JP3729066B2 - 車両用4灯式ヘッドライト、車両用ヘッドライト装置及びその改造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の4灯式ヘッドライト、車両用ヘッドライト装置及びその改造方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の車両用ヘッドライト装置としては2灯式及び4灯式のものが広く採用されている。この2灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ1つの灯具を配置したもので、各灯具にHiビームバルブとLoビームバルブとが一緒に収容されている。そして、ディマースイッチの操作により各灯具におけるHi及びLoビームバルブの点灯状態を切り換え、対向車や歩行者等に対する幻惑を防ぐためのLoビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させる一方、Hiビーム状態にするとき又はパッシングを行うときには、逆にHiビームバルブを点灯させてLoビームバルブを消灯させるようになっている。
【0003】
一方、後者の4灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ2つの灯具を並べて配置したもので、その一方(車幅方向中央側)の灯具にHiビームバルブが、また他方(車幅方向外側)の灯具にLoビームバルブがそれぞれ別々に収容されており、ディマースイッチの操作により、Loビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させるが、Hiビーム状態にしたりパッシングを行ったりするときには、上記Loビームバルブを点灯させたままHiビームバルブを点灯させるようになっている。
【0004】
これら2灯式及び4灯式ヘッドライト装置の回路構成について説明すると、図3は2灯式ヘッドライト装置の回路を車両の左右両側のうちの一側について示しており、1はHiビームバルブ、2はLoビームバルブで、これら両ビームバルブ1,2は、両ビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのH/Lリレー4(ヘッドライトリレー)に並列に接続されている。このH/Lリレー4は常時開(常時OFF)のスイッチ部4a及びそれを開閉させるソレノイド部4bからなり、スイッチ部4aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が両ビームバルブ1,2にそれぞれ接続されている。ソレノイド部4bは車室に配置したコンビネーションスイッチ群のうちのH/Lスイッチ(図示せず)に接続されており、H/Lスイッチのビームバルブ点灯操作によりソレノイド部4bを励磁させてスイッチ部4aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、Hi又はLoビームバルブ1,2に通電して点灯させる。
【0005】
6は上記Hi及びLoビームバルブ1,2の点灯切換えを行うために切換操作されるディマースイッチで、このディマースイッチ6は可動接点6a、Hiビーム側接点6b及びLoビーム側接点6cからなり、可動接点6aはアースに、またHiビーム側接点6bは上記Hiビームバルブ1に、さらにLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2にそれぞれ接続されており、H/Lリレー4のON状態で、可動接点6aをHiビーム側接点6bに切り換えたときには、Hiビームバルブ1に電流を流してそれを点灯させるHiビーム状態とする一方、可動接点6aをLoビーム側接点6cに切り換えたときには、Loビームバルブ2に電流を流してそれを点灯させるLoビーム状態とするようにしている。
【0006】
上記ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとLoビームバルブ2との間の回路はメータ内ビームランプ8を介してアースに接続されている。このメータ内ビームランプ8は、図外のインストルメントパネルにおけるメータ内で上記Hiビームバルブ1の点灯状態を乗員に示すためのもので、Hiビームバルブ1が点灯しているときに同時に点灯する。
【0007】
すなわち、ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられてLoビームバルブ2が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8の両端に電圧が印加されないので、メータ内ビームランプ8が点灯しないが、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8にLoビームバルブ2を介して電源電圧が印加されることになり、そのLoビームバルブ2は非点灯状態にあって発熱せずに単なるダミー抵抗として機能し、このことでメータ内ビームランプ8が点灯する。
【0008】
一方、10は車両の位置を示す補助ランプの1つとしてのポジションランプ、11は他の補助ランプで、これらは補助ランプ群を機能している。この補助ランプ群のポジションランプ10及び補助ランプ11,11,…は該ランプ10,11を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのTNSリレー13に並列に接続されている。このTNSリレー13は常時開(常時OFF)のスイッチ部13a及びそれを開閉させるソレノイド部13bからなり、スイッチ部13aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が上記補助ランプ群にそれぞれ接続されている。ソレノイド部13bは上記コンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されており、H/Lスイッチの補助ランプ点灯操作によりソレノイド部13bを励磁させてスイッチ部13aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、ポジションランプ10及び他の補助ランプ11,11,…に通電して点灯させる。
【0009】
これに対し、図4は4灯式ヘッドライト装置の回路(尚、図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)を示し、上記2灯式ヘッドライト装置の回路とはメータ内ビームランプ8の接続構造が異なる。すなわち、このメータ内ビームランプ8は、H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間にHiビームバルブ1と並列に接続されており、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯したときに、メータ内ビームランプ8が点灯するようになっている。
【0010】
また、H/Lリレー4のON状態では、ディマースイッチ6の切換えに拘わらずLoビームバルブ2を常時点灯させるために、ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2が接続されていない空き接点とされ、そのLoビームバルブ2は直接アースに接続されている。
【0011】
ところで、近年、ユーザのニーズとして車両の多様化及び個性化が進み、ベース車両の改造によりユーザニーズに対応した車両をカスタム化してベース車両と差別化することが行われており、その一例として、2灯式ヘッドライト装置を有するベース車両に対し、そのヘッドライト装置を4灯式のものに改造することがある。
【0012】
しかし、その場合、ベース車両の回路に変更を加えず、単に2灯式ヘッドライトを4灯式のヘッドライトに交換しただけでは以下の問題が生じる。すなわち、上記の如く、2灯式ヘッドライトでは、Loビームバルブ2が通常の4灯式ヘッドライトのようにHiビーム状態で点灯しないので、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置では、4つの灯具がありながらHiビーム状態でそれらが全て点灯状態にならず、そのHiビーム状態での見映えが悪い。
【0013】
また、4灯式ヘッドライト装置では、ビーム状態の切換えに伴いHiビームバルブ1のみを点灯又は消灯させるので、通常、Hiビームバルブ1の照射光は2灯式ヘッドライト装置に比べてスポット光となっており、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置のHiビーム状態で、上記の如くLoビームバルブ2が点灯しないと、Hiビームバルブ1によるスポット光は得られるものの、Loビームバルブ2の点灯による拡散光が不足し、配光性の不良により視認性の低下が生じる虞れがある。
【0014】
そこで、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2が点灯するように、そのLoビームバルブ2をディマースイッチ6のLoビーム側接点6cではなく、メータ内ビームランプ8を介してアースに接続して常時点灯させるようにしてもよい。しかし、その回路にLoビームバルブ2とメータ内ビームランプ8とが直列に接続されることとなり、Hiビーム状態でLoビームバルブ2が点灯していると、その抵抗の増大によりLoビームバルブ2がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗とならず、メータ内ビームランプ8が点灯しないという問題が生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きメータ内ビームランプ8のHiビーム状態での非点灯状態をなくすために、例えばLoビームバルブ2はHiビームバルブ1と並列になるように直接にアースに接続し、メータ内ビームランプ8と直列に抵抗器を接続すれば、Loビームバルブ2を常時点灯できるとともに、Hiビーム状態ではメータ内ビームランプ8に抵抗器を通じて電圧を印加して、そのメータ内ビームランプ8を点灯させることができる。
【0016】
ところが、上記抵抗器として大きな発熱量のものが必要であり、それを例えばヘッドライト後側のエンジンルーム内に配置した場合、エンジンルーム内に新たな発熱源が発生してエンジンルームの温度が上昇する。しかも、抵抗器は防水仕様の特殊のものとする必要があり、高コストとなる。
【0017】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、2灯式ヘッドライトを有するベース車両のヘッドライト装置を4灯化するように改造する場合、そのメータ内ビームランプのダミー抵抗として既存の部品を利用することにより、特殊な抵抗器を別途要することなく、Hiビーム状態でメータ内ビームランプが点灯するようにし、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を容易に行い得るようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、補助ランプの1つであるポジションランプをメータ内ビームランプの回路に直列に接続して、そのポジションランプをメータ内ビームランプのダミー抵抗として用いるようにした。
【0019】
具体的には、請求項1の発明は車両用4灯式ヘッドライトの発明であり、この発明の車両用4灯式ヘッドライトは、Hi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、並びにHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えている。
【0020】
上記の構成によると、上記4灯式ヘッドライトが、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に組み込まれた状態で、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態に切り換えられると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯する。
【0021】
また、このビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時にディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段からHiビームバルブ及びディマースイッチを介して電流が流れてHiビームバルブが点灯する。また、ビームバルブ点灯切換手段にはポジションランプを介してメータ内ビームランプが接続されているので、ディマースイッチのHiビーム状態では、メータ内ビームランプがポジションランプをダミー抵抗として点灯する。
【0022】
一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段からポジションランプを経てディマースイッチに電流が流れ、そのポジションランプが点灯するが、メータ内ビームランプは点灯しない。
【0023】
したがって、このように、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態でLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯するので、ディマースイッチのHiビーム状態ではHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯することとなり、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブの点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0024】
また、ディマースイッチのHiビーム状態への切換時、ポジションランプをダミー抵抗としてメータ内ビームランプが点灯するので、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトを組み換えても、メータ内ビームランプの点灯状態を確保することができる。
【0025】
しかも、上記ポジションランプは既存のものであり、そのポジションランプをダミー抵抗としてメータ内ビームランプが点灯するので、メータ内ビームランプのダミー抵抗として特殊な抵抗器は不要となる。また、上記ポジションランプは本来、防水された状態で発熱するものであるので、その熱対策も不要である。よって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造を低コストで容易に行うことができる。
【0026】
請求項2の発明では、上記4灯式ヘッドライトにおけるポジションランプと、メータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間に、ポジジョンランプに接続される第1接点と、メータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点に接続される第2接点と、アースに接続される第3接点とを有する回路切換手段が接続され、この回路切換手段は、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときに、第1接点を第2接点に接続する一方、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときには、第1接点を第3接点に接続するように構成されているものとする。
【0027】
この構成によれば、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられると、回路切換手段の第1接点が第2接点に接続され、ポジションランプがメータ内ビームランプに接続される。このことで、そのメータ内ビームランプがポジションランプをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられると、回路切換手段の第1接点が第3接点に接続され、ポジションランプがアースに接続されて点灯するが、メータ内ビームランプは点灯しない。このことで、上記請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0028】
請求項3の発明では、ポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されているものとする。こうすれば、ディマースイッチのHiビーム状態で、ポジションランプがメータ内ビームランプのダミー抵抗となるために消灯していても、その消灯状態がHiビームバルブの点灯により識別し難くなり、違和感を解消することができる。
【0029】
請求項4の発明では、上記ポジションランプは、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続されるように構成されているものとする。こうすると、補助ランプ点灯切換手段が補助ランプの点灯状態に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ消灯状態にあってもポジションランプを点灯させることができ、ポジションランプ本来の点灯状態を確保することができる。
【0030】
請求項5の発明は車両用ヘッドライト装置の発明であり、この発明では、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うディマースイッチと、車両の位置を示すポジションランプと、メータ内で上記Hiビームバルブの点灯状態を示すメータ内ビームランプとを備えている。
【0031】
上記ビームバルブ点灯切換手段には、上記Loビームバルブを介してアースに接続された第1回路と、Hiビームバルブが接続された第2回路と、メータ内ビームランプを介してアースに接続された第3回路とが並列に接続されている。また、上記ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプとの間の第3回路には上記ポジションランプが直列に接続されている。
【0032】
そして、上記ディマースイッチは、Loビーム状態に切り換えられたときにポジションランプ及びメータ内ビームランプの間の第3回路をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路をアースに接続するように第2及び第3回路に接続されている。
【0033】
この構成によると、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、電源からアースに電流がビームバルブ点灯切換手段及び第1回路を経て流れ、第1回路のLoビームバルブが点灯する。この状態で、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときには、ポジションランプ及びメータ内ビームランプの間の第3回路がディマースイッチを介してアースに接続されて、電源からアースに電流が第3回路のポジションランプ及びディマースイッチを経て流れ、そのポジションランプが点灯する。また、第3回路のメータ内ビームランプは両端がアースに接続されて点灯しない。
【0034】
一方、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときには、第2回路がアースに接続され、電源からアースに電流が第2回路のHiビームバルブ及びディマースイッチを経て流れ、そのHiビームバルブが点灯する。また、第3回路が直接アースに接続されているので、その第3回路のメータ内ビームランプは上記ポジションランプをダミー抵抗として点灯する。よって、この発明でも上記請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
請求項6の発明では、上記請求項5の発明の車両用ヘッドライト装置において、ディマースイッチへの接続部とポジションランプとの間の第3回路に、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときにポジションランプをアースに接続する一方、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときにはポジションランプをメータ内ビームランプに接続するように選択切換えされる回路切換手段が直列に接続されている構成とする。この発明でも上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0036】
請求項7の発明では、上記請求項5又は6の発明の車両用ヘッドライト装置において、ポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されているものとする。こうすると、上記請求項3の発明と同様の効果が得られる。
【0037】
請求項8の発明では、請求項5又は6の発明の車両用ヘッドライト装置において、ポジションランプは、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続されている構成とする。このことで、上記請求項4の発明と同様の効果が得られる。
【0038】
請求項9の発明では、請求項8の発明の車両用ヘッドライト装置において、上記補助ランプ点灯切換手段には補助ランプがポジションランプと並列に接続されている。また、ビームバルブ点灯切換手段から上記補助ランプへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられている構成とする。
【0039】
こうすると、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換えとディマースイッチの例えばHiビーム側への切換えとが同時に行われて、いわゆるパッシング状態になったとき、そのビームバルブ点灯切換手段から電流が補助ランプに流れて補助ランプが例えばHiビームバルブと共に点灯するのを防止することができ、パッシング時に不要な補助ランプの点灯を防いで消費電力の低減を図ることができる。
【0040】
請求項10の発明では、請求項8の発明の車両用ヘッドライト装置において、補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられている構成とする。このことで、補助ランプ点灯切換手段のランプ点灯状態で、その補助ランプ点灯切換手段から電流がHiビームバルブ及びLoビームバルブに流れて、そのビームバルブが点灯するのを防止することができる。
【0041】
請求項11の発明は、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する車両用ヘッドライト装置の改造方法の発明であり、上記2灯式ヘッドライトは、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、及びHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続されるLoビームバルブと、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段及びアースの間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えている。
【0042】
一方、4灯式ヘッドライトは、上記ビームバルブ点灯切換手段、及び上記ディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及び補助ランプ点灯切換手段に接続されるポジションランプと、このポジションランプに接続される第1接点、並びに上記メータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点に接続される第2接点を有し、上記ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられたときに第1接点を第2接点に接続する回路切換手段とを備えている。そして、上記4灯式ヘッドライトを2灯式ヘッドライトに代えて組み込むことを特徴としている。
【0043】
この発明の構成によれば、改造前の状態では、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態になると、2灯式ヘッドライトのポジションランプが点灯する。そして、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になり、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが点灯するとともに、メータ内ビームランプがLoビームバルブをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Loビームバルブが点灯するとともに、Hiビームバルブ及びメータ内ビームランプが消灯する。
【0044】
この2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトに代えられた改造後の状態では、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態になると、4灯式ヘッドライトのポジションランプは、回路切換手段によりアースに接続されないので、点灯しない。また、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブが常に点灯状態になる。そして、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられたとき、この切換えに伴い、Hiビームバルブが点灯するとともに、回路切換手段が第1接点を第2接点に接続するように切り換えられ、メータ内ビームランプがポジションランプをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが消灯するとともに、回路切換手段が第1接点と第2接点との接続を遮断するように切り換えられ、メータ内ビームランプが消灯する。よって、この発明でも上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0045】
請求項12の発明では、上記請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトのポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されている。この発明でも、上記請求項3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0046】
請求項13の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、補助ランプ点灯切換手段には補助ランプがポジションランプと並列に接続されており、4灯式ヘッドライトには、ビームバルブ点灯切換手段から上記補助ランプへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられているものとする。この発明でも、上記請求項9の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
請求項14の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトには、補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられているものとする。この発明でも、上記請求項10の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
請求項15の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトの回路切換手段は、アースに接続される第3接点を有していて、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられたときに、第1接点を第3接点に接続するように構成されているものとする。こうすると、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態にあるとき、電源から補助ランプ点灯切換手段、ポジションランプ、回路切換手段の第1及び第3接点を介してアースに電流が流れて、ポジションランプを点灯させることができ、補助ランプ点灯切換手段のランプ点灯状態への切換えに伴うポジションランプ本来の点灯状態を確保することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る車両用ヘッドライト装置において車両の左右両側のうちの一側部を示し、このヘッドライト装置は、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置から改造された4灯式ヘッドライト装置を構成している。
【0050】
上記ベース車両における改造前の2灯式ヘッドライト装置は図3に示すものと同じであり(尚、図3と同じ部分については同じ符号を付して説明する)、改造に当たり交換を要する交換部としての例えばユニットタイプの2灯式ヘッドライトA2(図3で一点鎖線にて囲む部分)と、交換を要しない非交換部Aとに分けられている。前者の2灯式ヘッドライトA2(交換部)は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10を備えている。一方、非交換部Aは、Hi及びLoビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段としてのH/Lリレー4と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて両ビームバルブ1,2の点灯切換えを行うためのディマースイッチ6と、メータ内でHiビームバルブ1の点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ8と、補助ランプ11,11,…及ポジションランプ10からなる補助ランプ群を点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段としてのTNSリレー13とを備えている。
【0051】
これら各部品の接続状態は既述のとおりであり(「従来の技術」参照)、非交換部Aにおいては、H/Lリレー4及びTNSリレー13の各スイッチ部4a,13aの電源側接点は電源Bに接続され、各ソレノイド部4b,13bは図外のコンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されている。また、ディマースイッチ6の可動接点6aはアースに接続されている一方、Loビーム側接点6cはメータ内ビームランプ8の電源側端に接続され、このメータ内ビームランプ8のアース側端はアースに接続されている。さらに、上記TNSリレー13におけるスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に補助ランプ11,11,…が並列に接続されている。
【0052】
一方、2灯式ヘッドライトA2のHiビームバルブ1は、H/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続されている。また、Loビームバルブ2はH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点と、メータ内ビームランプ8の電源側端及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとの間に接続されている。さらに、ポジションランプ10はTNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に上記補助ランプ11,11,…と並列に接続されている。
【0053】
そして、2灯式ヘッドライトA2の各部品と非交換部Aの各部品との間には(C1)〜(C5)の5つの接続部があり、接続部(C1)ではH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とHiビームバルブ1及びLoビームバルブ2の各電源側端とが接続されている。また、接続部(C2)ではHiビームバルブ1のアース側端とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとが接続されている。また、接続部(C3)では、Loビームバルブ2のアース側端とディマースイッチ6のLoビーム側接点6c及びメータ内ビームランプ8の電源側端とが接続されている。さらに、接続部(C4)では、TNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とポジションランプ10の電源側端とが接続され、このポジションランプ10のアース側端とアースとは接続部(C5)で接続されている。
【0054】
このような2灯式ヘッドライト装置を4灯化するとき、上記非交換部AのH/Lリレー4、ディマースイッチ6、メータ内ビームランプ8及びTNSリレー13はそのままにしておいて、それらの部品から2灯式ヘッドライトA2を上記接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて図2に示す4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aの部品に接続して組み込む。
【0055】
上記4灯式ヘッドライトA4は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10の他に、回路切換手段としてのトランスファリレー15と、第1及び第2の2つのダイオードD1,D2とを備えている。上記Hiビームバルブ1は接続部(C1),(C2)間に直列に接続されており、図1に示すように非交換部Aへの組付状態では、上記H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続される。
【0056】
一方、Loビームバルブ2は、接続部(C1),(C5)間に直列に接続されており、図1に示すように非交換部Aへの組付状態では、H/Lリレー4のスイッチ部4aとアースとの間に接続される。
【0057】
また、ポジションランプ10の電源側端は接続部(C1)に対し上記第1ダイオードD1を介して、また接続部(C4)に対し第2ダイオードD2を介してそれぞれ並列に接続されている。よって、ポジションランプ10は、図1に示すように非交換部Aへの組付状態ではH/Lリレー4及びTNSリレー13に接続されている。上記第1ダイオードD1はH/Lリレー4からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止するものである。また、第2ダイオードD2は、TNSリレー13からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止する。
【0058】
ポジションランプ10のアース側端は上記トランスファリレー15に接続されている。このトランスファリレー15は、スイッチ部16とソレノイド部17とを有し、スイッチ部16はポジションランプ10に接続された第1接点としての可動接点16aと、接続部(C3)に接続された第2接点としての常開接点16bと、接続部(C5)に接続された第3接点としての常閉接点16cとからなり、常時は可動接点16aが常閉接点16cに接続され、ソレノイド部17が励磁されたときに可動接点16aが常閉接点16cから常開接点16bに切り換えられて接続される。そして、このトランスファリレー15のソレノイド部17は接続部(C1),(C2)間に上記Hiビームバルブ1と並列に接続されている。
【0059】
よって、トランスファリレー15は、図1に示すように非交換部Aへの組付状態では、ポジションランプ10とメータ内ビームランプ8及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとの間に接続されていて、ポジションランプ10に接続される可動接点16a(第1接点)と、メータ内ビームランプ8及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cに接続される常開接点16b(第2接点)と、アースに接続される常閉接点16c(第3接点)とを有し、H/Lリレー4のバルブ点灯状態への切換時、上記ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられたときには、可動接点16aを常閉接点16cに接続する一方、ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cからHiビーム側接点6bに切り換えられたときに、ソレノイド部17を励磁させて可動接点16aを常閉接点16cから常開接点16bに切り換えて接続する。
【0060】
さらに、上記4灯式ヘッドライトA4におけるポジションランプ10は、Hiビームバルブ1と同じ灯具(図示せず)内に配置されている。すなわち、この灯具は例えばリフレクタとレンズとの組合せからなるもので、そのリフレクタ内にポジションランプ10がHiビームバルブ1と並んで装着される。
【0061】
以上の回路構成をまとめると、図1に示すように、上記4灯式ヘッドライトA4は2灯式ヘッドライトA2に代えて非交換部Aに対し接続部(C1)〜(C5)にて接続された状態で組み込まれている。この4灯式ヘッドライト装置は、H/Lリレー4、ディマースイッチ6、ポジションランプ10、メータ内ビームランプ8及びTNSリレー13を備えており、H/Lリレー4は電源Bに接続されている一方、このH/Lリレー4には、Loビームバルブ2が接続された第1回路20と、Hiビームバルブ1が接続された第2回路21と、メータ内ビームランプ8が接続された第3回路22とが並列に接続される。また、上記第1回路20及び第3回路22はアースに接続され、H/Lリレー4とメータ内ビームランプ8との間の第3回路22にはポジションランプ10が直列に接続される。
【0062】
また、ディマースイッチ6への接続部とポジションランプ10との間の第3回路22に、ポジションランプ10をメータ内ビームランプ8又はアースうちのいずれか一方に接続するように選択切換えされるトランスファリレー15が直列に接続され、トランスファリレー15には、ディマースイッチ6を介してアースに接続される第2回路21と、アースに直接接続される第3回路22とが両接続回路21,22のうちのいずれか一方に選択切換えされるように接続されている。
【0063】
そして、H/Lリレー4のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチ6は、Loビーム状態に切り換えられたときにポジションランプ10及びメータ内ビームランプ8の間の第3回路22をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路21をアースに接続するように第2及び第3回路21,22に接続されている。また、トランスファリレー15は、ディマースイッチ6がLoビーム状態に切り換えられたときに、ポジションランプ10をアースに接続する一方、ディマースイッチ6がHiビーム状態に切り換えられたときには、ポジションランプ10をメータ内ビームランプ8に接続する。
【0064】
また、TNSリレー13は電源Bとポジションランプ10との間に接続され、このTNSリレー13には他の補助ランプ11,11,…がポジションランプ10と並列に接続され、H/Lリレー4から補助ランプ11,11,…への電流が流れるのを阻止する第2ダイオードD2が設けられている。
【0065】
さらに、TNSリレー13から上記Hi及びLoビームバルブ1,2への電流が流れるのを阻止する第1ダイオードD1が設けられている。尚、図1及び図2においては、接続部(C5)は2つに分けて示している。
【0066】
したがって、この実施形態においては、予め図2に示す4灯式ヘッドライトA4を用意しておき、図3に示す2灯式ヘッドライト装置を改造して4灯化する場合、その2灯式ヘッドライト装置における非交換部Aはそのままにして、2灯式ヘッドライトA2のみを接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて、上記4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aに接続すればよい。このとき、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置の灯具も4灯式ヘッドライト装置の灯具に交換する。このことで、図1に示すように、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に4灯式ヘッドライトA4が組み込まれた4灯式ヘッドライト装置が得られる。
【0067】
(補助ランプ群の点灯状態)
この交換後の4灯式ヘッドライト装置では、TNSリレー13がON動作してランプ点灯状態に切り換えられると、電源Bから電流がTNSリレー13を介して補助ランプ11,11,…に流れて、その補助ランプ11,11,…が点灯するとともに、電流がTNSリレー13、第2ダイオードD2、ポジションランプ10、並びにトランスファリレー15のスイッチ部16の可動接点16a及びそれに接続されている常閉接点16cを介してアースに流れ、このことでポジションランプ10が点灯する。
【0068】
そのとき、H/Lリレー4及び両ビームバルブ1,2とポジションランプ10との間にTNSリレー13から両ビームバルブ1,2への電流が流れるのを阻止する第1ダイオードD1が設けられているので、上記TNSリレー13のON状態で、そのTNSリレー13から電流が両ビームバルブ1,2に流れて両ビームバルブ1,2(Hiビームバルブ1はディマースイッチ6がHiビーム側接点6bに切り換えられているとき)が点灯するのを防止することができる。
【0069】
また、後述するように、上記補助ランプ群の1つであるポジションランプ10がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となるようにされてはいるものの、TNSリレー13がON動作して補助ランプ群の点灯状態に切り換えられると、ポジションランプ10を通常のものと同様にH/Lリレー4のビーム消灯状態で点灯させることができ、ポジションランプ10本来の点灯状態を確保することができる。
【0070】
(ビームバルブの点灯状態)
この状態でH/Lリレー4がON動作してバルブ点灯状態に切り換えられると、このH/Lリレー4とアースとの間にLoビームバルブ2が直接に接続されているので、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6b又はLoビーム側接点6cのいずれに切り換えられていても、それに関係なく電源Bから電流がH/Lリレー4を経てLoビームバルブ2に流れ、そのLoビームバルブ2が点灯する。
【0071】
そして、このH/Lリレー4がバルブ点灯状態へ切り換えられているときに、上記ディマースイッチ6がLoビーム側接点6cに切り換えられていると、電源Bからの電流がH/Lリレー4、第1ダイオードD1、ポジションランプ10、トランスファリレー15のスイッチ部16の可動接点16a及び常閉接点16cを介してアースに流れるので、そのポジションランプ10が上記と同様に点灯したままとなる。
【0072】
一方、上記ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられると、電源Bから電流がH/Lリレー4、Hiビームバルブ1及びディマースイッチ6を経てアースに流れ、このことでHiビームバルブ1が点灯する。
【0073】
このとき、上記Loビームバルブ2は、ディマースイッチ6の切換状態に関係なく常時点灯するので、通常の4灯式ヘッドライト装置(図4参照)と同様に、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2がHiビームバルブ1と共に点灯する。このことで、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブ2の点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0074】
また、上記H/Lリレー4のON動作により、トランスファリレー15のソレノイド部17が励磁され、そのスイッチ部16の可動接点16aが上記常閉接点16cから常開接点16bに接続するように切り換わり、電源Bからの電流がH/Lリレー4、第1ダイオードD1、ポジションランプ10、トランスファリレー15のスイッチ部16の可動接点16a及び常開接点16b、並びにメータ内ビームランプ8を介してアースに流れる。このことで、上記Hiビームバルブ1の点灯と共にメータ内ビームランプ8が上記ポジションランプ10をダミー抵抗として点灯する。つまり、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトA4を組み換えたとしても、ポジションランプ10をダミー抵抗としてメータ内ビームランプ8の点灯状態を確保することができる。
【0075】
しかも、上記メータ内ビームランプ8と直列に接続されてその点灯を行わせるためにダミー抵抗となるポジションランプ10は既存の部品であるので、そのメータ内ビームランプ8の点灯に要するダミー抵抗として特殊な抵抗器が別途に不要となる。そして、上記ポジションランプ10は本来、防水された状態で発熱する補助ランプの1つであるので、その熱対策は十分に行われている。これらの結果、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を低コストで容易に行うことができる。
【0076】
また、上記補助ランプ11,11,…及びTNSリレー13とポジションランプ10との間に第2ダイオードD2が接続されているので、乗員がいわゆるパッシング操作して、上記H/Lリレー4のON状態への切換えとディマースイッチ6の可動接点6aの例えばHiビーム側接点6bへの切換えとが同時に行われたとき、H/Lリレー4から電流が補助ランプ11,11,…に流れようとしても、それは上記第2ダイオードD2により阻止されることとなる。このことで、パッシング時に例えばHiビームバルブ1の点灯と共に補助ランプ11,11,…が点灯するのを防ぐことができ、その補助ランプ11,11,…の不要な点灯防止により消費電力を低減することができる。
【0077】
また、上記Hiビームバルブ1の点灯状態では、ポジションランプ10がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となるので、TNSリレー13のみがON動作したとき及びH/Lリレー4もON動作しかつディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられているときに点灯していたポジションランプ10がディマースイッチ6のHiビーム側接点6bへの切換えに伴って消灯し、そのポジションランプ10の消灯状態に違和感を招く虞れがある。しかし、このポジションランプ10は、Hiビームバルブ1と同じ灯具内に配置されているために、ポジションランプ10の消灯状態がHiビームバルブ1の点灯により識別し難くなり、上記違和感を解消することができる。
【0078】
尚、上記実施形態において、トランスファリレー15、第1及び第2ダイオードD1,D2は必ずしも設ける必要はなく、省略することもできるが、それらの各々の持つ作用効果が得られる点で、上記実施形態のように設けておくのが好ましい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び5の発明では、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する場合に、ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチと、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプとに対し、Hiビームバルブをビームバルブ点灯切換手段とディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続し、ビームバルブ点灯切換手段及びアース間にLoビームバルブを接続し、ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間にポジションランプを接続した。また、請求項2、6、11及び15の発明では、4灯式ヘッドライトにおけるポジションランプとメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間に、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチのHiビーム位置で、ポジションランプをメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点に接続する一方、ディマースイッチのLoビーム位置で、ポジションランプをアースに接続する回路切換手段を設けた。これらの発明によれば、2灯式ヘッドライト装置の4灯化に伴い、ディマースイッチのHiビーム状態でHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯させて、Hiビーム状態での見映えの向上、配光性及び視認性の確保を図ることができる。また、ディマースイッチのHiビーム状態で、既存のポジションランプをダミー抵抗としてメータ内ビームランプを点灯させることができ、そのメータ内ビームランプを点灯させるための特殊な抵抗器やそのための熱対策を不要として、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を低コストで容易に行うことができる。
【0080】
請求項3、7及び12の発明によれば、ポジションランプをHiビームバルブと同じ灯具内に配置したことにより、ディマースイッチのHiビーム状態で、メータ内ビームランプのダミー抵抗となるポジションランプが消灯状態にあってもHiビームバルブの点灯により識別し難くして、違和感を解消することができる。
【0081】
請求項4及び8の発明によると、ポジションランプを、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続するようにしたことにより、補助ランプ点灯切換手段が補助ランプの点灯状態に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ消灯状態でもポジションランプを点灯させることができ、ポジションランプ本来の点灯状態を確保することができる。
【0082】
請求項9及び13の発明によると、補助ランプ点灯切換手段に補助ランプをポジションランプと並列に接続し、この補助ランプへビームバルブ点灯切換手段から電流が流れるのを阻止する阻止手段を設けたことにより、パッシング時にビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態で補助ランプに電流が流れて補助ランプがビームバルブと共に点灯するのを防止でき、消費電力の低減を図ることができる。
【0083】
請求項10及び14の発明によると、補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段を設けたことにより、補助ランプ点灯切換手段のランプ点灯状態で、ビームバルブが点灯するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図2】4灯式ヘッドライトの構成を示す回路図である。
【図3】車両用2灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図4】通常の4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
A2 2灯式ヘッドライト
A4 4灯式ヘッドライト
A 非交換部
1 Hiビームバルブ
2 Loビームバルブ
4 H/Lリレー(ビームバルブ点灯切換手段)
6 ディマースイッチ
6b Hiビーム側接点
6c Loビーム側接点
8 メータ内ビームランプ
10 ポジションランプ
11 補助ランプ
13 TNSリレー(補助ランプ点灯切換手段)
15 トランスファリレー(回路切換手段)
16 スイッチ部
16b 常開接点
16c 常閉接点
20 第1回路
21 第2回路
22 第3回路
D1 第1ダイオード(阻止手段)
D2 第2ダイオード(阻止手段)
B 電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の4灯式ヘッドライト、車両用ヘッドライト装置及びその改造方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の車両用ヘッドライト装置としては2灯式及び4灯式のものが広く採用されている。この2灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ1つの灯具を配置したもので、各灯具にHiビームバルブとLoビームバルブとが一緒に収容されている。そして、ディマースイッチの操作により各灯具におけるHi及びLoビームバルブの点灯状態を切り換え、対向車や歩行者等に対する幻惑を防ぐためのLoビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させる一方、Hiビーム状態にするとき又はパッシングを行うときには、逆にHiビームバルブを点灯させてLoビームバルブを消灯させるようになっている。
【0003】
一方、後者の4灯式のヘッドライト装置は、車両前部の左右両側にそれぞれ2つの灯具を並べて配置したもので、その一方(車幅方向中央側)の灯具にHiビームバルブが、また他方(車幅方向外側)の灯具にLoビームバルブがそれぞれ別々に収容されており、ディマースイッチの操作により、Loビーム状態とするときには、Loビームバルブのみを点灯させてHiビームバルブを消灯させるが、Hiビーム状態にしたりパッシングを行ったりするときには、上記Loビームバルブを点灯させたままHiビームバルブを点灯させるようになっている。
【0004】
これら2灯式及び4灯式ヘッドライト装置の回路構成について説明すると、図3は2灯式ヘッドライト装置の回路を車両の左右両側のうちの一側について示しており、1はHiビームバルブ、2はLoビームバルブで、これら両ビームバルブ1,2は、両ビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのH/Lリレー4(ヘッドライトリレー)に並列に接続されている。このH/Lリレー4は常時開(常時OFF)のスイッチ部4a及びそれを開閉させるソレノイド部4bからなり、スイッチ部4aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が両ビームバルブ1,2にそれぞれ接続されている。ソレノイド部4bは車室に配置したコンビネーションスイッチ群のうちのH/Lスイッチ(図示せず)に接続されており、H/Lスイッチのビームバルブ点灯操作によりソレノイド部4bを励磁させてスイッチ部4aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、Hi又はLoビームバルブ1,2に通電して点灯させる。
【0005】
6は上記Hi及びLoビームバルブ1,2の点灯切換えを行うために切換操作されるディマースイッチで、このディマースイッチ6は可動接点6a、Hiビーム側接点6b及びLoビーム側接点6cからなり、可動接点6aはアースに、またHiビーム側接点6bは上記Hiビームバルブ1に、さらにLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2にそれぞれ接続されており、H/Lリレー4のON状態で、可動接点6aをHiビーム側接点6bに切り換えたときには、Hiビームバルブ1に電流を流してそれを点灯させるHiビーム状態とする一方、可動接点6aをLoビーム側接点6cに切り換えたときには、Loビームバルブ2に電流を流してそれを点灯させるLoビーム状態とするようにしている。
【0006】
上記ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとLoビームバルブ2との間の回路はメータ内ビームランプ8を介してアースに接続されている。このメータ内ビームランプ8は、図外のインストルメントパネルにおけるメータ内で上記Hiビームバルブ1の点灯状態を乗員に示すためのもので、Hiビームバルブ1が点灯しているときに同時に点灯する。
【0007】
すなわち、ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられてLoビームバルブ2が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8の両端に電圧が印加されないので、メータ内ビームランプ8が点灯しないが、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯している状態では、メータ内ビームランプ8にLoビームバルブ2を介して電源電圧が印加されることになり、そのLoビームバルブ2は非点灯状態にあって発熱せずに単なるダミー抵抗として機能し、このことでメータ内ビームランプ8が点灯する。
【0008】
一方、10は車両の位置を示す補助ランプの1つとしてのポジションランプ、11は他の補助ランプで、これらは補助ランプ群を機能している。この補助ランプ群のポジションランプ10及び補助ランプ11,11,…は該ランプ10,11を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのTNSリレー13に並列に接続されている。このTNSリレー13は常時開(常時OFF)のスイッチ部13a及びそれを開閉させるソレノイド部13bからなり、スイッチ部13aの電源側接点が電源Bに、またアース側接点が上記補助ランプ群にそれぞれ接続されている。ソレノイド部13bは上記コンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されており、H/Lスイッチの補助ランプ点灯操作によりソレノイド部13bを励磁させてスイッチ部13aをOFF状態からON状態に切り換えることにより、ポジションランプ10及び他の補助ランプ11,11,…に通電して点灯させる。
【0009】
これに対し、図4は4灯式ヘッドライト装置の回路(尚、図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)を示し、上記2灯式ヘッドライト装置の回路とはメータ内ビームランプ8の接続構造が異なる。すなわち、このメータ内ビームランプ8は、H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間にHiビームバルブ1と並列に接続されており、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられてHiビームバルブ1が点灯したときに、メータ内ビームランプ8が点灯するようになっている。
【0010】
また、H/Lリレー4のON状態では、ディマースイッチ6の切換えに拘わらずLoビームバルブ2を常時点灯させるために、ディマースイッチ6のLoビーム側接点6cはLoビームバルブ2が接続されていない空き接点とされ、そのLoビームバルブ2は直接アースに接続されている。
【0011】
ところで、近年、ユーザのニーズとして車両の多様化及び個性化が進み、ベース車両の改造によりユーザニーズに対応した車両をカスタム化してベース車両と差別化することが行われており、その一例として、2灯式ヘッドライト装置を有するベース車両に対し、そのヘッドライト装置を4灯式のものに改造することがある。
【0012】
しかし、その場合、ベース車両の回路に変更を加えず、単に2灯式ヘッドライトを4灯式のヘッドライトに交換しただけでは以下の問題が生じる。すなわち、上記の如く、2灯式ヘッドライトでは、Loビームバルブ2が通常の4灯式ヘッドライトのようにHiビーム状態で点灯しないので、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置では、4つの灯具がありながらHiビーム状態でそれらが全て点灯状態にならず、そのHiビーム状態での見映えが悪い。
【0013】
また、4灯式ヘッドライト装置では、ビーム状態の切換えに伴いHiビームバルブ1のみを点灯又は消灯させるので、通常、Hiビームバルブ1の照射光は2灯式ヘッドライト装置に比べてスポット光となっており、2灯式ヘッドライトと交換後の4灯式ヘッドライト装置のHiビーム状態で、上記の如くLoビームバルブ2が点灯しないと、Hiビームバルブ1によるスポット光は得られるものの、Loビームバルブ2の点灯による拡散光が不足し、配光性の不良により視認性の低下が生じる虞れがある。
【0014】
そこで、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2が点灯するように、そのLoビームバルブ2をディマースイッチ6のLoビーム側接点6cではなく、メータ内ビームランプ8を介してアースに接続して常時点灯させるようにしてもよい。しかし、その回路にLoビームバルブ2とメータ内ビームランプ8とが直列に接続されることとなり、Hiビーム状態でLoビームバルブ2が点灯していると、その抵抗の増大によりLoビームバルブ2がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗とならず、メータ内ビームランプ8が点灯しないという問題が生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きメータ内ビームランプ8のHiビーム状態での非点灯状態をなくすために、例えばLoビームバルブ2はHiビームバルブ1と並列になるように直接にアースに接続し、メータ内ビームランプ8と直列に抵抗器を接続すれば、Loビームバルブ2を常時点灯できるとともに、Hiビーム状態ではメータ内ビームランプ8に抵抗器を通じて電圧を印加して、そのメータ内ビームランプ8を点灯させることができる。
【0016】
ところが、上記抵抗器として大きな発熱量のものが必要であり、それを例えばヘッドライト後側のエンジンルーム内に配置した場合、エンジンルーム内に新たな発熱源が発生してエンジンルームの温度が上昇する。しかも、抵抗器は防水仕様の特殊のものとする必要があり、高コストとなる。
【0017】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、2灯式ヘッドライトを有するベース車両のヘッドライト装置を4灯化するように改造する場合、そのメータ内ビームランプのダミー抵抗として既存の部品を利用することにより、特殊な抵抗器を別途要することなく、Hiビーム状態でメータ内ビームランプが点灯するようにし、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を容易に行い得るようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、補助ランプの1つであるポジションランプをメータ内ビームランプの回路に直列に接続して、そのポジションランプをメータ内ビームランプのダミー抵抗として用いるようにした。
【0019】
具体的には、請求項1の発明は車両用4灯式ヘッドライトの発明であり、この発明の車両用4灯式ヘッドライトは、Hi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、並びにHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えている。
【0020】
上記の構成によると、上記4灯式ヘッドライトが、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に組み込まれた状態で、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態に切り換えられると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯する。
【0021】
また、このビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時にディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段からHiビームバルブ及びディマースイッチを介して電流が流れてHiビームバルブが点灯する。また、ビームバルブ点灯切換手段にはポジションランプを介してメータ内ビームランプが接続されているので、ディマースイッチのHiビーム状態では、メータ内ビームランプがポジションランプをダミー抵抗として点灯する。
【0022】
一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段からポジションランプを経てディマースイッチに電流が流れ、そのポジションランプが点灯するが、メータ内ビームランプは点灯しない。
【0023】
したがって、このように、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態でLoビームバルブがディマースイッチの切換状態に関係なく点灯するので、ディマースイッチのHiビーム状態ではHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯することとなり、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブの点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0024】
また、ディマースイッチのHiビーム状態への切換時、ポジションランプをダミー抵抗としてメータ内ビームランプが点灯するので、2灯式ヘッドライトを有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトを組み換えても、メータ内ビームランプの点灯状態を確保することができる。
【0025】
しかも、上記ポジションランプは既存のものであり、そのポジションランプをダミー抵抗としてメータ内ビームランプが点灯するので、メータ内ビームランプのダミー抵抗として特殊な抵抗器は不要となる。また、上記ポジションランプは本来、防水された状態で発熱するものであるので、その熱対策も不要である。よって、2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトへの改造を低コストで容易に行うことができる。
【0026】
請求項2の発明では、上記4灯式ヘッドライトにおけるポジションランプと、メータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間に、ポジジョンランプに接続される第1接点と、メータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点に接続される第2接点と、アースに接続される第3接点とを有する回路切換手段が接続され、この回路切換手段は、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときに、第1接点を第2接点に接続する一方、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときには、第1接点を第3接点に接続するように構成されているものとする。
【0027】
この構成によれば、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられると、回路切換手段の第1接点が第2接点に接続され、ポジションランプがメータ内ビームランプに接続される。このことで、そのメータ内ビームランプがポジションランプをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられると、回路切換手段の第1接点が第3接点に接続され、ポジションランプがアースに接続されて点灯するが、メータ内ビームランプは点灯しない。このことで、上記請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0028】
請求項3の発明では、ポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されているものとする。こうすれば、ディマースイッチのHiビーム状態で、ポジションランプがメータ内ビームランプのダミー抵抗となるために消灯していても、その消灯状態がHiビームバルブの点灯により識別し難くなり、違和感を解消することができる。
【0029】
請求項4の発明では、上記ポジションランプは、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続されるように構成されているものとする。こうすると、補助ランプ点灯切換手段が補助ランプの点灯状態に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ消灯状態にあってもポジションランプを点灯させることができ、ポジションランプ本来の点灯状態を確保することができる。
【0030】
請求項5の発明は車両用ヘッドライト装置の発明であり、この発明では、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うディマースイッチと、車両の位置を示すポジションランプと、メータ内で上記Hiビームバルブの点灯状態を示すメータ内ビームランプとを備えている。
【0031】
上記ビームバルブ点灯切換手段には、上記Loビームバルブを介してアースに接続された第1回路と、Hiビームバルブが接続された第2回路と、メータ内ビームランプを介してアースに接続された第3回路とが並列に接続されている。また、上記ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプとの間の第3回路には上記ポジションランプが直列に接続されている。
【0032】
そして、上記ディマースイッチは、Loビーム状態に切り換えられたときにポジションランプ及びメータ内ビームランプの間の第3回路をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路をアースに接続するように第2及び第3回路に接続されている。
【0033】
この構成によると、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、電源からアースに電流がビームバルブ点灯切換手段及び第1回路を経て流れ、第1回路のLoビームバルブが点灯する。この状態で、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときには、ポジションランプ及びメータ内ビームランプの間の第3回路がディマースイッチを介してアースに接続されて、電源からアースに電流が第3回路のポジションランプ及びディマースイッチを経て流れ、そのポジションランプが点灯する。また、第3回路のメータ内ビームランプは両端がアースに接続されて点灯しない。
【0034】
一方、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときには、第2回路がアースに接続され、電源からアースに電流が第2回路のHiビームバルブ及びディマースイッチを経て流れ、そのHiビームバルブが点灯する。また、第3回路が直接アースに接続されているので、その第3回路のメータ内ビームランプは上記ポジションランプをダミー抵抗として点灯する。よって、この発明でも上記請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
請求項6の発明では、上記請求項5の発明の車両用ヘッドライト装置において、ディマースイッチへの接続部とポジションランプとの間の第3回路に、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときにポジションランプをアースに接続する一方、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときにはポジションランプをメータ内ビームランプに接続するように選択切換えされる回路切換手段が直列に接続されている構成とする。この発明でも上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0036】
請求項7の発明では、上記請求項5又は6の発明の車両用ヘッドライト装置において、ポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されているものとする。こうすると、上記請求項3の発明と同様の効果が得られる。
【0037】
請求項8の発明では、請求項5又は6の発明の車両用ヘッドライト装置において、ポジションランプは、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続されている構成とする。このことで、上記請求項4の発明と同様の効果が得られる。
【0038】
請求項9の発明では、請求項8の発明の車両用ヘッドライト装置において、上記補助ランプ点灯切換手段には補助ランプがポジションランプと並列に接続されている。また、ビームバルブ点灯切換手段から上記補助ランプへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられている構成とする。
【0039】
こうすると、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換えとディマースイッチの例えばHiビーム側への切換えとが同時に行われて、いわゆるパッシング状態になったとき、そのビームバルブ点灯切換手段から電流が補助ランプに流れて補助ランプが例えばHiビームバルブと共に点灯するのを防止することができ、パッシング時に不要な補助ランプの点灯を防いで消費電力の低減を図ることができる。
【0040】
請求項10の発明では、請求項8の発明の車両用ヘッドライト装置において、補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられている構成とする。このことで、補助ランプ点灯切換手段のランプ点灯状態で、その補助ランプ点灯切換手段から電流がHiビームバルブ及びLoビームバルブに流れて、そのビームバルブが点灯するのを防止することができる。
【0041】
請求項11の発明は、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する車両用ヘッドライト装置の改造方法の発明であり、上記2灯式ヘッドライトは、車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段、及びHiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段、並びにメータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点の間に接続されるLoビームバルブと、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段及びアースの間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えている。
【0042】
一方、4灯式ヘッドライトは、上記ビームバルブ点灯切換手段、及び上記ディマースイッチのHiビーム側接点の間に接続されるHiビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及びアースの間に接続されるLoビームバルブと、上記ビームバルブ点灯切換手段及び補助ランプ点灯切換手段に接続されるポジションランプと、このポジションランプに接続される第1接点、並びに上記メータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点に接続される第2接点を有し、上記ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられたときに第1接点を第2接点に接続する回路切換手段とを備えている。そして、上記4灯式ヘッドライトを2灯式ヘッドライトに代えて組み込むことを特徴としている。
【0043】
この発明の構成によれば、改造前の状態では、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態になると、2灯式ヘッドライトのポジションランプが点灯する。そして、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になり、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが点灯するとともに、メータ内ビームランプがLoビームバルブをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Loビームバルブが点灯するとともに、Hiビームバルブ及びメータ内ビームランプが消灯する。
【0044】
この2灯式ヘッドライトから4灯式ヘッドライトに代えられた改造後の状態では、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態になると、4灯式ヘッドライトのポジションランプは、回路切換手段によりアースに接続されないので、点灯しない。また、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ点灯状態になると、そのビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブが常に点灯状態になる。そして、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられたとき、この切換えに伴い、Hiビームバルブが点灯するとともに、回路切換手段が第1接点を第2接点に接続するように切り換えられ、メータ内ビームランプがポジションランプをダミー抵抗として点灯する。一方、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられると、Hiビームバルブが消灯するとともに、回路切換手段が第1接点と第2接点との接続を遮断するように切り換えられ、メータ内ビームランプが消灯する。よって、この発明でも上記請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0045】
請求項12の発明では、上記請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトのポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されている。この発明でも、上記請求項3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0046】
請求項13の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、補助ランプ点灯切換手段には補助ランプがポジションランプと並列に接続されており、4灯式ヘッドライトには、ビームバルブ点灯切換手段から上記補助ランプへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられているものとする。この発明でも、上記請求項9の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
請求項14の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトには、補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられているものとする。この発明でも、上記請求項10の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
請求項15の発明では、請求項11の発明の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、4灯式ヘッドライトの回路切換手段は、アースに接続される第3接点を有していて、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられたときに、第1接点を第3接点に接続するように構成されているものとする。こうすると、補助ランプ点灯切換手段がランプ点灯状態にあるとき、電源から補助ランプ点灯切換手段、ポジションランプ、回路切換手段の第1及び第3接点を介してアースに電流が流れて、ポジションランプを点灯させることができ、補助ランプ点灯切換手段のランプ点灯状態への切換えに伴うポジションランプ本来の点灯状態を確保することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る車両用ヘッドライト装置において車両の左右両側のうちの一側部を示し、このヘッドライト装置は、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置から改造された4灯式ヘッドライト装置を構成している。
【0050】
上記ベース車両における改造前の2灯式ヘッドライト装置は図3に示すものと同じであり(尚、図3と同じ部分については同じ符号を付して説明する)、改造に当たり交換を要する交換部としての例えばユニットタイプの2灯式ヘッドライトA2(図3で一点鎖線にて囲む部分)と、交換を要しない非交換部Aとに分けられている。前者の2灯式ヘッドライトA2(交換部)は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10を備えている。一方、非交換部Aは、Hi及びLoビームバルブ1,2を点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段としてのH/Lリレー4と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて両ビームバルブ1,2の点灯切換えを行うためのディマースイッチ6と、メータ内でHiビームバルブ1の点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ8と、補助ランプ11,11,…及ポジションランプ10からなる補助ランプ群を点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段としてのTNSリレー13とを備えている。
【0051】
これら各部品の接続状態は既述のとおりであり(「従来の技術」参照)、非交換部Aにおいては、H/Lリレー4及びTNSリレー13の各スイッチ部4a,13aの電源側接点は電源Bに接続され、各ソレノイド部4b,13bは図外のコンビネーションスイッチ群のH/Lスイッチに接続されている。また、ディマースイッチ6の可動接点6aはアースに接続されている一方、Loビーム側接点6cはメータ内ビームランプ8の電源側端に接続され、このメータ内ビームランプ8のアース側端はアースに接続されている。さらに、上記TNSリレー13におけるスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に補助ランプ11,11,…が並列に接続されている。
【0052】
一方、2灯式ヘッドライトA2のHiビームバルブ1は、H/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続されている。また、Loビームバルブ2はH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点と、メータ内ビームランプ8の電源側端及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとの間に接続されている。さらに、ポジションランプ10はTNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とアースとの間に上記補助ランプ11,11,…と並列に接続されている。
【0053】
そして、2灯式ヘッドライトA2の各部品と非交換部Aの各部品との間には(C1)〜(C5)の5つの接続部があり、接続部(C1)ではH/Lリレー4のスイッチ部4aのアース側接点とHiビームバルブ1及びLoビームバルブ2の各電源側端とが接続されている。また、接続部(C2)ではHiビームバルブ1のアース側端とディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとが接続されている。また、接続部(C3)では、Loビームバルブ2のアース側端とディマースイッチ6のLoビーム側接点6c及びメータ内ビームランプ8の電源側端とが接続されている。さらに、接続部(C4)では、TNSリレー13のスイッチ部13aのアース側接点とポジションランプ10の電源側端とが接続され、このポジションランプ10のアース側端とアースとは接続部(C5)で接続されている。
【0054】
このような2灯式ヘッドライト装置を4灯化するとき、上記非交換部AのH/Lリレー4、ディマースイッチ6、メータ内ビームランプ8及びTNSリレー13はそのままにしておいて、それらの部品から2灯式ヘッドライトA2を上記接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて図2に示す4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aの部品に接続して組み込む。
【0055】
上記4灯式ヘッドライトA4は、Hiビームバルブ1、Loビームバルブ2及びポジションランプ10の他に、回路切換手段としてのトランスファリレー15と、第1及び第2の2つのダイオードD1,D2とを備えている。上記Hiビームバルブ1は接続部(C1),(C2)間に直列に接続されており、図1に示すように非交換部Aへの組付状態では、上記H/Lリレー4のスイッチ部4aとディマースイッチ6のHiビーム側接点6bとの間に接続される。
【0056】
一方、Loビームバルブ2は、接続部(C1),(C5)間に直列に接続されており、図1に示すように非交換部Aへの組付状態では、H/Lリレー4のスイッチ部4aとアースとの間に接続される。
【0057】
また、ポジションランプ10の電源側端は接続部(C1)に対し上記第1ダイオードD1を介して、また接続部(C4)に対し第2ダイオードD2を介してそれぞれ並列に接続されている。よって、ポジションランプ10は、図1に示すように非交換部Aへの組付状態ではH/Lリレー4及びTNSリレー13に接続されている。上記第1ダイオードD1はH/Lリレー4からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止するものである。また、第2ダイオードD2は、TNSリレー13からポジションランプ10に電流が流れるのを許容するが、その逆は阻止する。
【0058】
ポジションランプ10のアース側端は上記トランスファリレー15に接続されている。このトランスファリレー15は、スイッチ部16とソレノイド部17とを有し、スイッチ部16はポジションランプ10に接続された第1接点としての可動接点16aと、接続部(C3)に接続された第2接点としての常開接点16bと、接続部(C5)に接続された第3接点としての常閉接点16cとからなり、常時は可動接点16aが常閉接点16cに接続され、ソレノイド部17が励磁されたときに可動接点16aが常閉接点16cから常開接点16bに切り換えられて接続される。そして、このトランスファリレー15のソレノイド部17は接続部(C1),(C2)間に上記Hiビームバルブ1と並列に接続されている。
【0059】
よって、トランスファリレー15は、図1に示すように非交換部Aへの組付状態では、ポジションランプ10とメータ内ビームランプ8及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cとの間に接続されていて、ポジションランプ10に接続される可動接点16a(第1接点)と、メータ内ビームランプ8及びディマースイッチ6のLoビーム側接点6cに接続される常開接点16b(第2接点)と、アースに接続される常閉接点16c(第3接点)とを有し、H/Lリレー4のバルブ点灯状態への切換時、上記ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられたときには、可動接点16aを常閉接点16cに接続する一方、ディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cからHiビーム側接点6bに切り換えられたときに、ソレノイド部17を励磁させて可動接点16aを常閉接点16cから常開接点16bに切り換えて接続する。
【0060】
さらに、上記4灯式ヘッドライトA4におけるポジションランプ10は、Hiビームバルブ1と同じ灯具(図示せず)内に配置されている。すなわち、この灯具は例えばリフレクタとレンズとの組合せからなるもので、そのリフレクタ内にポジションランプ10がHiビームバルブ1と並んで装着される。
【0061】
以上の回路構成をまとめると、図1に示すように、上記4灯式ヘッドライトA4は2灯式ヘッドライトA2に代えて非交換部Aに対し接続部(C1)〜(C5)にて接続された状態で組み込まれている。この4灯式ヘッドライト装置は、H/Lリレー4、ディマースイッチ6、ポジションランプ10、メータ内ビームランプ8及びTNSリレー13を備えており、H/Lリレー4は電源Bに接続されている一方、このH/Lリレー4には、Loビームバルブ2が接続された第1回路20と、Hiビームバルブ1が接続された第2回路21と、メータ内ビームランプ8が接続された第3回路22とが並列に接続される。また、上記第1回路20及び第3回路22はアースに接続され、H/Lリレー4とメータ内ビームランプ8との間の第3回路22にはポジションランプ10が直列に接続される。
【0062】
また、ディマースイッチ6への接続部とポジションランプ10との間の第3回路22に、ポジションランプ10をメータ内ビームランプ8又はアースうちのいずれか一方に接続するように選択切換えされるトランスファリレー15が直列に接続され、トランスファリレー15には、ディマースイッチ6を介してアースに接続される第2回路21と、アースに直接接続される第3回路22とが両接続回路21,22のうちのいずれか一方に選択切換えされるように接続されている。
【0063】
そして、H/Lリレー4のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチ6は、Loビーム状態に切り換えられたときにポジションランプ10及びメータ内ビームランプ8の間の第3回路22をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路21をアースに接続するように第2及び第3回路21,22に接続されている。また、トランスファリレー15は、ディマースイッチ6がLoビーム状態に切り換えられたときに、ポジションランプ10をアースに接続する一方、ディマースイッチ6がHiビーム状態に切り換えられたときには、ポジションランプ10をメータ内ビームランプ8に接続する。
【0064】
また、TNSリレー13は電源Bとポジションランプ10との間に接続され、このTNSリレー13には他の補助ランプ11,11,…がポジションランプ10と並列に接続され、H/Lリレー4から補助ランプ11,11,…への電流が流れるのを阻止する第2ダイオードD2が設けられている。
【0065】
さらに、TNSリレー13から上記Hi及びLoビームバルブ1,2への電流が流れるのを阻止する第1ダイオードD1が設けられている。尚、図1及び図2においては、接続部(C5)は2つに分けて示している。
【0066】
したがって、この実施形態においては、予め図2に示す4灯式ヘッドライトA4を用意しておき、図3に示す2灯式ヘッドライト装置を改造して4灯化する場合、その2灯式ヘッドライト装置における非交換部Aはそのままにして、2灯式ヘッドライトA2のみを接続部(C1)〜(C5)で取り外し、それに代えて、上記4灯式ヘッドライトA4を同じ接続部(C1)〜(C5)で非交換部Aに接続すればよい。このとき、ベース車両の2灯式ヘッドライト装置の灯具も4灯式ヘッドライト装置の灯具に交換する。このことで、図1に示すように、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に4灯式ヘッドライトA4が組み込まれた4灯式ヘッドライト装置が得られる。
【0067】
(補助ランプ群の点灯状態)
この交換後の4灯式ヘッドライト装置では、TNSリレー13がON動作してランプ点灯状態に切り換えられると、電源Bから電流がTNSリレー13を介して補助ランプ11,11,…に流れて、その補助ランプ11,11,…が点灯するとともに、電流がTNSリレー13、第2ダイオードD2、ポジションランプ10、並びにトランスファリレー15のスイッチ部16の可動接点16a及びそれに接続されている常閉接点16cを介してアースに流れ、このことでポジションランプ10が点灯する。
【0068】
そのとき、H/Lリレー4及び両ビームバルブ1,2とポジションランプ10との間にTNSリレー13から両ビームバルブ1,2への電流が流れるのを阻止する第1ダイオードD1が設けられているので、上記TNSリレー13のON状態で、そのTNSリレー13から電流が両ビームバルブ1,2に流れて両ビームバルブ1,2(Hiビームバルブ1はディマースイッチ6がHiビーム側接点6bに切り換えられているとき)が点灯するのを防止することができる。
【0069】
また、後述するように、上記補助ランプ群の1つであるポジションランプ10がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となるようにされてはいるものの、TNSリレー13がON動作して補助ランプ群の点灯状態に切り換えられると、ポジションランプ10を通常のものと同様にH/Lリレー4のビーム消灯状態で点灯させることができ、ポジションランプ10本来の点灯状態を確保することができる。
【0070】
(ビームバルブの点灯状態)
この状態でH/Lリレー4がON動作してバルブ点灯状態に切り換えられると、このH/Lリレー4とアースとの間にLoビームバルブ2が直接に接続されているので、ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6b又はLoビーム側接点6cのいずれに切り換えられていても、それに関係なく電源Bから電流がH/Lリレー4を経てLoビームバルブ2に流れ、そのLoビームバルブ2が点灯する。
【0071】
そして、このH/Lリレー4がバルブ点灯状態へ切り換えられているときに、上記ディマースイッチ6がLoビーム側接点6cに切り換えられていると、電源Bからの電流がH/Lリレー4、第1ダイオードD1、ポジションランプ10、トランスファリレー15のスイッチ部16の可動接点16a及び常閉接点16cを介してアースに流れるので、そのポジションランプ10が上記と同様に点灯したままとなる。
【0072】
一方、上記ディマースイッチ6の可動接点6aがHiビーム側接点6bに切り換えられると、電源Bから電流がH/Lリレー4、Hiビームバルブ1及びディマースイッチ6を経てアースに流れ、このことでHiビームバルブ1が点灯する。
【0073】
このとき、上記Loビームバルブ2は、ディマースイッチ6の切換状態に関係なく常時点灯するので、通常の4灯式ヘッドライト装置(図4参照)と同様に、Hiビーム状態でもLoビームバルブ2がHiビームバルブ1と共に点灯する。このことで、Hiビーム状態での見映えを良くすることができるとともに、Loビームバルブ2の点灯による配光性及び視認性を確保することができる。
【0074】
また、上記H/Lリレー4のON動作により、トランスファリレー15のソレノイド部17が励磁され、そのスイッチ部16の可動接点16aが上記常閉接点16cから常開接点16bに接続するように切り換わり、電源Bからの電流がH/Lリレー4、第1ダイオードD1、ポジションランプ10、トランスファリレー15のスイッチ部16の可動接点16a及び常開接点16b、並びにメータ内ビームランプ8を介してアースに流れる。このことで、上記Hiビームバルブ1の点灯と共にメータ内ビームランプ8が上記ポジションランプ10をダミー抵抗として点灯する。つまり、2灯式ヘッドライトA2を有するベース車両に上記4灯式ヘッドライトA4を組み換えたとしても、ポジションランプ10をダミー抵抗としてメータ内ビームランプ8の点灯状態を確保することができる。
【0075】
しかも、上記メータ内ビームランプ8と直列に接続されてその点灯を行わせるためにダミー抵抗となるポジションランプ10は既存の部品であるので、そのメータ内ビームランプ8の点灯に要するダミー抵抗として特殊な抵抗器が別途に不要となる。そして、上記ポジションランプ10は本来、防水された状態で発熱する補助ランプの1つであるので、その熱対策は十分に行われている。これらの結果、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を低コストで容易に行うことができる。
【0076】
また、上記補助ランプ11,11,…及びTNSリレー13とポジションランプ10との間に第2ダイオードD2が接続されているので、乗員がいわゆるパッシング操作して、上記H/Lリレー4のON状態への切換えとディマースイッチ6の可動接点6aの例えばHiビーム側接点6bへの切換えとが同時に行われたとき、H/Lリレー4から電流が補助ランプ11,11,…に流れようとしても、それは上記第2ダイオードD2により阻止されることとなる。このことで、パッシング時に例えばHiビームバルブ1の点灯と共に補助ランプ11,11,…が点灯するのを防ぐことができ、その補助ランプ11,11,…の不要な点灯防止により消費電力を低減することができる。
【0077】
また、上記Hiビームバルブ1の点灯状態では、ポジションランプ10がメータ内ビームランプ8のダミー抵抗となるので、TNSリレー13のみがON動作したとき及びH/Lリレー4もON動作しかつディマースイッチ6の可動接点6aがLoビーム側接点6cに切り換えられているときに点灯していたポジションランプ10がディマースイッチ6のHiビーム側接点6bへの切換えに伴って消灯し、そのポジションランプ10の消灯状態に違和感を招く虞れがある。しかし、このポジションランプ10は、Hiビームバルブ1と同じ灯具内に配置されているために、ポジションランプ10の消灯状態がHiビームバルブ1の点灯により識別し難くなり、上記違和感を解消することができる。
【0078】
尚、上記実施形態において、トランスファリレー15、第1及び第2ダイオードD1,D2は必ずしも設ける必要はなく、省略することもできるが、それらの各々の持つ作用効果が得られる点で、上記実施形態のように設けておくのが好ましい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び5の発明では、2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する場合に、ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチと、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプとに対し、Hiビームバルブをビームバルブ点灯切換手段とディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続し、ビームバルブ点灯切換手段及びアース間にLoビームバルブを接続し、ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間にポジションランプを接続した。また、請求項2、6、11及び15の発明では、4灯式ヘッドライトにおけるポジションランプとメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間に、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチのHiビーム位置で、ポジションランプをメータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点に接続する一方、ディマースイッチのLoビーム位置で、ポジションランプをアースに接続する回路切換手段を設けた。これらの発明によれば、2灯式ヘッドライト装置の4灯化に伴い、ディマースイッチのHiビーム状態でHiビームバルブのみならずLoビームバルブも点灯させて、Hiビーム状態での見映えの向上、配光性及び視認性の確保を図ることができる。また、ディマースイッチのHiビーム状態で、既存のポジションランプをダミー抵抗としてメータ内ビームランプを点灯させることができ、そのメータ内ビームランプを点灯させるための特殊な抵抗器やそのための熱対策を不要として、2灯式ヘッドライト装置から4灯式ヘッドライト装置への改造を低コストで容易に行うことができる。
【0080】
請求項3、7及び12の発明によれば、ポジションランプをHiビームバルブと同じ灯具内に配置したことにより、ディマースイッチのHiビーム状態で、メータ内ビームランプのダミー抵抗となるポジションランプが消灯状態にあってもHiビームバルブの点灯により識別し難くして、違和感を解消することができる。
【0081】
請求項4及び8の発明によると、ポジションランプを、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続するようにしたことにより、補助ランプ点灯切換手段が補助ランプの点灯状態に切り換えられると、ビームバルブ点灯切換手段がバルブ消灯状態でもポジションランプを点灯させることができ、ポジションランプ本来の点灯状態を確保することができる。
【0082】
請求項9及び13の発明によると、補助ランプ点灯切換手段に補助ランプをポジションランプと並列に接続し、この補助ランプへビームバルブ点灯切換手段から電流が流れるのを阻止する阻止手段を設けたことにより、パッシング時にビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態で補助ランプに電流が流れて補助ランプがビームバルブと共に点灯するのを防止でき、消費電力の低減を図ることができる。
【0083】
請求項10及び14の発明によると、補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段を設けたことにより、補助ランプ点灯切換手段のランプ点灯状態で、ビームバルブが点灯するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る改造後の車両用4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図2】4灯式ヘッドライトの構成を示す回路図である。
【図3】車両用2灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【図4】通常の4灯式ヘッドライト装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
A2 2灯式ヘッドライト
A4 4灯式ヘッドライト
A 非交換部
1 Hiビームバルブ
2 Loビームバルブ
4 H/Lリレー(ビームバルブ点灯切換手段)
6 ディマースイッチ
6b Hiビーム側接点
6c Loビーム側接点
8 メータ内ビームランプ
10 ポジションランプ
11 補助ランプ
13 TNSリレー(補助ランプ点灯切換手段)
15 トランスファリレー(回路切換手段)
16 スイッチ部
16b 常開接点
16c 常閉接点
20 第1回路
21 第2回路
22 第3回路
D1 第1ダイオード(阻止手段)
D2 第2ダイオード(阻止手段)
B 電源
Claims (15)
- Hi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段と、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点との間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 請求項1の車両用4灯式ヘッドライトにおいて、
ポジションランプと、メータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点との間に、ポジジョンランプに接続される第1接点と、メータ内ビームランプ及びディマースイッチのLoビーム側接点に接続される第2接点と、アースに接続される第3接点とを有する回路切換手段が接続され、
上記回路切換手段は、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときに、第1接点を第2接点に接続する一方、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときには、第1接点を第3接点に接続するように構成されていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 請求項1又は2の車両用4灯式ヘッドライトにおいて、
ポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 請求項1又は2の車両用4灯式ヘッドライトにおいて、
ポジションランプは、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続されるように構成されていることを特徴とする車両用4灯式ヘッドライト。 - 車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるビームバルブ点灯切換手段と、
Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うディマースイッチと、
車両の位置を示すポジションランプと、
メータ内で上記Hiビームバルブの点灯状態を示すメータ内ビームランプとを備え、
上記ビームバルブ点灯切換手段には、上記Loビームバルブを介してアースに接続された第1回路と、Hiビームバルブが接続された第2回路と、メータ内ビームランプを介してアースに接続された第3回路とが並列に接続され、
上記ビームバルブ点灯切換手段とメータ内ビームランプとの間の第3回路には上記ポジションランプが直列に接続され、
上記ディマースイッチは、Loビーム状態に切り換えられたときにポジションランプ及びメータ内ビームランプの間の第3回路をアースに接続する一方、Hiビーム状態に切り換えられたときに第2回路をアースに接続するように第2及び第3回路に接続されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項5の車両用ヘッドライト装置において、
ディマースイッチへの接続部とポジションランプとの間の第3回路に、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチがLoビーム状態に切り換えられたときにポジションランプをアースに接続する一方、ディマースイッチがHiビーム状態に切り換えられたときにはポジションランプをメータ内ビームランプに接続するように選択切換えされる回路切換手段が直列に接続されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項5又は6の車両用ヘッドライト装置において、
ポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項5又は6の車両用ヘッドライト装置において、
ポジションランプは、補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段に接続されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項8の車両用ヘッドライト装置において、
補助ランプ点灯切換手段には補助ランプがポジションランプと並列に接続され、
ビームバルブ点灯切換手段から上記補助ランプへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 請求項8の車両用ヘッドライト装置において、
補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。 - 車両用ヘッドライトのHi及びLoビームバルブを点灯状態又は消灯状態に切り換えるためのビームバルブ点灯切換手段と、Hiビーム状態又はLoビーム状態に切り換えられて上記ビームバルブの点灯切換えを行うためのディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段と、メータ内でHiビームバルブの点灯状態を示すためのメータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点との間に接続されるLoビームバルブと、
補助ランプを点灯状態又は消灯状態に切り換えるための補助ランプ点灯切換手段と、アースとの間に接続され、車両の位置を示すポジションランプとを備えた2灯式ヘッドライトを4灯式ヘッドライトに改造する改造方法であって、
上記4灯式ヘッドライトは、上記ビームバルブ点灯切換手段と、上記ディマースイッチのHiビーム側接点との間に接続されるHiビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段とアースとの間に接続されるLoビームバルブと、
上記ビームバルブ点灯切換手段及び補助ランプ点灯切換手段に接続されるポジションランプと、
上記ポジションランプに接続される第1接点と、上記メータ内ビームランプ及び上記ディマースイッチのLoビーム側接点に接続される第2接点とを有し、上記ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時に、ディマースイッチがHiビーム側接点に切り換えられたときに第1接点を第2接点に接続する回路切換手段とを備えており、
上記4灯式ヘッドライトを2灯式ヘッドライトに代えて組み込むことを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
4灯式ヘッドライトのポジションランプは、Hiビームバルブと同じ灯具内に配置されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
補助ランプ点灯切換手段には補助ランプがポジションランプと並列に接続されており、
4灯式ヘッドライトには、ビームバルブ点灯切換手段から上記補助ランプへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
4灯式ヘッドライトには、補助ランプ点灯切換手段からHi及びLoビームバルブへの電流が流れるのを阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。 - 請求項11の車両用ヘッドライト装置の改造方法において、
4灯式ヘッドライトの回路切換手段は、アースに接続される第3接点を有していて、ビームバルブ点灯切換手段のバルブ点灯状態への切換時、ディマースイッチがLoビーム側接点に切り換えられたときに、第1接点を第3接点に接続するように構成されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置の改造方法。
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