JP3713060B2 - ロールコーター及びこれを用いた石膏ボードの成形方法 - Google Patents

ロールコーター及びこれを用いた石膏ボードの成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、薄塗り装置であるロールコーターとこれを用いた石膏ボードの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石膏ボードは、防耐火性、遮音性、施工性及び経済性等から建築用内装材として広く使用されている。かかる石膏ボードは、石膏を主体とする芯を石膏ボード用原紙(以下、単に原紙という)で被覆してなる板状体であり、製造に際して、焼石膏、接着助剤、硬化促進剤、軽量化を図るための泡、その他の添加剤及び水とをミキサー等で混練し、この結果得られた焼石膏スラリー(以下、泥漿という)を下側の原紙に流し込みながら、該原紙の両端側のそれぞれの一部分を石膏ボードの裏面側に至るように折り曲げ、該裏面側になる原紙面に上側原紙の側面に付けた糊部分が重なるようにして成形機を通し、上下の原紙で幅方向に展延された原紙上の泥漿を被覆して板状に成形し、しかる後、硬化後に粗切断し、強制乾燥後に製品寸法に切断される。
ここで、石膏ボードを成形するために肝要なことは、石膏ボードを構成する芯と原紙とが接着することであり、その接着性の向上を図るために、例えば、GB741140号公報には、原紙の接着面に泡を含まない高比重の泥漿をロールで均し薄く塗り、その上に泡入りの低比重の泥漿を流し、次いで、原紙を被覆するか、もしくは泡を含まない高比重の泥漿をロールで均し表面に薄く塗った原紙を配し石膏ボードを成形する技術が記載されている。又、特開平5−148001号公報には、接着剤を含む高比重の泥漿を塗布ロールとアイドラーロールとの間に受け、そこから泥漿を供給し、塗布ロール面に付着した該泥漿を原紙の接着面に移転させて薄い石膏層を設け、この上に泡入りの低比重の泥漿を流し石膏ボードを成形する技術が開示されている。
【0003】
又、石膏ボードの接着に関わる製造上の大きな要因として石膏ボードの乾燥が挙げられる。即ち、強制乾燥工程における石膏ボードは、一般に、石膏ボードの幅方向中央部分の乾燥速度よりも石膏ボードの縁部分又は縁部領域の乾燥速度の方が比較的速い。このため、その縁部分や縁部領域に乾燥過剰による強度低下や接着不良(ドライアウト)が発生し易い。かかるドライアウトの防止対策として、例えば、US2762738号公報には、石膏ボードの成形に際し、主ミキサーから流し込んだ下紙上の泥漿の両端部に、下紙の両端部の上方にそれぞれ設けた副ミキサーから高比重の泥漿を流し石膏ボードを成形し、該ボード端部のコア比重を中央部の比重より大きくすることによって、ドライアウトを防止する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、GB741140号公報及び特開平5−148001号公報に開示される先行技術のロールコーターにあっては、塗布ロールの回転方向は原紙の搬送方向と同方向であるため、泥漿の粘着性によってロールで展延された泥漿のはロール面に付着しようとし、その結果薄塗り層の厚さが原紙の搬送方向に一定せず、さらに塗布ロール面に付着した泥漿は、主成分の焼石膏が水と接触して硬化する反応硬化型であることから、回転中次第に硬化し、塗布ロールとアイドラーロールとの間隙が狭くなり、その結果塗布ロール面に供給されて移転する泥漿が少量となり、薄塗り層の厚さが時間とともに変化し、薄塗り層の厚さが一定しない。
一方、塗布後のロール面の泥漿を除去するために、ロールの長手方向全体に亘って粕取り板を設けても、除去された泥漿が粕取り板から薄塗り層上面に落下してしまい、結局は、均一な塗布厚の実現が困難となる。
さらに、ロール側面等に付着した泥漿は硬化し、成長して原紙に触れ、紙切れ等の原因になり、生産ラインの停止を余儀なくされる。
【0005】
又、US2762738号公報に開示される先行技術にあっては、主ミキサー及び副ミキサーによって、原紙の中央部と縁部領域とにそれぞれ低比重及び高比重の泥漿を別々に流しているため、石膏ボードの製造工程及び工程管理が煩雑となる。
そこで、本発明の第1の目的は、石膏芯と原紙との接着性を向上させることができるロールコーター及びこれを用いたロールコーティング方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、原紙への塗布前に泥漿が硬化するのを防止することができるロールコーター及びこれを用いたロールコーティング方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、石膏ボードの生産効率の向上を可能にした石膏ボードの成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、低比重の泥漿によって形成され、石膏を主体とした芯を石膏ボード用原紙で被覆してなる石膏ボードにおける前記芯及び前記石膏ボード用原紙の接着性を向上すべく、高比重の泥漿の薄層を前記石膏ボード用原紙の上面に形成するロールコーターにおいて、
前記石膏ボード用原紙をその長手方向に搬送するための原紙搬送手段と、
前記石膏ボード用原紙をその下方から支持するための受け材と、
前記石膏ボード用原紙の幅員方向に延び、該石膏ボード用原紙の上面から所定間隔を隔てて配置され、前記石膏ボード用原紙の搬送方向と逆方向に回転する塗布ロールと、
前記塗布ロールを前記石膏ボード用原紙の搬送方向と逆方向に回転させるための塗布ロール回転駆動手段と、
前記塗布ロールに対して前記石膏ボード用原紙の搬送方向上流側に配置され、前記塗布ロールと平行に延び、該塗布ロールのロール面に密着し、前記塗布ロールと逆方向に回転する粕取りロールと、
前記塗布ロールの前記搬送方向上流側で、前記石膏ボード用原紙の上面に高比重泥漿を供給する泥漿供給手段とを有することを特徴とするロールコーターを提供する。
【0007】
本発明は又、上記構成のロールコーターにおいて、前記塗布ロールと前記粕取りロールとの密着部は、前記塗布ロールのロール面の長さ全体に亘って延び、前記粕取りロールのロール径は前記塗布ロールの径よりも小さく、前記粕取りロールの中心高さは、前記塗布ロールの中心高さ以下に設定されることを更に特徴とするロールコーターを提供する。
【0008】
好ましくは、ロールコーターは、粕取りロールを塗布ロールの回転方向と逆方向に回転させるための粕取りロール回転駆動手段を更に有し、粕取りロールの回転速度は、塗布ロールの回転速度以下に設定される。
好適には、塗布ロールの長さは、石膏ボード用原紙の幅よりも小さく、塗布ロールの端と石膏ボード用原紙の縁との間には、泥漿の非展延部が形成される。好ましくは、非展延部は、塗布ロールの両側に形成される。
更に好適には、塗布ロール及び粕取りロールの全長は、同一であり、粕取り板が塗布ロール及び粕取りロールの各端において上記密着部に接するように配置される。好ましくは、塗布ロールのロール面の硬度は、粕取りロールのロール面及び前記受け材の受け面のそれぞれの硬度よりも大きい。
【0009】
本発明は更に、上記構成のロールコーターを用い、
前記塗布ロールの前記搬送方向上流側で、前記石膏ボード用原紙の上面に高比重の泥漿を供給し、
前記石膏ボード原紙と前記塗布ロールとの間に前記高比重泥漿を通すことにより、該高比重泥漿を前記石膏ボード用原紙の幅方向に展延し、前記芯と前記原紙との接着性を向上させる前記高比重泥漿の薄層を前記石膏ボード用原紙に形成するとともに、前記塗布ロールを石膏ボード用原紙の搬送方向と逆方向に回転させることにより、前記石膏ボード原紙と前記塗布ロールとの間を通過しない前記高比重泥漿を前記塗布ロールのロール面と前記粕取りロールのロール面との密着によって前記搬送方向の上流側に戻すことを特徴とする石膏ボード用原紙のロールコーティング方法を提供する。
好ましくは、塗布ロール両端の未展延部に高比重の泥漿を流し、これにより、石膏ボードの縁部及び縁部領域の高比重化が達成可能となる。
【0010】
他の観点より、本発明は、上記構成のロールコーティング方法に従って、上側及び/ 又は下側の前記石膏ボード原紙をコーティングした後、前記高比重泥漿よりも低比重の泥漿を下側石膏ボード原紙の上から供給して、上紙、泥漿及び下紙の積層体を形成し、該積層体を乾燥させることを特徴とする石膏ボードの成形方法を提供する。
好ましくは、積層体形成前に、下側石膏ボード原紙の両縁部が、その長手方向に沿って上方に折り曲げられ、これにより、塗布ロールの端と石膏ボード用原紙の縁との間に泥漿のせき止め部が形成される。
【0011】
【作用】
本発明のロールコーター及びロールコーティング方法によれば、原紙搬送手段によって石膏ボード用原紙(以下、原紙という)をその長手方向に搬送するとともに、泥漿供給手段によって塗布ロールから原紙の搬送方向上流側で、前記原紙の上面に泥漿を供給することにより、原紙上面の泥漿は、原紙の上面と塗布ロールのロール面の下端の間に形成された展延部に到る。塗布ロールは、原紙に略平行に、該原紙の幅員方向に沿って、且つ該原紙の上面から所定間隔を隔てて配置されているので、泥漿はロール面の下端によって、原紙の幅員方向に展延され、それによって原紙の表面全体に亘って泥漿の薄層を形成することが可能になる。このとき、塗布ロールを原紙の搬送方向と逆方向に回転させることにより、展延された泥漿がその粘着性によって塗布ロール面の下端に付着しようとするのを防止し、一方、粕取りロールを塗布ロールと平行に、且つ塗布ロールのロール面に密着配置させることにより、密着部から回転方向進み側の塗布ロール面に泥漿が付着するのを防止することができるので、泥漿の薄層の原紙の搬送方向の変化及び時間による変化を防止し、その結果薄層の厚さの均一化を図り、石膏芯と原紙との接着性を向上させることが可能になる。
【0012】
粕取りロールが原紙の搬送方向上流側において塗布ロールに密着することにより、展延部で塗布ロールによって展延されない泥漿は、原紙の搬送方向と逆回転する塗布ロールのロール面に付着して原紙上流側に上方に向かって移送され、粕取りロールとの密着部に到り、密着部において泥漿は粕取りロールのロール面に移る。好ましくは、粕取りロールの中心高さは、塗布ロールの中心高さ以下に設定され、粕取りロール面の泥漿は、展延部から原紙搬送方向上流側の原紙上に落下する。原紙上に落下した泥漿は再度展延部に到り、一部は展延されて、塗布ロールの搬送方向下流側に移動し、一部は展延されず泥漿の循環ループを形成し、それにより特に、展延部の上流側に形成されるの泥漿のせき止め部分の流れを活発化しつつ、最終的に展延されて塗布ロール下流側に移送することが可能になり、その結果、未展延の泥漿の硬化を防止することが可能になる。
【0013】
本発明の石膏ボード成形方法によれば、原紙の上紙及び下紙に対して、薄層の厚さの不均一及び/又はドライアウトの発生を防止するとともに、泥漿のせき止め部分の流れを活発化することにより、石膏芯と原紙との接着性を向上或いは維持しつつ、硬化した泥漿による紙切れ等によって生産ライン停止するのを回避することができ、その結果、石膏ボードの生産効率を向上させることができる。
【0014】
【実施例】
以下、添付図面を参照して、下紙用のロールコーターを例にとって本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るロールコーターの部分斜視図である。
図1で、参照番号10はロールコーターで、ロールコーター10は、原紙Aの上面に泥漿を供給するための泥漿供給手段12と、原紙Aの上方域に配置された塗布ロール14と、塗布ロール14の原紙上流側に設置された粕取りロール16と、原紙Aの下方域に設置された受け材18と、塗布ロール14及び粕取りロール16をそれぞれ回転駆動させる塗布ロール回転駆動手段及び粕取りロール回転駆動手段(図示せず)とから概略構成されている。
原紙Aは、所定幅を有する無端ロール紙で、受け材18によって支持されつつ、原紙Aを搬送させるための搬送手段(図示せず)によって、図1の矢印に示す方向に搬送されるようになっている。
泥漿供給手段12は、ミキサー(図示せず)からの管路から構成されており、原紙面上に流し込む泥漿は、塗布ロール14における泥漿の滞留を防止する観点から、図1に示すように1か所が好ましい。
【0015】
塗布ローラ14及び粕取りローラ16は、互いの相対位置を保持しながら、原紙Aに対する位置決めを行うべく、各々の回転シャフト19a、bの両端を原紙Aの両側にそれぞれ設置された共通の支持材(図示せず)によって回動自在に支持され、さらに各支持材の上下方向位置及び原紙Aの幅員方向位置を一体的に調整することによって、塗布ローラ14及び粕取りローラ16の位置決めを行い、それによって塗布ローラ14の下端が原紙Aの上面から所望の所定間隔を隔て、且つ原紙Aの幅員方向に、後に説明する所望の延部20が形成されるようになっている。
次に塗布ロール14について、説明すれば、塗布ロール14は、円筒形状で、外表面がロール面を構成する周知のタイプで、原紙Aに略平行に、原紙Aの幅員方向に沿って配置されており、原紙Aの上面と塗布ロール14のロール下端との間に泥漿の展延部20が構成されている。なお、塗布ロール14による塗布厚は100 乃至500 ミクロンが好ましいため、展延部20の所定間隔はこの範囲に設定するのがよい。
塗布ロール14の長手方向の長さは、原紙Aの幅より小さく、塗布ロール14の各端と原紙Aの各縁の間には、泥漿の非展延(図示せず)が形成されている。非展延の幅は、一般的には、10mm乃至50mmであるのが好ましい。従って、展延部20で原紙Aの幅方向に展延した泥漿は、非展延を通って塗布ロール14の両端からはみ出し、薄層の両端からそれぞれ原紙Aの縁部(両端部を折り曲げた石膏ボードの縁部)に流れ込むことができるようになっている。なお、原紙Aを石膏ボードの上紙とする場合には、非展延は必ずしも設ける必要はないが、薄層の両端にそれぞれ糊代を確保すべく、ロール幅若しくは延部20の幅は、糊代分を除いた幅とする必要がある。塗布ロール14のロール面の硬度は、ロール面の保護及び紙切れ防止の観点から粕取りロール16の面及び受け材18の面の硬度より大きいのが好ましい。塗布ロール14の上方域には、噴出口が、ロールの長手方向に整列し、各噴出口が、塗布ロール14に向かって下方に向いたシャワー装置22が設けられ、後に説明する粕取りロール16との密着部より上方域の塗布ロール14のロール面に水を吹き付けるようになっている。なお、このシャワー装置22は、生産ライン停止後の清掃時だけでなく、運転中に使用してもよい。
【0016】
粕取りロール16は、塗布ロール14と同様な周知のタイプで、塗布ロール14と平行に、且つ塗布ロール14のロール面に密着して配置されている。粕取りロール16と塗布ロール14との密着部は、塗布ロール14のロール面の長手方向全体に亘って延び、粕取りロール16は、塗布ロール14から原紙Aの搬送方向上流側に配置され、粕取りロール16の中心高さは、塗布ロール14の中心高さ以下であり、粕取りロール16の下端は、原紙Aの上面に接触しない必要があるので、ロール径は塗布ロール14の径より小さくなっている。従って、展延部20で塗布ロール14のロール面に付着した泥漿は、密着部を介して粕取りロール16に伝えられ、後に説明するように粕取りロール16の回転方向は塗布ロール14のそれと逆方向であるので、略その場から、即ち粕取りロール16側の密着部付近から原紙Aに落下するようになっている。又、粕取りロール16と塗布ロール14は長手方向の長さは同じであり、図1によく示すように、塗布ロール14及び粕取りロール16の各端における密着部に接するように粕取り板26が配置され、ロール側面に付着した泥漿を除去し、付着した泥漿が硬化して成長するのを防止するようになっている。
【0017】
受け材18は、図1に示すように、原紙Aの長手方向に延びる受けテーブル28と、テーブル28の間で、塗布ロール14の直ぐ下方に設置された受けロール30とからなり、原紙Aを原紙Aの下方から支持するようになっている。受け材30の面を例えば、ゴム、軟質樹脂等で被覆することにより、塗布ロール14と受けロール30上の原紙Aとの間に異物が混入しても、ゴム等の面が凹み、原紙Aの紙切れが防止できるので、生産ラインを中断せず続行することができる。受けテーブル28は、定盤等で構成してもよく、受けロール30は、回転駆動させても、或いはフリーにしてもよい。
塗布ロール回転駆動手段及び粕取りロール回転駆動手段はそれぞれ、周知のモータと、このモータの回転を各回転シャフトに伝達するための周知な伝動手段、例えばスプロケット−チェーンの組合わせからなり、塗布ロール回転駆動手段にあっては塗布ロール14を原紙Aの搬送方向と逆方向に回転させ、粕取りロール回転駆動手段にあっては、粕取りロール16を塗布ロール14の回転方向と逆方向に回転させるようになっている。なお、原紙面に均一に安定した薄層を得るために、塗布ロール14の周速度は、原紙Aの搬送速度以下であるのが好ましく、又粕取りロール16の周速度は、塗布ロール14の周方向速度以下であるのが好ましい。塗布ロール14と粕取りロール16との間にアイドラーを設けて、単一の回転駆動装置によって駆動してもよい。
【0018】
以上の構成のロールコーターについて、以下にその作用を説明する。
予め、塗布ロール14の下紙の幅方向位置及び下紙の上面と塗布ロール14のロール面の下端との間隔を調整する。原紙搬送手段によって下紙をその長手方向に搬送するとともに、泥漿供給手段12によって塗布ロール14から下紙の搬送方向上流側で、前記下紙の上面に泥漿を供給することにより、下紙の上面の泥漿は、下紙の上面と塗布ロール14のロール面の下端の間に形成された展延部20に到る。塗布ロール14は、下紙に略平行に、該下紙の幅員方向に沿って、且つ該下紙の上面から所定間隔を隔てて配置されているので、泥漿はロール面の下端によって、下紙の幅員方向に展延され、それによって下紙の表面全体に亘って泥漿の薄層を形成することが可能になる。又、余剰の泥漿は、塗布ロール14両端側に形成された非展延部を通り、塗布ロール14の両端からはみ出し、下紙の縁部(両端部を折り曲げた場合の石膏ボードの縁部)に流れ込むことができ、泥漿を高比重のものにすれば、副ミキサー等別個の装置を設けることなく、簡単に縁部の泥漿を高比重とし、それによってドライアウトを防止することができる。
【0019】
このとき、塗布ロール14を下紙の搬送方向と逆方向に回転させることにより、展延された泥漿がその粘着性によって塗布ロール14面の下端に付着しようとするのを防止することができ、さらに粕取りロールの回転方向を塗布ロール14の回転方向と逆方向とすることにより、塗布ロール14面に一部付着した泥漿が、密着部24の塗布ロール回転方向下流側から粕取りロール16を介して、上流側に到り展延部20まで移送されるのを確実に防止することができるので、泥漿の薄層の原紙の搬送方向に亘る厚さを均一にし、さらにロールコーター10の稼働時間によって厚さが変化するのを防止し、その結果薄層の厚さの均一化を図り、石膏芯と下紙との接着性を向上させることが可能になる。
それとともに、粕取りロール16が塗布ロール14から下紙の搬送方向上流側に配置され、粕取りロール16と塗布ロール14との密着部24は、塗布ロール14のロール面の長手方向全体に亘って延びているので、展延部20で塗布ロール14によって展延されない泥漿は、下紙の搬送方向と逆回転する塗布ロール14のロール面に付着して下紙上流側に上方に向かって移送され、粕取りロールとの密着部24に到り、密着部24において泥漿は粕取りロールのロール面に移り、粕取りロールは塗布ロール14と逆方向に回転するので、略その場で真下に落下する。
【0020】
ここで、粕取りロールの中心高さは、塗布ロール14の中心高さ以下であるので、粕取りロール面の泥漿は展延部20から下紙搬送方向上流側の下紙上に落下することが可能になる。下紙上に落下した泥漿は、一部は展延されて、塗布ロール14の下流側に移送され、一部は再度展延部20に到り、この繰り返しにより泥漿の循環ループを形成し、それにより特に、展延部20の上流側に形成される泥漿のせき止め部分の流れを活発化させ、最終的に展延させることが可能になり、その結果、未展延の泥漿の硬化を防止することができる。又、粕取り板26によって常時各ロールの側部に付着した粕を除去し、硬化して成長し、紙切れ等の発生を防止することができる。さらに、運転中、或いは停止中シャワー装置22によって塗布ロール14のロール面を清掃することにより、ロール面によって展延される泥漿の薄層表面を維持することができる。
以上、下紙に塗布する場合を例に説明したが、上紙にあっては、前述のように、糊代を確保すべく側縁に泥漿を塗布しない点を除き同様である。
次に本ロールコーターを用いた石膏ボードの成形方法を以下に説明する。
図2は、石膏ボードの成形工程を部分的且つ概略的に示す工程説明図である。石膏ボード用原紙の下紙110が生産ラインに沿って搬送される。ミキサー120は、搬送ラインと関連する所定位置、例えば搬送ラインの上方に配置されており、本出願人が別途出願した、単一のミキサーによって高比重及び低比重の泥漿を供給することができるタイプのものである。なお、従来タイプのミサキーを高比重及び低比重の泥漿のそれぞれに対して設けてもよい。焼石膏、接着助剤、効果促進剤、添加剤等の粉体、泡及び水がミキサー120に供給され、ミキサー120はこれらの原料を混練し、高比重の泥漿130を管路140、150を介してロールコーター100から搬送方向上流側で下紙110及び上紙160上に供給する。下紙110及び上紙160上の泥漿はそれぞれロールコーター100の展延部20に到り、ここで前述のように展延され、高比重の泥漿130の薄層と縁部領域とが下紙110上に、薄層が上紙160上に形成される。下紙110は、そのまま搬送され、上紙160は転向ローラ170によって下紙110の搬送ライン方向に転向され、ともに成形ローラ180に達する。ここで、各紙110、160の上に形成された薄層の間に、ミキサー120から管路190を介して低比重の泥漿200を供給し、かくして、下紙110、泥漿200、上紙160からなる3層構造の連続的な積層体が形成され、該積層体は硬化しつつ、粗切断カッター(図示せず)に達する。粗切断カッターは、連続的な積層体を所定長さの板体に切断し、かくして、石膏を主体とする芯を石膏ボード用原紙で被覆してなる板状体、即ち、石膏ボードの原材料が形成される。粗切断された積層体は更に、乾燥機(図示せず)に通され、強制乾燥され、しかる後、所定の製品長に切断され、かくして石膏ボード製品が製造される。
【0021】
【効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のロールコーター及びロールコーティング方法によれば、塗布ロール面に泥漿が付着して硬化するのを防止することによって、薄塗り層の場所及び時間による厚さの変化を抑制し、それによって薄塗り層の厚さの均一化を図り、石膏芯と下紙との接着性を向上させることができる。また、本発明のロールコーター及びロールコーティング方法によれば、塗布ロール面への泥漿の付着硬化を防止しつつ、塗布ロールによって展延されない泥漿を塗布ロールから密着部及び粕取りロールを介して石膏ボード用下紙の搬送方向上流側に戻して、一部は展延させ、一部は泥漿の循環ループを形成して泥漿の流れを活発化させることにより、最終的には、供給された泥漿を全て展延させ、その結果、展延されない泥漿の硬化を防止することができる。更に、本発明に従って、塗布ロールの端と石膏ボード用原紙の縁との間に泥漿の非展延部を形成することにより、単一のロールコーターによって石膏ボードの縁部分或いは縁部領域のドライアウトの発生を防止し、それによって、石膏芯と下紙の接着性を維持することができる。
【0022】
本発明の石膏ボード成形方法によれば、薄層の厚さの不均一化及び/又はドライアウトの発生を防止しつつ、未展延の泥漿の流れを活発化させることにより、石膏芯と下紙との接着性を向上させ、且つ紙切れ等による生産ラインの停止を回避することができ、その結果、石膏ボードの生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るロールコーターの部分斜視図である。
【図2】石膏ボードの成形工程を部分的且つ概略的に示す工程図である。
【符号の説明】
10 ロールコーター
12 泥漿供給手段
14 塗布ロール
16 粕取りロール
18 受け材
19 回転シャフト
20 展延
22 シャワー装置
24 密着部
26 粕取り板
28 受けテーブル
30 受けロー

Claims (13)

  1. 低比重の泥漿によって形成され、石膏を主体とした芯を石膏ボード用原紙で被覆してなる石膏ボードにおける前記芯及び前記石膏ボード用原紙の接着性を向上すべく、高比重の泥漿の薄層を前記石膏ボード用原紙の上面に形成するロールコーターにおいて、
    前記石膏ボード用原紙をその長手方向に搬送するための原紙搬送手段と、
    前記石膏ボード用原紙をその下方から支持するための受け材と、
    前記石膏ボード用原紙の幅員方向に延び、該石膏ボード用原紙の上面から所定間隔を隔てて配置され、前記石膏ボード用原紙の搬送方向と逆方向に回転する塗布ロールと、
    前記塗布ロールを前記石膏ボード用原紙の搬送方向と逆方向に回転させるための塗布ロール回転駆動手段と、
    前記塗布ロールに対して前記石膏ボード用原紙の搬送方向上流側に配置され、前記塗布ロールと平行に延び、該塗布ロールのロール面に密着し、前記塗布ロールと逆方向に回転する粕取りロールと、
    前記塗布ロールの前記搬送方向上流側で、前記石膏ボード用原紙の上面に高比重泥漿を供給する泥漿供給手段とを有することを特徴とするロールコーター。
  2. 前記塗布ロールと前記粕取りロールとの密着部は、前記塗布ロールのロール面の長さ全体に亘って延び、前記粕取りロールのロール径は前記塗布ロールの径よりも小さく、前記粕取りロールの中心高さは、前記塗布ロールの中心高さ以下に設定されることを特徴とする請求項1に記載のロールコーター。
  3. 前記粕取りロールを前記塗布ロールの回転方向と逆方向に回転させるための粕取りロール回転駆動手段を更に有し、前記粕取りロールの回転速度は、前記塗布ロールの回転速度以下に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のロールコーター。
  4. 前記塗布ロールの長さは、前記石膏ボード用原紙の幅よりも小さく、前記塗布ロールの端と前記石膏ボード用原紙の縁との間には、泥漿の非展延部が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロールコーター。
  5. 前記非展延部は、前記塗布ロールの両側に形成されることを特徴とする請求項4に記載のロールコーター。
  6. 前記塗布ロール及び前記粕取りロールの全長は、同一であり、粕取り板が前記塗布ロール及び前記粕取りロールの各端において前記密着部に接するように配置されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロールコーター。
  7. 前記塗布ロールのロール面の硬度は、前記粕取りロールのロール面及び前記受け材の受け面のそれぞれの硬度よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のロールコーター。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載されたロールコーターを用い、
    前記塗布ロールの前記搬送方向上流側で、前記石膏ボード用原紙の上面に高比重の泥漿を供給し、
    前記石膏ボード原紙と前記塗布ロールとの間に前記高比重泥漿を通すことにより、該高比重泥漿を前記石膏ボード用原紙の幅方向に展延し、前記芯と前記原紙との接着性を向上させる前記高比重泥漿の薄層を前記石膏ボード用原紙に形成するとともに、前記塗布ロールを石膏ボード用原紙の搬送方向と逆方向に回転させることにより、前記石膏ボード原紙と前記塗布ロールとの間を通過しない前記高比重泥漿を前記塗布ロールのロール面と前記粕取りロールのロール面との密着によって前記搬送方向の上流側に戻すことを特徴とする石膏ボード用原紙のロールコーティング方法。
  9. 前記高比重泥漿の展延の際に生じる余剰の泥漿は、前記塗布ロールの端と前記石膏ボード用原紙の縁との間の非展延部を通過することを特徴とする請求項8に記載の石膏ボード用原紙のロールコーティング方法。
  10. 前記塗布ロールの周速は、前記石膏ボード用原紙の搬送速度以下に設定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の石膏ボード用原紙のロールコーティング方法。
  11. 前記塗布ロールによる塗布厚は、100乃至500ミクロンの範囲に設定されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の石膏ボード用原紙のロールコーティング方法。
  12. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載のロールコーティング方法に従って、上側及び/ 又は下側の前記石膏ボード原紙をコーティングした後、前記高比重泥漿よりも低比重の泥漿を下側石膏ボード原紙の上から供給して、上紙、泥漿及び下紙の積層体を形成し、該積層体を乾燥させることを特徴とする石膏ボードの成形方法。
  13. 下側石膏ボード原紙の両縁部をその長手方向に沿って上方に折り曲げて、前記塗布ロールの端と前記石膏ボード用原紙の縁との間に泥漿のせき止め部を形成することを特徴とする請求項12に記載の石膏ボードの成形方法。
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