JP3728329B2 - 複合型転がり案内ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
発明の属する技術分野
この発明は、ケーシングの凹部に挿通して相対移動可能な第1軌道体、及び該第1軌道体の端部に設けられたガイド部で相対移動可能な第2軌道体を有する複合型転がり案内ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、メカトロ技術の発展がめざましく、例えば、組立ロボットは、用途の拡大が求められ、大型のものから小型のものまで作製されている。また、直動転がり案内ユニットとして、図10、図11及び図12を示すものが知られている。該直動転がり案内ユニットは、スライダ1をトラックレール2に跨がせた状態で載置し、トラックレール2の軌道溝4に沿って循環する複数の転動体7の介在で自在に摺動する。トラックレール2の長手方向両側面3には軌道溝4が形成されている。トラックレール2には、長手方向に隔置して複数個の取付孔15が形成されている。トラックレール2はベッド、機台、加工台等の取付ベース20に固定されている。トラックレール2に形成されている取付孔15には、ボルト16が挿通され、該ボルト16を取付ベース20に形成されたねじ21に螺入することによってトラックレール2が取付ベース20に固定されている。また、取付孔15の上部には、ボルト16を挿入した後に塵、水分等が侵入しないように埋栓13が嵌入されている。
【0003】
スライダ1は、トラックレール2に対して相対移動可能であり且つトラックレール2の各軌道溝4に対向する位置に軌道溝9を形成したケーシング5、対向する軌道溝4,9を転送する多数のボール等の転動体7、及びケーシング5の両端にそれぞれ取り付けられたエンドキャップ6を有している。ケーシング5の上部には、スライドテーブル等を取り付けるための複数のねじ穴19が形成されている。ケーシング5及びエンドキャップ6の各下面には、ケーシング5及びエンドキャップ6とがトラックレール2に跨がって移動するようにレール挿通凹部10が各々形成されている。また、ケーシング5から転動体7が脱落するのを防止するために、保持バンド18が多数の転動体7を囲むようにケーシング5に取り付けられ、トラックレール2とケーシング5下端との間のシールを達成するために、下面シール8がスライダ1の下面に取り付けられる。
【0004】
エンドキャップ6には、転動体7がトラックレール2との負荷軌道である軌道溝4からすくわれる爪22、及び転動体7の循環のために転動体7を方向転換させる方向転換路11が両側に形成されている。また、このエンドキャップ6には、トラックレール2とスライダ1の長手方向両端部との間のシールを達成する側面シール17が取り付けられ、トラックレール2とスライダ1間の摺動面に潤滑剤を供給するためのグリースニップル23が取り付けられている。エンドキャップ6は、複数の取付孔24に貫通させたねじ25等によりケーシング5の両端面に取り付けられる。トラックレール2の軌道溝4を走行する負荷域の転動体7は、エンドキャップ6内に形成された方向転換路11に導かれ、次いで、ケーシング5の上部に軌道溝9と平行して形成されたリターン通路孔12に移動し、多数の転動体7は無限循環路内を無限循環する。このように、スライダ1に形成された軌道溝9とトラックレール2に形成された軌道溝4との間に位置する負荷された転動体7の転動により、トラックレール2とスライダ1とが相対運動することができる。
【0005】
従来、クロス直線ベアリングは、上記直動転がり案内ユニットを組合わせて構成したものであり、例えば、図13及び図14に示すもの、図15に示すもの或いは図16及び図17に示すものが知られている。各図において、同一機能を有する部品には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図13及び図14に示すクロス直線ベアリングは、取付ベース20の上面31上にトラックレール2が固定され、トラックレール2上をスライダ1が摺動移動する。スライダ1にはブラケット26を介して別のスライダ1が取り付けられ、別のスライダ1に対して別のトラックレール2が摺動移動できるように設けられている。別のトラックレール2には、支持部材27が固定されている。支持部材27の下端部にはバイト、チャック、治具等の取付手段28が固定されており、ベース30上に固定されている工作物等の被処理物29に対して加工等の処理、或いはベース30上の物体を別の場所に搬送する処理を行うように構成されている。また、図15に示すクロス直線ベアリングは、図13及び図14に示すものと比較して、スライダ1とトラックレール2とがそれぞれ一対設けられたものである。
【0006】
また、図16及び図17に示すクロス直線ベアリングは、テーブル33を使用した例であり、スライダ1とトラックレール2とがそれぞれ二対設けられている。取付ベース20の側壁面32に一対のトラックレール2が固定され、トラックレール2に一対のスライダ1がそれぞれ摺動可能に設けられ、4個のスライダ1の一面にはテーブル33が固定されている。また、テーブル33の他面には二対のスライダ1が固定されている。対になっているスライダ1には、上下方向(XZ方向)に摺動移動するトラックレール2がそれぞれ設けられている。また、ベース30には、別のトラックレール2が固定され、該トラックレール2には対になっている別のスライダ1が摺動できるように設けられ、該スライダ1にはテーブル34が固定されている。テーブル34上には工作物等の被処理物を設置することができるように構成されている。
【0007】
例えば、特公昭54−32888号公報に開示されたクロス直線ベアリングは、ベアリング本体の上面と下面に軌導台が嵌装される軌導溝を互いに交差する方向に設け、軌導溝の内側面上には1つの軌導台の削設した負荷ボールの転動溝と互いに補い合って4条の負荷軌導を形成する溝を削設し、該溝の両側には無負荷ボールの帰還軌導を形成する溝を削設して4つの無限軌導を形成せしめこれらの溝内に位置するボールをリテーナで軌導溝内に支架させ、4条の負荷軌導内に位置する負荷ボールによってあらゆる方向の荷重を支承できるものである。同様に、XY方向のクロス直線ベアリングで構成されるXYテーブルが特公平4−72084号公報に開示されている。
【0008】
また、特公昭57−40372号公報には、クロス直線ベアリングユニットが開示されている。該クロス直線ベアリングユニットは、被摺動体を縦方向及び横方向に直線的に摺動させて被摺動体の正確な位置決めを行うものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のクロス直線ベアリングユニットは、二次元の動きをさせるには、一般的に、図13〜図17に示すように、一方のスライダ1上にテーブル33又はブラケット26を取り付け、テーブル33又はブラケット26に他方のスライダ1を取り付けて構成されている。このように、従来のクロス直線ベアリングユニットではテーブル、ブラケット等の取付部材を必要とし、そのため、取付部材を介在させることによる累積誤差が発生し、高精度な取り付けが困難である。更に、例えば、二軸即ち2つの軌道体を直交させる場合に、一方の軌道体に対して他方の軌道体を如何にすれば直角に固着することができるかである。また、取付部材をボルト等で他部品に固着する場合、装置の高速運転によって発生する振動等で固着部分に緩みが発生するという問題がある。
【0010】
また、テーブル又はブラケットを使用しないクロス直線ベアリングとしては、上記各公報に開示されたものが知られているが、これらのクロス直線ベアリングは、1つのベアリング本体(スライダ)に互いに交差して延びる軌導台(トラックレール)を設けたものであり、平行な2平面における相対移動に関するものである(前掲特公昭54−32888号公報、前掲特公平4−72084号公報参照)。しかしながら、これらのクロス直線ベアリングは、スライダの上下側に軌導溝を形成したものであるので、トラックレールは平行な平面に延びる構造を取ることができるが、トラックレールは同一の平面に延びる構造を取ることができないものである。言い換えれば、これらのクロス直線ベアリングは、交する2平面の相対移動を行うことができない構造である。
【0011】
また、一対の軌条を上下方向即ちYZ方向又はXZ方向の平面上に固定し、該軌条に交差して延びる別の一対の軌条を相対移動できるように構成したものである(前掲特公昭57−40372号公報参照)。しかしながら、該クロス直線ベアリングは、上記のものと同様に、ベアリング本体(スライダ)に形成した軌導溝の位置関係がスライダの上下側に形成されているので、軌道台(トラックレール)は平行な平面に延びる構造を取ることができるが、トラックレールは交差方向の平面に延びる構造を取ることができないものである。従って、一方のトラックレールを上下方向に移動させるタイプでは、他方のトラックレールを取付ベースの側壁面に配置させなければならないという制約があり、取付状態について重量上、安定性を欠くという問題がある。言い換えれば、これらのクロス直線ベアリングは、一対のトラックレールは、互いに平行な2平面の相対移動ができるが、面が交差する2平面の相対移動を行うことができない構造である。
【0012】
この発明の目的は、例えば、組立ロボット、半導体組立装置、搬送装置、工作機械等の比較的に小型の装置に適用して好ましいものであり、物体をある位置から二次元的に移動させるに当たって、少なくとも一対の軌道体と1個のケーシングから構成して部品点数を低減して複数部品間の累積誤差を最小限に低減すると共に、軌道体間での所定の角度、例えば、直交90°を高精度に設定でき、一対の軌道体が互いに交差する面上で高精度な二次元的な相対移動を可能にし、例えば、工作物に対する加工精度を向上させたり、軌道体又はケーシングに取り付けた被処理物を正確に且つ確実に位置決め等の処理を行うことができる複合型転がり案内ユニットを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、凹部の対向面に第1軌道溝を備えたケーシング、該ケーシングの前記凹部に挿通して一平面上で相対移動する長手方向両側面に第1軌道溝を形成した第1軌道体、前記第1軌道溝が延びる平面に対して交差方向の平面に延びる第2軌道溝を備えた前記第1軌道体の端部に設けられたガイド部、前記ガイド部に挿通されて相対移動し且つ長手方向両側面に前記交差方向の平面に延びる第2軌道溝を形成した第2軌道体、前記第1軌道溝間と前記第2軌道溝間とをそれぞれ転走する転動体、前記ケーシングの両端面にそれぞれ配置された第1エンドキャップ、及び前記ガイド部を設けた前記第1軌道体の前記端部の対向面にそれぞれ配置された第2エンドキャップ、を有することを特徴とする複合型転がり案内ユニットに関する。
【0014】
また、この複合型転がり案内ユニットにおいて、前記第1軌道体の端部の前記ガイド部は、前記第1軌道体に一体構造に構成されている。また、前記第1軌道体の前記第1軌道溝が延びる前記平面と前記第2軌道体の前記第2軌道溝が延びる前記交差方向の平面とは互いに直交するものである。
【0015】
また、前記第1エンドキャップと前記第2エンドキャップとの各端面には側面シールがそれぞれ配置され、前記第1エンドキャップと前記第2エンドキャップとは前記転動体の転走方向を転換させる方向転換路が形成されている。
【0016】
更に、前記第2エンドキャップは、前記第1軌道体の前記端部の対向面又は該対向面を切り欠いた切欠き面に固定されているものである。
【0017】
また、前記ケーシングは取付ベースに固定され、前記第2軌道体には治具や把持具の部品を取り付ける取付手段を設けた支持部材が固定されている。或いは、前記第2軌道体は取付ベースに固定され、前記ケーシングには治具や把持具の部品を取り付ける取付手段を設けた支持部材が固定されている。
【0018】
また、前記第1軌道体と前記第2軌道体とはそれぞれトラックレールで構成されている。或いは、前記第1軌道体はトラックレールで構成され、前記第2軌道体はスプライン軸で構成されている。
【0019】
の複合型転がり案内ユニットは、第1軌道溝を備えたケーシング上で長手方向両側面に第1軌道溝を形成した第1軌道体を一平面上で相対移動させ、前記第1軌道溝が延びる平面に対して交差方向の平面に延びる第2軌道溝を備えたガイド部を前記第1軌道体の端部に設け、前記第1軌道体が相対移動する前記平面に対して前記交差方向の平面に延びる第2軌道溝を長手方向両側面に形成した第2軌道体が前記ガイド部に案内されて相対移動するので、前記第1軌道体と前記第2軌道体とが交差する2平面上で相対移動が可能になる。特に、前記第1軌道体と前記第2軌道体との交差角度を、直交(90°)等の所望の角度に容易に且つ正確に設定することができる。言い換えれば、それぞれ軌道溝が延びる平面と見て、前記第1軌道体と前記第2軌道体とは、それぞれXY方向の平面上、XZ方向の平面上又はYZ方向の平面上のいずれかを相対移動することになる。従って、この複合型直動転がり案内ユニットは、前記ケーシング又は前記第2軌道体を前記取付ベースに安定して固定し、支持することができると共に、二次元的な相対移動に対して部品点数を低減して複数部品間の累積誤差を最小限に低減することができる。
【0020】
発明の実施の形態
以下、図面を参照して、この発明による複合型転がり案内ユニットの実施例を説明する。この複合型転がり案内ユニットの各実施例を各図面を参照して説明する場合に、各実施例を説明するための各図面では、図10〜図17に示す従来の装置の部品と基本的に対応する部品には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。この複合型転がり案内ユニットについては、図を参照して説明した実施例は複合型直動転がり案内ユニットについて示されている。
【0021】
図1を参照して、この発明による複合型転がり案内ユニットの一実施例を説明する。図1はこの発明による複合型転がり案内ユニットの一実施例を示す斜視図である。この複合型転がり案内ユニットは、図10に示すような直動転がり案内ユニットを利用したものであり、少なくとも一対のトラックレール2A,2B及び1個のケーシング5で構成され、取付ベース(図示せず)に固定されたケーシング5に対してトラックレール2Aを介在してトラックレール2Bが二次元的な平面移動を行うか、又は取付ベース(図示せず)に固定されたトラックレール2Bに対してトラックレール2Aを介在してケーシング5が二次元的な平面移動を行うことができるものである。この実施例では、軌道体としてトラックレールを使用し、ケーシング5が取付ベース(図示せず)に固定された場合について説明する。場合によっては、トラックレール2Bに換えてボールスプライン軸を使用することができ、また、トラックレール2Bを取付ベースに固定してケーシング5を二次元移動させるように構成することもできる。
【0022】
この複合型直動転がり案内ユニットにおいて、ケーシング5には長手方向に凹部が形成され、該凹部の対向面に軌道溝9がそれぞれ形成されている。ケーシング5の凹部には、トラックレール2Aが嵌合して相対的に直線的に摺動移動する。トラックレール2Aは、長手方向両側面3に軌道溝4が形成されている。ケーシング5は、軌道溝4に対向する位置に対応する部分に軌道溝9が形成されている。トラックレール2Aの軌道溝4とケーシング5の軌道溝9とで構成される軌道路には、転動体(図示せず)が転走するように組み込まれている。トラックレール2Aは、ケーシング5の凹部に挿通され一平面上で直線的に相対移動するものである。トラックレール2Aの一端部には、軌道溝4が延びる平面に対して交差方向の平面に延びる軌道溝9が形成されているガイド部35が設けられている。長手方向両側面3に軌道溝4を形成したトラックレール2Bは、ガイド部35に挿通されて相対移動するように組み込まれている。
【0023】
また、トラックレール2Bの軌道溝4とガイド部35の軌道溝9とで構成される軌道路には、転動体(図示せず)が転走するように組み込まれている。また、ケーシング5の両端面には、エンドキャップ6Aがそれぞれ配置されている。ガイド部35を設けたトラックレール2Aの端部の対向面には、エンドキャップ6Bがそれぞれ配置されている。エンドキャップ6Bは、トラックレール2Aの端部の両側面の対向面を切り欠いた切欠き面36に固定され、エンドキャップ6Bの端面がトラックレール2Aの両側面3と同一面上になるように形成されている。また、エンドキャップ6Aの各端面には側面シール17がそれぞれ配置されている。
【0024】
図1では、トラックレール2Aの端部に設けたガイド部35は、トラックレール2Aに一体構造に構成されている。場合によっては、ガイド部35はトラックレール2Aの端部に固定された別のケーシング(図示せず)から成る別体構造に構成することもできる。エンドキャップ6A、6Bには転動体の方向を転換させる方向転換路(図示せず)が形成されている。また、トラックレール2Bの端部には、バイト、治具や把持具の部品を取り付ける取付手段を設けることができる。
【0025】
この複合型直動転がり案内ユニットは、上記のように構成されているので、トラックレール2Bは、トラックレール2Aが移動する平面に対して交差方向の平面に延びており、該平面上でトラックレール2Aに対して直線的に相対移動する。従って、トラックレール2Aが延びる平面とトラックレール2Bが延びる平面とは、互いに直交し、直交する平面上で互いに相対移動することができる。それ故、トラックレール2Bは、固定されたケーシング5に対して二次元的に平面移動を行うことができる。しかも、この複合型直動転がり案内ユニットは、互いに相対移動するケーシング5、トラックレール2A,2Bの3つの部品から構成されているので、部品間で発生する誤差を可及的に小さく調整しておけば、累積誤差を低減することができる。トラックレール2Aとトラックレール2Bとの平面を、例えば、直交(90°)する角度に設定しておけば、ケーシング5に対するトラックレール2Bの平面上の移動を極めて正確に且つ安定して確保でき、例えば、工作機械、組立装置等に組み込んだ場合には、高精度の加工や高精度の位置決めを達成できる。
【0026】
次に、図2を参照して、この発明による複合型転がり案内ユニットの別の実施例を説明する。この実施例は、上記実施例と比較すると、エンドキャップ6Bの取付状態が異なる以外は、同一の構成及び同一の機能を有するので、重複する説明は省略する。この実施例では、トラックレール2Aの端部の両側面3の対向面にそれぞれ固定されたエンドキャップ6Bは、トラックレール6Aの端部の両側面3を切り欠くことなく、トラックレール6Aの側面3から突出した状態に固定されている。
【0027】
次に、図3を参照して、この発明による複合型転がり案内ユニットの更に別の実施例を説明する。この実施例は、図1の実施例と比較すると、トラックレール2Aの端部に形成した軌道溝の方向が異なる以外は、同一の構成及び同一の機能を有するので、重複する説明は省略する。この実施例では、トラックレール2Aの両側面3に形成された軌道溝4と、トラックレール2Aの端部のガイド部35に形成された軌道溝4との形成方向が交差している。各軌道溝4の交差状態は、図3では直交(90°)に交差しており、図1のガイド部35に形成された軌道溝4の方向とも直交(90°)した方向に交差している。
【0028】
次に、図4を参照して、この発明による複合型転がり案内ユニットの他の実施例を説明する。この実施例は、図2の実施例と比較すると、トラックレール2Aの端部に形成した軌道溝の方向が異なる以外は、同一の構成及び同一の機能を有するので、重複する説明は省略する。この実施例では、トラックレール2Aの両側面3に形成された軌道溝4と、トラックレール2Aの端部のガイド部35に形成された軌道溝4との形成方向が交差している。各軌道溝4の交差状態は、図4では直交(90°)に交差しており、図2のガイド部35に形成された軌道溝4の方向とも直交(90°)した方向に交差している。
【0029】
図5及び図6には、この複合型転がり案内ユニットの設置状態の一実施例が示されている。この実施例では、取付ベース20の側面32上にケーシング5が固定され、ケーシング5の凹部に挿通したトラックレール2Aが摺動移動する。トラックレール2Aを安定して支持するため、一対のケーシング5が取付ベース20に固定されている。トラックレール2Aの端部にはガイド部35が形成されている。ガイド部35には、別のトラックレール2Bが摺動移動できるように設けられている。従って、トラックレール2Bは、固定されたケーシング5に対して二次元的な移動をすることができる。トラックレール2Bには、支持部材27が固定されている。支持部材27の下端部には、バイト、チャック、治具又は被処理物を取り付ける取付手段28が固定されている。取付手段28のバイト等によってベース30上に固定されている工作物等の被処理物29に対して加工したり、或いは、支持部材27の下端部にチャックを設け、ベース30上の物体を別の場所に搬送する処理等を行うことができる。
【0030】
図7には、この複合型転がり案内ユニットの設置状態の別の実施例が示されている。この実施例では、取付ベース20上に一対のトラックレール2Bが固定されている。トラックレール2Aの両端部にはガイド部35が設けられている。トラックレール2Aは、トラックレール2B間に跨がって延び、トラックレール2B上で摺動移動できるように、トラックレール2Aに設けたガイド部35がトラックレール2Bに嵌合して摺動する。ケーシング5は、トラックレール2A上に跨架してトラックレール2A上を摺動移動する。従って、ケーシング5は、固定されたトラックレール2Bに対して平面上で二次元的な移動をすることができる。ケーシング5にバイト、チャック、治具又は被処理物を取り付ける取付手段を固定しておけば、該取付手段によってベース上に固定されている被処理物に対して処理を行うことができる。
【0031】
図8及び図9には、この複合型転がり案内ユニットの設置状態の更に別の実施例が示されている。この実施例では、取付ベース20の上面31上にケーシング5が固定され、ケーシング5上をトラックレール2Aが摺動移動する。トラックレール2Aを安定して支持するため、一対のケーシング5が取付ベース20に固定されている。トラックレール2Aの端部にはガイド部35が形成されている。ガイド部35には、別のトラックレール2Bが摺動移動できるように設けられている。従って、トラックレール2Bは、固定されたケーシング5に対して二次元的な移動をすることができる。トラックレール2Bには、支持部材27が固定されている。支持部材27の下端部には、バイト、チャック、治具又は被処理物を取り付ける取付手段28が固定されている。取付手段28のバイト等によってベース30上に固定されている工作物等の被処理物29に対して加工したり、或いは、支持部材27の下端部にチャックを設け、ベース30上の物体を別の場所に搬送する処理等を行うことができる。
【0032】
この発明による複合型転がり案内ユニットは、上記各実施例では、複合型直動転がり案内ユニットとして説明しているが、場合によっては、軌道体を直線状に形成することなく、軌道体を曲線状に形成することによって、曲面案内する曲動転がり案内ユニットとして構成でき、また、軌道体を無限軌道体として形成することによって、無限循環案内する無限転がり案内ユニットとしても構成でき、或いは限定摺動する有限摺動転がり案内ユニットとして構成することもできる。
【0033】
【発明の効果】
この発明による複合型転がり案内ユニットは、上記のように構成されており、次のような効果を有する。即ち、この複合型転がり案内ユニットは、少なくとも一対の軌道体と1個のケーシングで構成でき、ケーシング上で第1軌道体を一平面上で相対移動し、前記第1軌道体が移動する平面に対して軌道溝が延びる方向の交差方向の平面上で第2軌道体が相対移動するように構成したので、前記ケーシングに対して前記第2軌道体が互いに交差した平面上で二次元的な相対移動が可能になり、前記第1軌道体と前記第2軌道体との交差角度を、例えば、直交する角度に容易に且つ正確に設定できる。例えば、前記第1軌道体がXY方向の平面上を相対移動する場合に、前記第2軌道体はXZ方向又はYZ方向の平面上を相対移動することになる。そして、この複合型直動転がり案内ユニットは、前記ケーシング又は前記第2軌道体を前記取付ベースに安定して固定し、支持することができると共に、二次元的な移動に対して部品点数を低減して複数部品間の累積誤差を最小限に低減することができる。なお、第1軌道体と第2軌道体とを単一なものとすれば、同一平面上に交差して相対移動可能な構成と見ることができる。この複合型転がり案内ユニットを複数使用する構成では、交差する平面となる。
【0034】
前記第1軌道体の端部に設けたガイド部は、前記第1軌道体に一体構造に構成することができ、その場合には、累積誤差を低減できる。特に、前記第1軌道体の両側面及び端面に形成する各軌道溝は、互いに高精度に交差して加工できるので、前記第1軌道体と前記第2軌道体との交差角度を、例えば、直交する角度に容易に且つ正確に設定でき、前記ケーシング、前記第1軌道体及び前記第2軌道体の組立時に、基準だし、位置決め等を不要にし、取付スペースをコンパクトに低減できると共に、高精度に位置設定でき、また、前記ケーシングに対する前記第1軌道体と前記第2軌道体との曲げモーメントの発生を避けることができ、例えば、前記第1軌道体と前記第2軌道体とは高精度に直交させることができる。例えば、複合型転がり案内ユニットによって鉛直平面での二次元的移動を行う場合に、従来のものでは軌道体を鉛直なベース壁面に固定するので、軌道体を固定する固着具に全重量が掛って大きな曲げモーメントの発生して、強度上好ましくないものである。しかしながら、この複合型転がり案内ユニットでは、固定平面と移動平面とは交差した関係の平面であるので、固定平面を水平面側に設定すれば、上記のような曲げモーメントを避けることができる。従って、前記第1軌道体が前記ケーシング上でXY方向の平面上を相対移動する場合に、前記第2軌道体はXZ方向又はYZ方向の平面上を高精度に相対移動することができる。
【0035】
この複合型転がり案内ユニットは、前記ケーシング又は前記第2軌道体を取付ベースに安定して固定し、支持することができると共に、二次元的な移動に対して部品点数を低減して複数部品間の累積誤差を最小限に低減することができる。特に、前記ガイド部を一体構造に構成した前記第1軌道体に互いに交差する軌道溝を形成し、該各軌道溝を形成した前記第1軌道体と前記第2軌道体とを相対移動するように組み込んだので、累積誤差を低減できる。従って、この複合型直動転がり案内ユニットでは、コンパクトに簡潔な構造に構成できると共に、ボルト等の固着部品を最小限に低減でき、高速運転時等に振動等でゆるむような現象が発生するのを極力避けることができ、長期に渡って高精度を確保することができる。
【0036】
或いは、この複合型転がり案内ユニットでは、前記第1軌道体の端部の設けたガイド部は、前記第1軌道体の端部に固定された別のケーシングから成る別体構造に構成することも可能であり、その場合には、前記ガイド部が損傷した場合には別のものに容易に取り替えることができ、前記第1軌道体自体を取り替える必要がないので、ランニングコストを低減できる。
【0037】
前記ガイド部に固定したエンドキャップは、前記第1軌道体の前記端部の対向面に直接固定するように構成ことができるが、エンドキャップ分の突出状態を避けるためには、該対向面を切り欠いた切欠き面に固定することによって達成できる。前記エンドキャップを前記端部の対向面に直接固定する場合には、形状を単純化でき、取付けを容易にし、加工コストを低減することができる。また、前記切欠き面に前記エンドキャップを固定した場合には、前記第1軌道体と前記エンドキャップとの面を同一平面に形成することができ、他部品に対する干渉を避けることができる。
【0038】
また、前記ケーシングを取付ベースに固定し、前記第2軌道体に治具、バイト、把持具等の部品を取り付ける取付手段を設けた支持部材を固定するように構成することができる。或いは、前記第2軌道体を取付ベースに固定し、前記ケーシングに治具、バイト、把持具等の部品を取り付ける取付手段を設けた支持部材を固定するように構成することもできる。従って、この複合型直動転がり案内ユニットは、前記支持部材は、適用する装置に合わせてタイプを選択すればよいが、場合によっては、支持部材を設けることなく、トラックレール又はスプライン軸の端部に取付手段を直接取り付けてもよいものである。また、前記第1軌道体と前記第2軌道体をそれぞれトラックレールで構成してもよく、或いは前記第1軌道体と前記第2軌道体との何れか一方をトラックレールで構成し、他方をスプライン軸で構成してもよい。トラックレール又はスプライン軸は、適用する装置に適合させて選択すればよく、設計の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の複合型転がり案内ユニットの一実施例を示す斜視図である。
【図2】この発明の複合型転がり案内ユニットの別の実施例を示す斜視図である。
【図3】この発明の複合型転がり案内ユニットの更に別の実施例を示す斜視図である。
【図4】この発明の複合型転がり案内ユニットの他の実施例を示す斜視図である。
【図5】この複合型転がり案内ユニットの設置状態の一例を示す説明図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】この複合型転がり案内ユニットの設置状態の別の例を示す説明図である。
【図8】この複合型転がり案内ユニットの設置状態の他の例を示す説明図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】従来の直動転がり案内ユニットの一例を示す一部破断の斜視図である。
【図11】図10の直動転がり案内ユニットのエンドキャップの正面図である。
【図12】図10の直動転がり案内ユニットのトラックレールと取付ベースとの取付部分の断面図である。
【図13】従来のクロス直線ベアリングの一例を示す説明図である。
【図14】図13の側面図である。
【図15】従来のクロス直線ベアリングの別の例を示す説明図である。
【図16】従来のクロス直線ベアリングの更に別の例を示す説明図である。
【図17】図16の側面図である。
【符号の説明】
2A トラックレール(第1軌道体)
2B トラックレール(第2軌道体)
3 トラックレールの側面
4,9 軌道溝
5 ケーシング
6A,6B エンドキャップ
7 転動体
17 側面シール
20 取付ベース
28 取付手段
35 ガイド部
36 切欠き面

Claims (9)

  1. 凹部の対向面に第1軌道溝を備えたケーシング、該ケーシングの前記凹部に挿通して一平面上で相対移動する長手方向両側面に第1軌道溝を形成した第1軌道体、前記第1軌道溝が延びる平面に対して交差方向の平面に延びる第2軌道溝を備えた前記第1軌道体の端部に設けられたガイド部、前記ガイド部に挿通されて相対移動し且つ長手方向両側面に前記交差方向の平面に延びる第2軌道溝を形成した第2軌道体、前記第1軌道溝間と前記第2軌道溝間とをそれぞれ転走する転動体、前記ケーシングの両端面にそれぞれ配置された第1エンドキャップ、及び前記ガイド部を設けた前記第1軌道体の前記端部の対向面にそれぞれ配置された第2エンドキャップ、を有することを特徴とする複合型転がり案内ユニット。
  2. 前記第1軌道体の端部の前記ガイド部は、前記第1軌道体に一体構造に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
  3. 前記第1軌道体の前記第1軌道溝が延びる前記平面と前記第2軌道体の前記第2軌道溝が延びる前記交差方向の平面とは互いに直交することを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
  4. 前記第1エンドキャップと前記第2エンドキャップとの各端面には側面シールがそれぞれ配置され、前記第1エンドキャップと前記第2エンドキャップとは前記転動体の転走方向を転換させる方向転換路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
  5. 前記第2エンドキャップは前記第1軌道体の前記端部の前記対向面又は該対向面を切り欠いた切欠き面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
  6. 前記ケーシングは取付ベースに固定され、前記第2軌道体には治具や把持具の部品を取り付ける取付手段を設けた支持部材が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
  7. 前記第2軌道体は取付ベースに固定され、前記ケーシングには治具や把持具の部品を取り付ける取付手段を設けた支持部材が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
  8. 前記第1軌道体と前記第2軌道体とはそれぞれトラックレールで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
  9. 前記第1軌道体はトラックレールで構成され、前記第2軌道体はスプライン軸で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型転がり案内ユニット。
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