JP3724525B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたカラー画像データに対して、出力する装置(デバイス)の色再現範囲に収まるように色変換を行なう画像処理装置および画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像処理の一つとして、カラー画像データを出力する装置(デバイス)の色再現範囲に収まるようにカラー画像データの色変換を行なう色変換処理がある。例えば、ディスプレイやプリンタなどにおいてカラー画像を出力する場合、すべての色を表現することはできず、出力装置(デバイス)がもつ色再現範囲内の色のみが出力されることになる。以降、想定している出力装置(デバイス)の色再現範囲を単に色再現範囲と称する。出力対象のカラー画像データが色再現範囲を逸脱する色を有しているとき、色再現範囲を逸脱した色を再現可能な色に変換する色変換処理が必要となる。
【0003】
従来より、出力装置で再現できない色をどのように再現するかという色変換に関して、種々の方法が考案されている。代表的な変換方法としては、階調性を保存した変換法、色相を保存した変換法、明度を保存した変換法の3つがある。
【0004】
階調性を保存した変換法は、色再現範囲外の色だけでなく再現可能な色をも対象のカラー画像データの持つすべての色が再現可能になるようにある割合で変化させる方法である。この方法では、各色の違いは保存されるので、グラデーションなどの色の変化は保存される。そのため、階調性を重視する写真などの画像に対する色変換には適している。しかし、色再現範囲から大きく外れた色を対象のカラー画像が有している場合には、カラー画像全体の色が大きく変化してしまうという欠点を持つ。
【0005】
これに対して、色相や明度を保存した変換法では、色再現範囲外の色についてのみ、それぞれ、色相や明度を変化させずに色再現範囲の外縁の色まで変化させる。これにより全体的な色の変化を低く抑えることができる。しかし、色再現範囲外の色だけを変化させるため、変換後の色およびその近傍の色が変換前のカラー画像データに存在していると、それらの色と変化させた色との識別性が劣化するという欠点がある。例えば、グラデーションの一部が色再現範囲外の色であった場合、この変換によってグラデーションの一部が同じ色になってしまい、階調性が低下してしまう。また、変換する前のカラー画像データでは識別できていた色が、この変換によりほとんど同じ色になってしまい、識別性が低下する場合もある。
【0006】
前述した3つの代表的な変換方法の欠点を補うために、画像の種別や特性により変換法を選択する方法もある。例えば、特開平5−167839号公報に記載されている装置では、色再現範囲外の画素数を計数し、また特開平4−287569号公報に記載されている装置では色再現範囲内の画素数を計数し、色再現範囲外の画素数の比率が小さい場合には色相を保存した変換法により色変換を行ない、色再現範囲内の画素数の比率が小さい場合には階調性を保存した変換法により色変換を行なっている。さらに、特開平6−162181号公報に記載されている装置では、色空間を色相ごとの複数のブロックに分割し、各ブロックごとに色再現範囲外の画素数を計数し、計数値の比率が大きいブロックが存在する場合には階調性を保存した変換法を用い、他の場合には色相を保存した変換法を用いて色変換を行なっている。これらの装置では色再現範囲の内外の画素数に基づいて変換方法を選択しているため、色再現範囲内の色を多く含むグラデーションの一部の階調性が消失するなどの問題がある。
【0007】
また、例えば、特開平7ー203234号公報に記載されているカラー画像変換装置では、均等色空間を単位空間に分割して、各単位空間ごとに含まれる画素数を求め、色再現範囲外の単位領域については画素数に応じて明度一定の他の色の単位領域に写像して色変換を行なっている。この技術によれば、色再現範囲外の色が他の使用している色と同一の色に変換される場合を少なくしているため、グラデーションの階調性を保存でき、色の識別性の低下も低く抑えることができる。また、色再現範囲内の色は、ほとんどの場合そのままの色で表現されるため、不必要な色の変化を防ぐことができる。しかし、色再現範囲外の単位空間についてのみ色変換を行なうため、例えば、色再現範囲外の単位空間の色変換により色の階調性が消失する場合がある。
【0008】
これまで述べてきた問題を解決するために、例えば特願平8−118026号では、カラー画像の部分的な色分布とその位置に注目し、グラデーション部分の階調性とフラットな部分の色識別性を保持して、できるだけカラー画像全体の色再現性を低下させない画像処理装置を示している。この方法は、カラー画像中の色分布と位置ごとにグループを作成し、このグループごとに色変換を行なうものであり、この方法によれば、グラデーション部分をグラデーションとして再現でき、同時にフラットな部分は色識別性を保持しつつ、できるだけ忠実にカラー画像全体を再現できる。しかしながら、カラー画像データの色分布及び位置ごとにグループを作成するため、処理速度が遅いという欠点がある。また、カラー画像データに含まれる全ての色に対して同等にグラデーション部分の階調性とフラットな部分の色識別性を保持するように色変換を行なうため、カラー画像中で大きな影響力を持つ色を不必要に変化させてしまう可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、同一画像内に存在するグラデーション部分の階調性とフラットな部分の色識別性を保持した上で、かつ、画像中で重要と判断する色や領域については特に留意して保存する色変換処理を効率的に行なう画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像処理装置において、画像データを入力する画像データ入力手段と、該画像データ入力手段により入力された前記画像データから1つ以上の重要色を抽出する画像データ解析手段と、該画像データ解析手段により抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識し異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループを生成するグループ作成手段と、該グループ作成手段で生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットに分類するグループ解析手段と、前記画像データ解析手段により抽出された重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記グループ解析手段による分類に応じた色変換を行なう色変換手段を具備することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、画像処理装置において、画像データを入力する画像データ入力手段と、該画像データ入力手段により入力された画像データ内の重要な領域を指示する領域指示手段と、前記画像データ入力手段により入力された画像データから1つ以上の重要色を抽出する画像データ解析手段と、該画像データ解析手段により抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色と前記領域指示手段により指示された重要な領域に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識し異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループを生成するグループ作成手段と、該グループ作成手段で生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットに分類するグループ解析手段と、前記画像データ解析手段により抽出された重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記グループ解析手段による分類に応じた色変換を行なう色変換手段を具備することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、前記画像データ解析手段は、前記画像データ入力手段により入力された前記画像データの色空間上における頻度を算出し、該頻度もしくは該頻度の全体に対する割合が閾値以上である色を重要色として抽出することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記画像データ解析手段は、前記画像データ入力手段により入力された前記画像データが前記出力装置における色再現範囲外の色を含む場合に、前記重要色を前記グループ作成手段に渡すことを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、前記グループ作成手段は、前記画像データ解析手段により抽出された重要色に基づくクラスタリングによってグループを作成することを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、前記グループ作成手段は、前記画像データ解析手段により抽出された重要色を含むクラスタと含まないクラスタとでクラスタリングの閾値もしくはパラメータを変更することを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、前記色変換手段は、前記画像データ解析手段で抽出した重要色をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記色変換手段は、前記画像データ解析手段で抽出した重要色および前記領域指示手段で指示された重要な領域が存在すればその領域内の色と階調性をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とするものである。
【0018】
請求項9に記載の発明は、画像処理方法において、入力された画像データから1つ以上の重要色を画像データ解析手段で抽出し、抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識して異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループをグループ作成手段で生成し、生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットにグループ解析手段で分類し、前記重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記分類に応じた色変換を色変換手段で行なうことを特徴とするものである。
【0019】
請求項10に記載の発明は、画像処理方法において、画像データ入力手段により入力された画像データ内の重要な領域についての指示を受け、一方、入力された前記画像データから1つ以上の重要色を画像データ解析手段で抽出し、抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色と前記重要な領域に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識して異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループをグループ作成手段で生成し、生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットにグループ解析手段で分類し、前記重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記分類に応じた色変換を色変換手段で行なうことを特徴とするものである。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の画像処理方法において、前記重要色を抽出する際には、前記画像データの色空間上における頻度を算出し、該頻度もしくは該頻度の全体に対する割合が閾値以上である色を重要色として抽出することを特徴とするものである。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項9または10に記載の画像処理方法において、前記重要色を抽出する際には、入力された前記画像データの前記出力装置における色再現範囲外の色および該色再現範囲外の色が変換されると推測される色を重要色として抽出することを特徴とするものである。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項9または10に記載の画像処理方法において、前記グループを生成する際には、前記重要色に基づくクラスタリングによってグループを生成することを特徴とするものである。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像処理方法において、前記クラスタリングは、前記重要色を含むクラスタと含まないクラスタとでクラスタリングの閾値もしくはパラメータを変更して行なうことを特徴とするものである。
【0024】
請求項15に記載の発明は、請求項9または10に記載の画像処理方法において、前記色変換を行なう際には、前記重要色をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とするものである。
【0025】
請求項16に記載の発明は、請求項10に記載の画像処理方法において、前記色変換を行なう際には、前記重要色および指示された重要な領域が存在すればその領域内の色と階調性をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像処理装置および画像処理方法を実現する第1の実施の形態を示す概念ブロック図である。図中、1は画像データ入力部、2は画像データ解析部、3はグループ作成部、4は色変換部、5は画像データ出力部である。
【0027】
画像データ入力部1は、入力された画像を量子化し、画像データを生成する。画像データ解析部2は、画像データ入力部1で生成された画像データから重要な色であると判断した1つ以上の重要色を抽出する。グループ作成部3は、画像データ入力部1で入力された画像データから、画像データ解析部2で抽出された重要色に基づいて、色およびその分布が類似するグループを作成する。色変換部4は、グループ作成部3で生成されたグループごとにグループ内の色とその分布、画像データ解析部2で抽出された重要色、および色再現範囲に基づき、色変換ベクトルを決定して、画像データ入力部1で入力された画像データの色変換を行なう。画像データ出力部5は、色変換部4で色変換された画像データを出力装置(デバイス)に出力する。
【0028】
画像データ入力部1で入力された出力対象の画像データは、量子化されて画像データ解析部2、グループ作成部3、色変換部4に与えられる。画像データ解析部2では、与えられた画像データから重要と判断する1つ以上の色を抽出し、グループ作成部3、色変換部4に与える。グループ作成部3では、与えられた画像データから重要色に基づいて色およびその分布が類似しているグループを生成し、色変換部4に与える。色変換部4では、与えられたグループおよびグループ内の色分布、重要色、色再現範囲に基づいて色変換ベクトルを作成して与えられた画像データに適用し、色変換を行なう。色変換後の画像データは、画像データ出力部5から出力装置(デバイス)に出力される。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施の形態を実現する構成例を示すブロック図である。図中、11は画像データ入力装置、12は入力側色変換部、13は一時データ記憶装置、14は重要色抽出部、15はクラスタ抽出部、16はクラスタ解析部、17はクラスタ別色変換部、18は出力側色変換部、19は画像データ出力装置である。
【0030】
画像データ入力装置11は、画像を読み取って入力画像データとして出力する。例えば、デジタルカメラやスキャナなどで構成することができる。ここでは、画像データはRGB色空間の画像データとして取り込まれるものとする。なお、あらかじめ読み込まれてハードディスクなどの記憶装置などに記憶している画像データや、ネットワークなどを介して送られてくる画像データを入力画像データとしてもよい。また、計算機を用いて描画された画像データを入力画像データとしてもよい。
【0031】
入力側色変換部12は、入力画像データの表色系と内部の処理において用いる表色系との間の色変換を行なう。この例では、内部処理においてL* * H゜表色系を用いる。そのためこの入力側色変換部12では、既知の方法を用いてRGB色空間からL* * H゜色空間への変換処理を行なう。以降、L* * H゜表色系により表現された入力画像データを単に画像データと称する。ここではL* * H゜表色系を用いるが、本発明はこれに限定するものではなく、他の表色系、たとえばCIEのL* * * 表色系を用いてもよい。この場合は、この入力側色変換部12においてRGB色空間からL* * * 色空間への変換処理を行なう。
【0032】
一時データ記憶装置13は、例えばハードディスクやメモリなどといった記憶装置で構成され、入力側色変換部12により内部処理で用いる表色系に変換された画像データや、後述の処理の過程で保持する必要のあるデータを記憶する。
【0033】
重要色抽出部14は、色変換により入力画像の再現性が大きく変化すると考えられる色として、入力画像の中で頻度の大きな色を抽出し、これを重要色とする。ここでは、まず、あらかじめ設定されている分割情報、例えば、色空間の各軸ごとの分割数Npを用いてL* * H°色空間を分割してできた格子点を重心に持つ単位空間を生成する。そして、画像データの単位空間ごとの画素数を計数することにより、明度、彩度、色相による3次元ヒストグラムを作成する。そして、あらかじめ設定されている閾値Th1 よりも大きな頻度を持つ単位空間の重心を重要色として抽出することができる。ここで、一つの重要色は、明度、彩度、色相の三つの要素からなる3次元ベクトルAi (1≦i≦Nimp ;Nimp は重要色の個数)で表わすことができる。ここでは、単位空間を作成してこの単位空間ごとの頻度により重要色を抽出したが、本発明はこれに限定するものではなく、画像中で占める頻度が高い色を抽出できる方法であればどのような方法を用いてもよい。
【0034】
図3は、L* * H°色空間を分割して作成する単位空間の説明図である。図3(A)は色空間を分割した際にできる格子点の説明図、図3(B)は前述の格子点を重心に持つ単位空間の説明図である。図3(A)では、Np=4とした場合の例を示しており、図中の実線が各軸を分割した平面の一部を示している。この三つの軸と分割平面の交点がそれぞれ格子点であり、図3(A)では、外部の一部についてのみ黒丸によって示している。
【0035】
図3(B)に示す黒丸は色空間を分割してできる格子点であり、この格子点を重心に持つような単位空間を隣り合う単位空間と同じ形状と大きさでかつ隣接するように生成する。図3(B)では四つの隣り合う格子点を重心に持つ四つの単位空間を実線および破線で示している。
【0036】
ここで、画像データが色再現範囲外の色を含んでいなければ、以下のクラスタ抽出部15、クラスタ解析部16、クラスタ別色変換部17の処理は不要である。したがって、この重要色抽出部14で作成した三次元ヒストグラムとあらかじめ保持している色再現範囲を用いて、画像データが色再現範囲外の色を含んでいるか否かを調べ、色再現範囲外の色を含んでいなければ、クラスタ抽出部15、クラスタ解析部16、クラスタ別色変換部17をスキップするように構成してもよい。
【0037】
クラスタ抽出部15は、重要色抽出部14で抽出した重要色に基づいて類似する特徴を持つ画素の集合であるクラスタを抽出する。このように重要色もしくは重要色に近い色を持つ画素のみからクラスタを構成することにより、効率的なクラスタの抽出が実現できる。この例では、重要色と大きく異なる色については色変換によって画像全体の再現性は大きく変化しないと見なして、色識別性や階調性の保存のための特別な処理は行なわない。
【0038】
この例では、クラスタを抽出する処理に用いる特徴として、L* * H°色空間における明度、彩度、色相と画像平面におけるX座標、Y座標の五つの特徴を用いた。本発明は使用する特徴をこれらの5つに限定するものではなく、使用する特徴は色に関する特徴を含んでいればどのような特徴をいくつ用いてもよい。例えば、CIEのL* * * 色空間で表わされる3つの特徴を用いてもよい。
【0039】
この類似する特徴を持つ画素の集合であるクラスタを抽出する処理は、一般にクラスタリングと呼ばれる処理により実現できる。例えば、「画像解析ハンドブック」,東京大学出版会(以降、文献1と称する)に示されている非階層的クラスタリングの1つである再配置法を用いることができる。本発明は、この再配置法に限定されるものではなく、類似する特徴を持つクラスタを抽出できる方法であれば、どのような方法を用いてもよい。
【0040】
図4は、本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ抽出部15の動作の一例を示すフローチャートである。この例では、重要色に類似する画素を初期クラスタとする。
【0041】
まず、S101では、重要色抽出部14で抽出した重要色に基づいて、初期クラスタを生成する。ここでは、重要色Ai (1≦i≦Nimp ;Nimp は重要色の個数)と画像データの座標[x,y](1≦x≦W;1≦y≦H;W,Hはそれぞれ画像データの幅と高さ)の画素の色を表わすベクトルDxy=(Lxy,Cxy,Hxy,)(Lxy,Cxy,Hxyはそれぞれ画像データの座標[x,y]における画素の明度、彩度、色相)との差の絶対値が、あらかじめ設定されている閾値Th2 よりも小さい画素を1つの初期クラスタとして抽出する。この結果、1画素からなる1つ以上の初期クラスタが抽出できる。
【0042】
また、抽出した初期クラスタごとに画素の再配置に用いるクラスタ中心を算出しておく。ここでは、各初期クラスタに属するただ1つの画素の明度、彩度、色相と画像平面におけるX座標、Y座標からなる5次元ベクトルVi (1≦i≦Nc;Ncはクラスタの個数)をクラスタ中心とした。以降の画素の再配置の処理においては、ここで抽出されたクラスタに属する画素のみをその処理対象とする。したがって、この処理対象となる画素集合を一時的に記憶しておく。
【0043】
S102では、S103以降のループの収束を早くするために、S101で生成した1画素からなる初期クラスタの統合処理を行なう。この例では、S101で生成されたある2つのクラスタのクラスタ中心Vi (1≦i≦Nc)とVj(1≦j≦Nc)との距離dijが、あらかじめ設定された閾値Th3 よりも小さい場合には、これらのクラスタを統合し、クラスタ中心の再計算を行なう。クラスタ中心Vi (1≦i≦Nc)とVj (1≦j≦Nc)との距離dijは、(1)式を用いて算出した。
【数1】
Figure 0003724525
ここで、Vi =(Li,Ci,Hi,xi,yi )、Vj =(Lj,Cj,Hj,xj,yj )である。
【0044】
また、複数の画素から構成されるクラスタのクラスタ中心には、クラスタに属する画素の明度、彩度、色相と画像平面図におけるX座標、Y座標からなる5次元ベクトルの平均ベクトルを用いた。例えば、クラスタ中心Vi (1≦i≦Nc)は(2)式を用いることで算出することができる。
【数2】
Figure 0003724525
ここで、Nci はクラスタci に属する画素の総数であり、Lik,Cik,Hik,xik,yikは、それぞれ、クラスタci に属するk番目の画素の明度、彩度、色相、X座標、Y座標である。
【0045】
S103では、S101で抽出されたクラスタに属する画素について、どのクラスタ中心との距離が最も近いかを調べて、クラスタを再構成する。ここでは、画素の明度、彩度、色相と画像平面のX座標とY座標の5次元からなる特徴空間において、再配置の対象の画素とすべてのクラスタ中心との重み付き距離を算出する。ここで、処理の効率化のため、すべてのクラスタではなく再配置の対象の画素の近傍に存在するクラスタ中心についてのみの重み付き距離を算出してもよい。この重み付き距離が最も小さいクラスタ中心に対応するクラスタに、対象の画素が属するように画素を再配置する。重み付き距離di は、例えば、対象の画素とクラスタ中心Vi (1≦i≦Nc)とから(3)式によって求めることができる。
【数3】
Figure 0003724525
ここで、(LT,CT,HT,xT,yT )は、対象画素Tの前述した5次元特徴空間上の座標であり、Vi =(Li,Ci,Hi,xi,yi )である。また、a,b,c,d,eはそれぞれの特徴に対応する重み係数である。この重み係数を適当に定めることで、生成されるグループを調節することができる。例えば、cを比較的大きくして、dとeを比較的小さめに設定すれば、色相が近ければ画像平面上における距離が少々遠くても1つのクラスタとして構成することができる。
【0046】
上述の重み付き距離の計算の結果、ある画素とクラスタ中心との最も小さい重み付き距離があらかじめ設定された閾値Th4 よりも大きい場合には、より適切なクラスタを作成するために、その画素1つからなるクラスタを新たに生成することもできる。
【0047】
S104では、S103で、再構成されたクラスタのクラスタ中心を算出する。このクラスタ中心の算出方法は、S102で述べた方法と同様である。
【0048】
S105では、S103で行なわれた画素の再配置でクラスタが変更されたか否かを調べて、変更されていなければ、画素の再配置は収束したものと見なして、クラスタ抽出処理を終了する。変更されている場合には、S103に戻って処理を繰り返す。
【0049】
ここで説明した例では、重要色と重要色に類似する色に限定した形でクラスタを抽出したが、重要色との距離により色を複数のクラスに分類し、代表色のクラスによって再配置に使用するパラメータや閾値を変更するように構成することもできる。例えば、重要色と、重要色に類似する色と、その他の色の3つのクラスを定義して、重要色に近いクラスほど小さなクラスタが得られるように閾値を設定しておくことで、重要な色ほど詳細な色分布が得られて、結果的により再現性の高い色変換が実現できる。
【0050】
図2に戻り、クラスタ解析部16は、クラスタ抽出部15で抽出されたクラスタ内の色分布を認識し、必要に応じてこの色分布によるクラスタの分割、統合および削除を行なう。この例では、クラスタに属する画素の色が分散しているか集中しているかにより、それぞれ、グラデーションとフラットの2つの色分布に分類する。そして、類似する色分布を持つクラスタを統合した後に微小クラスタを削除する。
【0051】
図5は、本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ解析部16のクラスタの色分布認識処理の動作の一例を示すフローチャートである。S111では、色分布が認識されていないクラスタci を1つ選択する。以降の処理は、このクラスタci を対象に行なう。
【0052】
S112では、クラスタ内の色分布を判断するためにクラスタに属する画素のL* * H°色空間における分散ベクトルを算出する。例えば、(4)式を用いることによりクラスタci の分散ベクトルSi 2(1≦i≦Nc)を算出することができる。
【数4】
Figure 0003724525
ここで、クラスタci のクラスタ中心Vi =(Li,Ci,Hi,xi,yi )である。以降、Mi =(Li,Ci,Hi )をクラスタci の代表色と称する。
【0053】
S113では、クラスタに属する画素のL* * H°色空間における分散ベクトルの大きさがあらかじめ設定された閾値Th5 よりも小さいか否かを調べて、小さければクラスタ内の色分布はほぼ一様であると判断してS114にてクラスタci に対して「フラット」という属性を付加する。大きい場合にはクラスタ内の色分布はある幅で変化していると判断してS115にてクラスタci に対して「グラデーション」という属性を付加する。もちろん、明度、彩度、色相の各分散値と閾値Th5'とを比較してもよいし、明度、彩度、色相の分散値ごとに異なる閾値Th5L,Th5C,Th5H を設けて比較してもよい。
【0054】
S116では、まだ色分布を認識していないクラスタが残っているか否かを調べて、残っていれば、S111に戻って処理を繰り返す。残っていなければ、色分布の認識処理を終了する。
【0055】
ここでは、クラスタの色分布を調べるために分散ベクトルのみを用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、色分布がほぼ均一である「フラット」と滑らかに色が変化している「グラデーション」の2つの色分布に分類できる方法であればどんな方法を用いてもよい。また、例えば上述の処理に続いて、分散ベクトルの大きさがあらかじめ設定された閾値Th5 よりも大きい場合には、さらにクラスタ内の隣接する画素の色の変化率を調べることにより、色の変化率があらかじめ設定している閾値Th5"よりも小さい場合は「グラデーション」、大きな場合には「その他」という属性を付加するように構成することもできる。
【0056】
図6は、本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ解析部16のクラスタの統合と削除処理の動作の一例を示すフローチャートである。まず、S121では、統合および削除の処理が行なわれていないクラスタci を1つ選択する。S122では、クラスタci との比較が行なわれていないクラスタcj を1つ選択する。
【0057】
S123では、クラスタci とクラスタcj の代表色Mi とMj との差のベクトルの大きさがあらかじめ設定された閾値Th6 よりも小さいか否かを調べて、小さければさらにS124で、クラスタci とクラスタcj の分散ベクトルSi 2とSj 2との差のベクトルの大きさがあらかじめ設定された閾値Th7 よりも小さいか否かを調べる。これも小さければ、2つのクラスタci とクラスタcj の色分布は類似していると判断して、S125において、クラスタci にクラスタcj を統合する。統合した際には、クラスタcj は削除して、統合により更新されたクラスタci は再度クラスタの代表色Mi および分散ベクトルSi 2を算出しておく。S123およびS124における比較時に条件を満たさなかった場合には、S126の処理へ進む。
【0058】
S126では、クラスタci と比較する対象となるクラスタcj がまだ残っているか否かを調べて、残っていればS122に戻って、処理を繰り返す。残っていなければ、S127に進む。
【0059】
S127では、処理対象となるクラスタci に属する画素の総数Nci があらかじめ設定され閾値Th8 よりも小さいか否かを調べる。そして、小さければ、クラスタci は孤立した微小クラスタであると判断して、S128において削除する。大きい場合はそのままS129の処理へ進む。
【0060】
S129では、S121で選択されていないクラスタci が残っているか否かを調べて、残っていればS121に戻って、処理を繰り返す。残っていなければ、クラスタの統合および削除の処理を終了する。
【0061】
この例では、クラスタの統合条件として、2つのクラスタの代表色と色分布が類似していることを用いたが、大きなレンジを持つグラデーションの場合に複数にクラスタに分割されてしまうという不都合が生じる。したがって、より高精度な色変換装置を構成する場合には、グラデーションの色分布を持つクラスタの隣接部の色の変化率を調べて、これが小さい場合に2つのクラスタを統合するように構成すればよい。
【0062】
図2のクラスタ別色変換部17は、クラスタ解析部16で認識されたクラスタの色分布に基づいて、クラスタごとに色変換用のプロファイルを作成する。そして、各クラスタに属する画素集合に対して対応するプロファイルを適用して色変換を行なう。この際、すべてのクラスタごとに異なるプロファイルを作成する必要はなく、同一のプロファイルを用いても不都合が生じなければ、複数のクラスタに対して1つのプロファイルを使用して色変換を行なうこともできる。ここで、プロファイルとは、ある色をある色に変換する変換ベクトルの集合であり、プロファイルを画像に対して適用することで、プロファイルに記述してある変換ベクトルに基づいて色変換を行なうことができる。この際、一般的にはすべての色に対する変換ベクトルを定義することは困難なため、通常、変換される色に対応する変換ベクトルが存在しない場合には、近傍の変換ベクトルを複数用いることで色変換を行なう。
【0063】
図7は、本発明の第1の実施の形態を実現する構成例においてクラスタ別色変換部17が行なう色変換とクラスタの色分布との対応の一例の説明図である。図中、一般クラスタとは、クラスタ抽出部15およびクラスタ解析部16により抽出されたクラスタを指し、特殊クラスタとは、画像データの画素の中でどのクラスタにも属さない画素の集合を指す。
【0064】
ここでは、一般クラスタについて、入力画像のフラット部分については色識別性を保つことができるように、色再現範囲内への色変換を行なう。基本的には、色再現範囲内であれば色変換せず、色再現範囲外の色を含む場合には、予め設定されている初期プロファイルを用いる。また、グラデーション部分については階調性を保つことができるように色再現範囲内への色変換を行なう。色再現範囲内の場合には色変換せず、色再現範囲外の色を含む場合には、クラスタ内の色分布に依存したプロファイルを作成して色変換を行なう。特殊クラスタについては、予め設定されている初期プロファイルを用いて色変換を行なう。
【0065】
図8は、本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ別色変換部17の動作の一例を示すフローチャートである。まず、S131では、未処理のクラスタci を1つ選択する。以降の処理はここで選択されたクラスタci を対象のクラスタとする。
【0066】
S132では、対象のクラスタci の色分布がフラットであるか否かを調べる。これは、クラスタ解析部16で求めた色分布により判断する。対象のクラスタci の色分布がフラットである場合には、S133,S134,S135の処理を行なう。フラットではない、すなわち、グラデーションの場合には、S136,S137,S138の処理を行なう。
【0067】
対象のクラスタci の色分布がフラットである場合、まずS133で色分布がフラットであるクラスタのリストを作成する。ここでは、対象のクラスタci をフラットリストに追加する。この例では、効率化のために色分布がフラットのクラスタと特殊クラスタは1つのプロファイルを用いて色変換を行なうこととする。S133の処理はこのための前処理である。
【0068】
S134では、対象のクラスタci が色再現範囲外の画素を含んでいるか否かを調べる。もし、含んでいれば、S135において、対象のクラスタci の代表色Mi に対してあらかじめ設定されている初期プロファイルを適用して代表色の色変換を行なう。この色変換の結果は、フラットリストに記録しておく。
【0069】
この例における初期プロファイルは、色再現範囲外の色のみを明度および色相を変化させずに彩度方向に移動して色再現範囲の外縁に張り付ける変換ベクトルの集合により構成されているものとする。色再現範囲内の色については何ら変換を行なわない。図9は、色分布がフラットのクラスタci の代表色Mi を初期プロファイルに基づいて色変換する場合の説明図である。この図では、簡単にするために、彩度および色相で表わされる平面を示している。図中、実線は色再現範囲の外縁であり、黒丸はフラットのクラスタci の代表色Mi であり、実線の矢印は代表色Mi に対応する変換ベクトルui である。図9に示すように、例えば色再現範囲外の代表色M2,M5,M6 は、変換ベクトルu2,u5,u6 によって色再現範囲の外縁に変換される。このとき、色相、明度は保持され、彩度のみを変化させている。なお、色再現範囲内の代表色M1,M3,M4,M7,M8 は変換しない。
【0070】
対象のクラスタci の色分布がグラデーションである場合には、S136では、そのクラスタci が占有する画像平面上の領域をグラデーションマスクに追加する。最終的には、色分布がグラデーションであるすべてのクラスタが占有する領域に相当するマスクが作成される。これは、グラデーション部分の色変換をクラスタごとに行ない、その他の部分の色変換は後でまとめて行なうので、その他の部分の色変換の対象となるべき領域を得るために作成する。
【0071】
S137では、対象のクラスタci が色再現範囲外の画素を含んでいるか否かを調べる。もし、含んでいなければ、特に色変換範囲内への変換は必要ないため、何もせずにS139の処理に進む。含んでいれば、S138において、グラデーションの色分布を持つクラスタci に対して階調性を保持した色再現範囲内への色変換を行なう。ここでは、対象のクラスタci に属する色再現範囲外の画素と色再現範囲の外縁との距離が最も大きなベクトルvi を求めて、このベクトルvi を変換ベクトルとして色再現範囲外の画素を含む色分布がグラデーションのクラスタに属する画素の色を変換する。
【0072】
図10は、色再現範囲外の色を含む色分布がグラデーションであるクラスタci に属する画素の色を色再現範囲内へ色変換する場合の説明図である。この図では、簡単にするために、彩度および色相で表わされる平面を示している。図中、実線は色再現範囲の外縁であり、黒丸はクラスタci に属する画素の色であり、実線の矢印はベクトルvi である。また、点線の矢印はクラスタci に属するある画素の色をベクトルvi で変換する様子を示しており、黒い四角は色変換後の画素の色を示している。色再現範囲の外縁との距離が最も大きなベクトルvi を用いて色変換を行なうことによって、クラスタci 内の全ての色が色再現範囲内となる。このとき、クラスタci 内の各色間の相対的な変化量はそのまま保存されているので、階調性が保持される。
【0073】
この例では、クラスタci に属するすべての画素の色をベクトルvi により変換しているが、本発明ではこれに限定するものではなく、対象のクラスタに属する画素の色をクラスタ内の階調性を保持したまま色再現範囲内に変換できればどのような方法を用いてもよい。例えば、色変換による他の色への影響をできるだけ小さくするために、クラスタci に属するすべての画素の色の分散をベクトルvi の大きさに応じて縮小した上で、色再現範囲内に色変換するように構成してもよい。
【0074】
S139では、未処理のクラスタがまだ残っているか否かを調べて、残っていれば、S131に戻って処理を繰り返す。残っていなければ、S140、S141の処理を行なう。S140の処理を行なう直前には、フラットの色分布を持つクラスタのリストであるフラットリストが完成している。なお、S135の処理により色変換後の代表色もこのフラットリストに記録されており、色再現範囲外の代表色Mi はMi'に変換されるものとする。色再現範囲内の代表色Mi については、その変換後の代表色Mi'と等しい。また、グラデーションの色分布を持つクラスタについてはS138の処理により既に色変換は完了している。
【0075】
図11は、フラットリストの一例の説明図である。この図は、図9に示した例を元に作成されている。したがって、代表色が色再現範囲内に存在するクラスタc1,c3,c4,c7,c8 の代表色はその変換後の代表色と等しい。また、クラスタc2,C5,C6 の代表色は色再現範囲外に存在するので、その色再現範囲外の代表色M2,M5,M6 が変換された代表色M2',M5',M6'は、色再現範囲の外縁の色である。
【0076】
S140では、フラットリストを参照して、色変換後の代表色Mi'を走査することにより、色再現範囲外のクラスタの色変換後の代表色に類似する代表色を持つクラスタが存在するか否かを調べる。もし、これが存在すれば、色変換によって他の色との識別性が低下する可能性がある。このような色識別性の低下を防ぐために、初期プロファイルを修正する。ここでは、色再現範囲外のクラスタの色変換後の代表色Mi'の色相との差があらかじめ定められた閾値Th9 よりも小さいクラスタを類似する可能性があるとして抽出する。
【0077】
図12は、色再現範囲外のクラスタの色変換後の代表色に類似する代表色を持つクラスタが存在するか否かを調べる方法の一例の説明図である。この図では、色再現範囲外のクラスタの代表色M2 について、その色相H2 との色相の差がTh9 よりも小さい代表色を持つクラスタを探索する。この例では、代表色M1 とM3 が色相H2 との色相の差がTh9 よりも小さい。そのため、代表色M2 を持つクラスタを色変換すると、代表色M1 とM3 を持つクラスタと類似してしまう可能性があるものとして、この代表色M1 ,M3 が抽出される。
【0078】
そして、類似する可能性があるとして抽出された代表色と、変換後の代表色との色差を算出して、この色差があらかじめ定められた閾値Th10よりも小さい場合に、色識別性が低下すると判定する。本発明では、この方法に限定するものではなく、色の識別性が低下する程度に類似した色の代表色を抽出することができる方法であれば、どのような方法を用いてもよい。
【0079】
色識別性が低下すると判定された場合には、その原因となる色再現範囲外のクラスタの代表色もしくはこの近傍の色に対応する初期プロファイル中の変換ベクトルを、色識別性が低下しないように修正する。ここでは、色再現範囲外のクラスタの色変換後の代表色Mi'に類似している可能性があるとして抽出された1つ以上の代表色Mj との色差がTh10以上で、かつ、色変換後の代表色Mi'の色相を変化させずにMi'との色差が最も小さな代表色Mi"を算出して、Mi からMi"への変換ベクトルに置き換えることで修正を行なう。
【0080】
図13は、色識別性が低下すると判定された場合に代表色Mi"を算出する処理の一例の説明図である。図中、M2 は色再現範囲外の色であり、M2'は色再現範囲の外縁上の点、M1 とM3 はM2'に類似する可能性があると判断された色、M3 はさらに識別性が低下すると判定された色である。また、図13は3次元の空間を表わしており、実線は色再現範囲の外縁と色相がH2 である空間内の平面との交線を示している。さらに、破線は各色M1 ,M3 から半径Th10の球面を示している。ここで求めるM2"は、色再現範囲の外縁と色M3 を中心とする半径Th10の球面との交点である。こうして、M2 からM2"への変換ベクトルu2'が算出でき、初期プロファイルの該当する変換ベクトルと置き換えられる。
【0081】
このようにして、色識別性の低下を防ぐための修正を初期プロファイルに施し、グラデーションの色分布を持つクラスタ以外の部分の色変換を行なうプロファイルを作成する。
【0082】
S141では、S136で生成されたグラデーションマスク以外の画素に対して、S140で作成したプロファイルを適用して、色変換を行なう。
【0083】
このように、クラスタ別色変換部17で行なう色変換処理は、クラスタ単位で行なわれる。上述の例のように重要色に限定したクラスタを対象とすることによって処理の効率化が実現でき、得られる結果も色変換により画像全体の再現性の変化を抑えたものとなる。
【0084】
図2に戻り、出力側色変換部18は、クラスタ別色変換部17で色再現範囲内の色に変換された、内部処理で用いた表色系の画像データを、出力装置が出力可能な表色系の画像データに変換する。この変換は、既存の方法により行なうことができる。この例では、L** H゜表色系を内部処理で用いたため、L** H゜画像データを出力装置が出力可能な例えばYMCK表色系の画像データに変換する。画像データ出力装置19は、出力側色変換部18が生成した、出力装置が出力可能な画像データを出力する。
【0085】
このようにして、出力装置が再現できない色を含む画像データが入力された場合でも、グラデーション部分では色の階調性を保存し、またフラットな部分では識別性を保存して、再現可能な色に変換して出力することによって、良好な再現性を得ることができる。このとき、重要色について特にこのような変換を行なうことによって、処理の効率化とともに、画像全体の再現性を向上させることができる。
【0086】
図14は、本発明の画像処理装置および画像処理方法を実現する第2の実施の形態を示す概念ブロック図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。6は重要領域作成部、7はグループ作成部、8は色変換部である。重要領域作成部6は、画像中のなるべく色を変化させたくない領域についての指示を受け、その指示に従って重要領域を作成する。グループ作成部7は、画像データ入力部1で入力された画像データから、重要領域作成部6で作成された重要領域と画像データ解析部2で抽出された重要色に基づいて、色およびその分布が類似するグループを作成する。色変換部8は、グループ作成部3で生成されたグループごとに、グループ内の色とその分布、重要領域作成部6で作成された重要領域、画像データ解析部2で抽出された重要色、および色再現範囲に基づいて色変換ベクトルを決定し、画像データ入力部1で入力された画像データの色変換を行なう。
【0087】
画像データ入力部1で入力された出力対象の画像データは、量子化されて画像データ解析部2、グループ作成部3、色変換部4に与えられる。一方、画像中のなるべく色を変化させたくない領域に関する指示が入力され、重要領域作成部6において重要領域が作成される。画像データ解析部2は、与えられた画像データから重要と判断する1つ以上の色を重要色として抽出し、この重要色と、重要領域作成部6で作成した重要領域に基づいて、グループ作成部7は、与えられた画像データから色およびその分布が類似しているグループを生成する。色変換部8は、生成されたグループおよびグループ内の色分布、重要領域、重要色と、出力装置の色再現範囲に基づいて色変換ベクトルを作成し、これを与えられた画像データに適用して色変換を行なう。色変換後の画像データは、画像データ出力部5から出力装置に出力される。
【0088】
図15は、本発明の第2の実施の形態を実現する構成例を示すブロック図である。図中、図2と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。21は重要領域作成部、22はクラスタ抽出部、23はクラスタ別色変換部である。重要領域作成部21は、入力画像の中で、色変換により画像全体としては大きく変化しないが、できるだけ色を変化しないことが好ましい領域の指示を受け取り、この領域を重要領域として一時データ記憶装置13に記録する。ここでは、入力画像を表示し、マウスなどのポインティングデバイスを用いて閉領域を指定し、この閉領域を重要領域とする。特に必要がなければ、これらの重要領域は指定しなくてもよい。本発明は、ここで説明した方法に限定するものではなく、できるだけ色を変化しないことが好ましい領域を得られる方法であれば、どのような方法を用いてもよい。例えば、画像を入力する際に、これらの領域を表わすような二値画像を読み込むように構成することもできる。この例では、作成された重要領域は正確に目的の領域のみを含んでいると仮定するが、目的の領域を大まかに指定してその領域の境界近辺を調査することで正確な領域を得るように構成することもできる。
【0089】
クラスタ抽出部22は、重要領域作成部21で作成した重要領域と重要色抽出部14で抽出した重要色に基づいて類似する特徴を持つ画素の集合であるクラスタを抽出する。例えば重要領域に含まれる画素と重要色もしくは重要色に近い色を持つ画素のみからクラスタを構成することにより、効率的にクラスタの抽出が実現できる。この例では、重要色と大きく異なる重要領域以外の色については、色変換によって画像全体の色再現性は大きく変化しないとみなして色識別性や階調性の保存のための特別な処理は行なわない。
【0090】
この例でも、L** H゜色空間における明度、彩度、色相と画像平面におけるX座標、Y座標の5次元の特徴空間上での再配置法によるクラスタリングによりクラスタを抽出する。クラスタ抽出部22の動作の一例としては、上述の第1の実施の形態と同様、図4に示したフローチャートに従って処理を行なえばよい。この第2の実施の形態では、図4のS101で初期クラスタを生成する際に、重要色との色差が閾値Th2 よりも小さい画素だけでなく、重要領域自体も初期クラスタとする。こうすることにより、重要領域に含まれる画素も、抽出されるクラスタに属するため、クラスタ解析部16およびクラスタ別色変換部23を経て、重要領域の階調性および色識別性を保持した色変換が実現できる。
【0091】
この例では、重要色と重要領域の重要性を同等と見なしてこのような処理を行なうが、重要色と重要領域の重要性に差を付けて、例えば、重要領域の重要性を重視すれば重要領域以外の画像中の画素を対象にクラスタ抽出部15の処理を行ない、これに1つの重要領域を1つのクラスタとして追加するように構成することもできる。また、不必要に重要領域が分割されたり他の領域と統合されたり、さらに削除されたりしないように、クラスタに対して重要領域であるという属性を付加しておくとよい。さらに、重要領域にレベルを設けてそのレベルによって処理を分けて行なってもよい。
【0092】
クラスタ別色変換部23は、上述の第1の実施の形態におけるクラスタ別色変換部17と同様に構成することも可能であるが、ここでは、クラスタごとにその重要度Ii を定義して、重要度の高いクラスタの画素の色はなるべく変換しないように構成する例について説明する。
【0093】
クラスタの重要度は、クラスタci に属する画素の総数Nci や重要領域の画素数、重要色と代表色との色差などを用いて定義することができる。この例では、クラスタci に属する画素の総数Nci をそのままクラスタの重要度として用いることにする。したがって、クラスタci に属する画素の総数Nci が多いほど重要なクラスタとみなす。
【0094】
クラスタ別色変換部23における処理は、上述の第1の実施の形態におけるクラスタ別色変換部17と同様であり、図8に示すフローチャートに従って処理を行なえばよい。ただし、この第2の実施の形態では重要度を用い、色再現範囲外に存在する代表色を持つ色分布がフラットのクラスタを色再現範囲内に色変換する際に、色識別性が低下すると判定された後の変換ベクトルの修正方法を変更する。
【0095】
上述の第1の実施の形態では、図13において説明したように、色識別性が低下すると判定された場合、一律に、色再現範囲外に存在する代表色を持つ、色分布がフラットのクラスタを変換する変換ベクトルを修正していた。この第2の実施の形態では、クラスタの重要度を用い、重要度の低いクラスタの変換ベクトルを修正するように構成する。したがって、色再現範囲外に存在する代表色を持つ、色分布がフラットのクラスタの方が、色識別性が低下する色再現範囲内のクラスタよりも重要度が低い場合には、図13に示したように色再現範囲外に存在する代表色を持つ、色分布がフラットのクラスタを変換する変換ベクトルを修正するが、重要度が高い場合には、色識別性が低下する色再現範囲内のクラスタの代表色を、色識別性が低下しない色にまで変換する。
【0096】
図16は、色再現範囲内のクラスタの代表色を色識別性が低下しないように変換する変換ベクトルを算出する処理の一例の説明図である。図中、M2 は色再現範囲外の色であり、M2'は色再現範囲の外縁上の点、M1 とM3 はM2'に類似する可能性があると判断された色、M3 はさらに色識別性が低下すると判定された色である。また、図16は3次元の空間を表わしており、実線は色再現範囲の外縁と色相がH2 である空間内の平面との交線を示している。さらに、破線は半径Th10の球面を示している。
【0097】
ここで、代表色M2 を持つクラスタの重要度と、代表色M3 を持つクラスタの重要度を比較すると、代表色M2 を持つクラスタの方が重要度が高いとする。この場合、図13に示したように代表色M2 の変換ベクトルu2 を変更させるのではなく、図16に示すように、色識別性が低下すると判定された色M3 を移動させる。例えば、色M3 を中心とする半径Th10の球を移動して、M2'を接点に持ち、かつ、M3 との色差が最も小さな色M3'を算出する。そして、M3 をM3'に変換する変換ベクトルu3 を求めて、この変換ベクトルにより初期プロファイルの対応する変換ベクトルと置き換える。このように構成することにより、画像中で色変換によってより大きな再現性の変化を生じる色ほど、変化の幅を小さくすることができる。
【0098】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、入力された画像データに応じて色分布をグループ化して、グループごとに色再現範囲内となるように変換ベクトルを決定するので、画像全体の色を大きく変化させることなく、色識別性と階調性の低下を防ぐことができる。さらに、重要色、あるいは重要色と重要色に類似する色に限定したグループ化を行なうことによって、効率的に色再現範囲内への色変換を行なうことができる。さらに、色を変化させることで画像全体の再現性の変化する度合いを重要度として導入することで、より入力画像に忠実な色の再現が行なえるように、色再現範囲内への色変換が実現できるという効果がある。また、画像中における比較的小さな部分でも、その領域を重要領域として指定することでグラデーションなどの階調性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置および画像処理方法を実現する第1の実施の形態を示す概念ブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を実現する構成例を示すブロック図である。
【図3】 L* * H°色空間を分割して作成する単位空間の説明図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ抽出部15の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ解析部16のクラスタの色分布認識処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ解析部16のクラスタの統合と削除処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第1の実施の形態を実現する構成例においてクラスタ別色変換部17が行なう色変換とクラスタの色分布との対応の一例の説明図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態を実現する構成例におけるクラスタ別色変換部17の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】 色分布がフラットのクラスタci の代表色Mi を初期プロファイルに基づいて色変換する場合の説明図である。
【図10】 色再現範囲外の色を含む色分布がグラデーションであるクラスタci に属する画素の色を色再現範囲内へ色変換する場合の説明図である。
【図11】 フラットリストの一例の説明図である。
【図12】 色再現範囲外のクラスタの色変換後の代表色に類似する代表色を持つクラスタが存在するか否かを調べる方法の一例の説明図である。
【図13】 色識別性が低下すると判定された場合に代表色Mi"を算出する処理の一例の説明図である。
【図14】 本発明の画像処理装置および画像処理方法を実現する第2の実施の形態を示す概念ブロック図である。
【図15】 本発明の第2の実施の形態を実現する構成例を示すブロック図である。
【図16】 色再現範囲内のクラスタの代表色を色識別性が低下しないように変換する変換ベクトルを算出する処理の一例の説明図である。
【符号の説明】
1…画像データ入力部、2…画像データ解析部、3…グループ作成部、4…色変換部、5…画像データ出力部、6…重要領域作成部、7…グループ作成部、8…色変換部、11…画像データ入力装置、12…入力側色変換部、13…一時データ記憶装置、14…重要色抽出部、15…クラスタ抽出部、16…クラスタ解析部、17…クラスタ別色変換部、18…出力側色変換部、19…画像データ出力装置、21…重要領域作成部、22…クラスタ抽出部、23…クラスタ別色変換部。

Claims (16)

  1. 画像データを入力する画像データ入力手段と、該画像データ入力手段により入力された前記画像データから1つ以上の重要色を抽出する画像データ解析手段と、該画像データ解析手段により抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識し異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループを生成するグループ作成手段と、該グループ作成手段で生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットに分類するグループ解析手段と、前記画像データ解析手段により抽出された重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記グループ解析手段による分類に応じた色変換を行なう色変換手段を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 画像データを入力する画像データ入力手段と、該画像データ入力手段により入力された画像データ内の重要な領域を指示する領域指示手段と、前記画像データ入力手段により入力された画像データから1つ以上の重要色を抽出する画像データ解析手段と、該画像データ解析手段により抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色と前記領域指示手段により指示された重要な領域に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識し異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループを生成するグループ作成手段と、該グループ作成手段で生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットに分類するグループ解析手段と、前記画像データ解析手段により抽出された重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記グループ解析手段による分類に応じた色変換を行なう色変換手段を具備することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記画像データ解析手段は、前記画像データ入力手段により入力された前記画像データの色空間上における頻度を算出し、該頻度もしくは該頻度の全体に対する割合が閾値以上である色を重要色として抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像データ解析手段は、前記画像データ入力手段により入力された前記画像データが前記出力装置における色再現範囲外の色を含む場合に、前記重要色を前記グループ作成手段に渡すことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記グループ作成手段は、前記画像データ解析手段により抽出された重要色に基づくクラスタリングによってグループを作成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  6. 前記グループ作成手段は、前記画像データ解析手段により抽出された重要色を含むクラスタと含まないクラスタとでクラスタリングの閾値もしくはパラメータを変更することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記色変換手段は、前記画像データ解析手段で抽出した重要色をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  8. 前記色変換手段は、前記画像データ解析手段で抽出した重要色および前記領域指示手段で指示された重要な領域が存在すればその領域内の色と階調性をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  9. 入力された画像データから1つ以上の重要色を画像データ解析手段で抽出し、抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識して異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループをグループ作成手段で生成し、生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットにグループ解析手段で分類し、前記重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記分類に応じた色変換を色変換手段で行なうことを特徴とする画像処理方法。
  10. 画像データ入力手段により入力された画像データ内の重要な領域についての指示を受け、一方、入力された前記画像データから1つ以上の重要色を画像データ解析手段で抽出し、抽出された前記重要色及び前記重要色に類似する色と前記重要な領域に基づいて前記画像データの色およびその画像平面上での分布を認識して異なる色およびその画像平面上での分布ごとにグループをグループ作成手段で生成し、生成された前記グループごとの色分布を認識して前記グループをグラデーションまたはフラットにグループ解析手段で分類し、前記重要色と出力装置の色再現範囲に基づいて前記分類に応じた色変換を色変換手段で行なうことを特徴とする画像処理方法。
  11. 前記重要色を抽出する際には、前記画像データの色空間上における頻度を算出し、該頻度もしくは該頻度の全体に対する割合が閾値以上である色を重要色として抽出することを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理方法。
  12. 前記重要色を抽出する際には、入力された前記画像データの前記出力装置における色再現範囲外の色および該色再現範囲外の色が変換されると推測される色を重要色として抽出することを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理方法。
  13. 前記グループを生成する際には、前記重要色に基づくクラスタリングによってグループを生成することを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理方法。
  14. 前記クラスタリングは、前記重要色を含むクラスタと含まないクラスタとでクラスタリングの閾値もしくはパラメータを変更して行なうことを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
  15. 前記色変換を行なう際には、前記重要色をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理方法。
  16. 前記色変換を行なう際には、前記重要色および指示された重要な領域が存在すればその領域内の色と階調性をなるべく変更しないように色変換パラメータを決定し、色変換を行なうことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
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