JP3723521B2 - 高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法および粗酸化亜鉛製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉ダストを用いて還元鉄を製造する方法および粗酸化亜鉛を製造する方法(高炉ダストを用いて他の製鉄所ダストを還元処理する方法)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉ダストには、乾式で集塵された比較的粗粒の乾ダストと、湿式で集塵された微粒の湿ダストがある。乾ダストは、湿ダストに比べ亜鉛含有量が比較的低いため、焼結鉱の原料として再利用しうるものであるが、湿ダストは亜鉛濃度が非常に高いため、高炉原料として再利用するためには、脱亜鉛処理が必須となるものである。
【0003】
そのため、近年、高炉湿ダストを脱亜鉛処理する方法が種々検討されてきた。なかでも、高炉湿ダストを脱亜鉛するとともに還元処理して鉄源として有効に再利用できるプロセスとして、高炉湿ダストを含む混合原料を塊成化し、これを回転炉床炉で加熱・還元して還元鉄を得る方法(回転炉床炉法)が、生産性が高く、設備コストが低いといった理由から最も有効なプロセスとして実用化されるようになってきた(例えば、特開平11―241125号)。
【0004】
回転炉床炉法による、高炉湿ダストの脱亜鉛・還元処理の概略は以下の通りである(図5参照)。高炉湿ダストAは、高炉炉頂排ガス中の微粒のダストを湿式集塵機により捕集したものであるため、多量の水分を含む。そのため、搬送を容易にする目的で脱水後、ロータリドライヤや流動層乾燥機などにより乾燥されるが、大気開放型のダンプトラック等による搬送が必要な場合には、乾燥しすぎると搬送時に発塵することから、通常10〜30質量%程度の水分量に調整されている。
【0005】
また、高炉湿ダストAは、酸化鉄、酸化亜鉛の他、高濃度に炭素分(C)を含有しており(通常20〜40質量%)、高炉湿ダストAを単独で塊成化して加熱・還元すると、酸化鉄および酸化亜鉛を還元してなお余剰のCが多量に残存する。そのため、高炉湿ダストAに、酸化鉄源として鉄鉱石や他の製鉄所ダスト等の粉状酸化鉄含有原料Bを追加し、必要によりさらに水分やバインダを添加し、これを混合機102で混合して混合原料とする(混合工程)。この混合原料を造粒機103で生ペレットに造粒する(塊成化工程)。この生ペレットを乾燥機104で所定水分量以下になるまで乾燥し、乾燥ペレットとする(乾燥工程)。乾燥ペレットを装入装置105により回転炉床炉106の炉床上に1〜2層程度に載置する(装入工程)。ペレットは、炉床の回転に伴って炉内を通過する間に、炉に設けたバーナ107で輻射加熱される。この輻射加熱により、ペレット中に残留する水分が完全に除去され、ペレットは約1200℃以上に昇温される。すると、高炉湿ダスト中のCにより、ペレット中の酸化鉄や酸化亜鉛が還元される。ペレット中の酸化鉄は還元されて金属鉄となる一方、酸化亜鉛は還元されて金属亜鉛蒸気となり炉の排ガス中に揮発除去される(還元工程)。その結果、回転炉床炉106から排出されたペレットは脱亜鉛された還元鉄となり高品位の鉄源が得られる。また、排ガス中に除去された金属亜鉛蒸気は、排ガス中の酸化性成分(CO2、H2O)で酸化されて固相の酸化亜鉛に戻り微粒となるため、集塵器108等により回収され、高品位の亜鉛原料(粗酸化亜鉛)として利用できる(亜鉛回収工程)。
【0006】
上記において、生ペレットを回転炉床炉106に装入する前に乾燥するのは、炉内でペレットが加熱されたときに、水分が急激に蒸発することによりペレットが爆裂する、いわゆるバースティングを防止するためである。
【0007】
本出願人は、特開平11―193423号公報において、酸化鉄原料として鉄鉱石を用い、これに石炭などの炭材を添加した混合物からなるペレットを用いる場合、上記炉内でのバースティングを防止し、かつ上記装入工程における、乾燥ペレットのハンドリング強度(落下強度、圧潰強度等)を確保するためには、乾燥ペレット中の水分は1質量%以下になるまで乾燥する必要があることを開示した。
【0008】
ところが、高炉湿ダストを用いた場合、乾燥ペレット中の水分を1質量%以下になるまで乾燥した後に回転炉床炉に装入しても、炉内でペレットの著しい崩壊や粉化が認められ、多量の粉の発生により成品還元鉄のハンドリングを著しく困難にさせるばかりか、成品還元鉄の金属化率や脱亜鉛率の低下、歩留の低下などの問題に加え、回収された粗酸化亜鉛中に酸化鉄が多量に混入して亜鉛原料としての品位が低下する問題が生じることがわかった(従来技術1)。
【0009】
ここで、特開2001―303115号公報には、未乾燥の高炉湿ダスト等を含む混合物を、圧搾脱水した後に押し出し成形し、この成形体を乾燥することなく回転炉床炉内に装入し、炉内で乾燥、昇温、還元を行うことにより還元鉄を製造する方法が開示されている。この方法は、脱水の程度と押し出し成形による成形体の粉体充填率とを制御することにより、炉内での成形体の爆裂(バースティング)を防止するというものである。しかし、後述するように、高炉湿ダストは還元膨張を起すことから、単に水分蒸発時の爆裂を防止するのみでは、成形体の崩壊や粉化を十分に防止することはできない。さらに、この方法は回転炉床炉内で成形体の乾燥を行ってから還元するため、炉内滞留時間を長くする必要があり、炉床面積を増大させる必要があることから還元設備が過大となる欠点がある(従来技術2)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、高炉湿ダストを用いても炉内での塊成物の崩壊や粉化が防止され、高金属化率の成品還元鉄を高歩留で製造できる還元鉄製造方法および高品位の亜鉛原料を得ることができる粗酸化亜鉛製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の、高炉湿ダストを用いた場合における炉内での塊成物の崩壊や粉化の原因を究明するため、高炉湿ダストを含むペレットの還元後のミクロ組織の観察などを実施した。その結果、塊成物の崩壊や粉化の原因は以下の通りであることを突き止めた。
【0012】
図6は、成品還元鉄中に含まれる粉を顕微鏡観察したものである。この図から、還元により生成した金属鉄はウィスカ状に成長していることが分かった。そこで、別途、高炉湿ダストのみからなるペレットのサンプルを小型の加熱炉で加熱・還元し、還元後のサンプルを顕微鏡観察した結果、ほぼ同様の金属鉄ウィスカの生成が認められた。高炉湿ダストは粒子が微細であるため還元反応が容易に活性化し金属鉄ウィスカを生成しやすいことから、著しく還元膨張するものであること解明した。
【0013】
一方、塊成物は回転炉床炉106内においてバーナで加熱されるため、バーナ燃焼ガス中の酸化性成分(CO2、H2O)により、塊成物中のC分がソリューションロス反応により一部消費され、かつ一旦還元された金属鉄が再酸化されてしまう。そこで、十分な脱亜鉛率および金属化率を得るため、酸化亜鉛と酸化鉄とを完全に金属まで還元するのに必要な理論C量を超えるC量を塊成物に添加することが行われる。しかし、Cの添加量が過剰な場合には、金属化がほぼ完了した塊成物中にCが残存し、そのC粒子が上記金属鉄ウィスカの生成と相俟って金属鉄の焼結を阻害することから、塊成物の崩壊、粉化の原因となるものと考えられる。
【0014】
そこで、本発明は、塊成物中への過剰の炭素量の添加を制限し、あるいは、金属鉄ウィスカの生成原因となる高炉湿ダストの配合量を制限することにより、塊成物の崩壊や粉化を防止することを特徴とするものであり、その要旨は以下の通りである。
【0015】
請求項1の発明は、高炉湿ダストに、少なくとも、酸化鉄を含む別の粉状酸化鉄含有原料を混合して混合原料とする混合工程と、この混合原料を塊成化して塊成物とする塊成化工程と、この塊成物を連続的に移動する炉床上に載置する装入工程と、この炉床上に載置された塊成物を加熱し脱亜鉛・還元して還元鉄を得る還元工程とを含む還元鉄製造方法において、余剰炭素率SCが下記の式1を満たすように、前記混合原料を作製することを特徴とする高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法である。
【0016】
式1
Sc≦8−2NL
ここに、SC=XC−(12/16)・XOであり、NLは、炉床上に載置された塊成物の平均層数である(なお、XCは、乾燥後の塊成物中における炭素の質量割合(質量%)であり、XOは、乾燥後の塊成物中における、酸化鉄の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計質量の割合(質量%)である。)。
【0017】
請求項2の発明は、高炉湿ダストに、少なくとも、酸化鉄及び/又は炭素を含む別の粉状原料を混合して混合原料とする混合工程と、この混合原料を塊成化して塊成物とする塊成化工程と、この塊成物を連続的に移動する炉床上に載置する装入工程と、この炉床上に載置された塊成物を加熱し脱亜鉛・還元して還元鉄を得る還元工程とを含む還元鉄製造方法において、余剰炭素率SCが下記の式2を満たすように、前記混合原料を作製することを特徴とする高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法である。
【0018】
式2
Sc≦8−2NL+0.02YD
ここに、SC=XC−(12/16)・XOであり、NLは、炉床上に載置された塊成物の平均層数であり、YD=100XC・B/XCである(なお、XCは、乾燥後の塊成物中における炭素の質量割合(質量%)であり、XOは、乾燥後の塊成物中における、酸化鉄の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計質量の割合(質量%)であり、XC・Bは、乾燥後の塊成物中における、前記別の粉状原料に含まれていた炭素の質量割合(質量%)である。)。
【0019】
請求項3の発明は、前記塊成化工程と前記装入工程との間に、塊成物を、その水分含有率が1.0質量%以下になるまで乾燥する乾燥工程を設けた請求項1又は2に記載の高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法である。
【0020】
請求項4の発明は、前記混合原料の水分含有率が1.0質量%以下となるよう、前記高炉湿ダストが所定の水分含有率まで乾燥されたものである請求項1又は2に記載の高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法である。
【0021】
請求項5の発明は、前記装入工程において、前記平均層数NLを1.0以下とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法である。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の還元鉄製造方法の各工程に加えて、前記脱亜鉛された亜鉛成分を粗酸化亜鉛として回収する亜鉛回収工程を設けたことを特徴とする高炉湿ダストを用いる粗酸化亜鉛製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の、高炉湿ダストを用いた還元鉄製造方法(粗酸化亜鉛製造方法)の実施に係る設備構成の概略を示す図である。
【0024】
前述したように、高炉湿ダストは水分を含むことから擬似粒子化されやすく、多数の擬似粒子を含むことから、事前に解砕しておくことが望ましい。符号1は解砕機であって、ロッドミル、ボールミル、ジョークラッシャなど公知の破砕機や粉砕機を用いることができる。解砕機1で、粒径1mm超の擬似粒子を含む高炉湿ダストAを、粒径1mm超の擬似粒子の割合が、混合原料中に50質量%以下となるまで解砕する(解砕工程)。
【0025】
解砕された高炉湿ダストAに、少なくとも、酸化鉄を含む粉状酸化鉄含有原料B1(例えば、粉鉄鉱石や転炉ダスト、電気炉ダスト、ミルスケール、ミルスラッジなどの他の製鉄所ダスト類)を添加する。なお、必要があれば水分を添加する。さらに、必要によりでんぷん、ベントナイトなどのバインダを添加しても良い。ここで、粉状酸化鉄含有原料B1の添加量は、下記に再掲する式(1)を満たすように調節する。
【0026】
式(1)〔再掲〕
Sc≦8−2NL
ここに、SC=XC−(12/16)・XOであり、NLは、炉床上に載置された塊成物(ペレット)の平均層数である(なお、XCは、乾燥後の塊成物中における炭素の質量割合(質量%)であり、XOは、乾燥後の塊成物中における、酸化鉄の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計質量の割合(質量%)である。)。
【0027】
式(1)中、余剰炭素率Scは、酸化亜鉛と酸化鉄とを完全に金属まで還元するのに必要な理論C量を超える余剰のC分を意味する。また、炉床上に載置された塊成物(ペレット)の平均層数NLは、回転炉床炉に供給される塊成物(ペレット)を炉床上に隙間なく密に充填したと想定したときの塊成物(ペレット)の層厚さを塊成物(ペレット)の平均直径で割った値として定義される。但し、塊成物がペレットでなくブリケットのように球形でないものの場合には、塊成化物が炉床上に載置されたとき最も安定な状態、すなわち塊成物の厚み方向と層厚方向とが一致した状態で、一層に最密充填された場合をNL=1とする。したがって、式(1)は、塊成物(ペレット)の平均層数NLに応じて許容しうる余剰炭素率SCの上限が変化することを表すものである。以上のようにして、高炉湿ダストAに粉状酸化鉄含有原料B1を式(1)を満たすように添加する。なお、余剰炭素率SCを小さくしすぎると、ペレットの脱亜鉛および金属化が不十分となる。脱亜鉛に比べ鉄の金属化が困難なため、高い金属化率が要求される場合には、余剰炭素率SCは、―1以上、望ましくは0以上、特に望ましくは1以上とすることが推奨される。以上のようにして調整された原料をドラムミキサなどの公知の混合機2内で混合して混合原料とする(混合工程)。
【0028】
この混合原料をパン型ペレタイザ、ドラム型ペレタイザなどの公知の造粒機3で生ペレットに造粒(塊成化)する(造粒工程)。
【0029】
次いで、この生ペレットをグレート式ドライヤなどの公知の乾燥機4で水分量1質量%以下まで乾燥し、乾燥ペレットとする。緻密な高炉湿ダストの擬似粒子を事前にある程度解砕してから造粒(塊成化)しているため、乾燥時間が短縮される効果がある(乾燥工程)。
【0030】
乾燥ペレットを公知のパイプ装入装置(例えば、特開2001−64711号参照)などの装入装置5により、回転炉床炉6内を水平に回転する図示しない炉床上に所定の平均層数(以下、「ペレット平均層数」という。)となるように載置する。炉床上のペレット層はバーナにより上方から輻射加熱されるため、上部から下部にかけて順次昇温する。したがって、ペレット平均層数が多すぎると下層部のペレットの昇温が遅れ脱亜鉛・金属化が不十分となりやすい。そのため所定の還元鉄生産性を維持しようとすると成品還元鉄の品質が低下する一方、品質を維持しようとすると生産性が低下してしまう。したがって、ペレット平均層数は2層以下とすることが好ましい。また、式(1)から明らかなように、ペレット平均層数は、少なくするほどペレットが崩壊・粉化しない余剰炭素率の上限が高くなる。すなわち、C含有量の高い高炉湿ダストをペレットに多く添加でき、高炉湿ダストの処理量を増加できる。したがって、ペレット平均層数は1層以下とすることがさらに好ましい。ここで、ペレット平均層数を少なくするほどペレットが崩壊・粉化しない余剰炭素率SCの上限が高くなる理由は、層数を少なくすることにより、ペレット層下部まで迅速に昇温されてペレット層全体の還元が早期に完了し、金属鉄の焼結時間が十分に確保されてペレット(還元鉄)全体の強度が向上するためである。ただし、ペレット平均層数は、過剰に小さくしすぎると、ペレットの還元に有効に利用されない炉床面積が増大し回転炉床炉の生産性が却って低下してしまうため、0.5層以上とすることが好ましい(装入工程)。
【0031】
ペレットは、炉床の回転に伴って回転炉床炉6内を通過する間に、炉床の上方に設けたバーナ7で輻射加熱される。この輻射加熱により、ペレット中に残存する水分が完全に除去され、ペレットは約1200℃以上に昇温され、還元が開始される。高炉湿ダストが還元膨張しても、上記のように、式(1)を満足するように余剰炭素率を制限しているためペレットの崩壊や粉化に至ることがない。
【0032】
したがって、ペレット中で酸化亜鉛および酸化鉄とCとが緊密に接触した状態で還元反応が進行するため、高い脱亜鉛率、金属化率の成品還元鉄が高歩留で得られる(還元工程)。
【0033】
また、炉の排ガス中に含有される酸化亜鉛は、排ガスを冷却した後、バグフィルタなどの公知の集塵機8で回収されるが、炉内でのペレットの粉化量が低減されているため、回収された酸化亜鉛中には鉄分等不純物の混入が少なく、高品位の粗酸化亜鉛が得られ、亜鉛原料としての利用価値が格段に向上する効果もある(亜鉛回収工程)。
【0034】
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1における混合工程において、酸化鉄を含む粉状酸化鉄含有原料B1に代えて、ないし加えて、炭素を含む粉状炭素含有物質B2を添加しても良い(図2参照)。酸化鉄を含む粉状酸化鉄含有原料B1と炭素を含む粉状炭素含有物質B2とを総称して、酸化鉄及び/又は炭素を含有する粉状原料Bという。粉状炭素含有物質B2としては、石炭粉、コークス粉、石油コークス粉、CDQ粉、木炭粉、廃材の炭化物粉、高炉乾ダストなどを用いることができる。この場合、酸化鉄及び/又は炭素を含有する粉状原料B(すなわち粉状酸化鉄含有原料B1および/又は粉状炭素含有物質B2)の添加量は、前記式(1)に代えて、下記に再掲する式(2)を満たすように調節する。
【0035】
式(2)〔再掲〕
Sc≦8−2NL+0.02YD
ここに、SC=XC−(12/16)・XOであり、NLは、炉床上に載置された塊成物の平均層数(ペレット平均層数)であり、YD=100XC・B/XCである(なお、XCは、乾燥後の塊成物中における炭素の質量割合(質量%)であり、XOは、乾燥後の塊成物中における、酸化鉄の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計質量の割合(質量%)であり、XC・Bは、乾燥後の塊成物中における、前記別の粉状原料に含まれていた炭素の質量割合(質量%)である。)。
【0036】
式(2)中、YD(以下、「炭素置換率」と称す。)は、粉状原料B中のC分により、高炉湿ダスト中のC分を置換した度合いを表す。したがって、式(2)は、ペレット平均層数NLのみならず炭素置換率YDによっても許容しうる余剰炭素率SCの上限が変化することを表すものである。
【0037】
以下、上記実施の形態1と同様に、造粒工程、装入工程を経て、還元工程でペレットが還元される。式(2)から明らかなように、炭素置換率YDを高くすることにより、還元の際における、ペレットが崩壊・粉化しない余剰炭素率の上限を高くできる。すなわち、ペレット平均層数NLを過剰に小さくすることなく、かつ余剰炭素率を高位に保ちつつペレットの崩壊や粉化を防止できるため、生産性の維持と還元鉄品位の維持を両立することが容易となるものである。ここで、炭素置換率YDを高くするほどペレットが崩壊・粉化しない余剰炭素率SCの上限が高くなる理由は、以下の通りである。すなわち、高炉湿ダストと置換した粉状原料は、高炉湿ダストより粗粒であるため還元反応が活性化しにくく金属鉄ウィスカも生じにくい。また、高炉湿ダスト中のC分は、酸化鉄分等と予めほぼ完全均一混合状態となっているため還元反応が活性化しやすいのに対し、後で添加した粉状原料中のC分は、混合工程で混合するものの、完全には均一混合状態とならないため還元反応が活性化しにくく、この点からも金属ウィスカが生じにくくなるからである。
【0038】
なお、上記実施の形態においては、塊成物としてペレットのみについて説明したが、これに限られるものではなく、ブリケット、板状成形物、円柱状成形体などであっても良い。したがって、塊成化の手段もペレタイザによる造粒に限られず、加圧成形機や押し出し成形機を用いるものであっても良い。また、ブリケットを用いる場合、混合原料の水分が少なくても加圧成形が可能なため、高炉湿ダストとして予め所定の水分含有率まで乾燥したものを用いて水分含有率が1質量%以下の混合原料を作製し、これをそのまま加圧成形してブリケットとしても良い。この場合、塊成化工程と装入工程との間の乾燥工程を省略できる。
【0039】
【実施例】
〔実施例1〕
表1に示す化学成分を有する高炉湿ダストと転炉集塵ダストとを用い、以下の実験を実施した。高炉湿ダストの水分含有率は14質量%であった。高炉湿ダストと転炉集塵ダストとの配合率を変化させて混合物を作成し、この混合物をリボン式ミキサで加湿しつつ(水分を添加しつつ)2分間混合して種々の混合原料を作製した。この混合原料を直径1mのパン型ペレタイザで直径約14mmの生ペレットに造粒した。生ペレットの水分含有率は13〜14質量%であった。この生ペレットを小型乾燥機で水分含有率1質量%以下まで乾燥し、乾燥ペレットとした。次に、この乾燥ペレットを1230℃に維持した小型加熱炉に2層に重ねて装入し、20〜25分間保持して加熱・還元して還元鉄とし、上層と下層とに分けて、それぞれの還元鉄の圧潰強度を測定した。加熱・還元中、小型加熱炉内には、実際の回転炉床炉内でのバーナ加熱による炉内雰囲気を想定した、CO2/N2=20容積%/80容積%のガスを流通させた。
【0040】
本実験の結果を図3に示す。図3は、余剰炭素率SCと還元鉄の圧潰強度との関係を示すものであり、それぞれ、(a)は上層、(b)は下層のペレットについての関係を示す。図3(a)、(b)に示す通り、余剰炭素率SCの増加とともに還元鉄の圧潰強度がほぼ直線的に低下することがわかった。一方、実操業における還元鉄中の粉率と還元鉄の圧潰強度との関係を調査し、還元中におけるペレットの崩壊・粉化を防止するためには、還元鉄の圧潰強度が15kg/p以上必要であることを把握した。したがって、図3(a)、(b)の結果を総合的に判断することにより、ペレット平均層数NLが2層の場合に、還元中におけるペレットの崩壊・粉化を防止するためには、下層のペレットまで圧潰強度15kg/pが得られるように、余剰炭素率SCを4質量%以下とする必要があることがわかった。一方、ペレット平均層数NLが1層の場合には、図3(a)の上層のペレットについての結果のみから判断すればよく、還元中におけるペレットの崩壊・粉化を防止するためには、余剰炭素率は6質量%以下とすればよいことがわかった。本実験結果より、前記式(1)が導き出されたものである。なお、本実験の余剰炭素率SCの範囲(SC≧−0.3)においては脱亜鉛率95%以上、金属化率80%以上と十分に高い脱亜鉛率および金属化率が得られた。
【0041】
【表1】
【0042】
〔実施例2〕
次に、上記実施例1に用いた高炉湿ダストと転炉集塵ダストに加えて、高炉湿ダスト中のC分を置換する炭素含有物質として、表2に示す成分を有するCDQダストおよび微粉炭を用いた。高炉湿ダストと転炉集塵ダストとCDQダストまたは微粉炭の配合率を種々変化させて混合物を作成し、以下、実施例1と同様の条件で還元実験を実施した。
【0043】
本実験の結果を図4に示す。図4は、炭素置換率YDと余剰炭素率SCとの組み合わせと、得られた還元鉄の圧潰強度が15kg/p以上を満足するか否かの関係を示す図であり、それぞれ、(a)は上層、(b)は下層のペレットについての結果を示すものである。
【0044】
この図4(a)、(b)より、圧潰強度15kg/p以上が得られる余剰炭素率SCの上限値は、炭素置換率YDの上昇とともにほぼ直線的に増加することがわかった。本実験結果より、前記式(2)が導き出されたものである。なお、図4(a)において、符号A(YD=5%、SC=5.6質量%)の条件で還元したペレットの金属化率が85%であったのに対し、符号B(YD=100%、SC=7.5質量%)の条件で還元したペレットの金属化率は90%に上昇しており、この点から炭素置換率YDの上昇により余剰炭素率SCの上限が上昇することによる成品還元鉄の品質向上効果が認められる。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、還元中におけるペレットの崩壊・粉化を効果的に防止することができ、脱亜鉛率、金属化率ともに優れた成品還元鉄を高歩留りで製造できる。また、炉の排ガス中から回収された酸化亜鉛の品位も格段に向上し、利用価値の高い亜鉛原料が得られる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における、高炉湿ダストを用いた還元鉄製造方法(粗酸化亜鉛製造方法)の実施に係る概略設備構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態2における、高炉湿ダストを用いた還元鉄製造方法(粗酸化亜鉛製造方法)の実施に係る概略設備構成を示す図である。
【図3】余剰炭素率SCと還元鉄の圧潰強度との関係を示す図であり、それぞれ、(a)は上層、(b)は下層のペレットについての関係を示す。
【図4】炭素置換率YDと余剰炭素率SCとの組み合わせと、得られた還元鉄の圧潰強度が15kg/p以上を満足するか否かの関係を示す図であり、それぞれ、(a)は上層、(b)は下層のペレットについての結果を示すものである。
【図5】従来法の、高炉湿ダストを用いた還元鉄製造方法の実施に係る概略設備構成を示す図である。
【図6】従来法により製造した成品還元鉄中に含まれる粉を顕微鏡観察した図である。
【符号の説明】
1…解砕機
2、102…混合機
3、103…造粒機
4、104…乾燥機
5、105…装入装置
6、106…回転炉床炉
7、107…バーナ
8、108…集塵機
A…高炉湿ダスト
B…粉状原料
B1…粉状酸化鉄含有原料
B1…粉状炭素含有物質
Claims (6)
- 高炉湿ダストに、少なくとも、酸化鉄を含む別の粉状酸化鉄含有原料を混合して混合原料とする混合工程と、この混合原料を塊成化して塊成物とする塊成化工程と、この塊成物を連続的に移動する炉床上に載置する装入工程と、この炉床上に載置された塊成物を加熱し脱亜鉛・還元して還元鉄を得る還元工程とを含む還元鉄製造方法において、
余剰炭素率SCが下記の式1を満たすように、前記混合原料を作製することを特徴とする高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法。
式1
Sc≦8−2NL
ここに、SC=XC−(12/16)・XOであり、NLは、炉床上に載置された塊成物の平均層数である(なお、XCは、乾燥後の塊成物中における炭素の質量割合(質量%)であり、XOは、乾燥後の塊成物中における、酸化鉄の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計質量の割合(質量%)である。)。 - 高炉湿ダストに、少なくとも、酸化鉄及び/又は炭素を含む別の粉状原料を混合して混合原料とする混合工程と、この混合原料を塊成化して塊成物とする塊成化工程と、この塊成物を連続的に移動する炉床上に載置する装入工程と、この炉床上に載置された塊成物を加熱し脱亜鉛・還元して還元鉄を得る還元工程とを含む還元鉄製造方法において、
余剰炭素率SCが下記の式2を満たすように、前記混合原料を作製することを特徴とする高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法。
式2
Sc≦8−2NL+0.02YD
ここに、SC=XC−(12/16)・XOであり、NLは、炉床上に載置された塊成物の平均層数であり、YD=100XC・B/XCである(なお、XCは、乾燥後の塊成物中における炭素の質量割合(質量%)であり、XOは、乾燥後の塊成物中における、酸化鉄の酸素と酸化亜鉛の酸素との合計質量の割合(質量%)であり、XC・Bは、乾燥後の塊成物中における、前記別の粉状原料に含まれていた炭素の質量割合(質量%)である。)。 - 前記塊成化工程と前記装入工程との間に、塊成物を、その水分含有率が1.0質量%以下になるまで乾燥する乾燥工程を設けた請求項1又は2に記載の高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法。
- 前記混合原料の水分含有率が1.0質量%以下となるよう、前記高炉湿ダストが所定の水分含有率まで乾燥されたものである請求項1又は2に記載の高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法。
- 前記装入工程において、前記平均層数NLを1.0以下とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高炉湿ダストを用いる還元鉄製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の還元鉄製造方法の各工程に加えて、前記脱亜鉛された亜鉛成分を粗酸化亜鉛として回収する亜鉛回収工程を設けたことを特徴とする高炉湿ダストを用いる粗酸化亜鉛製造方法。
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