JP3725952B2 - ラベルプリンタのヘッド圧可変装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にサーマルヘッドを用いるラベルプリンタのヘッド圧可変装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のヘッド圧可変装置としては、例えば図５ないし図７に示されるようなものが知られている。
【０００３】
ヘッド圧可変装置１は、主に、ヘッド軸２に回動自在に支持される印字ヘッド支持部材４と、この印字ヘッド支持部材４の先端部に備えられるサーマルヘッド（印字ヘッド）６と、カム軸１０に回動自在に支持される一対の押圧カム１２ａ、１２ｂから成る。
【０００４】
主に図５にて示すように、印字ヘッド６とプラテンローラ８の間に被印字媒体としてのラベルＬを挟持し、ヘッド軸２を支点として印字ヘッド支持部材４を回動してプラテンローラ８の対向位置に印字ヘッド６を位置決めした上で、次にカム軸１０を支点として押圧カム１２ａ、１２ｂを回動して上から印字ヘッド支持部材４に押し付けることにより、印字ヘッド６に対し押圧力を付与するようになっている。そして、印字ヘッド６とプラテンローラ８との間にラベルＬを挟持して搬送しながら、印字ヘッド６を介して所望の情報をラベルＬに印字するようになっている。
【０００５】
ところで、印字ヘッド６に対する押圧力は、文字や記号等の印字品質に重大な影響を及ぼし、一般的に、押圧力が大きいと印字する文字や記号等の印字濃度は濃くなり、これとは逆に押圧力が小さいと印字濃度は薄くなることが知られている。
【０００６】
このため、文字や記号等の印字品質を適切な印字濃度にすべく、左右（図６における左右）一対の押圧カム１２ａ、１２ｂを微調整して印字ヘッド６全体の押圧力を大きく若しくは小さくしたり、または、濃淡の印字ムラをなくすべく、押圧カム１２ａ、１２ｂの各々を別々に調整して、印字ヘッド６に対するヘッド圧の左右のバランスの均一化を図ることが必要とされていた。
【０００７】
しかしながら、特に、出力するラベルやタグの種類が多数存在し、この複数種類のラベルＬを頻繁に掛け替えて印字出力するラベルプリンタにあっては、種類によってラベル幅が異なるため、ラベル幅の異なるラベルＬに掛け替えた都度、圧力調整が必要であった。すなわち、図６に示すように幅広なラベルＬ１にあわせて圧力分布（図示せず）が左右（図６における左右）対称となるよう押圧カム１２ａ、１２ｂを調整したとしても、図７に示すように幅狭なラベルＬ２に掛け替えると圧力分布（図示せず）が異なり、印字ムラを発生させる原因となるため、幅狭なラベルＬ２にあわせた調整が必要であり、幅の異なるラベルに頻繁に掛け替えるラベルプリンタにおいては、ヘッド圧をラベルの幅に合わせて簡単に可変できる必要性に迫られていた。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題に注目してなされたもので、ラベルの幅が変わった場合でも、印字ヘッドを適正なヘッド圧に、簡単に調整できるようなラベルプリンタのヘッド圧調整装置を提供することを課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に注目されたものであって、台紙にラベルが仮着された被印字媒体を、プラテンローラと印字ヘッドで挟持し、この印字ヘッドにて前記ラベルに印字を施すラベルプリンタにおいて、上記印字ヘッドに近接・対向して設けられ、ラベルの幅方向に沿ってガイド溝が形成されるガイド部材と、上記ガイド部材のガイド溝近傍のラベルの幅方向の適宜位置に形成されたヘッド圧指標用の目盛り部と、上記印字ヘッドをプラテンローラに押圧する位置に設けられ、かつ上記ガイド部材の上記ガイド溝に沿って移動自在とされるとともに、上記ガイド部材と上記印字ヘッドとの間で、印字ヘッドに対し押圧力を付与する単一の付勢移動体とを備え、上記付勢移動体を、上記目盛り部の所望の指標位置へ移動することによって、印字ヘッドに対するヘッド圧を指標に見合うヘッド圧に可変するものである。
また、上記付勢移動体は、コマ状の形状を呈し、コマ状の軸部分の上端部を上記ガイド部材のガイド溝を挿通して外部へ突出するようにできる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態によるラベルプリンタのヘッド圧可変装置を図１ないし図４に基づき説明する。
【００１５】
なお、従来と同様の部分については、同一の符号を付すに止め、重複説明を省略する。
【００１６】
図１は、ヘッド圧可変装置２０の斜視図であって、主に、印字ヘッド２２と、支持部材２４と、ガイド部材２６と、付勢移動体２８とを備える。
【００１７】
印字ヘッド２２は、プラテンローラ８に押圧されるものであって、既知のサーマルヘッドが用いられる。
【００１８】
支持部材２４は、図１に示すように印字ヘッド２２の左右両側端部に一対設けられており、上記印字ヘッド２２を支えるとともに、印字ヘッド２２とガイド部材２６とを所定距離へだてて位置決めするようになっている。
【００１９】
ガイド部材２６は、断面がＵ字を逆さまにした形状を呈しており、上記支持部材２４を介して上記印字ヘッド２２の上に近接・対向して設けられている。
【００２０】
また、ガイド部材２６には、ラベルＬの幅方向（図１の矢示Ｘ方向）に沿ってガイド溝３０が形成されており、更に、ガイド溝３０の幅方向における適宜位置には、ヘッド圧指標用の目盛り部３２が設けられている。
【００２１】
付勢移動体２８は、コマのような形状を呈しており、周面に付勢手段としてのスプリング３４が設けられている。そして、コマ状の付勢移動体２８の軸部分の上端部２８ａが前記ガイド部材２６のガイド溝３０を挿通して外部へ突出し、下端部が前記印字ヘッド２２に当接した状態で、印字ヘッド２２とガイド部材２６の間に設けてある。
【００２２】
付勢移動体２８のスプリング３４は、印字ヘッド２２とガイド部材２６の間において、外側へ広がる方向に付勢力が作用しており、したがって、付勢移動体２８によって印字ヘッド２２はプラテンローラ８へ押し付けられるような押圧力を得るものであり、付勢移動体２８の置かれた位置における付勢力が大きく印字ヘッド２２に作用するようになっている。
【００２３】
また、付勢移動体２８は、ガイド部材２６のガイド溝３０から突出した軸部分の上端部２８ａが指でつまめ、つまんだ状態でガイド溝３０に沿ってラベルＬの幅方向（図１の矢示Ｘ方向）で移動できるので、外部からの付勢移動体２８の移動が容易なものである。
【００２４】
更に、付勢移動体２８は、下端部が印字ヘッド２２に当接し、かつ前記スプリング３４が印字ヘッド２２をプラテンローラ８に押し付ける押圧力を有した状態でガイド溝３０に沿って移動して、付勢移動体２８の置かれた位置の印字ヘッド２２に掛かるヘッド圧を大とするので、結果的に外部からの操作によってヘッド圧が可変することになるものである。
【００２５】
また、前記ガイド部材２６の目盛り部３２は、付勢移動体２８がガイド溝３０に沿った移動を行った時に、印字ヘッド２２にかかるヘッド圧の圧力分布が好適となる位置に設けるものであり、頻繁に使用するラベルＬに適する位置を目盛り部３２として設けることによって、その幅のラベルに適したバランスのとれたヘッド圧への可変が容易となるものである。
【００２６】
このようなヘッド圧可変装置２０で、ラベルＬに対する印字ヘッド２２のヘッド圧を可変するには、付勢移動体２８をガイド溝３０に沿って移動すればよく、図３に示すように幅広のラベルＬ１を使用する場合は、印字ヘッド２２の幅方向（図３の矢示Ｘ方向）のなかほど、すなわちラベルＬ１のセンター付近に位置決めすると、付勢移動体２８の付勢力が印字ヘッド２２のセンター近辺に作用するので、左右ほぼ対称な圧力分布となる。
【００２７】
この付勢移動体２８の位置を前記ガイド部材２６の目盛り部３２として設定することにより、この種類のラベルＬ１における適正な可変位置が容易に得られるものである。
【００２８】
次に、図示しない幅狭なラベルを使用する場合、付勢移動体２８を幅狭なラベル（図示せず）のセンター付近（図３における仮想線位置）に移動させると、幅狭なラベルに対して左右対称に近づくような圧力分布となる。
【００２９】
このように、付勢移動体２８をガイド部材２６のガイド溝３０に沿って移動させることにより、印字ヘッド２２のヘッド圧を容易に可変でき、簡単な操作で好ましい圧力分布を得られるものである。
【００３０】
図４は、本発明の第２の実施の形態によるヘッド圧可変装置４０を示すものであり、付勢移動体２８を２つ設けてある。すなわち、印字ヘッド２２とガイド部材２６の間に、ガイド部材２６のガイド溝３０に沿って移動する付勢移動体２８を一対２８ｂ、２８ｃ設け、各々の付勢移動体２８ｂ、２８ｃは、上端部２８ａをつまんで移動可能としてある。
【００３１】
複数の付勢移動体２８ｂ、２８ｃをガイド溝３０に沿って移動可能とし、各々の付勢移動体２８ｂ、２８ｃが置かれた位置における付勢力が大きく印字ヘッド２２に作用するので、圧力分布の左右のバランス（図４における左右）は、付勢移動体２８が単数のときより調整し易いものである。
【００３２】
他の作用、効果は、先の実施の形態と同様につき説明は省略する。
【００３３】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ガイド部材と印字ヘッドとの間で印字ヘッドに押圧力を付与する単一の付勢移動体をガイド部材のガイド溝に沿って移動するとともに、目盛り部の所望の指標位置への移動によって印字ヘッドに対するヘッド圧を指標に見合うヘッド圧に容易に可変できるので、簡単な操作で左右のバランスがとれた好ましい圧力分布が得られるという効果がある。
また、付勢移動体をコマ状の形状とし、コマ状の軸部分の上端部をガイド部材のガイド溝を挿通して外部へ突出すれば、軸部分の上端部が指でつまめ、つまんだ状態でガイド溝に沿って移動ができるので、外部からの付勢部材の移動が容易となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態によるヘッド圧可変装置の斜視図
【図２】同、図１中、矢示〓−〓線に沿う側面の断面図
【図３】同、図１中、矢示〓−〓線に沿う正面の断面図
【図４】第２の実施の形態による図３相当の断面図
【図５】従来のヘッド圧可変装置の側面図
【図６】同、幅広のラベルＬ１を装着したときの正面図
【図７】同、幅狭なラベルＬ２を装着したときの正面図
【符号の説明】
Ｌ 被印字媒体（ラベル）
Ｌ１ 幅広のラベル
Ｌ２ 幅狭なラベル
Ｘ ラベルの幅方向
８ プラテンローラ
２０ ヘッド圧可変装置（第１の実施の形態）
２２ 印字ヘッド
２４ 支持部材
２６ ガイド部材
２８ 付勢移動体
２８ａ 付勢移動体２８の上端部
３０ ガイド溝
３２ 目盛り部
３４ 付勢手段（スプリング）
４０ ヘッド圧可変装置（第２の実施の形態）
２８ｂ 付勢移動体
２８ｃ 付勢移動体

Claims (2)

1. 台紙にラベルが仮着された被印字媒体を、プラテンローラと印字ヘッドで挟持し、この印字ヘッドにて前記ラベルに印字を施すラベルプリンタにおいて、上記印字ヘッドに近接・対向して設けられ、ラベルの幅方向に沿ってガイド溝が形成されるガイド部材と、上記ガイド部材のガイド溝近傍のラベルの幅方向の適宜位置に形成されたヘッド圧指標用の目盛り部と、上記印字ヘッドをプラテンローラに押圧する位置に設けられ、かつ上記ガイド部材の上記ガイド溝に沿って移動自在とされるとともに、上記ガイド部材と上記印字ヘッドとの間で、印字ヘッドに対し押圧力を付与する単一の付勢移動体とを備え、上記付勢移動体を、上記目盛り部の所望の指標位置へ移動することによって、印字ヘッドに対するヘッド圧を指標に見合うヘッド圧に可変することを特徴とするラベルプリンタのヘッド圧可変装置。
2. 上記付勢移動体は、コマ状の形状を呈し、コマ状の軸部分の上端部を上記ガイド部材のガイド溝を挿通して外部へ突出していることを特徴とする請求項１に記載のラベルプリンタのヘッド圧可変装置。

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