JP3717557B2 - ペレット状凍結生イースト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペレット状に加工された凍結生イーストおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製パン用生イーストは通常、圧搾された圧搾生イーストとして、乾燥物含量が25%〜45%のものとして500gまたは1Kgのブロック状または500g〜30Kgの袋詰になっている粉状(バルクイースト)の形状で販売されている。この生イーストは0℃〜10℃、好ましくは0℃〜4℃の冷蔵状態で貯蔵されるが、なるべく早く、好ましくは2〜3週間以内に使用しなければならない。しかも、この期限も理想的な冷蔵状態で貯蔵される場合のものであり、実際の流通下においてはこれ程の好ましい状態に保たれておらず、冷蔵保存期間の長期化に伴ってイーストの活性だけでなく、その色調も劣化し、薄いクリーム色から赤茶けた色調に変化してしまい、さらに加えてイーストの軟化が進んでしまうという問題もあり、長期間の保存には耐えられない。
【0003】
冷蔵状態で貯蔵される形状の生イーストの他には、乾燥物含有量が92%以上の粒状のドライイーストおよび活性インスタントドライイーストがある。生イーストと違い、このドライタイプのイーストは長期貯蔵が可能であり、真空または窒素ガス置換され包装されたインスタントドライイーストは、20℃保存において1ヶ月あたり1%程度のガス発生力の低下しかない。しかしながらドライタイプのイーストは、乾燥、造粒工程でイーストの細胞膜に変化が起きやすく、ガス発生力の低下が起こるという欠点を有している。またインスタントドライイーストは、15℃以下の冷水またはパン生地中に直接投入すると、ガス発生力の少なからぬ損失が起こるため少なくとも15℃以上の、好ましくは27℃〜39℃の仕込水中またはパン生地中にて再水和される必要がある。さらに粒状のドライイーストはあらかじめ予備発酵させなければならないという手間の掛かるものであった。
【0004】
また圧搾生イーストを冷凍したものは、凍結保存状態なら長期間の保存には耐えられるものの、粒状のもの、バルク状のもの、ケーキ状に成型したもの等の形状にかかわらず固結してしまい、解凍しなければ使用できない。本発明の操作をせずに、冷凍した圧搾イーストを固結させないためには、イーストをある程度乾燥する工程が必須となり、従来、生イーストを中程度に乾燥して、乾燥物含量が70%〜80%であるさらさらした粒状のベーカー用冷凍イーストを開示するものもあるが(特開昭62−282578号公報)、これは乾燥工程中にイーストが発熱しイーストの活性が低下する欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように製パン用イーストは、長期保存に難点のある生イーストタイプのものと、長期保存は可能であるが細胞膜の変化や製造上の使用制限があるドライイーストタイプのものと、乾燥工程中にイーストの活性が低下してしまう中程度に乾燥された粒状の冷凍イーストがあるが、それぞれに問題点があり、これらの問題点を解決したタイプのものは無いのが現状である。
さらに、近年の穀類加工食品の製造は、その製造工程の一部または殆どが機械化され自動化されている。このような設備で、均一で安定した製品を得るためには、均一で安定した再現性の高いイースト活性の品質が求められる。また、凍結状態で提供されるイーストについては、計量性、作業性、生地中への分散性等において、通常の生イーストとの代替えが容易であることも求められる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、圧搾生イーストを含有するペレット状凍結イーストであって、圧搾生イーストは食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第一の添加剤を練合してあるか、および/または、ペレット状に成型された圧搾生イーストはその表面に食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第二の添加剤を塗抹しており、かつ、凍結保存状態で5Kg/cm2 以下の力を加えた時に、格子幅が0.9mmの篩いを通るものが40%(W/W)以下で25mmの篩いを通るものが80%(W/W)以上であるペレット状凍結生イーストがパン生地の製造において凍結状態のまま使用し得、使用する際の計量性、作業性、小麦粉生地中での分散性に優れた性質を有し、かつ長期凍結保存が可能であり、圧搾生イースト同様の使用法が可能であり、圧搾生イーストと同等のガス発生力を維持することを確認し、本発明を完成するに至った。
【0007】
以下に本発明について説明する。
本発明に用いられる圧搾生イーストとしては、一般に製パン等に用いられる酵母を通常の方法により圧搾したものであれば特に限定されないが、パン酵母、即ち、サッカロミセス属の菌株が好ましい。これは、圧搾生イーストを製造できるものであれば良く、菌株の特性により限定されるものではない。本発明のペレット状凍結生イーストに用いられる生イーストは通常の圧搾生イーストで、菌体洗浄後の通常の圧搾工程を経た後のものであれば良く、最終的に乾燥物含量が25%〜45%程度となるものである。
【0008】
本発明の凍結生イーストはペッレト状であるが、そのペレットの形は特に限定れるものではない。たとえば、押し出しにより細い棒状あるいは薄い板状に成形したものが、切断されてあるいは脆化によって小粒子化した形状を呈したままのものでも、凍結粉砕等により小粒子化したものでも、また、これらの小粒子化したものを造粒機によってさらにほぼ均一な大きさの球状または円筒状のペレットに加工したものでも良い。
【0009】
本発明に用いられる特別な乾燥工程を経ていない通常の圧搾生イーストは−0.5℃〜−3℃前後で凍結し固結する。本発明のペレット状凍結生イーストの凍結保存状態とは、この凍結開始温度帯以下に長時間保存され、ペレットの粒子一つ一つが、凍結し固体状態となっていることである。本発明のペレット状凍結生イーストは、凍結保存状態で5Kg/cm2以下程度の普通の成人の瞬間的な握力を加えた時にぱらぱらとバラけ、大きな塊とならなくなり、普通の成人が3〜4回篩を篩った時に、格子幅が0.9mmの篩いを通るものが40%(W/W)以下で25mmの篩いを通るものが80%(W/W)以上となり、計量性や分散性に優れたものとなるものである。
【0010】
本発明のペレット状凍結生イーストのペレットの大きさは0.9mmの篩を通るものが40%(W/W)以下で25mmの篩を通るものが80%(W/W)以上の大きさが良い。ペレットの大きさが小さすぎると、冷凍雰囲気中にさらされるペレットイーストの集合体全体の表面積が適切な大きさのペレットの場合と比べて格段に大きくなる。その結果、冷凍保存中に冷凍条件に係わらず、集合体のそれぞれのペレットの表面に微細ではあるが氷が付着し、これが冷凍期間の長期化に伴って次第に大きな氷の塊となり、ペレットイーストがバラけ難くなったり氷の付着した部分のペレットイーストが褐変するなどの悪影響が生じやすくなる傾向がある。このため、例えばペレットの大きさは0.9mmの篩を通らない大きさであることが良い。一方、大きくなり過ぎると、凍結状態でイーストを使用する際の計量性や生地中での分散性に支障をきたしてしまい大きな欠点となるためであり、例えばペレットの大きさは25mmの篩を通る大きさであることが良い。
凍結状態でイーストを使用する際の計量性や生地中での分散性の良さから、ペレットの大きさは0.9mmの篩を通らず5mmの篩を通る大きさであることがさらに望ましい。
【0011】
本発明のペレット状凍結生イーストは、食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第一の添加剤を圧搾生イーストに練合させた部分を含有するか、および/またはペレット状に成型された圧搾生イーストの周囲に食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第二の添加剤が塗抹してある。
第一の添加剤または第二の添加剤に用いられる食用油脂としては、食用に供することができるのであれば特に限定されないが、練合に用いる第一の添加剤には液状油が好ましく、塗抹に用いる第二の添加剤には固体脂が好ましい。これらは例えば、パーム硬化油、ヤシ硬化油、大豆硬化油、コーンサラダ油、ナタネ油、綿実油、液状パーム油、ナタネ硬化油、精製豚脂や牛脂等の動物脂が例示され、ナタネ硬化油および精製豚脂が好ましい例として挙げられる。第一の添加剤および第二の添加剤に用いられる食用油脂は、これらの混合物であってもよい。
【0012】
第一の添加剤または第二の添加剤に使用される乳化剤は、食用に供することができるのであれば特に限定されない。例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールモノオレート、ショ糖脂肪酸エステル、大豆レシチン、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート等が例示され、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレートが好ましい例として挙げられる。第一の添加剤および第二の添加剤に用いられる乳化剤は、これらの混合物であってもよい。
【0013】
本発明のペレット状凍結生イーストを製造するには、例えば、圧搾生イーストをペレット状に成型するに際し、該圧搾生イーストに対して、食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第一の添加剤を練合し、および/または成型後に食用油脂と乳化剤の少なくとも一つからなる第二の添加剤を塗抹してペレット状生イーストを得、該ペレット状生イーストを冷却、凍結させる方法が挙げられる。
【0014】
また本発明のペレット状凍結生イーストを製造するに際しペレット状に成型するときは、凍結後に体積膨張が起こることを考慮して、通常は凍結された状態で0.9mmの篩を通るものが40%(W/W)以下で25mmの篩、さらに好ましくは5mmを通るものが80%(W/W)以上になるように、例えば0.9mmの径の押し出し成型や、0.9mmの大きさに造粒化することが好ましい。第一の添加剤および/または第二の添加剤の含有率によっては、凍結すると好ましい粒径に変化して特別な成型加工操作をしなくとも好ましいペレット状になるものでも良く、また、第一の添加剤および/または第二の添加剤の含有率によっては、凍結後に凍結粉砕等により物理的に破砕されて小粒子化し、0.9mmの篩を通るものが40%(W/W)以下で25mmの篩、さらに好ましくは5mmを通るものが80%(W/W)以上になるようになっても良い。
【0015】
圧搾生イーストに第一の添加剤を練合する場合には、通常の練合方法にて行えば良い。その添加量は第一の添加剤が食用油脂単独の場合は、圧搾生イースト100重量部に対して5重量部〜30重量部までが良く、好ましくは10重量部〜20重量部である。第一の添加剤が乳化剤単独の場合は0.5重量部〜3重量部までが良く、好ましくは0.5重量部〜1.5重量部である。第一の添加剤に食用油脂と乳化剤を併用して用いる場合には、圧搾生イースト100重量部に対して、食用油脂は5重量部までが良く、好ましくは2重量部である。乳化剤は0.5重量部までが良く、好ましくは0.1重量部である。食用油脂と乳化剤とを併用することにより、それぞれ単独で使用した場合よりも少ない添加量で本発明のペレット状凍結生イーストの特徴を達成できる上、凍結状態でのペレットイーストのバラけ易さや製パン工程上の作業性において優れたものが得られるので、併用することがより好ましい。また、第一の添加剤に食用油脂と乳化剤を併用して用いる時のこれらの相対比率は、食用油脂100重量部に対して乳化剤が1重量部〜10重量部までが良く、好ましくは5重量部である。これは、この圧搾生イーストに練合される第一の添加剤に、食用油脂単独、または乳化剤単独、またはこれらを併用して用いる場合も含めて、これらの添加量よりも多く練合される場合は成型されるペレットの表面がべたつき易くなり、また少なく練合される場合は成型されたペレットが凍結状態で崩れ難くなる為である。
【0016】
ペレット状に成型後に第二の添加剤を塗抹する場合には、公知の塗抹方法、例えば、スプレーやロールミキサー等により行う。その添加量は第二の添加剤が食用油脂単独の場合は、圧搾生イースト100重量部に対して3重量部〜10重量部までが良く、好ましくは3重量部〜5重量部であり、第二の添加剤が乳化剤単独の場合は0.5重量部〜3重量部までが良く、好ましくは0.5重量部〜1.5重量部である。第二の添加剤に食用油脂と乳化剤を併用して用いる場合には、圧搾生イースト100重量部に対して、食用油脂は3重量部までが良く、好ましくは1重量部であり、乳化剤は0.3重量部までが良く、好ましくは0.05重量部である。食用油脂と乳化剤とを併用することにより、それぞれ単独で使用した場合よりも少ない添加量で本発明のペレット状凍結生イーストの特徴を達成できる上、凍結状態でのペレットイーストのバラけ易さや製パン工程上の作業性において優れたものが得られるので、併用することがより好ましい。また、第二の添加剤に食用油脂と乳化剤を併用して用いる時のこれらの相対比率は、第一の添加剤と同様に食用油脂100重量部に対して乳化剤が1重量部〜10重量部までが良く、好ましくは5重量部である。これは、このペレット状に成型後に塗抹される第二の添加剤に、食用油脂単独、または乳化剤単独、またはこれらを併用して用いる場合も含めて、これらの添加量よりも多く塗抹される場合はペレットの表面がべたつき易くなり、また少なく塗抹される場合はペレットが凍結状態で崩れ難くなる為である。
【0017】
圧搾生イーストに第一の添加剤を練合する工程と、ペレット状に成型後に第二の添加剤を塗抹する工程は、いずれか一方であってもよいが、それぞれの工程を単独で行った場合よりも少ない添加量で本発明のペッレト状凍結生イーストの特徴を達成することができる上、凍結状態でのペレットイーストのバラけ易さ、製パン工程上の作業性、および凍結後のイーストの残存活性等の性質において優れたものが得られるので、併用することがより好ましい。
本発明に用いる第一の添加剤および第二の添加剤は、互いに同一であっても、また相違していてもよい。
【0018】
本発明の圧搾生イーストに第一の添加剤を練合する工程および/またはペレット状に成型後に第二の添加剤を塗抹する工程により調製されたペレット状生イーストは、冷却、凍結される。好ましい冷却速度としては、イーストの凍結開始温度帯までの冷却は、後述の通りであるが、特に、イーストの凍結開始温度帯からの冷却においては、毎分1℃以下のゆるやかな温度低下により凍結するのが好ましい。イーストの凍結開始温度帯からの冷却速度が速すぎる場合には、イーストが破壊され易く、活性の著しい損失が起こったり、さらに解凍後のイーストが軟化し扱いにくい物性となることがある。
また、常温からイーストの凍結開始温度帯までの冷却においては、冷却速度は速い方が望ましく、例えば、少なくとも毎分1℃以上の急速冷却とすることが好ましい。
【0019】
本発明のペレット状凍結生イーストの冷凍保存温度は、通常、−3℃〜−40℃が例示され、−10℃〜−30℃が好ましく、−10℃〜−20℃がさらに好ましく、最も好ましくは−10℃〜−15℃が挙げられる。冷凍保存温度が余りに低いと、菌体の死滅によるイースト活性の低下が起こり、また冷凍保存温度が高くなると、完全な凍結状態に至らないまま保存される場合や保存流通中に部分的な凍結融解の繰り返しが起こり易くなり、ひいてはイースト活性の低下や色調の劣化等につながることがある。
本発明のペレット状凍結生イーストは、生鮮食品や冷凍食品の包装に通常用いられている樹脂、例えば、ポリエチレン等のバッグで包装することが好ましく、その包装内容量の制限はない。凍結した本発明のペレット状凍結生イーストを包装してよいが、ペレット状生イーストを包装に入れてから凍結する方が簡便で好ましい。
【0020】
本発明のペレット状凍結生イーストは、通常の冷蔵状態で貯蔵される生イーストや、粒状ドライイーストおよび活性インスタントドライイーストが用いられている全ての製法のパンを製造する場合に利用することができる。また、パン以外のパネトーネ様のあるいはシュトーレン様のケーキ類やビスケットやパイやペストリーやクッキーやその他の発酵菓子やまんじゅうなどの、穀類にイーストを用いて発酵工程と加熱工程を経て加工されるすべての食品に用いることも可能である。
【0021】
本発明のペレット状凍結生イーストは凍結状態のまま生地原料中に配合しても、融解してから配合しても、また通常の生イーストで一般に行われている様に仕込み水に溶解してから配合しても良く、その使用方法の制限は無い。
本発明のペレット状凍結生イーストの生地原料への配合添加量は、通常の生イーストが用いられている配合添加量と生イースト換算量として同量で良い。穀類にイーストを用いて発酵工程と加熱工程を経て加工されるすべての食品への添加量は、凍結状態のまま生地原料中に配合される場合でも融解された後に生地原料中に配合される場合でも、同じように換算すればよい。乾燥物含有量が92%以上の粒状のドライイーストおよび活性インスタントドライイーストに替えてこのペレット状凍結生イーストを用いる場合でも、通常の生イーストをこれらに替えて用いる場合と同様にすれば特別な配合添加量の変更は必要ない。
【0022】
本発明のペレット状凍結生イーストは、イーストの活性を長期間にわたって安定して維持保存でき、冷凍しても殆ど合着し難く、凍結状態でイーストを使用する際の計量性や生地中での分散性に支障をきたすことがない。さらに、イーストの使用に際して製造上の使用制限や量的な制限もない等の作業性に優れており、従来の流通による生イーストやドライタイプのイーストを使用した場合よりも、より優れた均一で安定した一様な穀類加工食品が得られる。
本発明のペレット状凍結生イーストは、少なくとも凍結されて保管される必要があり、流通の過程で融解させることは避けるべきであって、再度凍結させることはイーストの活性および色調の劣化やイーストの軟化が進みやすくなることから避け、融解した場合には、なるべく早く(好ましくは解凍後に2〜3週間以内に)使用すべきである。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に実施例を示しながら本発明をさらに詳細に説明するが、これらにより本発明は限定されない。
【0024】
【実施例1〜5および7〜10】
乾燥物含量32%の旭化成工業(株)製の圧搾生イーストに、卓上ニーダー(Irie Shokai社製 PNV−5型)で、表1に示す配合に従い、食用油脂であるナタネ硬化油および/または乳化剤であるソルビタンモノステアレートを添加して練合して得た練合イーストを、3mm径の穴のあいたダイスを装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製、PELLETER EXDF−100型)でペレット状に成型した。得られたペレット状イーストに、さらに表1に示す配合に従い、食用油脂であるナタネ硬化油および/または乳化剤であるソルビタンモノステアレートを添加し、マルメライザー(不二パウダル(株)製、Q−700型)によってこれを3mmに整粒、塗抹したものを流動冷却によって3℃まで毎分1℃以上の速度で急速に冷却した。これを1Kgづつポリエチレンバッグに詰め、その後−12℃の静置フリーザー中に放置し毎分0.5℃以下の速度で緩慢に凍結し、本発明のペレット状凍結生イーストを得た。
【0025】
【実施例6、17および18】
乾燥物含量32%の旭化成工業(株)製の圧搾生イーストを、3mmの穴のあいたダイスを装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製、PELLETER EXDF−100型)でペレット状に成型した。得られたペレット状イーストに、表1に示す配合に従い、食用油脂であるナタネ硬化油および/または乳化剤であるソルビタンモノステアレートを添加し、マルメライザー(不二パウダル(株)製、Q−700型)によってこれを3mmに整粒、塗抹したものを流動冷却によって3℃まで毎分1℃以上の速度で急速に冷却した。これを1Kgづつポリエチレンバッグに詰め、その後−12℃の静置フリーザー中に放置し毎分0.5℃以下の速度で緩慢に凍結し、本発明のペレット状凍結生イーストを得た。
【0026】
【実施例11〜16および19〜23】
乾燥物含量32%の旭化成工業(株)製の圧搾生イーストに、卓上ニーダー(Irie Shokai社製 PNV−5型)で、表1に示す配合に従い、食用油脂であるナタネ硬化油および/または乳化剤であるソルビタンモノステアレートを添加して練合して得た練合イーストを、3mm径の穴のあいたダイスを装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製、PELLETER EXDF−100型)でペレット状に成型した。得られたペレット状イーストをマルメライザー(不二パウダル(株)製、Q−700型)によって3mmに整粒したものを流動冷却によって3℃まで毎分1℃以上の速度で急速に冷却し、これを1Kgづつポリエチレンバッグに詰め、その後−12℃の静置フリーザー中に放置し毎分0.5℃以下の速度で緩慢に凍結し、本発明のペレット状凍結生イーストを得た。
【0027】
【比較例1】
乾燥物含量32%の旭化成工業(株)製の圧搾生イーストを、3mm径の穴のあいたダイスを装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製、PELLETEREXDF−100型)でペレット状に成型した。得られたペレット状イーストをマルメライザー(不二パウダル(株)製、Q−700型)によって3mmに整粒したものを流動冷却によって3℃まで毎分1℃以上の速度で急速に冷却し、これを1Kgづつポリエチレンバッグに詰め、その後−12℃の静置フリーザー中に放置し毎分0.5℃以下の速度で緩慢に凍結し、本発明のペレット状凍結生イーストを得た。
【0028】
【比較例2および3】
乾燥物含量32%の旭化成工業(株)製の圧搾生イーストに、卓上ニーダー(Irie Shokai社製 PNV−5型)で、表1に示す配合に従い、乳化剤であるソルビタンモノステアレートを添加して練合して得た練合イーストを、表1に示した径のスクリーンまたはテーパー管を装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製、PELLETER EXDF−100型)でペレット状に成型した。得られたペッレト状イーストに、さらに表1に示す配合に従い、食用油脂であるナタネ硬化油および乳化剤であるソルビタンモノステアレートを添加し、マルメライザー(不二パウダル(株)製、Q−700型)によってこれを表1に示した径に整粒、塗抹したものを流動冷却によって3℃まで毎分1℃以上の速度で急速に冷却し、これを1Kgづつポリエチレンバッグに詰め、その後−12℃の静置フリーザー中に放置し毎分0.5℃以下の速度で緩慢に凍結し、本発明のペレット状凍結生イーストを得た。
【0029】
【試験例】
実施例1〜23で得られた本発明のペレット状凍結生イーストと、比較例1〜3で得られたペレット状凍結生イーストを、3ヶ月間、−12℃で冷凍保存し、イーストの品質について以下の方法にて評価を行った。
(1)イースト活性
イースト活性は、小麦粉100gに対して砂糖5g、食塩2g、ショートニング5g、脱脂粉乳2g、イースト2g、水65gが添加される食パン原料を、ピンミキサー(NATIONALMFG.Co.製)で3分間ミキシングし、生地温度が最終的に30℃になるようにこね上げて、この生地を用いて冷凍する前のイーストの活性を100として冷凍3か月の活性の残存割合を相対値として評価した。この際、イーストは凍結状態のままペレットイーストを生地組成配合中に直接投入した。相対値を算出した測定数値は、ファーモグラフ(ATTO社製)を用い、30gの生地の38℃のウォーターバス中での120分間の炭酸ガス発生量を用いた。
(2)ペレットの粒径
凍結保存状態で5Kg/cm2以下程度の普通の成人の瞬間的な握力を加えた時にぱらぱらとバラけ、大きな塊とならなくなり、普通の成人が3〜4回篩を篩った時に、格子幅が5mmの篩いを通り0.9mmの篩いを通らないものの割合を測定した。
【0030】
(3)バラけ易さ
(2)で求めたペレットの粒径の割合から計量性や分散性について、以下の基準に従いバラけ易さを評価した。
Figure 0003717557
(4)色調の劣化
色調劣化の度合いは肉眼で判断した。
Figure 0003717557
【0031】
(5)作業性
生イーストを使用した場合と比較してペレット状凍結生イーストのベタつきを考慮し、作業性を判断した。
Figure 0003717557
(6)製パン性の評価
表3に示した配合、工程に従い調整したパン生地および焼成後のパンを用いて製パン性を評価した。製パン性は調整したパン生地と焼成後のパンについて、以下の基準に従い判断した。
Figure 0003717557
【0032】
(7)実用性
以上の全ての評価から総合的に判断した実用に耐え得る品質であるかという点について観察した。10段階評価とし、最も実用性の高いものを10、最低限の実用に耐えうるものを5、実用に耐えがたいものを4以下として表した。
評価結果を表2に示す。その結果、実施例1〜5については特に優れた実用性と製パン性能を持っており、実施例6〜16については、実施例1〜5ほどは優れてはいないものの、優れた実用性と製パン性能を持っており、実施例17〜23についてはやや難があるものの必要最低限の十分な実用性と製パン性能を持っていることが示された。比較例1〜3については、実用に耐えうるものではなかった。
【0033】
【表1】
Figure 0003717557
【0034】
【表2】
Figure 0003717557
【0035】
【表3】
Figure 0003717557
【0036】
【発明の効果】
本発明のペレット状凍結生イーストは、冷凍後も成人の握力程度の力を加えるだけで、塊とならずにぱらぱらとバラけ、計量性、作業性、および穀類加工食品中への分散性に優れ、通常の生イーストと同様に使用することができる。しかも、本発明のペッレット状凍結イーストを用い得られるパンは製パン性にも優れる。また、冷蔵状態で保存される通常の生イーストでは到底実現できない、安定した活性状態を保ったままの長期の保存を実現することができる。

Claims (6)

  1. 圧搾生イーストを含有するペレット状凍結イーストであって、圧搾生イーストは食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第一の添加剤を練合してあるか、および/または、ペレット状に成型された圧搾生イーストはその表面に食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第二の添加剤を塗抹しており、かつ、凍結保存状態で5Kg/cm2 以下の力を加えた時に、格子幅が0.9mmの篩いを通るものが40%(W/W)以下で25mmの篩いを通るものが80%(W/W)以上であるペレット状凍結生イースト。
  2. 凍結保存状態で5Kg/cm2 以下の力を加えた時に、格子幅が0.9mmの篩いを通るものが20%(W/W)以下で5mmの篩いを通るものが80%(W/W)以上であるである請求項1に記載のペレット状凍結生イースト。
  3. 圧搾生イーストを冷却、凍結し、ペレット状凍結生イーストを製造するに際し、該圧搾生イーストに対して、食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第一の添加剤を練合する工程、および/または成型後に食用油脂と乳化剤の少なくとも一つからなる第二の添加剤を塗抹する工程を含む請求項1または2のいずれかに記載のペレット状凍結生イーストの製造方法。
  4. 圧搾生イーストに対して、食用油脂または乳化剤の少なくとも一つからなる第一の添加剤を練合し、かつ、ペレット状に成型後に食用油脂と乳化剤の少なくとも一つからなる第二の添加剤を塗抹してペレット状生イーストを得る工程を含む請求項3に記載の製造方法。
  5. 第一の添加剤および/または、第二の添加剤が食用油脂および乳化剤からなる添加剤である請求項3または請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載のペレット状凍結生イーストを用いる穀類加工食品の製造方法。
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