JP3726541B2 - 冷凍空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば家庭用空気調和器などの冷凍空調装置および冷凍空調装置の制御方法に関し、特にそのエネルギー効率の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、冷凍冷蔵庫や空気調和機などの冷凍空調装置の冷媒には、フロン系の冷媒が用いられている。フロン系冷媒のなかでもCFC系およびHCFC系冷媒は、オゾン層を破壊するため、HFC系フロン冷媒への移行が進められている。しかしこのHFC系冷媒は、地球温暖化を促進する物質であり、地球環境を悪化させない炭化水素系冷媒やアンモニアなどの自然冷媒を冷凍空調装置の冷媒として用いることが検討されている。ところがこの炭化水素系冷媒やアンモニア、またHFC系冷媒でも比較的地球温暖化に影響の少ないR32などの冷媒はその性質として可燃性であり、これをそのまま従来の冷凍空調装置に使うわけにはいかなかった。
【0003】
図11は例えば特開平10−35266号公報に示された従来の可燃性冷媒を用いた冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、1は圧縮機、3は凝縮器、4は絞り装置である膨張弁、5は蒸発器であり、これらは配管によって順次接続され、冷凍サイクルを構成している。さらにこの冷凍サイクルの冷媒としては、可燃性冷媒であるR290(プロパン)やR600a(イソブタン)などの炭化水素系冷媒が用いられ、一次側サイクルを構成している。また圧縮機1には、潤滑油が封入されており、この潤滑油は冷媒とともに冷凍サイクル内を循環している。
【0004】
さらに、11はブライン循環ポンプ、12は室内熱交換器、13はブライン熱交換器であり、これらは配管によって順次接続され、二次側サイクルを構成している。この二次側サイクルには、熱搬送媒体として、塩化カルシウム水溶液や塩化ナトリウム水溶液などのブラインが用いられている。
【0005】
20は一次側サイクルの蒸発器5と二次側サイクルのブライン熱交換器13を納めた容器であり、この容器20内では一次側サイクルの蒸発器5である冷媒配管と二次側サイクルのブライン熱交換器13であるブライン配管が、接触しながら蛇行して設置されている。また、この容器20内には不凍液が満たされている。
【0006】
次に、従来の冷凍空調装置の動作について説明する。圧縮機1を出た高温高圧の冷媒蒸気は、凝縮器3に流入して外気などで冷却され、凝縮して液化する。凝縮器3を出た高圧液冷媒は、膨張弁4に流入して減圧され、低圧の気液二相冷媒となって蒸発器5へ流入する。この低圧の気液二相冷媒は容器20内で、ブライン熱交換器13から熱を奪って蒸発し、低圧蒸気冷媒となって蒸発器5から流出して再び圧縮機1に吸入される。
【0007】
容器20内で蒸発器5によって冷却された二次側サイクルのブラインは、ブライン循環ポンプ11で室内熱交換器12に搬送され、ここで室内空気と熱交換して冷房を行なう。室内熱交換器12を出たブラインは、ブライン熱交換器12に流入し、再び蒸発器5で冷却されてブライン循環ポンプ11に戻る。
【0008】
従来の可燃性冷媒を用いた冷凍空調装置では、可燃性冷媒を用いた一次側サイクルとブラインを用いた二次側サイクルで構成され、人が居住する住空間の部分には二次側サイクルを構成する配管でブラインを循環させる。このように可燃性冷媒が人の居住する住空間内を流れないように構成し、機器の安全性を高めている。即ち一次側サイクルを屋外などの開放空間に設置することにより、万一可燃性冷媒が一次側サイクルから漏洩しても、室内で爆発事故が発生するのを防止できる構成になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の冷凍空調装置では、地球温暖化を抑制するために地球温暖化に対する影響の非常に小さい炭化水素系冷媒を冷凍空調装置の冷媒として用いている。しかし地球温暖化を抑制するためには、冷媒自身の地球温暖化だけではなく、冷凍空調装置の電力使用による地球温暖化を抑制することも重要である。すなわち冷凍空調装置のエネルギー効率を向上させることも重要な課題となるが、従来の冷凍空調装置は、エネルギー効率を考慮した構成ではなかった。特にブライン循環ポンプ11の回転数は一定であり、負荷が大きくなっても必要なブライン流量を得ることのできる最大に設定して運転しており、電気入力が大きくなってエネルギー効率は低下していた。
【0010】
また、従来の冷凍空調装置の一次側冷凍サイクルの冷媒として炭化水素系を用いると、炭化水素系冷媒は潤滑油との相互溶解性が高く、圧縮機内の潤滑油には多量の冷媒が溶解し粘度が低下するため、圧縮機からの油吐出量が増加し、一次側冷凍サイクル内の圧力損失が増加したり、熱交換器の伝熱性能が低下したりして、一次側冷凍サイクルのエネルギー効率が低下する場合があった。
【0011】
また、可燃性冷媒使用時の安全性を高めるためには、冷凍空調装置に充填される冷媒量を削減したり、装置からの冷媒漏洩を抑制したり、あるいは万一の冷媒漏洩が生じた際には、早期に漏洩個所を発見し、修理することが要求される。
【0012】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、一次側冷凍サイクルと二次側熱輸送サイクルを有するものにおいて、機器のエネルギー効率を向上できる冷凍空調装置および冷凍空調装置の制御方法を得ることを目的とするものである。
また、冷凍サイクルの冷媒として圧縮機内の潤滑油との相溶性が高い冷媒を用いても、エネルギー効率の低下を防止できる冷凍空調装置を得ることを目的とするものである。
また、冷凍サイクルの冷媒として可燃性冷媒を使用したときのエネルギー効率および安全性を向上できる冷凍空調装置を得ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る冷凍空調装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、絞り装置、中間熱交換器を順次接続し、一次側熱伝達媒体を流通させる一次側サイクルと、ポンプ、利用側熱交換器、前記中間熱交換器を順次接続し、二次側熱伝達媒体を流通させる二次側サイクルとを備え、前記中間熱交換器で一次側熱伝達媒体と二次側熱伝達媒体とを熱交換するように構成したものにおいて、前記二次側サイクルにおける前記二次側熱伝達媒体の流量を変更可能とする利用側熱交換器での負荷の大きさまたは圧縮機の回転数に応じて二次側熱伝達媒体の流量を設定または変更する流量可変機構であって、かつ少なくとも圧縮機とポンプとの電気入力の合計が最小となるように前記流量可変機構を動作させる制御手段を備え、前記一次側熱伝達媒体は可燃性冷媒であり、前記二次側熱伝達媒体は不燃性冷媒であるものである
【0018】
本発明の請求項2に係る冷凍空調装置は、中間熱交換器をプレート熱交換器で構成したものでる。
【0019】
本発明の請求項3に係る冷凍空調装置は、プレート熱交換器内の二次側熱伝達媒体が通過する配管の流路断面積を一次側熱伝達媒体が通過する配管の流路断面積よりも大きくしたものである。
【0022】
また、本発明の請求項4に係る冷凍空調装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、絞り装置、中間熱交換器を順次接続し、一次側熱伝達媒体を流通させる一次側サイクルと、ポンプ、利用側熱交換器、前記中間熱交換器を順次接続し、二次側熱伝達媒体を流通させる二次側サイクルとを備え、前記中間熱交換器で一次側熱伝達媒体と二次側熱伝達媒体とを熱交換するように構成したものにおいて、前記二次側サイクルにおける前記二次側熱伝達媒体の流量を変更可能とする利用側熱交換器での負荷の大きさまたは圧縮機の回転数に応じて二次側熱伝達媒体の流量を設定または変更する流量可変機構であって、かつ少なくとも圧縮機とポンプとの電気入力の合計が最小となるように前記流量可変機構を動作させる制御手段を備え、前記二次側サイクルを構成する二次側熱伝達媒体の配管径を前記一次側サイクルを構成する一次側熱伝達媒体の配管径よりも大きくしたものである。
【0023】
本発明の請求項5に係る冷凍空調装置は、前記利用側熱交換器内を流れる二次側熱伝達媒体の流路断面積を前記熱源側熱交換器内を流れる一次側熱伝達媒体の流路断面積よりも大きくしたものである。
【0024】
本発明の請求項6に係る冷凍空調装置は、利用側熱交換器の伝熱管径を熱源側熱交換器の伝熱管径よりも大きくしたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1による冷凍空調装置について説明する。図1は本実施の形態による冷凍空調装置である家庭用空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、1は圧縮機、2は冷房運転および暖房運転の冷媒の流れを切換える流路切換手段で例えば四方弁、3は熱源側熱交換器である室外熱交換器、4は絞り装置である電気式膨張弁、5は中間熱交換器10内の冷媒流路であり、これらは配管によって順次接続され、一次側熱伝達媒体を循環させて一次側サイクルである冷凍サイクルを構成している。また、6は圧縮機駆動用インバータ、7は室外送風機である。この一次側サイクルの熱伝達媒体(以下、冷媒と記す)としては、例えば地球温暖化への影響が非常に小さいが、可燃性冷媒であるR290(プロパン)やR600a(イソブタン)などの炭化水素系冷媒が用いられている。また圧縮機1内には、圧縮機摺動部の潤滑のために、例えば鉱油を潤滑油として封入している。
【0032】
さらに、二次側熱伝達媒体(以下、ブラインと記す)としてはブラインや水や二酸化炭素などの不燃性媒体でここでは例えばブラインを用い、二次側サイクルの構成は次に示すとおりである。11はポンプで、例えばブライン循環ポンプ、12は利用側熱交換器である室内熱交換器、13は中間熱交換器10内のブライン流路、14は二次側熱媒体貯溜タンクでブラインタンクであり、これらはブライン配管によって接続され、二次側サイクルである二次側熱輸送サイクルを構成して熱輸送用熱伝達媒体であるブラインを循環させる。また、15は二次側サイクルにおける二次側熱伝達媒体の流量を変更可能とする流量可変機構で、例えばポンプ11の回転数を変化させてブラインの循環流量を制御するポンプ駆動用インバータ、16は室内送風機である。このブラインとしては、例えば塩化カルシウム水溶液や塩化ナトリウム水溶液などが用いられる。中間熱交換器10には、例えばプレート熱交換器が用いられ、冷媒流路5とブライン流路13を介して、冷媒とブライン間の熱交換が行なわれる。
【0033】
また、一次側サイクル全体および二次側サイクルのブラインタンク14とブライン循環ポンプ11を含む配管で、室外ユニット51を構成し、屋外に設置されている。また利用側熱交換器12と利用側送風機16で室内ユニット52を構成し、人が居住する室内に設置されている。
17は室外ユニット51に配置されている制御装置であり、例えばマイクロコンピュータで構成され、圧縮機回転数制御とポンプ回転数制御の動作を行っている。即ち、利用側熱交換器12での負荷や各機器の電気入力などに応じて、図中に点線で示したようにポンプ駆動用インバータ15の回転数と圧縮機駆動用インバータ6の回転数とをそれぞれ制御する信号を送信している。
【0034】
次に本実施の形態による冷凍空調装置の暖房運転および冷房運転の動作について説明する。図1では暖房運転時の冷媒およびブラインの流れを実線矢印で、冷房運転時の冷媒およびブラインの流れを破線矢印で示している。まず暖房運転時の動作について説明する。一次側サイクルでは、圧縮機1を出た高温高圧の冷媒蒸気は、四方弁2を通って、中間熱交換器10に流入する。中間熱交換器10内の冷媒流路5に流入した冷媒は、ブライン流路13内を流れるブラインによって冷却され、凝縮、液化する。中間熱交換器10を出た高圧液冷媒は、電気式膨張弁4に流入し減圧され、低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器として動作する室外熱交換器3へ流入する。この低圧の気液二相冷媒は室外熱交換器3で外気から熱を奪って蒸発し、低圧蒸気冷媒となって中間熱交換器10を流出する。この低圧の蒸気冷媒は、四方弁2を通って、再び圧縮機1に吸入される。
【0035】
暖房運転時の二次側サイクルでは、ブライン循環ポンプ11によって吐出されたブラインは、室内熱交換器12に流入し、室内空気と熱交換して、室内を暖房する。室内空気に熱を奪われ、温度が低下したブラインは、中間熱交換器10に流入する。そして中間熱交換器10内のブライン流路13内を流れる間に、冷媒流路5内を流れる冷媒によって加熱され、ブライン温度は上昇する。中間熱交換器10を出たブラインは、ブラインタンク14を通って、再びブライン循環ポンプ11へ流入する。
【0036】
次に冷房運転時の動作について説明する。一次側サイクルでは、圧縮機1を出た高温高圧の冷媒蒸気は、四方弁2を通って、室外熱交換器3に流入し、外気によって熱を奪われ、凝縮、液化する。室外熱交換器3を出た高圧液冷媒は、電気式膨張弁4に流入し減圧され、低圧の気液二相冷媒となって中間熱交換器10に流入する。そして中間熱交換器10内の冷媒流路5を流れる間に、ブライン流路13内を流れるブラインによって加熱され、低圧蒸気となり、中間熱交換器10から流出する。この低圧の蒸気冷媒は、四方弁2を通って、再び圧縮機1に吸入される。
【0037】
冷房運転時の二次側サイクルでは、ブライン循環ポンプ11によって吐出されたブラインは、室内熱交換器12に流入し、室内空気と熱交換して、室内を冷房する。室内空気によって加熱され、温度が上昇したブラインは、中間熱交換器10に流入する。そして中間熱交換器10内のブライン流路13内を流れる間に、冷媒流路5内を流れる冷媒によって冷却され、ブライン温度は低下する。中間熱交換器10を出たブラインは、ブラインタンク14を通って、再び循環ポンプ11へ流入する。
【0038】
次に本実施の形態による冷凍空調装置として例えば家庭用空気調和機の制御方法について説明する。暖房運転時および冷房運転時の基本的な制御方法は同一であるので、ここでは例えば暖房運転時の制御方法について説明する。
圧縮機1にはインバータ6が接続されており、室内側の暖房負荷を室内設定温度と室内温度の差などで検知して、室内暖房負荷に応じた暖房能力が発揮できるように、制御装置17の圧縮機回転数制御によって圧縮機1の回転数が決定される。そして、制御装置17から制御信号がインバータ6に送信されて、その回転数になるようにインバータ6によって制御されている。電気式膨張弁4は、圧縮機1の回転数が変化しても、例えば中間熱交換器10の出口部の冷媒過冷却度が5℃程度となるように、その開度が制御されている。この中間熱交換器10の出口過冷却度の検知には、例えば中間熱交換器10の出口部の冷媒温度と圧力を検知して行なう。
【0039】
制御装置17では各機器で検知した電気入力を受信し、その家庭用空調装置の全電気入力が最小となるようにブライン循環ポンプ11の回転数を決定する。そして制御装置17から制御信号がポンプ駆動用インバータ15に送信される。インバータ15は、制御信号で指令された回転数になるようにブライン循環ポンプ11を制御する。この空気調和機の全電気入力は、圧縮機1の電気入力、室外送風機7の電気入力、室内送風機16の電気入力およびブライン循環ポンプ11の電気入力などの合計として求められる。
【0040】
図2は暖房運転時にブライン流量を変化させた場合の、圧縮機入力、室外送風機入力、室内送風機入力、ブライン循環ポンプ入力、およびこれらの合計である全入力の変化を示すグラフである。ブライン流量が増加すると、中間熱交換器10での伝熱特性が向上し、一次側サイクルの凝縮圧力が低下するため、圧縮機入力は低下する。一方、ブライン循環ポンプ入力は、ブライン流量の増加とともに大きくなる。また室外送風機および室内送風機入力は、ブライン流量にかかわらず一定値となる。このため、圧縮機入力、ブライン循環ポンプ入力、室外、室内送風機入力の合計である全入力は、ブライン流量変化に対して最小値を持つ。
【0041】
従来装置である一定回転数のブライン循環ポンプ11を用いた場合の全入力が図2中A点で示されるとすると、本実施の形態であるインバータ駆動のブライン循環ポンプ11を用いた空気調和機では、全入力を算出し、この全入力が最小となる(図2中B点)ようにブライン流量を制御するため、常に消費電力が小さな状態で運転することができる。
【0042】
図3は制御装置17のポンプ回転数制御処理の手順を示すフローチャートである。この空気調和機の運転を開始すると、ステップST1でポンプの回転数を初期設定する。ここではポンプの回転数をその動作領域の範囲で大きめの値に初期設定しておき、回転数を徐々に下げながら電気入力を最小に制御する。回転数の初期設定値としては種々考えられるが、例えば圧縮機1の回転数に応じて経験的に動作領域としているポンプ11の回転数を予め記憶しておき、運転時の圧縮機1の回転数に対応する動作領域の最大値をポンプ11の回転数として初期設定する。また、室内熱交換器12が設置された室内温度と室内の設定温度との差を負荷の大きさとし、この負荷の大きさに応じて経験的に動作領域としているポンプ11の回転数をテーブル予め記憶しておき、運転時の室内温度と室内の設定温度との差に対応する動作領域の最大値をポンプ11の回転数として初期設定してもよい。また、予め経験的に動作領域としている回転数のうちで最大値に初期設定してもよい。ここでは例えば従来のポンプの回転数一定の場合の回転数、例えば60Hzとして初期設定する。ポンプ11をこの回転数に設定して空気調和機を運転すると、図2のA点で示すブライン流量および電気入力となる。
【0043】
次に、ステップST2で各機器の電気入力を検知する。ステップST3でポンプ駆動用インバータ15を動作させてポンプ11の回転数を所定値、例えば5Hzだけ下げる。そして、その運転が安定するまで一定時間、例えば3分程度運転する(ステップST4)。ポンプ11の回転数を下げるとブライン流量は減少して一次側サイクルの凝縮圧力が高くなり、圧縮機1の電気入力は少し大きくなる方向に変化する。即ちポンプ11の回転数を下げてから安定するまでの間に、ブライン流量および電気入力は図2のA点から左側に移動する。そこでステップST5で各機器の電気入力を検知してその全電気入力の合計がST2で検知した時よりも低下したかどうかを判断する。その結果、電気入力が低下した場合にはさらに電気入力が最小の状態がある可能性があるので、その時のポンプ11の回転数と全電気入力を記憶した後、ステップST3に戻って再びポンプ11の回転数を所定値だけ下げる。このように全電気入力が低下している間はステップST3〜ステップST6の処理を繰り返す。
【0044】
ステップST6の判断で電気入力が前回よりも上昇した場合には、前回のポンプ回転数の状態が電気入力最小となっており、その状態に戻す(ST7)。
なお、室内での負荷が大きく変化した場合、例えば圧縮機の回転数が10Hz以上に大幅に変化した場合には、再びポンプ回転数制御をやり直し、ステップST1〜ステップST7でポンプの回転数を設定し直す。
【0045】
表1、表2は、従来装置である一定回転数のブライン循環ポンプを用いた空気調和機の場合と、本実施の形態であるインバータ駆動のブライン循環ポンプを用いた空気調和機の電気入力を比較したものである。それぞれ暖房運転および冷房運転時の圧縮機、室外送風機、室内送風機、ブライン循環ポンプの各電気入力(%)を示している。なお表中の数値は、暖房定格時の全入力に対する比率で示している。またこの表では、現在のルームエアコンの年間消費電力量を算出する際に用いている暖房定格能力、暖房中間能力、暖房最小能力、暖房低温能力、冷房定格能力、冷房中間能力、冷房最小能力での各電気入力の評価結果を示している。この表の各能力値を得た時の試験は、JIS規格(C9612−1994)での暖房能力試験および冷房能力試験に従ったものである。
【0046】
【表1】
Figure 0003726541
【0047】
【表2】
Figure 0003726541
【0048】
表1では、ブライン流量が一定であるため、ブライン循環ポンプ入力も一定となるが、表2では、全電気入力が最小となるようにブライン流量を制御しているため、中間能力から最小能力時のブライン循環ポンプ入力を低減でき、この能力帯での全電気入力の低減が可能となる。この結果、表1の年間消費電力量を100とすると、ブライン流量を制御した表2の年間消費電力量は84となり、16%の消費電力量低減が可能となる。
【0049】
図3に示した制御では、ポンプ回転数をその動作領域の最大値に初期設定し、徐々に回転数を下げて、電気入力最小に制御している。ここで、ポンプ回転数をその動作領域の最小値に初期設定し、徐々に回転数を上げて、電気入力最小に制御してもよい。この場合には、図2のグラフの全入力を示す曲線の点Bより左側に初期設定した状態から、向かって右方向へ状態を変更しながら最小である点Bに制御することになる。
なお、この初期設定での設定値は動作領域の最大値または最小値だけでなく、任意の回転数に設定していてもよい。回転数を上げまたは下げて変更した時に全電気入力が増大した場合には、回転数の上げ・下げを反対側にして電気入力が最小となる回転数を求めていけばよい。ただし、圧縮機1の回転数または室内熱交換器12での負荷に応じた値で初期設定すれば、全電気入力が最小となるように円滑に制御でき、電気入力が最小となる回転数を得るまでの時間を短縮できる。また、この回転数を変更する時の変更は幅は常に一定でなくてもよく、最少に近づくに従って変更幅を小さくすると、電気入力最小に制御する時の正確性が向上する。
【0050】
なお本実施の形態では、ポンプ回転数を徐々に下げる制御と徐々に上げる制御のどちらにおいても、空気調和機の全電気入力を検知して、この全電気入力が最小となるようにブライン流量を制御し、エネルギー効率を向上するという効果を得たものである。
この時に、全電気入力を検知しなくても、表2に示すように電気入力の低減に関しては、主に圧縮機1とポンプ11が大きく左右するので、少なくとも圧縮機1とポンプ11の電気入力を検知し、その2つの合計を最小にすればよい。
またこの2つの電気入力を最小にする代わりに、室内の負荷の大きさまたは圧縮機1の回転数に応じてブライン流量を変更してもよい。例えばブライン流量を変更可能とするポンプ駆動用インバータ16により、室内の空調負荷が減るとブライン流量を減少させるように制御すれば、従来よりも電気入力をある程度低減でき、エネルギー効率を向上できる。また、圧縮機の回転数が減るとブライン流量を減少させるように制御しても同様であり、従来よりも電気入力をある程度低減できエネルギー効率を向上できる。また、圧縮機1とブライン循環ポンプ11を一つのインバータ基盤で動作させるようにすれば、より安価で、エネルギー効率の高い冷凍空調装置を提供することができる。
【0051】
またブライン循環ポンプ11の駆動モータは、低回転域の効率がインダクションモータより高い直流ブラシレスモータを用いることにより、より一層エネルギー効率の高い装置を提供することができる。またブライン流量の制御には、ブライン循環ポンプの回転数をインバータにより制御する場合について説明したが、スライダックなどの可変電圧源によりポンプの入力電圧を変化させて、ブライン流量を制御するようにしてもよい。
また、ここでは制御装置17は、ポンプ回転数制御と圧縮機回転数制御を行っているが、さらに送風機7、16のモータ制御も兼ねて行うようにしてもよい。また、ブライン循環ポンプ11は二次側サイクルを構成するブライン回路内で有ればどこに設けられていてもよい。
【0052】
図4は室内ユニット52a、52b、52cを3台備え、それぞれの室内熱交換器入口側にブライン流路を開閉する開閉弁53a、53b、53cを配設している。室内ユニット52a、52b、52cは例えば並列に接続され、1台のポンプ11でブラインを循環させている。このような構成の場合には各室内ユニット52a、52b、52cで運転/停止の状態があるため、負荷の変動する可能性が高い。そこで、負荷または圧縮機の回転数の大きさに応じ、ポンプの回転数を変更してブライン流量を制御することで、電気入力を大幅に低減でき、室内ユニットが1台のものよりも大きな効果が得られる。
【0053】
また、複数の室内ユニットを直列に接続し、1台のポンプでブライン流量を制御する場合にも、同様の効果を奏する。また、複数のポンプを直列に接続し、そのそれぞれの回転数を変更してブライン流量を制御する構成としても同様の効果を奏する。
【0054】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2による冷凍空調装置について説明する。本実施の形態は、一次側熱伝達媒体である冷媒と二次側熱伝達媒体であるブラインとを熱交換する中間熱交換器10の構成に関するものであり、冷凍空調装置の構成は実施の形態1における図1と同様である。
本実施の形態では、図5に示すようなプレート熱交換器を中間熱交換器10に用いている。図5はプレート熱交換器の一部を分解して示す斜視図であり、複数の板状のプレートを積層して構成され、プレートに沿って2つの熱伝達媒体が例えば交互に逆方向に流れる流路を形成している。図において、18は2枚のプレート18イ、18ロが固着され、プレート18イとプレート18ロの2枚の間に図に向かって上方向に流れる流路Aが形成されている。このプレート18に設けられた4つの穴は、熱伝達媒体がプレート18間を移動する時に通過するもので、4つの穴のうち向こう側の上下の穴は流路Aを流れる熱伝達媒体が通過し、手前側の上下の穴は流路Bを流れる熱伝達媒体が通過する。また、図では分解して示しているが、実際には複数のプレート18が重ねて固定され、その重ねた部分には図に向かって下方向(矢印19b)に流れる流路Bが形成されている。また、プレート18イ、18ロには、例えばそれぞれ平板状でかつ複数の溝が全面に設けられている。
【0055】
このような構成のプレート熱交換器を中間熱交換器10として用い、例えば流路Aには二次側熱伝達媒体であるブライン、流路Bには一次側熱伝達媒体媒体である冷媒を流通させる。図中の矢印19aは流路Aを流れるブラインの流れ方向を示し、19bは流路Bを流れる冷媒の流れ方向を示している。流路Aを流れるブラインは、下方の穴を矢印19a方向から流れ、その一部がプレート18の間を上方に向かって流れて上方の穴を矢印19a方向に流れる。また、流路Bを流れる冷媒は、上方の穴を矢印19b方向から流れ、その一部がプレート18の間を矢印19b方向に下方に向かって流れて下方の穴を矢印19b方向に流れる。このプレート18に沿って流れる際に、ブラインと冷媒が互いに熱交換する構成である。
【0056】
上記のようにプレート熱交換器は、平板状でかつ溝が全面に設けた構成であり、平板状に部分で熱交換するため伝熱面積が大きく、さらに溝によってブレート18に沿った流体の流れを乱すため、高い伝熱性能が得られる。従って、冷媒とブラインとの温度差を小さくでき、冷凍空調装置のエネルギー効率を向上させることができる。即ち、暖房運転時には、一次側サイクルの凝縮圧力を低減でき、圧縮機の電気入力を小さくすることができる。また冷房運転時には、一次側サイクルの蒸発圧力を上昇させることができ、圧縮機の回転数を低減して、圧縮機の電気入力を小さくすることができる。
【0057】
また図5に示す構成では、暖房時および冷房時のプレート熱交換器内の冷媒とブラインの流れ方向が常に対向流となっており、ブラインと冷媒間の温度差を利用してより一層熱交換する際の伝熱性能を向上でき、エネルギー効率をさらに向上させることができる。
【0058】
また、プレート熱交換器は、従来装置で使用している配管を接触させた熱交換器や二重管式熱交換器に比べて、熱交換器内部の内容積が小さいため、一次側サイクルの冷媒充填量を少なくすることができる。このため、冷媒として可燃性冷媒を用いた場合の室外ユニット51からの冷媒漏洩に対しても、安全性を向上することができる。
【0059】
また、プレート熱交換器内のブライン流路13の流路断面積を冷媒流路5の流路断面積よりも大きくすることにより、大きくした流路を流れるブラインの圧力損失を低減してエネルギー効率の向上を図ることができ、且つ小さくした流路を流れる冷媒の冷媒量削減による安全性の向上を図ることができる。
この時の流路断面積とは、熱伝達媒体が熱交換器内を流通する時に伝熱に寄与する部分の流路の断面積であり、図5のような構成のプレート熱交換器の場合、C面での断面における流路それぞれの断面積の合計である。
ブライン流路13の流路断面積を冷媒流路5の流路断面積よりも大きくする具体的な構成は、C面での断面において、ブラインが流通する部分のプレート間の積層幅を、冷媒が流通する部分の積層幅よりも大きくすればよい。また、図5ではプレート18は2枚のプレートが固着されてその間に流路Aを構成しているが、ここでプレート18として例えば3枚のプレートを固着し、この間に形成される2つに流路を共に流路Aとしてもよい。この場合には、C面での断面の構成は、流路Aの2層おきに流路Bの1層が積層されることになる。そこでブラインを流路A、冷媒を流路Bに流通させることで、ブライン流路13の流路断面積を冷媒流路5の流路断面積よりも大きくすることができる。
【0060】
このように、ブライン流路断面積を冷媒流路断面積より大きくすることにより、プレート熱交換器内を流れるブラインの圧力損失を低減できるため、ブライン循環ポンプ11に必要な揚程(ヘッド)が小さくなり、ブライン循環ポンプ11の必要入力を小さくすることができる。
一方、冷媒流路断面積が小さいため、プレート熱交換器内の冷媒容積が小さくなり、一次側サイクルの必要冷媒量を削減することができる。
【0061】
また、室外ユニット51の構造としては、プレート熱交換器を室外ユニットの上部に配置することにより、現行の直膨式ルームエアコンの室外機を流用して、製作することができ、製造コストを安価にすることができる。
また、プレート熱交換器を室外ユニットの下部に配置すれば、室外ユニットの重心が安定し、地震などに対する機器の信頼性が向上する。さらにこの構成では圧縮機1および電気式膨張弁4からプレート熱交換器への接続配管が短くでき、一次側サイクルの冷媒充填量を削減できる。
また、プレート熱交換器10とブラインタンク14を一体化することにより、室外ユニット51をコンパクトにすることができる。
【0062】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3による冷凍空調装置について説明する。図6は本発明の実施の形態3による冷凍空調装置を示す冷媒回路図で、図1に示したものと同一または同様の構成部品には同一符号を付して、その重複する説明を省略する。本実施の形態は、二次側サイクルの利用側熱交換器における熱伝達媒体の流れ方向に関するものである。
【0063】
二次側サイクルの室内熱交換器12は室内空気と二次側熱伝達媒体との熱交換を行う冷媒−空気熱交換器で、例えば2列のプレートフィン熱交換器である。さらに伝熱管内を流れる二次側熱伝達媒体であるブラインの流れと伝熱管外を流れる利用側熱媒体である空気の流れが対向流となるように構成している。即ち、室内熱交換器12では室内送風機16によって室内空気が伝熱管の周囲の送風され、伝熱管内を流れるブラインとその周囲を流れる室内空気とが熱交換するのであるが、その際、室内熱交換器12における室内空気の流れの下流側から上流側に向かってブラインが流れるように伝熱管を構成している。
【0064】
室内熱交換器12のブライン出入口温度差は、5℃あるいはそれ以上あり、ブラインと空気の流れを対向流化して空気の流れの下流から上流へブラインが流れるように構成することにより、熱交換する部分での室内空気とブラインとの平均的な温度差を並向流に比べて小さくすることができる。例えば冷房運転している場合、室内熱交換器12でのブラインの入口温度を7℃とすると、出口温度は12℃程度となる。これに対して室内空気は室内熱交換器12のブライン出口側から入口側へと流れる。このため、室内の暖かい空気がブライン出口側から流入し、12℃程度のブラインによってある程度冷やされ、室内熱交換器12内を流通する間に徐々に冷やされて、ブライン入口側では5℃程度のブラインによって冷やされることになる。
【0065】
このように構成することにより、室内熱交換器12でのブラインと冷媒との平均的な温度差を並向流よりも小さくして伝熱性能を向上させ、冷凍空調装置全体としてエネルギー効率を高くできる。特に、二次側熱伝達媒体としてブラインを用いると、上記のように室内熱交換器12の入口側と出口側との温度差が5℃と高いので、効果的である。
【0066】
なお、本実施の形態では、室内熱交換器12が2列の熱交換器で構成された例について説明したが、これに限ることはなく、3列あるいは4列以上の熱交換器であってもよい。また主要部分が2列で、一部3列部分がある熱交換器であってもよい。
また、上記の具体例では冷房運転の場合について説明したが、暖房運転の場合にも同様であり、室内熱交換器12における室内空気の流れの下流側から上流側に向かってブラインが流れるように伝熱管を構成すると、室内熱交換器12の出口側では温度の低いブラインと温度の低い室内空気が熱交換し、室内熱交換器12の入口側では温度の高いブラインと温度のある程度上昇した室内空気が熱交換することになるので、常に温度差によって効率よく熱交換でき、伝熱性能を向上できる。
【0067】
この二次側サイクルは一次側サイクルで得られた冷熱または温熱を室内に熱輸送する熱輸送サイクルであり、冷房運転または暖房運転で室内熱交換器12内のブラインの流れ方向が同一であるので、室外空気の流れとブラインの流れを対向流になるように容易に構成できる。
また、利用側熱媒体が室内空気ではなく他の気体や液体などの流体の場合でも同様である。
【0068】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4による冷凍空調装置について説明する。本実施の形態は、一次側サイクルを構成する冷媒配管と二次側サイクルを構成する冷媒配管に関するもので、冷凍空調装置を構成する冷媒回路は例えば実施の形態1での図1と同様である。
【0069】
本実施の形態では、一次側サイクルの配管径を直径7.0mm、二次側サイクルの配管径を直径9.0mmとし、二次側サイクルを構成する配管径を一次側サイクルを構成する配管径よりも大きくして、エネルギー効率の向上と共に、冷媒量削減を図っている。
即ち、二次側サイクルの配管径を大きくすることにより、二次側サイクルを流れるブラインの圧力損失が低減できるため、ブライン循環ポンプ11に必要な揚程(ヘッド)が小さくなり、ブライン循環ポンプ11に必要な電気入力を小さくすることができる。従って、全体としてエネルギー効率のよい冷凍空調装置が得られ、使用電力を低減することで地球温暖化抑制に対して効果がある。
【0070】
さらに、一次側サイクルの配管径が小さいため、配管全体の内容積を小さくでき、一次側サイクルに充填する冷媒量を削減できる。特に、冷媒に可燃性冷媒を使用した場合、その冷媒量を削減できるので、冷媒漏洩時の安全性を向上させることができる。
また、さらに二次側サイクルにおいて圧力損失を小さくするには、例えば、冷媒配管を平滑管にするなどでも実現できる。
【0071】
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5による冷凍空調装置について説明する。本実施の形態は、一次側サイクルの熱源側熱交換器である室外熱交換器3と二次側サイクルの利用側熱交換器である室内熱交換器12において熱伝達媒体である冷媒およびブラインの流路を構成する伝熱管に関するもので、冷凍空調装置を構成する冷媒回路は例えば実施の形態1での図1と同様である。
【0072】
室外熱交換器3は冷媒と外気を熱交換するものであり、室内熱交換器12はブラインと室内空気を熱交換するもので、それぞれ例えばプレートフィン熱交換器で構成される。本実施の形態では、例えば室内熱交換器12の伝熱管径を直径9.52mm、室外熱交換器3の伝熱管径を直径7.0mmとし、室内熱交換器12の伝熱管径を室外熱交換器3の伝熱管径よりも大きくして、エネルギー効率の向上と共に、冷媒量削減を図っている。
即ち、室内熱交換器12の伝熱管径を大きくすることにより、室内熱交換器12を流れるブラインの圧力損失が低減できるため、ブライン循環ポンプ11に必要な揚程(ヘッド)が小さくなり、ブライン循環ポンプ11に必要な電気入力を小さくすることができる。従って、全体としてエネルギー効率のよい冷凍空調装置が得られ、使用電力を低減することで地球温暖化抑制に対して効果がある。
【0073】
さらに、室外熱交換器3の伝熱管径が小さいため、室外熱交換器3の内容積を小さくでき、一次側サイクルに充填する冷媒量を削減できる。特に、冷媒に可燃性冷媒を使用した場合、その冷媒量を削減できるので、冷媒漏洩時の安全性を向上させることができる。
【0074】
なお、本実施の形態では、室外熱交換器3の伝熱管径を室内熱交換器12の伝熱管径よりも小さくした構成について説明したが、これに限るものではなく、伝熱管全長を短くしたりするなど、室外熱交換器3の流路断面積を室内熱交換器12の流路断面積よりも小さくすれば、室内熱交換器12での圧力損失を低減して二次側サイクルのブライン循環ポンプ11に必要な電気入力を小さくすることができ、かつ一次側サイクルに充填する冷媒量を削減できる。
この時の流路断面積とは、熱交換器内の伝熱に寄与する部分の伝熱管の断面積を意味し、熱交換器の入口から出口まで熱伝達媒体である冷媒またはブラインの流れる流路が1本の流路で構成されている場合にはその伝熱管の断面積に相当する。また、熱交換器の入口から出口までの内部で複数の流路に分岐している場合には、熱交換器に流入した熱伝達媒体が分岐してほぼ同時に通過する時の伝熱管の断面積を合計したものである。
【0075】
室内熱交換器12の流路断面積を室外熱交換器3の流路断面積よりも大きくするには、伝熱管径に大小をつける他、室外熱交換器3と室内熱交換器12の伝熱管径を同一とし、室内熱交換器12の冷媒分岐数を室外熱交換器3よりも多くしてもよい。例えば、室外および室内熱交換器の伝熱管径を共に7.0mmとし、室内熱交換器12内では4分岐、室外熱交換器3内では2分岐で伝熱管を構成してもよい。
また例えば、室内熱交換器12内の冷媒配管を平滑管にして、さらに圧力損失を小さくしてもよい。
【0076】
また、本実施の形態の構成に加え、実施の形態3のように室内熱交換器12におけるブラインと室内空気との流れにおいて、室内空気の流れの下流側から上流側に向かってブラインが流れるように構成すれば、室内熱交換器12での伝熱性能を向上でき、冷凍空調装置全体としてさらにエネルギー効率を向上できる。
【0077】
なお、実施の形態1〜実施の形態5では、一次側サイクルの熱伝達冷媒としてプロパンやブタンなどの可燃性を有する炭化水素系冷媒を用いると、オゾン層破壊や地球温暖化などの地球環境に悪影響を与えることがないという効果を奏する。特に実施の形態2、4、5では、一次側サイクルの冷媒量を削減できるという効果を奏するため、冷媒として可燃性冷媒を用いた場合には、冷媒量の削減=安全性の向上となり、効果的である。また、冷媒としては炭化水素系冷媒に限ることはなく、アンモニアやエーテルなどの自然冷媒、あるいはこれらの混合冷媒を用いてもよい。またR32やR152aなどの地球温暖化係数の小さなHFC系フロン冷媒、あるいはその混合冷媒であってもよい。
また、二次側サイクルの熱伝達媒体として、ブラインについて述べたが、不燃性媒体であればなんでもよく、水、あるいは可燃性を有することなくかつ地球環境にそれほど悪影響を与えることのない媒体、例えばHFC系の地球環境に悪影響をそれほど及ぼさない冷媒であるR134aや二酸化炭素などであってもよい。ただし、ブラインや水を用いると、室内ユニットでの安全性が高く、冷媒のように専用のポンプが必要なく、またその特性を生かすことができる。例えばブラインの場合には0℃以下でも凍結しないので機器の信頼性を向上でき、水の場合には安価で通常家庭で用いられているものであり、地球環境に則した媒体である。
【0078】
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6による冷凍空調装置について説明する。図7は本実施の形態による冷凍空調装置に係わる一次側サイクルの冷媒回路図であり、図1に示したものと同一または同様の構成部品には同一符号を付して、その重複する説明を省略する。なお二次側サイクルの構成は、図1に示したものと同一であるので省略している。
図において、21、22は開閉弁で、例えば第1、第2電磁弁、23は逆止弁、24は熱交換器である。逆止弁23は、中間熱交換器10から電気式膨張弁4への冷媒の流れを阻止し、電気式膨張弁4から中間熱交換器10への冷媒の流れを通過させる。この構成により、中間熱交換器10と電気式膨張弁4の間の冷媒配管にバイパス配管が設けられ、このバイパス配管は、第1電磁弁21および第2電磁弁22を介して、再び中間熱交換器10と電気式膨張弁4の間の冷媒配管に接続される。また熱交換器24は、第1電磁弁21と第2電磁弁22の間のバイパス配管と、圧縮機1の吸入側配管とを熱交換する構成である。なお、この熱交換器24は、接触式や二重管式、あるいはプレート式などの熱交換器で構成されている。
【0079】
次に動作について説明する。図7では、暖房運転時の冷媒の流れを実線矢印で示し、冷房運転時の冷媒の流れを破線矢印で示している。暖房運転時は、第1電磁弁21および第2電磁弁22を開とする。圧縮機1を出た高温高圧の冷媒蒸気は、四方弁2を通って、中間熱交換器10に流入する。中間熱交換器10内の冷媒流路5に流入した冷媒は、ブライン流路13内を流れるブラインによって冷却され、凝縮、液化して高圧液冷媒となって中間熱交換器10から流出する。その後、高圧液冷媒は、第1電磁弁21を通って熱交換器24に流入し、圧縮機1の吸入側配管を流通する冷媒によって冷却され、第2電磁弁22を経て、電気式膨張弁4に流入する。電気式膨張弁4に流入した液冷媒は、電気式膨張弁4で減圧され、低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器として動作する室外熱交換器3へ流入する。低圧の気液二相冷媒は室外熱交換器3で外気から熱を奪って蒸発し、低圧蒸気冷媒となって流出し、四方弁2を通った後、熱交換器24で前述のバイパス配管を流れる冷媒を冷却し、再び圧縮機1に吸入される。
【0080】
また、冷房運転時は、第1電磁弁21および第2電磁弁22を閉とする。圧縮機1を出た高温高圧の冷媒蒸気は、四方弁2を通って、室外熱交換器3に流入し、外気によって熱を奪われ、凝縮、液化する。そして室外熱交換器3から流出した高圧液冷媒は、電気式膨張弁4に流入して減圧されて低圧の気液二相冷媒となり、逆止弁23を通って、中間熱交換器10に流入する。中間熱交換器10内の冷媒流路5に流入した冷媒は、ブライン流路13内を流れるブラインによって加熱され、低圧蒸気となり、中間熱交換器10から流出する。この低圧の蒸気冷媒は、四方弁2を通って、熱交換器24を通過して再び圧縮機1に吸入される。
【0081】
このように本実施の形態では、一次側サイクルにおいてバイパス配管と熱交換器24を設け、室外熱交換器3と中間熱交換器10のうちの中間熱交換器10を凝縮器として動作させるとき、中間熱交換器10の出口側の高圧冷媒と蒸発器である室外熱交換器3の出口側の低圧冷媒とを熱交換器24で熱交換させる。
即ち、暖房運転時に凝縮器として動作する中間熱交換器10を出た冷媒を、圧縮機1の吸入側配管で冷却し、ここで冷媒過冷却度をとるように構成しているので、中間熱交換器10の出口の冷媒は、飽和状態か、あるいは気液二相状態とすることができる。中間熱交換器10の出口付近の冷媒状態を常に伝熱特性の高い気液二相状態とし、伝熱特性の悪い液状態の冷媒を排除できるので、中間熱交換器全体の伝熱性能が向上し、一次側サイクルのエネルギー効率を向上できる。
また、熱交換器24で、電子式膨張弁4の入口冷媒の過冷却度を充分にとれるため、電気式膨張弁4に流入する冷媒に気泡などが混入することがなく、電気式膨張弁4での冷媒異常音の発生などを防ぐことができる。
さらに、中間熱交換器10の出口冷媒状態を飽和状態か、あるいは気液二相状態とすることにより、中間熱交換器10内の冷媒量を削減でき、一次側サイクルの冷媒充填量を少なくし、冷媒として可燃性冷媒を使用した場合の冷媒漏洩時の安全性を向上させることができる。
【0082】
なお図7に示した実施の形態では、冷凍サイクルを暖房運転した時の性能向上や冷媒異常音発生を防止する例について説明したが、図8に示す一次側サイクルの構成により、冷房運転時の性能向上や冷媒異常音の発生防止を行うこともできる。冷房運転では室外熱交換器3と中間熱交換器10のうちの室外熱交換器3を凝縮器として動作させているので、室外熱交換器3の出口側の高圧冷媒と蒸発器である中間熱交換器10の出口側の低圧冷媒とを熱交換器24で熱交換させるように構成する。
【0083】
図8において、31、32は開閉弁で、例えば第3、第4電磁弁、33は逆止弁である。逆止弁33は、室外熱交換器3から電気式膨張弁4への冷媒の流れを阻止し、電気式膨張弁4から室外熱交換器3への冷媒の流れを通過させる。この構成により、室外熱交換器3と電気式膨張弁4の間の冷媒配管にバイパス配管が設けられ、このバイパス配管は、第3電磁弁31および第4電磁弁32を介して、再び室外熱交換器3と電気式膨張弁4の間の冷媒配管に接続される。また熱交換器24は、第3電磁弁31と第4電磁弁32の間のバイパス配管と、圧縮機1の吸入側配管とを熱交換する構成である。
【0084】
この構成の一次側サイクルでは、冷房運転時に凝縮器として動作する室外熱交換器3を出た冷媒を、圧縮機1の吸入側配管を流れる低圧蒸気冷媒で冷却し、ここで冷媒過冷却度をとるように構成している。このため、室外熱交換器3の出口の冷媒は、飽和状態か、あるいは気液二相状態とすることができ、冷房運転時のエネルギー効率の向上、電気式膨張弁4での冷媒異常音の発生防止を実現することができる。さらに冷媒として可燃性冷媒を用いた場合、冷媒量の削減によって安全性を向上できる冷凍空調装置を得ることができる。
【0085】
また、図7に示した回路と図8に示した回路を組合せて両方を備え、開閉弁などの切換手段によって暖房運転と冷房運転とで回路を切換えてもよい。このように構成すると、暖房運転時および冷房運転時のエネルギー効率の向上および電気式膨張弁4での冷媒異常音の発生防止、さらには冷媒量削減による安全性向上を実現することができる。
【0086】
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7による冷凍空調装置について説明する。図9は本実施の形態による冷凍空調装置を示す冷媒回路図で、図1に示したものと同一または同様の構成部品には同一符号を付して、その重複する説明を省略する。図において、40は一次側サイクル内の圧縮機1の吐出側配管に設けた油分離器、41は毛細管、42は開閉弁で例えば電磁弁である。油分離器40の底部は、毛細管41および電磁弁42を介して、圧縮機1の吸入側配管に接続されている。
【0087】
圧縮機摺動部の潤滑のために圧縮機1に封入されている潤滑油は、冷媒とともに一次側サイクル内を循環している。一次側サイクル内を循環する潤滑油の量が多い場合には、気液二相状態の冷媒またはガス状態の冷媒が流れる配管および熱交換部で、一次側サイクル内を循環している一部の潤滑油が冷媒配管の内部に付着する。このため、冷媒圧力損失の増加や、熱交換器の伝熱性能の低下を招き、結果として一次側サイクルのエネルギー効率を低下させる。圧縮機1に貯溜する潤滑油は、可燃性冷媒に溶解する鉱油などが使用される。即ち冷媒が炭化水素系冷媒の場合には、鉱油などの潤滑油との相互溶解性が高く、圧縮機内部の潤滑油には多量の冷媒が溶解し、潤滑油の粘度が低下するため、圧縮機1からの油吐出量が増加する傾向にある。
なお、潤滑油の付着が起こりやすい配管は、上記のように気液二相状態の冷媒またはガス状態の冷媒が流れる配管および熱交換部であり、冷房運転と暖房運転では多少の違いはあるが、冷凍サイクルを運転している時の圧縮機から凝縮器出口付近まで、絞り装置から蒸発器および圧縮機の吸入側の冷媒配管である。
【0088】
そこで本実施の形態では、油分離器40によって圧縮機1から吐出された流体中に混在している潤滑油を分離し、冷媒を四方弁2への通常の冷媒配管に流通させ、潤滑油を油分離器40の底部に溜める。通常圧縮機1の吐出側では冷媒はガスの状態であり、液体である潤滑油と冷媒ガスとの分離はスムーズに行われる。この油分離器40に溜まった潤滑油は、連続的あるいは定期または不定期で断続的に電磁弁42を開くことによって、毛細管41により戻り量が急激にならないようにコントロールされて圧縮機1の吸入側配管から圧縮機1に戻る。
【0089】
このように油分離器40によって圧縮機1の吐出側配管に流出した潤滑油を圧縮機1に戻すことにより、一次側サイクル内を循環する潤滑油の量を大幅に削減するため、冷媒配管の内部に付着して存在する潤滑油の量を大幅に低減できる。この結果、冷媒圧力損失の増大や熱交換器の伝熱性能の低下を抑制でき、エネルギー効率の低下を防止できる冷凍空調装置が得られる。
【0090】
また、油分離器40によって一次側サイクル内の潤滑油循環量を削減することにより、一次側サイクルの配管内に付着して存在する潤滑油の量も削減でき、結果として圧縮機内部に封入する潤滑油の量も削減することができる。この圧縮機内部への潤滑油の初期封入量の削減により、潤滑油に溶解して存在する冷媒も少なくなるため、一次側サイクルへの冷媒充填量もさらに削減でき、冷媒に可燃性冷媒を用いた場合の冷媒漏洩時の安全性もより一層向上する。また潤滑油の初期封入量が少なくて済むため、潤滑油のコストが低減でき、安価な冷凍空調装置を提供できる。
【0091】
実施の形態8.
以下、本発明の実施の形態8による冷凍空調装置について説明する。本実施の形態は、一次側熱伝達媒体に炭化水素系冷媒を用いた場合のエネルギー効率の向上に関するものである。本実施の形態による冷凍空調装置の構成は実施の形態1における図1と同様である。
冷凍サイクルの運転制御において、通常、電気式膨張弁4は、圧縮機1の回転数が変化しても、例えば凝縮器の出口部の冷媒過冷却度が所定温度になるように、その開度が制御されている。この凝縮器の出口過冷却度の検知には、例えば凝縮器の出口部の冷媒温度と圧力を検知して行なっている。
【0092】
本実施の形態では、一次側サイクルでは冷媒として炭化水素系冷媒を循環させ、凝縮器として動作する熱交換器の出口、即ち暖房運転時の中間熱交換器10の出口および冷房運転時の室外熱交換器3の出口の冷媒過冷却度(冷媒飽和温度−出口冷媒温度)を0℃〜10℃の範囲、例えば5℃になるように電気式膨張弁4の開度を制御している。これは従来のルームエアコンの冷媒R22(HCFC22)を用いた場合には15℃程度に制御していたのであるが、冷媒R22に比べて炭化水素系冷媒R290(プロパン)の冷媒液比熱が大きいため、R22に比べてR290では、凝縮器出口過冷却度を小さくした方が一次側サイクルの効率が高くなるからである。
【0093】
図10は横軸に凝縮器出口過冷却度、縦軸に一次側サイクルのエネルギー効率を示す特性図であり、図中実線がR290の特性を、破線がR22の特性を示している。50℃の飽和液の定圧比熱は、R290が3.1kJ/(kg・K)、R22が1.4kJ/(kg・K)であり、R290の方が大きい。このため同一の過冷却度を得るために必要な熱量は、R22よりもR290の方が大きくなるため、一次側サイクルのエネルギー効率が最大となる過冷却度は、R22よりもR290の方が小さくなる。図10はこの様子を示したもので、現行のR22が過冷却度10℃〜20℃の範囲でエネルギー効率が最大となるのに対して、R290は0℃〜10℃の範囲で最大となる。従って炭化水素系冷媒R290を用いた一次側サイクルでは、凝縮器過冷却度を0〜10℃の範囲、好ましくは5℃程度で制御することにより、一次側サイクルをエネルギー効率の高い状態で運転することができる。
【0094】
また、炭化水素系冷媒は可燃性であるため、なるべく充填量を少なくしたほうが安全であり、一次側サイクルの凝縮器過冷却度を0〜10℃の範囲で制御することにより、凝縮器内部の冷媒量を少なくすることができ、結果的には一次側サイクルの冷媒充填量を少なくすることができるため、冷媒漏洩時の安全性を向上させることもできる。
【0095】
実施の形態9.
以下、本発明の実施の形態9による冷凍空調装置について説明する。本実施の形態は、一次側サイクルから冷媒が万一漏れてもそれを早期に検知しようとするものである。
ここでは、一次側サイクルの圧縮機摺動部の潤滑のために封入された潤滑油に、冷媒の漏れた箇所を識別する識別剤として例えば付臭剤を添加している。このため、万一、冷媒が一次側サイクルから漏洩した場合には、潤滑油も冷媒と共に漏洩するため、その臭いで冷媒漏洩および潤滑油漏洩を容易に知ることができ、使用者は適切な対策を施すことができる。また漏洩の発生した冷凍空調装置の修理を行なう際にも、漏洩箇所を容易に特定できるので、適切な処理を迅速に行なうことができる。特に、冷媒として可燃性冷媒を用いている場合には、その漏れを早期に検知して対応することで、大きな事故につながるのを防止し、安全性を高めることができる。
【0096】
なお、本実施の形態では、潤滑油に識別剤として付臭剤を添加する例について示したが、潤滑油に付色剤を添加し、冷媒とともに漏洩する潤滑油の色で冷媒漏洩を検知できるようにしても同様の効果を発揮する。具体的な識別剤として例えば付色剤について挙げれば、赤色着色剤が用いられ、その成分としては以下のものが代表的である。
Figure 0003726541
これらアゾ、ジアゾ系染料の化学構造の特徴としては、分子内に芳香族環および−N=N−結合を持っている。
【0097】
なお、識別剤は潤滑油に溶解して用いるので、潤滑油に溶解する性質を有する必要がある。付臭剤の場合には、これを潤滑油に溶解したとき発する臭いがあまり良い香りではない方が望ましく、また他の原因によって発する臭いと同じではなく特殊なものが望ましい。付色剤の場合にも同様であり、色によって潤滑油の漏れた箇所を容易に検知できるので、どこで漏れたかを調べるために装置周辺で目立つ色にするのが望ましい。
また、識別剤の臭いなどを検知するセンサーを室外ユニット51内に配設し、このセンサーで自動的に潤滑油の漏れを検知し、例えば警報を発するように構成してもよい。この場合には、センサーに検知できる臭いや色などの識別剤であればよく、人が検知できないような少量の漏れでも早期に検知するように設定することができる。
【0098】
また、本実施の形態では、潤滑油として鉱油を用いた場合について説明したが、これに限ることはなく、アルキルベンゼン、エステル油、エーテル油、PAG油などの合成油であってもよい。
【0099】
また、実施の形態6〜実施の形態9において、中間熱交換器10を空気−冷媒熱交換器としてこれを利用して室内の空調を行なう構成、即ち一次側サイクルのみの構成の冷凍空調装置にも適用できる。この時には、熱源側熱交換器である室外熱交換器3が第1熱交換器に相当し、中間熱交換器10が第2熱交換器に相当し、第1、第2熱交換器のいずれか一方を蒸発器として動作させ、他方を凝縮器としてを動作させて冷凍サイクルを構成して冷媒として可燃性冷媒を循環させ、蒸発器または凝縮器で冷熱または温熱を利用する。
【0100】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係る冷凍空調装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、絞り装置、中間熱交換器を順次接続し、一次側熱伝達媒体を流通させる一次側サイクルと、ポンプ、利用側熱交換器、前記中間熱交換器を順次接続し、二次側熱伝達媒体を流通させる二次側サイクルとを備え、前記中間熱交換器で一次側熱伝達媒体と二次側熱伝達媒体とを熱交換するように構成したものにおいて、前記二次側サイクルにおける前記二次側熱伝達媒体の流量を変更可能とする利用側熱交換器での負荷の大きさまたは圧縮機の回転数に応じて二次側熱伝達媒体の流量を設定または変更する流量可変機構であって、かつ少なくとも圧縮機とポンプとの電気入力の合計が最小となるように前記流量可変機構を動作させる制御手段を備え、前記一次側熱伝達媒体は可燃性冷媒であり、前記二次側熱伝達媒体は不燃性冷媒であることにより、電気入力を低減でき、エネルギー効率を向上できると共に、オゾン層破壊や地球温暖化などの地球環境に悪影響を与えることを抑制でき、且つ、一次側熱伝達媒体を低減することで可燃性冷媒量を低減でき、安全性を向上できるという効果がある。
【0105】
また、本発明の請求項2に係る冷凍空調装置は、中間熱交換器をプレート熱交換器で構成したことにより、伝熱性能が向上してエネルギー効率を向上させることができ、且つ一次側熱伝達媒体の充填量を削減できるという効果がある。
【0106】
また、本発明の請求項3に係る冷凍空調装置は、プレート熱交換器内の二次側熱伝達媒体が通過する配管の流路断面積を一次側熱伝達媒体が通過する配管の流路断面積よりも大きくしたことにより、二次側熱伝達媒体の圧力損失を低減してエネルギー効率を向上させることができ、且つ小さくした流路を流れる一次側熱伝達媒体の量を削減できるという効果がある。
【0109】
また、本発明の請求項4に係る冷凍空調装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、絞り装置、中間熱交換器を順次接続し、一次側熱伝達媒体を流通させる一次側サイクルと、ポンプ、利用側熱交換器、前記中間熱交換器を順次接続し、二次側熱伝達媒体を流通させる二次側サイクルとを備え、前記中間熱交換器で一次側熱伝達媒体と二次側熱伝達媒体とを熱交換するように構成したものにおいて、前記二次側サイクルにおける前記二次側熱伝達媒体の流量を変更可能とする利用側熱交換器での負荷の大きさまたは圧縮機の回転数に応じて二次側熱伝達媒体の流量を設定または変更する流量可変機構であって、かつ少なくとも圧縮機とポンプとの電気入力の合計が最小となるように前記流量可変機構を動作させる制御手段を備え、前記二次側サイクルを構成する二次側熱伝達媒体の配管径を前記一次側サイクルを構成する一次側熱伝達媒体の配管径よりも大きくしたとにより、二次側サイクルの圧力損失を低減して圧力損失を低減してエネルギー効率を向上できると共に、一次側サイクルにおける熱伝達媒体の量を低減できるという効果がある。
【0110】
また、本発明の請求項5に係る冷凍空調装置は、前記利用側熱交換器内を流れる二次側熱伝達媒体の流路断面積を前記熱源側熱交換器内を流れる一次側熱伝達媒体の流路断面積よりも大きくしたことにより、利用側熱交換器での圧力損失を低減して圧力損失を低減してエネルギー効率を向上できると共に、熱源側熱交換器での熱伝達媒体の量を低減できるという効果がある。
【0111】
【請求項6】
利用側熱交換器の伝熱管径を熱源側熱交換器の伝熱管径よりも大きくしたことを特徴とする請求項5記載の冷凍空調装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。
【図2】 実施の形態1に係わり、ブライン流量と電気入力の関係を示すグラフである。
【図3】 実施の形態1に係わるポンプ回転数制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態1による冷凍空調装置の他の例を示す冷媒回路図である。
【図5】 本発明の実施の形態2に係わり、中間熱交換器の一部を分解して示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態3による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。
【図7】 本発明の実施の形態6による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。
【図8】 実施の形態6による冷凍空調装置の他の例を示す冷媒回路図である。
【図9】 本発明の実施の形態7による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。
【図10】 本発明の実施の形態8に係わり、凝縮器出口過冷却度と一次側サイクル効率の関係を示す特性図である。
【図11】 従来の冷凍空調装置による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、3 熱源側熱交換器(第1熱交換器)、4 絞り装置、10 中間熱交換器(第2熱交換器)、11 ポンプ、12 利用側熱交換器、15 流量可変機構、17 制御装置、24 熱交換器、40 油分離器。

Claims (6)

  1. 圧縮機、熱源側熱交換器、絞り装置、中間熱交換器を順次接続し、一次側熱伝達媒体を流通させる一次側サイクルと、ポンプ、利用側熱交換器、前記中間熱交換器を順次接続し、二次側熱伝達媒体を流通させる二次側サイクルとを備え、前記中間熱交換器で一次側熱伝達媒体と二次側熱伝達媒体とを熱交換するように構成したものにおいて、前記二次側サイクルにおける前記二次側熱伝達媒体の流量を変更可能とする利用側熱交換器での負荷の大きさまたは圧縮機の回転数に応じて二次側熱伝達媒体の流量を設定または変更する流量可変機構であって、かつ少なくとも圧縮機とポンプとの電気入力の合計が最小となるように前記流量可変機構を動作させる制御手段を備え、前記一次側熱伝達媒体は可燃性冷媒であり、前記二次側熱伝達媒体は不燃性冷媒であることを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 中間熱交換器をプレート熱交換器で構成したことを特徴とする請求項1記載の冷凍空調装置。
  3. プレート熱交換器内の二次側熱伝達媒体が通過する配管の流路断面積を一次側熱伝達媒体が通過する配管の流路断面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項2記載の冷凍空調装置。
  4. 圧縮機、熱源側熱交換器、絞り装置、中間熱交換器を順次接続し、一次側熱伝達媒体を流通させる一次側サイクルと、ポンプ、利用側熱交換器、前記中間熱交換器を順次接続し、二次側熱伝達媒体を流通させる二次側サイクルとを備え、前記中間熱交換器で一次側熱伝達媒体と二次側熱伝達媒体とを熱交換するように構成したものにおいて、前記二次側サイクルにおける前記二次側熱伝達媒体の流量を変更可能とする利用側熱交換器での負荷の大きさまたは圧縮機の回転数に応じて二次側熱伝達媒体の流量を設定または変更する流量可変機構であって、かつ少なくとも圧縮機とポンプとの電気入力の合計が最小となるように前記流量可変機構を動作させる制御手段を備え、前記二次側サイクルを構成する二次側熱伝達媒体の配管径を前記一次側サイクルを構成する一次側熱伝達媒体の配管径よりも大きくしたことを特徴とする冷凍空調装置。
  5. 前記利用側熱交換器内を流れる二次側熱伝達媒体の流路断面積を前記熱源側熱交換器内を流れる一次側熱伝達媒体の流路断面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の冷凍空調装置。
  6. 利用側熱交換器の伝熱管径を熱源側熱交換器の伝熱管径よりも大きくしたことを特徴とする請求項5記載の冷凍空調装置。
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