JP3718568B2 - 重合体エマルション及びその製造方法 - Google Patents

重合体エマルション及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カチオン性基がラテックス粒子表面に高密度に分布する凝固物の少ない安定な重合体エマルション及びその製造方法に関する。更に詳しくは、カチオン性が付与されることにより、パルプ、合成繊維、無機繊維抄造時のビーターサイズ加工における紙力増強バインダー又は定着剤、歩留向上剤など、また、植毛、不織布、カーペットバッキング等のバインダー、繊維の風合い加工、帯電防止加工防水加工剤など、またモルタル混和剤、セメント混和剤、アスファルト混和剤、その他接着剤、塗料原料として好適に使用される凝固物の少ない安定な重合体エマルション及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からカルボキシル変性ラテックスは、たとえば各種繊維、アスファルト、モルタル、コンクリートまたはセラミックなどのバインダーなどに用いられている。又、カチオン性重合体エマルションもいろいろ提案されているが、その使用目的に対し、十分な効果が得られるものは少なく、又その製造方法も複雑である。たとえば、乳化剤を使用せず、またはカチオン性界面活性剤を用いてシード重合により、カチオン性単量体を他の単量体と共重合する方法がある。これは全量のカチオン性単量体と他の単量体の一部を用いて種ラテックスを作り、これに残りの単量体を添加する方法であるので、粒子表面にカチオン性基を多数存在させることができず、安定な重合ができない(特開昭57−121048号公報、特開昭58−142217号公報)。
【0003】
また、第2級、第3級アミン、又は第4級アンモニウム塩からなるカチオン性基付与基を含有するエチレン性不飽和単量体と、これらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体の一部を水性媒体中連鎖移動剤の存在下重合して種ラテックスとし、次いで残りの両単量体を添加して重合を継続する方法がある(特開昭61−261302号公報)。この方法は、前者のものと異なり、種ラテックスに添加する単量体にカチオン性基を含有しているものを用いるので、或る程度粒子表面1にカチオン性基を付与する効果は期待できるが、連鎖移動剤存在下で種ラテックスを製造するなど製造工程が複雑である。
【0004】
これらの技術の改良を目的として、カルボキシル変性した合成ゴムラテックス又は合成樹脂系エマルションを種ラテックスとし、これに水難溶性又は不溶性のカチオン性の単量体を添加重合して得られるシード重合体を酸又は塩で中和するか、又は4級化剤で4級アンモニウム塩化することにより、エマルション粒子表面に高密度にカチオン性を付与した重合体エマルションが提案されている(特開平1−146907)。この技術は上記のものに比べ表面のカチオン密度が高い等優れた特性は示す。これを応用した紙やモルタル、セメント混和剤は性能が向上し良好であるが、近年生産性向上等が求められる中で、更に高性能、低凝固物のものがのものが要求されるようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は粒子表面に高密度にカチオン性が付与された凝固物の極めて少ない重合体エマルションを提供することである。本発明の他の目的は紙やモルタル混和剤、セメント混和剤等に適用した場合に極めて優れた性能を示す重合体エマルションを提供することである。本発明のさらに他の目的はこの様な重合体エマルションを安定に製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、公知の合成ゴムラテックスまたは合成樹脂系エマルションを種ラテックスとし、これに特定の単量体をシード重合して得られたものに、ノニオン型界面活性剤を添加した後、酸又は塩で中和、又は4級化剤で4級アンモニウム塩化することにより、カチオン性基を重合体粒子表面に高密度に存在させたエマルションが得られ、しかもこのエマルションは凝固物が少なく、安定であり、またその製造法も簡単で複雑な操作を必要とせず、経済的にも有用であることを見い出し、さらにパラトルエンスルホン酸メチルで4級化したものが、応用での性能がさらに優れている事を見い出し、本発明に到達したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、合成ゴム系ラテックスまたは合成樹脂系エマルションを種ラテックスとし、これに下記一般式(1)で示される単量体を添加重合して得られるシード重合体に、ノニオン型界面活性剤を添加した後、酸または塩で中和するか、または4級化剤で4級アンモニウム塩化することにより、エマルション粒子表面に高密度にカチオン性を付与したことを特徴とする凝固物の少ない重合体エマルション及びそれらの製造方法である。
【0008】
【化5】
Figure 0003718568
(ただし、式中のR1はHまたはCH3を、R2は炭素数2〜5のアルキレン基を、R3及びR4は独立にHまたは炭素数1〜5のアルキル基を、Aは
【0009】
【化6】
Figure 0003718568
を示し、R1、R3、R4は単量体が水に対し難溶性または不溶液性である範囲で選ばれる。)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、さらに本発明を詳しく説明する。
本発明に種ラテックスとして用いられる合成ゴム系ラテックスまたは合成樹脂系エマルションとしては公知のものをいずれも使用することができる。これらの具体例としては、合成ゴムラテックスでは、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、メチルメタアクリレート・ブタジエンゴム(MBR)、アクリロニトリル・ブタジエン(NBR)、またはこれらに他の単量体成分を含有させたゴム、クロロブレンゴム(CR)、イソブレンゴム(IR)などをカルボキシル変性したラテックスが挙げられ、合成樹脂エマルションではアクリル酸エステル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、スチレン系の重合体又は共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体などをカルボキシル変性したエマルションが挙げられる。カルボキシル変性は、例えば(メタ)アクリル酸、ケイヒ酸、クロトン酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体を共重合したりあるいは高分子反応により重合体に導入する等公知の方法で行うことができる。
【0011】
本発明に用いられる一般式(1)で表わされる単量体の具体例としては、例えばジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジプロピルアミノエチルアクリレート、ジプロピルアミノエチルメタアクリレート、ジブチルアミノエチルメタアクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジプロピルアミノプロピルメタクリルアミド、ジプロピルアミノプロピルアクリルアミド、ジブチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジブチルアミノプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
【0012】
本発明においては、上記一般式(1)で表わされる単量体とともに、これらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体を併用してもよい。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルのようなメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体、又はN,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の架橋性単量体が好ましく例示できる。
【0013】
上記原料の使用量は次のとおりである。
種ラテックスに対する一般式(1)で示される単量体の割合は種ラテックスの固形分に対して5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。一般的なカルボキシル変性ラテックスのコロイド当量値は−0.2〜−0.1meq/gであるため、一般式(1)で示される単量体の割合が5重量%未満の場合、カチオン性基が少な過ぎて安定なカチオン性ラテックスは得られない。50重量%超では、カチオン性基が過剰となり、また経済的にも不利となる。
【0014】
なおコロイド当量値とは、次の方法で得られる値である。
ビーカーに蒸留水95mlをとり、試料の1000ppm溶液(固形分ベース)を5ml加え、1%HClでpH=4.0とし、約1分間撹拌する。次に、トルイジンブルー指示薬溶液を2〜3滴加え、1/400Nポリビニルスルフォン酸カリウム(PVSK)で測定する。測定速度は2ml毎分とし、検水が青から赤に変色、10秒間以上保持する時点を終点とする。
【0015】
【数1】
コロイド当量値(meq/g)
=(サンプル滴定量−ブランク滴定量)×F/2
(ただしFはファクターである。)
【0016】
他のエチレン性不飽和単量体単量体は目的とするラテックスのガラス転移点や物性に応じて定めればよいが、通常一般式(1)で表される単量体に対して40重量%以下、好ましくは0.001〜25重量%使用する。
【0017】
重合方法は種ラテックスを水で希釈するかまたは希釈せずに系のpHを6以上とし、次いで前記単量体を添加し、好ましくはラジカル重合開始剤存在下、温度20〜80℃で撹拌しながらシード重合する。系のpHが6未満の場合、単量体添加時あるいは重合時にゲル化して安定なエマルションが得られない。また重合温度は、特に限定されないが、実用上常圧下にて20〜80℃、好ましくは30〜60℃である。この場合界面活性剤は特に添加する必要はないが、その含有量が不十分なときは、常法に従って添加することもできる。
【0018】
また本発明で好ましく使用されるラジカル重合開始剤としては、通常の乳化重合に用いられるものが使用される。例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)塩酸塩等の脂肪族アゾ化合物類、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、前記のパーオキサイド類とアスコルビン酸、多価金属塩、酸性亜硫酸ナトリウム、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤を組合わせたレドックス系等が挙げられる。これらの重合開始剤の使用量としては、単量体に対して1.0〜5.0重量%程度である。
重合方法の態様は回分式、連続式等のいずれの方式であってもよい。
この様にしてシード重合体エマルションを得る。
【0019】
次いでノニオン型界面活性剤を添加する。本発明で使用されるノニオン型界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイル酸ポリオキシエチレンソルビット等が使用でき、好ましくはHLBで10から19程度、さらに好ましくは12〜18程度のものである。具体的には、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル HLB 17.9(商品名 花王エマルゲン840S)、ポリオキシエチレノニルフェニルエーテル HLB 12.4(商品名 花王エマルゲン909)、同 HLB 17.5(商品名 花王エマルゲン935)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル HLB 12.1(商品名 花王エマルゲン147)等が挙げられる。これらノニオン型界面活性剤の量はシード重合体エマルションの固形分に対して通常0.1〜4重量%である。添加量が0.1%より少なすぎると凝固物防止効果が少なく、4%を越えると効果はあるが発泡等のトラブルを生じ易い。添加方法はエマルション重合体に所定量を撹拌しながら添加して均一になるまで撹拌する。
【0020】
次いで得られたポリマーをカチオン化することにより、カチオン性基がラテックス粒子表面に高密度に分布したカチオン性重合体エマルションが得られる。カチオン化の方法としては、得られたシード重合体を室温で撹拌しながら酸又は塩で中和するか、又は一般の4級化剤で4級アンモニウム塩化する方法が挙げられる。酸としては、例えば塩酸、硫酸などの無機酸、アジピン酸、クエン酸、ギ酸などの有機酸等、塩としては硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸性塩等、4級化剤としては塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、ベンジルクロリド、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の一般的なアルキル化剤が使用できる。通常使用される一般的な4級化剤の中ではパラトルエンスルホン酸メチルが最も好ましい。一般的な4級化剤として使われる塩化メチル、ベンジルクロリド、硫酸ジエチルは反応性があまり良くなく、得られる重合体ラテックスのカチオン性(コロイド当量値)も低い。それに比べパラトルエンスルホン酸メチルは反応時間も短く、凝固物も少ない。又抄紙やモルタル混和に於けるバインダー効果も非常に良好である。
酸、塩又は4級化剤は、通常は使用した一般式(1)の単量体に対して当量添加する。中和は添加とほぼ同時に完了し、また4級化は通常5分〜30分間程度で完了する。
【0021】
この様にして、本発明の表面に高密度にカチオン性が付与された重合体エマルションが得られる。なお、得られた重合体ラテックスに発泡が見られるときは少量の消泡剤等を添加してもとよい。
【0022】
本発明の重合体エマルションは、粒子表面が高密度にカチオン化されており、帯電防止性、親水性、極性親和性を有するので、凝結剤、製紙用紙力増強バインダー、定着剤、歩留向上剤、その他各種繊維のバインダー、繊維の風合加工、帯電防止加工、防水加工、塗料、接着剤原料、モルタル混和、セメント混和、コンクリート混和、アスファルト混和等の用途に用いられる。
また、特にカチオンをノニオン型界面活性剤存在下で行うことにより、凝固物の生成を非常に低レベルに抑制出来ることができる。
【0023】
【実施例】
以下実施例を挙げて説明する。なお、%は重量%を意味する。
実験例1 撹拌機付きフラスコにカルボキシル変性SBRラテックス701.3g(pH8.3、固形分48%、アニオンコロイド当量値:−0.18meq/g)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.4g、および水159.7gを入れ良く撹拌しながら、ジエチルアミノエチルメタアクリレート37.5g(硫酸ジメチル4級化物としてカチオンコロイド当量値:0.51meq/g)を滴下ロートを使用して滴下した後、N2ガスを吹き込みながら、1時間放置した。放置後、1%過硫酸カリウム水溶液80gを添加し、50℃に加温して重合させた。約2時間後に重合は完結した。
【0024】
この重合体エマルションに市販のノニオン型界面活性剤エマルゲン840S(花王(株))製;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルを重合体エマルション固形分に対し、0.5%添加した後、重合体エマルションを撹拌しながら、室温にて上記ジエチルアミノエチルメタアクリレートに対して当量の硫酸ジメチル(DMS)を添加して30分間放置し、4級化を行った。
【0025】
比較例1 実験例1においてノニオン型界面活性剤を添加しない以外は、同様の操作によって重合体エマルションを得た。
【0026】
実施例 実験例1と同様な操作で重合体エマルションを得、この重合体エマルションにノニオン型界面活性剤エマルゲン840Sを0.5%添加した後、重合体エマルションを撹拌しながら50℃にてジエチルアミノエチルメタクリレート対して当量のパラトルエンスルホン酸メチル(PTSM)を添加して20分間放置して4級化を行い、安定した重合体エマルションを得た。
【0027】
比較例2 実施例においてノニオン型界面活性剤を添加しない以外は同様の操作によって重合体エマルションを得た。
【0028】
実施例 実施例においてノニオン型界面活性剤エマルゲン909を1.0%添加する以外は同様の操作で重合体エマルションを得た。
【0029】
実験例2 実験例1において硫酸ジメチルを塩酸に変更する以外は同様の操作で重合体エマルションを得た。
【0030】
実験例3 実験例2においてノニオン型界面活性剤をエマルゲン147を1.0%添加する以外は同様の操作で重合体エマルションを得た。
【0031】
比較例3 実験例2においてノニオン型界面活性剤を除く以外は同様の操作で重合体エマルションを得た。以上の実施例1〜2、実験例1〜3、および比較例1〜3のエマルションについてコロイド当量値と凝固物の量を測定した結果を表1に示した。凝固物の測定は次のようにして行った。得られた最終重合体ラテックスを300メッシュの金網で濾過した後、125℃にて乾燥し、金網に残存した凝固物の重合体固形分に対する割合を測定した。ノニオン型界面活性剤無添加の比較例に比べて、ノニオン型界面活性剤を添加した実施例及び実験例においては凝固物が少なく、さらに4級化剤としてPTSMを使用した場合は1/10以下で顕著な相乗効果を生じる。
【0032】
【表1】
Figure 0003718568
【0033】
実施例 JIS P8121により測定した叩解度が380ml(C.S.F)のLBKPの1%パルプスラリーをpH7.5に調整した。実施例1〜2、実験例1〜3、及び比較例1〜3で得られたラテックスを所定量添加混合し、角型シートマシンで坪量60g/m2のシートを得、3.8kg/m2で5分間プレスした後、ドラムドライヤーで120℃で2分乾燥した。得られたシートの比破裂強さとステキヒトサイズをそれぞれJIS P8112およびJIS P8122に基づき測定して表2の結果を得た。なお、中和塩タイプは中性域では定着せず効果は発揮できない。
【0034】
【表2】
Figure 0003718568
【0035】
実施例 420ml(C.S.F)に叩解したLBKPの1%パルプスラリーに硫酸バンドを2.5%添加し、最終的にpHを4.5に調整したラテックスを所定量添加し、実施例と同条件でシートを作成し、比破裂強さを測定して表3の結果を得た。
【0036】
【表3】
Figure 0003718568
【0037】
実施例 実験例1、実施例1、および比較例1、2で得られた重合体エマルションに消泡剤としてノプコ8034(サンノプコ社)を固形分に対して0.7%添加混合した。JIS A6203「セメント混和用ポリマーディスパージョン」の「7.6接着強さ」に準じて、セメント100重量部、豊浦標準砂300重量部および水50重量部に、得られた重合体エマルションを25重量部混練し、モルタル板に塗り付け試験体とした。湿度65±10%、温度20±2℃で14日間養生した後、接着強さを測定して表4の結果を得た。
【0038】
【表4】
Figure 0003718568
【0039】
【発明の効果】
本発明は種ラテックスとして既製のポリマーラテックスを用いるので、種ラテックスを調整する手間が省け、又シード重合が安定して行え、得られたエマルションの粒子径も均一で、保存性も良好である。また、特にノニオン型界面活性剤存在下でカチオン化を行うことにより、凝固物の生成を非常に低レベルに抑制出来、さらに表面のカチオン化密度が大である。本発明の重合体エマルションは各種混和剤や紙加工剤などの有用な用途がある。

Claims (6)

  1. 合成ゴム系ラテックスまたは合成樹脂系エマルションを種ラテックスとし、これに下記一般式(1)で示される単量体を添加重合して得られるシード重合体に、ノニオン型界面活性剤を添加した後、級化剤であるパラトルエンスルホン酸メチルで4級アンモニウム塩化することにより、エマルション粒子表面に高密度にカチオン性を付与したことを特徴とする凝固物の少ない重合体エマルション。
    Figure 0003718568
    (ただし、式中のR1はHまたはCH3を、R2は炭素数2〜5のアルキレン基を、R3及びR4は独立にHまたは炭素数1〜5のアルキル基を、Aは
    Figure 0003718568
    を示し、R1、R3、R4は単量体が水に対し難溶性または不溶液性である範囲で選ばれる。)
  2. シード重合体は種ラテックスにさらに上記一般式(1)で示される単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体を添加重合して得られるものである請求項1の重合体エマルション。
  3. 合成ゴム系ラテックスまたは合成樹脂系エマルションはカルボキシ変性したものである請求項1または2の重合体エマルション。
  4. 一般式(1)の単量体の添加量が合成ゴム系ラテックスまた合成樹脂系エマルションのコロイド当量値(絶対値)以上である請求項3の重合体エマルション。
  5. ノニオン型界面活性剤がポリオキシエチレンノニルフェニルーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの一種又は混合物であり、そのHLBが10から19の間であり、その添加量が重合体エマルションの固形分に対して0.1〜4重量%である請求項1〜4のいずれか1項の重合体エマルション。
  6. カルボキシ変性した合成ゴムラテックスまたは合成樹脂系エマルションを種ラテックスとし、この種ラテックスを中和してpH6以上とした後、前記一般式(1)で示される単量体を少なくとも種ラテックスのコロイド当量値(絶対値)以上添加した後、ラジカル重合して得られるシード重合体に、ノニオン型界面活性剤を添加した後、級化剤であるパラトルエンスルホン酸メチルを添加して4級アンモニウム塩化し、エマルション粒子表面に高密度にカチオン性を付与したことを特徴とする重合体エマルションの製造方法。
    Figure 0003718568
    (ただし、式中のR1はHまたはCH3を、R2は炭素数2〜5のアルキレン基を、R3及びR4は独立にHまたは炭素数1〜5のアルキル基を、Aは
    Figure 0003718568
    を示し、R1、R3、R4は単量体が水に対し難溶性または不溶液性である範囲で選ばれる。)
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