JP3728484B2 - ピペッティング方法、およびピペッティング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、容器内の被搬送液体を吸引して所望の位置にて吐出するピペッティング作業において、被搬送液体の吐出量不足を検知するピペッティング方法、およびそのピペッティング方法を採用したピペッティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間や動物の血清、血液、尿などの液体試料、あるいは薬剤、洗浄液、接着剤など、各種被搬送液体を容器から吸引して所定の位置で吐出するに際して、被搬送液体の吐出量が所定量であることが極めて重要である。たとえば、ピペッティング装置を臨床検査装置に組み込んだ場合、被搬送液体としての液体試料の吐出量の不足は、検査結果を誤らせることがある。
【0003】
そこで従来のピペッティング装置においては、被搬送液体を吸引するときに、ノズル配管内の圧力変化を監視することにより、正常な吸引が行われたか否かを判断していた。すなわち、吸引が正常に行われた場合、所定量の被搬送液体が吸引され、したがって所定量の被搬送液体が吐出されるものとの前提で吐出量を判断していた。
【0004】
しかし、上記従来のピペッティング装置では、被搬送液体の吸引が正常に行われたことをもって、所定量の被搬送液体が吐出されるものと判断していたので、何らかの原因で吐出不良が発生したことによる吐出量の不足を検知することができなかった。また、被搬送液体の吸引が正常に行われなかったにも拘らず、正常に行われたと判断してしまった場合にも吐出量の不足を生じるが、このような吐出量の不足も検知できなかった。すなわち、吸引量の不足は、容器内の被搬送液体の被膜や気泡の位置を液面位置であると誤検知したり、被搬送液体の粘度が非常に高いような場合に生じるが、ノズル配管内の圧力変化を監視することによりこれらを完全に検知できるとは限らず、何らかの原因で誤検知を生じることもある。
【0005】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、被搬送液体の吐出量不足を確実に検知できるピペッティング方法、およびそのピペッティング方法を採用したピペッティング装置を提供することを、その課題とする。
【0006】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本願発明の第1の側面によれば、ノズルに連通して被搬送液体をノズルの開口から吸引および吐出させるポンプと、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段とを有するピペッティング装置を用いて、ノズルの開口から所定量の被搬送液体を吸引する吸引工程と、吸引工程において吸引した被搬送液体をノズルの開口から吐出する吐出工程とを含む工程を実行するピペッティング方法であって、吐出工程において、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力変化を圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて被搬送液体の吐出量を判断するとともに、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力が所定値未満であれば、被搬送液体の吐出量が所定値に達していないと判断することを特徴とする、ピペッティング方法が提供される。
【0008】
このピペッティング方法によれば、吐出工程において、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力変化を圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて被搬送液体の吐出量を判断するので、被搬送液体の吐出量不足を確実に検知できる。すなわち、被搬送液体の吐出量不足を生じると、吐出工程において、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力低下の時期が早くなるので、その圧力低下を検出することにより、被搬送液体の吐出量不足を確実に検知できる。また、被搬送液体の吐出量が不足した場合、被搬送液体が全て展延されてしまい、これによりポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力が低下することから、この圧力の低下により吐出量の不足を検知できる。
【0009】
したがって、正確に所定量の被搬送液体を供給できることから、たとえば臨床検査装置に用いた場合、点着時の試料量不足による検査結果の誤りや再検査の手間をなくすことができる。
【0010】
本願発明の第2の側面によれば、ノズルに連通して被搬送液体をノズルの開口から吸引および吐出させるポンプと、ノズルと被搬送液体を収容した容器とを相対的に移動させる駆動装置と、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段と、圧力検出手段からの出力信号が入力されてポンプおよび駆動装置を制御する制御装置とを有し、制御装置によってポンプおよび駆動装置を制御することにより、ノズルの開口から容器内の被搬送液体を所定量吸引し、また吸引した被搬送液体をノズルの開口から吐出するピペッティング装置であって、制御装置は、吸引した被搬送液体をノズルの開口から吐出させるに際して、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力変化を圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて被搬送液体の吐出量を判断するとともに、前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力が所定値未満であれば、前記被搬送液体の吐出量が所定値に達していないと判断する構成としたことを特徴とする、ピペッティング装置が提供される。
【0011】
このピペッティング装置によれば、本願発明のピペッティング方法を採用したので、その方法による効果を享受できる。
【0012】
ノズルとポンプとは、直接あるいは接続具を介して連結され、互いに近接配置されていてもよいし、あるいは、可撓管を介して連結され、互いに相対移動可能になされていてもよい。ノズルは、全体が一体に構成されていてもよいし、複数の部品を接続することにより構成されていてもよい。ノズルの開口は、一般にノズルの先端に形成されるが、他の位置に形成してもよい。ポンプは、たとえばシリンダと、このシリンダのプランジャを往復移動させるパルスモータとからなるシリンジポンプであってもよいし、その他の種類のポンプであってもよい。
【0013】
被搬送液体としては、たとえば血清や血液や尿などの液体試料が考えられるが、もちろんこれらに限定されるものではなく、試薬、洗浄剤、接着剤など、液体であればいかなる種類であってもよい。
【0014】
ノズルと被搬送液体を収容した容器とを相対的に移動させる駆動装置は、たとえばラック・ピニオン機構と電動機とからなるものであってもよいし、その他の機構であってもよい。また、ノズルを移動させる場合、ノズルのみを移動させる構成であってもよいし、ノズルとポンプとを一体的に移動させる構成であってもよい。
【0015】
ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段は、空気流路に直接設置されていてもよいし、ポンプ、ノズル、あるいはポンプとノズルとを連結する連結具や可撓管から延設された導管を介して空気流路に連通するように構成されていてもよい。また、この圧力検出手段は、たとえばダイヤフラムと半導体歪検出素子とを組み合わせてなるものであってもよく、他の構成のものであってもよい。
【0016】
制御装置は、たとえばマイクロコンピュータあるいはパーソナルコンピュータなどにより実現できる。
【0017】
好ましい実施の形態によれば、被搬送液体は試薬パッドに点着される液体試料であり、制御装置は、吸引した液体試料をノズルの開口から試薬パッドに吐出するに際して、吐出のためのポンプの駆動が終了した後でかつノズルの開口を試薬パッドから離間させる前の所定の時期におけるポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力が所定値未満であれば、液体試料の吐出量が所定値に達していないと判断する。
【0018】
すなわち、液体試料の吐出量が正常の場合、吐出のためのポンプの駆動が終了した後、液体試料が試薬パッドに展延している間は、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力の逃げがなくなって圧力は上昇したままであり、ノズルが上昇してノズルの開口が試薬パッドから離間することにより圧力が逃げて、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力が低下するのであるが、液体試料の吐出量が不足した場合、吐出のためのポンプの駆動が終了してノズルを上昇させるまでに液体試料が全て試薬パッドに展延されてしまい、これによりポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力が低下することから、この圧力の低下により吐出量の不足を検知できる。なお、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出する時期、および吐出量不足と判断する検出圧力の値は、液体試料の吐出量誤差の許容範囲などに基づいて適宜決定すればよい。
【0024】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1は、本願発明に係るピペッティング装置を備えた試料検査装置の一例を示す外観斜視図であって、この試料検査装置1は、筐体2内に後述のピペッティング装置3を組み込んだものであり、この筐体2の前面部には、蓋体4によって開閉可能な開口部5が設けられている。蓋体4は、操作スイッチを兼ねたタッチパネルタイプのディスプレイ装置6などを開蓋状態における前面部に具備し、この試料検査装置1の操作盤としての機能を有するものである。また、筐体2には、この筐体2の開口部5の手前位置から筐体2内の奥部へ移動するように矢印a方向にスライド自在なスライドテーブル7が設けられている。このスライドテーブル7の上面には、検査対象となる被搬送液体の一例としての液体試料を収容した複数の容器8を起立保持させるためのホルダー9、液体試料を検査するための複数の試薬パッド10、およびこの試薬パッド10に液体試料が点着された後の色彩の変化を測定する測定装置(図示略)などが設けられる。なお、蓋体4には、検査結果などを印字出力するプリンタ11がディスプレイ装置6に隣接して設置されている。
【0027】
この試料検査装置1では、たとえば液体試料として血清が用いられ、この血清がピペッティング装置3の動作によって試薬パッド10に点着されると、その後この試薬パッド10に対して光ファイバを介して単色光を照射させてから、その反射光をホトダイオードで読み取るようになっている。そして、周知の方法を用いて測定データを分析し、血清中の各種の成分をディスプレイ装置6の表示画面に表示したり、あるいはプリンタ11を用いて記録紙に印字出力するようになっている。
【0028】
図2はピペッティング装置3の概略全体構成図であって、ノズル21は、ノズル本体22とノズルチップ23とにより構成されている。すなわち、ノズルチップ23は樹脂製であり、ノズル本体22の先端小径部に挿抜自在に装着されており、先端が開口している。ノズル本体22のノズルチップ23側とは反対側の端部には、ジョイント管24を介してシリンジポンプ25が接続されている。このシリンジポンプ25は、シリンダ26と、このシリンダ26内を移動するプランジャ27と、このプランジャ27を往復移動させるパルスモータ28とにより構成されている。なお、パルスモータ28の出力軸の回転運動をプランジャ27の直線運動に変換する機構は、周知であるので説明を省略する。これらノズル21およびシリンジポンプ25は、電動機29によりラック・ピニオン機構やベルト・プーリ機構を介して駆動される移動台(図示せず)に搭載されて、上下方向および図1の矢印a方向に直交する水平方向に移動可能なように構成されている。ノズル21とシリンジポンプ25とを接続するジョイント管24からは分岐管30が分岐しており、この分岐管30には圧力センサ31が接続されている。
【0029】
ノズル21およびシリンジポンプ25の移動すなわち電動機29の駆動、ならびにシリンジポンプ25の駆動すなわちパルスモータ28の駆動は、制御装置32により制御される。この制御装置32は、CPU33、ROM34、RAM35、および入出力インターフェイス36を備えており、入出力インターフェイス36には、パルスモータ28、電動機29、圧力センサ31、操作部37、表示部38、および印字部39が接続されている。操作部37および表示部38は、図1のディスプレイ装置6により構成されており、印字部39は、図1のプリンタ11により構成されている。
【0030】
パルスモータ28は、制御装置32により制御されて、シリンジポンプ25のプランジャ27を移動させることにより、ノズル21に容器8内の液体試料を吸引および吐出させたり、あるいは空気を吸引および吐出させたりする。電動機29は、制御装置32により制御されて、ノズル21およびシリンジポンプ25を昇降および水平移動させ、ノズルチップ23の先端開口を容器8内の液体試料中に没入させたり、図1の試薬パッド10に接触させたりする。圧力センサ31は、たとえばダイヤフラムと半導体歪検出素子とからなり、シリンジポンプ25とノズル21の開口との間の空気流路の圧力を検出し、その圧力に応じた電圧のアナログ信号を出力する。制御装置32は、試料検査装置1の全体を制御する。CPU33は、予めROM34に格納されているプログラムに基づいて動作し、圧力センサ31や操作部37などからの信号に基づいて、パルスモータ28、電動機29、表示部38、および印字部39などに制御データを出力する。ROM34は、プログラムや所定のデータなどを記憶している。RAM35は、図外の電池により電源バックアップが施されており、各種のデータを記憶する。入出力インターフェイス36は、アナログ・ディジタル変換、シリアル・パラレル変換、あるいはタイミング制御など、CPU33と外部の装置との信号の授受を制御する。操作部37は、使用者によるディスプレイ装置6(図1)の表示画面のタッチ操作などに応じた指令信号を制御装置32に供給する。表示部38は、制御装置32により制御されて、各種の文字あるいは図形などをディスプレイ装置6(図1)の表示画面に表示する。印字部39は、制御装置32により制御されて、分析結果などを記録紙に印字出力する。この印字部39は、実際には図1のプリンタ11である。
【0031】
すなわち、シリンジポンプ25は、ノズル21に連通して液体試料をノズル21の開口から吸引および吐出させるポンプを構成している。電動機29は、ノズル21を移動させる駆動装置の一部を構成している。圧力センサ31は、シリンジポンプ25とノズル21の開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段を構成している。制御装置32は、圧力センサ31からの出力信号が入力されてパルスモータ28および電動機29を制御する制御装置を構成している。ROM34は、ノズル21の開口から所定量の液体試料を吸引する吸引工程を実行させる吸引プログラムと、吸引工程において吸引した液体試料をノズル21の開口から吐出する吐出工程を実行させる吐出プログラムと、吐出工程において、シリンジポンプ25とノズル21の開口との間の空気流路の圧力変化を圧力センサ31からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて液体試料の吐出量を判断させる吐出量判断プログラムとを含むプログラムが格納されている記憶媒体を構成している。
【0032】
この試料検査装置1は、ノズル21により容器8内の液体試料を所定量吸引し、その液体試料を試薬パッド10に点着して、試薬パッド10の色彩の変化により液体試料である血清の成分分析を行うものであり、これらは全て制御装置32により制御されて自動的に行われる。このような制御装置32による制御動作のうち、液体試料の吐出量不足を判断するステップを含む吐出処理の手順について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
いま、ノズルチップ23内には液体試料が吸引されており、ノズルチップ23の先端開口は、図1の試薬パッド10の真上の所定高さの位置に存在しているものとする。先ずCPU33が、パルスモータ28を制御してシリンジポンプ25のプランジャ27を吐出側に移動させ、ノズルチップ23の先端開口から液体試料を少し吐出させて液玉を形成させる(S1)。さらにCPU33が、電動機29を制御して、ノズル21およびシリンジポンプ25を下降させ、ノズルチップ23の先端開口を試薬パッド10の表面に当接させる(S2)。これにより、ノズルチップ23の先端開口近傍に形成された液体試料の液玉が試薬パッド10に展延されていく。そしてCPU33が、パルスモータ28を制御してシリンジポンプ25のプランジャ27を吐出側に移動させ、ノズルチップ23内に残った少量の液体試料をノズルチップ23の先端開口から吐出させる(S3)。そしてCPU33が、予め決められた所定時間を計時するタイマをセットし(S4)、そのタイマがタイムアップしたか否かを判断する(S5)。すなわち、吐出した液体試料が試薬パッド10に展延されるにはある程度の時間を要するので、ノズルチップ23の先端開口を試薬パッド10の表面に当接させた状態で所定時間待機するのである。
【0034】
タイマがタイムアップすれば(S5:YES)、CPU33が、圧力センサ31からの出力信号を監視して、圧力センサ31による検出圧力が予め決められた所定値以上であるか否かを判断する(S6)。すなわち、液体試料の吐出量が正常の場合、吐出のためのシリンジポンプ25の駆動が終了した後、液体試料が試薬パッド10に十分に展延されるまでは、シリンジポンプ25とノズルチップ23の先端開口との間の空気流路の圧力の逃げがなくなって圧力は上昇したままであり、ノズル21が上昇してノズルチップ23の先端開口が試薬パッド10の表面から離間することにより圧力が逃げて、シリンジポンプ25とノズルチップ23の先端開口との間の空気流路の圧力が低下する。しかし、液体試料の吐出量が不足した場合、液玉形成の段階でノズルチップ23内に液体試料は殆ど残存しておらず、吐出のためのシリンジポンプ25の駆動が終了してノズル21を上昇させるまでに液体試料が全て試薬パッド10に展延されてしまい、これによりシリンジポンプ25とノズルチップ23の先端開口との間の空気流路の圧力が低下することから、この圧力の低下により吐出量の不足を検知しようとしているのである。
【0035】
圧力センサ31による検出圧力が所定値以上であれば(S6:YES)、液体試料の吐出量は正常ということなので、CPU33が、フラグFを1にセットする(S7)。このフラグFは、RAM35に記憶される。そしてCPU33が、電動機29を制御してノズル21およびシリンジポンプ25を所定の位置まで上昇させる(S8)。そしてCPU33が、フラグFが1であるか否かを判断し(S9)、フラグFが1であれば(S9:YES)、液体試料が正常に吐出されたということなので、このルーチンを終了する。
【0036】
S9において、フラグFが1でなけば(S9:NO)、フラグFが0であり、液体試料の吐出量不足が生じたということなので、CPU33が、ディスプレイ装置6の表示画面に吐出量不足が生じた旨を表示させ(S10)、このルーチンを終了する。もちろんこの場合、試薬パッド10の反射率の測定は行わず、プリンタ11により印字出力される検査結果に、液体試料の吐出量不足が生じた旨を記録する。
【0037】
S6において、圧力センサ31による検出圧力が予め決められた所定値以上でなければ(S6:NO)、吐出量不足を生じたということなので、CPU33が、フラグFを0にセットし(S11)、S8に進む。すなわち、吐出量不足を生じたか否かを、フラグFの内容によって記憶するのである。
【0038】
S5において、タイマがタイムアップしていなければ(S5:NO)、S5に戻ってタイマがタイムアップするまで待機する。
【0039】
図4および図5は上記S6の検出圧力判定ステップにおける圧力センサ31の出力波形およびその微分波形の説明図である。図4において、実線41は液体試料の吐出量が所定量の場合の圧力センサ31の出力波形、実線42は液体試料の吐出量が所定量の場合の圧力センサ31の出力の微分波形を表している。図5において、実線43は液体試料の吐出量が所定量よりも少ない場合の圧力センサ31の出力波形、実線44は液体試料の吐出量が所定量よりも少ない場合の圧力センサ31の出力の微分波形を表している。
【0040】
図4において、液体試料の吐出後、ノズル21の上昇が開始されるタイミングを41a,42aで示しており、このタイミング41a,42aよりも前においては、明らかに検出圧力が高くなっている。これは、ノズルチップ23の先端開口から吐出された液体試料が所定量の場合、その液体試料が試薬パッド10に展延されるのに時間を要し、ノズルチップ23の先端開口が閉塞されたような状態になって、ノズル21が上昇を開始してノズルチップ23の先端開口が試薬パッド10の表面から離間するまで圧力センサ31による検出圧力が低下しないからである。これに対し、図5において、液体試料の吐出後、ノズル21の上昇が開始されるタイミングを43a,44aで示しているが、このタイミング43a,44aよりも前において、検出圧力の上昇は殆どみられない。これは、ノズルチップ23の先端開口から吐出された液体試料が所定量よりも少ない場合、液玉の形成時点でノズルチップ23内に残留する液体試料が殆どなくなり、その液体試料が試薬パッド10に展延される時間が極めて短くなるため、シリンジポンプ25のプランジャ27を吐出側に移動させてもノズルチップ23の先端開口が閉塞されず、圧力センサ31による検出圧力が上昇しないからである。したがって、ノズルチップ23の先端開口を試薬パッド10の表面に当接させてノズルチップ23内に残留した液体試料を吐出させた時点からノズル21を上昇させる時点までのいずれかの時点で、圧力センサ31による検出圧力が所定値以上であるか否かを判断することにより、正確に吐出量不足を検知できる。なお、図4および図5において、41b,42b,43b,44bは、ノズルチップ23の先端開口を試薬パッド10の表面に当接させてノズルチップ23内に残留した液体試料を吐出させた時点をそれぞれ示しており、41c,42c,43c,44cは、液体試料の液玉形成時点をそれぞれ示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るピペッティング装置を備えた試料検査装置の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本願発明に係るピペッティング装置の概略全体構成図である。
【図3】本願発明に係るピペッティング装置による吐出処理の手順を説明するフローチャートである。
【図4】本願発明に係るピペッティング装置に備えられた圧力センサによる、液体試料の吐出量が所定量である場合における出力波形およびその微分波形の説明図である。
【図5】本願発明に係るピペッティング装置に備えられた圧力センサによる、液体試料の吐出量が所定量よりも少ない場合における出力波形およびその微分波形の説明図である。
【符号の説明】
1 試料検査装置
3 ピペッティング装置
6 ディスプレイ装置
8 容器
10 試薬パッド
11 プリンタ
21 ノズル
22 ノズル本体
23 ノズルチップ
25 シリンジポンプ
28 パルスモータ
29 電動機
31 圧力センサ
32 制御装置
Claims (3)
- ノズルに連通して被搬送液体を前記ノズルの開口から吸引および吐出させるポンプと、前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段とを有するピペッティング装置を用いて、
前記ノズルの開口から所定量の前記被搬送液体を吸引する吸引工程と、
前記吸引工程において吸引した前記被搬送液体を前記ノズルの開口から吐出する吐出工程とを含む工程を実行するピペッティング方法であって、
前記吐出工程において、前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力変化を前記圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて前記被搬送液体の吐出量を判断するとともに、前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力が所定値未満であれば、前記被搬送液体の吐出量が所定値に達していないと判断することを特徴とする、ピペッティング方法。 - ノズルに連通して被搬送液体を前記ノズルの開口から吸引および吐出させるポンプと、前記ノズルと前記被搬送液体を収容した容器とを相対的に移動させる駆動装置と、前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段からの出力信号が入力されて前記ポンプおよび前記駆動装置を制御する制御装置とを有し、
前記制御装置によって前記ポンプおよび前記駆動装置を制御することにより、前記ノズルの開口から前記容器内の前記被搬送液体を所定量吸引し、また吸引した前記被搬送液体を前記ノズルの開口から吐出するピペッティング装置であって、
前記制御装置は、吸引した前記被搬送液体を前記ノズルの開口から吐出させるに際して、前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力変化を前記圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて前記被搬送液体の吐出量を判断するとともに、前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力が所定値未満であれば、前記被搬送液体の吐出量が所定値に達していないと判断する構成としたことを特徴とする、ピペッティング装置。 - 前記被搬送液体は試薬パッドに点着される液体試料であり、前記制御装置は、吸引した前記液体試料を前記ノズルの開口から前記試薬パッドに吐出するに際して、吐出のための前記ポンプの駆動が終了した後でかつ前記ノズルの開口を前記試薬パッドから離間させる前の所定の時期における前記ポンプと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力が所定値未満であれば、前記液体試料の吐出量が所定値に達していないと判断する、請求項2に記載のピペッティング装置。
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