JP3737995B2 - 金属電極の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属電極の製造装置およびその製造方法に関し、特に詳細には、分子デバイス製造において必要不可欠であるナノ電極の製造装置およびナノ電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の急速なデバイスの小型化・高速化には目を見張るものがある。しかしながら、現在の半導体微細加工によるデバイス作製法には限界が見えており、これに替わる新規デバイスの出現が強く望まれている。その候補の1つとして、単一分子を回路部品に用いたデバイスである、分子デバイスの研究開発が近年大きな注目を集めている。分子デバイスにおいては、分子個々の機能性や物質の最小ユニットというスケールメリットを活かして、従来の半導体デバイスを凌駕する高機能・高集積化デバイスの実現が期待されている。
【0003】
単一分子からなる、あるいは複数の分子を組み合わせた、いわゆる分子デバイスを製造するためには、どのように1つ1つの分子にアクセスするかということが非常に大きな問題となる。単一分子を調べる手法としては、走査型トンネル顕微鏡を用いた方法があるが、この方法は超高真空等の環境に依存し、実際にデバイス化するには不向きである。一方、分子からの電気信号を取り出すための分子スケールの間隙を持つ、ナノ電極を用いる方法がある。分子の大きさ・形状・所望の機能によって、目的に合うナノ電極を設計・作製し、そこに分子をはめ込むのである。この方法の場合、様々な環境(大気中、磁場、低温等)での測定も容易であり、実際のデバイスにより近い形である等の利点がある。また、分子の形状によりナノ電極の形状も変えることが出来るという他の手法にはない大きな利点もある。しかしながら、現在のリソグラフィの技術では、通常10nm以下である分子スケールの間隙を持つナノ電極を作製することは困難であることから、この方法を用いた報告は少なく、ナノ電極の形状まで制御した報告となるとさらに少ない。
【0004】
ナノ電極の作製方法についてはすでにいくつかの報告がある。(1)金のナノワイヤに大電流を流すことによって、ナノワイヤにナノメータサイズの断裂を生じさせる方法(例えば、非特許文献1参照)、(2)ピエゾ素子によりナノワイヤに歪みを加え、ナノメータサイズのブレークジャンクションを形成させる方法(例えば、非特許文献2参照)、(3)その場観察をしながら、カーボンの対電極先端に電子ビームを照射することによりカーボンを堆積させ、間隙を狭めていく方法(例えば、非特許文献3参照)、が主な方法である。
【0005】
上記に述べたナノ電極においては、(1),(2)は方法自体は単純であるが、間隙の大きさを制御することが難しく、また(3)は、その場観察なので制御性はよいが、特殊な装置・技術が必要といった欠点がある。またいずれの方法もナノ電極の形状までをも制御するには至っていない。上記のような理由から、簡便かつ制御よくナノ電極を作製する技術が求められていた。
【0006】
電極形状の制御という観点から見ると、金属メッキによる量子化コンダクタンスの観測が挙げられる(例えば、非特許文献4参照)。この方法は、予めリソグラフィで作製した金の対電極に金メッキを施すことにより、電極間の間隙を狭めていく方法である。メッキ速度をコントロールすることにより電極間の間隙をゆっくり狭め、最終的に電極同士が接触するかしないかの境界で、量子化ポイントコンタクトによる量子化コンダクタンスの観測に成功している。この結果は、メッキにより電極間の間隙が制御できることを示している。
【0007】
ナノ電極の材料としては、金属の種類が限定されていない電極形成法が望ましい。すなわち、単一分子が持つ離散的なエネルギ状態に応じて、これに接続する電極の電子状態(金属電極であれば仕事関数)も選択する必要がある。単一分子への電極形成の際、分子の電子状態と金属電極の仕事関数との関係によって最適な組み合わせが存在するはずであり、それだけではなく新たな機能を発現する可能性もある。さらに電極材料を選択できるメリットとして、分子と電極との結合選択性の利用が挙げられる。例としては金とチオール基の結合選択性がある。このような結合選択性を利用すれば、より分子と電極との接続方法の幅が広がると考えられる。
【0008】
【非特許文献1】
H.Park他著、アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)、第75巻、第301頁(1999)
【0009】
【非特許文献2】
C.Kergueris他著、フィジカルレビューB(Physical ReviewB)、第59巻、第12505頁(1999)
【0010】
【非特許文献3】
A.Bezryadin他著、ジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジー(J.Vac.Sci.Technol.B、第15巻、第793頁(1997)
【0011】
【非特許文献4】
A.F.Mopurgo他著、アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)、第74巻、第2084頁(1999)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、分子デバイス実現のためにナノ電極は必要不可欠なものであるが、特殊な装置・技術が必要であったり、方法は単純でも制御性が悪かったり、これまで簡便かつ制御よくナノ電極を作製する方法は提供されていなかった。
【0013】
そこで本発明の目的は、上述のメッキ法を用いた金の量子化コンダクタンスの観測に着目し、この方法に改良を加えることによって、電極間の間隙を制御し、簡便かつ制御性のよい金属電極(ナノ電極)の製造装置およびその製造方法を提供することである。また、本発明はメッキ可能な金属であればその種類に制限がない、汎用性の高い製造装置および製造方法であることも特徴である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の一態様では、一対の金属電極を基板上に一定間隔で対向させて形成する第1工程と、該一対の金属電極の各々の所定部位と陽極金属の一部をメッキ浴に浸漬する第2工程と、該陽極金と前記一対の金属電極の間に所定電圧の直流電圧を印加することで、前記一対の金属電極同士の間隔が20nm以下で導通しない間隔に狭まるまで前記所定部位にメッキを施す第3工程とを有することを特徴とする金属電極の製造方法を実施した。
【0015】
ここで、前記第3工程の前に、前記陽極金属と前記直流電圧の値から前記第3工程を実施する時間を予め計算する工程をさらに有し、前記第3工程において、前記計算された時間だけ正極性の前記直流電圧を印加することで、前記一対の金属電極同士の間隔が10nm〜20nmとなるようにメッキを施すことも好ましい。
【0016】
ここで、前記第3工程は、前記一対の金属電極の間に流れる電流をモニタすることとを含み、前記第3工程において該電流の値が定常値よりも一定レベル増加したことをモニタすると第4工程に進み、該第4工程において、前記直流電圧を正極性から一時的に負極性とした後に印加を停止することで、前記一対の金属電極同士の間隔が10nm以下となるようにメッキを施すことも好ましい。
【0017】
ここで、前記一対の金属電極とは異なる金属である前記陽極金属を用いてメッキを施すことも好ましい。
【0018】
ここで、前記一対の金属電極の一方と前記陽極金属の間に前記直流電圧を直接印加し且つ前記一対の金属電極の他方と前記陽極金属の間に前記直流電圧をコンデンサを介して印加することで該一方の金属電極のみにメッキを施すことも好ましい。
【0019】
上記の目的を達成するために本発明の別の態様では、基板上に一定間隔で対向した一対の金属電極の各々の所定部位をメッキ浴に浸漬させるように該基板を支持する手段と、前記メッキ浴に陽極金属の一部を浸漬させるように支持する手段と、一端を前記陽極金属に他端を前記一対の金属電極に接続されて、前記陽極金属と前記一対の金属電極間に所定電圧の直流電圧を印加する直流電源と、前記陽極金属と前記直流電圧の値から、前記一対の金属電極同士の間隔を10nm〜20nmとするだけメッキを施すための時間を計算する手段をさらに備え、前記直流電源によって、前記計算された時間だけ正極性の前記直流電圧を印加することを特徴とする金属電極の製造装置を実施した
【0020】
上記の目的を達成するために本発明のさらに別の態様では、基板上に一定間隔で対向した一対の金属電極の各々の所定部位をメッキ浴に浸漬させるように該基板を支持する手段と、前記メッキ浴に陽極金属の一部を浸漬させるように支持する手段と、一端を前記陽極金属に他端を前記一対の金属電極に接続されて、前記陽極金属と前記一対の金属電極間に所定電圧の直流電圧を印加する直流電源と、前記一対の金属電極の間に流れる電流をモニタする手段と、前記モニタした電流の値が定常値よりも一定レベル増加したときに、前記直流電圧を正極性から一時的に負極性とした後に印加を停止することで、前記一対の金属電極同士の間隔が10nm以下となるようにメッキを施すように電圧印加を制御する手段とを備えたことを特徴とする金属電極の製造装置を実施した
【0021】
ここで、前記モニタする手段は、前記一対の金属電極の間に直列に接続された交流電源および抵抗と、該抵抗の両端に入力端子が接続されてモニタ信号を出力する手段とからなり、前記一対の金属電極の両方にメッキを施すことも好ましい。
【0022】
ここで、前記モニタする手段は、前記一対の金属電極の間に直列に接続された、抵抗とコンデンサからなる直列回路および交流電源と、前記交流電源と前記直列回路との接続点および前記直列回路と前記一対の金属電極の一方との接続点に入力端子が接続されてモニタ信号を出力する手段とからなり、前記一対の金属電極の他方のみにメッキを施すことも好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るナノ電極の製造方法について詳述する。概略すると以下の工程を備えている。
【0024】
(1)基板10上に100nm〜1μmの間隙を持つ初期電極12,13を対向する位置に作製する工程(図1(a)参照)、および
(2)初期電極12,13にメッキ7を施すことにより電極間の間隙を20nm以下に狭めナノ電極を作製する工程(図1(b)参照)、
である。参照符号4は直流電源、5は陽極金属を示す。
【0025】
初期電極12,13の作製については、半導体微細加工技術で通常行われるフォトリソグラフィ技術等を用いて、所望の電極を作成する。これは2端子電極、3端子電極、4端子電極、櫛形電極等が可能で、基本的にその形状にはよらない。メッキ金属はメッキ可能な金属であればその種類に制限はない。
【0026】
例えば、ポジ型レジストを塗布した基板表面に、フォトマスクを通して露光した後、レジストを現像、金属を蒸着、レジストをリフトオフするという工程を経て、初期電極12,13を作製する。初期電極12,13間の間隙は約1μmである。このとき、基板材料に制限はなく、石英やサファイヤ等の絶縁体、シリコンウエハー等の半導体、金や銅等の金属等、様々な材料を使用できる。また、このとき蒸着する金属を選択することによって、初期電極12,13として使用する金属が選択できる。また、フォトマスクを用いて露光する代わりに、電子ビーム露光を用いて描画すれば、さらに微細な初期電極12,13を作製することができる。
【0027】
次に、作製した初期電極12,13に電解メッキを施す。メッキは初期電極をメッキ浴6中に浸すか、あるいは接触させることによって行う。メッキ浴6にははOリングを用いる。ここで、適切な速度でメッキがなされるようにメッキ電圧を適切な値に調整することが重要である。例えば、直流電源4によるメッキ電圧が適正な値より0.1Vずれるだけでも、メッキの進行速度が速すぎて表面が粗くなったり、あるいはまったくメッキが進行しないという結果になる。
【0028】
また、本発明では初期電極12,13に双方とも同じ金属をメッキする場合、つまりナノ電極の材料がそれぞれ同じ金属の場合と、初期電極12,13の片側のみをメッキする場合、つまりナノ電極の材料がそれぞれ異なる場合で異なるメッキ回路を用いている。
【0029】
図2(a)は初期電極12,13に同じ金属をメッキする場合の、図2(b)は初期電極12,13の片側のみをメッキする場合の製造装置のメッキ回路構成を示す。
【0030】
両側にメッキする場合と片側のみにメッキする場合のメッキ回路の違いは、コンデンサCがあるかないかである。片側メッキの場合は、抵抗Rのみだと両側にメッキされてしまうので、適当な容量値のコンデンサCを入れることによって初期電極12,13それぞれの印加電位を調節し、片側だけにメッキされるようにしている。
【0031】
本発明では、作製するナノ電極の間隙の大きさによって、作製方法を2つに分けている。以下それぞれの方法について詳述する。
▲1▼ナノ電極の間隙が10nm以上の場合
間隙が10nm以上の場合は、メッキ金属の堆積速度とメッキ電圧との関係から、メッキを施す時間を計算し、所望の間隙を持つナノ電極を作製する。ただし、金属の堆積速度とメッキ電圧の関係は使用する金属電極の製造装置(メッキ装置)や初期電極の形状等に依存するので注意が必要である。
▲2▼ナノ電極の間隙が10nm以下の場合
間隙が10nm以下の場合は、▲1▼の方法では誤差が大きく10nm以下まで制御することは困難であるので、メッキの進行状況をリアルタイムでモニタし所望のナノ電極を作製する。
【0032】
メッキの進行状況をリアルタイムでモニタするために、電極間に流れる電流をロックインアンプ21で測定している。この時、交流電源20によるモニタするための交流周波数電圧もまたS/N比よく、かつメッキの進行状況を的確に反映する入力値を選択する必要がある。
【0033】
メッキ初期の電極間の間隙が広いときには、メッキ液によるイオン電流が主に寄与するが、間隙が数ナノメータスケールになってくると、電極間のトンネル電流の寄与が大きくなり、モニタ電流の急激な増加が見られる。この現象を利用してナノ電極を作製する。
【0034】
ここでひとつ問題がある。トンネル電流が流れ出したところでメッキを止めれば、原理的にはナノ電極が作製できるはずであるが、現実には、メッキ電圧を0Vにしてもメッキの進行がすぐには止まらず、電極同士が接触してしまうのである。
【0035】
この様子を図3に示した。2500秒付近でモニタ電流Iが急激に増加し始めたところでメッキ電圧を0Vにしたが、モニタ電流Iの増加は止まらず、間もなく一定値(約3.3mA)に達している様子がわかる。すなわち、これはメッキ電圧を0Vにしてもメッキはそのまま進行し、電極同士が接触し導通してしまったことを示している。
【0036】
導通を防ぐためには、モニタ電流Iが増加し始め、ある閾値を越えたときに、直流電源14によって一時的に適当な逆バイアスを印加することが重要である。このときのモニタ電流Iの経時変化を図4に示す。2100秒付近でモニタ電流Iが急激に増加し始めたところでメッキ電圧を−1.4Vにしたところ、一度上昇したモニタ電流Iが約54μAのピークまで上昇した後に減少し、最終的に約15μAで留まっていることがわかる。すなわち、逆バイアスによってメッキの進行が止まったことを示している。
【0037】
これは一例であるに過ぎず、条件(メッキ時間、モニタ電流の閾値等)を選択することにより、様々な間隙を持つナノ電極を作り分けることが可能である。上記の電圧印加制御は、モニタ信号にしたがってコンピュータで行う。
【0038】
また、一度電極が接触してしまっても、それまでと逆のメッキ電圧をかければ、原理的には再び電極同士が離れてナノ電極を作製することができる。
【0039】
以下、具体的な実施例を紹介しながら本発明の製造方法について詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
【実施例】
(実施例1)2端子金ナノ電極の作製
[1]初期電極の作製
酸化膜(1000Å)のついた4インチのシリコンウエハーにポジ型レジスト(V3、東京応化製)をスピンコートで塗布し(回転数4000rpm,40秒)、ホットプレートにて90℃で90秒間べーク後、コンタクトアライナー(PLA−501、キヤノン製)にて電極パターンを露光した。その後、レジスト現像液(東京応化製)で現像し、純水でリンスした。次に、当該基板をスパッタ装置(日本シード製)に装着し、チタンと金を連続して堆積させた。チタン、金の膜厚はそれぞれ、15nm,35nmとした。次に、当該基板をメチルエチルケトンに浸漬し、超音波洗浄装置にてレジストを剥離、純粋でリンスすることにより、金の電極パターンを得た。最小の電極間隔は500nmであった。
[2]金メッキによるナノ電極の作製
次に当該電極をマニュアルプローバ(マイクロニクス社製)に装着し、電極に微小なOリング(テフロン(登録商標)製)をのせ、金メッキ液(田中貴金属製)を滴下した。図2(a)に示した金属電極の製造装置(R=1kΩ))を用いて、直径1mmの金線を当該メッキ液に浸漬し、電極との間に1.4Vの電位を印加した。電極間に流れる電流値をモニタしながら、30分間メッキを行った。メッキ終了後、純水で洗浄した。走査型電子顕微鏡で確認したところ、間隙は20nmであった。
【0041】
(実施例2)10nm以下の間隙を持つ2端子金ナノ電極の作製
上記実施例1[1]で作製した初期電極をプローバに装着し、電極に微小なOリングをのせ、金メッキ液を滴下した。図2(a)に示した金属電極の製造装置(R=1kΩ)を用いて、直径1mmの金線を当該メッキ液に浸漬し、電極との間に1.4Vの電位を印加した。電極間に流れる電流値をモニタし、急激に電流が増加し始めたところでメッキ電圧を1.4Vから−1.4Vとした。その10秒後に電圧を切り、純水で洗浄した。走査型電子顕微鏡で確認したところ、電極間の間隙は8nmであった。その顕微鏡観測画像を図5に示す。
【0042】
(実施例3)2端子金−白金ナノ電極の作製
実施例1〔1〕において、蒸着金属として金ではなく白金を蒸着させ作製した初期電極を用いた。この電極をプローバに装着し、電極に微小なOリングをのせ、金メッキ液を滴下した。図2(b)に示した金属電極の製造装置(R=1kΩ、C=0.1μF))を用いて、直径1mmの金線を当該メッキ液に浸漬し、電極との間に1.4Vの電位を印加した。電極間に流れる電流値をモニタし、30分間メッキを行った。メッキ終了後、純水で洗浄した。走査型電子顕微鏡で確認したところ、間隙は20nmであった。その顕微鏡観測画像を図6に示す。
【0043】
(実施例4)10nm以下の間隙を持つ2端子金−白金ナノ電極の作製
実施例1〔1〕において、金の替わりに白金を堆積させ作製した初期電極を用いた。この電極をプローバに装着し、電極に微小なOリングをのせ、金メッキ液を滴下した。図2(b)に示した金属電極の製造装置(R=1kΩ、C=0.1μF)を用いて、直径1mmの金線を当該メッキ液に浸漬し、電極との間に1.4Vの電位を印加した。電極間に流れる電流値をモニタし、急激に電流が増加し始めたところでメッキ電圧を1.4Vから−1.4Vとした。10秒後に電圧を切り、純水で洗浄した。走査型電子顕微鏡で確認したところ、電極間の間隙は5nmであった。その顕微鏡観測画像を図7に示す。
【0044】
(実施例5)3端子金ナノ電極の作製1
上記実施例1[1]と同様の手法で作製した3端子の金初期電極(図8)をプローバに装着し、電極に微小なOリングをのせ、金メッキ液を滴下した。図2(a)に示した金属電極の製造装置(R=1kΩ)を用いて、直径1mmの金線を当該メッキ液に浸漬し、電極1と3の間に1.4Vの電位を印加した。電極1は図2(a)の電極12に、電極2は同じく電極13に対応するものである。
【0045】
電極間(1−3)に流れる電流値をモニタし、急激に電流が増加し始めたところでメッキ電圧を1.4Vから−1.4Vとした。その10秒後に電圧を切り、純水で洗浄した。さらに同様のプロセスで図2(b)に示した金属電極の製造装置(R=1kΩ、C=0.1μF)を用いて、電極2と電極3の間に1.4Vの電位を印加し、電極2のみをメッキした。電極間(2−3)に流れる電流値をモニタし、急激に電流が増加し始めたところでメッキ電圧を1.4Vから−1.4Vとした。その10秒後に電圧を切り、純水で洗浄した。走査型電子顕微鏡で確認したところ、電極1−3間、電極2−3間にそれぞれ10nm以下の間隙が確認された。その顕微鏡観測画像を図9に示す。
【0046】
(実施例6)3端子金ナノ電極の作製2
図8の3端子の金初期電極をプローバに装着し、電極に微小なOリングをのせ、金メッキ液を滴下した。図2(a)に示した金属電極の製造装置(R=1kΩ)において、直径1mmの金線を当該メッキ液に浸漬し、電極1と3を短絡し、電極1,3と電極2の間に1.4Vの電位を印加した。電極間(1,3−2)に流れる電流値をモニタし、急激に電流が増加し始めたところでメッキ電圧を1.4Vから−1.4Vとした。その10秒後に電圧を切り、純水で洗浄した。走査型電子顕微鏡で確認したところ、それぞれの電極間に10nm以下の間隙が確認された。その顕微鏡観測画像を図10に示す。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来作製が困難であったナノ電極を簡便かつ制御よく製造できる方法および装置を提供する。電極ごとに異なる金属を選択することも可能で、その自由度は極めて高い。本発明は、分子デバイス作製の要素技術として必要不可欠な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属電極にメッキを施し、ナノ電極を製造する工程を示した図である。
【図2】電極間に流れる電流をモニタしながら、電極に金メッキを施し、ナノ電極を製造する工程を示した図である。
【図3】メッキ終了時にメッキ電圧を0Vとした場合の、金属電極間に流れる電流の経時変化を示した図である。
【図4】メッキ終了時にメッキ電圧を−1.4Vとした場合の、金属電極間に流れる電流の経時変化を示した図である。
【図5】実施例2によって作製したナノ電極の電子顕微鏡像を示す図である。
【図6】実施例3によって作製したナノ電極の電子顕微鏡像を示す図である。
【図7】実施例4によって作製したナノ電極の電子顕微鏡像を示す図である。
【図8】実施例5によって作製した3端子初期電極の電子顕微鏡像を示す図である。
【図9】実施例5によって作製したナノ電極の電子顕微鏡像を示す図である。
【図10】実施例6によって作製したナノ電極の電子顕微鏡像を示す図である。
【符号の説明】
1〜3 電極
4 直流電源
6 メッキ浴(Oリング)
7 メッキ
10 基板
12,13 初期電極
14 直流電源
20 交流電源
21 ロックインアンプ
C コンデンサ
I モニタ電流
R 抵抗

Claims (9)

  1. 一対の金属電極を基板上に一定間隔で対向させて形成する第1工程と、
    該一対の金属電極の各々の所定部位と陽極金属の一部をメッキ浴に浸漬する第2工程と、
    該陽極金属と前記一対の金属電極の間に所定電圧の直流電圧を印加することで、前記一対の金属電極同士の間隔が20nm以下で導通しない間隔に狭まるまで前記所定部位にメッキを施す第3工程と
    を有することを特徴とする金属電極の製造方法。
  2. 請求項1の金属電極の製造方法において、
    前記第3工程の前に、前記陽極金属と前記直流電圧の値から前記第3工程を実施する時間を予め計算する工程をさらに有し、
    前記第3工程において、前記計算された時間だけ正極性の前記直流電圧を印加することで、前記一対の金属電極同士の間隔が10nm〜20nmとなるようにメッキを施すことを特徴とする金属電極の製造方法。
  3. 請求項1に記載の金属電極の製造方法において、
    前記第3工程は、前記一対の金属電極の間に流れる電流をモニタすることを含み、前記第3工程において該電流の値が定常値よりも一定レベル増加したことをモニタすると第4工程に進み、該第4工程において、前記直流電圧を正極性から一時的に負極性とした後に印加を停止することで、前記一対の金属電極同士の間隔が10nm以下となるようにメッキを施すことを特徴とする金属電極の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の金属電極の製造方法において、
    前記一対の金属電極とは異なる金属である前記陽極金属を用いてメッキを施すことを特徴とする金属電極の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の金属電極の製造方法において、
    前記一対の金属電極の一方と前記陽極金属の間に前記直流電圧を直接印加し且つ前記一対の金属電極の他方と前記陽極金属の間に前記直流電圧をコンデンサを介して印加することで該一方の金属電極のみにメッキを施すことを特徴とする金属電極の製造方法
  6. 基板上に一定間隔で対向した一対の金属電極の各々の所定部位をメッキ浴に浸漬させるように該基板を支持する手段と、
    前記メッキ浴に陽極金属の一部を浸漬させるように支持する手段と、
    一端を前記陽極金属に他端を前記一対の金属電極に接続されて、前記陽極金属と前記一対の金属電極間に所定電圧の直流電圧を印加する直流電源と、
    前記陽極金属と前記直流電圧の値から、前記一対の金属電極同士の間隔を10nm〜20nmとするだけメッキを施すための時間を計算する手段をさらに備え、
    前記直流電源によって、前記計算された時間だけ正極性の前記直流電圧を印加することを特徴とする金属電極の製造装置。
  7. 基板上に一定間隔で対向した一対の金属電極の各々の所定部位をメッキ浴に浸漬させるように該基板を支持する手段と、
    前記メッキ浴に陽極金属の一部を浸漬させるように支持する手段と、
    一端を前記陽極金属に他端を前記一対の金属電極に接続されて、前記陽極金属と前記一対の金属電極間に所定電圧の直流電圧を印加する直流電源と、
    前記一対の金属電極の間に流れる電流をモニタする手段と、
    前記モニタした電流の値が定常値よりも一定レベル増加したときに、前記直流電圧を正極性から一時的に負極性とした後に印加を停止することで、前記一対の金属電極同士の間隔が10nm以下となるようにメッキを施すように電圧印加を制御する手段と
    を備えたことを特徴とする金属電極の製造装置。
  8. 請求項7に記載の金属電極の製造装置において
    記モニタする手段は、
    前記一対の金属電極の間に直列に接続された交流電源および抵抗と、
    該抵抗の両端に入力端子が接続されてモニタ信号を出力する手段とからなり、
    前記一対の金属電極の両方にメッキを施す
    ことを特徴とする金属電極の製造装置。
  9. 請求項7に記載の金属電極の製造装置において
    記モニタする手段は、
    前記一対の金属電極の間に直列に接続された、抵抗とコンデンサからなる直列回路および交流電源と、
    前記交流電源と前記直列回路との接続点および前記直列回路と前記一対の金属電極の一方との接続点に入力端子が接続されてモニタ信号を出力する手段とからなり、
    前記一対の金属電極の他方のみにメッキを施すことを特徴とする金属電極の製造装置。
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