JP3712900B2 - プレス機のトランスファ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスファプレス機のトランスファ装置に関するものである。さらに詳しくは、トランスファ装置において、フィンガーを各工程に対応して配置し、ワークの送り方向(トラバース方向)に対して前後動,左右動(トラバース方向に直角方向)及び停止時に開閉させることによりワークを順次次の工程の加工ステージに移送するプレス機のトランスファ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に採用されているトランスファプレス機のトランスファ技術としては、ワーク送り方向に対して直角方向の左右両側で開閉を行うフィンガーを各工程の加工ステージに一対設置し、フィンガーをワーク送り方向(トラバース方向)に前後運動させるとともに左右から押圧してワークを挟持する方式が広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来トランスファプレス機のトランスファ装置では、フィンガーはトラバース方向左右対称で進退可能に支持されていて、ばねの作用で常に閉じられる方向(ワークを挟む方向)に付勢されている。そして、フィンガーを開く場合はワーク又はパンチをフィンガーのワーク保持部に当てて強制的に押し広げるものである。このためワークの内径が大径のパンチの太い場合には影響が少ないが、ワーク内径が小径のパンチの細い場合(例えばワーク内径1mm以下)にはフィンガーを押し広げる際にパンチはフィンガーの閉じ力に負けてしまい、パンチに曲がりあるいは折れが発生し、トランスファプレスによるワークの成形不良の原因となっていた。そしてトランスファプレス機の作動の高速化に伴い一層このトラブルの発生率が増大するとともに、直接ワークとフィンガーが接触する方式であるのでワークにこすりキズなどが発生し品質を悪くする問題があった。
本発明は、従来の技術のこのような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、小径ワークの成形においても、パンチの曲がりや折れ等を防止することである。また、トランスファプレス機の高速作動でもパンチによるワークの疵発生を防止することである。本発明はパンチやワークとフィンガーと接触せずにフィンガーの開閉を行い、ワークをフィンガーに保持させて移送する方式のトランスファ装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本請求項1の発明のプレス機のトランスファ装置は、直列する複数の加工ステージが設けられ、各加工ステージに設けた上型と下型でワークに変形加工を行い、そのワークを順次つぎの加工ステージに移送していくプレス機のトランスファ装置であって、2本のフィンガーレバーを洋鋏形のX状に配して先端にワーク把持部を設けた複数のフィンガーと、前記ワーク把持部をワークを挟む方向に常時付勢するばねと、該ばねの力に抗して前記フィンガーのワーク把持部を開く板カム機構と、トランスファ方向と直角方向に設けた第1ガイドレールで進退可能に案内され前記板カム機構を支持している第1連結板にレバーを介して第1円板カムの変位を伝達して前記板カム機構を進退させる第1駆動機構と、各加工ステージに対応させた前記フィンガーを取り付けるトランスファスライド保持部と、該トランスファスライド保持部を前記トランスファ方向に前後移動させる第2駆動機構と、前記トランスファスライド保持部を前記トランスファ方向と直角方向に進退させる第3駆動機構とを備えて、前記第1,第2,第3の各駆動機構を同期させて前記フィンガーによりワークを順次つぎの加工ステージに移送するものである。
この請求項1の発明によればラムの上昇するタイミングでX状の洋鋏形フィンガーが前進位置で板カムが後退してワークを把持するトランスファスライド保持部はトランスファ方向に前進し、ラムの下死点前にトランスファスライド保持部は次の加工ステージにワークを移送する。次いで板カムが前進してフィンガーを開きフィンガーが後退しラムの下死点前にトランスファスライド保持部は後退動作に入る。ラムの下死点でパンチは加工を終わりラムは上昇に入る。トランスファスライド保持部がトランスファ方向の上流に戻る後退端より前にフィンガーは前進に移る。フィンガー前進端とほぼ同時に板カムが後退してワークを把持させ、ラムの上死点に達する前にトランスファスライド保持部は前進を始めるものである。
【0005】
このように作動するので、ワークを把持するためにフィンガーを開く動作は板カムで行うので、ワークやパンチとフィンガー(ワーククランプ部)とを接触させることがなくなり、これにより、プレス加工を行うのが小径製品であっても、パンチの曲がりや折れが発生しなくなる。また、トランスファプレス機を高速作動させても問題が起こらず、従ってパンチの使用寿命が延びるものである。さらにワークに疵なども発生しない。
【0006】
さらにまた、第1円板カムの回転でカムの変位がレバーを介して伝達されてガイドレール上を移動される連結板が進退され板カムがフィンガー作動腕端を開閉してフィンガー把持部を開閉させる。このため板カム機構の進退移動がスムーズに行うことができ、トランスファ装置の作動がより安定したものとなる。ワークを把持するためのフィンガーの開きを板カム機構で行うので、ワークやパンチとフィンガー(ワーククランプ部)とを接触させることがなくなり、これにより、プレス加工を行うのが小径製品であってもパンチの曲がりや折れが発生しなくなるものである。また、トランスファプレス機を高速作動させても問題が起こらず、パンチの使用寿命延びるものである。またワークのキズなども発生しない。
【0007】
本請求項2の発明は、前記トランスファスライド保持部は、前記トランスファ方向と直角方向に設けられた前記第1ガイドレールに進退可能に支持される第2連結板と、該第2連結板上で前記トランスファ方向の第2ガイドレールに前記トランスファ方向で前後移動可能に支持されるトランスファバーと、該トランスファバー上に締着され前記フィンガーを加工ステージに対応してトランスファラインの片側に一列に配置したフィンガー支持板とを備えてなるものである。
この請求項2の発明によれば、フィンガーは第2連結板のトランスファ方向と直角方向の移動で加工ステージ位置と退避位置とに移動し、またトランスファバーのトランスファ方向の前後移動で加工ステージ間を移動して把持したワークを順次つぎの加工ステージに順送りするものである。このためトランスファ動作が滑らかでありフィンガーを作業者の向こう側に位置させうるためワークの監視が容易となる。
【0008】
本請求項3の発明は、前記トランスファスライド保持部を前後移動させる前記第2駆動機構は、前記トランスファ方向に設けられた前記第2ガイドレールに前記トランスファ方向で前後移動可能に支持され、前記フィンガーを載置している前記トランスファバーにレバーを介して第2円板カムの変位をトランスファ方向に伝達するものである。
この請求項3の発明によれば、フィンガーは第2ガイドレールに案内されるトランスファバーが第2円板カムによって1ピッチの往復運動が円滑に行われる。このためプレス機の高速作動にトランスファ装置が充分に対応することができる。
【0009】
本請求項4の発明は、前記トランスファスライド保持部を前記トランスファ方向と直角方向に進退させる前記第3駆動機構は、前記トランスファ方向と直角方向に設けた前記第1ガイドレールに進退可能に支持され、前記フィンガーを載置する前記トランスファバーを前記トランスファ方向に前後移動可能に支持する前記第2連結板にレバーを介して第3円板カムの変位を前記トランスファ方向と直角方向に伝達し、前記トランスファスライド保持部を進退させるものである。
この請求項4の発明によれば、フィンガーはトランスファバーを支持する第2連結板が第3円板カムによって加工ステージ位置と退避位置とに進退移動が滑らかに行われる。このためプレス機の高速作動にトランスファ装置が充分に対応することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のラム及びトランスファ装置の駆動部の概略側面説明図を示す図1、同じくトランスファ装置の駆動部の概略平面図を示す図2、トランスファ装置の駆動部分を省略し一部を断面とした平面説明図を示しトランスファバーは前進端、フィンガーも前進端で板カムの前進で開いた状態を示す図3、図3のA−A視図でフィンガーを縦断面とした説明図の図4にもとづき説明する。
【0012】
トランスファプレス機の機台1のフレーム1a上部に水平に回転可能に軸承されたクランク2aを有するクランク軸2は、天井部1bに設けたモータ3からフライホイール4a付フライホイール軸4,中間軸5を介してそれぞれベルトにより図示しないクラッチブレーキを経て回転が伝達される。クランク軸2は、クランク2aに連接されたコネクチングロッド6を介して機台1のフレーム1aに上下方向に設けられ上端を固定回動点としたトグル装置7の腕連接点に枢結されている。トグル装置7の下端はフレーム1aに上下移動可能に案内支持されたラム9と連結されている。このラム9はトランスファ方向に一列等ピッチにパンチPTを装着したパンチホルダ8を備えている。
したがってクランク軸2の回転で上下動され対応位置に配置した後述のダイDとパンチPTとの間で帯材に加工を行わせる。
【0013】
フレーム1aの外側には上下に配したブラケット12,12によりトランスファ装置25の主駆動軸13が回転可能に上下方向に軸承されている。そしてこの主駆動軸13の上端に傘歯車14が取り付けられていて、クランク軸2の外端に取り付けた傘歯車16と噛合されている。主駆動軸13の中央位置には捩じり歯車17が取り付けられていて、フレーム1aに水平に配置されたブラケット18,18でクランク軸2と平行に回転可能に軸承されたトランスファ装置25の副駆動軸19に取り付けた捩じり歯車21と噛合されている。さらに主駆動軸13の下端部にはトランスファ装置25のトランスファ方向前後駆動の円板カム22が取り替え可能に取り付けられている。
【0014】
機台1のボルスタ1cの上面には下台23が載置されていて各工程のダイDを収容するダイホルダ24がトランスファ方向に工程順に一列に加工ステージと等しいピッチで整列配置されている。そしてパンチPTとダイDとの間をワークが移送され各工程において順次加工されるようにトランスファ装置25が作業者側に対してトランスファラインより奥側(図1で右側)に設置されている。トランスファ装置25はトランスファ装置の下台26上に設けられており、図3,図4において、下台26上トランスファ方向(図3で左右方向)に対して直交する方向で離れた2個所に平行してリニア式のガイドレール27A,27Bが取り付けられている。このリニア式のガイドレール27A,27Bには、それぞれ摺動子28A,28Bが載置されていて両者を連結板29で結合している。
【0015】
そして連結板29上にはトランスファ方向にリニア式のガイドレール31がさらに取り付けられている。リニア式のガイドレール31上には2個の摺動子32A,32Bが載置されていて、この摺動子に連結板29より長くて後述するリンクレバー51を枢着する側に突出するトランスファバー33がねじにより締着されている。さらにこのトランスファバー33にはトランスファ方向にフランジが形成されていて、このフランジに側面を位置決めしたフィンガー支持板34が載置されねじにより固定されている。そしてフィンガー支持板34にフィンガーレバーをX状に組み付けた洋鋏形のフィンガー36がトランスファ方向に本実施例では9個所の加工ステージの8個所に対応しうるように等間隔に一列にワーク把持点を同一線上として8個が連続して整列配置されている。なお図3はトランスファバー33が前進した位置におけるフィンガー36の位置を示している。
【0016】
フィンガー支持板34はトランスファ方向ほぼ中央で厚肉部34aと薄肉部34bとに区切られワーク把持側が厚肉部34aとなされている。そして厚肉部34aにはフィンガー36の把持腕が貫通できる角窓34cがワーク側の側面より加工ステージのピッチに対応して穿設されている。
【0017】
フィンガー36は2本のレバーのフィンガーレバー37A,37BがX状に組み合わされ交叉点を回動中心としてピン38でフィンガー支持板34に開閉自在に枢支され洋鋏の形状をなしている。フィンガーレバー37A,37Bの把持腕は角窓34cを貫通して加工位置迄延在し、それぞれの腕のワーク把持部37Aa,37Baにワーク外径に沿う凹円弧面が形成されている。他方の作動腕は薄肉部34b上に延在して開閉自由であって、端部に後述する楔カム46aが侵入時に当接する対向面を凸円弧面37Bb,37Abに形成されている。2本のフィンガーレバー37A,37Bの把持腕及び作動腕はワーク把持状態において互いにほぼ平行状態となる。フィンガー支持板34の角窓34cの対向内側面に形成した凹部とフィンガーレバー37A,37Bの把持腕との間には常時把持腕を閉じる方向に付勢する圧縮ばね39A,39Bが介装されている。そしてばね39A,39Bが脱落しないよう対向内側面の凹部外側開口部を塞ぐ蓋41が取り付けられている。さらにまた絞り加工した薄肉ワークを把持したとき変形させず且つ把持しうるしめしろを有するようにフィンガーレバー37A,37Bの閉じ位置を規制するストッパ40がフィンガーレバーの間に位置してフィンガー支持板34の厚肉部34aの角窓の中央外端に突設されている。なお、加工ワークが変更されたときはワーク把持直径に対応する凹円弧面を有するフィンガーレバーと取り替えられるものである。
【0018】
リニア式のカイドレール27A,27Bには摺動子28A,28Bと同じ摺動子42A,42Bが載置され同様に連結板43によって摺動子42A,42Bが連結されている。また連結板43上には板カム支持板44がねじにより締着されている。板カム46は加工ステージ本実施例の9個所に対応した位置にトランスファ方向と直角に設けられている。すなわちレバー式の洋鋏形フィンガー36のフィンガーレバー37A,37Bの作動腕の対向中央位置に楔カム46aが挿入可能位置である。
9個平行に配置された板カム46の先端にはフィンガーレバーの作動腕の先端凸円弧面37Ab,37Bbの間に挿・脱する楔カム46aが突設されていて、楔カム46aが侵入することで把持腕,作動腕が開かれる。板カム46の後端部には長窓46bが穿孔されていてボルトにより板カム46のカム作動時期を調整可能に取り付けられている。そして調整兼止ボルト47により位置が規定されている。
【0019】
トランスファ装置の主駆動軸13に装着した全角度で直径の長さが等しい円板カム22とトランスファ装置25との間には、フレーム1aより突設したブラケット52にピンで回転可能に二股腕レバー53が枢支されている。この二股腕レバー53は回動支点の一方の腕53aは二股をなし、それぞれの先端にカムフオロア54,54が枢支されていて、円板カム22を直径上で隙間なく当接している。支点の反対側の腕53bはトランスファバー33に枢結したリンクレバー51とリンクレバーの長さ調整可能に枢結されている。このためトランスファバー33の往復動位置が調整できてパンチPTとフィンガー36の把持中心とを一致させることができる。したがってトランスファ装置の主駆動軸13の回転による円板カム22の回転で、二股腕レバー53が揺動されリンクレバー51を介してトランスファバー33,フィンガー支持板34および8個のフィンガー36はトランスファ方向に前後往復動される。この往復ストロークは加工ステージのピッチと同一となるように円板カム22のカムリフト及び二股腕レバー53のレバー比が決定されている。さらにトランスファ装置の副駆動軸19には全角度で直径の長さが等しい円板カム56と57が取り替え可能に固着されている。
【0020】
またフレーム1aに副駆動軸19と平行に支軸58が固着されていて、二股腕レバー60,61が回転可能に支承されている。この二股腕レバー60の二股腕60aはそれぞれの先端に枢支されたカムフオロア62,62で円板カム56を直径上で隙間のないように当接している。他方の腕60bは、板カム支持板44の側方突出部にボルトで締着された連結片63に枢結されたリンクレバー64と枢結されている。そしてリンクレバー64は二股腕レバー60との連接位置を変えることにより長さ調整可能である。したがって円板カム56の回転による板カム46の作動時期の微妙な調整が可能である。
【0021】
また二股腕レバー61の二股腕61aはそれぞれの先端に枢支されたカムフオロア66,66で円板カム57を直径上で隙間のないように当接している。他方の腕61bは、連結板29上にボルトで締着された連結片67に枢結されたリンクレバー68と枢結されている。そしてリンクレバー68との連接位置を変えることにより長さ調整可能である。したがって連結板29すなわちこの上のフィンガー支持板34の進退(トランスファ方向と直角方向)位置の微調整が可能である。円板カム22,56,57の作動位相は設計ダイヤグラムにもどついて予め取り付け位置が調整されるものである。
【0022】
このように構成された本発明のトランスファ装置25のラム9の上下動,フィンガー36の開閉,フィンガー36の進退,トランスファバー33の前後進の動作ダイヤグラムを示す図5にもとづき説明する。
【0023】
いまラム9は上死点に位置し、この位置をクランク角度0度とする。板カム46は後退端にあってフィンガー36はワークを把持した閉状態にあり、且つ前進状態にある。トランスファバー33は主駆動軸13の円板カム22のカムリフトが途中でトランスファ方向の前進の途中(加工ステージの間)にあるものとする。
モータ3の駆動によりクランク軸2が回転され、クランク2aの回動でコネクチングロッド6が図1で右方に引かれトグル7の下端の枢支点7aがラム9を下降させる。
【0024】
クランク角度40度の位置でトランスファバー33は前進端に達し、フィンガー36で把持したワークを1加工ステージ移送する。すなわちクランク軸2の回転でトランスファ装置の主駆動軸13と一体の円板カム22が回動し、二股腕レバー53が時計方向回動で腕53bは、図2で上方への回動端に達してトランスファバー33が1加工ステージ移動される。ワークは次工程のパンチPTとダイDとの同一線上に位置する。
【0025】
クランク角度70度で板カム46が前進を開始する。即ちクランク軸2の回転がトランスファ装置の主駆動軸13の捩じり歯車17から捩じり歯車21よりトランスファ装置の副駆動軸19に伝えられ、円板カム56の回動でカム作用面に入り二股腕レバー60が図1で時計方向に回動されて、リンクレバー64より連結板43を前進させ、板カム支持板44上の全板カム46を後退端から一斉にトランスファ方向と直角方向に前進させる。フィンガー36のフィンガーレバー37A,37Bの後端の凸円弧面37Ab,37Bb迄遊び前進量のあと楔カム46aが凸円弧面の間に押し入りフィンガーレバー37A,37Bの後端が開かれる。
フィンガーレバーは洋鋏形をなすので先端のワーク把持部37Aa,37Baが圧縮ばね39A,39Bの力に抗して開かれる。
【0026】
クランク角度115度で板カムが前進端に達し、ワーク把持部が完全に開きワークの把持が開放される。
クランク角度120度でフィンガー36が後退を始める。即ちトランスファ装置25の副駆動軸19の円板カム57のカムリフトにかかり二股腕レバー61が反時計方向(図1)に回動を始める。
【0027】
クランク角度140度でトランスファバー33は後退を開始する。即ち主駆動軸13の円板カム22の引き続く回動で二股腕レバー53が反時計方向(図2)に回動しトランスファバー33が後退し始める。
【0028】
クランク角度160度で円板カム57のカムリフト最大となりフィンガー36は後退端に達する。トランスファバー33の後退開始後にクランク角度180度でラム7は下死点に達するが、それより前にパンチPTはワークに侵入し加工を開始し、ラム7の下死点の停止中に加工を完了する。
【0029】
クランク角度200度でフィンガー36の開いた状態で前進を開始する。このときトランスファバー33は後退端には達せず後退動作中である。即ち円板カム57の引き続く回動で二股腕レバー61が時計方向に回動しリンクレバー68を介して連結板29とともに全フィンガー36を前進させる。
【0030】
クランク角度220度でトランスファバー33は後退端に達する。
クランク角度235度でフィンガー36は前進端に達する。フィンガー36のワーク把持部37Aa,37Baは加工ステージのパンチPTとダイDと同一線上に位置して加工済のワークを把持可能な状態となる。
またクランク角度235度の同一角度で板カム46は後退(トランスファ方向と直角方向)を開始する。板カム46の後退によるフィンガーレバー37A,37Bの後端凸円弧面から抜け出ることにより圧縮ばね39A,39Bの力でフィンガーレバー37A,37Bの先端のワーク把持部37Aa,37Baがワークを把持する。
【0031】
そしてクランク角度275度で板カム46は後退端に達する。この角度迄のラム9の上昇によりワークの加工を終わったパンチPTはワークより抜き出ている。
【0032】
クランク角度320度でトランスファバー33が前進を開始する。即ち主駆動軸13の円板カム22の引き続く回転で二股腕レバー53が時計方向(図2)に回動し、把持したワークを次の加工ステージに移送する。そしてクランク軸2の1回転が終わる。
【0033】
動作を要約するとフィンガー36の動きはトランスファ方向に後退位置且つトランスファ方向直角な前進位置でワークを把持して、1加工ステージ間距離前進し、フィンガーを開いてワークを開放して退避して、トランスファ方向に後退し、加工ステージ位置に前進してフィンガーを閉じワークを把持する運動を行うものである。
以上の動作が繰り返されることにより加工ステージで加工されたワークは順次移送され所定の加工を完了することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、上述したとおり構成したので、以下に記載する効果を奏する。
請求項1の発明は、ワークを保持するためにフィンガーを開くのは板カム機構で行うので、ワークやパンチとフィンガー(ワーククランプ部)と接触させることがなくなり、これにより、プレス加工を行うのが小径製品であってもパンチの曲がりや折れが発生しなくなる。また、トランスファプレス機を高速作動させても問題が起こらず、従ってパンチの使用寿命が延びるものである。またワークにキズなども発生しない。
【0035】
さらに、板カム機構の移動がスムーズに行うことができ、トランスファプレス機の作動がより安定した動きとなる。
【0036】
請求項2の発明は、トランスファ装置をトランスファラインの奥となる片側に配置できるので作業者がワークの加工状態を充分に監視することができる。
【0037】
請求項3の発明は、フィンガー関連部即ちトランスファスライド保持部の移動案内をガイドレールを用い駆動を円板カムからレバーを介して行わせるので、運動が円滑となりプレス機の高速作動化に対応できる。
【0038】
請求項4の発明はフィンガー関連部即ちトランスファスライド保持部の移動案内をガイドレールを用い駆動を円板カムからレバーを介して行わせるので、運動が円滑となりプレス機の高速作動化に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランスファプレス機の側面から見たラム,トランスファ装置の駆動系統を示す説明図である。
【図2】同じくトランスファ装置のトランスファバーの前後駆動機構,板カムおよびフィンガーの進退駆動機構を示す説明図である。
【図3】トランスファ装置の平面説明図である。
【図4】図3のA−A視図でフィンガーのフィンガーレバーを中心断面で示した図である。
【図5】ラム,フィンガーレバー開閉の板カム,フィンガー,トランスファバーの作動ダイヤグラムである。
【符号の説明】
2 クランク軸
7 トグル装置
9 ラム
13 トランスファ装置の主駆動軸
19 トランスファ装置の副駆動軸
22,56,57 円板カム
25 トランスファ装置
36 フィンガー
37A,37B フィンガーレバー
27A,27B,31 ガイドレール
28A,28B,32A,32B,42A,42B 摺動子
33 トランスファバー
29,43 連結板
34 フィンガー支持板
39A,39B 圧縮ばね
40 ストッパ
46 板カム
Claims (4)
- 直列する複数の加工ステージが設けられ、各加工ステージに設けた上型と下型でワークに変形加工を行い、そのワークを順次つぎの加工ステージに移送していくプレス機のトランスファ装置であって、2本のフィンガーレバーを洋鋏形のX状に配して先端にワーク把持部を設けた複数のフィンガーと、前記ワーク把持部をワークを挟む方向に常時付勢するばねと、該ばねの力に抗して前記フィンガーのワーク把持部を開く板カム機構と、トランスファ方向と直角方向に設けた第1ガイドレールで進退可能に案内され前記板カム機構を支持している第1連結板にレバーを介して第1円板カムの変位を伝達して前記板カム機構を進退させる第1駆動機構と、各加工ステージに対応させた前記フィンガーを取り付けるトランスファスライド保持部と、該トランスファスライド保持部を前記トランスファ方向に前後移動させる第2駆動機構と、前記トランスファスライド保持部を前記トランスファ方向と直角方向に進退させる第3駆動機構とを備えて、前記第1,第2,第3の各駆動機構を同期させて前記フィンガーによりワークを順次つぎの加工ステージに移送することを特徴とするプレス機のトランスファ装置。
- 前記トランスファスライド保持部は、前記トランスファ方向と直角方向に設けられた前記第1ガイドレールに進退可能に支持される第2連結板と、該第2連結板上で前記トランスファ方向の第2ガイドレールに前記トランスファ方向で前後移動可能に支持されるトランスファバーと、該トランスファバー上に締着され前記フィンガーを加工ステージに対応してトランスファラインの片側に一列に配置したフィンガー支持板とを備えてなる請求項1に記載のプレス機のトランスファ装置。
- 前記トランスファスライド保持部を前後移動させる前記第2駆動機構は、前記トランスファ方向に設けられた前記第2ガイドレールに前記トランスファ方向で前後移動可能に支持され、前記フィンガーを載置している前記トランスファバーにレバーを介して第2円板カムの変位をトランスファ方向に伝達するものである請求項2に記載のプレス機のトランスファ装置。
- 前記トランスファスライド保持部を前記トランスファ方向と直角方向に進退させる前記第3駆動機構は、前記トランスファ方向と直角方向に設けた前記第1ガイドレールに進退可能に支持され、前記フィンガーを載置する前記トランスファバーを前記トランスファ方向に前後移動可能に支持する前記第2連結板にレバーを介して第3円板カムの変位を前記トランスファ方向と直角方向に伝達するものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプレス機のトランスファ装置。
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