JP3716250B2 - 漏水検知装置および漏水検知方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏水検知装置および漏水検知方法に関し、より詳細には、廃棄物処分場などに敷設される遮水シートの漏水を電極を使用して検知する場合に、遮水シートの漏水箇所以外から電流が漏洩する場合にも、遮水シートの漏水を高い精度で検知することを可能にする漏水検知装置および漏水検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物の処分場は、近年、自然環境や生活圏への影響に対する関心の高まりから、安全を確実とするものが求められている。通常、処分場は、地下水や河川を汚染する恐れのある排水基準に満たない浸出水が処分場の外部に漏洩するのを防止するために、遮水シートを敷設し、砂層または覆土を設置した後に使用される。この遮水シート敷設時、砂層または覆土の設置時、または処分場として使用する操業時には、汚染された水が周辺環境に流れ出すのを検出するべく、遮水シートの損傷の有無やその位置を精度良く検知する漏水検知装置や漏水検知方法が数多く提案されている。
【0003】
従来、上述した漏水検知システムや漏水検知方法としては、例えば、電気的な手法が用いられ、遮水シートと遮水シートを敷設する地盤との間に、点電極、線電極、面電極といった下部電極を設置し、上部電極を用いて遮水シート上から電圧を印加させながら上部電極と下部電極との間の電流、電位または電気抵抗を測定するといった装置や方法が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。しかしながら、下部電極を設置して漏水箇所の検出を行う場合、下部電極および下部電極に接続されるコードなどが損傷または切断されると、交換や修理を容易に行うことが困難であり、下部電極を設置した後に遮水シートを敷設するのは、処分場の施工に時間を要するといった問題があった。
【0004】
また、上述した電気的な手法としては、アルミニウムが貼付された遮水シートを用い、アルミニウムが貼付された側を下側として遮水シートを敷設後、遮水シートの上側をブラシ電極により遮水シートの電気的導通を走査して損傷部分を特定するスパーク法が用いられている(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。しかしながら、この方法は、遮水シートの上部に保護材(保護土または不織布など)を施工した段階では、遮水シートの上部全面に電気が導通した状態となり、遮水シートのどの位置が損傷しているか特定することができないといった問題があった。
【0005】
これらの問題を解決するべく、既に敷設した遮水シートの外部に印加電極を設置し、遮水シートの上部に検知電極を設置して電気的な検査を行う装置および方法が知られている(特許文献5参照。)。この装置および方法は、遮水シートの外部に印加電極を設置し、電気的な検査を行う検知電極の設置箇所が、遮水シートの直上、または遮水シート上の保護層の直上、またはその保護層の内部とされ、遮水シートに損傷がある場合、その損傷箇所を通して検知電極に電流が流れ、それぞれの検知電極で検出される電流値の大きさにより損傷箇所を特定することができるようになっている。しかしながら、上記装置および方法は、複数の検知電極が、特に、保護層の直上や保護層の内部に設置される場合には、この保護層を含んだ測定となり、検知電極を設置する位置で保護層の厚さなどの違いにより電気抵抗が異なり、遮水シートの品質を精度良く確認することが困難であった。また、遮水シート敷設後、検知電極を設置し、その上に保護層を設けて電気的な検査を行う場合には、遮水シート自体の上述した電気的な検査を行うことが可能になるものの、保護層設置段階において遮水シートが損傷する可能性があるといった問題があった。
【0006】
また、処分場の構造には、一般に浸出水を外部へ取り出すための排水溝や遮水シートの縁部および道路などの取り付け部があり、この最終処分場の内部と外部とを完全に電気的に絶縁することは困難である。したがって、上述した装置を使用し、遮水シートの漏水箇所を検出する場合、上述したような漏水箇所以外を通して電流が流れ、検知電極では、遮水シートに漏水箇所が存在しないにもかかわらず電流が検出されることとなる。このため、上述したような漏水箇所以外を通して流れる電流を考慮した上で、実際に漏水箇所が存在するか否かを正確に判断し、どの位置で漏水が起こっているかを検出することが望まれる。従来の装置においては、遮水シートが健全な状態である測定から経時的に測定を行い、測定値の変化を検出することで漏水を検知することができるものの、設置当初から漏水箇所が存在する場合には、上述した測定値の変化を検出することが困難であり、また、漏水箇所以外からの電流の影響を受けるため、正確に漏水を検知し、かつ漏水箇所を特定することは困難であった。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−240508号公報(第2頁−第4頁、第1図)
【特許文献2】
特許第3233398号公報(第1頁−第10頁、第2図−第6図)
【特許文献3】
特開2000−5717号公報(第1頁−第4頁、第1図)
【特許文献4】
特開平10−288563号公報(第2頁−第4頁、第1図)
【特許文献5】
特開平7−120343号公報(第2頁−第4頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上述した問題に鑑み、廃棄物処分場の凹所に遮水シートおよび保護砂層などを設置した後に、保護砂層など上に複数の検知電極と印加電極である基準電極と、遮水シートが敷設された遮水部の外部の地盤に印加電極である基準電極とを配置するだけで、遮水シートの外部に配置した基準電極に流した電流が遮水シートの漏水箇所以外から漏洩する場合や検知電極を設置する位置で保護層の厚さなどの違いにより電気抵抗が異なる場合においても、高い精度で遮水シートの漏水の有無を判定することができ、かつ漏水箇所を特定することを可能にする漏水検知装置および漏水検知方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的は、本発明の漏水検知装置および漏水検知方法を用いることで解決される。
【0010】
本発明の請求項1の発明によれば、地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知装置であって、
前記遮水部に敷設された遮水シートの上部に配置される複数の検知電極と、
前記遮水部の外部の前記地盤に配置される第1の基準電極と、
前記遮水シートの上部に配置される第2の基準電極と、
前記第1の基準電極と前記第2の基準電極とに電流を供給する定電流電源と、
前記複数の検知電極を通して流れた電流を測定する電流測定手段とを含み、
前記第1の基準電極に対し、電流を供給し、前記複数の検知電極を通して流れた電流を測定し、電流分布を得、
前記第2の基準電極に対し、電流を供給し、前記複数の検知電極を通して流れた電流を測定し、電流分布を得て、
前記第1の基準電極に電流を供給した場合に得られる電流分布の分布形状と前記第2の基準電極に電流を供給した場合に得られる電流分布の分布形状とを比較することにより前記漏水の有無を判定することを特徴とする漏水検知装置が提供される。
【0011】
本発明の請求項2の発明によれば、前記遮水構造物は、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部との間に電気的に導通する部分を有し、前記電気的に導通する部分は、前記遮水部の内部の浸出水を排水するために構築された、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部とを連通する排水溝である漏水検知装置が提供される。
【0012】
本発明の請求項3の発明によれば、前記漏水検知装置は、前記定電流電源と前記電流測定手段とを含む制御装置を含み、前記制御装置は、さらに、前記第1の基準電極、前記第2の基準電極、前記複数の検知電極をそれぞれ個別に接続可能にする複数のスイッチを含む漏水検知装置が提供される。
【0013】
本発明の請求項4の発明によれば、前記漏水検知装置は、前記電流測定手段により測定された電流値を取得し、取得した前記電流値から前記電流分布を得、前記電流分布の分布形状を比較して前記漏水の有無を判定するためのコンピュータシステムを含み、前記コンピュータシステムは、さらに、比較した前記分布形状の相違部分から漏水箇所を特定する漏水検知装置が提供される。
【0014】
本発明の請求項5の発明によれば、地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知方法であって、該方法は、
前記遮水部に敷設された遮水シートの上部に複数の検知電極を配置する段階と、
前記地盤に配置した第1の基準電極のみに電流を供給し、前記複数の検知電極に流れる該電流を測定する段階と、
前記遮水シートの上部に配置した第2の基準電極のみに電流を供給し、前記複数の検知電極に流れる該電流を測定する段階と、
前記測定して得られた電流値から、前記第1の基準電極に電流を供給した場合の電流分布と、前記第2の基準電極に電流を供給した場合の電流分布とを得、前記それぞれの電流分布の分布形状を比較することにより前記漏水の有無を判定する段階とを含む漏水検知方法が提供される。
【0015】
本発明の請求項6の発明によれば、前記遮水構造物は、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部との間に電気的に導通する部分を有し、前記電気的に導通する部分は、前記遮水部の内部の浸出水を排水するために構築された、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部とを連通する排水溝である漏水検知方法が提供される。
【0016】
本発明の請求項7の発明によれば、前記電流を測定する段階は、前記第1の基準電極および前記第2の基準電極の各々を接続可能にするスイッチを用い、前記第1の基準電極および前記第2の基準電極のいずれかを接続することにより、前記複数の検知電極に流れる電流を測定する段階を含む漏水検知方法が提供される。
【0017】
本発明の請求項8の発明によれば、さらに、比較した前記分布形状の相違部分から漏水箇所を特定する段階を含む漏水検知方法が提供される。
【0018】
本発明の請求項9の発明によれば、前記複数の検知電極を個別に接続可能にする複数のスイッチを用いて、各検知電極間に電流を流し、前記各検知電極間における電気抵抗を測定する段階をさらに含み、測定した前記電気抵抗を用いて前記電流値を補正する漏水検知方法が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面をもって本発明の漏水検知装置および漏水検知方法について詳細に説明する。図1は、廃棄物処分場の概略的な断面を示すとともに、本発明の漏水検知装置を設置したところを示した図である。本発明が適用される廃棄物処分場は、地盤1の凹所と、この凹所に沿って地盤1上に設置された遮水部2とから構成されている。地盤1の凹所は、地表から基礎地盤に向かって掘りこんで人工的に形成されていても良く、また、山間部等の沢や谷間を用いる場合には、その地形を用いることもできる。このような凹所内には、遮水部2が設けられ、遮水部2内に廃棄物3が投棄される。
【0020】
図1に示す遮水部2は、廃棄物3に隣接する砂層または覆土4と、この砂層または覆土4に隣接する遮水シート5と、遮水シート5の下側に設けられた保護土6とから構成されている。砂層または覆土4は、廃棄物3が投棄される際、遮水シート5を保護するために設置される。この砂層または覆土4は、必要とされる高さまで砂または土を設置することができる。遮水シート5としては、合成ゴムまたはプラスチック製のシート、具体的にはメタロセン系触媒で製造された線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、またはチーグラー・ナッタ系触媒で製造された線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)などのオレフィン系樹脂などから形成される遮水シートが用いられる。また、その厚さや材質などは、必要な遮水性、耐久性が得られるものであればいかなるものであっても良い。
【0021】
上述した保護土6は、敷設する遮水シート5の保護に加えて低透水性構造とすることも可能であり、この低透水性構造を、土質材料からなる土質遮水層またはアスファルトからなる遮水層とされており、具体的には、粘土質、アスファルト、コンクリートといった透水性の低い材料が用いられ、これらを適宜組み合わせて用いることも可能である。保護土6は、必要に応じて設けることができ、地盤1の凹所において遮水シート5を充分に保護できるのであれば、設けなくても良い。
【0022】
図1に示す実施の形態では、さらに、遮水部2の内部から遮水部2の外部に向けて、遮水部2の内部の浸出水を排水するための排水溝7が設けられている。この排水溝7は、コンクリート、塩化ビニルなどの高分子樹脂といった絶縁材料から製造されるものの、遮水構造物との継ぎ目、コンクリート部材であれば、内部に水分が含まれているため、その内部を通して、または、その内部および排水を通して電気的に導通した状態とされている。本発明において排水溝7は、雨水など遮水部2の内部に浸出水が貯留されないように適切な量の浸出水が排出される大きさ、数とすることができる。また、本発明においては、この排水溝7のほか、上述した遮水シート5の縁部および道路の取り付け部からも電流が漏洩する。具体的には、土砂を運搬する車両が上記道路を通行することで、遮水部2の内部と遮水部2の外部とが土砂によってつながり、この土砂が水分を含むことにより、これらによって遮水構造物の外部と内部とが電気的に接続される。
【0023】
本発明の漏水検知装置は、砂層または覆土4上の凹所内の底面部8に配置される複数の検知電極9と、遮水部2の外部の地盤1に第1の基準電極10と、砂層または覆土4上の凹所内の底面部8に第2の基準電極11と、第1の基準電極10および第2の基準電極11に電流を供給する定電流電源12と、検知電極9を通して流れた電流を測定する電流測定手段13とを含んでいる。本発明の漏水検知装置は、さらに、電流測定手段13により測定された各検知電極9を通して流れた電流値を取得し、取得した電流値を使用して電流分布を算出し、第1の基準電極10に電流を供給した場合に得られる電流分布と、第2の基準電極11に電流を供給した場合に得られる電流分布との分布形状を比較して漏水の有無を判定するためのコンピュータシステム14と、供給する電流量や各検知電極9を用いて特定の回路を形成するためのスイッチを備える制御装置15とを含んでいる。
【0024】
本発明に用いることができる検知電極9としては、第1の基準電極10から供給される電流が遮水シート5の漏水箇所を通して流れるのを検知することができるのであれば、どのような位置に配置されていても良い。また、検知電極9は、いかなる形状、大きさであっても良い。本発明に用いることができる検知電極9としては、砂層または覆土4上の凹所内の底面部8に配置され、上部に廃棄物3が投棄される場合には、耐腐食性の材料から製造されたものを用いることもできるが、竣工検査を目的とするような場合や腐食したとしても交換が容易であれば、耐腐食性の材料に限らず、電極として使用できるものであればいかなる材料であっても良い。また、検知電極9は、いかなる数設けられていても良いし、保持性を向上させるために砂層または覆土4に向く側に突起などを設けた構造のものでも良い。
【0025】
本発明に用いることができる第1の基準電極10および第2の基準電極11としては、導電性ものであればいかなる材質でも良く、例えば、鉄、銅、鉛、アルミニウム、パラジウムなどの金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリパラフェニレンといった導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイトなどのものを用いることができる。また、本発明に用いることができる第1の基準電極10および第2の基準電極11は、平板、円柱状などいかなる形状であっても良い。さらに、第1の基準電極10および第2の基準電極11は、保持性を向上させるために地盤1に向く側に突起などが設けられていても良い。
【0026】
図1に示す第1の基準電極10と第2の基準電極11とには、それぞれ別々に電流が供給される。したがって、定電流電源12から第1の基準電極10に電流を供給する場合には、第2の基準電極11には、電流が供給されることはなく、第2の基準電極11に電流が供給される場合には、第1の基準電極10に電流が供給されることはないようにされている。例えば、定電流電源12から第1の基準電極10に電流が供給される場合には、電流は、第1の基準電極10から遮水部2の外部の地盤1を通り、排水溝7や道路などを通り、遮水部2の内部の砂層または覆土4を通して検知電極9に流れる。この場合、遮水シート5に漏水箇所が存在するのであれば、電流は、上記排水溝7などのほか、その漏水箇所を通して検知電極9に流れることとなる。また、定電流電源12から第2の基準電極11に電流が供給される場合には、電流は、遮水部2の内部の砂層または覆土4を通して検知電極9に流れる。この場合、電流は、砂層または覆土4を通り、排水溝7や道路を通り抜けて遮水部2の外部へ流れるものもあり、漏水箇所がない場合には、遮水部2の外部の地盤1を通り、再び、該排水溝7とは別の排水溝や道路、砂層または覆土4を通り、検知電極9へと流れ、漏水箇所がある場合には、さらに、一部流れ出た電流が、漏水箇所を通して戻ることとなる。
【0027】
しかしながら、第2の基準電極11と検知電極9との間の砂層または覆土4の電気抵抗に比較して一般に、排水溝7や道路から漏水箇所を経由する第2の基準電極11と検知電極9との間の電気抵抗は大きいため、第2の基準電極11から砂層または覆土4を通して検知電極9に流れる電流に比べ、漏水箇所を通して戻る電流は微量となる。この微量の電流は、後述する電流分布に示したとしても、ほとんど分布形状に変化を与えない程度である。各検知電極9を通して流れる電流は、電流測定手段13により測定され、その測定値は、コンピュータシステム14に与えられる。コンピュータシステム14では、各検知電極9を通して流れる電流の、電流測定手段13による測定値を基にそれぞれについて電流分布を得、それらの分布形状を比較する。こうすることにより、砂層または覆土4の比抵抗分布にばらつきがあった場合であっても、高い精度で漏水を検知することができる。本発明においては、各検知電極9間に電流を流せるようにスイッチが設けられ、スイッチを使用して各検知電極9間に流れる電流を測定することができる。上述した排水溝7において絶縁が完全であり、かつ上述した遮水シート5の縁部および道路の取り付け部においても絶縁が完全である場合には、第2の検知電極11を用いなくても高い精度で漏水を検知することが可能となるが、上述した検知電極9の接地抵抗が砂層または覆土4の厚さ、比抵抗、検知電極9の砂層または覆土4への接触状態などによって各々異なるため、接地抵抗による補正が必要である。この場合の補正としては、上述したスイッチを使用して、各検知電極9間の電流および電圧を測定し、測定で得られた電流および電圧から全ての検知電極9間の電気抵抗を算出し、その電気抵抗を用いて補正することができる。また、この補正には、測定した個々の電流値、電圧値、算出した抵抗値を用いて計算することができる今まで知られたいかなる計算式でも使用することができる。また、これらの計算は、コンピュータシステム14によって行うことができる。
【0028】
本発明においては、所定の検知電極9に流れる電流を測定するため、所定の回路を形成することを可能にする制御装置15を設けることができる。また、本発明においては、上述した漏水箇所以外からの電流の漏洩がない処分場において、この制御装置15を用いて個々の検知電極9に流れる電流およびその間の電圧を測定し、その間の電気抵抗を算出し、電流値を補正することにより、より高い測定精度を提供することができる。また、制御装置15には、リレー回路を含んで構成することができ、所定時間ごとにスイッチを切り替えて各検知電極9に流れる電流を測定することができる。本発明において制御装置15は、定電流電源12および電流測定手段13を含んで構成することもでき、この場合、定電流電源12から供給する電流量の制御を行うことができる。
【0029】
図2は、制御装置14の内部を詳細に示した図である。図2には、地盤1の凹所に遮水シート5が敷設され、遮水シート5上に設置された砂層または覆土4の凹所内の底面部8に5つの検知電極9が配置されているのが示されている。また、遮水シート5の外部の地盤1に第1の基準電極10が配置され、砂層または覆土4上の凹所内の底面部8に第2の基準電極11が配置されているのが示されている。図2に示す実施の形態では、制御装置15は、破線で示されており、定電流電源12および電流測定手段13を含んで構成され、さらに、5つの検知電極9、第1の基準電極10、第2の基準電極11と、定電流電源12とを接続するスイッチS1〜S14を備えている。定電流電源12に設けられるスイッチS13、S14は、協働し、電流の流れる方向を切り替えることができるようになっている。また、制御装置15は、5つの検知電極9を通して流れた電流をそれぞれ測定するために、電流測定手段13として電流測定用のアンプA1〜A6と、定電流電源12の入出の電圧を測定するための電圧測定用のアンプVを備えている。電流測定用のアンプA1〜A6に並列に抵抗が設けられ、アンプA1〜A6が故障した場合や、過電流が流れた場合においても適切に電流が流れるようになっている。電流測定用のアンプA1〜A5は、5つの検知電極9の各々を流れる電流を測定することができ、電流測定用のアンプA6は、5つの検知電極9の合計した電流値を測定することができるようになっている。電流測定用のアンプA1〜A6と、電圧測定用のアンプVとによって測定された電流および電圧は、アナログ信号としてコンピュータシステム14に入力される。コンピュータシステム14では、上述したようにして測定した各検知電極9に流れる電流値を取得することができ、これにより電流分布をそれぞれ得て、それぞれの電流分布を比較し、その相違を検出し、さらには、その相違部分から漏水箇所を特定することができる。また、図2に示すコンピュータシステム14では、上述したように、各検知電極9を設置する位置で、砂層または覆土4における層の厚さ、比抵抗、検知電極9の砂層または覆土4への接触状態などが異なることにより、検出される電流が異なった値を示すため、上記各検知電極9間で測定された電流値および電圧値から電気抵抗を算出し、この電気抵抗から各検知電極9において検出される電流値を補正することができる。
【0030】
図2に示す制御装置15は、スイッチS13、S14を図2に示すように接続し、例えば、スイッチS1、S8〜S12を接続することにより1つの回路を形成することができる。これにより、各検知電極9に流れる電流を電流測定用のアンプA1〜A5で測定し、コンピュータ・システム14に入力することができる。この入力された測定値を使用して電流分布を得ることができる。スイッチS1をスイッチS2に切り換えて、上述したのと同様の操作を行い、各検知電極9を通して流れる電流を測定し、コンピュータシステム14において電流分布を得る。得られた2つの電流分布の分布形状を比較できるように、例えば、コンピュータシステム14のモニタなどに表示することができ、その分布形状の相違により、遮水シート5の漏水の有無を検知することができる。
【0031】
本発明において制御手段15は、スイッチS8〜S12を接続したままで、スイッチS1とS2とを所定時間ごとに切り替えてそれぞれの検知電極9に流れる電流を電流測定用のアンプA1〜A5において測定することができるようにリレー回路を形成することができる。また、スイッチS1とS2との切り替え以外に、各検知電極9において、例えば、スイッチS3、S9のみを接続し、S13、S14を図2に示すように接続して一対の検知電極間に電流を流し、その検知電極間に流れた電流から電気抵抗を算出することができる。このようにして、すべての検知電極間の電気抵抗を算出することができる。これらは、上述した電流補正を行うために使用することができる。図2においては、検知電極9を5つとして説明したが、本発明においては、いかなる個数の検知電極9でも使用することができる。この場合、使用する検知電極9の個数に応じたスイッチの数、電流測定手段13の数とすることができる。また、検知電極9が電気分解を生じる材料である場合、図2に示すスイッチ13、14を用い、所定時間ごとに切り替えて電流の流れる向きを変えることができる。
【0032】
本発明においては、上述した排水溝7において絶縁が完全であり、かつ上述した遮水シート5の縁部および道路の取り付け部においても絶縁が完全である場合に限らず、第1の基準電極10および第2の基準電極11を用いて電流分布を求める際に、上述した電流補正を併用することもできる。この場合、予め各検知電極9間の電流、電圧を測定し、各間の電気抵抗を求める。その電気抵抗を用いて補正係数を算出し、この補正係数を用いて上記電流分布を補正する。これにより、さらに高い精度の電流分布を得ることができ、より高い精度で遮水シート5の漏水の有無を検知することが可能となる。各検知電極9間の電流、電圧は、スイッチS13、S14を接続し、例えば、スイッチS4およびS10を接続することにより測定することができる。この場合、アンプA3とアンプVとによって電流値および電圧値をそれぞれ測定することができる。例えば、任意の検知電極9を3つ(例えば、x、y、z)選択し、それらの間の電気抵抗(Rxy、Rxz、Ryz)をそれぞれ算出し、任意の1つの検知電極9(x)では、((Rxy+Rxz)−Ryz)/2なる計算式から上記検知電極9(x)に対する係数を算出する。それぞれの検知電極9に対して上記式から上記係数を求め、例えば、検知電極x、y、zにおいて、それぞれの上記係数が、1Ω、1.2Ω、1.3Ωであったとすれば、それぞれの電流値を補正する補正係数としては、1、1.2、1.3を用いることができる。
【0033】
図3〜図8を用いて本発明の漏水検知方法について詳細に説明する。図3および図4は、遮水シート5に漏水箇所がない場合について示されている。なお、遮水構造の内部と外部とを電気的に導通する部分としては、排水溝7以外にも、道路の取り付け部や遮水シート5の端部などがあるが、以下、排水溝7のみを電気的に導通する部分として説明する。図3は、本発明の漏水検知方法を理解しやすくするために、遮水シート5と、遮水シート5の内部に複数の検知電極9と第2の基準電極11とのみが示されている。図示しない定電流電源から第2の基準電極11に電流が供給され、第2の基準電極11から電流は、砂層または覆土4を通して複数の検知電極9に電流が流されている。この場合、一部の電流は、第2の基準電極11から砂層または覆土4を通り、排水溝7を通して遮水部2の外部へと流れようとするものの、電気回路が形成されないため、遮水部2の外部へは電流が流れない。
【0034】
図4も、本発明の漏水検知方法を理解しやすくするために、遮水シート5と、遮水シート5の内部に複数の検知電極9と、遮水シート5の外部に第1の基準電極10とのみが示されている。図示しない定電流電源から第1の基準電極10に電流が供給され、第1の基準電極10から電流は、地盤1を通り、排水溝7を通り、砂層または覆土4を通して複数の検知電極9に流れる。この場合、遮水シート5に漏水箇所がないため、排水溝7以外の部分を通して検知電極9に電流は流れない。
【0035】
図5は、図3および図4に示す実施の形態で、各検知電極9を通して流れる電流値を測定することにより得られた電流分布を示した図である。図5(a)は、図3に示す実施の形態から得られる電流分布であり、図5(b)は、図4に示す実施の形態から得られる電流分布である。図5(a)、(b)で示された電流分布は、縦軸が電流値である測定値を示し、横軸は各検知電極9の位置である測定位置を示している。測定値は、測定精度によっても異なるが、例えばアンペア(A)、ミリアンペア(mA)、マイクロアンペア(μA)などいかなる単位であっても良い。また、測定値は、電流値に限らず、抵抗値であっても良い。測定位置は、図3および図4に示したように処分場を所定の断面で切断してできる任意の位置から一方向に並んだそれぞれの検知電極9の位置とすることができる。図3及び図4に示す実施の形態では、一方向に5つの検知電極9が配置されていて、この5つの検知電極9を通して流れた電流を測定し、それらを滑らかにつなぎ合わせることにより、図5(a)、(b)に示した二次元の電流分布を作成することができる。本発明においては、図5(a)、(b)に示されるように二次元の電流分布であっても良いし、三次元の電流分布であっても良い。
【0036】
図5(a)、(b)で示される電流分布はそれぞれ、各測定位置における電流値も、分布形状もほぼ同じ形状となっている。これは、第1の基準電極10と第2の基準電極11とに供給される電流量が同じ値であり、第1の基準電極10から供給される電流は、すべて排水溝7を通して検知電極9に流れ、また、第2の基準電極11から供給される電流は、砂層または覆土4を通して直接的に検知電極9へと流れ、いずれも漏水箇所がないことにより、漏水箇所による影響を受けることもなく、したがって、検知電極9に流れる電流は、いずれの場合もほぼ同じ値を示す。そのため、一方の電流分布を他方の電流分布で差し引いた電流分布は、図5(c)で示されるように、いずれの検知電極9の位置でも均一の分布となり、漏水箇所のない遮水シート5であることがわかる。
【0037】
図6〜図8は、遮水シート5に漏水箇所が存在する場合について示したものである。図6は、本発明の漏水検知方法を理解しやすくするために、遮水シート5と、遮水シート5の内部に複数の検知電極9と第2の基準電極11とのみが示されている。図示しない定電流電源から第2の基準電極11に電流が供給され、第2の基準電極11から電流は、砂層または覆土4を通して複数の検知電極9に電流が流されている。また、一部の電流は、第2の基準電極11から砂層または覆土4を通り、排水溝7を通して遮水シート5の外部へと流れ、遮水シート5の外部へ流れた電流は、地盤1を通り、漏水箇所Bを通して再び砂層または覆土4を通り、検知電極9へと流れる。漏水箇所Bを経由して流れる場合の電気抵抗は、第2の基準電極11から砂層または覆土4を通して直接的に検知電極9に流れる場合の電気抵抗に比べて大きいため、漏水箇所Bを経由して流れる電流はわずかである。このことから、図6に示す実施の形態で得られる電流分布と図3に示す実施の形態で得られる電流分布とが、ほぼ同じものとなる。
【0038】
図7も、本発明の漏水検知方法を理解しやすくするために、遮水シート5と、遮水シート5の内部に複数の検知電極9と、遮水シート5の外部に第1の基準電極10とが示されている。図示しない定電流電源から第1の基準電極10に電流が供給され、第1の基準電極10から電流は、地盤1を通り、1つは排水溝7を通り、その他は漏水箇所Bを通して遮水シート5の内部へ供給される。排水溝7および漏水箇所Bを通して供給された電流は、遮水シート5の内部の砂層または覆土4を通して複数の検知電極9へと流れる。図7に示す実施の形態は、図4に示す実施の形態に漏水箇所Bが追加された状態であり、この漏水箇所Bを通して電流が流れることにより、図4に示す実施の形態で得られる電流分布から変化することとなる。なお、図4に示す実施の形態で得られる電流分布の分布形状は、図3に示す実施の形態で得られる電流分布の分布形状とほぼ同じであり、また、上述したように、図3に示す実施の形態で得られる電流分布の分布形状と図6に示す実施の形態で得られる電流分布の分布形状とがほぼ同じであることから、図4に示す実施の形態で得られる電流分布の分布形状と図6に示す実施の形態で得られる電流分布の分布形状ともほぼ同じのものとなる。しかしながら、上述したように、図4に示す実施の形態で得られる電流分布の分布形状から変化するため、図7に示す実施の形態で得られる電流分布は、図6に示す実施の形態で得られる電流分布とは相違した分布形状が得られることとなる。一般に、排水溝7および漏水箇所Bを経由する電気抵抗は、排水溝7の材質が絶縁物であり、漏水箇所Bの穴も小さいことから、砂層または覆土4の電気抵抗に比べて大きく、図6に示す実施の形態で測定した複数の検知電極9に流れる電流から得られた電流分布と、図7に示す実施の形態で測定し、得られた電流分布とにおいて、明確に相違した分布形状を得ることができる。なお、本発明においては、上記排水溝7および漏水箇所Bの電気抵抗と、上記砂層または覆土4の電気抵抗との差は、数倍、例えば2倍、であっても相違した分布形状を得ることができる。それぞれの電気抵抗は、少なくとも数倍以上になるため、必ずしも測定する必要はないが、測定する場合には、これまで知られたいかなる測定装置を用い、いかなる方法を使用して測定することができる。
【0039】
図8は、図6および図7に示す実施の形態で、各検知電極9を通して流れる電流値を測定することにより得られた電流分布を示した図である。図8(a)は、図6に示す実施の形態から得られる電流分布であり、図8(b)は、図7に示す実施の形態から得られる電流分布である。縦軸および横軸については、図5と同様である。図8(a)で示された電流分布は、図5(a)で示された電流分布とほぼ同じ分布形状となっている。これは、漏水箇所Bが存在したとしても、排水溝7と漏水箇所Bとの両方を経由する場合における電気抵抗が大きいため、大部分が直接検知電極9に流れるからである。図8(b)で示された電流分布は、上述したように漏水箇所Bを通して流れる電流により、図5(b)で示された電流分布からその分布に変化を生じている。したがって、漏水箇所B付近での各測定位置における電流値が異なり、分布形状も異なった形状となっている。この電流分布では、特に漏水箇所Bの位置でピークを示している。このように漏水箇所Bの穴の大きさが大きい場合には、このピークが顕著となるが、小さい場合には、このピークが顕著とはならないので、漏水箇所Bが存在するか否か判別が困難となる。そこで、上述したように、図8(a)で示された電流分布の分布形状と図8(b)で示された電流分布の分布形状とを比較するため、一方の分布形状から他方の分布形状を差し引いて、図8(c)で示される電流分布を得、これにより漏水箇所Bの有無を判別することができる。図8(c)に示す電流分布は、漏水箇所Bを通して電流が流れるために、測定位置の一部分、すなわち漏水箇所Bにおいてピークを示す。上述したように、漏水箇所Bが存在しない場合には、図5(c)に示されるように、この電流分布が均一な分布となるのに対し、漏水箇所Bが存在する場合には、この分布が不均一となる(例えば、漏水箇所が複数ある場合には、複数のピークを示す。)。したがって、この不均一な分布を検出することにより、漏水箇所の有無を判定することができる。
【0040】
本発明においては、排水溝7などの漏水箇所以外に導通する部分の電気抵抗が砂層または覆土4、地盤1と同等またはそれより小さい電気抵抗でない限り、図8に示されるように分布形状に差が生じるため、漏水箇所が存在することを検知することが可能である。また、漏水箇所Bは、図8(c)に示されるように分布形状の差において、ピークを示す位置により特定することができる。本発明においては、上記漏水箇所Bを特定する場合に、所定のしきい値を設け、そのしきい値を超える部分がある場合に漏水箇所が存在するものとして扱い、そのピークを漏水箇所として特定することができ、そのしきい値以下のものについては、測定誤差などとして扱うことができる。しきい値については、漏水箇所の検出精度などによって適切な値を設定することができる。
【0041】
【発明の効果】
上述したように、本発明の漏水検知装置および漏水検知方法は、廃棄物処分場の凹所に遮水シートおよび保護砂層などを設置した後に、保護砂層などの上に複数の検知電極と印加電極である基準電極と、遮水シートが敷設された遮水部の外部の地盤に印加電極である基準電極とを配置するだけで、保護層の厚さ、電極の設置状態などの違いにより電気抵抗が異なっていても、また、遮水シートの漏水箇所以外から漏洩する場合であっても、遮水シートの漏水箇所の有無を高い精度で検知し、かつその漏水箇所を特定することが可能となる。
【0042】
本発明の漏水検知装置は、構成が簡単であるため、安価で提供することが可能である。また、遮水シート下部に電極を配置する必要がなく、装置の設置も容易であるため、処分場の施工工程を短縮することができ、施工管理も容易であり、漏水検知装置が組み込まれていない処分場に後から設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 廃棄物処分場の概略的な断面を示すとともに、本発明の漏水検知装置を設置したところを示した図。
【図2】 本発明の漏水検知装置に用いることができる制御装置の内部を詳細に示した図。
【図3】 遮水シートに漏水箇所がない場合に、第2の基準電極に電流を供給し、各検知電極に流れる電流を測定しているところを示した図。
【図4】 遮水シートに漏水箇所がない場合に、第1の基準電極に電流を供給し、各検知電極に流れる電流を測定しているところを示した図。
【図5】 図3および図4で測定した電流値を基に電流分布を表示した図。
【図6】 遮水シートに漏水箇所が存在する場合に、第2の基準電極に電流を供給し、各検知電極に流れる電流を測定しているところを示した図。
【図7】 遮水シートに漏水箇所が存在する場合に、第1の基準電極に電流を供給し、各検知電極に流れる電流を測定しているところを示した図。
【図8】 図6および図7で測定した電流値を基に電流分布を表示した図。
【符号の説明】
1…地盤
2…遮水部
3…廃棄物
4…砂層または覆土
5…遮水シート
6…保護土
7…排水溝
8…底面部
9…検知電極
10…第1の基準電極
11…第2の基準電極
12…定電流電源
13…電流測定手段
14…コンピュータシステム
15…制御装置
A1〜A6…電流測定用のアンプ
S1〜S14…スイッチ
V…電圧測定用のアンプ
B…漏水箇所
Claims (9)
- 地盤の凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部を備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知装置であって、
前記遮水構造物は、前記遮水部の上部に設置された保護層と、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部との間を電気的に導通する部分とを有し、
前記保護層の上部に配置される複数の検知電極と、
前記遮水部の外部の前記地盤に配置される第1の基準電極と、
前記保護層の上部に配置される第2の基準電極と、
前記第1の基準電極と前記第2の基準電極とに電流を供給する定電流電源と、
前記複数の検知電極を通して流れた電流を測定する電流測定手段とを含み、
前記第1の基準電極に対し、電流を供給し、前記複数の検知電極を通して流れた電流を測定し、電流分布を得、
前記第2の基準電極に対し、電流を供給し、前記複数の検知電極を通して流れた電流を測定し、電流分布を得て、
前記第1の基準電極に電流を供給した場合に得られる電流分布の分布形状と前記第2の基準電極に電流を供給した場合に得られる電流分布の分布形状とを比較することにより前記漏水の有無を判定することを特徴とする、漏水検知装置。 - 前記遮水構造物の前記電気的に導通する部分は、前記遮水部の内部の浸出水を排水するために構築された、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部とを連通する排水溝である、請求項1に記載の漏水検知装置。
- 前記漏水検知装置は、前記定電流電源と前記電流測定手段とを含む制御装置を含み、前記制御装置は、さらに、前記第1の基準電極、前記第2の基準電極、前記複数の検知電極をそれぞれ個別に接続可能にする複数のスイッチを含む、請求項1または2に記載の漏水検知装置。
- 前記漏水検知装置は、前記電流測定手段により測定された電流値を取得し、取得した前記電流値から前記電流分布を得、前記電流分布の分布形状を比較して前記漏水の有無を判定するためのコンピュータシステムを含み、前記コンピュータシステムは、さらに、比較した前記分布形状の相違部分から漏水箇所を特定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の漏水検知装置。
- 地盤の凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部を備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知方法であって、
前記遮水構造物は、前記遮水部の上部に設置された保護層と、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部との間を電気的に導通する部分とを有し、
該方法は、
前記保護層の上部に複数の検知電極を配置する段階と、
前記地盤に配置した第1の基準電極のみに電流を供給し、前記複数の検知電極に流れる該電流を測定する段階と、
前記保護層の上部に配置した第2の基準電極のみに電流を供給し、前記複数の検知電極に流れる該電流を測定する段階と、
前記測定して得られた電流値から、前記第1の基準電極に電流を供給した場合の電流分布と、前記第2の基準電極に電流を供給した場合の電流分布とを得、前記それぞれの電流分布の分布形状を比較することにより前記漏水の有無を判定する段階とを含む、漏水検知方法。 - 前記遮水構造物の前記電気的に導通する部分は、前記遮水部の内部の浸出水を排水するために構築された、前記遮水部の外部と前記遮水部の内部とを連通する排水溝である、請求項5に記載の漏水検知方法。
- 前記電流を測定する段階は、前記第1の基準電極および前記第2の基準電極の各々を接続可能にするスイッチを用い、前記第1の基準電極および前記第2の基準電極のいずれかを接続することにより、前記複数の検知電極に流れる電流を測定する段階を含む、請求項5または6に記載の漏水検知方法。
- さらに、比較した前記分布形状の相違部分から漏水箇所を特定する段階を含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の漏水検知方法。
- 前記複数の検知電極を個別に接続可能にする複数のスイッチを用いて、各検知電極間に電流を流し、前記各検知電極間における電気抵抗を測定する段階をさらに含み、測定した前記電気抵抗を用いて前記電流値を補正する、請求項5〜8のいずれか1項に記載の漏水検知方法。
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