JP3722569B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に関し、更に詳しくは、吸収体が薄型であり、且つ液の素早い吸収が可能な吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
幼児用、大人用又は失禁者用の使い捨ておむつ、或いは婦人用の生理用ナプキン等の吸収性物品における吸収体としては、一般に、綿、パルプ及び紙等のセルロース系繊維状材料と高吸水性ポリマーとを組み合わせたものが用いられている。斯かる構成の吸収体においては、表面シートを透過してきた液はまず繊維状材料に一次ストックされ、その後高吸収性ポリマーによって固定されるという吸収過程を経る。
【0003】
表面シートから吸収体への液の透過性を高めることを目的として、表面シートと吸収体とを一体化する方法が知られているが、斯かる場合には湿潤時に両者の剥がれが生じて液の吸収阻害が起きたり、或いは剥がれを防ぐために多量のホットメルトを使用すると該ホットメルトにより目詰まりが起き、やはり結果として液の吸収阻害が起きてしまう。
【0004】
また、特開平4−49964号公報には、融点の異なる複合繊維を吸収体に混合して該吸収体と表面シートと溶着一体化させることが記載されている。しかしながら、上記公報に記載の技術では、複合繊維の混合割合が高いために吸収体全体がやや疎水性となり、液の吸収速度が遅くなるばかりか、用いる高吸収性ポリマーの種類によってはかえってゲルブロキング等による吸収阻害を起こす可能性がある。更に、複合繊維の芯材として弾性率の高い樹脂を用いているために吸収体の厚みが増してしまい、薄型化が困難であるという欠点を有する。
【0005】
従って、本発明の目的は、吸収体が薄型であり、且つ液の素早い吸収が可能な吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の成分及び配合割合から形成された吸収体を用いて該吸収体と表面シートとを一体化し、且つ該吸収体中に含まれる高吸収性ポリマーとして特定の物性を有するものを用いることにより、上記目的を達成し得る吸収性物品が得られることを知見した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体を有する吸収性物品において、
上記表面シートが熱可塑性繊維からなり;
上記吸収体が、該吸収体の総重量の45〜90重量%の該高吸収性ポリマー、及び該吸収体の総重量の0.5〜20重量%の該熱可塑性樹脂の粉体又は繊維を含有し;
上記表面シートと上記吸収体中の上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維とが熱融着しており;
上記吸収体中において、上記高吸収性ポリマーと上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維とが均一に混合された状態で分散されており、
上記高吸収性ポリマーが下記(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
(1)上記高吸収性ポリマーの遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が25〜65g/gである。
(2)上記高吸収性ポリマー0.5gを断面積4.91cm2(内径25mmφ)の円筒に生理食塩水とともに充填し、該生理食塩水により該高吸収性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した該高吸収性ポリマーが沈降した後に生理食塩水50mlを通過させた際の液通過時間が20秒以下である。
【0008】
また、本発明は、上記吸収性物品において、上記裏面シートが熱可塑性樹脂を含有する液不透過性シートからなり、該裏面シートと上記吸収体中の上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維とが熱融着している吸収性物品を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記吸収性物品において、上記裏面シートが、ポリオレフィン及び充填剤を含むシートを少なくとも一軸方向に延伸することにより得られる多孔性シートである吸収性物品を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態を図面を参照して詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを表面シート側からみた一部破断平面図であり、図2は、図1におけるA−A線断面の構造を示す概略断面図である。
【0011】
図1に示す実施形態の使い捨ておむつ1は、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体4を有している。
上記表面シート2、上記裏面シート3及び上記吸収体4は、それぞれおむつの股下部に対応する部分が縊れており、砂時計状に湾曲して形成されている。そして、上記吸収体4の前後に位置する腹側ウエスト部5及び背側ウエスト部5’には、上記表面シート2と上記裏面シート3とこれらの間に介在する第1弾性部材7とによってそれぞれウエストギャザーが形成されている。また該吸収体4の左右に位置するレッグ部6,6には、上記表面材2と上記裏面材3とこれらの間に介在する第2弾性部材8とによってそれぞれレッグギャザーが形成されている。そして、これらウエストギャザー及びレッグギャザーよって、おむつ1が着用者のウエスト部及び股下部にフィットし得るようになされている。
【0012】
上記おむつ1の背側ウエスト部5’の幅方向両側部には、該おむつ1の装着時に上記腹側ウエスト部5と背側ウエスト部5’とを止着するためのファスニングテープ10が配設されている。また、上記おむつ1の腹側ウエスト部5における上記裏面シート3の表面には、上記ファスニングテープ10の被貼着部としてのランディングテープ(図示せず)が配設されており、上記ファスニングテープ10が、該ランディングテープに止着するように構成されている。
【0013】
上記おむつ1を構成する各部材について説明すると、上記表面シート2としては、***物を上記吸収体4へ透過させる液透過性シートであって、肌着に近い感触を有したものが用いられる。このような液透過性シートとしては、熱可塑性繊維からなる織布及び不織布等が用いられる。また、上記表面シート2の周縁にシリコン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を全体に塗布し、周縁を温水で洗浄する方法等により、該表面シート2の周縁部に撥水処理を施し、該周縁部における尿等の滲みによる漏れを防止したものも用いることができる。
【0014】
上記裏面シート3としては、液不透過性で且つ蒸気透過性のシートであって、肌着に近い感触を有したものが用いられる。このようなシートとしては、熱可塑性樹脂を含有する液不透過性シート、特に、ポリオレフィン及び充填剤を含むシートを少なくとも一軸方向に延伸することにより得られる多孔性シートを用いることが好ましい。
【0015】
上記多孔性シートとしては、結晶性ポリオレフィン樹脂と該結晶性ポリオレフィン樹脂の溶融下で該結晶性ポリオレフィン樹脂と混和性があり且つ該結晶性ポリオレフィン樹脂の結晶化温度以下では相分離する化合物(充填剤)とを含む混合物から成形したシートを少なくとも一軸延伸して得られた多孔性シート(以下、この多孔性シートを「多孔性シートA」という)を用いることが好ましい。
【0016】
上記結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体及びアイオノマー樹脂並びにこれらのブレンド等が挙げられるが、これらに限定されない。これらのうち、特にポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン樹脂とエチレン−プロピレン共重合体樹脂とのブレンド、又はポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂とのブレンドを用いることが好ましい。また、上記結晶性ポリオレフィンには、その本来の性質を損なわない範囲でポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂をブレンドすることもできる。
【0017】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂は、そのメルトインデックスが、15g/10分以下であることが好ましく、0.2〜12g/10分であることが更に好ましい。上記結晶性ポリオレフィン樹脂のメルトインデックスを15g/10分以下とすることによって、シート成形時に必要な溶融張力が得られ、高速で安定的にシートを成形できる。また上記メルトインデックスが0.2g/10分未満であるとシート成形時の押出成形で大きな動力を必要とする不都合が生じて生産性が低下する場合があるので上記範囲とすることが好ましい。なお、メルトインデックスとは、ASTM D−1238に準拠して、ポリプロピレン及びポリプロピレン系共重合体の場合は、230℃、2.16kgf荷重下で測定した値をいい、ポリエチレンの場合は190℃、2.16kgf荷重下で測定した値をいう。
【0018】
また、上記混合物のもう一方の成分である上記化合物(充填剤)は、上記結晶性ポリオレフィン樹脂の溶融下で該結晶性ポリオレフィン樹脂と混和性があり且つ該結晶性ポリオレフィン樹脂の結晶化温度以下では相分離するものである。該化合物としては、例えば、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、鉱物油、合成潤滑油、ミネラルスピリット及びパラフィンワックス等の各種炭化水素並びにジオクチルフタレート、ジエチルフタレート、トリメチロールプロパンラウリレート、ジステアリルアジペイト及びテトラオクチルピロメリテイト等の脂肪族カルボン酸と多価アルコールとの各種エステル等が挙げられるが、これらに限定されない。これらのうち、特に、鉱物油、合成潤滑油、パラフィンワックス及び脂肪族カルボン酸と多価アルコールとのエステルを用いることが好ましい。上記混合物を用いる際には、その本来の性質を損なわない範囲で、シリコンオイル等の撥水剤を少量併用してもよい。
【0019】
上記混合物における上記結晶性ポリオレフィン樹脂と上記化合物との配合割合は、該結晶性ポリオレフィン樹脂50〜90重量部に対して該化合物50〜10重量部とすることが好ましい。該化合物の配合割合が10重量部未満では十分な透湿性を有する多孔性シートAを得ることができず、50重量部を超えると、得られる多孔性シートAの機械的強度が不十分となり、しかも長期間保存中に該多孔性シートAから該化合物がブリードアウトする場合がある。上記配合割合は、更に好ましくは、上記結晶性ポリオレフィン樹脂60〜80重量部に対して上記化合物40〜20重量部であり、一層好ましくは、上記結晶性ポリオレフィン樹脂60〜75重量部に対して上記化合物40〜25重量部である。
【0020】
上記混合物には、上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び上記化合物に加えて、結晶核形成剤等の他の添加剤を必要に応じて配合することができる。かかる結晶核形成剤を使用することによって、上記結晶性ポリオレフィンの結晶化度を上げることができるので好ましい。上記結晶核形成剤は、上記混合物に対して 0.01〜3重量部配合することが好ましく、0.05〜1重量部配合することが更に好ましい。上記結晶核形成剤の配合量が0.01重量部未満であると十分な結晶核形成効果が得られない場合があり、3重量部を超えると得られた多孔性シートAの透湿性が不十分となる場合があるので上記範囲内とすることが好ましい。
【0021】
上記結晶核形成剤としては、例えば、1・3,2・4−ジベジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、アジピン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、タルク、酸化チタン及びカオリン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
上記結晶核形成剤の他に、上記混合物に配合し得る添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム等の無機質充填剤、酸化防止剤等の安定化剤、帯電防止剤、有機顔料、染料等が挙げられる。これらの添加剤は、好ましくは上記混合物に対して0.01〜10重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部配合することができる。
【0023】
上記混合物を用いて、インフレーション成形やTダイからの押出成形によりシートを成形し、該シートを少なくとも一軸延伸することにより該シートに連続した微細孔が形成され、透湿性が付与される。延伸時の延伸倍率は少なくとも一軸方向に1.2〜5倍(面積比)であることが好ましい。延伸倍率が1.2倍未満では微細孔の形成が不十分であり十分な透湿性を得ることができず、延伸倍率が5倍を超えると延伸切れが生じたり、裂け易いシートとなるため安定して製造することが困難となる場合がある。上記延伸倍率は1.2〜3倍であることが、一層良好な風合いと十分な透湿性を得るため、一層好ましい。
【0024】
上記延伸においては、一軸延伸する場合には一軸ロール延伸機を用いることができ、二軸延伸する場合には、テンター延伸機やマンドレル延伸機を用いて同時二軸延伸又は逐次二軸延伸することができる。この際、延伸されるシートを加熱しつつ延伸してもよい。
【0025】
また、本発明においては、上記多孔性シートとして、結晶性ポリオレフィン樹脂と、該結晶性ポリオレフィン樹脂に対して相溶性がない熱可塑性樹脂又はフィラー(共に充填剤)とを含む混合物から成形したシートを少なくとも一軸延伸して得られた多孔性シート(以下、「多孔性シートB」という)を用いることも好ましい。
【0026】
上記フィラーとしては、通常ゴム又はプラスチック中に混合されるフィラー、例えば、炭酸カルシウム、石膏、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和けい酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラックのような無機フィラー、種々の金属粉、その他の無機物及び無機物を主体とする有機金属塩等が挙げられる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル酸ソーダ等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリアクリル酸エステル等の熱可塑性樹脂を放射線等で架橋した樹脂、或いは融解温度が結晶性ポリオレフィン樹脂の成形温度よりも高い樹脂のようなポリマーが挙げられる。これらのフィラーは好ましくは50μm以下、更に好ましくは0.05〜30μmの範囲、特に0.1〜5μm程度の平均粒径を有する粉粒体として用いることが望ましい。
【0027】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂と上記フィラーとの配合割合は、該結晶性ポリオレフィン樹脂100重量部に対して該フィラーが好ましくは50〜400重量部、更に好ましくは60〜300重量部である。フィラーの配合量が50重量部未満では、得られる多孔性シートBに形成される連通孔の数が少なくなるため透湿性が小さくなり、フィラーの配合量が400重量部を超えると、シートの成形及び延伸が困難になる。
【0028】
上記フィラーを用いる場合には柔軟化剤を併用することが好ましい。該柔軟化剤としては、通常ゴムやプラスチックに配合される可塑剤や滑剤を使用することができ、例えば、脂肪酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステル、芳香族カルボン酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステル又はポリエステル、脂肪族ポリカルボン酸とポリアルコールとからなるポリエステル、モノカルボン酸及び/又はポリカルボン酸とモノアルコール及び/又はポリアルコールとからなるポリエステル、アルコール及び/又はカルボン酸の一部を残したエステル又はポリエステル、脂肪族アミド、芳香族アミド、脂肪酸の金属石鹸、芳香族カルボン酸の金属石鹸、ブタジエンオリゴマー、ブテンオリゴマー、イソブチレンオリゴマー、イソプレンオリゴマー、石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩素化パラフィン、シリコーン油、流動パラフィン、ポリエチレンワックスが挙げられる。
上記結晶性ポリオレフィン樹脂と上記柔軟化剤との配合割合は、該柔軟化剤と該結晶性ポリオレフィン樹脂との親和性、該柔軟化剤と上記フィラーとの親和性及び多孔性シートBに要求される柔軟性にもよるが、該結晶性ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、該柔軟化剤を好ましくは0〜20重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部である。
【0029】
一方、結晶性ポリオレフィン樹脂に対して相溶性がない熱可塑性樹脂としては、例えば汎用ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体のようなスチレン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート;ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6及びナイロン66等のポリアミド;ポリカーボネート;ポリアクリロニトリル;並びにこれらの変成物及び誘導体の中から少なくとも一種類以上を選んで用いることができる。これらの熱可塑性樹脂に熱可塑性エラストマー、例えばスチレン系ポリマー、ポリオレフィン類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリ(1,2−ブタジエン)、ポリ(トランス−1,4−イソプレン)等から選択される一種又はそれ以上のポリマーを添加することにより、該熱可塑性樹脂の分散性を容易にコントロールできる。熱可塑性樹脂は、好ましくは50μm以下、更に好ましくは0.05〜30μmの範囲、特に好ましくは0.1〜5μm程度の平均粒径を有する分散状態にすることが望ましい。
【0030】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂と、上記熱可塑性樹脂との配合割合は、該結晶性ポリオレフィン樹脂100重量部に対して該熱可塑性樹脂が好ましくは10〜100重量部、更に好ましくは20〜100重量部である。
【0031】
上記熱可塑性樹脂を用いる場合には、上記フィラーを用いる場合と同様の柔軟化剤を併用することが好ましい。該柔軟化剤の配合量は、上記フィラーを用いる場合と同様である。
【0032】
尚、上記多孔性シートBに関して特に詳述しなかった点については、上記多孔性シートAに関して詳述した説明が適宜適用される。
【0033】
図1に示す使い捨ておむつ1における上記ウエストギャザー用の第1弾性部材7,7及び上記レッグギャザー用の第2弾性部材8,8としては、糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴムあるいはフィルム状の発泡ポリウレタン等が好ましく用いられる。
【0034】
図2に示すように、吸収体4は、高吸収性ポリマーの粒子13及び熱可塑性樹脂の粉体又は繊維14を含有し、更にパルプ繊維15を含有している。これら高吸収性ポリマーの粒子13、熱可塑性樹脂の粉体又は繊維14、及びパルプ繊維15は、吸収体4中において均一に混合された状態で分散している。
【0035】
上記吸収体4中においては、該吸収体の総重量の45〜90重量%が上記高吸収性ポリマーからなる。即ち、上記吸収体4における上記高吸収性ポリマーの配合割合は従来の吸収性物品よりも高いものであり、その結果、吸収体を薄型化することが可能となる。従来の吸収性物品においては、吸収体を薄型化するために吸収体中の高吸収性ポリマーの配合割合を高くするとゲルブロッキング等による液の吸収阻害が起きるが、本発明においては、後述するように特定の物性を有する高吸収性ポリマーを用いているので吸収体中の高吸収性ポリマーの配合割合を高くしてもゲルブロッキング等の発生のおそれはない。更に詳細には、上記高吸収性ポリマーの配合割合が45重量%に満たないと吸収体の吸水容量を高める場合に吸収体が厚型化してオムツが厚くなってしまうといった欠点があり、90重量%を超えると吸収体の保形性が悪くなるか、或いは湿潤時に上記高吸収性ポリマーがこぼれてしまうといった欠点がある。上記高吸収性ポリマーの配合割合は45〜80重量%であることが好ましく、55〜80重量%であることが更に好ましい。
【0036】
また、上記吸収体4中においては、該吸収体の総重量の0.5〜20重量%が上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維からなる。該熱可塑性樹脂の粉体又は繊維は、後述するように、表面シート2及び必要に応じて裏面シート3と熱融着により一体化して、該吸収体4の液吸収速度を高めると共にその保形性を向上させるために用いられるものであり、その配合割合が0.5重量%に満たないと表面シート2或いは裏面シート3との接着が十分になされず、20重量%を超えると吸収体全体が疎水性となり、或いは上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維がフィルム化して吸収を阻害してしまうといった欠点がある。上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維の配合割合は0.5〜20重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることが更に好ましい。
尚、上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維は、何れか一方のみを用いてもよく、或いは両者を併用してもよい。
【0037】
上記吸収体4においては、上記高吸収性ポリマーと上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維とは好ましくは該吸収体4の全重量の45.5%以上を占め、更に好ましくは55%以上を占める。尚、上記高吸収性ポリマーと上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維以外に上記吸収体4を構成するその他の材料としては、上述の通り、パルプ繊維をはじめとする各種天然セルロース繊維や、マーセル化パルプ、CM(カルボキシメチル)化パルプ、架橋パルプ等の改質パルプ;合成パルプ;レーヨン;コットン等の天然繊維等がある。斯かるその他の材料は上記吸収体4の総重量の0〜54.5%であることが好ましい。
【0038】
上記吸収体4における上記高吸収性ポリマーと上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維との配合重量比は、前者:後者=99:1〜50:50であることが好ましく、90:10〜75:25であることが更に好ましい。両者の配合重量比が上記範囲内であれば吸収阻害を起こさずに、吸収体4全体の保形性及び表面シート2との接着性を保つことができ、上記範囲外となると該吸収阻害の防止や接着性に弊害が起きる場合がある。
【0039】
上記吸収体4は、薄型化、製品全体の柔らかさ、パッケージのコンパクト性と軽量化等の点からその全体の坪量が100〜1000g/m2 であることが好ましく、200〜700g/m2 であることが更に好ましく、また、その全体の0.5g/cm2 荷重下における厚さが0.5〜10mmであることが好ましく、0.5〜5mmであることが更に好ましい。
【0040】
上記高吸収性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する性能を有する粒子状のものが好ましく用いられる。このような高吸収性ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体等が挙げられる。また、上記高吸収性ポリマーとして、「ポイズSA−20」(商品名,花王株式会社製)、「アクアリックCA」〔商品名,(株)日本触媒製〕、「ダイヤウェット」(商品名,三菱油化製)、「アロンザップRS」(商品名,東亜合成製)等の市販品を用いることもできる。
【0041】
本発明において用いられる上記高吸収性ポリマーは、下記(1)及び(2)の条件を満たすものである。
(1)上記高吸収性ポリマーの遠心脱水法による生理食塩水の吸水量(以下、単に「吸水量」という)が25〜65g/gである。
(2)上記高吸収性ポリマー0.5gを断面積4.91cm2 (内径25mmφ)の円筒に生理食塩水とともに充填し、該生理食塩水により該高吸収性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した該高吸収性ポリマーが沈降した後に生理食塩水50mlを通過させた際の液通過時間(以下、単に「液通過時間」という)が20秒以下である。
【0042】
上記(1)及び(2)の条件について詳述すると、まず、上記(1)の条件は、上記高吸収性ポリマーの吸水量を規定するものであり、これは該高吸収性ポリマーの液の吸収能の尺度となるものである。該吸水量が25g/gに満たないと体液を吸収して保持する能力に欠け、65g/gを超えると膨潤後のゲル強度が低下し、且つポリマー粒子間を体液が通過する速度が低下する。該吸水量は35〜65g/gであることが好ましい。
上記高吸収性ポリマーの吸水量を上記範囲内とするためには、例えば、該高吸収性ポリマーの粒子の表面近傍を架橋する等の処理を行えばよい。
尚、上記吸水量の測定方法については、後述する実施例において詳述する。
【0043】
上記(2)の条件は、上記高吸収性ポリマーの液通過時間を規定するものであり、これは該高吸収性ポリマーがゲルブロッキングを起こす尺度となるものである。該液通過時間が20秒を超えると、高吸収性ポリマーの使用量を吸収体4の総重量の45重量%以上とした場合に、ゲルブロッキング現象が生じ、高吸収性ポリマーの吸収性能が阻害されてしまう。上記液通過時間は、短い程好ましいが、実用的な範囲として2〜20秒であることが好ましく、2〜15秒であることが更に好ましい。
上記高吸収性ポリマーの液通過時間を上記範囲内とするためには、上記吸水量の場合と同様に、例えば、該高吸収性ポリマーの粒子の表面近傍を架橋する等の処理を行えばよい。
尚、上記液通過時間の測定方法については、後述する実施例において詳述する。
【0044】
上記(1)及び(2)の条件を満たすことにより、高吸収性ポリマーのゲルブロッキングが効果的に防止され、吸収体4に多量の高吸収性ポリマーを配合して該吸収体4を薄型化することが可能となる。
【0045】
上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維としては、表面シート2及び必要に応じて裏面シート3と熱融着により一体化し得るものが用いられる。該熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、及びナイロン等のポリアミド樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂を粉体の形態で用いる場合には、該粉体の平均粒径は均一分散性と作業の容易さ、吸収の阻害を起こさない等の点から10〜2000μmであることが好ましく、50〜1000μmであることが更に好ましい。
一方、上記熱可塑性樹脂を繊維の形態で用いる場合には、該繊維として、連続フィラメント等の長繊維及びステープルファイバー等の短繊維の何れをも用いることができる。また、該繊維の繊維径は、均一混合性と分散性、熱処理の容易さの点から、0.2〜10デニールであることが好ましく、1〜6デニールであることが更に好ましい。該繊維として特に好ましく用いられるものは、高融点成分及び低融点成分からなる二成分系複合繊維(例えば、芯鞘型複合繊維及びサイド・バイ・サイド型複合繊維等)である。
【0046】
図2に示すように、上記吸収体4中の熱可塑性樹脂の粒子又は繊維14と表面シート2とは、熱融着している。更に詳細には、上記熱可塑性樹脂の粒子又は繊維14の少なくとも一部と上記表面シート2とが熱融着することにより、該吸収体4と該表面シート4とが一体化している。該熱融着により、液体の透過・吸収性が損なわれることなく上記表面シート2と上記吸収体4とが一体化する。その結果、上記吸収体4の保形性が向上し、よれ等の変形による液漏れが低減し、更に着用時のシルエットがすっきりしたものになる。この場合、上述の通り、上記熱可塑性樹脂の粒子又は繊維14のすべてが上記表面シート2と熱融着により一体化している必要はなく、少なくとも該吸収体4における該表面シート2の近傍に位置する熱可塑性樹脂の粒子又は繊維14が該表面シート2と熱融着しており、その結果、上記表面シート2と上記吸収体4とが一体化していればよい。
また、上記熱可塑性樹脂の粒子又は繊維14は、上記吸収体4の内部において互いに熱融着しており、三次元の網目状構造を形成していることも好ましい。斯かる三次元の網目状構造によって、高吸収性ポリマーの粒子13同士が膨潤した場合にゲルブロッキングが起きることを効果的に防止することができると共に、該吸収体4の保形性が一層向上する。
尚、本発明において「一体化」とは、おむつ1が水等の液体で湿潤した場合に、上記表面シート2と上記吸収体4とが剥がれないで、一定の形状を保ち得る程度の保形性を有していることを意味する。
【0047】
更に図2に示すように、上記吸収体4中の熱可塑性樹脂の粒子又は繊維14が、裏面シート3とも熱融着することにより、該吸収体4と該裏面シート3とが一体化していることも好ましい。該吸収体4が該裏面シート3とも一体化していることにより、該吸収体4の保形性が一層向上し、よれ等の変形による液漏れが一層低減し、更に着用時のシルエットが一層すっきりしたものになる。
【0048】
図1及び図2に示す使い捨ておむつ1を製造する場合には、表面シート2上に、高吸収性ポリマーの粒子13、熱可塑性樹脂の粉体又は繊維14、及びパルプ繊維15を均一混合したものを積層し、更にこの上に裏面シート3を積層して、この積層体を所定温度の熱風や熱エンボスにより熱融着させて、該表面シート2、該熱可塑性樹脂の粉体又は繊維14、及び該裏面シート3を熱融着させる方法を用いることが好ましい。
【0049】
以上、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は斯かる実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない限度において種々の変更形態が可能である。
例えば、図2に示す吸収体4においては、パルプ繊維15に代えて又はパルプ繊維15に加えてマーセル化パルプ、CM(カルボキシメチル)化パルプ、レーヨン、コットン等を用いてもよい。
また、図2に示す吸収体4と表面シート2との間、又は該吸収体4と裏面シート3との間に上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維を含むシートを介在させ、該シート中の熱可塑性樹脂の粉体又は繊維と該表面シート2及び/又は該裏面シート3とを熱融着させてもよい。
また、図2に示す吸収体4に代えて、上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維14を含む二枚のシートと、該シート間に挟持された高吸収性ポリマーの粒子の層とからなる吸収体を用いてもよい。
また、本発明の吸収性物品は、使い捨ておむつに限られず、生理用ナプキン、失禁用パッド、及び母乳パッド等の他の吸収性物品としても適用することができる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の吸収性物品の有効性を実施例により例示する。しかしながら、本発明の吸収性物品はかかる実施例に制限されるものではない。
【0051】
〔実施例1〕
繊維径3デニール、カット長51mmの芯鞘型複合繊維(芯が成分がポリプロピレン、鞘成分がポリエチレン)からなる坪量25g/m2 のサクションヒートボンド不織布を界面活性剤により親水化処理して、これを表面シートとして用いた。
この不織布上に、解繊されたパルプ繊維60重量部と、ポリエチレン繊維(融点110℃)5重量部と、高吸収性ポリマーとしてのポリアクリル酸ソーダ架橋体粒子100重量部とを均一混合したウェブからなる吸収体を坪量250g/m2 で積層した。
得られた積層体を135℃の熱風で処理し、上記不織布からなる表面シートと上記ポリエチレン繊維とを熱融着により一体化した。
更に、上記ウエブ上に裏面シートとしてのポリエチレンシートを配して、使い捨ておむつを得た。
尚、上記ポリアクリル酸ソーダ架橋体粒子は、ポリアクリル酸ソーダの粒子の表面部分の架橋密度を高めたものであり、吸水量が29g/gであり、液通過時間が12秒であった。
【0052】
〔実施例2〕
実施例1におけるポリエチレン繊維の代わりにポリエチレン粉体(平均粒径50μm)を、吸収体の総重量の10重量%となるように用いた以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0053】
〔実施例3〕
実施例1における表面シート/吸収体積層体(熱風で処理する前のもの)において、該吸収体上に更に裏面シートとしての多孔性シートを積層し、これら三者の積層体を熱エンボス処理して、該表面シートと上記ポリエチレン繊維とを熱融着により一体化すると共に、該裏面シートと該ポリエチレン繊維とを熱融着により一体化して使い捨ておむつを得た。
尚、上記裏面シートは、直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.925g/cm3 、メルトインデックス2.1g/10分)40重量部と、ステアリン酸処理炭酸カルシウム60重量部と、アジピン酸−トリメチロールプロパン−ステアリン酸エステル4重量部とを二軸混練り機で均一混合した後、インフレーション法によりシート化し、更に2.1倍に一軸延伸した多孔性シートである。
【0054】
〔実施例4〕
実施例1における高吸収性ポリマーの代わりに吸水量が38g/gであり、液通過時間が16秒である高吸収性ポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0055】
〔比較例1〕
実施例1における吸収体において、ポリエチレン繊維を用いなかった以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0056】
〔比較例2〕
解繊した木材パルプ100重量部と実施例1で用いた高吸収性ポリマー150重量部とを均一混合した坪量300g/m2 のウエブを製造した。
次いで、坪量19g/m2 のティッシュ上に上記ウエブを積層した後、この積層体を圧縮して吸収体を得た。
得られた吸収体の表面シート側の面上にホットメルトを塗工量20g/m2 で塗工した後、実施例1で用いた表面シートを積層して該吸収体と一体化した。
これ以降は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0057】
〔比較例3〕
実施例1において用いたポリエチレン繊維の量を吸収体の総重量の30重量%とする以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0058】
上記実施例及び比較例において用いた高吸収性ポリマーの吸水量及び液通過時間の測定方法を下記に示す。
【0059】
<高吸収性ポリマーの吸水量>
高吸収性ポリマー1gを500mlの生理食塩水中に入れて30分間そのまま放置する。十分に吸収膨潤した高吸収性ポリマーを、袋状にした紙及び不織布中に入れる。この高吸収性ポリマーを遠心分離装置〔国産遠心器(株),H−130C型〕にて、2000rpmの回転数(895Gの遠心加速度)で10分間遠心分離した。遠心分離後の高吸収性ポリマーの重量を測定し、下記式(1)より吸水量(g/g)を求めた。
【0060】
【数1】
Figure 0003722569
【0061】
<高吸収性ポリマーの液通過時間>
図3に示すように、ビューレット30〔4.91cm2 (内径25mm)、長さ約250mm(円筒部分)〕に、高吸収性ポリマーP0.5gを充填し、過剰の生理食塩水Wを用い、該高吸収性ポリマーPを飽和状態に達するまで膨潤させた。液面を200mmに合わせてコックを閉じ、膨潤した該高吸収性ポリマーPが図示の如く充分に沈降したことを確かめてコックを開き、生理食塩水Wが図に示す2本の標線L、M間(液量50ml)を通過する時間を求め、これを液通過時間とした。
【0062】
〔使い捨ておむつの評価〕
実施例及び比較例で得られた使い捨ておむつの評価を、▲1▼吸収体の液の吸収の速さ及び吸収体と表面シートとの剥がれの程度並びに▲2▼使い捨ておむつの漏れ率に関して下記の方法で行った。その結果を表1に示す。
<▲1▼吸収体の液の吸収の速さ>
得られた使い捨ておむつから20cm×20cmの試料をカットした。この試料に50mlの生理食塩水を一度に吸収させて吸収の速さを評価すると共に、吸収体と表面シートとの剥がれの程度を評価した。評価は吸収体が飽和に達するまで何回か繰り返し行った。評価基準は下記の通りである。
吸収の速さ
○:液の滞留が無く、素早く吸収する。
△:液がやや滞留し、表面を流れる傾向にある。
×:液の吸収が遅く、表面を流れる。
吸収体と表面シートとの剥がれ
○:剥がれなし
×:剥がれあり
<▲2▼使い捨ておむつの漏れ率>
得られた使い捨ておむつに関し、一般のモニター10人に対して実用アンケートを行い、尿等の漏れ率を求めた。
【0063】
【表1】
Figure 0003722569
【0064】
表1に示す結果から明らかなように、特定の成分及び配合割合から形成された吸収体を用いて該吸収体と表面シートとを一体化し、且つ該吸収体中に含まれる高吸収性ポリマーとして特定の物性を有するものを用いた実施例1〜4の使い捨ておむつ(本発明品)は、比較例の使い捨ておむつに比して液の吸収の速さに優れ、表面シートと吸収体との剥がれも観察されず、更に液漏れも防止されることが分かる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品によれば、吸収体が薄型であり、且つ一度に多量の液が***されても素早い吸収が可能となる。
また、本発明の吸収性物品は、吸収体が薄型なので快適な装着感を有するものとなる。
また、本発明の吸収性物品によれば、吸収体の保形性が高いので、よれ等の変形による液漏れが低減し、着用時のシルエットがすっきりしたものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを表面シート側からみた一部破断平面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面の構造を示す概略断面図である。
【図3】高吸収性ポリマーの液通過時間の測定装置を表す概略図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
13 高吸収性ポリマーの粒子
14 熱可塑性樹脂の粉体又は繊維
15 パルプ繊維

Claims (4)

  1. 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体を有する吸収性物品において、
    上記表面シートが熱可塑性繊維からなり;
    上記吸収体が、該吸収体の総重量の45〜90重量%の該高吸収性ポリマー、及び該吸収体の総重量の0.5〜20重量%の該熱可塑性樹脂の粉体又は繊維を含有し;
    上記表面シートと上記吸収体中の上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維とが熱融着しており;
    上記吸収体中において、上記高吸収性ポリマーと上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維とが均一に混合された状態で分散されており、
    上記高吸収性ポリマーが下記(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする吸収性物品。
    (1)上記高吸収性ポリマーの遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が25〜65g/gである。
    (2)上記高吸収性ポリマー0.5gを断面積4.91cm2(内径25mmφ)の円筒に生理食塩水とともに充填し、該生理食塩水により該高吸収性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した該高吸収性ポリマーが沈降した後に生理食塩水50mlを通過させた際の液通過時間が20秒以下である。
  2. 上記裏面シートが熱可塑性樹脂を含有する液不透過性シートからなり、該裏面シートと上記吸収体中の上記熱可塑性樹脂の粉体又は繊維とが熱融着している、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 上記高吸収性ポリマーの遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が35〜65g/gである、請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 上記裏面シートが、ポリオレフィン及び充填剤を含むシートを少なくとも一軸方向に延伸することにより得られる多孔性シートである、請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
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