JP3712835B2 - ペン型入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は図形及び文字等の筆記入力をするペン型入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ装置等の入力装置としては、例えばキーボード、マウス、デジタイザ、ライトペン及びタブレット等が用いられている。コンピュータ装置の小型化に伴い、携帯端末装置のニーズが高まり利用者も年々増加している。そこで、小型の入力装置が求められるようになった。
【0003】
キーボードの小型化にはヒューマンインターフェイスの点で限界があり、携帯端末装置の入力装置としては実用性が低い。また、マウスはポインティングデバイスとしては小型化が可能であるが、図形及び文字等の入力には適さない。
【0004】
このため、携帯端末装置の入力装置としてはタブレットとペンを用いたペン型の入力装置が多く採用されている。このタブレットを用いたペン型の入力装置をさらに小型化しようとした場合にはタブレットの大きさが問題となる。そこで、例えば特開平6-230886号公報に掲載されたペンシル型入力装置、特開平6-67799号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置及び特開平3-156519号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置等が開発された。
【0005】
特開平6-230886号公報に掲載されたペンシル型入力装置では、2組の加速度センサの出力を積分した後、加速度センサの取付け位置の影響を補正し、ペン先部の移動方向及び移動量を検出している。また、特開平6-67799号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置では、2個の加速度センサからの信号を基に入力装置の移動方向と移動量を調べ、圧電振動ジャイロの信号を基に加速度センサが検出した移動方向及び移動量に対する入力装置のローテーションによる影響を検出し、移動方向及び移動量を補正している。また、特開平3-156519号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置では、2個の加速度センサと圧力センサをペン先部に備え、2個の加速度センサの出力を基にペン軸と直交する平面内において互いに直交する2方向の加速度を検出し、圧力センサの出力を基にペン先部が筆記平面に押し付けられていることを検出し、ペン先部が筆記平面に押し付けられていることを検出した際における2個の加速度センサの出力を基にペン先部に移動方向及び移動量を算出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ペン先部における加速度等の物理量を基に入力された文字等の認識を行なう場合において、ペン先部が筆記面と接触しているが静止状態である場合(入力文字のコーナー部分等)、及びペン先部が筆記面から離れているが移動中の状態である場合があり、上記の特開平6-230886号公報に掲載されたペンシル型入力装置及び特開平6-67799号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置では、いずれもかかる場合の文字等の認識率の低下を招いている。
【0007】
また、特開平3-156519号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置では、ペン先部が筆記平面に押し付けられていることを検出した際における2個の加速度センサの出力を基にペン先部に移動方向及び移動量を算出しているので、ペン先部が筆記面から離れているが移動中の状態を検出することはできるが、ペン先部が筆記面と接触しているが静止状態を正確に検出することができず、文字等の認識率の低下を招いている。
【0008】
また、ペン先部における加速度等の物理量を基に入力された文字等の認識を行なう場合において、ペン先部が筆記面に接触した際及びペン先部が筆記面から離れる際にその衝撃からノイズが発生する場合があり、同様に文字等の認識率の低下を招いている。
【0009】
この発明はかかる短所を解消するためになされたものであり、文字等の認識精度を向上することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るペン型入力装置は、筆記入力を行なうペン型入力装置において、感圧センサと加速度センサ及び演算部を有し、感圧センサは、ペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出し、加速度センサは、ペン軸座標系の加速度を検出し、演算部は、接触検出部と摩擦検出部と状態検出部及び筆記演算部を有し、接触検出部は、前記感圧センサから出力する圧力信号とあらかじめ定めた閾値とを比較してペン先と筆記面とが非接触状態か接触状態かを判断し、摩擦検出部は、前記加速度センサが出力する加速度信号の高周波数成分とあらかじめ定めた閾値とを比較してペン先と筆記面とが摩擦しているかどうかを判断し、状態検出部は、前記接触検出部でペン先が筆記面に接触したと判定した後、前記摩擦検出部でペン先と筆記面との最初の無摩擦状態を検出するまでの加速度センサから出力される加速度信号と、ペン先が筆記面と非接触状態になった後、前記摩擦検出部でペン先と筆記面との最後の無摩擦状態を検出するまでをさかのぼって、加速度センサから出力される加速度信号とをノイズと判断し、筆記演算部は、前記加速度センサから出力される加速度信号から前記状態検出部でノイズと判定した部分を除いた信号の低周波数成分により入力文字等を認識することを特徴とする。
【0011】
この発明の他のペン型入力装置は、筆記入力を行なうペン型入力装置において、加速度センサと演算部を有し、加速度センサは、ペン軸座標系の加速度を検出し、演算部は、摩擦検出部と摩擦時間計時部と状態検出部及び筆記演算部を有し、摩擦検出部は、前記加速度センサが出力する加速度信号の高周波数成分とあらかじめ定めた閾値とを比較してペン先と筆記面とが摩擦しているかどうかを判断し、摩擦時間計時部は、前記摩擦検出部でペン先と筆記面とが摩擦していると判定している状態の継続時間を計測し、状態検出部は、前記摩擦時間計時部で計測している摩擦継続時間とあらかじめ定めた閾値とを比較して加速度センサから出力される加速度信号がノイズかどうかを判断し、筆記演算部は、前記加速度センサから出力される加速度信号から前記状態検出部でノイズと判定した部分を除いた信号の低周波数成分により入力文字等を認識することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明のペン型入力装置は、コンピュータ装置等に文字、記号及び図形等を入力するものあり、特にペン先部が筆記面と接触していて、且つ静止状態である場合を検出することにより、また、ペン先部を筆記面に接触させた際及びペン先部を筆記面から離した際にその衝撃から発生するノイズを検出することにより、文字等の認識率を向上するものである。
【0015】
ペン型入力装置は、例えば加速度センサと感圧シートと演算部を有する。加速度センサは、例えばペン軸をZs軸とする座標系(Xs,Ys,Zs)におけるXs軸方向、Ys軸方向及びZs軸方向の加速度を示す信号(以後「加速度信号」という。)を出力する。感圧シートはペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出し、その圧力を示す信号(以後「圧力信号」という。)を出力する。演算部は、例えば入力処理部と接触状態判断部と筆記演算部を備える。入力処理部はAD変換器とハイパスフィルタ(以後「HPF」という。)とローパスフィルタ(以後「LPF」という。)を有し、加速度センサからの加速度信号及び感圧シートからの圧力信号をデジタル変換し、デジタル変換後の信号から高周波数成分又は低周波数成分を抽出する。これは、ペン先部と筆記面との摩擦による成分が加速度センサからの加速度信号の高周波数部分に表れ、ペン先部の移動による成分が加速度センサからの加速度信号の低周波数部分に表れるからである。接触状態判断部は接触検出部と摩擦検出部と状態検出部を有する。接触検出部はデジタル変換後の感圧シートからの圧力信号を予め定めた閾値と比較し、ペン先部と筆記面とが接触しているか否かを検出する。摩擦検出部は加速度センサからの信号の高周波数成分を予め定めた閾値と比較し、ペン先部と筆記面とが摩擦しているか否かを検出する。状態検出部は、接触検出部の検出結果と摩擦検出部の検出結果を基にペン先部と筆記面とが接触している状態で、且つ、静止状態であるか否かを検出する。筆記演算部は加速度センサが出力した信号による加速度と状態検出部の検出結果を基に筆記入力した文字等の認識を行なう。
【0016】
また、ペン型入力装置の状態検出部は接触検出部の検出結果と摩擦検出部の検出結果を基にペン先部と筆記面とが接触する際及びペン先部と筆記面とが離れる際を検出して、ペン先部と筆記面とが接触する際及びペン先部と筆記面とが離れる際にその衝撃から発生するノイズを検出し除去するようにしても良い。
【0017】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例のペン型入力装置1の構成図である。図に示すように、ペン型入力装置1は、加速度センサ2a,2b,2c、感圧シート3、演算部4、記憶部5及び通信部6を有する。加速度センサ2a,2b,2cはペン軸8をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の加速度信号を出力する。感圧シート3は、例えば導電性のゴムを2枚重ねて構成され、ペン先部7に加わる筆記面(不図示)からの圧力信号を出力する。
【0018】
演算部4は、図2に示すように入力処理部41、接触状態判断部42及び筆記演算部43を備える。入力処理部41はAD変換器44a,44b、HPF45及びLPF46を有する。AD変換器44aは感圧シート3からのペン先部7に加わるアナログの圧力信号をデジタル変換する。AD変換器44bは加速度センサ2a,2b,2c(図中、加速度センサ2a,2b,2cはまとめて符号2で表す。)からのアナログの加速度信号をデジタル変換する。HPF45はデジタル変換後の加速度信号から高周波数成分を抽出する。LPF46はデジタル変換後の加速度信号から低周波数成分を抽出する。
【0019】
接触状態判断部42は接触検出部47と摩擦検出部48と状態検出部49を有する。接触検出部47はデジタル変換後の感圧シート3からの圧力信号を予め定めた閾値と比較し、ペン先部7と筆記面とが接触しているか否かを検出する。ここで、例えば図3に示すようにL字型を描いた場合において、図4に示すように感圧シート3からの圧力信号Dがほぼ1Vから0Vの間で変化する場合は、閾値の値を0.5Vと定める。接触検出部47は、感圧シート3からの圧力信号Dが0.5V未満のときをペン先部7と筆記面とが非接触の状態と判断し、感圧シート3からの圧力信号Dが0.5V以上のときをペン先部7と筆記面とが接触状態であると判断する。
【0020】
摩擦検出部48は加速度センサ2a,2b,2cからの加速度信号の高周波数成分を予め定めた閾値と比較し、ペン先部7と筆記面とが摩擦しているか否かを検出する。これは、加速度センサ2a,2b,2cが出力した加速度信号の高周波数成分はペン先部7と筆記面との摩擦によるものがほとんどであるからである。ここで、例えば図3に示すようにL字型を描いた場合におけるある時刻tの加速度センサ2a,2b,2cからの加速度信号の高周波数成分をv(t)とする。ある時刻tの加速度信号の高周波数成分と次ぎにサンプリングを行なった時刻t+1における加速度信号の高周波数成分との差分値{v(t+1)−v(t)}(図4中その波形をEで示す)が、例えばほぼ1Vから−1Vの間で変化する場合、閾値の値を0.1V以上と定める。摩擦検出部48は、その差分値{v(t+1)−v(t)}が0.1V以上の場合はペン先部7と筆記面とが摩擦していると判断し、その差分値{v(t+1)−v(t)}が0.1V未満の場合はペン先部7と筆記面とが摩擦していないと判断する。
【0021】
状態検出部49は、接触検出部47の検出結果と摩擦検出部48の検出結果を基にペン先部7と筆記面とが接触している状態で、且つ、静止状態であるか否かを検出する。例えば図4においては、ペン先部7と筆記面とが接触している状態で、且つ、静止状態である場所は3か所ある。これは、書き始め部分A、L字の角部分B及び書き終わりの部分Cである。例えば上記L字の角部分Bに相当する長さは筆記者によって異なり、従来のペン型入力装置においては認識率の低下を招いていた。これに対して、この発明のペン型入力装置ではL字の角部分Bの認識を正確に行なうことができるので、入力文字等の認識率を向上することができる。ここで、移動中及び静止状態とはペン先部7が筆記面と接触している状態及びペン先部7が筆記面と離れている状態での両方があり、筆記中とはペン先部7が筆記面と接触している状態でペン先部7が移動中の場合という。
【0022】
さらに、状態検出部49は接触検出部47の検出結果と摩擦検出部48の検出結果を基にペン先部7が筆記面と接触した後最初の無摩擦状態までをペン先部7と筆記面とが接触する際の衝撃による影響部分と判断し、ペン先部7が筆記面と非接触の状態になった後さかのぼって最後の無摩擦状態までをペン先部7が筆記面と離れる際の衝撃による影響部分と判断する。このように、状態検出部49が接触検出部47の検出結果と摩擦検出部48の検出結果を基にペン先部7と筆記面とが接触する際及びペン先部7が筆記面と離れる際を検出することにより、図におけるL字の書き始め部分A及び書き終わりの部分C等の認識を正確に行なうことができ、ペン先部7が筆記面に接触する際及びペン先部7が筆記面から離れる場合に発生するノイズを加速度信号から除去することができる。例えば図中、L字の書き始め部分A及び書き終わりの部分Cの加速度はノイズによるものであるので、記憶部に記憶した加速度の書き始め部分Aをゼロにすると共に書き終わりの部分C以降の加速度をゼロに補正する。
【0023】
筆記演算部43は、LPF46が抽出した加速度センサ2a,2b,2cからの信号の低周波数成分と状態検出部49の検出結果を基に入力文字等の認識を行なう。ここで、入力文字等の認識は、例えばウエーブレット変換とニューラルネットワーク演算を組み合わせてその特徴を抽出することにより行なう。
【0024】
記憶部5は演算部4の演算結果等を記憶する。通信部6は記憶部5に記憶した演算部4の演算結果等をホスト装置(不図示)に送信する。
【0025】
ここで、上記実施例では感圧シート3からの信号を基にペン先部7と筆記面とが接触しているか否かを検出したが、感圧シート3を用いずに、例えば図5に示すように加速度センサ2a,2b,2cからの信号を基にペン先部7の筆記状態を検出するようにしても良い。演算部4は既に説明したように入力処理部41と接触状態判断部42と筆記演算部43を備える。入力処理部41は、例えばAD変換器44とHPF45とLPF46を有する。AD変換器44は加速度センサ2a,2b,2cからの信号をデジタル変換する。HPF45は、既に説明したようにAD変換器44がデジタル変換した信号から高周波数成分を抽出する。LPF46はAD変換器44がデジタル変換した信号から低周波数成分を抽出する。これはペン先部7の移動による加速度成分は加速度センサ2a,2b,2cからの信号の低周波数部分に表れるからである。
【0026】
接触状態判断部42は静止検出部50と摩擦検出部48と状態検出部49を有する。静止検出部50は、例えばLPF46が抽出した加速度信号の低周波数部分を微分し、微分した値を予め定めた閾値と比較することにより、ペン先部7が静止しているか否かを検出する。これは、ペン先部7が静止状態であれば、加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度は一定値になっているからである。ここで、静止検出部50は加速度信号を微分して予め定めた閾値と比較する代わりに、加速度信号を予め定めた閾値と比較したり、加速度信号の差分値を予め定めた閾値と比較するようにしても良い。
【0027】
状態検出部49は摩擦検出部48の検出結果と静止検出部50の検出結果を基にペン先部7と筆記面とが摩擦していない状態で、且つ、移動していない状態であることを検出する。ここで、ペン先部7と筆記面とが摩擦していない状態で、且つ、移動していない状態とは、ペン先部7が空中で静止している状態又はペン先部7が筆記面と接触しているが静止している状態である。これは、無筆記状態か又はペン先部7が入力図形のコーナー部分にさしかかっている状態である。このように、加速度センサ2a,2b,2cからの信号を用いることにより、感圧センサ3を用いた場合に比べて簡単な構成でペン先部7の筆記状態を検出することができる。
【0030】
なお、図2に示すように状態検出部49が接触検出部47の検出結果と摩擦検出部48の検出結果を基にペン先部7と筆記面とが接触する際及びペン先部7が筆記面と離れる際を検出する代わりに、図6に示すようにペン先部7と筆記面とが摩擦している状態の継続時間を計時する摩擦時間計時部51を備えて、状態検出部49は摩擦時間計時部51が計時した継続時間を予め定めた閾値と比較してペン先部7と筆記面とが接触する際及びペン先部7が筆記面と離れる際を検出するようにしても良い。状態検出部49は、例えば摩擦時間計時部51が計時した継続時間が予め定めた閾値に満たない場合はペン先部7と筆記面とが接触する際又はペン先部7が筆記面と離れる際であると判断し、摩擦時間計時部51が計時した継続時間が予め定めた閾値以上の場合は筆記入力中と判断する。これにより、状態検出部49が接触検出部47の検出結果と摩擦検出部48の検出結果を基にペン先部7と筆記面とが接触する際及びペン先部7が筆記面と離れる際を検出する場合とほぼ同様な効果を保ち、且つ、構成を簡単にすることができる。筆記演算部43は、記憶部5に記憶した加速度に対して、ペン先部7と筆記面とが接触する際及びペン先部7が筆記面と離れる際の加速度がゼロになるように補正してから文字等認識をしたりペン先部の軌跡を検出したりする。
【0031】
また、上記実施例においては、摩擦検出部48は加速度センサ2a,2b,2cからの加速度信号を基にペン先部7と筆記面とが摩擦しているか否かを検出したが、ペン先部7にマイク等を付けて、ペン先部7と筆記面とが摩擦する際に発生する音を検出することにより、ペン先部7と筆記面とが摩擦しているか否かを検出しても良い。
【0032】
また、上記実施例においては3個の加速度センサ2a,2b,2cを用い、Xs軸方向の加速度,Ys軸方向の加速度及びZs軸方向の加速度を検出するようにしたが、Xs軸方向の加速度及びYs軸方向の加速度を検出するようにしても良い。さらに、ジャイロ9a,9bを用いた場合は加速度センサを設けず、ジャイロ9a,9bからの信号の変化の特徴を基に入力した文字等を認識するようにしても良い。
【0033】
また、上記実施例においては、演算部4に筆記演算部43を設けて、ペン型入力装置1で文字等の認識を行なうようにしたが、筆記演算部43をホスト装置内に設け、ペン型入力装置1では接触状態判断部42の判断結果及び加速度センサ2a,2b,2c等を用いて検出した物理量をホスト装置に送信するようにしても良い。
【0034】
また、ペン先部7と筆記面とが接触しているか否かを判断するので、感圧シート3を用いる代わりにマイクロスイッチ等を用いても良い。
【0035】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、ペン先部と筆記面とが接触したか否か及びペン先部と筆記面とが摩擦しているか否かを検出し、その検出結果を基にペン先部と筆記面とが接触する際及びペン先部と筆記面が離れる際の摩擦状態を検出して、その検出結果を用いて筆記入力した文字等の認識を行なうので、ペン先部と筆記面とが接触する際及びペン先部と筆記面が離れる際に発生するノイズを検出して除去することができる。
【0036】
また、ペン先部と筆記面とが摩擦しているか否かを検出し、ペン先部と筆記面との摩擦状態の継続時間を計時し、計時した継続時間を基にペン先部が筆記面と接離する際に発生するノイズを検出するので、ペン先部と筆記面とが接触する際及びペン先部と筆記面が離れる際に発生するノイズを除去することができると共に構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ペン型入力装置の構成図である。
【図2】 演算部の構成図である。
【図3】 L字を描いた場合の説明図である。
【図4】 加速度センサ及び感圧シートの出力の波形図である。
【図5】 感圧シートからの代わりに加速度センサを用いた演算部の構成図である。
【図6】 摩擦時間計時部を有する演算部の構成図である。
【符号の説明】
1;ペン型入力部、2;加速度センサ、3;感圧シート、4;演算部
41;入力処理部、42;接触状態判断部、43;筆記演算部、
47;接触検出部、48;摩擦検出部、49;状態検出部、50;静止検出部、
51;摩擦時間計時部、7;ペン先部、8;ペン軸、9;ジャイロ。
Claims (2)
- 筆記入力を行なうペン型入力装置において、
感圧センサと加速度センサ及び演算部を有し、
感圧センサは、ペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出し、加速度センサは、ペン軸座標系の加速度を検出し、
演算部は、接触検出部と摩擦検出部と状態検出部及び筆記演算部を有し、
接触検出部は、前記感圧センサから出力する圧力信号とあらかじめ定めた閾値とを比較してペン先と筆記面とが非接触状態か接触状態かを判断し、
摩擦検出部は、前記加速度センサが出力する加速度信号の高周波数成分とあらかじめ定めた閾値とを比較してペン先と筆記面とが摩擦しているかどうかを判断し、
状態検出部は、前記接触検出部でペン先が筆記面に接触したと判定した後、前記摩擦検出部でペン先と筆記面との最初の無摩擦状態を検出するまでの加速度センサから出力される加速度信号と、ペン先が筆記面と非接触状態になった後、前記摩擦検出部でペン先と筆記面との最後の無摩擦状態を検出するまでをさかのぼって、加速度センサから出力される加速度信号とをノイズと判断し、
筆記演算部は、前記加速度センサから出力される加速度信号から前記状態検出部でノイズと判定した部分を除いた信号の低周波数成分により入力文字等を認識することを特徴とするペン型入力装置。 - 筆記入力を行なうペン型入力装置において、
加速度センサと演算部を有し、
加速度センサは、ペン軸座標系の加速度を検出し、
演算部は、摩擦検出部と摩擦時間計時部と状態検出部及び筆記演算部を有し、
摩擦検出部は、前記加速度センサが出力する加速度信号の高周波数成分とあらかじめ定めた閾値とを比較してペン先と筆記面とが摩擦しているかどうかを判断し、
摩擦時間計時部は、前記摩擦検出部でペン先と筆記面とが摩擦していると判定している状態の継続時間を計測し、
状態検出部は、前記摩擦時間計時部で計測している摩擦継続時間とあらかじめ定めた閾値とを比較して加速度センサから出力される加速度信号がノイズかどうかを判断し、
筆記演算部は、前記加速度センサから出力される加速度信号から前記状態検出部でノイズと判定した部分を除いた信号の低周波数成分により入力文字等を認識することを特徴とするペン型入力装置。
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