JP3733162B2 - 内燃機関用燃料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用燃料供給装置に関し、詳しくは燃料ポンプを駆動するモータの供給電流を制御して燃料レール等に燃料を供給する内燃機関用燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の吸気ポート内に燃料を噴射する燃料供給システムは、燃料タンクから燃料ポンプにより汲上げられた燃料を燃料配管を介して燃料レールに導入し、この燃料レールに取り付けられた各気筒に対応する燃料噴射弁から吸気ポートに向けて噴射供給するようになっている。そして、燃料噴射弁に供給する燃料圧力を所定圧に保つために、燃料レールにプレッシャレギュレータを設けるとともに、余剰燃料を燃料タンクに戻すリターン管を設けている。
【0003】
このリターン管を備える燃料供給システムによると、内燃機関の近傍に燃料レールが位置することから、燃料レールが高温に加熱されて燃料レール内の燃料の温度が上昇し、それによって、リターン管から燃料タンクにリターンされる余剰燃料の温度も高くなり、燃料タンク内の燃料の温度が上昇してエバポエミッションが多量に発生する。更に、リターンする配管を必要とするので、コストが高くなるという不具合を生じる。
【0004】
そこで、燃料レール等の余剰燃料を燃料タンクに戻すリターン管を有しない燃料供給システム(リターンレス燃料供給システム)として、例えば特開平7−27029号公報に記載のエンジンの燃料供給装置が提案されている。
この装置は、燃料ポンプをインタンク式として、燃料ポンプと燃料レールとの間の燃料供給通路に、所定圧力に達すると通路を閉鎖する圧力制御弁(下流圧制御弁)を設け、かつ燃料ポンプ本体に下流圧制御弁で調圧される圧力よりも僅かに高い圧力で作動する調圧装置を設け、この調圧装置により、余剰燃料が直接燃料タンク内に循環するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このリターンレス燃料供給システムに用いられる下流圧制御弁は、燃料圧力に応じて作動するダイヤフラムとダイヤフラムを付勢するスプリングと弁部材を付勢するスプリングとによって、燃料レール内の燃料圧力を所定値に設定する構成であるので、この下流圧制御弁によって燃料圧力を低く設定した場合には、燃料レール内の温度が上昇するにつれてベーパが発生してしまう。つまり、燃料圧力を低く設定すると、例えば高温再始動時の様に内燃機関の温度が高い状態で燃料の流れが停止した場合には、燃料レール内の燃料の温度が(例えば80℃程度にも)高くなって燃料内にベーパが発生してしまう。そして、このベーパが発生すると、適正に燃料が噴射されないので、始動不能となるという問題がある。
【0006】
そこで、通常は、ベーパが発生しない様に、下流圧制御弁のダイアフラムを付勢するスプリング力を高くすることにより、燃料圧力を高めに設定しているが、この場合は、燃料圧力を高くすることによる別の問題が生じていた。
つまり、燃料圧力を高く設定するために、燃料ポンプの消費電力を増加しなければならないという問題や、高い燃料圧力に設定するために、燃料ポンプを酷使しなければならず、燃料ポンプ等の寿命が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、燃料ポンプの消費電力を低減し、しかも燃料ポンプ等の寿命を伸ばすことができる内燃機関用燃料供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、
内燃機関の燃料を噴射する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を供給する燃料レールと、該燃料レールに燃料を供給する燃料供給通路と、該燃料供給通路に燃料を圧送する燃料ポンプと、該燃料ポンプを駆動する直流電動モータの電流値又は電圧値を所定値に制御する電流制御部と、を備えた内燃機関用燃料供給装置であって、前記燃料レールを含む下流側の燃料圧力に応じて前記燃料供給通路を開閉制御して、下流側の燃料圧力を所定値に保つ下流圧制御弁と、該下流圧制御弁をバイパスして、該下流圧制御弁の上流側と下流側とを接続するバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するバイパス弁と、を備え、前記燃料ポンプの下流側に前記下流圧制御弁及びバイパス弁を配置するとともに、前記下流圧制御弁及びバイパス弁の下流側に前記燃料レールを配置し、更に、前記バイパス弁を、前記下流圧制御弁による燃料圧力を所定値に保つ制御の際に、上流側の圧力が下流側の圧力より所定値以上の差圧となった場合には開弁して、上流側の圧力を下流側に逃がすリリーフ弁としたことを特徴とする内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0010】
請求項2の発明は、前記バイパス弁の開弁圧が、前記燃料ポンプの通常時の吐出圧の場合には開弁しない値に設定されていることを特徴とする前記請求項1記載の内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0011】
請求項3の発明は、内燃機関の燃料を噴射する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を供給する燃料レールと、該燃料レールに燃料を供給する燃料供給通路と、該燃料供給通路に燃料を圧送する燃料ポンプと、該燃料ポンプを駆動する直流電動モータの電流値又は電圧値を所定値に制御する電流制御部と、を備えた内燃機関用燃料供給装置であって、前記燃料レールを含む下流側の燃料圧力に応じて前記燃料供給通路を開閉制御して、下流側の燃料圧力を所定値に保つ下流圧制御弁と、該下流圧制御弁をバイパスして、該下流圧制御弁の上流側と下流側とを接続するバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するバイパス弁と、を備え、前記燃料ポンプの下流側に前記下流圧制御弁及びバイパス弁を配置するとともに、前記下流圧制御弁及びバイパス弁の下流側に前記燃料レールを配置し、更に、前記バイパス弁を、上流側の圧力が下流側の圧力より大きくなる場合に、制御装置からの指令信号によって開弁制御される制御弁としたことを特徴とする内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0012】
請求項4の発明は、前記制御弁が、電磁弁であることを特徴とする前記請求項3記載の内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
請求項5の発明は、前記内燃機関の運転状態に応じて、前記電流制御部に制御信号を出力して前記直流電動モータの電流値を制御する装置制御手段を備え、該装置制御手段により、前記燃料ポンプの駆動状態を調節することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか記載の内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0013】
請求項6の発明は、前記内燃機関の運転状態が、前記燃料レール内の燃料圧力を増加させる所定の燃料圧力増加条件を満たす場合には、前記直流電動モータの電流値を大きくすることを特徴とする前記請求項5記載の内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0014】
請求項7の発明は、前記燃料圧力増加条件が、前記内燃機関の燃料が所定温度以上の高温における再始動時であることを特徴とする前記請求項6記載の内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0015】
請求項8の発明は、前記燃料圧力増加条件が、前記内燃機関の燃料が所定温度以下の低温における始動時であることを特徴とする前記請求項6記載の内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0016】
請求項9の発明は、前記燃料圧力増加条件が、ターボ使用時等の燃料噴射量を増加して燃焼状態を変更する場合であることを特徴とする前記請求項6記載の内燃機関用燃料供給装置を要旨とする。
【0017】
【発明の実施の形態及び発明の効果】
請求項1の発明では、電流制御部によって直流電動モータの電流値又は電圧値を所定値に制御して燃料ポンプを駆動し、この燃料ポンプによって燃料を圧送して燃料供給通路に供給し、燃料供給通路から燃料レールに燃料を供給し、燃料レールから供給された燃料を燃料噴射弁にて噴射する。そして、下流圧制御弁によって、下流側の圧力である燃料レール内の燃料圧力を所定値に保つ制御を行なうが、この下流圧制御弁をバイパスするバイパス通路に設けられたバイパス弁を開閉することによって、下流圧制御弁によって設定された燃料圧力を更に調節する。
【0018】
つまり、下流圧制御弁のみでは、単に燃料圧力を予め定められた所定値に設定できるだけであるが、実際には、運転状態に応じて燃料圧力を細かく調節したい場合がある、従って、この様な調整の要求に応じて、バイパス弁の開閉状態を調節することによって、一層好適に燃料圧力を設定することができる。
【0019】
また、本発明では、バイパス弁は、下流圧制御弁による燃料圧力を所定値に保つ制御の際に、上流側の圧力が下流側の圧力より所定値以上の差圧となった場合に開弁して、上流側の圧力を下流側に逃がすリリーフ弁である。従って、上流側の圧力が高くなると、バイパス弁(リリーフ弁)が開いてその高い圧力を下流側の燃料レール内に供給できるので、燃料圧力を好適に上昇させることができる。
【0020】
本発明では、例えば燃料ポンプの吐出圧をP1、燃料レール内の燃料圧力をP2、リリーフ弁の開弁する差圧△Pとすると、それらの関係は、下記式(1)、(2)となる。
【0021】
P2=P1−△P …(1)
P1=P2+△P …(2)
この関係を、図2に示すが、通常時は、燃料レールの燃料圧力(通常時F/R燃圧P2)は一定であり、この通常時F/R燃圧P2より高めに燃料ポンプの吐出圧(通常時F/P吐出圧P1)が設定されている。そして、必要時には、燃料ポンプの吐出圧(必要時F/P吐出圧P1’)が高められるが、リリーフ弁の開弁圧(差圧)は△Pであるので、燃料レールの燃料圧力(必要時F/R燃圧P2’)はこの差圧△Pだけ低い圧力に設定されることになる。つまり、この様にリリーフ弁の差圧△Pが設定されていることにより、常に、燃料ポンプの吐出圧に応じて適正な燃料レール内の燃料圧力が設定されることになる。
【0022】
尚、図2において、燃料供給量の増加に応じてグラフが右下がりになるのは、燃料ポンプの流体損失に起因するものである。
請求項2の発明では、バイパス弁の開弁圧が、燃料ポンプの通常時の吐出圧の場合には開弁しない値に設定されている。つまり、前記図2に示す様に、リリーフ弁開弁圧は、必要時F/R燃圧P2’が通常時F/P燃圧P1を上回る様に設定されている。これは、必要とする場合にのみリリーフ弁を開いて、燃料レール内の圧力を通常の値より増加させ、それ以外の場合には、リリーフ弁が開弁することを防止するためである。従って、通常時はリリーフ弁を通って燃料レールに燃料が供給されることはないが、必要時に燃料ポンプの吐出圧が増大されると、このリリーフ弁が開いて、燃料レール内の燃料圧力が増加することになる。
【0023】
請求項3の発明では、前記請求項1の発明と同様に、電流制御部によって直流電動モータの電流値又は電圧値を所定値に制御して燃料ポンプを駆動し、この燃料ポンプによって燃料を圧送して燃料供給通路に供給し、燃料供給通路から燃料レールに燃料を供給し、燃料レールから供給された燃料を燃料噴射弁にて噴射する。そして、下流圧制御弁によって、下流側の圧力である燃料レール内の燃料圧力を所定値に保つ制御を行なうが、この下流圧制御弁をバイパスするバイパス通路に設けられたバイパス弁を開閉することによって、下流圧制御弁によって設定された燃料圧力を更に調節する。
つまり、下流圧制御弁のみでは、単に燃料圧力を予め定められた所定値に設定できるだけであるが、実際には、運転状態に応じて燃料圧力を細かく調節したい場合がある、従って、この様な調整の要求に応じて、バイパス弁の開閉状態を調節することによって、一層好適に燃料圧力を設定することができる。
また、本発明では、バイパス弁は、上流側の圧力が下流側の圧力より大きくなる場合に、例えばコンピュータ等の制御装置からの指令信号によって開弁制御される制御弁である。従って、制御弁の開弁のタイミングを適宜選択できるので、精密な圧力制御を行なうことができる。
【0024】
請求項4の発明では、制御弁として、電磁弁を採用できる。
請求項5の発明では、内燃機関の運転状態に応じて、電流制御部の電流値を制御することにより、燃料ポンプの駆動状態(即ち燃料の吐出圧)を調節する。それによって、上述したバイパス弁を介して燃料レール内の燃料圧力を調節することが可能となるので、様々な運転状態に適宜好適に対応して、燃料圧力の調節を容易に且つ精密に行なうことができる。
【0025】
請求項6の発明では、内燃機関の運転状態が、燃料レール内の燃料圧力を増加させる所定の燃料圧力増加条件を満たす場合には、直流電動モータの電流値を大きくする。つまり、所定の運転状態の場合には、燃料ポンプのモータの電流値を増加させてポンプの吐出力を増加させる制御を行なうので、上述したバイパス弁を介してより高い圧力の燃料を燃料レール内に供給することができ、それによって、燃料レール内の燃料圧力を増加させることができる。
【0026】
請求項7の発明は、燃料圧力増加条件として、内燃機関の燃料が所定温度以上の高温における再始動時である条件を採用できる。つまり、高温再始動時には、(エンジンからの余熱と燃料の滞留のため)燃料の温度が通常の運転時より高くなり、ベーパが発生し易くなるが、本発明では、高温再始動時には、燃料ポンプの電流値を大きくして燃料圧力を高めているので、ベーパの発生を抑えることができ、よって、始動性を良好に保つことができる。また、本発明では、高温再始動時等の様に、必要な場合のみ燃料圧力を高めるので、それ以外の場合は、燃料圧力(即ち下流圧制御弁による設定圧)を低く設定することができる。そのため、燃料ポンプの消費電力を低減できるという効果があり、また、通常の燃料圧力が低いので、燃料ポンプ等の寿命を伸ばすことができるという利点がある。
【0027】
請求項8の発明では、燃料圧力増加条件として、内燃機関の燃料が所定温度以下の低温における始動時の条件を採用できる。但し、この所定温度は前記請求項7の所定温度よりも低い値である。つまり、低温における始動時には、機関は冷えており燃焼状態はあまり良くないため、エミッションが悪化するが、本発明では、低温始動時には、燃料ポンプの電流値を大きくして燃料圧力を高めているので、燃料噴射における噴霧の粒径が小さくなる。そのため、燃焼状態が改善されて、特にHCの排出量が低減され、排気ガスの浄化に寄与するという効果がある。
【0028】
請求項9の発明では、燃料圧力増加条件として、ターボ使用時等の燃料噴射量を増加して燃焼状態を変更する条件を採用できる。例えばターボを使用するときには、通常は燃料噴射量を増加するが、この場合燃料圧力を増加しておくことによって、噴射弁パルス幅が同じ場合でも、ターボの使用に応じて適切に燃料噴射量を増加することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の内燃機関用燃料供給装置の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
a)図3に、本実施例の内燃機関用燃料供給装置(以下単に燃料供給装置と記す)のシステム構成図を示す。
【0030】
図3に示すように、燃料供給装置は、燃料タンク1内に配設される燃料ポンプ3と、燃料ポンプ3の吸入側に接続される低圧燃料フィルタ5と、この燃料ポンプ3の吐出側に燃料配管7を介して接続される高圧燃料フィルタ9と、高圧燃料フィルタ9の出口側に燃料配管11を介して接続される圧力制御弁13と、圧力制御弁13の下流側に配置される燃料レール15と、燃料レール15に気筒数分、配設され図示しない内燃機関の吸気ポートに向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁17と、バッテリ21から燃料ポンプ3に供給される電力を電流制御によって制御する定電流型制御回路23と、燃料噴射弁17や定電流制御回路23等を制御する電子制御装置(ECU)25とから構成されている。
【0031】
このECU25には、図示しない周知のROM、RAM、バックアップRAM、CPU、入出力部、及びそれらを接続するバスラインが設けられている。そして、入出力部には、例えば冷却水温を検出する水温センサ27、燃料温度を検出する燃料温度センサ29、ターボの作動状態を検出するターボセンサ31等が接続され、それらの検出信号が入力される。また、入力部には、始動時を検出するために、イグニッションの状態を示すイグニッションスイッチ33からの信号が入力される。更に、入出力部には、定電流制御回路23、燃料噴射弁17が接続され、それらに制御信号が出力される。
【0032】
この燃料供給システムは、リターンレス供給燃料システムであるため、燃料レール15等から燃料タンク1に戻るリターン管を有しない。そのため、本実施例では、通常は、燃料レール15からの燃料噴射量に対して燃料レール15内の燃料圧力が一定となるように、定電流型制御回路23によって燃料ポンプ3のポンプモータ(直流電動モータ)への供給電流を制御している。
【0033】
b)次に、前記システムのうち本実施例の要部である圧力制御弁13の構成について説明する。
圧力制御弁13は、大きく分けて、燃料配管11と燃料レール15との間に設けられた下流圧制御弁35と、この下流圧制御弁35をバイパスする通路に設けられたバイパス弁37とからなり、下流圧制御弁35にバイパス弁37が組み込まれた構造をしている。
【0034】
前記下流圧制御弁35は、後述する様に、図示しないインテークマニホールドから導入する負圧とスプリングの圧力と燃料圧力とに応じて作動するものであり、燃料配管11から燃料レール15に至る通路を開閉制御することによって、燃料レール15内の燃料圧力(下流圧)を所定値に設定する。尚、本実施例では、この燃料圧力の設定値は、後述する様に燃料高温時のベーパの対策が施して有るので、従来の値より低めに設定されている。
【0035】
一方、バイパス弁37は、後述する様に、燃料ポンプ3の吐出圧を増大した場合に、上流の燃料配管11側の燃料圧力が下流の燃料レール15側の圧力より、所定の差圧△P以上になったときに開弁する(前記図2に示す特性を有する)リリーフ弁であり、この開弁によって、上流側から下流側に燃料を供給して、燃料レール15内の燃料圧力を上昇させる。
【0036】
以下、下流圧制御弁35とバイパス弁37との構成を、圧力制御弁13の全体構成とともに詳細に説明する。
図4に示す様に、圧力制御弁13は、ボデイ57とカバー63との境界でダイアフラム60を巻締め固定している。ダイアフラム60はその中央部をバルブ押え58とロアシート59とにより挟持されており、ダイヤフラム60、バルブ押え58及びロアシート59が一体に往復動する。ロアシート59は、カバー63の内壁とロアシート59との間に位置する圧縮コイルスプリング54により、後述する第2圧力室としてのダイアフラム下部室68方向(図の下方の開弁方向)に付勢されている。
【0037】
圧縮コイルスプリング54が収容される第1圧力室としてのダイアフラム上部室69は、パイプ64によってインテークマニホールドと接続されており、このダイアフラム上部室69の内圧はインテークマニホールド内の負圧に設定されている。
【0038】
一方、ボデイ57には、燃料配管11と接続されるパイプ55が筒状のコネクタ56を介して接続されている。また、ボデイ57には、燃料レール15に取付可能なコネクタ66がフランジ65により取り付けられている。ボデイ57内に形成されるダイアフラム下部室68には、一端側にパイプ55を有する前記コネクタ56が収容されており、このコネクタ56内には、弁座52bを有する円筒状の弁本体52と弁本体52内を摺動可能な内ガイド51bを有する弁部材51とが収容されている。この弁部材51は、コネクタ56内に収容される圧縮コイルスプリング53により、閉弁方向(図の上方)に付勢されている。
【0039】
前記弁部材51は、図5に示す様に、内ガイド51b側に向かって先細りに形成されるテーパ状の(前記弁座52bと当接する)当接部51cを有しており、この当接部51cと内ガイド51bとの間には円柱形状のスプール51aを有している。このスプール51aの外径は弁本体52の内径よりも僅かに小径にされている。また、内ガイド51bは、十字状の径方向断面形状を有しており、スプールとの接続部付近においては、切欠部51dが形成されている。
【0040】
以上が、主として下流圧制御弁35を構成する部分であるが、特に、本実施例では、下流圧制御弁35をバイパスするバイパス弁37が設けられている。
つまり、上流側のパイプ55と下流側のコネクタ66を連通する様に、コネクタ56の壁面に連通路(バイパス通路71)が設けられ、このバイパス通路71をコネクタ66側(即ち燃料レール15側)から開閉制御する様にバイパス弁37が配置されている。
【0041】
このバイパス弁37は、バイパス通路71に当接する弁部材37aと、弁部材37aを閉弁方向(図の左方向)に付勢する圧縮コイルスプリング37bと、圧縮コイルスプリング37bを係止する係止部材37cとから構成されている。
c)次に、前記システムの動作を、図3〜図5に基づいて、圧力制御弁13の動作とともに説明する。
【0042】
▲1▼図3に示す様に、上述したシステムでは、基本的動作として、燃料タンク1内に配設された燃料ポンプ3によって燃料を汲上げるときに、低圧燃料フィルタ5によって異物等が取り除かれ、この燃料ポンプ3によって汲上げられた燃料が燃料配管7を介して高圧燃料フィルタ9に送られる。次に、高圧燃料フィルタ9では、燃料に含まれる微小な異物、水分等が取り除かれ、この濾過された燃料が燃料配管11を通り、圧力制御弁13を介して燃料レール15に送られる。そして、燃料レール15に供給される高圧燃料は、燃料噴射弁17から内燃機関の吸入ポートに向けて噴射される。
【0043】
▲2▼ここで、前記圧力制御弁13は、図4に示す様に、ダイアフラム上部室69とダイヤフラム下部室68との差圧が所定値より大きくなると、弁部材51の当接部51cが弁本体52の弁座52bに(図の上方に移動して)着座して閉弁し、その後、燃料噴射等によって燃料圧力が目標燃料圧力値まで低下すると、弁部材51の当接部51cが弁本体52の弁座52bから離座して開弁する。これにより、圧力制御弁13の下流側に位置する燃料レール15内の燃料圧力が一定値となるように制御している。
【0044】
つまり、ダイアフラム上部室69内の圧力(即ちインテークマニホールド圧)と、ダイアフラム下部室68内に導入される燃料圧力(即ち燃料レール15内の燃料圧力)と、ダイアフラム69内の圧縮コイルスプリング54の開弁方向の付勢力と、圧縮コイルスプリング53の閉弁方向の付勢力との均衡により、バルブ押え58の位置が変位し、この変位によってバルブ押え58に当接する弁部材51が、閉弁方向又は開弁方向に移動する。
【0045】
具体的には、燃料噴射等によって、ダイヤフラム下部室68内の高圧燃料が燃料レール15を介して排出され、ダイアフラム下部室68内の燃料圧力が低下することによって、ダイアフラム上部室69の内圧と圧縮コイルスプリング54の付勢力との和が、ダイアフラム下部室68内の燃料圧力と圧縮コイルスプリング53の付勢力との和より大きくなると、バルブ押え58が開弁方向(図の下方)に変位し、バルブ押え58に押されて弁部材51が開弁する。そして、この開弁により、ダイアフラム下部室68内の燃料圧力は次第に増加するため、ダイアフラム上部室69の内圧と圧縮コイルスプリング54の開弁方向の付勢力との和より、ダイアフラム下部室68内の燃料圧力と圧縮コイルスプリング53の閉弁方向の付勢力との和の方が大きくなるので、バルブ押え58が閉弁方向(図の上方)に変位して弁部材51が閉弁する
▲3▼従って、上述した動作において、燃料配管11から圧力制御弁13に供給された燃料が、パイプ55を介してコネクタ56内に流入するとき、前記開弁となる圧力状態である場合には、弁部材51の当接部51cが弁本体52の弁座52bより離座して開弁しているので、当接部51cと弁座52bとの間に形成される流路を通って弁部材51の切欠部51dに流入する。そして、この切欠部51dに流入した燃料は、弁部材51の内ガイド51bと弁部材52の内周面52aとの間を通り抜け、ダイアフラム下部室68内に流入し、コネクタ66を介して燃料レール15に供給される。
【0046】
その後、この供給される燃料によって、燃料レール15内の圧力が増加し、前記閉弁となる圧力状態となると、弁部材51の当接部51cが弁本体52の弁座52bに着座して閉弁する。
よって、この開弁及び閉弁の動作によって、通常の燃料噴射が実行されている場合には、燃料レール15内の燃料圧力が所定値に保たれることになる。
【0047】
▲4▼そして、この様な通常の動作の際に、一旦内燃機関が停止され、その後再始動されるとき(高温再始動時)には、燃料噴射の停止によって燃料温度は上昇しているので、そのままでは、ベーパが発生してしまう。
そこで、本実施例では、高温再始動時には、燃料ポンプ3の吐出圧を増加させて、燃料レール15内の燃料圧力を増加するために、下記図6のフローチャートに示す様な制御を行なっている。
【0048】
つまり、図6のステップ100では、まず、水温センサ27や燃料温度センサ29からの信号を読み込む。
続く110では、読み込んだ信号に基づいて、燃料温度が所定値以上の高い状態であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0049】
ステップ120では、イグニッションスイッチ33からの信号に基づいて、イグニッションキーがスタート位置であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ130に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ130では、高温再始動時であると判断されたので、定電流制御回路23に制御信号を出力して、燃料ポンプ3の直流電動モータの電流値を高めに変更し、一旦本処理を終了する。尚、この高められた電流値は、所定時間後に通常の電流値に戻す。
【0050】
▲5▼この制御による圧力の変化の状態を図7に示すが、燃料レール15の燃料圧力(F/R燃圧)P2は、燃料ポンプ3の吐出圧(F/P吐出圧)P1が増加するにつれて徐々に増加する。そして、F/P吐出圧P1が下流圧制御弁35の設定圧P2aに達すると、F/P吐出圧P1の増加にかかわらず、下流圧制御弁35によってその一定の設定圧P2aに制御される。尚、通常時の燃料ポンプ3は、前記図2に示した様に、(通常時)F/P吐出圧P1が(通常時)F/R燃圧P2よりも若干高めになる様に、定電流で運転されている。
【0051】
そして、上述したステップ110、120の条件が成立して、燃料ポンプ3の電流値が増加され、それによってF/P吐出圧P1が所定の圧力(制御圧)P1aに差圧△Pを加えた圧力P1bとなると、バイパス弁37が開弁し、F/R燃圧P2が増加するのである。
【0052】
つまり、この制御によって、高温再始動時には燃料ポンプ3の吐出圧は増加するが、燃料レール15内の燃料圧力は所定の値(下流圧制御弁の設定圧P2a)であるので、下流圧制御弁35は開弁しない。ところが、本実施例では、リリーフ弁であるバイパス弁37が設けてあるので、図7に示す様に、燃料ポンプ3の吐出圧が徐々に増加して、このバイパス弁37を開弁する所定の(上流側と下流側の)差圧△Pとなると開弁する。それによって、このバイパス弁37を介して高圧の燃料が下流側に供給されるので、燃料レール15内の燃料圧力が通常の設定値より増大する。その結果、高温再始動時の様に燃料が高温の場合には、燃料圧力が増大することになり、それによってベーパの発生を防止することができるので、高温再始動時における始動性を良好にすることができる。
【0053】
また、本実施例では、上述したように、必要な場合のみ燃料圧力を増加してベーパの発生を防止できるので、それ以外の通常の場合は、従来より低めに燃料圧力を設定できる。そのため、燃料ポンプ3の消費電力を低減できるとともに、燃料ポンプ3等の寿命を伸ばすことができるという顕著な効果を奏する。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。
【0054】
本実施例は、前記実施例1とは、圧力制御弁の構造が異なる。尚、本実施例の説明では、前記実施例1と同様なハード構成などは省略又は簡略化するが、図番は同様なものを用いる。
図8に示す様に、本実施例の圧力制御弁81は、下流圧制御弁82の軸中心に、リリーフ弁であるバイパス弁83が設けられたものである。
【0055】
本実施例の圧力制御弁81では、図示しないボデイ内に形成されるダイアフラム下部室84には、筒状のコネクタ85が収容されており、このコネクタ85内には、円筒状の弁本体86と弁本体86内を摺動可能な内ガイド87aを有する弁部材87が収容されている。この弁部材87は、コネクタ85の下部内に収容される圧縮コイルスプリング89により、閉弁方向(図8(c)の上方)に付勢されている。
【0056】
前記弁部材87は、内ガイド87a側に向かって先細りに形成されるテーパ状の当接部87bを有している。内ガイド87aは、内部に貫通孔87cを有する十字状の径方向断面形状(図8(a)参照)を有しており、その下部及び上部にて切欠部87d、87eが形成されている。
【0057】
以上が、主として下流圧制御弁82を構成する部分であるが、特に、本実施例では、下流圧制御弁82の軸中心に、下流圧制御弁82をバイパスするバイパス通路90に、バイパス弁83の弁部材91が配置されている。
このバイパス弁83は、上流側の燃料圧力が下流側の燃料圧力より所定の差圧以上となった場合に、弁部材91が開弁方向(図8(c)の上方に)移動して開弁するものであり、弁部材91は、バイパス通路90を開閉するテーパ状の先端部91aと、この先端部91aから後端側に伸びて前記バイパス通路90に摺動可能に内嵌される内ガイド91bとから構成されている。また、この内ガイド91bは、十字状の径方向断面形状(図8(a)参照)を有しており、その上端面には、弁部材91を閉弁方向(図8(c)の下方)に付勢する圧縮コイルスプリング92が配置されている。
【0058】
次に、この圧力制御弁81の動作を説明する。
まず、燃料レール15側の燃料圧力が、下流圧制御弁82の設定圧力より低い場合は、前記実施例1で述べたのと同様な圧力バランスにより、弁部材87が図8(c)の下方に移動するので、下流圧制御弁82は開弁している。
【0059】
次に、この状態で燃料圧力が徐々に増加し、前記設定圧に達すると下流圧制御弁82は閉弁する。
そして、高温再始動時の様に、燃料温度が上昇する場合には、燃料ポンプ3の電流値を高める制御を行なうことによって、その吐出圧を増加させ、それによって徐々に上流側の燃料圧力を増大させる。
【0060】
この上流側の燃料圧力が増大して、前記上流側と下流側の差圧がバイパス弁83の開弁圧に達すると、バイパス弁83の弁部材91が圧縮コイルスプリング92の付勢力に抗して図8(c)の上方に移動して開弁する。これによって、燃料レール15内の燃料圧力が増加することになる。
【0061】
本実施例においても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、下流圧制御弁82とバイパス弁83とが同軸に設けられて、同方向に移動するので、弁の動作が滑らかであるという利点がある。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。
【0062】
本実施例は、前記実施例1とは、燃料ポンプの吐出圧を増加させる条件が異なる。尚、本実施例の説明では、前記実施例1と同様なハード構成などは省略又は簡略化するが、図番は同様なものを用いる。
図9のフローチャートに示す様に、ステップ200では、まず、水温センサ27や燃料温度センサ29からの信号を読み込む。
【0063】
続く210では、読み込んだ信号に基づいて、燃料温度が低い状態であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ220に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ220では、イグニッションスイッチ33からの信号に基づいて、イグニッションキーがスタート位置であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ230に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0064】
ステップ230では、低温始動時であると判断されたので、定電流制御回路23に制御信号を出力して、燃料ポンプ3の直流電動モータの電流値を高めに変更し、一旦本処理を終了する。尚、この高められた電流値は、所定時間後に通常の電流値に戻す。
【0065】
この様に、本実施例では、低温始動時である場合には、燃料ポンプ3の吐出圧を増加させて、リリーフ弁であるバイパス弁37を開弁することにより、燃料レール15内の燃料圧力を増加させている。それによって、燃料の霧化の程度が向上するので、排出されるHCを低減して、排気ガスを浄化能力を向上することができる。
(実施例4)
次に、実施例4について説明する。
【0066】
本実施例は、前記実施例1、3とは、燃料ポンプの吐出圧を増加させる条件が異なる。尚、本実施例の説明では、前記実施例1と同様なハード構成などは省略又は簡略化するが、図番は同様なものを用いる。
図10のフローチャートに示す様に、ステップ300では、ターボセンサ31からの信号を読み込む。
【0067】
続く310では、読み込んだ信号に基づいて、ターボ作動中であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ320に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ320では、ターボ作動中であると判断されたので、定電流制御回路23に制御信号を出力して、燃料ポンプ3の直流電動モータの電流値を高めに変更し、一旦本処理を終了する。尚、この高められた電流値は、ターボ停止後通常の電流値に戻す。
【0068】
この様に、本実施例では、ターボ作動中には、燃料ポンプ3の吐出圧を増加させて、リリーフ弁であるバイパス弁37を開弁することにより、燃料レール15内の燃料圧力を増加させている。それによって、燃料噴射弁17のダイナミックレンジを変更するので、同じ噴射弁パルス幅の場合でも多くの燃料を噴射することができ、エンジンの制御性が向上するという利点がある。
(実施例5)
次に、実施例5について説明する。
【0069】
本実施例は、前記実施例1〜4とは使用するバイパス弁が異なり、バイパス弁として制御信号にて開閉する電磁弁を用いる。尚、本実施例の説明では、前記実施例1と同様なハード構成などは省略又は簡略化するが、図番は同様なものを用いる。
【0070】
図11に示す様に、本実施例では、前記実施例1とほぼ同様な構造の圧力制御弁(但し実施例1のバイパス弁の構造を除く)95において、圧力制御弁95の中の下流圧制御弁99をバイパスするバイパス通路96を設け、このバイパス通路96を開閉する電磁弁97を設けている。
【0071】
この電磁弁97は、常時は圧縮コイルスプリング97aによってバイパス通路96を閉鎖し、通電時は弁部材97bをソレノイド97cの電磁力によって移動させることにより、バイパス通路96を開放するものである。尚、本実施例では、下流圧制御弁99の上流側と下流側に、各々の燃料圧力を検出する図示しない上流側センサと下流側センサとが設けられている。
【0072】
次に、本実施例の制御動作を説明する。
図12のフローチャートに示す様に、ステップ400では、まず、水温センサ27や燃料温度センサ29からの燃料温度に関する信号に加え、上流側センサ及び下流側センサから、上流側の燃料圧力及び下流側の燃料圧力に関する信号を読み込む。
【0073】
続く410では、読み込んだ信号に基づいて、燃料温度が高い状態であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ420に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ420では、イグニッションスイッチ33からの信号に基づいて、イグニッションキーがスタート位置であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ430に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0074】
ステップ430では、高温再始動時であると判断されたので、定電流制御回路23に制御信号を出力して、燃料ポンプ3の直流電動モータの電流値を高めに変更する。
続くステップ440では、上流側の燃料圧力が下流側の燃料圧力より所定値以上大きくなったか否か、即ち上流側と下流側の燃料圧力の差圧が所定値以上となったか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ450に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0075】
ステップ450では、前記所定値以上の差圧となったので、電磁弁97に通電してバイパス通路96を開き、上流側の高い燃圧の燃料を下流側に供給して、燃料レール15内の燃料圧力を高め、一旦本処理を終了する。
この様に、本実施例では、高温再始動時には、燃料ポンプ3の吐出圧を増加させるとともに、電磁弁97によりバイパス通路96を開くことにより、燃料レール15内の燃料圧力を増加させているので、前記実施例1と同様な効果を奏する。それとともに、電磁弁97の開弁タイミングの設定の変更が容易であるので、より精密な制御を行なうことができるという利点がある。
【0076】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本実施例の要旨を逸脱しない範囲内で各種の態様で実施できることは勿論である。
例えば、前記実施例では、燃料ポンプの制御を電流値制御にて行なう例を示したが、電圧値制御でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項7の発明を例示する概略構成図である。
【図2】 燃料ポンプの吐出圧と燃料レールの燃料圧力との関係を示すグラフである。
【図3】 実施例1の内燃機関用燃料供給装置が適用されるシステム構成図である。
【図4】 実施例1の圧力制御弁を示す断面図である。
【図5】 実施例1の圧力制御弁の要部を示し、(a)は(b)におけるA−A断面図、(b)は弁本体等の要部を示す断面図である。
【図6】 実施例1の制御処理を示すフローチャートである。
【図7】 実施例1における燃料圧力の変化を示すグラフである。
【図8】 実施例2の圧力制御弁の要部を示し、(a)は弁本体及びバイパス弁の平面図、(b)は内ガイドの上部を示す斜視図、(c)は弁本体等の要部を示す断面図である。
【図9】 実施例3の制御処理を示すフローチャートである。
【図10】 実施例4の制御処理を示すフローチャートである。
【図11】 実施例5の圧力制御弁及び電磁弁を示す断面図である。
【図12】 実施例5の制御処理の一部をフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料タンク
3…燃料ポンプ
7、11…燃料配管
13、95…圧力制御弁
15…燃料レール
17…燃料噴射弁
23…定電流型制御回路
25…電子制御装置(ECU)
35、82、99…下流圧制御弁
37、83…バイパス弁
71、96…バイパス通路
97…電磁弁
Claims (9)
- 内燃機関の燃料を噴射する燃料噴射弁と、
該燃料噴射弁に燃料を供給する燃料レールと、
該燃料レールに燃料を供給する燃料供給通路と、
該燃料供給通路に燃料を圧送する燃料ポンプと、
該燃料ポンプを駆動する直流電動モータの電流値又は電圧値を所定値に制御する電流制御部と、
を備えた内燃機関用燃料供給装置であって、
前記燃料レールを含む下流側の燃料圧力に応じて前記燃料供給通路を開閉制御して、下流側の燃料圧力を所定値に保つ下流圧制御弁と、
該下流圧制御弁をバイパスして、該下流圧制御弁の上流側と下流側とを接続するバイパス通路と、
該バイパス通路を開閉するバイパス弁と、
を備え、
前記燃料ポンプの下流側に前記下流圧制御弁及びバイパス弁を配置するとともに、前記下流圧制御弁及びバイパス弁の下流側に前記燃料レールを配置し、
更に、前記バイパス弁を、前記下流圧制御弁による燃料圧力を所定値に保つ制御の際に、上流側の圧力が下流側の圧力より所定値以上の差圧となった場合に開弁して、上流側の圧力を下流側に逃がすリリーフ弁としたことを特徴とする内燃機関用燃料供給装置。 - 前記バイパス弁の開弁圧が、前記燃料ポンプの通常時の吐出圧の場合には開弁しない値に設定されていることを特徴とする前記請求項1記載の内燃機関用燃料供給装置。
- 内燃機関の燃料を噴射する燃料噴射弁と、
該燃料噴射弁に燃料を供給する燃料レールと、
該燃料レールに燃料を供給する燃料供給通路と、
該燃料供給通路に燃料を圧送する燃料ポンプと、
該燃料ポンプを駆動する直流電動モータの電流値又は電圧値を所定値に制御する電流制御部と、
を備えた内燃機関用燃料供給装置であって、
前記燃料レールを含む下流側の燃料圧力に応じて前記燃料供給通路を開閉制御して、下流側の燃料圧力を所定値に保つ下流圧制御弁と、
該下流圧制御弁をバイパスして、該下流圧制御弁の上流側と下流側とを接続するバイパス通路と、
該バイパス通路を開閉するバイパス弁と、
を備え、
前記燃料ポンプの下流側に前記下流圧制御弁及びバイパス弁を配置するとともに、前記下流圧制御弁及びバイパス弁の下流側に前記燃料レールを配置し、
更に、前記バイパス弁を、上流側の圧力が下流側の圧力より大きくなる場合に、制御装置からの指令信号によって開弁制御される制御弁としたことを特徴とする内燃機関用燃料供給装置。 - 前記制御弁が、電磁弁であることを特徴とする前記請求項3記載の内燃機関用燃料供給装置。
- 前記内燃機関の運転状態に応じて、前記電流制御部に制御信号を出力して前記直流電動モータの電流値を制御する装置制御手段を備え、該装置制御手段により、前記燃料ポンプの駆動状態を調節することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか記載の内燃機関用燃料供給装置。
- 前記内燃機関の運転状態が、前記燃料レール内の燃料圧力を増加させる所定の燃料圧力増加条件を満たす場合には、前記直流電動モータの電流値を大きくすることを特徴とする前記請求項5記載の内燃機関用燃料供給装置。
- 前記燃料圧力増加条件が、前記内燃機関の燃料が所定温度以上の高温に おける再始動時であることを特徴とする前記請求項6記載の内燃機関用燃料供給装置。
- 前記燃料圧力増加条件が、前記内燃機関の燃料が所定温度以下の低温における始動時であることを特徴とする前記請求項6記載の内燃機関用燃料供給装置。
- 前記燃料圧力増加条件が、ターボ使用時等の燃料噴射量を増加して燃焼状態を変更する場合であることを特徴とする前記請求項6記載の内燃機関用燃料供給装置。
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