JP3737205B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP3737205B2
JP3737205B2 JP19901796A JP19901796A JP3737205B2 JP 3737205 B2 JP3737205 B2 JP 3737205B2 JP 19901796 A JP19901796 A JP 19901796A JP 19901796 A JP19901796 A JP 19901796A JP 3737205 B2 JP3737205 B2 JP 3737205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
absorbent
upper layer
layer absorber
lower layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19901796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1033589A (ja
Inventor
貴雄 中山
真由美 池嶋
雅仁 田中
美次 濱島
稔 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP19901796A priority Critical patent/JP3737205B2/ja
Publication of JPH1033589A publication Critical patent/JPH1033589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3737205B2 publication Critical patent/JP3737205B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキンや使い捨ておむつ、失禁者用パッド、外科用パッド等の、液透過性の表面層、液不透過性の裏面層、及び該表面層と該裏面層との間に介在された液保持性の吸収部を有する吸収性物品に関し、更に詳しくは、装着時に装着者の動作に影響されることなく良好なフィット性が保持され、液吸収容量の大きい吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般に、生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品として、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び該表面シートと該裏面シートとの間に介在された液保持性の吸収部を有する吸収性物品はよく知られている。この様な吸収性物品は、血液、尿等の体液の漏出部分に良好にフィットし、漏れなく吸収及び保持できることが要求される。
【0003】
血液、尿等の体液の漏出部分に良好にフィットし、漏れなく吸収及び保持できる吸収性物品として、従来より、吸収部を、下層吸収体と、該下層吸収体よりも幅狭の上層吸収体とにより構成し、装着者の当接部に合った形状で当接することによりズレを回避するとともに幅方向中央部における液吸収容量を増加させたものが知られている。
このような、吸収部を上下2層の構造とした吸収性物品としては、特公平5−73419号公報に記載のものや、実開平5−24025号公報に記載のものがある。特公平5−73419号公報に記載の吸収性物品では、上層吸収体と下層吸収体とは個別に表面シートにより被覆され、長手方向両端部において互いに固定されている。実開平5−24025号公報に記載の吸収性物品では、上層吸収体と下層吸収体とは個別に表面シートにより被覆され、長手方向両端部及び長手方向中央部において接着固定されている。
【0004】
しかし、上述のような吸収性物品では、以下のような問題点がある。
即ち、特公平5−73419号公報に記載の吸収性物品では、装着者の動作により、長手方向中央部において上層吸収体と下層吸収体との幅方向の相対的位置がずれてそのまま戻らず、体液が偏って吸収・分布されて漏れを生じる場合がある。実開平5−24025号公報に記載の吸収性物品では、上層吸収体と下層吸収体とが一体となっているために、装着者の動作が激しい場合等には、吸収体全体がずれてしまい、漏れを生じるおそれがある。
【0005】
従って、本発明の目的は、装着時に装着者の動作に影響されることなく良好なフィット性が保持され、液吸収容量の大きい吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、装着者に当接される液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び該表面シートと該裏面シートとの間に介在された液保持性の吸収部を有する吸収性物品において、上記吸収部は、上層吸収体と、該上層吸収体の非肌当接面側に配設された下層吸収体とを備え、該上層吸収体は、該下層吸収体と独立して形成され且つ該下層吸収体と実質的に非接触状態に配設され、上記下層吸収体に対して幅方向又は長手方向に位相変化自在に、上記表面シートにより被覆されており、上記上層吸収体は、その幅が上記下層吸収体の幅の20〜80%であり、その長さが該下層吸収体の長さより短くなされており、上記表面シートは、吸収性物品長手方向における両端部が、該表面シートの幅方向中央部分を含めて、上記裏面シートに固着されていることを特徴とする吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品の実施形態を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の吸収性物品の第1の実施形態としての生理用ナプキンを示す斜視図、図2は図1の生理用ナプキンの幅方向断面図である。
【0008】
本実施形態の生理用ナプキン10は、装着者に当接される液透過性の表面シート11、液不透過性の裏面シート12、及び該表面シート11と該裏面シート12との間に介在された液保持性の吸収部13を有する。この構成については従来の公知技術と同じである。
【0009】
而して、本実施形態の生理用ナプキン10では、図1又は図2に示すように、上記吸収部13は、上層吸収体13aと、該上層吸収体13aの非肌当接面側に配設された下層吸収体13bとを備え、該上層吸収体13aは、該下層吸収体13bと独立して形成され且つ該下層吸収体13bと実質的に非接触状態に配設され、上記下層吸収体13bに対して幅方向又は長手方向に位相変化自在に、上記表面シート11により被覆されている。
【0010】
本実施形態について詳述すると、上記上層吸収体13aは、2枚の吸収シートを重ねて2層に形成されている。下層吸収体13bは、1枚の吸収シートにより1層に形成されている。
【0011】
また、表面シート11は、その略中央部が上層吸収体13aに当接されており、更に上記上層吸収体13aの左右両側縁に沿って上記上層吸収体13aと下層吸収体13bとの間に折り込まれて、上層吸収体13aにおける下層吸収体13b側の幅方向中央部13a’を除く表面を被覆している。この表面シート11は、上層吸収体13aと下層吸収体13bとの間において折り返されて連設部11cが形成されており、上層吸収体13aと下層吸収体13bとは、この連設部11cを介して実質的に非接触状態に配設されている。更に表面シート11は、連設部11cから側縁部11d,11dにかけてが下層吸収体13bにおける上層吸収体13a側の表面に面接され、下層吸収体13bにおける上層吸収体13a側の幅方向中央部13b’を除く上層吸収体13a側の表面を被覆している。
尚、上層吸収体13aと下層吸収体13bとが「実質的に非接触状態に配設されている」とは、上層吸収体13aの下層吸収体13bに対する位相変化を妨げない程度に非接触状態であることをいい、例えば、上層吸収体13aの中央部が垂下変形して下層吸収体13bと一部接触する場合等は実質的に非接触状態であるうちに含まれる。
【0012】
そして、下層吸収体13bは裏面シート12に接着固定されており、下層吸収体13bの周囲において、表面シート11と裏面シート12とが固着されている。生理用ナプキン10の縁端部においては、表面シート11は折曲状態のまま裏面シート12に固着されている。
また裏面シート12には、その外側面に、粘着剤を塗布することにより長手方向に2本の粘着部12a,12aが形成され、この粘着部12a,12aは剥離紙16により被覆されており、生理用ナプキン10装着直前に剥離紙16を剥離して粘着部12a,12aを露出し衣類に粘着させるようになっている。
【0013】
上記上層吸収体13aは、その幅Waが下層吸収体13bの幅Wbの20〜80%であり、好ましくは30〜70%である。20%未満では装着者の体液の漏出部からズレるおそれがあり、80%超では漏出部に対するフィット性を損なうおそれがある。また、上層吸収体13aの長さLaは下層吸収体13bの長さLbよりも短い。上層吸収体13aの長さLaは下層吸収体13bの長さLbの20%以上であることが好ましい。20%未満では装着者の体液の漏出部からズレるおそれがある。更に、上層吸収体13aの厚みTaは0.3〜10mmであることが好ましく、0.5〜6mmであることがより好ましい。上層吸収体13aが装着者に違和感なく確実に当接され且つ充分な液吸収容量を発揮するからである。
【0014】
上記上層吸収体13a及び下層吸収体13bを形成する材料としては、フラッフパルプ、高吸収性ポリマー、紙、不織布等を特に制限なく使用する事ができるが、よりヨレ難く、吸収性の高い吸収性物品を得る為に厚み0.3〜5mmの吸収シートを少なくとも含んでなる事が好ましい。厚み0.3mm未満ではヨレ易く、5mm超では剛性が大き過ぎ装着者に違和感を与える。
また、図1に示す第1の実施形態では、上層吸収体13aは、厚み0.3〜5mmの吸収シートを2枚重ねて2層に形成されており、下層吸収体13bは、厚み0.3〜5mmの吸収シート1枚で1層に形成されている。
【0015】
上記上層吸収体13a及び下層吸収体13bを形成する吸収シートとしては、吸収紙や不織布、繊維をバインダー等でシート化したパルプシート、フラッフパルプ、及び繊維に高吸収性ポリマーを混合してシート状に形成したもの等のシートを用いることができ、加工性及び良好な体液吸収量を得られる点から、繊維に高吸収性ポリマーを混合してシート状に形成したものが好ましい。尚、繊維に高吸収性ポリマーを混合してシート状に形成したものとしては、紙又は不織布間に高吸収性ポリマーが層状に分散されたもの、親水性繊維と高吸収性ポリマー及びバインダーを混合してシート状に形成したものののいずれも用いることができる。
上記繊維又は親水性繊維としては、木材パルプ等のセルロース繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維やポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、若しくは、界面活性剤等で繊維表面を親水化したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート複合繊維が好ましく、親水性が良好に維持される点からは、セルロース繊維がより好ましい。
【0016】
また、高吸収性ポリマーを混合して吸収シートを形成する場合の該高吸収性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得るものが好ましく、そのような例としては、デンプンや架橋カルボキシメチル化セルロース、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体等を挙げることができる。ポリアクリル酸塩としては、ナトリウム塩が好ましく、また、アクリル酸にマレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合させた共重合体も好ましい。
特に、イオン浸透圧によって大量の液体を吸収保持し且つ吸収した液体が加圧下でも漏れ出さない様な、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)等を重合し、架橋して水不溶化させた、水不溶性親水性架橋重合体粒子からなる高吸収性ポリマーが好ましい。
【0017】
更に、バインダーを混合して吸収シートを形成する場合の該バインダーとしては、熱溶融性接着繊維又は/及び紙力補強剤を用いることが、湿潤時の強度の点からは好ましい。
上記熱溶融性接着繊維としては、加熱により溶融し相互に接着する繊維を用いることができ、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポリエステル複合繊維、繊維表面が親水性であるポリビニルアルコール−ポリプロピレン複合繊維、並びにポリビニルアルコール−ポリエステル複合繊維等を挙げることができる。複合繊維を用いる場合には、芯鞘型複合繊維及びサイド・バイ・サイド型複合繊維の何れをも用いることができる。これらの熱溶融性接着繊維は、各々単独で用いることもでき、又は2種以上を混合して用いることもできる。本発明において好ましく用いられる熱溶融性接着繊維としては、熱水で溶解するポリビニルアルコール繊維、芯鞘型のポリエステル繊維等を挙げることができる。またこれらの熱溶融性接着繊維は、一般にその繊維長が2〜60mmであることが好ましく、繊維径は0.1〜3デニール(特に0.5〜3デニール)であることが好ましい。
【0018】
上記紙力補強剤としてはポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、カイメン、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。
【0019】
好ましい上記吸収シートとしては、親水性繊維及び熱溶融性接着繊維または紙力補強剤並びに高吸収性ポリマーとから構成され、上記高吸収ポリマーは、上記吸収シートが液体を吸収する吸収表面には存在せず、該吸収シートの内部に分散配置されており、且つ該吸収シートを構成する親水性繊維に接着し固定化されており、上記高吸収ポリマーの散布坪量は5〜300g/m2 であり、上記吸収シートの厚みが0.3〜1.5mmである高吸収シートが挙げられる。
また、更に好ましい上記吸収シートとしては、嵩高性の親水性繊維及び熱溶融性接着繊維または紙力補強剤から形成された繊維構造体と高吸収性ポリマー粒子とから構成され、上記高吸収性ポリマー粒子は上記吸収シートが液体を吸収する吸収表面には存在せず、上記繊維構造体中に分散固定されており、上記高吸収性ポリマーの散布坪量が20〜70g/m2 であり、上記吸収シートの厚みが0.3〜1.5mmである高吸収シートが挙げられる。
【0020】
この様な高吸収シートは、1枚のシート中に高吸収性ポリマーが3次元的に分散・固定されている為に、該高吸収性ポリマーの吸収能が効果的に発揮され、また、ポリマーのゲルブロッキングも少ない為、体液がスムーズに吸収シート中を伝達し易く、高い吸収能を得る為好ましく使用できる。
【0021】
上記表面シート11は、生理用ナプキン10の幅方向における200%伸長時の応力が200〜2000gであることが好ましく、500〜2000gであることがより好ましく、800〜2000gであることがより一層好ましい。200g未満では、動作による位相変化がたやすく生じ過ぎて、構成歪みや体液の広がりを生じやすい。2000g超では位相変化が事実上生じない。
また表面シート11は、生理用ナプキン10の幅方向における永久歪みが70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。永久歪みが70%超では位相変化後の復元性に乏しく、構成の永久歪みとなって、繰り返しの位相変化不能でありフィット性を損なう。
【0022】
尚、上記幅方向における応力とは、表面シート11を生理用ナプキン10の幅方向に150mm、長手方向に50mmに切断し、テンシロン引張試験機に試験片の長辺方向端部をチャック間距離100mmで固定し、速度300mm/分で引っ張り、チャック間距離200mmとなった時の応力である。
また、上記幅方向における永久歪みとは、表面シート11を生理用ナプキン10の幅方向に150mm、長手方向に50mmに切断し、テンシロン引張試験機に試験片の長辺方向端部をチャック間距離100mmで固定し、速度300mm/分で引っ張り、チャック間距離200mmとした後、同様の速度(300mm/分)でチャック間距離を100mmとした時の表面シート11の幅方向長さを測定し、初期長さ(チャック間距離=100mm)に対する弛緩できない長さ(初期長さよりも伸びて長くなった部分の長さ)の割合(%)を求めたものである。
【0023】
上記表面シート11を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエステル、PE/PET複合繊維等の不織布や、ポリエチレン等のフィルムを開孔したポリエチレン開孔フィルム等を用いることができ、バインダー繊維からなる不織布を立体的に開孔した開孔不織布や、フィルムを立体的に開孔した開孔フィルムが、伸縮物性を得やすい為好ましい。
【0024】
上記粘着部12a,12aを形成する粘着剤及び剥離紙16としては、従来より用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0025】
本実施形態の生理用ナプキン10は、下着に粘着部12a,12aを粘着固定し、装着者の漏出部に上層吸収体13aを表面シート11を介して当接させた状態で装着する。
装着中には、装着者の動作等によって、装着者の漏出部と生理用ナプキン10との間にずれが生じる。即ち、装着者の動作等によって下層吸収体13bに幅方向に力が加わると、下層吸収体13bが幅方向に移動する。そして、表面シート11の連設部11cが下層吸収体13bの移動に応じて変形し、上層吸収体13aの下層吸収体13bに対する幅方向の位相が変化する。その結果、装着者の液漏出部に上層吸収体13aが当接された状態は変わることなく保持される。下層吸収体13bへ加わっていた幅方向の力が無くなると、連設部11cに生じている応力によって連設部11cが元の形状に復元され、上層吸収体13aは下層吸収体13bの幅方向中央に配置される。
【0026】
また、装着者の動作によって上層吸収体13aに幅方向の力が加わると、上層吸収体13aが下層吸収体13bに対して幅方向に変位する。このとき、上層吸収体13aは、装着者の動作に追従して液漏出部に当接したまま変位するので液漏れが良好に防止される。上層吸収体13aへ加わっていた幅方向の力が無くなると、連設部11cに生じている応力によって連設部11cが元の形状に復元され、上層吸収体13aは下層吸収体13bの幅方向中央に配置される。
【0027】
この様に、本実施形態の生理用ナプキン10によれば、装着者の動作に応じて上層吸収体13aが下層吸収体13bに対して幅方向に変位するので、上層吸収体13aは装着者の液漏出部に対して幅方向にずれることがなく、体液が確実に上層吸収体13aに吸収され、液漏れが良好に防止される。
本実施形態の生理用ナプキン10によれば、上層吸収体13aと下層吸収体13bとが同一の表面シート11により被覆されており、装着者の動作等が終了すると上層吸収体13aは下層吸収体13bの幅方向中央に戻されるので、体液が左右両側部まで移行し難く、液漏れが良好に防止される。
本実施形態の生理用ナプキン10によれば、上層吸収体13aが下層吸収体13bよりも幅狭に形成されており、体液は吸収部13の幅方向中央において多量に吸収・保持されるので、体液が左右両側部まで移行し難く、液漏れが良好に防止される。
【0028】
本実施形態の生理用ナプキン10によれば、表面シート11は、上層吸収体13aを下層吸収体13bに対して上下方向の位相変化自在にも被覆しているので、装着者から離れる方向の力が作用しても、装着者の液漏出部に上層吸収体13aが当接された状態は保持され、液漏れが良好に防止される。
本実施形態の生理用ナプキン10によれば、表面シート11が、生理用ナプキン10の幅方向における200%伸長時の応力が200〜2000gであり、生理用ナプキン10の幅方向における永久歪みが70%以下であるので、装着者の動作につれて適度に上層吸収体13aの下層吸収体13bに対する位相が適度に変化し、装着者の動作が終了すると良好に位相が元に戻るので、体液が偏らずに吸収され、漏れが一層良好に回避される。
本実施形態の生理用ナプキン10によれば、吸収部13の上層吸収体13aが吸収シートを備えているので、高いフィット性を有し、漏れにくくヨレ難い吸収性物品が提供できる。
【0029】
図3は、本発明の吸収性物品の第2の実施形態としての生理用ナプキンを示す斜視図、図4は図3の生理用ナプキンの長手方向断面図である。尚、本実施形態において図1及び図2に示す第1の実施形態と同一の部材に関しては同一の符号を付し、説明は省略する。
【0030】
本実施形態の生理用ナプキン20では、図3又は図4に示すように、上層吸収体23aは、下層吸収体23bと独立して形成され且つ下層吸収体23bと実質的に非接触状態に配設され、下層吸収体23bに対して長手方向に位相変化自在に、表面シート21により被覆されている。
また、上層吸収体23aは、1枚のシートを、長手方向に沿って折曲部が配置されるように且つ一方の側縁部を内側に他方の側縁部を外側にして3つ折り形成されて3層に形成されている。下層吸収体23bは、2枚の帯状のシートを積層させて2層に形成されている。
上層吸収体23aが表面シート21により下層吸収体23bに対して長手方向に位相変化自在に被覆され、上層吸収体23aが3つ折りにより3層に形成され且つ下層吸収体23bが2枚のシートにより形成されている以外の構成は上述の第1の実施形態と同じである。
【0031】
本実施形態について詳述すると、表面シート21は、その略中央部が上層吸収体23aに当接されており、更に上記上層吸収体23aの前後端縁に沿って上記上層吸収体23aと下層吸収体23bとの間に折り込まれて、上層吸収体23aにおける下層吸収体23b側の長手方向中央部23a’’を除く表面を被覆している。更に、表面シート21は、上層吸収体23aと下層吸収体23bとの間において折り返されて連設部21cが形成され、上層吸収体23aと下層吸収体23bとは、この連設部21cを介して実質的に非接触状態に配設されている。また表面シート21はこの連設部21cから端部21d,21dにかけてが下層吸収体23bにおける上層吸収体23a側の表面に面接され、下層吸収体23bにおける上層吸収体23a側の長手方向中央部23b’’を除く上層吸収体23a側の表面を被覆している。
【0032】
上記表面シート21は、生理用ナプキン20の長手方向における200%伸長時の応力が200〜2000gであることが好ましい。200g未満では、動作による位相変化がたやすく生じ過ぎて、構成歪みや体液の広がりを生じやすい。2000g超では位相変化が事実上生じない。
また、表面シート21の生理用ナプキン20の長手方向における永久歪みは70%以下であることが好ましい。永久歪みが70%超では位相変化後の復元性に乏しく、構成の永久歪みとなって、繰り返しの位相変化不能でありフィット性を損なう。
【0033】
尚、上記長手方向における応力とは、表面シート21を生理用ナプキン20の長手方向に150mm、幅方向に50mmに切断し、テンシロン引張試験機に試験片の長辺方向端部をチャック間距離100mmで固定し、速度300mm/分で引っ張り、チャック間距離200mmとなった時の応力である。
また、上記長手方向における永久歪みとは、表面シート21を生理用ナプキン10の長手方向に150mm、幅方向に50mmに切断し、テンシロン引張試験機に試験片の長辺方向端部をチャック間距離100mmで固定し、速度300mm/分で引っ張り、チャック間距離200mmとした後、同様の速度(300mm/分)でチャック間距離を100mmとした時の表面シート11の幅方向長さを測定し、初期長さ(チャック間距離=100mm)に対する弛緩できない長さ(初期長さよりも伸びて長くなった部分の長さ)の割合(%)を求めたものである。
上記表面シート21を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエステル、PE/PET複合繊維等の不織布や、ポリエチレン等のフィルムを開孔したポリエチレン開孔フィルム等を用いることができ、バインダー繊維からなる不織布を立体的に開孔した開孔不織布や、フィルムを立体的に開孔した開孔フィルムが、伸縮物性を得やすい為好ましい。
【0034】
本実施形態の生理用ナプキン20は、下着に粘着部12a,12aを粘着固定し、装着者の漏出部に上層吸収体23aを表面シート21を介して当接させた状態で装着する。
装着中には、装着者の動作等によって、装着者の漏出部と生理用ナプキン20との間にずれが生じる。即ち、装着者の動作等によって下層吸収体23bに長手方向に力が加わると、下層吸収体23bが長手方向に移動する。そして、表面シート21の連設部21cが下層吸収体23bの移動に応じて変形し、上層吸収体23aの下層吸収体23bに対する長手方向の位相が変化する。その結果、装着者の液漏出部に上層吸収体23aが当接された状態は変わることなく保持される。下層吸収体23bへ加わっていた長手方向の力が無くなると、連設部21cに生じている応力によって連設部21cが元の形状に復元され、上層吸収体23aは下層吸収体23bの長手方向中央に配置される。
【0035】
また、装着者の動作によって上層吸収体23aに長手方向の力が加わると、上層吸収体23aが下層吸収体23bに対して長手方向に変位する。このとき、上層吸収体23aは、装着者の動作に追従して液漏出部に近接したまま変位するので液漏れが良好に防止される。上層吸収体23aへ加わっていた長手方向の力が無くなると、連設部21cに生じている応力によって連設部21cが元の形状に復元され、上層吸収体23aは下層吸収体23bの長手方向中央に配置される。
【0036】
この様に、本実施形態の生理用ナプキン20では、装着者の動作等に応じて上層吸収体23aが下層吸収体23bに対して長手方向に変位する。従って、本実施形態の生理用ナプキン20によれば、該生理用ナプキン20の長手方向に力が加わった場合において、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態の生理用ナプキン20によれば、吸収部13の上層吸収体23aが吸収シートを備えているので、高いフィット性を有し、漏れにくくヨレ難い吸収性物品が提供できる。
【0037】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、各部材の具体的な形状や寸法等は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
例えば、上記各実施形態において、上層吸収体13a,23a又は/及び下層吸収体13b,23bを、吸収シートに代えて又は吸収シートとともに、吸収パッドによって形成してもよい。
また、上層吸収体13a,23a及び下層吸収体13b,23bは、1枚の吸収シートを折り畳んで又は複数枚の吸収シートを積層させて2層、3層またはそれ以上の多数層に形成させたり、1枚の吸収シートで1層に形成させることができる。
下層吸収体13b,23bと裏面シート12とは、一枚のシート化されていてもよい。
【0038】
表面シート11,21は、上層吸収体13a,23aを、下層吸収体13b,23bに対して幅方向又は長手方向に位相変化自在に被覆していればよく、折り畳み形態は特に制限されるものではない。また、上層吸収体13a,23aを、下層吸収体13b,23bに対して幅方向及び長手方向の両方向に位相変化自在に被覆することもできる。
表面シート11,21は、上記実施形態の如く、上層吸収体13a,23a及び下層吸収体13b,23bを、幅方向中央部13a’,13b’又は長手方向中央部23a’’,23b’’を除いて被覆することが好ましいが、上層吸収体13a,23aと下層吸収体13b,23bとの間において当接させ、上層吸収体13a,23a全体及び下層吸収体13b,23bの上層吸収体13a,23a側の面全面を被覆することもできる。
吸収部13の側外方に、図2に点線で示す如く裏面シート12の側縁部を延長して防漏壁12’,12’を形成させ、又は液不透過性の防漏材を配置させて、一層確実に液漏れを防止してもよい。この防漏壁12’,12’や防漏材は、吸収部13と表面シート11,21の間に介在させても、表面シート11,21の外方に配置させてもよい。
【0039】
上記実施形態では生理用ナプキンの場合について説明したが、使い捨ておむつ等の他の吸収性物品でも同様に、下層吸収体と上層吸収体が位相変化自在となって、フィット性を向上させ、漏れを防止できる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した様に、請求項1に記載の発明に係る吸収性物品によれば、装着時に装着者の動作等に影響されることなく上層吸収体が装着者の体液漏出部に当接されて良好なフィット性が保持され、液漏れが良好に防止される。
また、上層吸収体が下層吸収体よりも幅狭なので、吸収部を、幅方向中央において従来よりも液吸収容量を多く形成させることができ、側縁部における液漏れが更に良好に防止される
【0041】
請求項2に記載の発明に係る吸収性物品によれば、上記請求項1記載の発明効果に加えて、上層吸収体が下層吸収体に対して上下方向の位相変化自在になしてあるので、装着者から離れる方向の力が作用しても、装着者の液漏出部に上層吸収体が当接された状態は保持され、フィット性が良好で、液漏れが一層良好に防止される。
【0042】
請求項3に記載の発明に係る吸収性物品によれば、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、装着者の動作につれて適度に上層吸収体の下層吸収体に対する位相が変化・復元されるので、フィット性がより良好で、漏れが更に一層良好に回避される。
【0044】
請求項に記載の発明に係る吸収性物品によれば、上記請求項1、請求項2又は請求項記載の発明の効果に加えて、吸収部の上層吸収体が吸収シートを備えているので、高いフィット性を有し、漏れにくくヨレ難い吸収性物品が提供できる。
【0045】
請求項に記載の発明に係る吸収性物品によれば、上記請求項記載の発明の効果に加えて、吸収部の上層吸収体が高吸収性ポリマーを含有する吸収シートを備えているので、加工性が良好であり且つ体液吸収量が多い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の第1の実施形態としての生理用ナプキンを示す斜視図である。
【図2】図1の生理用ナプキンの幅方向断面図である。
【図3】本発明の吸収性物品の第2の実施形態としての生理用ナプキンを示す斜視図である。
【図4】図3の生理用ナプキンの長手方向断面図である。
【符号の説明】
10 生理用ナプキン
11 表面シート
11c 連設部
11d 側縁部
12 裏面シート
12’ 防漏壁
12a 粘着部
13 吸収部
13a 上層吸収体
13a’ 幅方向中央部
13b 下層吸収体
13b’ 幅方向中央部
16 剥離紙
20 生理用ナプキン
21 表面シート
21c 連設部
21d 端部
23a 上層吸収体
23a’’長手方向中央部
23b 下層吸収体
23b’’長手方向中央部

Claims (5)

  1. 装着者に当接される液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び該表面シートと該裏面シートとの間に介在された液保持性の吸収部を有する吸収性物品において、
    上記吸収部は、上層吸収体と、該上層吸収体の非肌当接面側に配設された下層吸収体とを備え、該上層吸収体は、該下層吸収体と独立して形成され且つ該下層吸収体と実質的に非接触状態に配設され、上記下層吸収体に対して幅方向又は長手方向に位相変化自在に、上記表面シートにより被覆されており、
    上記上層吸収体は、その幅が上記下層吸収体の幅の20〜80%であり、その長さが該下層吸収体の長さより短くなされており、
    上記表面シートは、吸収性物品長手方向における両端部が、該表面シートの幅方向中央部分を含めて、上記裏面シートに固着されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 上記上層吸収体における上記下層吸収体側の幅方向中央部又は長手方向中央部を除く表面、及び上記下層吸収体における上記上層吸収体側の幅方向中央部又は長手方向中央部を除く上記上層吸収体側の表面が上記表面シートにより被覆されており、該表面シートは1枚の連続したシートからなっていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 上記表面シートは、吸収性物品の幅方向における200%伸長時の応力が200〜2000gであり、幅方向における永久歪みが70%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 上記上層吸収体は、吸収シートを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 上記吸収シートは、紙又は不織布間に高吸収性ポリマーを層状に介在させたシート、若しくは、親水性繊維と高吸収性ポリマー及びバインダーを混合してシート状に形成したものであることを特徴とする請求項に記載の吸収性物品。
JP19901796A 1996-07-29 1996-07-29 吸収性物品 Expired - Fee Related JP3737205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19901796A JP3737205B2 (ja) 1996-07-29 1996-07-29 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19901796A JP3737205B2 (ja) 1996-07-29 1996-07-29 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1033589A JPH1033589A (ja) 1998-02-10
JP3737205B2 true JP3737205B2 (ja) 2006-01-18

Family

ID=16400741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19901796A Expired - Fee Related JP3737205B2 (ja) 1996-07-29 1996-07-29 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3737205B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4224303B2 (ja) * 2001-05-22 2009-02-12 ユニ・チャーム株式会社 ***間パッド及びその包装体
JP4178041B2 (ja) * 2001-05-22 2008-11-12 ユニ・チャーム株式会社 ***間パッド
JP4271949B2 (ja) 2001-05-22 2009-06-03 ユニ・チャーム株式会社 ***間パッド
JP4178040B2 (ja) 2001-05-22 2008-11-12 ユニ・チャーム株式会社 ***間パッド
JP4178042B2 (ja) * 2001-05-22 2008-11-12 ユニ・チャーム株式会社 ***間パッド
EP1547551A1 (en) * 2003-12-22 2005-06-29 SCA Hygiene Products AB Absorbent product with low friction zone
JP5596994B2 (ja) 2010-02-19 2014-10-01 ユニ・チャーム株式会社 使い捨て着用物品
JP2021159347A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 大王製紙株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1033589A (ja) 1998-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3442943B2 (ja) 吸収性物品
US8927803B2 (en) Absorbent article
CA2487053C (en) Multiple layer absorbent article
JP4979423B2 (ja) 吸収性物品
JP3707915B2 (ja) 吸収性物品
JP4536024B2 (ja) 吸収性物品
JP3748002B2 (ja) 吸収性物品
WO2019126226A1 (en) Ultrathin absorbent hygienic pads
JP3442929B2 (ja) 吸収性物品
KR102478357B1 (ko) 흡수성 물품
WO2020190955A1 (en) Ultrathin absorbent articles with absorbent pods
JP4035470B2 (ja) 体液吸収性物品
JP4913383B2 (ja) 吸収性物品
JP3737205B2 (ja) 吸収性物品
JP2014064630A (ja) 吸収体及びこれを用いた吸収性物品
JP4580905B2 (ja) 吸収性物品
JP2899273B2 (ja) 吸収性物品
JP3791967B2 (ja) 吸収性物品
JP5129447B2 (ja) 吸収性物品
JPH09276333A (ja) 吸収性物品
JP3511435B2 (ja) 吸収性物品
JP6746852B2 (ja) 吸収性物品
JP6181421B2 (ja) 吸収性物品
JP4297714B2 (ja) 体液吸収性物品
JP3751074B2 (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050502

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111104

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees