JP3715682B2 - 映像送信装置、映像伝送システム及び映像送信方法 - Google Patents

映像送信装置、映像伝送システム及び映像送信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複数のビデオカメラの出力映像を映像受信装置に送信する映像送信装置映像伝送システム及び映像送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
汎用コンピュータを用いたテレビ会議システム又はビデオ会議システムでは、パン、チルト及びズームなどを外部制御できるビデオ・カメラが映像入力手段として用いられる。この場合、通常は、1台のコンピュータに1台のビデオ・カメラが接続され、ビデオ・カメラは、そのコンピュータのオペレータを撮影する向きに設置される。
【0003】
また近年、複数の遠隔地の状況を把握するためのツールとして、アウエアネス・システムと呼ばれるシステムの研究開発が進んでいる。このシステムは、通常、複数の地点にコンピュータ制御可能なビデオ・カメラと、これを制御すると共に、入力された映像を送信するためのコンピュータとを配置して、遠隔地のセンターで、複数の地点からの映像を同時に見ることができるようにしたものであり、いわゆる、遠隔監視システムに近似している。提案されているアウエアネス・システムでも、1台のコンピュータに1台のビデオ・カメラが接続される構成がとられることが多い。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
パン、チルト及びズームが可能なビデオ・カメラでっても、それらの可動範囲には限界があるので、映像入力できる範囲にも制限があり、ビデオ・カメラの周囲の狭い範囲の映像しか取り込めない。
【0005】
また、1台のビデオ・カメラを制御するために1台のコンピュータが必要となるため、コスト的に見て、ビデオ・カメラを増設するのが困難である。
【0008】
更には、1台のコンピュータで複数のビデオ・カメラを制御できるようにするのは、困難では無いが、複数のビデオ・カメラの出力映像を送信するには、単純に考えてビデオ・カメラの台数分の回線容量が必要になり、通信コスト負担がビデオ・カメラの台数に比例して増大する。
【0010】
コンピュータにビデオ・カメラを接続して映像通信を行なう場合、コンピュータ1台にビデオ・カメラを1台接続したので、ビデオ・カメラの増設に際してのコストが大きい。これを解決するには、スイッチャによりカメラ映像を切り替えて送信する構成や、コンピュータに複数のビデオ・カメラの映像出力を入力する装置を導入し複数映像を送信できるようにする構成が考えられるが、前者では複数の映像を時間的に切り替えて送信するので、送信された映像が不自然さを持ちやすい。また、後者では、各カメラ毎に映像伝送路を確保しなければならず、大きな通信容量が必要となり、更には、映像送信を行なうCPU負荷も大きくなるという問題がある。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決する映像送信装置、映像伝送システム及び映像送信方法を提示することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る映像送信装置は、外部接続された複数のビデオカメラのアナログ出力映像の中から、1つのアナログ出力映像を所定順序及びタイミングで選択する映像入力切替え手段と、前記映像入力切替え手段により選択された1つのアナログ出力映像をA/D変換し、前記A/D変換により得られたデジタル出力映像を所定形式で符号化して符号化映像を得る変換手段と、前記変換手段により得られた符号化映像を所定周期で1フレームずつネットワークを介して所定の映像受信装置に対して送信する送信手段とを具備し、前記映像入力切替え手段が所定の1つのビデオカメラのアナログ出力映像を第1期間の間選択し、当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラのアナログ出力映像を前記第1期間よりも短い第2期間の間選択することにより、前記送信手段は、当該所定のビデオカメラの符号化映像を所定以上のフレーム・レートで送信し当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラの符号化映像を当該所定以上のフレーム・レートより遅いフレーム・レートで送信することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る映像伝送システムは、複数のビデオカメラに接続された映像送信装置から送信された映像を映像受信装置において表示する映像伝送システムであって、前記映像送信装置は、外部接続された複数のビデオカメラのアナログ出力映像の中から、1つのアナログ出力映像を所定順序及びタイミングで選択する映像入力切替え手段と、前記映像入力切替え手段により選択された1つのアナログ出力映像をA/D変換し、前記A/D変換により得られたデジタル出力映像を所定形式で符号化して符号化映像を得る変換手段と、前記変換手段により得られた符号化映像を所定周期で1フレームずつネットワークを介して所定の映像受信装置に対して送信する送信手段とを具備し、前記映像受信装置は、前記送信手段により送信された出力映像を表示する表示手段を具備し、前記映像入力切替え手段が所定の1つのビデオカメラのアナログ出力映像を第1期間の間選択し、当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラのアナログ出力映像を前記第1期間よりも短い第2期間の間選択することにより、前記送信手段は、当該所定のビデオカメラの符号化映像を所定以上のフレーム・レートで送信し当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラの符号化映像を当該所定以上のフレーム・レートより遅いフレーム・レートで送信し、前記映像受信装置の前記表示手段は、前記送信手段により送信された複数のビデオカメラの出力映像を一覧表示することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る映像送信方法は、複数のビデオカメラの出力映像を映像受信装置に送信する映像送信装置の映像送信方法であって、外部接続された複数のビデオカメラのアナログ出力映像の中から、1つのアナログ出力映像を所定順序及びタイミングで選択する映像入力切替え工程と、前記映像入力切替え工程により選択された1つのアナログ出力映像をA/D変換し、前記A/D変換により得られたデジタル出力映像を所定形式で符号化して符号化映像を得る変換工程と、前記変換工程により得られた符号化映像を所定周期で1フレームずつネットワークを介して所定の映像受信装置に対して送信する送信工程とを具備し、前記映像入力切替え工程が所定の1つのビデオカメラのアナログ出力映像を第1期間の間選択し、当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラのアナログ出力映像を前記第1期間よりも短い第2期間の間選択することにより、前記送信工程は、当該所定のビデオカメラの符号化映像を所定以上のフレーム・レートで送信し当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラの符号化映像を当該所定以上のフレーム・レートより遅いフレーム・レートで送信することを特徴とする。
【0018】
【作用】
上記手段により、1台で複数の映像入力手段を制御できるようになる。複数の映像入力手段を具備するので、より広い範囲の映像を取り込めるようになる。これらにより、1地点でのコストを大幅に低減できる。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。10−1,10−2,・・・,10−Nは、パン、チルト、ズーム及びフォーカス等を外部制御自在なビデオ・カメラ、12は、コンピュータ20からの制御信号に従い、ビデオ・カメラ10−1,10−2,・・・,10−Nの1つの出力映像信号を選択し、コンピュータ20に供給するカメラ映像入力選択装置である。カメラ映像入力選択装置12はまた、コンピュータ20からのカメラ制御信号に従い、ビデオ・カメラ10−1,10−2,・・・,10−Nのうちの任意に指定されたビデオ・カメラのパン等を制御する。カメラ映像入力選択装置12とコンピュータ20を結ぶ制御信号線は、本実施例ではRS−232Cであるが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。
【0023】
コンピュータ20において、22は、全体を制御するCPU、24は主記憶、26は、カメラ映像入力選択装置12を制御する制御信号を出力する制御信号ポート、28は、カメラ映像入力選択装置12からの映像信号をA/D変換して取り込むビデオ・キャプチャ装置、30はビットマップ・ディスプレイ、32は、コンピュータ20をコンピュータ・ネットワーク又は通信回線網に接続するネットワーク・インターフェース、34は、CPU22乃至インターフェース32を相互に接続する内部バスである。ネットワーク・インタフェース32により、コンピュータ20にネットワークを経由して遠隔地からカメラ制御信号を送り、カメラ10−1,10−2,・・・,10−Nのパン等を制御させることができる。
【0024】
カメラ映像入力選択装置12は、ビデオ・カメラ10−1,10−2,・・・,10−Nのうち、コンピュータ20の制御信号ポート26からの制御信号により指定される1台の出力映像を選択してビデオ・キャプチャ装置28に供給する。ビデオ・キャプチャ装置28は、カメラ映像入力選択装置12からの映像信号をアナログ・ディジタル変換すると共に所定の内部形式に変換し、バス34を介して主記憶24に転送する。主記憶24に取り込まれたビデオ・データは、ネットワーク・インターフェース32を介してネットワークに出力されると共に、ディスプレイ30にも供給されて映像表示される。
【0025】
本実施例では、各カメラ10−1,10−2,・・・,10−Nの出力映像を送信するネットワーク上の伝送路を、それぞれ、論理的にチャネル1、チャネル2、・・・チャネルNと呼んで区別する。映像データは、実際には圧縮符号化されて各チャネルに伝送されるが、本発明の必須の要素では無いので、圧縮符号化の処理については説明を省略した。また、本実施例では、N個のカメラのうち、1つのカメラの出力映像を高いフレーム・レートで送信し、他のカメラの出力映像を相対的に低いフレーム・レートで送信するので、各チャネルの伝送容量が全て30フレーム/秒を満たす必要は無い。高いフレーム・レートで映像を伝送するチャネルに、動的に十分大きな伝送容量を割り当てればよい。
【0026】
本実施例では、映像は、ブロードキャスト・アドレスを使用して送信される。ブロードキャストのために確保したN個のポート番号にチャネル番号を割り当てる。ブロードキャスト時にチャネルを指定することで、複数の映像を実質的に同時にブロードキャストできるようになる。ネットワークのプロトコルとしては、TCP/IPなど様々なものがあり、送信するアドレスにもブロードキャスト・アドレスの他に、マルチキャスト・アドレス及びユニキャスト・アドレスがある。本実施例では、カメラ10−1,10−2,・・・,10−Nの台数分の数の通信路を確保できれば、プロトコル及びアドレス共に、上記例に限定されない。
【0027】
このようなN個の通信路を確保しておき、例えば、カメラ10−1の出力映像をチャネル1に送信し、カメラ10−2の出力映像をチャネル2に送信し、カメラ10−m(mは1以上で、N以下)の出力映像をチャネルmに送信する。
【0028】
映像送信の開始を指示する命令として、以下の命令を設けた。即ち、
send(m)
m:チャネル番号(1≦m≦N)
この命令に応じて、図2に示すように、ビデオ・キャプチャ装置28は、カメラ映像入力選択装置12からの1フレーム分の映像信号をA/D変換して取り込み(S1)、取り込まれた映像がディスプレイ30により表示され(S2)、ネットワーク・インターフェース32を介してネットワークのチャネルmに出力される(S3)。
【0029】
また、カメラ映像入力選択装置12へのカメラ映像選択切り替え命令として、以下の命令を設けた。即ち、
change(n)
n:カメラ番号(1≦n≦N)
この命令は、カメラ映像入力選択装置12に対し、カメラ番号nのカメラ映像を選択してコンピュータ20に出力することを指示するものであり、これに対応する制御信号が制御信号ポート26からカメラ映像入力選択装置12に供給される。実際に試験した例では、change命令の実行には約1秒程度かかった。勿論、各部の処理速度によって、これより速くなり、又は遅くなる。
【0030】
本実施例では、N個のカメラ映像のそれぞれを、一定の時間間隔で更新される静止画として送信するように動作させることができる。これにより、伝送する映像数に比べて、伝送回線の容量が少なくて済む。なお、以下の説明では、フレームの更新が1秒以上の時間で行なわれる連続的に表示される映像を「静止画」と呼び、これに対して、より短いレートでフレームが更新される連続映像を「動画」と呼ぶ。即ち、本実施例では、フレーム・レートが1フレーム/秒未満の場合に静止画と呼び、1フレーム/秒以上の場合に動画と呼ぶ。
【0031】
図3は、本実施例の第1の動作フローチャートを示す。先ず、ネットワーク上にカメラ10−1,・・・,10−Nの数と同じN個の通信チャネルを確保する(S11)。1フレーム送信するカメラを指定するカメラ番号変数nに1をセットする(S12)。ここでは、変数nの初期値を1としたが、0又は2からN−1までのどの数値をセットしてもよいことは明らかである。
【0032】
映像を送信するカメラを循環的に切り替えていくためには、change命令及びsend命令を一定時間間隔で発行すればよい。図3では、これをタイムアウト手続きにより実現している。即ち、change命令による映像切替えと、1フレーム分の映像の取り込みと送信のsend命令の発行周期をTs(秒)とし、これをタイムアウト時間として登録する(S13)。ここでは、Ts=10秒とした。
【0033】
タイムアウトの発生、即ちTsの経過を待ち(S14)、タイムアウトの発生を検出すると(S15)。以降の処理で消費する時間も加味するために、先ず、Tsを再びタイムアウト登録する(S16)。
【0034】
カメラ番号変数nをインクリメントし(S17)、Nより大きくなれば(S18)、変数nに1をセットする(S19)。このカメラ番号変数nをパラメータとして、change命令によりカメラ映像入力を切り替え(S20)、send命令によりそのカメラ映像をチャネル番号nのチャネルに1フレーム送信する(S21)。change命令とsend命令で同じ変数nをパラメータとしているので、カメラ番号nのカメラ映像がチャネル番号nの通信路に送信されることになる。
【0035】
send命令の発行後、S14に戻り、次のタイムアウトを待つ。
【0036】
このようにして、カメラ10−1,10−2,・・・,10−Nの出力映像が循環的に、Ts(ここでは10秒)の時間間隔で選択され、対応するチャネルに送信される。受信側から見ると、各カメラの映像は、Ts×N毎に更新される静止画になっている。
【0037】
S17〜S21の処理に要する時間をTpとすると、タイムアウト時間Tsは、
Ts>Tp
であればよいことは明らかである。即ち、Tsは、上式を満たす限り、10秒である必要はない。本実施例では、change命令の処理時間を1秒程度としているので、Tpが1秒より小さくなることはない。従って、Tsも、1秒より小さくとることはできない。
【0038】
このように動作させることで、各カメラ映像が低いフレーム・レートで送信されることになり、低速なコンピュータでも十分に対応できるようになる。受信側では、低いフレーム・レートではあるが、多数のカメラ映像を受信できるので、広い範囲を大雑把に把握できる。
【0039】
本実施例はまた、N個のカメラ映像の内の1つを、所定期間、動画として送信するとともに、動画として送信するカメラ映像を一定周期で順次切り替えていくことができる。映像を送信しないカメラの映像は、受信側では静止画となる。これにより、図3の場合に比べて、受信側では、循環的で間欠的ではあるが、各カメラの撮影範囲の時間的な変化をより細かく把握できるようになる。このような動作を実現するフローチャートを図4に示す。図4では、カメラ映像を切り替えるための時間変数Tsに加えて、動画伝送のフレーム周期を規定する時間変数tsを導入する。
【0040】
先ず、ネットワーク上にカメラ10−1,・・・,10−Nの数と同じN個の通信チャネルを確保する(S31)。1フレーム送信するカメラを指定するカメラ番号変数nに1をセットする(S32)。変数nは1からNまでの何れであってもよい。時間変数Ts及びtsをタイムアウト登録し(S33,34)、イベント(ここではタイムアウト)の発生を待つ(S35)。ここでは、ts=0.1秒とした。
【0041】
タイムアウトの発生を検出したら(S36)、それが、Tsによるものか、又はtsによるものかを判別する(S37)。tsによるタイムアウトの場合には、tsを再びタイムアウト用に登録し(S38)、カメラ番号変数nをパラメータとするsend命令により、カメラ番号nのカメラの出力映像をチャネルnに1フレーム、送信し(S39)、S35に戻る。Tsに相当する時間(即ち、10秒)が経過するまで、ts(0.1秒)を周期として、カメラ10−nの映像がチャネルnに出力される。即ち、カメラ10−nの映像が、10フレーム/秒のフレーム・レートで10秒間、チャネルnに出力される。
【0042】
タイムアウトの発生がTsによるものであるとき(S37)、先ず、Tsを再びタイムアウト登録する(S40)。カメラ番号変数nをインクリメントし(S41)、Nより大きくなれば(S42)、変数nに1をセットする(S43)。このカメラ番号変数nをパラメータとして、change命令によりカメラ映像入力を切り替え(S44)、S35に戻って、次のイベントの発生を待つ。
【0043】
このようにして、カメラ10−1の映像が10秒間、10フレーム/秒で送信されると、カメラ10−2の映像が同様に、10秒間、10フレーム/秒で送信される。カメラ10−3,・・・10−Nと切り替わっていき、カメラ10−Nの後には、再びカメラ10−1の映像が、10秒間、動画送信される。受信側から見ると、各カメラ映像は10秒間、動画で表示された後、10×(N−1)秒間静止画となる。この動作例では、伝送路の伝送容量は、10フレーム/秒を満たし得るものであればよい。
【0044】
S41からS44の処理を実行するのに要する時間は、Tsより短くなければならない。勿論、Ts>tsでなければならない。
【0045】
本実施例はまた、N個のカメラ映像のなかから1つを重点的に、即ち動画として送信し、残りのN−1個のカメラ映像を一定時間毎に更新される静止画として送信することもできる。図5は、その動作フローチャートを示す。
【0046】
図5を説明する。先ず、ネットワーク上にカメラの数と同じN個の通信路を確保する(S51)。1フレーム送信するカメラを指定するカメラ番号変数nに1をセットする(S52)。動画送信するカメラのカメラ番号を変数kにセットする(S53)。変数kは、1からNまでの何れであってもよいが、ここでは1にしている。change命令により、映像を取り込むカメラをカメラ番号kのカメラに切り替える(S54)。
【0047】
カメラ映像を切り替えるための時間変数Tsと、動画伝送のフレーム周期を規定する時間変数tsの各値をタイムアウト登録し(S55,S56)、イベントの発生を待つ(S57)。ここでは、Ts=10秒、ts=0.1秒とした。
【0048】
Ts又はtsのタイムアウトの発生を検出すると(S58)、tsのタイムアウトではS60以降を実行し、TsのタイムアウトではS62以降を実行する(S59)。通常は、先ず、tsのタイムアウトが発生する。
【0049】
tsのタイムアウトのとき(S59)、tsを再びタイムアウトに再登録し(S60)、カメラ番号kのカメラ映像をチャネルkに1フレーム送信し(S61)、S57に戻る。Ts=10秒、ts=0.1秒としたので、カメラ番号kのカメラ映像が、10秒間にわたり、10フレーム/秒で送信される。
【0050】
Tsのタイムアウトが発生すると(S59)、Tsを再びタイムアウトに再登録し(S62)、カメラ番号nをインクリメントする(S63)。新たなカメラ番号nがkに一致する場合(S64)、nを更にインクリメントする(S65)。カメラ番号kのカメラ映像が動画送信の対象になっているからである。nがNを越えていれば、nに1をセットする(S66,S67)。
【0051】
送信すべきカメラをchange命令によりカメラ番号nのカメラに切り替え(S68)、send命令によりカメラ番号nのカメラ映像をチャネルnに1フレーム送信し(S69)、送信すべきカメラをchange命令によりカメラ番号kのカメラに切り替える(S70)。再びS57に戻り、イベントの発生を待つ。
【0052】
Tsは、S63からS70の処理を行なうのにかかる時間より長い時間に設定されなければならない。勿論、tsはTsよりも短くなければならない。
【0053】
このようにして、カメラ10−1の映像を動画で送信しつつ、それ以外のカメラの映像を10秒間隔で切り替えながら静止画として、送信できる。どの映像がどのカメラによるものかは、各映像が伝送される伝送チャネルにより識別できる。受信側から見ると、カメラ10−1の映像は10秒毎に、他のカメラ映像を1フレーム送信する処理に要する時間、即ち、S63〜S70の処理に要する時間だけ、途切れる動画になっており、他のカメラ映像は、それぞれ、10×(N−1)秒毎に更新される静止画となっている。
【0054】
このような機能又は動作は、TV会議システム又はビデオ会議システムなどで、相手端末のオペレータを重点的に映像表示しながらも、なおかつ周囲の状況も表示したいといった場合に好適である。
【0055】
図3に示す動作例では、各カメラ映像の切り替えを高速に実行できれば、各カメラ映像を動画送信できる。例えば、先に説明したTpを0.05秒以下にでき、且つ、Nが10程度のときには、各カメラ映像のフレーム・レートは、2{=1/(T×N)}フレーム/秒となり、先の定義によれば動画と看做せる。勿論、このためには更に、change命令を高速に実行できる必要があることは明らかである。
【0056】
このようにすれば、複数の地点の状況を少ない回線容量で映像送信できる。
【0057】
次に、映像通信端末間の映像送受信及びカメラ制御を統括管理するアクセス管理手段を設けた実施例を説明する。図6はその実施例の概略構成ブロック図である。100−1,100−2,・・・100−Kは、映像の入力、送信、受信及び表示を行なう映像通信装置であり、一般的には、ワークステーションにビデオ・カメラを接続したものである。映像通信装置100−1,100−2,・・・100−Kは、ネットワーク102に接続し、相互に映像を通信できる。
【0058】
図7は、映像通信装置100−1,100−2,・・・100−Kのハードウエア構成を示す概略ブロック図である。110−1,110−2,・・・,110−Nは、パン、チルト、ズーム及びフォーカス等を外部制御自在なビデオ・カメラ、112は、コンピュータ120からの制御信号に従い、ビデオ・カメラ110−1,110−2,・・・,110−Nの1つの出力映像信号(NTSC信号、Sビデオ信号又はRGB信号の何れでもよい。)を選択し、コンピュータ120に供給するカメラ映像入力選択装置である。カメラ映像入力選択装置112はまた、コンピュータ120からのカメラ制御信号に従い、ビデオ・カメラ110−1,110−2,・・・,110−Nのうちの任意に指定されたビデオ・カメラのパン等を制御する。カメラ映像入力選択装置112とコンピュータ120を結ぶ制御信号線は、本実施例ではRS−232Cに基づくものであるが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。
【0059】
コンピュータ120において、122は全体を制御するCPU、124は主記憶、126は、カメラ映像入力選択装置112を制御する制御信号を出力する制御信号ポート、128は、カメラ映像入力選択装置112からの映像信号をA/D変換して取り込むビデオ・キャプチャ装置、130はビットマップ・ディスプレイ、132は、コンピュータ120をコンピュータ・ネットワーク(公衆通信回線網を含む。)102に接続するネットワーク・インターフェース、134はポインティング・デバイスとしてのマウス、136は、CPU122乃至マウス134を相互に接続する内部バスである。ネットワーク・インタフェース132により、コンピュータ120にネットワークを経由して遠隔地からカメラ制御信号を送り、カメラ110−1,110−2,・・・,110−Nのパン等を制御させることができる。
【0060】
カメラ映像入力選択装置112は、ビデオ・カメラ110−1,110−2,・・・,110−Nのうち、コンピュータ120の制御信号ポート126からの制御信号により指定される1台の出力映像を選択してビデオ・キャプチャ装置128に供給する。ビデオ・キャプチャ装置128は、カメラ映像入力選択装置112からの映像信号をアナログ・ディジタル変換すると共に所定の内部形式に変換し、バス136を介して主記憶124に転送する。主記憶124に取り込まれたビデオ・データは、ネットワーク・インターフェース132を介してネットワーク102に出力されると共に、ディスプレイ130にも供給されて映像表示される。
【0061】
以上の構成により、各映像通信装置100−1,100−2,・・・100−Kは互いに、ネットワーク102を介して、映像情報を送受信でき、他の映像通信装置100−1,100−2,・・・100−Kに接続するカメラを制御できる。
【0062】
本実施例では、ネットワーク102に接続する全カメラを、それが接続するコンピュータのホスト名と、そのコンピュータにおけるカメラ番号で特定する。具体的には、コンピュータのホスト名とカメラ番号を’.’で連結したカメラ名を利用する。例えば、ホスト名hostAのコンピュータに接続するカメラ番号1のカメラには、”hostA.1”というカメラ名が付けられる。ネットワーク102に接続する各カメラには、後述するアクセス管理プロセスにより、1つの映像伝送チャネル(又はチャネル番号)が割り当てられてる。
【0063】
本実施例ではまた、映像送信にブロードキャスト通信を利用して、複数地点への映像送信を可能とする。チャネル番号はブロードキャスト・アドレスのポート番号であり、チャネル番号を指定することによりブロードキャスト・アドレスの特定ポートにデータを送信できる。映像受信に関しては、ネットワーク102上の映像データは、ネットワーク・インターフェース132により取り込まれ、ビットマップ・ディスプレイ130に映像表示される。チャネル番号を指定することで、ブロードキャストされている映像の中から目的のカメラ映像を受信できる。
【0064】
映像データは、実際には圧縮符号化されて各チャネルに伝送されるが、本発明の必須の要素では無いので、圧縮符号化の処理については説明を省略した。
【0065】
図8は、hostAというホスト名の映像通信装置100−1,100−2,・・・,又は100−Kのモニタ・ディスプレイの画面例である。この映像通信装置には、4台のビデオ・カメラが接続されているものとする。
【0066】
140は、この映像通信装置に直接接続するカメラからの入力映像を表示する入力映像ウインドウである。入力映像ウインドウ140は、この映像通信装置に直接接続されているビデオ・カメラの各々の映像を表示する映像表示域140−1,・・・140−4からなり、各映像表示域140−1,・・・140−4の下には、各映像表示域140−1,・・・140−4に表示される映像のカメラ名が表記される。通常は、入力され、且つ他の映像通信装置に送信されている映像が、入力映像ウインドウ140に表示されるが、入力されている全映像を入力映像ウインドウ140に表示し、その内で、他の映像通信装置に送信している映像について、送信中であることを示す記号などを別途、表示するようにしてもよい。
【0067】
142は、他の映像通信装置から送信された映像を表示する受信映像ウインドウである。本実施例では、受信映像ウインドウ142は、6つの映像表示域142−1,・・・142−6を具備し、6つの受信映像を同時に表示できる。各映像表示域142−1,・・・,142−6の下には、送信元のカメラ名が同時に表示されるようになっている。カメラ名リスト142−7には、他の映像通信装置に接続する利用可能なカメラのカメラ名がリストとして表示される。このリストは、後述するアクセス管理プロセスのデータベースにアクセスして入手できる。
【0068】
カメラ名リスト142−7に表示されるリストから、6つの映像表示域142−1,・・・142−6のうちの指定の表示域で映像を表示するカメラ名を選択する。例えば、カメラ名リスト142−7に表示される何れかのカメラ名をクリックして選択し、6つの映像表示域142−1,・・・,142−6の何れかをクリックして選択する。又は、カメラ名リスト142−7に表示される何れかのカメラ名をクリックして選択した状態で、6つの映像表示域142−1,・・・,142−6の何れかの上にドラッグする。
【0069】
削除ボタン146をクリックした後に、映像が表示されている映像表示域をクリックすることにより、その映像表示域での映像表示を終了できる。この操作は、後述するアクセス管理プロセスに、受信状態の変化として通知される。
【0070】
144は、カメラを遠隔操作するためのカメラ操作ウインドウであり、画面上のボタン又はスクロールバーにより、任意の指定のカメラのパン、チルト及びズームを遠隔操作できる。このカメラ操作ウインドウ144は、入力映像ウインドウ140及び受信映像ウインドウ142の、映像を表示している何れかの映像表示域140−1,・・・140−4,142−1,・・・142−6内をクリックすることによりポップアップする。これにより、クリックした映像表示域に表示される映像を入力するカメラを遠隔操作できる。他の映像通信装置に接続するカメラの場合には、ネットワーク経由でカメラ制御信号が送られる。カメラ操作を中止する際には、解除ボタン144−1をクリックするか、又は、カメラ操作ウインドウ144自体を閉じる操作をすればよい。すると、カメラ操作ウインドウ144が閉じて、カメラ操作が終了する。カメラ操作の開始及び終了に関しても、アクセス管理プロセスに通知される。
【0071】
図9は、本実施例のプロセス構成図である。本実施例には、基本的に、映像送信プロセス150、映像表示プロセス152、カメラ制御サーバ154、カメラ制御クライアント156及びアクセス管理プロセス158の5種類のプロセスがある。
【0072】
映像送信プロセス150は、カメラ映像入力選択装置112の映像切り替え、映像の取り込み及び映像送信を管轄する。入力された映像は入力映像ウインドウ140に表示される。映像表示プロセス152は、複数の他地点からの映像の受信及び表示を管轄する。他地点から配送される映像の中から任意の6地点の映像を受信映像ウインドウ142に表示する。
【0073】
カメラ制御サーバ154は、カメラ制御信号をネットワーク経由で受け取り、制御対象のカメラの適したカメラ制御信号を制御信号ポート126を介してカメラ映像入力選択装置112に出力する。カメラ制御クライアント156は、カメラ操作ウインドウ144に対する操作に応じて、指定のカメラに向けてカメラ制御信号を送出する。
【0074】
アクセス管理プロセス158は、ネットワーク102に接続されている全ての映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−Kの映像送受信及びカメラ操作を管理する。
【0075】
プロセス150,152,154,156は、各映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−K上で稼働しているが、アクセス管理プロセス158は、ネットワーク102に接続する何れか1つの映像通信装置上でのみ稼働している。
【0076】
図10は、アクセス管理プロセス158が管理する管理データベースの構造例を示す。この管理データベースは、映像送信装置リスト、映像受信装置リストとからなる。
【0077】
映像送信装置リストは、送信カメラ名、チャネル番号、カメラ操作ホスト名及び受信ホスト・リストの各フィールドからなる。送信カメラ名には、ネットワーク102上の全てのカメラのカメラ名が登録される。この登録は、各映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−Kにおいて映像送信プロセス150が起動された時に行なわれる。チャネル番号のフィールドには、送信カメラ名のフィールドに登録されたカメラの映像を送信するのに割り当てられたチャネルのチャネル番号が格納される。カメラ名とチャネル番号は1対1に対応する。アクセス管理プロセス158は、使用されていないポート番号を各カメラに順番に割り当てることで、互いに重複しないチャネルを各カメラに割り当てる。
【0078】
カメラ操作ホストのフィールドには、送信カメラ名で特定されるカメラを遠隔操作しているホストがある場合に、そのホスト名が格納される。遠隔操作しているホストが存在しない場合、このエントリは空になっている。カメラ操作ウインドウ144のポップアップにより、該当するホスト名がカメラ操作ホストのフィールドに登録され、カメラ操作ウインドウ144のクローズにより、その登録が抹消され、再び空になる。
【0079】
受信ホスト・リストのフィールドには、映像受信装置リストにリンクするポインタが格納される。映像受信装置リストには、受信ホスト名リストでリンクするレコードの送信カメラ名で特定されるカメラの入力映像を受信している1以上の映像受信装置のホスト名のリストが格納される。
【0080】
送信カメラ名、チャネル番号及びカメラ操作ホスト、並びに、受信ホスト名リストでリンクする映像受信装置リストは、1つのカメラに対する管理情報となるので、以下、これらのデータの集りを管理情報セットと呼ぶ。
【0081】
一つの映像通信装置で動作している映像送信プロセスを例にとり、映像送信プロセス150の動作を説明する。同じ映像通信装置に接続する各ビデオ・カメラには、異なるカメラ番号が付けられている。ネットワーク全体で見ると、先に説明したように、カメラ名は、”hostA.1”及び”hostA.2”などとなるが、以下では単に、カメラ1、カメラ2、・・・カメラNと表記する。そして、アクセス管理プロセス158へのRPCコールによって確保した、各カメラに対応するチャネル番号をチャネル1、チャネル2、・・・チャネルNとする。以下での説明では、接続されているカメラは4台であるが、一般化するためにカメラ台数をNとして説明する。
【0082】
映像送信の開始を指示する命令として、以下の命令を設けた。即ち、
send(m)
m:チャネル番号(1≦m≦N)
この命令に応じて、図11に示すように、ビデオ・キャプチャ装置128は、カメラ映像入力選択装置112からの1フレーム分の映像信号をA/D変換して取り込み(S101)、取り込まれた映像がディスプレイ130により表示され(S102)、ネットワーク・インターフェース132を介してネットワークのチャネルmに出力される(S103)。
【0083】
また、カメラ映像入力選択装置112へのカメラ映像選択切り替え命令として、以下の命令を設けた。即ち、
change(n)
n:カメラ番号(1≦n≦N)
この命令は、カメラ映像入力選択装置112に対し、カメラ番号nのカメラ映像を選択してコンピュータ120に出力することを指示するものであり、これに対応する制御信号が制御信号ポート126からカメラ映像入力選択装置112に供給される。実際に試験した例では、change命令の実行には約1秒程度かかった。勿論、各部の処理速度によって、これより速くなり、又は遅くなる。
【0084】
本実施例では、N個のカメラ映像のそれぞれを一定の時間間隔で更新される静止画として送信する。これにより、伝送する映像数に比べて、伝送回線の容量が少なくて済む。なお、以下の説明では、フレームの更新が1秒以上の時間で行なわれる連続的に表示される映像を「静止画」と呼び、これに対して、より短いレートでフレームが更新される連続映像を「動画」と呼ぶ。即ち、本実施例では、フレーム・レートが1フレーム/秒未満の場合に静止画と呼び、1フレーム/秒以上の場合に動画と呼ぶ。
【0085】
図12は、本実施例の第1の動作フローチャートを示す。先ず、ネットワーク102上に、カメラの台数Nと同じN個の通信チャネルを確保する(S111)。1フレーム送信するカメラを指定するカメラ番号変数nに1をセットする(S112)。ここでは、変数nの初期値を1としたが、0又は2からN−1までのどの数値をセットしてもよいことは明らかである。
【0086】
映像を送信するカメラを循環的に切り替えていくためには、change命令及びsend命令を一定時間間隔で発行すればよい。図12では、これをタイムアウト手続きにより実現している。即ち、change命令による映像切替えと、1フレーム分の映像の取り込みと送信のsend命令の発行周期をTs(秒)とし、これをタイムアウト時間として登録する(S113)。ここでは、Ts=10秒とした。
【0087】
タイムアウトの発生、即ちTsの経過を待ち(S114)、タイムアウトの発生を検出すると(S115)。以降の処理で消費する時間も加味するために、先ず、Tsを再びタイムアウト登録する(S116)。
【0088】
カメラ番号変数nをインクリメントし(S117)、Nより大きくなれば(S118)、変数nに1をセットする(S119)。このカメラ番号変数nをパラメータとして、change命令によりカメラ映像入力を切り替え(S120)、send命令によりそのカメラ映像をチャネル番号nのチャネルに1フレーム送信する(S121)。change命令とsend命令で同じ変数nをパラメータとしているので、カメラ番号nのカメラ映像がチャネル番号nの通信路に送信されることになる。
【0089】
send命令の発行後、S114に戻り、次のタイムアウトを待つ。
【0090】
このようにして、カメラ1、カメラ2、・・・及びカメラNの出力映像が循環的に、Ts(ここでは10秒)の時間間隔で選択され、対応するチャネル上を伝送される。受信側から見ると、各カメラの映像は、Ts×N(秒)毎に更新される静止画になっている。
【0091】
S117〜S121の処理に要する時間をTpとすると、タイムアウト時間Tsは、
Ts>Tp
であればよいことは明らかである。即ち、Tsは、上式を満たす限り、10秒である必要はない。本実施例では、change命令の処理時間を1秒程度としているので、Tpが1秒より小さくなることはない。従って、Tsも、1秒より小さくとることはできない。
【0092】
このように動作させることで、各カメラ映像が低いフレーム・レートで送信されることになり、低速なコンピュータでも十分に対応できるようになる。受信側では、低いフレーム・レートではあるが、多数のカメラ映像を受信できるので、広い範囲を大雑把に把握できる。
【0093】
本実施例はまた、N個のカメラ映像の内の1つを、所定期間、動画として送信するとともに、動画として送信するカメラ映像を一定周期で順次切り替えていくことができる。映像を送信しないカメラの映像は、受信側では静止画となる。これにより、図12の場合に比べて、受信側では、循環的で間欠的ではあるが、各カメラの撮影範囲の時間的な変化をより細かく把握できるようになる。このような動作を実現するフローチャートを図13に示す。図13では、カメラ映像を切り替えるための時間変数Tsに加えて、動画伝送のフレーム周期を規定する時間変数tsを導入する。
【0094】
先ず、ネットワーク上のカメラの台数Nと同じN個の通信チャネルを確保する(S131)。1フレーム送信するカメラを指定するカメラ番号変数nに1をセットする(S132)。変数nは1からNまでの何れであってもよい。時間変数Ts及びtsをタイムアウト登録し(S133,134)、イベント(ここではタイムアウト)の発生を待つ(S135)。ここでは、ts=0.1秒とした。
【0095】
タイムアウトの発生を検出したら(S136)、それが、Tsによるものか、又はtsによるものかを判別する(S137)。tsによるタイムアウトの場合には、tsを再びタイムアウト用に登録し(S138)、カメラ番号変数nをパラメータとするsend命令により、カメラ番号nのカメラの出力映像をチャネルnに1フレーム、送信し(S139)、S135に戻る。Tsに相当する時間(即ち、10秒)が経過するまで、ts(0.1秒)を周期として、カメラnの映像がチャネルnに出力される。即ち、カメラnの映像が、10フレーム/秒のフレーム・レートで10秒間、チャネルnに出力される。
【0096】
タイムアウトの発生がTsによるものであるとき(S137)、先ず、Tsを再びタイムアウト登録する(S140)。カメラ番号変数nをインクリメントし(S141)、Nより大きくなれば(S142)、変数nに1をセットする(S143)。このカメラ番号変数nをパラメータとして、change命令によりカメラ映像入力を切り替え(S144)、S135に戻って、次のイベントの発生を待つ。
【0097】
このようにして、カメラ1の映像が10秒間、10フレーム/秒で送信されると、カメラ2の映像が同様に、10秒間、10フレーム/秒で送信される。カメラ3、・・・、カメラNと切り替わっていき、カメラNの後には、再びカメラ1の映像が、10秒間、動画送信される。受信側から見ると、各カメラ映像は10秒間、動画で表示された後、10×(N−1)秒間静止画となる。この動作例では、伝送路の伝送容量は、10フレーム/秒を満たし得るものであればよい。
【0098】
S141からS144の処理を実行するのに要する時間は、Tsより短くなければならない。勿論、Ts>tsでなければならない。
【0099】
このような動作により、送信側では同時に2以上の動画を送信しないので、負荷を削減できる。また、受信側では、送信された映像により、広い範囲の状況をより詳しく認識できる。
【0100】
本実施例はまた、N個のカメラ映像のなかから1つを重点的に、即ち動画として送信し、残りのN−1個のカメラ映像を一定時間毎に更新される静止画として送信することもできる。図14は、その動作フローチャートを示す。
【0101】
図14を説明する。先ず、ネットワーク上にカメラ台数Nと同じN個の通信路を確保する(S151)。1フレーム送信するカメラを指定するカメラ番号変数nに1をセットする(S152)。動画送信するカメラのカメラ番号を変数kにセットする(S153)。変数kは、1からNまでの何れであってもよいが、ここでは、1にしている。change命令により、映像を取り込むカメラをカメラ番号kのカメラに切り替える(S154)。
【0102】
カメラ映像を切り替えるための時間変数Tsと、動画伝送のフレーム周期を規定する時間変数tsの各値をタイムアウト登録し(S155,S156)、イベントの発生を待つ(S157)。ここでは、Ts=10秒、ts=0.1秒とした。
【0103】
Ts又はtsのタイムアウトの発生を検出すると(S158)、tsのタイムアウトではS160以降を実行し、TsのタイムアウトではS162以降を実行する(S159)。通常は、先ず、tsのタイムアウトが発生する。
【0104】
tsのタイムアウトのとき(S159)、tsを再びタイムアウトに再登録し(S160)、カメラ番号kのカメラ映像をチャネルkに1フレーム送信し(S161)、S157に戻る。Ts=10秒、ts=0.1秒としたので、カメラ番号kのカメラ映像が、10秒間にわたり、10フレーム/秒で送信される。
【0105】
Tsのタイムアウトが発生すると(S159)、Tsを再びタイムアウトに再登録し(S162)、カメラ番号nをインクリメントする(S163)。新たなカメラ番号nがkに一致する場合には(S164)、nを更にインクリメントする(S165)。カメラ番号kのカメラ映像が動画送信の対象になっているからである。nがNを越えていれば、nに1をセットする(S166,S167)。
【0106】
送信すべきカメラをchange命令によりカメラ番号nのカメラに切り替え(S168)、send命令によりカメラ番号nのカメラ映像をチャネルnに1フレーム送信し(S169)、送信すべきカメラをchange命令によりカメラ番号kのカメラに切り替える(S170)。再びS157に戻り、イベントの発生を待つ。
【0107】
Tsは、S163からS170の処理を行なうのにかかる時間より長い時間に設定されなければならない。勿論、tsはTsよりも短くなければならない。
【0108】
このようにして、カメラ1の映像を動画で送信しつつ、それ以外のカメラの映像を10秒間隔で切り替えながら静止画として、送信できる。どの映像がどのカメラによるものかは、各映像が伝送される伝送チャネルにより識別できる。受信側から見ると、カメラ1の映像は10秒毎に、他のカメラ映像を1フレーム送信する処理に要する時間、即ち、S163〜S170の処理に要する時間だけ、途切れる動画になっており、他のカメラ映像は、それぞれ、10×(N−1)秒毎に更新される静止画となっている。
【0109】
このような機能又は動作は、TV会議システム又はビデオ会議システムなどで、相手端末のオペレータを重点的に映像表示しながらも、なおかつ周囲の状況も表示したいといった場合に好適である。
【0110】
図12に示した動作例又は実施例では、Tpが充分小さいときには、各カメラの映像を動画とみなすことができる。例えば、Tpが0.05秒以下の場合、Tsを0.05(秒)とすることができ、Nが10程度ならば、各カメラの映像のフレーム・レートは、1/(Ts×N)=2(フレーム/秒)となって、先の定義によれば、一応、動画とみなすことができる。勿論、このためには更に、change命令を高速に実行できる必要があることは明らかである。
【0111】
本実施例では、映像送信プロセス150は、アクセス管理プロセス158の管理する情報をもとに、複数のカメラの出力を選択するカメラ映像入力選択装置112の選択方法を切り替える。
【0112】
先ず、アクセス管理プロセス158の情報管理の動作を詳しく説明する。本実施例では、各プロセス150〜156とアクセス管理プロセス158との間の情報のやり取りには、RPC(Remote Procedure Call)コール又はブロードキャスト通信を用いる。RPCコールは、以下のケースで使用される。即ち、
1)送信プロセス起動
2)送信プロセス終了
3)映像受信開始
4)映像受信終了
5)カメラ操作開始
6)カメラ操作終了
7)送信カメラ名リスト獲得要求
送信プロセス起動及び送信プロセス終了は、映像送信プロセス150が起動及び終了した場合に、そのことをアクセス管理プロセス158に通知するRPCコールである。これらの引数又はパラメータは送信カメラ名である。送信プロセス起動の返り値は、送信を行なうための通信路のチャネル番号であり、送信プロセス終了には返り値は無い。
【0113】
映像受信開始及び映像受信終了は、それぞれ、映像表示プロセス152において、受信映像ウインドウ142中のカメラ名リスト142−7からカメラを選択した場合、及び映像受信を終了した場合に、その旨をアクセス管理プロセス158に通知するRPCコールである。これらの引数は送信カメラ名と受信ホスト名である。映像受信開始の返り値は、送信カメラ名に対応したチャネル番号であり、映像受信終了には返り値は無い。
【0114】
カメラ操作開始及びカメラ操作終了は、カメラ制御クライアント156がカメラ操作を開始及び終了する時に、そのことをアクセス管理プロセス158に知らせるRPCコールである。これらの引数は送信カメラ名とカメラ操作ホスト名である。カメラ操作開始の返り値は、カメラ操作の許可又は拒否を示す1又は0であり、カメラ操作終了には返り値は無い。
【0115】
送信カメラ名リスト獲得要求は、映像表示プロセス152が現在受信可能な映像を知るために、送信カメラ名の一覧をアクセス管理プロセス158に要求するRPCコールである。受信映像表示ウインドウ142の更新ボタン142−9をクリックすることによってコールされる。引数は無い。返り値は、”host.1,hostA.2,hostA.3,・・・”というように、図10に示す映像送信装置リストのカメラ名に登録される全カメラのリストである。
【0116】
ブロードキャストは、映像送信装置リスト及び映像受信装置リストの何らかに変更が加えられた場合に使用される。この時、図15に示すように、変更のあった管理情報セットが、ネットワーク102上の全ての映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−Kにブロードキャストされる。なお、このブロードキャストに際して、映像送受信に用いられる通信路とは別の通信路を示すポート番号が指定される。映像データに比べてデータ量は非常に小さいので、ネットワーク・トラフィックを増やすことはない。
【0117】
図16は、アクセス管理プロセス158の管理データベースの状態変更に関する動作フローチャートである。
【0118】
アクセス管理プロセス158は先ず、全ての映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−Kがネットワーク102上で使用可能なブロードキャスト・アドレスのポート番号を確保し、図10に示す管理データベースの映像送信装置リストのチャネル番号のフィールドに格納する(S201)。図10では、10201、10202及び10203が一例として格納されている。次に、RPCコールを待つ(S202)。
【0119】
いずれかの映像通信装置で映像送信プロセス150が起動されると、送信プロセス起動のRPCコールがアクセス管理プロセス158に送られる(S203)。この送信プロセス起動に対して、アクセス管理プロセス158は、図17に示すように、映像送信装置リストのカメラ名のフィールドが空になっている管理情報セットを検索し(S212)、空の領域が見つかれば、その領域にRPCの引数である”送信カメラ名”を格納し(S213)、それに対応するチャネル番号のフィールドの内容を返り値とする(S214)。空の領域が見つからなければ(S212)、−1を返す(S215)。映像送信プロセス150は、−1でない返り値を受け取った後、返り値で示されるチャネル番号の通信路に、送信カメラ名で特定されるカメラ映像を送出する。返り値が−1の場合は、空きチャネルがないので、映像送信プロセス150は、カメラ映像を送信しない。
【0120】
いずれかの映像通信装置上で映像送信プロセス150が終了すると、アクセス管理プロセス158には送信プロセス終了のRPCコールが入力する(S204)。これに応じて、アクセス管理プロセス158は、図18に示すように、そのRPCコールの引数で示される送信カメラ名にマッチするカメラ名を映像送信装置リスト(図10)の送信カメラ名のフィールドから検索し(S216)、その送信カメラ名に対応する送信カメラ名、カメラ操作ホスト及び受信装置ホスト名リストの各フィールドを空にする(S217)。
【0121】
いずれかの映像通信装置で映像表示が開始されると、受信開始のRPCコールがアクセス管理プロセス158に伝達される(S205)。アクセス管理プロセス158は、これに応じて、図19に示すように、その引数で示される送信カメラ名とマッチするカメラ名を映像送信装置リスト(図10)の送信カメラ名のフィールドから検索し(S132)、そのカメラに対応する映像受信装置リストのエントリの一番後ろに、引数である受信ホスト名を登録する(S219)。そして、チャネル番号を返す(S220)。映像表示プロセス152は、返り値で示されるチャネル番号を指定して、映像を受信する。これにより、目的の映像を受信し、表示できる。
【0122】
映像表示プロセス152映像表示が終了ると、受信終了のRPCコールがアクセス管理プロセス158に伝達される(S206)。アクセス管理プロセス158は、これに応じて、図20に示すように、その引数で示される送信カメラ名とマッチするカメラ名を映像送信装置リスト(図10)の送信カメラ名のフィールドから検索し(S221)、さらに、そのカメラに対応する映像受信装置リスト(図10)から、引数で示される受信ホスト名を検索し(S222)その受信ホスト名を映像受信装置リストから削除し、空いたエントリを詰めるように並び変える(S223)。
【0123】
カメラ操作を開始する操作があると、カメラ制御クライアント156は、カメラ制御開始のRPCコールをアクセス管理プロセス158に伝達する(S207)。アクセス管理プロセス158は、これに応じて、図21に示すように、その引数で示される送信カメラ名とマッチするカメラ名を映像送信装置リスト(図10)の送信カメラ名のフィールドから検索し(S224)、マッチした送信カメラ名に対応する管理情報セットの、カメラ操作ホストのフィールドが空かどうかを調べる(S225)。これは、同じカメラを複数のホストが同時に操作するのを防ぐためである。カメラ操作ホストのフィールドが空であれば(S225)、RPCコールの引数で示されるホスト名をカメラ操作ホストのフィールドに格納し(S226)、1を返す(S227)。カメラ操作ホストのフィールドが空でなければ(S225)、0を返す(S228)。カメラ制御クライアント156は、返り値が1なら、カメラを操作する制御命令を発行でき、0なら発行できない。
【0124】
カメラ操作を終了する操作があると、カメラ制御クライアント156は、カメラ制御終了のRPCコールをアクセス管理プロセス158に伝達する(S208)。アクセス管理プロセス158は、これに応じて、図22に示すように、そのRPCコールの引数で示される送信カメラ名とマッチする送信カメラ名を映像送信装置リスト(図10)の送信カメラ名のフィールドから検索し(S229)、マッチした送信カメラ名に対応する管理情報セットのカメラ操作ホストのフィールドにNULLを格納する(S230)。
【0125】
これらのRPCコールを受けて、管理データベースの内容が変更されると、内容変更された管理情報セットを図15に示すようなデータ・フォーマットで全映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−Kにブロードキャストされる(S211)。
【0126】
また、送信カメラ名リスト獲得要求のRPCコールに対しては(S209)、アクセス管理プロセス158は、映像送信装置リスト(図10)の送信カメラ名のフィールドに登録される全カメラ名を所定のリスト形式で要求元に返送する(S210)。映像表示プロセス152は、このリストを受け取り、受信映像ウインドウ142のカメラ名リスト142−7に送信カメラ名をリスト表示する。
【0127】
このようにして、アクセス管理プロセス158は、ネットワーク102上の全ての映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−Kで行なわれている映像の送受信情報を管理し、管理情報の変更を、全ての映像通信装置100−1,100−2,・・・,100−Kに通知する。
【0128】
本実施例では、映像送信プロセス150は、送受信情報をアクセス管理プロセス158から獲得し、以下の3つの指針に従って動作モードを切り替える。即ち、
1)受信ホストがいないビデオ・カメラについては、その出力映像を送信しない。
【0129】
2)全ての映像表示プロセスが受信しているとき、そのカメラ映像を時分割による動画送信の対象とする。
【0130】
3)カメラ操作されているビデオ・カメラの出力映像は、動画として送信し、その際、他に受信されているビデオ・カメラの出力映像は静止画として送信する。
【0131】
指針2)は、いわば、図13に示す動作例に示す入力選択切り換え手順で映像を送信し、指針3)は、図14に示す動作例に示す入力選択切り換え手順で映像を送信するものである。
【0132】
以上の3つの指針に従て動作するために、映像送信プロセス150には、図23に示すような、送信カメラ・リストおよび受信ホスト・リストを具備する。このデータは、アクセス管理プロセス158により管理される映像送信装置リスト及び映像受信装置リスト(図10)から、自装置に接続されているカメラに関する管理情報のみを集めたものである。図23では、hostAで特定される映像送信プロセスのデータベースを示しており、hostAにはカメラが4台接続され、hostA.1、・・・、hostA.4と名前が付けられている。カメラhostA.1の出力映像はhostB及びhostCにより受信されており、カメラhostA.3の出力映像はhostC及びhostDにより受信されている。カメラhostA.3は、hostCにより操作されている。カメラhostA.2及びカメラhostA.4の映像は、受信されていない。
【0133】
図23に示すデータ例では、指針3)に従い、カメラhostA.1及びカメラhostA.3の映像が送信されるが、カメラhostA.3の映像は動画として送信され、カメラhostA.1の映像は静止画として送信される。映像送信プロセス150は、図23に示す送信カメラ・リストに従って、映像入力するカメラを切り換える。図23に示す送信カメラ・リスト及び受信ホスト・リストは、アクセス管理プロセス158からブロードキャストされた情報に従って更新される。
【0134】
以下の説明では、カメラhostA.1、・・・、hostA.4をカメラ1、・・・、カメラ4と表記し、そのカメラに対応するチャネル番号をチャネル1、・・・、チャネル4と表記する。
【0135】
図24乃至図27を参照して、映像送信プロセス150の動作を詳細に説明する。先ず、カメラの台数をチェックし(S301)、各カメラを識別できるように固有の名前を付ける(S302)。本実施例ではhostA.1、hostA.2、hostA.3及びhostA.4というように、コンピュータのホスト名とカメラ番号を’.’でつないだものになる。
【0136】
カメラ名を引数としてアクセス管理プロセス158にRPCコールを行ない、返り値としてチャネル番号を獲得し、各カメラの映像を伝送するためのチャネルを確保する(S303)。なお、カメラ名とチャネル番号の対応は、図23に示す送信カメラ・リストに格納される。本実施例では、3種類の値を取り得る変数modeを用いる。mode=1は、どのカメラの映像も送信しないモードを示し、mode=2は、図13に示す動作例のように、一定時間の動画映像送信を順番に実行するモードを示す。mode=3は、図14に示す動作のように、特定のカメラの出力映像を動画で送信し、残りのカメラの映像を静止画で送信するモードを示す。
【0137】
この段階では、この段階では、modeに1をセットして(S304)、受信ホストがアクセス管理プロセス158に登録されるまでは送信を行なわないようにする。そして、1フレーム毎に映像を送信するタイミング制御のためのタイムアウト・イベントと、アクセス管理プロセス158から送信されるブロードキャスト・メッセージの受信という2つのイベントの何れかを待つ(S305)。
【0138】
アクセス管理プロセス158からブロードキャスト・メッセージを受信すると(S308)、次のように、送信カメラ・リストを更新する。即ち、ブロードキャストされたメッセージは図15のようなフォーマットになっているので、このメッセージのうち、送信カメラ名について、送信カメラ・リスト中の送信カメラ名のフィールドとの間でマッチングをとる(S309)。どの送信カメラ名ともマッチしなければ(S309)、自装置のカメラの送受信には関わりのないメッセージであるので、そのままイベント待ちに戻る。マッチすれば(S309)、まずメッセージ中の操作ホスト名及び受信ホスト・リストを送信カメラ・リストにコピーする(S310)。
【0139】
このように更新された送信カメラ・リストで、全ての送信カメラ名に対する受信ホスト・リストへのポインタがNULLであるかどうかを調べる(S311)。その結呆、受信ホスト・リストへの全てのポインタがNULLであれば(S311)、変数modeに1セットして、どのカメラも送信を行なわないようにする(S312)。
【0140】
受信ホスト・リストへの全てのポインタにNULLでないものがあれば(S311)、変数modeに2をセットし(S313)、受信ホスト・リストへのポインタがNULLでないカメラについて、遠隔操作されているかどうかを調べ(S314)、カメラ操作ホストのエントリがNULLであれば(S314)、そのカメラは操作されていないので、そのままmode=2として扱い、最初に動画を送信すべきカメラ番号をセットして(S315)、タイムアウト時間Ts,tsを設定し(S318)、イベント待ち(S305)に戻る。もしカメラが操作されていれば(S314)、変数modeに3をセットし(S316)、カメラ操作ホストがNULLでない送信カメラ名に対応するカメラ番号を動画カメラ番号kとしてセットすると共に、最初に静止画として送信するカメラのカメラ番号nをセットして(S317)、タイムアウト時間Ts,tsを設定して(S318)、イベント待ち(S305)に戻る。
【0141】
発生するイベントがタイムアウトである場合(S306)、まず変数modeの値を調べる(S307)。modeが2であれば、S320に進み、mode=3であれば、S330に進む。S320以降は、図13に示す動作例とほぼ同じであるが、受信ホストがいないカメラについてその映像を送信しないようにするために、S327による条件判定が含まれる点が異なる。
【0142】
S330以降の動作は、図14に示す動作例とほぼ同じであるが、切り替えの方法が少し異なる。Tsによるタイムアウト場合(S330)、Tsによるタイムアウトを新たに設定し(S333)、静止画送信のカメラ番号nをインクリメントする(S334)。つぎに、動画送信するカメラ以外に送信を行なうカメラがあるかどうかをチェックし(S335)、ないのならイベント待ち(S305)に戻る。送信すべきカメラがあるのなら(S335)、nと動画映像カメラ番号kが等しいかどうか調べ(S336)、等しければ、さらにカメラ番号nをインクリメントする(S337)。カメラ番号nがカメラ台数Nを越えていないかどうかをチェックし(S338)、越えていればカメラ番号nを1に戻す(S339)。このように静止画映像送信を行なうカメラのカメラ番号nを決定するが、このカメラに対する受信ホストが存在しなければ(S340)、S334に戻り、カメラ番号nをインクリメントする。このループにより、受信ホストがあるカメラを探す。
【0143】
受信ホストがあるカメラを見つけたら(S340)、そのカメラの映像を静止画送信するために、カメラ映像の入力を切り替え(S341)、送信を行ない(S342)、映像入力を動画映像送信を行なうカメラに切り替え(S343)、イベント待ち(S305)に戻る。
【0144】
このように動作させることで、受信されていないカメラの映像を送信せず、受信されているカメラの映像のみを一定時間順番に動画として送信し、また、遠隔操作されているカメラの映像を動画として送信する映像伝送システムを実現できる。
【0145】
【発明の効果】
以上の説明から容易に理解できるように、本発明によれば、複数のカメラ映像を、少ない回線容量で自在に選択して送信できる。
【0146】
複数の映像入力手段を具備するので、より広い範囲の映像を取り込めるようになり、1地点でのコストを大幅に低減できる。
【0147】
更には、複数の映像を切り替えて送信するので、回線容量が少なくて済む。究極的には1回線分で済む。各映像の送信フレーム・レートの重みを別々にできるので、重要度に応じたフレーム・レートで各映像を送信できる。
【0148】
また、映像送受信情報の管理手段から必要に応じて送受信情報を獲得できるようにし、その情報をもとに複数映像入力の選択順序およびタイミングを動的に変更することにより、映像送信側でのCPU負荷とネットワーク・トラフィックを大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】 本実施例の映像送信処理のフローチャートである。
【図3】 本実施例の第1の動作フローチャートである。
【図4】 本実施例の第2の動作フローチャートである。
【図5】 本実施例の第3の動作フローチャートである。
【図6】 映像伝送システムに関する本発明の一実施例のネットワーク構成図である。
【図7】 第2実施例における通信端末装置の概略構成ブロック図である。
【図8】 第2実施例の表示画面例である。
【図9】 第2実施例のプロセス構成図である。
【図10】 アクセス管理プロセス158が管理する送受信情報管理データベースの構造例である。
【図11】 第2実施例における映像送信処理の基本フローチャートである。
【図12】 第2実施例の第1の動作フローチャートである。
【図13】 第2実施例の実施例の第2の動作フローチャートである。
【図14】 第2実施例の第3の動作フローチャートである。
【図15】 アクセス管理プロセス158によりブロードキャストされる情報の構造と内容の例である。
【図16】 アクセス管理プロセス158の動作フローチャートである。
【図17】 図16のS203の詳細なフローチャートである。
【図18】 図16のS204の詳細なフローチャートである。
【図19】 図16のS205の詳細なフローチャートである。
【図20】 図16のS206の詳細なフローチャートである。
【図21】 図16のS207の詳細なフローチャートである。
【図22】 図16のS208の詳細なフローチャートである。
【図23】 映像送信プロセス150が保持する送信カメラ・リストの構造と内容の例である。
【図24】 映像送信プロセス150の動作フローチャートの一部である。
【図25】 映像送信プロセス150の動作フローチャートの一部である。
【図26】 映像送信プロセス150の動作フローチャートの一部である。
【図27】 映像送信プロセス150の動作フローチャートの一部である。
【符号の説明】
10−1,10−2,・・・,10−N:ビデオ・カメラ
12:カメラ映像入力選択装置
20:コンピュータ
22:CPU
24:主記憶
26:制御信号ポート
28:ビデオ・キャプチャ装置
30:ビットマップ・ディスプレイ
32:ネットワーク・インターフェース
34:内部バス
100−1,100−2,・・・,100−K:映像通信装置
102:ネットワーク
110−1,110−2,・・・,110−N:ビデオ・カメラ
112:カメラ映像入力選択装置
120:コンピュータ
122:CPU
124:主記憶
126:制御信号ポート
128:ビデオ・キャプチャ装置
130:ビットマップ・ディスプレイ
132:ネットワーク・インターフェース
134:マウス
136:内部バス
150:映像送信プロセス
152:映像表示プロセス
154:カメラ制御サーバ
156:カメラ制御クライアント
158:アクセス管理プロセス

Claims (6)

  1. 外部接続された複数のビデオカメラのアナログ出力映像の中から、1つのアナログ出力映像を所定順序及びタイミングで選択する映像入力切替え手段と、
    前記映像入力切替え手段により選択された1つのアナログ出力映像をA/D変換し、前記A/D変換により得られたデジタル出力映像を所定形式で符号化して符号化映像を得る変換手段と、
    前記変換手段により得られた符号化映像を所定周期で1フレームずつネットワークを介して所定の映像受信装置に対して送信する送信手段
    とを具備し、
    前記映像入力切替え手段が所定の1つのビデオカメラのアナログ出力映像を第1期間の間選択し、当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラのアナログ出力映像を前記第1期間よりも短い第2期間の間選択することにより、前記送信手段は、当該所定のビデオカメラの符号化映像を所定以上のフレーム・レートで送信し当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラの符号化映像を当該所定以上のフレーム・レートより遅いフレーム・レートで送信することを特徴とする映像送信装置。
  2. 前記映像入力切替え手段は、前記所定の映像受信装置において受信されないビデオカメラの出力映像を選択しないことを特徴とする請求項に記載の映像送信装置。
  3. 前記送信手段は、前記映像受信装置からの遠隔操作されている1つのビデオカメラの出力映像を選択している期間は、当該所定のビデオカメラの出力映像を所定以上のフレーム・レートで送信することを特徴とする請求項1または2に記載の映像送信装置。
  4. 複数のビデオカメラに接続された映像送信装置から送信された映像を映像受信装置において表示する映像伝送システムであって、
    前記映像送信装置は、
    外部接続された複数のビデオカメラのアナログ出力映像の中から、1つのアナログ出力映像を所定順序及びタイミングで選択する映像入力切替え手段と、
    前記映像入力切替え手段により選択された1つのアナログ出力映像をA/D変換し、前記A/D変換により得られたデジタル出力映像を所定形式で符号化して符号化映像を得る変換手段と、
    前記変換手段により得られた符号化映像を所定周期で1フレームずつネットワークを介して所定の映像受信装置に対して送信する送信手段
    とを具備し、
    前記映像受信装置は、前記送信手段により送信された出力映像を表示する表示手段を具備し、
    前記映像入力切替え手段が所定の1つのビデオカメラのアナログ出力映像を第1期間の間選択し、当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラのアナログ出力映像を前記第1期間よりも短い第2期間の間選択することにより、前記送信手段は、当該所定のビデオカメラの符号化映像を所定以上のフレーム・レートで送信し当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラの符号化映像を当該所定以上のフレーム・レートより遅いフレーム・レートで送信し、
    前記映像受信装置の前記表示手段は、前記送信手段により送信された複数のビデオカメラの出力映像を一覧表示することを特徴とする映像伝送システム。
  5. 前記表示手段は、前記出力映像の受信タイミングに基づき前記一覧表示における各映像を更新することを特徴とする請求項に記載の映像伝送システム。
  6. 複数のビデオカメラの出力映像を映像受信装置に送信する映像送信装置の映像送信方法であって、
    外部接続された複数のビデオカメラのアナログ出力映像の中から、1つのアナログ出力映像を所定順序及びタイミングで選択する映像入力切替え工程と、
    前記映像入力切替え工程により選択された1つのアナログ出力映像をA/D変換し、前記A/D変換により得られたデジタル出力映像を所定形式で符号化して符号化映像を得る変換工程と、
    前記変換工程により得られた符号化映像を所定周期で1フレームずつネットワークを介して所定の映像受信装置に対して送信する送信工程とを具備し、
    前記映像入力切替え工程が所定の1つのビデオカメラのアナログ出力映像を第1期間の間選択し、当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラのアナログ出力映像を前記第1期間よりも短い第2期間の間選択することにより、前記送信工程は、当該所定のビデオカメラの符号化映像を所定以上のフレーム・レートで送信し当該所定のビデオカメラ以外のビデオカメラの符号化映像を当該所定以上のフレーム・レートより遅いフレーム・レートで送信することを特徴とする映像送信装置の映像送信方法。
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