JP3737761B2 - スライド式握力計 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、握力計に関し、特に、運動機能に障害を有する患者の握力を測定するスライド式握力計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特許3179711号公報に、枠体と、移動体と、圧力検出素子と、押圧部材と、第1の伝動部材と、第2の伝動部材と、付勢部材と、ロック機構と、中握りと、握り幅調整ノブとからなる握力計が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術では、中握りに握力に応じたストロークを持たせることができる。しかし、枠体と中握りとの距離は、握り幅調整ノブにより調整するものであるから、その距離調整に時間と手間が掛かり面倒であるという難点があった。
【0004】
本発明の目的は、上記難点を解決したものであり、簡単な操作で、確実に二個の握りバーの距離調整ができるスライド式握力計を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、二本の握りバー(2a)(2b)で構成された握り部(2)を有する握力計(1)において、二本の握りバー(2a)(2b)をスライド可能に連結するスライド部(3)と、スライド部(3)の作用を固定・解除する解除体(4)が設けられ、二本の握りバー(2a)(2b)の間隔を自在に変更調節でき、前記スライド部(3)は、テーパ穴(19)を有する筒体でなるスライド体(12)と、該スライド体(12)を貫通するスライド棒(13)とを有し、スライド棒(13)の先端は他方握りバー(2b)内の梁(9)に接続され、スライド体(12)は一方握りバー(2a)に取着され、解除体(4)は、鋼球(22)を保持してなり、スライド体(12)に挿通され、前記鋼球(22)をテーパ穴(19)の狭径方向へ押圧すると、スライド棒(13)はスライド体(12)へ固定され、鋼球(22)をテーパ穴(19)の広径方向へ移動させると、スライド棒(13)の固定が解除されることを特徴とするスライド式握力計である。又、スライド部(3)が握り部(2)の両端に設けられ、左・右のスライド部(3)(3)に設けられる左・右の解除体(4)(4)が、解除バー(5)で一体的に接続されてなる。更に、解除バー(5)が一方握りバー(2a)の外側に設けられ、解除バー(5)と一方握りバー(2a)の問に、補助バー(6)が左・右のスライド部(3)(3)に架け渡して設けられる。
【0006】
【作用】
施療者(=測定者)は、本発明のスライド式握力計を用いて、患者(=被測定者)の握力を測定する。
握り部2を構成する二本の握りバー2a・2bの間には間隔がある。握力を測定する時、被測定者は二本の握りバー2a・2bを握る。
二本の握りバー2a・2bを連結しているスライド部3は、当該スライド部3をスライド作動しながら二本の握りバー2a・2bを平行移動させて間隔調節する。
【0007】
解除体4は、スライド部3の摺動を、非摺動状態になし(=固定)、及び摺動状態になす(=解除)。
施療者は、二本の握りバー2a・2bの間隔(=距離)を、患者が測定するに適する間隔に変更する。
【0008】
握り部2の両端に設けられるスライド部3は、二本の握りバー2a・2bのそれぞれの両端同士を連結する。
スライド部3は、通常はスライドしないが、スライド部3に設けられる解除体4をスライド部3の中央内部方向へ押圧するとスライド可能状態になる。
【0009】
解除バー5を機器中央部へ押し、解除バー5に一体的に接続された左・右の解除体4を作動させ、左右のスライド部3を同時にスライド可能状態になし、二本の握りバー2a・2bの間隔調節をする。
【0010】
解除バー5と一方握りバー2aの間に補助バー6が設けられており、スライド部3の固定を解除する時には、一方握りバー2aの外側に設けられる解除バー5と前記補助バー6とを握り、スライド部3をスライド可能状態にする。
【0011】
補助バー6は左右のスライド部3に架け渡して設けられるから、前述のように補助バー6を握ると左右のスライド部3が一挙に解除される。施療者は、前述のように握っておいて二本の握りバー2a・2bの距離を適宜に変更し、その後に握り動作を止めて、調節を終了する。
【0012】
【実施例】
図1乃至3、5、6に本発明の第1実施例を示している。
第1実施例の握力計1は、二本の握りバー2a・2bで構成された握り部2と、二本の握りバー2a・2bをスライド可能に連結するスライド部3と、スライド部3の摺動作用を非摺動状態に固定し及び非摺動状態を解除し摺動状態にする解除体4と、解除体4に接続して設けられる解除バー5と、解除バー5と一方握り部2aとの空間位置に存在し、スライド部3に接続する補助バー6と、コントローラー7とからなる。
【0013】
握り部2は、一方・他方握りバー2a・2bの二個からなり、握力を測定する時に患者が握るものである。
他方握りバー2bは、コ字形の枠体8と、枠体8内にあって、中央が枠体8に取着され両端が遊動状にして撓み可能になされた梁9と、梁9の複数箇所に貼着され、梁9の撓みを検出するセンサー10とからなる。
【0014】
コントローラー7には、握力値を数値表示及びグラフ表示する表示器11、及び音発生器(図示省略)等が設けられ、該コントローラー7により前記センサー10の出力は握力値に変換されて報知される。
【0015】
スライド部3は、一方・他方握りバー2a・2bをスライド可能に連結するものである。
スライド部3は、スライド体12と、該スライド体12を貫通するスライド棒13と、スライド棒13のスライド作用を固定・解除する解除体4とからなる。
【0016】
スライド棒13の先端は他方握りバー2b内の梁9に接続され、又、スライド体12は一方握りバー2aに取着される。スライド棒13の基端は一方・他方握りバー2a・2bの離間距離を示す指示針14となっている。
【0017】
スライド部3は、二本の握りバー2a・2bのそれぞれの両端に設けられ、それぞれの両端同士を繋いで四辺形をなす。
スライド体12をスライド棒13がスライドしながら二本の握りバー2a・2bを平行移動可能に支持する。
【0018】
解除体4は、スライド部3の作動を固定・解除するものであり、左・右スライド部3に設けられる。
【0019】
解除バー5は、前記左・右解除体4・4を一体的に接続するものである。
一方握りバー2aと他方握りバー2bは並設されており、一方握りバー2aの一側に他方握りバー2bが配置され、一方握りバー2aの他側(=他方握りバー2bとは反対側)に解除バー5が配置される。
【0020】
解除バー5と一方握りバー2aとの空間に、補助バー6が、左・右のスライド体12に架け渡され該左・右のスライド体12を一体的に連結して設けられる。
【0021】
図6に示すスライド部3は、テーパ穴19を有する筒体でなるスライド体12に、解除体4を挿通してなる。
解除体4には鋼球22が保持され、該鋼球22はバネ21で、テーパ穴19の狭径方向へ押圧され(図6中、上方向へ押圧)、スライド棒13をスライド体12へ固定する。
【0022】
前記押圧状態下で、スライド棒13をテーパ穴19の径の縮小方向へ移動させようとすると、鋼球22がスライド棒13に食い込み、スライド棒13は前記径の縮小方向へ移動できない。
【0023】
手動により解除体4をバネ21に抗して移動させ、鋼球22をテーパ穴19の広径方向へ移動させると(図6中、下方へ移動)、スライド棒13の固定が解除され、該スライド棒13はスライド体12内を自在にスライドできる。
【0024】
図5中、15は、スライド部3を覆うカバー、16は握力計1とコントローラー7を繋ぐコード、17はキー、18は窓、20は目盛、図6中、23は止め輪、24は嵌入ネジである。
【0025】
本発明を使用する場合は、先ず、施療者が当該患者の握力測定に適するように、患者の状態や形状に応じて、二本の握りバー2a・2bの間隔を調節する。
この間隔調節の際に、施療者は、補助バー6と解除バー5を片手で握り、解除バー5を補助バー6に接近するように押圧する。
【0026】
上記押圧すると、スライド部3の解除体4が作用し、スライド部3の固定作用が解除され、スライド体12に貫通されたスライド棒13が自在摺動状態になる。このような自在摺動状態下で、施療者は、二本の握りバー2a・2bの間隔を適宜間隔に変更する。
【0027】
適宜間隔になした時に、施療者は補助バー6と解除バー5の握り動作を止め、解除バー5を押圧から開放する。
【0028】
解除バー5の開放により、解除体4も同時に開放され、スライド部3は固定状態になり、スライド棒13はスライド体12に固定される。この固定により二本の握りバー2a・2bの間隔調節は行なわれた。
【0029】
次に、患者は、二本の握りバー2a・2bを、握力測定をしようとする片手で握る。握ると他方の握り部2中の梁9がスライド棒13に押されて撓む。その撓みをセンサー10が検出し、センサー10の検出値を前記コントローラー7が握力値として表示器11に数値又はグラフで表示する。
握力測定時に、施療者は必要に応じて解除バー5を持って、当該測定動作の補助をする。
【0030】
第2実施例は、第1実施例の補助バー6を削除したものである。第2実施例の二本の握りバー2a・2bの間隔を変更調節する際は、施療者は、解除バー5と一方握りバー2aを片手で握り、スライド部3の摺動状態にしておいて、他方握りバー2bを一方握りバー2aに対して接近・離間移動させ適宜間隔になし、その後、前記握り動作を止めてスライド部3を固定状態になし、間隔調節を終了する。
握力測定の際は、第1実施例の時と同様に、患者は二本の握りバー2a・2bを握り、測定する。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、二本の握りバー2a・2bをスライド可能に連結するスライド部3と、スライド部3のスライドを固定・解除する解除体4が設けられ、スライド部(3)は、テーパ穴(19)を有する筒体でなるスライド体(12)と、スライド体(12)を貫通するスライド棒(13)とを有し、スライド棒(13)の先端は他方握りバー(2b)内の梁(9)に接続され、スライド体(12)は一方握りバー(2a)に取着され、解除体(4)は、鋼球(22)を保持してなり、スライド体(12)に挿通され、鋼球(22)をテーパ穴(19)の狭径方向へ押圧すると、スライド棒(13)はスライド体(12)へ固定され、鋼球(22)をテーパ穴(19)の広径方向へ移動させると、スライド棒(13)の固定が解除される構成であるから、二本の握りバー2a・2bの間隔を自在に変更でき、解除体4を操作することにより、二つの握り部2の間隔が、早く容易に無段階に変更調節でき、好都合である。
【0032】
本発明は、スライド部3が握り部2の両端に設けられ、左・右スライド部3・3に設けられる左・右解除体4・4が、解除バー5で接続されてなるから、解除バー5と一方握り部2aを握れば容易にスライド部3の固定作用を解除でき、二本の握りバー2a・2bの間隔調節が、早く容易に行なえ、好都合である。
【0033】
又、解除バー5を施療者が持って測定の補助をすることもでき、その場合、患者は測定動作を行い易く、好都合である。
【0034】
本発明は、解除バー5が一方握りバー2aの外側に設けられ、解除バー5と一方握りバー2aの間に、左・右のスライド部3に架け渡して補助バー6が設けられるものであるから、解除バー5と補助バー6の両者を同時に握ることが容易であり、二本の握りバー2a・2bの間隔の変更調節がし易く、好都合である。
【0035】
又、先に述べた効果と同様に、上記構成のものも解除バー5を施療者が持って測定動作の補助をすれば、患者は測定動作を行い易く、好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の握力計の断面図である。
【図2】本発明の実施例の握力計の左側面図である。
【図3】本発明の実施例の握力計の平面図である。
【図4】本発明の第2実施例の握力計の断面図である。
【図5】本発明の第1実施例の外観図である。
【図6】本発明のスライド部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 握力計
2 握り部
2a 一方握りバー
2b 他方握りバー
3 スライド部
4 解除体
5 解除バー
6 補助バー
Claims (3)
- 二本の握りバー(2a)(2b)で構成された握り部(2)を有する握力計(1)において、二本の握りバー(2a)(2b)をスライド可能に連結するスライド部(3)と、スライド部(3)の作用を固定・解除する解除体(4)が設けられ、二本の握りバー(2a)(2b)の間隔を自在に変更調節でき、前記スライド部(3)は、テーパ穴(19)を有する筒体でなるスライド体(12)と、該スライド体(12)を貫通するスライド棒(13)とを有し、スライド棒(13)の先端は他方握りバー(2b)内の梁(9)に接続され、スライド体(12)は一方握りバー(2a)に取着され、解除体(4)は、鋼球(22)を保持してなり、スライド体(12)に挿通され、前記鋼球(22)をテーパ穴(19)の狭径方向へ押圧すると、スライド棒(13)はスライド体(12)へ固定され、鋼球(22)をテーパ穴(19)の広径方向へ移動させると、スライド棒(13)の固定が解除されることを特徴とするスライド式握力計。
- 二本の握りバー(2a)(2b)で構成された握り部(2)を有する握力計(1)において、二本の握りバー(2a)(2b)をスライド可能に連結するスライド部(3)と、スライド部(3)の作用を固定・解除する解除体(4)が設けられ、二本の握りバー(2a)(2b)の間隔を自在に変更調節でき、スライド部(3)が握り部(2)の両端に設けられ、左・右のスライド部(3)(3)に設けられる左・右の解除体(4)(4)が、解除バー(5)で一体的に接続されてなることを特徴とするスライド式握力計。
- 解除バー(5)が一方握りバー(2a)の外側に設けられ、解除バー(5)と一方握りバー(2a)の間に、補助バー(6)が左・右のスライド部(3)(3)に架け渡して設けられることを特徴とする請求項2記載のスライド式握力計。
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- 2002-02-07 JP JP2002031329A patent/JP3737761B2/ja not_active Expired - Fee Related
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