結果、C点とB点が接続されて、回路構成が図5の等価回路から図6の等価回路に変更される。この場合、信号用端子TSは保護部品5を介して二次電池4の負極と接続され、負極側電源端子T−と同電位となってこの間では電圧が発生せず0Vとなる。よって電気機器は、信号用端子TSと負極側電源端子T−との間の電圧が、分圧抵抗R1と判別抵抗R2との分圧値から0Vに降下することを検出して、パック電池の異常を検出することができる。また一方で負極側電源端子T−はバイパス素子5を介して二次電池4の負極と接続されるため、流れる電流値が減少される。
【0021】
[異常時動作]
このとき電気機器は、所定の異常時動作に移行することができる。図5および図6に示すパック電池を装着した電気機器の回路構成例において、電気機器は信号用端子TSを監視する制御部8と、制御部8で制御される表示部9とを備える。制御部8と表示部9は、正極側電源端子T+および負極側電源端子T−を介してパック電池の二次電池4から電力供給を受ける。制御部8は、図5のように信号用端子TSの電圧が分圧抵抗R1と判別抵抗R2との分圧値であるとき、正常と判別する。一方、図6のように信号用端子TSと負極側電源端子T−との間の電圧が0Vに降下すると、制御部8はパック電池を異常と判別し、所定の異常時動作に移行するよう命令する。異常時動作は、パック電池の異常が生じたことをユーザに警告する、作業中のデータを一時退避あるいは保存する、低消費電力モードに移行する、予備電池に切り換える、等の動作が採用される。例えば、電気機器が携帯電話の場合、制御部8が異常を検出すると、動作を中断すると共に異常が生じた旨の警告メッセージや待ち受け画面を表示部9に表示させたり、データの一時保存を行う。
【0022】
異常時動作のための電力は、バイパス素子5を介して二次電池4から供給される。バイパス素子5によって供給電流量は限流されるので、異常時動作は通常よりも少ない消費電力で実行可能な動作とする。あるいは、電気機器が他の電力供給源を有している場合は、二次電池4に代わって、あるいは二次電池4に加えて他の電力供給源を利用することもできる。例えば、電気機器に内蔵されるバックアップ用の予備電池や、パック電池の正常時にパック電池から充電しておき、異常時に放電するコンデンサ等が利用できる。
【0023】
[バイパス素子5]
バイパス素子5は、抵抗器や過熱過電流防止素子、すなわち温度上昇や電流増加を検出して電流量を制限するPTC素子などが利用できる。PTC(Positive Temperature Coefficient)素子は、電気抵抗率の正温度特性を持った複合材料であり、温度上昇に伴って抵抗値が大きくなる特性を備える。
【0024】
[接点切換部6]
接点切換部6も、温度上昇や電流増加等を検出する。異常を検出すると、上述のように切換端を切り換えて電気接続を変更する。異常を検出しないときは、バイパス素子5と並列に接続され、異常を検出すると二次電池4の負極と信号用端子TSとを接続するよう構成されている。このような接点切換部6には、バイメタルを利用できる。バイメタルは、膨張係数の異なる2種の金属薄板を貼り合わせて構成される。温度が変化したとき、両金属板の膨張の差によって曲率が変化する、すなわち板が湾曲する。例えばインバーと青銅との組合せがよく用いられ、中間の膨張率をもつ第3の金属を間に挟んで湾曲の変化を円滑にすることもできる。
【0025】
バイメタルを利用した接点切換部6の構成例を図7および図8に示す。これらの図は、パック電池の上面において露出される正極側電源端子T+、信号用端子TS、負極側電源端子T−の部分を示す断面図である。図7は接点切換部6が動作する前、すなわち異常が検出されない状態を示し、図8は異常検出によって接点切換部6が動作した例をそれぞれ示している。接点切換部6は、バイメタルで作動するアーム6Aを備えており、アームはバイメタルによって直接または間接に作動される。図7および8に示す接点切換部6は、アーム6Aと押圧板6Bを備える。アーム6Aは弾性を有する板状の導電性部材であり、好ましくは銅合金板が利用できる。金属板のアーム6Aは通常状態で下方向に湾曲するように構成される。押圧板6Bはバイメタルで構成され、アーム6Aの下面に配置されてアーム6Aを押し上げる。押圧板6Bは通常は図7に示すように山形であり、異常検出時には図8に示すように谷型に跳ね上がり、アーム6Aを上面に押しつける。
【0026】
これらの図において、正極側電源端子T+はニッケル板で構成され、二次電池4の正極に接続される。同じくニッケル板で構成される信号用端子TSと負極側電源端子T−との間には、判別抵抗R2が接続される。またこれらの端子の下方に配置されたベース板11は銅合金板で構成され、二次電池4の負極に接続される。ベース板11の上面には、銀合金のベース接点12と、PTC素子が接続されている。このPTC素子は、上面と下面が接点となっている。またPTC素子の左右には絶縁材13A、13Bが配置される。さらにPTC素子の上面に載置されたバイメタルの押圧板6Bは、図7に示すように絶縁材13A、13Bで支持され、他の部材と絶縁されている。さらにまた、銅合金板のアーム6Aは、先端の切換端で下方に突出する移動接点10Aを、また先端から少し後方に下がった位置で背面に移動接点10Bを、それぞれ設けている。これらの移動接点10はいずれも銀製である。以上のように、接点切換部6を出力端子部分に一体的に組み込むことができる。
【0027】
この接点切換部6は以下のようにして動作する。
(1)通常時、すなわち温度が異常でない範囲においては、図7に示すようにアーム6Aは下面を弾性的に押圧している。この状態で、アーム6A後端の固定端C点は負極側電源端子T−に、アーム6A先端の切換端は移動接点10Aがベース接点12と接触して、A点を構成し、ベース板11と接続される。ベース板11は二次電池4の負極と接続されているので、この状態でC点とA点が接続され、負極側電源端子T−はPTC素子を介すことなく直接二次電池4の負極と導通される。PTC素子は上面に載置された押圧板6Bがいずれとも電気的に接触しないので、導通されない。一方、信号用端子TSは、判別抵抗R2を介して負極側電源端子T−と接続される。この結果、図5の等価回路で示すような接続状態となって、パック電池の二次電池4から電気機器に電力が供給されると共に、信号用端子TSは判別抵抗R2と接続される。
【0028】
(2)電池内部の温度が上昇して異常になると、バイメタルの押圧板6Bが湾曲して図8のように跳ね上がり、アーム6Aを弾性的に上面に押圧する。その結果、A点が開放されると共に、移動接点10Bが信号用端子TSと接触してB点を構成する。同時に、PTC端子の上面が押圧板6Bおよびアーム6Aを介して負極側電源端子T−と接続される。この状態で、アーム6Aの上面においては判別抵抗R2がアーム6Aでバイパスされて、信号用端子TSが負極側電源端子T−と直接接続される。またアーム6Aの下面においては、負極側電源端子T−がPTC素子を介して二次電池4の負極と接続される。このように、図6の等価回路で示す接続状態が構成され、電気機器にはPTC素子を介して制限された電流が供給され、また信号用端子TSの端子電圧は0Vとなる。これによって電気機器は制御部8が異常を検出して異常時動作に移行する。
【0029】
(3)PTC素子で限流された結果、温度上昇が抑えられ異常でない範囲まで降下すると、バイメタルの押圧板6Bが再び図7の状態に戻るので、押圧を解かれたアーム6Aは再び弾性的に下面を押圧し、通常状態に復帰する。以上の動作を繰り返すことで、異常状態を回避しながらパック電池は電気機器に正しく電力を供給する。
【0030】
この例では、温度上昇を検出するバイパス素子5と接点切換部6を組み合わせて、異常時の接続状態を接点切換部6で切り換えると共に、過熱化電流防止素子で異常電流を限流している。よってバイメタルとPTC素子が機能する温度をほぼ等しくしている。
【0031】
なお、接点切換部6は上記の構成に限られない。例えば、押圧板6Bを使用せずアーム6Aをバイメタルで構成して、アーム自体が湾曲するように構成してもよい。
【0032】
また、上記の例では接点切換部6を出力端子部分と一体的に構成している。図3および図4に示すパック電池は、樹脂成形部を外装ケース1としている。このパック電池は、樹脂成形部を成形する工程で、二次電池4である素電池7と出力端子部分3を連結している電池のコアパックを、樹脂成形部にインサートして固定する。この例に限られず、外装ケース1を個別成型したプラスチックケースとし、出力端子部分3を素電池7に連結して電池のコアパックとし、これを外装ケース1に収納して組み立てる構成としてもよい。さらに、接点切換部を出力端子部分と個別に構成して組み合わせるようにしてもよい。
【0033】
さらに上記の例では、信号用端子TSが電圧を検出して異常を判定しているが、電圧に代わって電流を検出するよう構成することもできる。さらにまた、上記の例においては、第1の極を正極、第2の極を負極とした例を説明したが、正極と負極を入れ替えて第1の極を負極、第2の極を正極として回路を構成しても、同様の効果を得ることができる。
【0034】
以上の構成により、判別抵抗R2をパック電池の判別と異常検出に併用できるので、部品点数を減らして安価に構成することができる。さらに接点切換部についても、バイメタルを使用して2接点を切り換える簡素な構成によって実現している。このように、上記実施の形態では、複数の電子回路で構成される複雑な過電流保護部を使用せずとも、簡易な構成で異常検出および過電流保護を実現し、必要なコストを低減している。しかも、異常時にブレーカのように電流を完全に遮断するのでなく、一部の電流を維持することによって異常時動作を行うことができ、電気機器側に直ちに異常発生を伝え、瞬断によるデータ飛び等を回避し得る。加えて、異常状態が解除されると通常動作に自動的に復帰する復帰動作も実現される。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパック電池およびパック電池の異常検出方法は、簡単な構成で効果的に異常を検出することができるという優れた特長が実現される。それは、本発明のパック電池およびパック電池の異常検出方法が、判別抵抗を二次電池の種別を判別と異常検出に併用しているからである。この構成によって、パック電池に接続された電気機器は接続される電池の種別や異常を、信号検出端子からモニタすることで確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るパック電池の、非異常検出時における回路図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係るパック電池の、異常検出時における回路図である。
【図3】 本発明の一実施の形態に係るパック電池の出力端子部分を示す拡大斜視図である。
【図4】 図3のパック電池の全体を示す分解斜視図である。
【図5】 図1のパック電池と電気機器を示す等価的な回路図である。
【図6】 図2のパック電池と電気機器を示す等価的な回路図である。
【図7】 非異常検出時における接点切換部の構成例を示す断面図である。
【図8】 異常検出時における接点切換部の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・外装ケース
2・・・保護部
3・・・出力端子部分
4・・・二次電池
5・・・バイパス素子
6・・・接点切換部
6A・・・アーム
6B・・・押圧板
7・・・素電池
8・・・制御部
9・・・表示部
10A、10B・・・移動接点
11・・・ベース板
12・・・ベース接点
13A、13B・・・絶縁材
R1・・・分圧抵抗
R2・・・判別抵抗
TS・・・信号用端子
T+・・・正極側電源端子
T−・・・負極側電源端子
A・・・接点
B・・・接点
C・・・固定端
Claims (7)
- 第1の極と第2の極を備える充電可能な二次電池(4)と、前記二次電池(4)を異常発生時に保護するための保護部(2)を備えるパック電池であって、前記保護部(2)は、
前記二次電池(4)の第1の極に接続され、外部に表出する第1の極側電源端子(T+)と、
前記二次電池(4)の第2の極に接続され、外部に表出する第2の極側電源端子(T-)と、
信号検出のため外部に表出する信号用端子(TS)と、
前記二次電池(4)の第2の極と前記第2の極側電源端子(T-)との間に接続されたバイパス素子(5)と、
前記信号用端子(TS)と前記第2の極側電源端子(T-)との間に接続された、二次電池(4)の種別を判別するための判別抵抗(R2)と、
前記二次電池(4)の異常が検出されると接点を切り換え可能な接点切換部(6)であって、前記接点切換部(6)は一端を前記第2の極側電源端子 (T-)に接続し、他端を前記二次電池 (4) の第2の極と接続する接点と、前記信号用端子(TS)と接続する接点とに切り換え可能に接続しており、異常非検出時には他端を前記二次電池 (4) の第2の極と接続する接点に接続し、異常検出時には他端を前記信号用端子(TS)と接続する接点に切り換えるよう構成された接点切換部(6)と、
を備えてなることを特徴とするパック電池。 - 請求項1に記載のパック電池であって、前記バイパス素子(5)がPTC素子であることを特徴とするパック電池。
- 請求項1または2に記載のパック電池であって、前記接点切換部(6)は、バイメタルで作動するアーム(6A)を備えており、
前記アーム(6A)の一端は固定端(C)、他端は切換端として、切換端が前記二次電池 (4) の第2の極と接続する接点(A)に接続されて前記バイパス素子(5)と並行に接続される非異常位置と、切換端が前記信号用端子(TS)と接続する接点(B)に接続されて前記信号用端子(TS)と前記第2の極側電源端子 (T-)とを接続する異常位置とを切り換え可能であり、前記バイメタルで作動するアーム(6A)が温度上昇によって異常を検出すると、非異常位置から異常位置に切り換えられ、アーム(6A)が異常を検出しなくなると非異常位置に復帰するよう構成されてなることを特徴とするパック電池。 - 請求項1から3のいずれかに記載のパック電池であって、
前記保護部(2)は、前記第1の極側電源端子(T+)と第2の極側電源端子(T-)と信号用端子(TS)と、前記接点切換部(6)とが、一体として成形されていることを特徴とするパック電池。 - 請求項1から4のいずれかに記載のパック電池であって、前記二次電池(4)と、前記保護部(2)とが、樹脂でモールドされて一体に形成されていることを特徴とするパック電池。
- 第1の極と第2の極を備える充電可能な二次電池(4)と、前記二次電池(4)を異常発生時に保護するための保護部(2)を備えるパック電池の異常検出方法であって、
前記保護部(2)が二次電池(4)の異常を検出しないとき、前記パック電池に接続された電気機器は、二次電池(4)の種別を判別するための判別抵抗(R2)を接続した信号用端子(TS)から、判別抵抗(R2)に応じた信号を検出するステップと、
前記保護部(2)が二次電池(4)の異常を検出したとき、前記判別抵抗(R2)をバイパスして前記第2の極側電源端子 (T-)が前記信号用端子(TS)と接続されるステップと、
前記電気機器は前記信号用端子(TS)を通じて異常を検出し、前記二次電池(4)の定格電圧よりも低い電圧で動作可能な所定の異常時動作に移行するステップと、
を備えることを特徴とするパック電池の異常検出方法。 - 請求項6に記載のパック電池の異常検出方法であって、前記所定の異常時動作が、所定の画面を表示させる動作であることを特徴とするパック電池の異常検出方法。
Priority Applications (6)
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