JP3712489B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム原稿を光電的に読み取り、デジタル信号処理し、レーザなどの光源によって感光材料を露光し、所望のサイズのプリントを得るための画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ネガフィルム、リバーサルフィルム等の写真フィルム原稿(以下、フィルム原稿または単にフィルムという)に撮影された画像の印画紙等の感光材料への焼き付けは、フィルム原稿の画像を感光材料に投影して感光材料を面露光する、いわゆる直接露光によって行われている。
【0003】
これに対し、近年では、デジタル露光を利用する焼付システム、すなわち、フィルムに記録された画像情報を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像情報とし、この画像情報に応じて変調した記録光によって感光材料を走査露光して画像(潜像)を記録し、現像してプリントとするデジタルプリントシステムが提案され、このシステムを具体的に実施するデジタルフォトプリンタの開発が進んでいる。
【0004】
デジタルプリンタシステムでは、複数画像の合成や画像の分割等の編集や文字と画像との編集等のプリント画像の編集レイアウトや、色/濃度調整、変倍率、輪郭強調等の各種の画像処理も自由に行うことができ、用途に応じて自由に編集および画像処理した仕上りプリントを出力することができる。また、従来の直接露光によるプリントシステムでは、濃度分解能、空間分解能、色/濃度再現性等の点で、フィルム等に記録されている画像濃度情報をすべて再生することはできないが、デジタルフォトプリンタによればフィルムに記録されている画像濃度情報をほぼ100%再生したプリントが出力可能である。
さらに、デジタルプリンタシステムによれば、各フィルムに記録された画像の画像情報やそれに対する画像処理条件を、装置が有するメモリやフロッピーディスク等の外部メモリに記憶(保存)しておくことが可能であるので、焼き増し等を行う際に、原画となるフィルムが不要であり、また、再度処理条件を設定する必要がないので、迅速かつ効率良く焼き増し等の作業を行うことができる。
【0005】
このようなデジタルフォトプリントシステムやデジタルフォトプリンタは、基本的に、フィルム等の原稿に記録された画像をイメージセンサ等によって光電的に読み取る画像入力装置、読み取った画像を表示する表示装置、読み取った画像を画像処理して画像記録の露光条件を決定する画像処理装置、および決定された露光条件に従って感光材料を走査露光して現像処理を施すプリントを得る画像記録装置より構成される。そして、本出願人は、このようなデジタルプリントシステムを実現するための装置や方法を特開平6−217091号、同6−233052号、同6−245062号の各公報に提案し、また、同公報においてデジタルフォトプリンタの装置の概要を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなデジタルプリントシステムにおいても、一般的に、プリントサイズが大きくなるに応じて読み取り画像は高解像度が要求され、かつ高SN比(信号・ノイズ比)が要求される。このため、デジタルプリント装置のスキャナ(画像入力装置)においては、写真フィルムなどの原稿画像や反射原稿画像を高解像度で読み取るために、これらの原稿画素を微細な多数の画素に分割して多量の画像信号を読み取る必要があるし、高SN比の読み取り画像を得るためには、これらの画像信号を時間的にあるいは空間的に処理するので、さらに何倍かの多量の画像信号を読み取ることになる。
【0007】
このような画像読取を行うと、プリントサイズにかかわらず、デジタルプリント装置のスキャナによる1枚の原稿画像の読取時間が長くなるために、生産性が低下してしまうという問題がある。さらに、高解像度かつ高SN比の高画質画像プリントとして出力するためには、このような多量の画像信号を処理する必要があるため、画像読み取りのみならず、画像処理装置における画像処理にも長時間を要してしまい、さらに生産性を低下させてしまうという問題もあった。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、異なる複数のフィルムサイズのフィルム原稿に対しても複数のサイズのプリントが可能であり、いずれのフィルムサイズのフィルム原稿であっても、その担持画像をプリントサイズ(または出力画像信号の主副画素数)に応じた解像度およびSN比で読み取ることができる画像読み取り方式制御(スキャン)モードをプリントサイズに応じて自動選択して画像読取を行うことができ、プリント画像の画質と生産性の両立を図ることのできる画像形成装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、写真フィルムまたは反射原稿の画像を光電的に読み取ることにより、フィルムまたは反射原稿上の画像情報からデジタル画像信号を得る画像読み取り手段と、
前記デジタル画像信号から出力画像信号を生成する画像処理手段と、
前記出力画像信号を記録媒体に記録する画像記録手段と、
前記画像読み取り手段が画像情報を読み取る際の解像度と信号/ノイズ比を制御するために、画素を基準画素からずらして読み取ることで読取画素数を増加させる画素ずらしと、読み取った画素の画像信号の空間平均化または時間平均化とを組み合わせて設定されるいくつかの読み取り方式制御モードと、出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズとを対応付けて登録する登録手段と、
前記出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズが選択されることによって、前記いくつかの読み取り方式制御モードの中から、対応する読み取り方式制御モードを自動的に決定し、決定された読み取り方式制御モードを用いて画像読み取り制御を行う読み取り方式制御手段とを備え
前記いくつかの読み取り方式制御モードのうちの一つでは、基準画素からずらして画素を読み取り、読み取った画素の画像信号を空間平均化することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
また、本発明の第2の態様は、写真フィルムまたは反射原稿の画像を光電的に読み取ることにより、フィルムまたは反射原稿上の画像情報からデジタル画像信号を得る画像読み取るに際し、
画像情報を読み取る際の解像度と信号/ノイズ比を制御するために、画素を基準画素からずらして読み取ることで読取画素数を増加させる画素ずらしと、読み取った画素の画像信号の空間平均化または時間平均化とを組み合わせて設定されるいくつかの読み取り方式制御モードと、出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズとを対応付けて登録し、
前記出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズが選択されることによって、前記いくつかの読み取り方式制御モードの中から、対応する読み取り方式制御モードを自動的に決定し、決定された読み取り方式制御モードを用いて画像読み取り制御を行い、
前記デジタル画像信号から出力画像信号を生成し、
前記出力画像信号を記録媒体に記録することを特徴とする画像形成方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像形成装置を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の画像形成装置を適用するデジタルプリント装置の一実施例をブロック図で示す概略図である。
図1に示すデジタルプリント装置10は、異なるフィルムサイズのフィルム原稿の担持画像を光電的に読み取る、本発明の画像読み取り手段を構成する画像入力装置12と、画像入力装置12での読み取り条件やモード(読み取り方式制御モード)の設定やこれに基づく画像入力装置12の制御、特に本発明でのプリント作製のための出力画像信号の主副画素数またはプリントサイズに応じた読み取り方式制御モード(以下、スキャンモードという)の設定、読み取られた画像信号の画像処理、および画像処理条件の自動設定(オートセットアップ)などを行う、本発明の読み取り方式制御手段および画像処理手段を含む制御装置14と、制御装置14で処理された画像信号に基づいて感光材料に画像露光し、現像処理して再生画像を担持するプリントを出力する、本発明の画像記録手段を構成する画像出力装置16と、画像入力装置12で読み取られた原稿画像を表示し、画像出力装置16で出力されるプリントサイズに応じて、再生される画像の領域(仕上りプリント領域)や、トリミング領域を表示する画像表示装置(モニタ)18と、画像入力装置12で読み取られた原稿画像の画像信号、または制御装置14によって処理された、あるいは画像出力装置16で用いられる画像信号、さらには画像処理条件や露光条件や感光材料の処理条件などを記憶するサーバーやHDなどや、もしくはMO(光磁気記録媒体)あるいは磁気テープやFDなどの磁気記録媒体とそのドライバから構成される外部記憶装置20と、様々な条件の設定や処理の選択や、補正などの情報を入力するためのキーボード22aやマウス22bなどのデータ入力装置22とを有する。
【0012】
図2に示す画像入力装置(以下、入力装置とする)12は、長尺なネガフィルムもしくはリバーサルフィルムであり多数の画像が撮影されているストリップスや、通常は1枚のリバーサルフィルムを枠体(マウント)に固定してなるスライドなどの種類やサイズの異なるフィルムをフィルム原稿として、これらのフィルム原稿に撮影された画像を光電的に読み取る装置であって、基本的に、光学フレーム13、光源部24、キャリアベース26、ズームレンズが組み込まれた結像部28、エリアセンサであるイメージセンサ30およびキャリアベース26に互いに交換自在に装着されるフィルムキャリア32とスライドキャリア34(図3参照)などのキャリアを有する。
この入力装置12においては、キャリアベース26に装着されたフィルムキャリア32またはスライドキャリア34によって、図中矢印x方向にストリップスAまたはスライドBを搬送して読取位置Zで停止し、光源部24からの光をフィルム原稿画像に照射して、フィルム原稿に撮影された画像を担持する投影光を得、結像部28において投影光をイメージセンサ30に結像し、イメージセンサ30において光電変換して画像信号を得ることにより、フィルム原稿に撮影された画像を画像信号として二次元的に読み取る。なお、このような入力装置12の制御は、後述する制御装置14の入力制御部(以下制御部とする)70(図5および図6参照)によって行われる。
【0013】
光源部24は、イメージセンサ30でフィルム原稿画像をR,G,Bの3原色に分解して高精度に読み取ることができるようにフィルム原稿(ストリップスAまたはスライドB)を照射するための均一拡散した十分な光量を持つ各色光を作り出すものであって、図示例の入力装置12において、ストリップスAを下方から照射して投影光を得ており、光学フレーム13のキャリアベース26の下に位置し、光源35、リフレクタ35a、絞り36、色フィルタ38、および拡散ボックス40を有する。また、光源部24には、これ以外にも光源35等の各種の部材を冷却する冷却ファン等が配置されており、さらに、必要に応じて、光源35から射出する光を遮蔽するためのシャッタを設けてもよい。
光源35としては、イメージセンサ30による画像読取に十分な光量の読取光を射出できる各種の公知の光源が利用可能であり、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀灯などが例示される。
【0014】
絞り36は、光源35からの光量を調節するものであり、図示例においては、遮光部分で対数曲線が描かれた、光軸Lに直交する方向で通過光量の異なる2枚のNDフィルタを用い、光軸Lに直交する方向に互いに接離することにより、光源35からフィルムに至る光量を調節する。
色フィルタ38は、円盤状の部材にR(赤)フィルタ、G(緑)フィルタおよびB(青)フィルタの3枚の色フィルタを有し、画像読取時には、その中心軸を図示しない回転手段によって回転させることによって光軸Lに作用するフィルタの色を切り換え、Rフィルタ、GフィルタおよびBフィルタを順次光路Lに挿入して、フィルム原稿に撮影された画像をR、GおよびBの3原色に分解して読み取る。
拡散ボックス40は、光源35から射出され、絞り36によって光量を調整されて、色フィルタを通過した読取光を拡散して、フィルムに入射する読取光の光量等を光軸Lと直交する面でムラなく均一にするためのもので、図示例においては、内面が鏡面である四角柱の上下面に拡散板を配置した構成を有するものであるが、これ以外にも公知の光拡散手段が各種利用可能である。
【0015】
光源部24の上方には、キャリアベース26が配置される。キャリアベース26は、その上面にフィルムキャリア32または後述するスライドキャリア34などを載置して、所定の位置に保持する部位であり、光学フレーム13に対して垂直に固定されている。キャリアベース26には、光軸Lに対応する部分に、光源部24からの光を通過させるための開口(図示せず)が形成されている。なお、この開口は、入力装置12において光源部24からの光がイメージセンサ30で読み取り可能なフィルム原稿の最大画像面寸法(サイズ)の全面に十分に照射されるように、最大画面サイズに応じて設定される。
【0016】
キャリアベース26の上面には、図中手前側から光学フレーム13に向かう方向、すなわち前記搬送方向となる矢印x方向と直交する矢印y方向に、案内レール42、42が形成され、一方、フィルムキャリア32およびスライドキャリア34の底面には、案内レール42、42と嵌合する溝44、44が形成されている。フィルムキャリア32およびスライドキャリア34は、いずれも、それらの溝44、44をキャリアベース26の案内レール42、42に嵌合させて、矢印y方向に図中奥側の端面が光学フレーム13に当接するまで押し込んで固定することにより、矢印xおよび矢印y方向の位置が規定され、キャリアベース26上の所定位置に位置決めされて載置される。
またこれらのキャリア32、34は、図中手前の方向に引き、その溝44、44を案内レール42、42から抜くことにより、キャリアベース26から取り外し、互いに極めて容易に交換することができる。なお、キャリアベース26上の所定位置にフィルムキャリア32やおよびスライドキャリア34等を装着する手段は、このような案内レールとこれに嵌合する溝等を用いる方法には限定されず、突起とこれに嵌合もしくは係合する孔部、互いに係合する当接部材、各種のクランプ部材、磁石による吸着等を用いるものであってもよい。
【0017】
フィルムキャリア32は、多数の画像が撮影された長尺のネガフィルムもしくはリバーサルフィルム、いわゆるストリップス(スリーブ)Aをその長手方向に搬送して、ストリップスAに撮影された各画像を光軸L上の所定位置、すなわち図示しないキャリアベース26の開口に対応する読取位置Zに順次搬送して、読み取りに供するものである。フィルムキャリア32の上面には、矢印xで示される搬送方向でかつ光軸Lと交わる位置に端部から端部まで延在して案内溝46が形成されている。案内溝46は、ストリップスAとほぼ同じ幅を有する溝であって、ストリップスAは、案内溝46に挿入された状態で、長手方向をx方向と一致して搬送され、各画像が順次、光軸L上の読取位置Zに搬送される。従って、この案内溝46の深さは、ストリップスAの画像面(すなわち乳剤面)が光軸L方向(焦点深度方向)の所定位置になるようにされる。
【0018】
さらに、フィルムキャリア32の読取位置Zには、光源部24からの光が通過するための開口が形成されている。この開口は、入力装置12においてイメージセンサ30で読み取るフィルム原稿の画像のサイズを決めるマスクとして機能するもので、この開口の形状および大きさ(サイズ)、すなわちマスクの開口領域のサイズは、このフィルムキャリア32に設置されるフィルム原稿、例えば135サイズのストリップスAの画面寸法(サイズ)に応じて、画像のけられが最も小さくなるように、画面サイズにぎりぎり内接するように設定される。なお、フィルムキャリア32の読取位置Zの開口は、上述したキャリアベース26の開口とは同一の光軸L上の異なる所定位置を占めており、光源部24から射出され、キャリアベース26の開口を通過した光は、いかなる画面サイズのフィルム原稿を設置するフィルムキャリア32が設置されても、その開口全面を十分に照射できるのは当然のことである。従って、光源部24から射出され、マスクによって規定された光は、入力装置12で読み取り可能な原稿画像の画面サイズの全面を十分に照射できる。なお、フィルムキャリア32に形成する開口をキャリアベース26の開口に対応するサイズとして、各種サイズのフィルムに対応するマスクを交換してフィルムキャリア32に装着可能な構成としてもよい。
【0019】
案内溝46には、x方向の上流から下流に向かって、ストリップスAの搬送手段48、フィルム圧着ユニット50および画面検出センサ52が配置される。
搬送手段48は、モータ48aと搬送ローラ48bとから構成され、ストリップスAを矢印x方向に断続搬送するもので、撮影されている画像やDXコードを検出するための画面検出センサ52によってストリップスAの画像が読取位置Zに来たことを検知したら停止し、制御装置14から読み取り終了の信号を受けたら再度ストリップスAの搬送を開始し、次の画像を読取位置Zに搬送する。
フィルム圧着ユニット50は、回動軸50aを中心にストリップスAの投影光が通過するための開口が形成された圧着部材50bを矢印bと逆方向に回動して、画像読取時に読取位置Zに配置されたストリップスAを案内溝46に圧着することにより、ストリップスAのカール等を矯正して画像全面を光軸L方向の所定位置、すなわち原稿設置位置に保持するものである。
なお、フィルムキャリア32におけるストリップスAの搬送およびフィルム圧着ユニット50の作動は、上述の例のように画面検出センサ52等を用いて自動で制御するものに限定はされず、半自動的あるいはオペレータが手動で圧着部材50bの回動および/または搬送手段48の停止・駆動を行ってもよい。
【0020】
図3に示すスライドキャリア34は、図2に示すフィルムキャリア32と交換でキャリアベース26に装着して、画像が撮影されたフィルムを枠体で保持してなる、いわゆるスライドBを矢印x方向に搬送して撮影位置Zに停止して画像読取に供し、かつ読み取りを終了したスライドBを収集するものである。スライドキャリア34の上面には、矢印xで示されるスライドBの搬送方向でかつ光軸Lと交わる位置に端部から端部まで延在して、スライドBを案内する案内溝54が形成される。この案内溝54の深さは、スライドBの画像面が、ほぼ光軸L方向(焦点深度方向)の所定位置になるように設定される。さらに、スライドキャリア34には、フィルムキャリア22と同様に、光源部24からの光が通過するためのマスクとして機能する開口が読取位置Zに形成されている。なお、フィルムキャリア22と同様、マスクを別体として、スライドBのサイズに応じて交換可能に構成してもよい。
【0021】
スライドキャリア34の上面の読取位置Zの近傍にはカバー56が配置されている。カバー56は、上面にスライドBの投影光が通過する通過孔56aが形成され、通常の読取時には読取位置ZにあるスライドBを覆うが、図中矢印c方向に回動でき、必要に応じて、読取位置Zを開放できる。カバー56の下方には図示されていないが、若干幅広になった案内溝54の部分を有し、その入り口や読取位置Zの近傍にはオペレータによって送入されたスライドBや搬送手段によって自動的に搬送されたスライドBの先端を検出するセンサが配置され、さらに、案内溝54幅広部の両側には、スライドBを搬送するためのローラが、それぞれ複数個、例えば6個ずつ配置され、上側のローラは、図示しない駆動源によって所定速度で回転するスライドBの搬送ローラで、下側のローラは、ばねなどの付勢手段によってスライドBを上方に付勢可能な従動ローラで構成される。なお、読取位置Zには、必要に応じて、読取時に、その先端部でスライドBを案内溝54に押圧し、スライドB(その枠体)の歪や浮き上がり等を矯正するスライド押さえが配置されていても良い。
【0022】
カバー56の搬送(矢印x方向)下流側には、読み取りの終了したスライドBを回収するためのスライド回収箱58が配置される。図示例のスライド回収箱58は、既に回収されたスライドBの下に潜り込ませて、スライドBを収納するように構成されており、読み取りの終了したスライドBは、順次下方から積層されて回収される。なお、スライド回収箱58は、これ以外にも、後から搬送されるスライドBの押動により落下したスライドBを収容する箱等であってもよい。
【0023】
なお、本発明においては、フィルム原稿を読取位置に設置するためのキャリアとしては、フィルム原稿の種類およびサイズが異なる毎に一対一に対応する交換可能なキャリアであるのが好ましく、ストリップスAやスライドBを読取位置Zに自動もしくは半自動搬送する上述したフィルムキャリア32やスライドキャリア34の他、読取位置Zに光源部24からの光が通過するための開口が形成され、かつ案内レール42、42に嵌合する溝が形成されたキャリアであれば、どの様なものでもよく、オペレータがストリップスやスライドを所定の位置に固定するマニュアルキャリアであってもオペレータが任意の位置にフィルムやスライドを配置して読み取りを行うトリミングキャリア等であってもよい。
これらのキャリアは、各々ID符号が付され、各キャリアが光学フレーム13のキャリアベース26に装着され、かつ電気的接続がなされた時、該当するキャリアID符号が制御装置14に送信されるように構成される。
【0024】
本発明装置においては、キャリア装着のためのキャリアベース26の構造、例えば案内レールの構造やキャリアロック機構等および電源や信号のコネクタなどの電気系統の接続方式などを従来のアナログプリント装置と共通なものとし、従来のアナログプリント装置に用いられているキャリア、特にフィルムキャリアと、本発明のデジタルプリント装置10に用いられるフィルムキャリア32やスライドキャリア34などのキャリアとの間に互換性を持たせておくのが好ましい。もちろん、これらのアナログプリント装置用キャリアとデジタルプリント装置10用キャリアとは、同様の機能を有していない場合もあるが、従来のアナログプリント装置用キャリアの機能のうち、デジタルプリント装置で用いることのできる機能あるいは逆にデジタルプリント装置用キャリア機能のうちアナログプリント装置で使用可能な機能はできるだけ使用できるように構成しておくのが好ましい。
【0025】
光学フレーム13の上部には、ストリップスAおよびスライドBの投影光をイメージセンサ30に結像させる結像部28が配置される。結像部28は、光学フレーム13に固定される定盤60に垂設されるズームレンズユニット(レンズユニット)62、倍率調整モータ63および焦点調整モータ64を有するものである。レンズユニット62は、ストリップスAやスライドBのサイズやトリミングサイズに応じて光学倍率を変更して、投影光のサイズをイメージセンサ30で受光可能な最大サイズ(すなわち、必要な画像領域がイメージセンサ30の受光面に内接または内接に近くなるサイズ)に調整してイメージセンサ30に結像するための、公知のズームレンズが組み込まれたズームレンズ群66と、その上方(光軸L方向下流側)に位置する、投影光の焦点をイメージセンサ30の受光面上に調整する公知の焦点調整レンズが組み込まれたフォーカスレンズ群68とを有する。
【0026】
また、フォーカスレンズ群68の調整ギヤ68aは、焦点調整モータ64によって回転されるギヤ64aに噛合しており、フォーカスレンズ群68は焦点調整モータ64によって焦点を調整され、すなわち合焦位置に移動調整される。さらに、ズームレンズ群66は、その調整ギア66aがズーム用モータである倍率調整モータ63によって回転されるギア63aと噛合しており、この倍率調節モータ63によって設定された光学倍率に応じたイメージセンサ30上の結像画像サイズとなるように光軸L方向に移動調整される。焦点調整モータ64の駆動は、制御装置14の自動焦点調整手段80によって制御されており、図示例の入力装置12は、TTL(Through The Lens)方式により、イメージセンサ30によって読み取られた画像およびそのコントラストを用いて自動焦点調整(オートフォーカス:AF)を行う。なお、結像部28には、レンズ温度の変動によるレンズユニット62の焦点位置の変動を補正するために、例えばサーミスタなどの温度センサを取り付けてもよい。
【0027】
ストリップスAおよびスライドBの投影光は、レンズユニット62によってイメージセンサ30に結像され、光電的に読み取られる。なお、レンズユニット62とイメージセンサ30との間には、暗電流補正等に用いられる公知のシャッタが配置されていてもよい。
2次元的な画像読取を行う入力装置12において、イメージセンサ30はエリアセンサであって、例えば、1380×920画素のCCDセンサである。
ここで、本発明の装置では、イメージセンサ30はx−y方向の移動制御回路30aによって、半画素に対応する量だけx方向およびy方向に移動可能に構成されており、この画素ずらしにより、読取画素数を見掛け上で4倍まで増やし、解像度を上げることができるように構成される。
なお、画素ずらしを用いた本発明の読み取り方式制御については後述する。
画像入力装置12は、基本的に以上のように構成される。
【0028】
なお、本発明に用いられる画素ずらしによるイメージセンサ30の読取画素数の増倍化は以下のように行われるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
本発明においては、イメージセンサ30は、CCD素子と、CCD素子をx−y方向に移動可能に支持するxyステージと、このxyステージをx−y方向に駆動するピエゾ素子からなるピエゾドライバとを有するCCD画素ずらしユニットで構成されている。このイメージセンサ30は、xy移動制御回路30aによってピエゾドライバを所定周期、所定振幅で駆動することにより、CCD素子自体をx−y方向に独立に所定同期、所定振幅で振動させることにより、読取画素の増倍化、ここでは4倍化を行うことができる。
【0029】
具体的には、例えば、図4に示すように、Aを基準読取位置とするとき、CCDの半画素を振幅として、x(主走査画素アドレス)方向の駆動周波数をCCDの読取周波数と一致させ、y(副走査画素アドレス)方向の駆動周波数をCCDの読取周波数の半分(1/2)とすることにより、イメージセンサ(CCD)30の1画素について基準位置AからA→B→C→Dの順序で移動し、1/2画素づつずらして4回読み取ることができるので、読取画素数を4倍にすることができる。もちろん、A,B,C,Dの4画素の読み取りは、主走査方向1ラインについて同一のCCD読出フィールド(数フィールドと奇数フィールドとに分けられる)で行われ、順次副走査方向に主走査ラインを移動させて次々と走査され画素データが読み取られていく。また、A,B,C,Dの4画素の読み取りの順序は、適宜設定可能である。
【0030】
イメージセンサ30からの信号は、制御装置14に出力される。
制御装置14は、図1に示すように、画像入力装置12の各部および全体ならびにデジタルプリント装置10の制御を行うとともに、本発明の読み取り方式制御手段を構成する制御部70と、入力装置12のイメージセンサ30からの出力信号を受け、所定の信号処理を施して入力画像信号とする信号処理装置72と、得られた画像信号に所要、もしくは所望の画像処理を施して画像出力装置16に出力画像信号として出力する、本発明の画像処理手段を構成する画像処理装置74とを有する。
制御部70は、信号処理装置72の信号処理演算の制御のみならず、入力装置12の各部および全体の制御を行い、かつ本発明における出力画像信号の主副画素数または、プリントサイズに応じた読み取り方式制御モード、すなわちスキャンモードの自動設定および設定されたスキャンモードに応じたイメージセンサ30による読み取りの制御、イメージセンサ30のx−y移動制御回路30aの制御ならびに読み取られた信号の演算処理を実施する読み取り方式制御手段を構成するCPU76と、読取光学倍率情報、ズームレンズ移動量情報、イメージセンサ情報、キャリア情報、出力画素密度、プリントサイズ、マガジン情報、出力けられ余裕量、入出力画素欠損などを記憶するメモリ78と、イメージセンサ30によって読み取って得られた画像を用いて自動焦点調整を行う自動焦点調整手段80、画像回転手段82、ネガ/ポジ変換手段84などとを有する。また、制御部70には、入力装置12の操作や読取光学倍率などの読取条件やスキャンモードの設定、プリントサイズ(出力画像のサイズ)や主被写体の設定、色/濃度補正等の操作指示、入力を行うキーボード22aおよびマウス22b、イメージセンサ30で読み取った画像を表示するモニタ20等が接続される。
【0031】
図5に、制御部70および信号処理装置72の一実施例の詳細なブロック図を示す。制御部70において、イメージセンサ(CCD)30は、設定されたスキャンモードに応じて読取画素数を見掛け上増加させる画素ずらしを行うためのx−y方向の移動制御回路30aを介してCPUバスに接続される。イメージセンサ30で読み取られた画像情報は、信号処理装置72に入力される。信号処理装置72において、イメージセンサ30で読み取られたアナログ画像データは、A/D変換器86でディジタル画像データに変換され、オフセット補正回路87でDCオフセットが補正され、次いで暗時補正回路88で暗時補正がかけられる。この後、LOG変換回路89でLOG変換され、シェーディング補正回路90でシェーディング補正された後、スキャンモードに応じて所要の演算処理が施されて、入力画像信号とされた後、フレームメモリ91に記憶され、画像処理装置74に出力されるものである。
【0032】
暗時補正回路88で暗時補正された画像データは、自動焦点調整手段80に入力される。自動焦点調整手段80は、まず焦点調整モータ64を制御して、レンズユニット62を所定サーチエリア内の所定間隔の各点に移動し、各点での暗時補正された画像データを得て、画像コントラスト積算値を求めることを繰り返して、これが最大となる位置を合焦位置(ピント位置)と決定し、この合焦位置にCPUバスを介して焦点調整モータ64を制御し、レンズユニット62を設定する。
一方、キャリアID判別手段31からはストリップスA用のフィルムキャリア32かスライドB用のスライドキャリア34かのいずれかの装填されているキャリアID符号が、キーボード22aやマウス22bからは、入力、選択、追加または修正された登録プリントサイズ、読取光学倍率などの読取条件、色および/または濃度の補正、覆い焼き補正、階調補正などの記録条件などの情報がCPUバスを介してCPU76、メモリ78、自動焦点調整手段80に入力される。
なお、光源部44の光源35、絞り(アイリス絞り)36、色フィルタ38は、それぞれCPU76とCPUバスを介して接続される光源制御回路35b、絞り制御回路36a、色フィルタ制御回路38aによって、光強度、開度、色フィルタの種類が制御される。
【0033】
CPU76は、本発明の特徴とする読み取り方式制御手段を有する。この読み取り方式制御手段は、画像入力装置12においてイメージセンサ30によって読み取られる読取画像(信号)の解像度および信号/ノイズ比(SN比)を制御するために、プリントサイズや出力画素サイズ(出力画像信号の主副画素数)に応じて設定されたスキャンモードを選択し、選択されたスキャンモードで自動的にイメージセンサ30に投影されたフィルム原稿画像を読み取るものである。
各読み取り方式制御(スキャン)モードおよび読み取り方式制御手段の詳細な機能については後述する。
【0034】
メモリ78には、読取光学倍率に応じたズームレンズ62の各ズーム位置やその微調整値などの読取光学倍率情報、イメージセンサ30のサイズ(主副走査方向の寸法情報)と画素密度と有効画素領域(数)などのイメージセンサ情報、スキャンモードに応じた読み取り方式情報、キャリアベース26に装着されるキャリアのID符号とこのキャリアのマスクサイズ(主副走査方向の寸法情報)とこのキャリアにセットされるフィルムの種類とサイズなどのキャリア情報、画像出力機16の出力画素密度、登録されているプリントサイズ(長短辺(縦横)の寸法情報)およびこれに対応する出力画像信号の主副画素数、画像出力機16に装填されるマガジン114(図7参照)のID符号とこのマガジン内に収納される感光材料のサイズ(幅情報)と種類などのマガジン情報、画像出力機16の搬送装置100における感光材料の蛇行や光ビーム走査装置102(図7参照)による主走査長誤差など考慮した出力けられ余裕量、画像処理装置74におけるLPF(ローパスフィルター)や電子変倍などの画像処理による入力画素欠損(画素数)とUSM(アンシャープネスマスク)などの画像処理による出力画素欠損(画素数)などの情報を含め、本発明のデジタルプリント装置10の動作制御に必要な情報などの様々な情報が記憶されている。
【0035】
また、制御部70に設けられる画像回転制御手段82は、画像出力機16から装填されている感光材料の情報、特に幅情報が伝送されているので、この幅情報およびオペレータから入力装置22によって入力されたプリントサイズの情報から、出力する画像の記録方向、すなわち主走査方向が、読み取った画像の縦横のいずれになるかを判別し、読取画像の縦横を変換する、すなわち、90°回転させる必要性を判別し、回転が必要な時には画像の回転を行うものである。
ところで、画像出力機16では、ロール状に巻回された長尺な感光材料を用いて、副走査方向に搬送される感光材料を副走査搬送方向に略直交する一次元方向、すなわち主走査方向に偏向される光ビームによって走査露光(焼付)することにより、感光材料を2次元的に露光するものである。このため、感光材料の幅に応じて露光の主走査方向が設定されたプリントサイズの長手方向になるか、短手方向になるかが一義的に決められてしまう。
【0036】
一方、入力装置12においてはフィルムキャリア32にセットされるストリップスAやスライドキャリア34にセットされるスライドBの方向は定まっており、イメージセンサ30によって読み取られる原稿画像領域をできる限り大きくしようとすれば、フィルム原稿の方向、すなわち、原稿画像の形状、従って、キャリアマスクの形状(例えば、特にアスペクト比)は、一義的に決められてしまう。このため、入力装置12によって読み取られる原稿画像の1ラインが、画像出力機16の主走査方向の1ラインと一致しない場合が生じる。その結果、画像回転制御手段82によって、フレームメモリ91に格納されている画像信号を少なくとも画像出力機16で露光に供する前に、画像信号を処理して画像(画像領域)を90°回転し、すなわち画素の並び変えや、フレームメモリアドレスのアクセス順序を変換式に基づいて変更する等により、出力画像のライン方向露光のライン方向を一致させる必要があるのである。
【0037】
さらに、制御部70には、信号処理装置72によって所定の信号処理が施された画像データにポジ・ネガ反転を行うポジ/ネガ変換回路84が設けられているが、このポジ/ネガ変換回路84は、ストリップスAやスライドBがリバーサルフィルムであった場合に所定の画像処理が施された画像情報を画像出力機16に出力する前に変換してネガ画像(あるいはその逆)として出力するものである。ポジ→ネガ変換あるいはネガ→ポジ変換の方法には特に限定はなく、公知の変換方法(画像処理方法)によればよい。
なお、本発明においては、ストリップスAやスライドBがネガフィルムであるかリバーサルフィルムであるかは、キャリアを装填したときにキャリアID判別手段31から伝送されるキャリアID符号によって、メモリ78に格納された情報から判別されるものであるが、これに限定されず、オペレータが入力するものであってもよい。
【0038】
ところで、周知のように、従来の種々のプリンタにおいては、通常、画像出力のための精密な読み取り(ファイン(本)スキャン)に先立ち、画像処理条件の設定等のために原稿画像を粗く読み取るプレスキャンが行われている。このため、図5に示す信号処理装置72のフレームメモリ91は、図6に示されるように、プレスキャン用のフレームメモリ91aと、トグルメモリとして構成される本スキャン用のフレームメモリ91bとからなる。そして、本発明に用いられる画像処理装置74は、このようなフレームメモリ91a,91bに格納されたフィルム原稿の画像信号、例えば、1枚の画像のR,G,Bの3原色の画像信号に所要の画像処理を施すものである。
【0039】
画像処理装置74は、図6に示されるように、モニタ18に表示するためにプレスキャン用フレームメモリ91aに格納されたプレスキャン画像信号、例えば、G色の画像信号を画像処理する表示用画像処理回路92と、画像出力機16に出力するために本スキャン用フレームメモリ91bに格納された本スキャン画像信号から本発明法によって決定された切り出し画素領域(画素数)の画素の画像信号を切り出し、適切なプリントのための画像処理を施し、覆い焼き処理のためのLPF(ローパスフィルタ)処理し、また、本発明において決定された電子倍率に従って、切り出し画像領域(画素数)を拡大縮小(拡縮)処理し、さらに、画像の鮮鋭化するためのUSM(アンシャープネスマスク)処理を行って、出力画像信号とする記録用画像処理回路94と、プレスキャン画像信号や必要に応じて設定される主被写体やオペレータによって入力される所望の処理条件から、記録用画像処理回路94における本スキャン画像信号の画像処理条件を設定する画像処理条件設定手段96などを構成するCPU98とを有する。
【0040】
なお、図示例においては、入力装置12で画像を読み取ってこれを制御装置14で処理しているが、本発明はこれ以外にも、記憶装置20であるサーバ、HD、MO、FDなどの記憶媒体に記憶された画像信号を制御装置14のフレームメモリ91に読み込み、上述した同様の処理を行ってもよいし、逆に、フレームメモリ91に格納されている画像信号を記憶装置20に記憶させて、後の使用に供してもよい。
本発明の制御装置14は基本的に以上のように構成される。
【0041】
次に、画像出力機16は、制御装置14からの画像信号を受け、原稿画像が再生されたプリントを出力するものであり、図7にその概略図を示す。
同図に示すように、画像出力機16は、基本的に、搬送装置100、光ビーム走査装置102、および制御基板や電源部等が収納される電装部104を有する焼付搬送装置106と、現像装置108と、乾燥装置110と、排出装置112とを有し、一体化されて1台の装置として構成され、ロール状に巻回された長尺感光材料Pを引き出して副走査方向に搬送しつつ、副走査方向と直交する主走査方向に偏向した光ビームによって二次元的に走査露光し、露光済の感光材料Pを現像処理し、乾燥、カットをおこなって、プリントとして出力する。
【0042】
焼付搬送装置106の搬送装置100は、ロール状に巻回された感光材料Pを収納するマガジン114を装填する感光材料供給部116と、引き出された感光材料Pを所定の経路を搬送しつつ、コマパンチやソートパンチなどの画像位置情報の記録を行う画像位置情報形成部118と、光ビーム走査装置102によって画像露光(焼付)を行う露光部120と、バックプリントを行うバックプリント部122と、リザーバ124と、感光材料排出部126と、感光材料Pをこれらを経る所定経路で搬送する搬送手段とを有するものである。
感光材料供給部116では、マガジン114が装填されると、予め取り付けられていたマイクロスィッチ等により、装填されたマガジン114のIDコードが自動的に読み取られる構成となっており、読み取られたマガジンIDコードは、制御装置14に伝送され、CPU76で、メモリ78に登録されている感光材料の幅情報(サイズ)を検出することができる。
なお、感光材料Pのサイズの検出方法はこれに限定はされず、バーコードを用いる方法や、オペレータが制御装置14にキーボード22aやマウス22bで入力する方法等であってもよい。
【0043】
光ビーム走査装置102は、赤(R)露光、緑(G)露光および青(B)露光に対応する光ビームを射出する光源、AOM(音響光学変調器)等の変調手段、ポリゴンミラー等の光偏向器、fθレンズ等を有して構成される、公知の光ビーム走査装置を用いることができる。
一方、露光部120の副走査搬送手段は、感光材料Pを所定の露光位置に保持しつつ、主走査方向(紙面に垂直な方向)と略直交する副走査方向(矢印d方向)に搬送する露光ドラム128と、副走査方向に露光位置(走査線)を挟んで露光ドラム128を押圧する2本のニップローラ130、130とから構成され、この他図示されないが、パンチ孔を検出するセンサやガイドを有するものであってもよい。なお、露光部120の前後には、画像位置情報形成部118のパンチ孔の穿孔や、バックプリント部122のバックプリントによる副走査搬送手段への影響、すなわち感光材料Pの副走査搬送速度の変動の発生などを除くために、感光材料Pのループが設けられる。
【0044】
リザーバ124は、焼付搬送装置106と相対的に処理速度の遅い現像装置108との処理速度差を吸収するために、ループを形成して露光済感光材料Pを一旦収容して置く場所である。感光材料排出部126は、現像装置108に露光済感光材料Pを送出する部分であるが、現像装置108による感光材料Pの不要な牽引、損傷を防止するために、ループが設けられており、また、現像装置108においてトラブル等が発生した場合に、搬送装置100、特にリザーバ124内の未現像感光材料Pを救済するために、露光済感光材料Pを緊急切断するカッタ(図示せず)が配置される。
【0045】
現像装置108は、使用する感光材料Pの種類に応じた湿式の現像処理装置であって、発色現像槽132、漂白定着槽134、水洗槽136を有する。露光済の感光材料Pは、搬送ローラ等によって搬送されて、各処理槽に順次浸漬され、それぞれの処理槽において所定の処理を施されて現像され、潜像が顕像化される。現像が終了した感光材料Pは、次いで乾燥装置110において、公知の方法で乾燥され、排出装置112に搬送される。
【0046】
排出装置112は、切断部138とソータ140とからなる。切断部138は、コマパンチを検出して、それに応じて感光材料Pを切断し、仕上りプリントとする。ソータ140は、多数の棚を有する通常のソータであって、切断部138によるソート情報の検出結果に応じて回転あるいはスライドして、仕上りプリントを収納する棚を切り換えることにより、ソートパンチに応じた所定枚数の仕上りプリントを仕分して収納する。
なお、図示例の画像出力機16は、焼付搬送装置106と、現像装置108、乾燥装置110および排出装置112からなる感光材料処理装置とを一体化してなるものであるが、これに限定されず、感光材料処理装置を併設せず、未現像露光済感光材料を巻き取り、別の専用の現像機において現像処理を施すものであってもよい。
【0047】
ところで、図1に示す本発明のデジタルプリント装置10は、被写体(処理対象)となるフィルム原稿のサイズと出力するプリントサイズとを複数設定でき、すなわち、図5に示す制御装置14のメモリ78にCPU76を介して複数設定することができ、かつ任意に組み合わせることができる。
フィルム原稿は、各サイズおよび種別毎に専用のキャリア(図2のフィルムキャリア32および図3のスライドキャリア34参照)を有し、図2に示す画像入力装置12のキャリアベース26に着脱可能な構成になっている。そして、キャリア、例えば、図2に示すように、フィルムキャリア32がキャリアベース26に装着されると、そのフィルムキャリア32のキャリアIDコードがCPU76に送信され、認識される。同時に、画像出力機16からはその搬送装置に装填されたマガジンのマガジンIDコードがCPU76に送信され、認識される。なお、制御装置14のメモリ78には、フィルム原稿のマスク寸法情報や感光材料の幅情報などが記憶されているが、これらの情報はユーザが書き換えることはできない。
【0048】
一方、出力するプリントサイズは、工場出荷時にメモリ78に複数設定されているが、これらのメモリ78に登録されたプリントサイズは、CPU76を介してモニター18の画面上にプリントサイズ一覧として表示され、ユーザはキーボード22aやマウス22bなどのデータ入力装置を用いてモニター18の画面上で表示された所望のプリントサイズを選択する。所望のプリントサイズが登録されていない場合は、ユーザはキーボード22aなどを用いてプリントサイズの新規登録や修正を行うことができ、メモリ78の内容を書き換えることができる。また、図示例のデジタルプリント装置10において、ズームレンズ設定光学倍率については、工場出荷時に、キャリアIDコードのみによって一義的に決められる標準光学倍率がメモリ78に記憶されている。
【0049】
また、本発明においては、イメージセンサ30によって読み取る画像の解像度とSN比を制御するために、CPU76の読み取り方式制御手段によってプリントサイズまたは出力画像信号の主副画素数(以下、総称して出力プリントサイズという)に応じて選択される少なくとも3つのスキャンモードがCPU76に設定されている。
ここで、本発明においては、イメージセンサ30の画素数は1380×920画素であるが、そのx−y移動制御回路30aを用いた画素ずらしを行うことによって、2760×1840画素の読み取りイメージセンサ30による読取画素数の4倍化を図り、高解像度化を可能にしている。一方、本発明においては、イメージセンサ30で読み取った画素の画像信号を空間平均または時間平均することにより、読み取り画像(画像信号)の高SN比化を可能にしている。
【0050】
本発明においては、このような高解像度化のための画素ずらしと高SN比化のための読取画素の空間または時間平均とを組み合わせることにより、出力プリントサイズに応じて、例えば以下の3つのスキャンモードが設定されている。なお、ここではイメージセンサ(CCD)30は、有効読取画素数が1380画素×920画素であるエリアセンサを用いている。
(i)出力プリントサイズがキングサイズ(102×152mm)未満の場合には、スキャン1モードが設定される。スキャン1モードでは、画素ずらしによるイメージセンサ30の読取画素数の4倍化が行われるが、キングサイズ未満であれば出力プリントサイズとしては大きくないので、高解像度より高SN比が要求されるため、4倍化された読取画素数(2760×1840画素)の画像データを4画素について4画素加算して平均化することにより、生成画素数を元の読取画素数(1380×920画素)に戻すことにより、空間平均を行っている。
【0051】
(ii)出力プリントサイズがキングサイズ以上2Lサイズ(127×178mm)未満の場合には、スキャン2モードが設定される。スキャン2モードでは、出力プリントサイズが比較的大きいので、高SN比よりも高解像度が優先され、画素ずらしによるイメージセンサ30の読取画素数の4倍化のみが行われ、高SN比化のための空間平均も時間平均も行われないことから、生成画素数は2760×1840画素となる。
(iii)出力プリントサイズが2Lサイズ以上では、スキャン3モードが設定される。このスキャン3モードでは、出力プリントサイズが大きいため、高解像度も高SN比も要求されるため、画素ずらしによる読取画素数の4倍化を行って高解像度化を図るとともに、この画素ずらしによって4倍の画素数を読み取ることを4回繰り返して、4倍化された各々の画素毎に4回加算して平均化することにより、4倍化された読取画素数の画像データの時間平均を行って高SN比化している。
【0052】
ところで、上述した例では、プリントサイズに応じて3つのスキャンモードを設定する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、キングサイズよりさらに小さい出力プリントサイズ、例えばインデックスプリントやベタ焼きなどの場合や、その他の特別な場合には、画素ずらしによる高解像度化も加算平均による高SN比化も行わず、イメージセンサ30の全画素(1390×920画素)を生成画素数とするスキャン0モードを設けてもよい。もちろん、本発明においては、これ以外のスキャンモードを設けることも、スキャンモードの内容、すなわち画素ずらしなどによる読取画素の増倍化や空間および時間平均の組み合わせ方、例えば両者を行うことも含めて、種々に変更してもよい。
【0053】
ところで、上述した例では、プリントサイズに応じてスキャンモードが設定されているが、本発明においては、これらをデフォルト値としてCPU76に登録しておき、このデフォルト値をユーザが外部から設定できるようにすることにより、プリントサイズとスキャンモードとの関係を変更することができ、任意に設定し、登録することができる。
本発明において行うことのできるスキャンモード登録についてのモニタ18の表示画面、すなわちスキャンモード登録画面の一例を図8に示す。
【0054】
ユーザは、入力装置22を使って制御部70のCPU76によって「スキャンモード登録」を起動し、モニタ18に図8に示すようなスキャンモード登録画面18aを表示する。ここでは、原稿の種類毎にプリントサイズに応じたスキャンモードを登録できる。この画面18aは、原稿としては表示欄D1に「135透過ネガフィルム」が選択されている状態を示すが、表示欄D1の矢印をマウス22bなどでクリックすることにより、表示欄D1の、原稿の表示を切り換えて、登録されている原稿の中から設定することができる。
【0055】
スキャンモード登録画面18aには、選択されている原稿に応じてデフォルト値として設定された適切な値が表示される。この画面18aでは、原稿毎にスキャンモードの境界プリントサイズ(長辺)と、境界値未満のスキャンモードと、境界値以上のスキャンモードとの設定を行うことができる。表示欄D2には原稿毎のスキャンモードの境界プリントサイズ(長辺)が表示され、152mmが設定されていることを示す。この境界プリントサイズは、キーボード22aによる数値入力によってもしくはマウス22bによる表示欄D2の上下方向矢印クリックで最小単位(例えばmm)で増減させて設定することができる。表示欄D3およびD4にはそれぞれ境界値未満スキャンモードおよび境界値以上スキャンモードが表示され、それぞれ「スキャン1」モードおよび「スキャン2」モードが設定されていることを示す。これらのモードは、各表示欄D3,D4の各矢印をクリックすることによりリストに加えられているモードの表示を切り換えて、設定値を変えることができる。表示欄D5には、この画面18aで表示欄D2の境界サイズで設定された値に対して該当するプリントサイズとこれに対応するスキャンモードとを示すプリントサイズ別の登録一覧が表示され、それぞれ89×158.0(mm)のHVサイズに対して「スキャン2」モードが対応することを示す。
【0056】
「サイズ別登録」ボタン(GUI)を指示すると、モニタ18の表示画面18aに図9に示す「プリントサイズ別個別登録」ウィンドウ(ダイアログ)18bが表示され、個々のプリントサイズに応じてスキャンモードの設定が可能となる。このダイアログ18b表示時には、表示欄D6に表示される「登録するプリントサイズ」のリストは未選択の状態にあり、表示欄D7に表示される「スキャンモード」は、最後に設定したモードであり、表示欄D8の一覧には現在登録されているプリントサイズ別のスキャンモードの全てが表示される。
【0057】
ここでは、まず、表示欄D6の中で登録するプリントサイズをリスト選択し、選択されたプリントサイズに応じたスキャンモードを表示欄D7で選択して、「追加」ボタンを指示して表示欄D8の一覧の最後に追加される。なお、表示欄D8の一覧から、「削除」ボタンの指示で一項目、「全削除」ボタンの指示で全項目が削除できる。「取消」ボタンの指示はダイアログ18bを消去し、ダイアログ18bでの設定結果は反映されない。「解」ボタンを指示すると、表示欄D8の一覧リストに表示された項目を登録し、ダイアログ18bを消去し、「スキャンモード登録」画面18aに戻り、表示欄D5のプリントサイズ別登録一覧リストを登録結果に更新する。
ここで「登録」ボタンを指示すると、設定値が更新され登録が終了される。なお、この画面18aでの「取消」ボタンの指示は、設定値の変更結果を反映せずに登録を終了する。
以上のようにしてプリントサイズとスキャンモードとの関係を原稿種に応じて任意に設定できる。
【0058】
以上のように初期設定されたデジタルプリント装置10において、キャリアIDコードやマガジンIDコードが取得され、出力プリントサイズが選択されると、本発明の特徴とするCPU76の読み取り方式制御手段によって出力プリントサイズに応じて先に登録されたスキャンモードが設定されるとともに、CPU76によって自動的に倍率計算が行われ、ズームレンズ設定光学倍率および電子拡縮倍率が設定される。すなわち、まず、メモリ78からキャリアIDコードに固有の標準光学倍率がズームレンズ設定光学倍率として自動的に設定される。
なお、図示例のデジタルプリント装置10においては、プレスキャン時、フィルム原稿の担持画像が投影されたイメージセンサ30の有効画素領域(例えば、1380画素×920画素)の全画素から取り込まれた画像信号が制御装置14の信号処理装置72のフレームメモリ91(プレスキャン用フレームメモリ91a)に取り込まれ、間引かれてモニター18に表示(例えば、345画素×230画素)される。
【0059】
一方、本(ファイン)スキャンの場合には、出力プリントサイズに応じて設定されたスキャンモードに応じて、イメージセンサ30の有効画素領域の全画素の画像信号が、そのまま、もしくは画素ずらしをして4倍の画素数(2760×1840画素)で読み込まれる。ところで、フィルム原稿のサイズは複数であり、従ってマスクサイズも複数あり、種々異なっていることから、全てのフィルム原稿のマスク画像(マスクの開口領域内の原稿画像)の投影像がイメージセンサ30の全有効画素領域に投影されるわけではなく、一般にその内側に投影される。このため、画素ずらしを行うか否かにかかわらず、読み込まれた有効画素領域の全画素領域の画像信号から、プリントに再現するのに使用する入力画素領域の画素の画像信号としてマスク画像領域内のみの画素の画像信号を取り出す必要がある。従って、本発明では、光軸のずれや倍率誤差やフィルム原稿の停止位置誤差などを考慮しても、フィルム原稿の縁やマスクの縁の画素の画像信号を確実に除くことができ、マスクの開口領域内のできるだけ多くの画素の画像信号を確実に取り出すことができ、入力画素領域の画素の画像信号としてフレームメモリ91(91b)に取り込むことができるように、イメージセンサ30の有効画素領域のサイズ(画素数)に対して入力画素領域のサイズ(画素数)を設定している。なお、本スキャン用フレームメモリ91bには、イメージセンサ30の有効画素領域の全画素領域の画像信号を取り込み、入力画素領域の画素の画像信号のみを読み出すようにしてもよい。
【0060】
一方、入力装置12の光学系においても、標準光学倍率が、以上の関係が十分に満たされるように、フィルム原稿のマスク画像の投影像が確実に余裕を持ってイメージセンサ30の有効画素領域の内側に入るように設定されている。従って、標準光学倍率は、フィルム原稿のマスク画像が確実にイメージセンサ30の有効画素領域に投影され、所望のプリントサイズのプリントとして出力された時、フィルム原稿の縁が出たり、マスクの縁などが写し出されたりすることが絶対にないようにかつイメージセンサ30の有効画素領域の利用度が高く高精細な画質が確保できる光学倍率である。ところで、ズームレンズユニット62が実際にこの標準光学倍率に設定される場合には、CPU76によって、メモリ78に記憶された倍率−パルステーブルから、設定された光学倍率となる位置にズームレンズユニット62のズームレンズ群66を移動させるのに必要なホームポジション(原点)からの移動量を得るために倍率調整モータ63に付与する原点からのパルス数が読み出され、そのパルス数だけ倍率調整モータ63が駆動されてズームレンズ群66が移動され、標準光学倍率となる位置に停止される。
【0061】
次いで、CPU76では、予め、工場出荷時に設定された様々な設定値を用いて、例えば、出力プリントサイズに応じて、画像出力機16の感光材料の蛇行や記録長誤差などの出力画像けられ余裕量や画像処理装置74における画素欠損(けられ)を考慮して、画素ずらしをして4回加算の時間平均をして得られた入力画素数(例えば、2680画素×1840画素)の画素の画像信号から、所定の出力画素密度(例えば、300dpi)で所望のプリントサイズ(例えば、2Lサイズ178mm×127mm)のプリントを出力するのに必要な出力画素数(例えば、2132画素×1530画素)の画素の画像信号を作りだすための電子拡縮倍率(例えば、85%)の演算が行われ、けられを考慮して、画素の画像信号が信号処理装置72に読み込まれ、フレームメモリ91(91a、必要に応じて91b)に取り込まれるイメージセンサ30の有効画素領域から切り出す画素数(例えば、2530画素×1822画素)が決定され、モニター(例えば、345画素×230画素)18に仕上がりプリント領域を基準線として表示する。
【0062】
図示例のデジタルプリント装置10では、こうしてモニター18に表示された基準線内の仕上がりプリント領域の画像が、そのまま画像出力機16から出力される。しかしながら、プリント上の原稿画像再現領域、すなわち、プリントの再現画像における原稿画像のけられの量を調整したい場合には、トリミング作業を行うことができる。このトリミング作業は、ユーザが直接光学倍率を指定するか、あるいは倍率調整モータ63によるズームの開始と停止を指定して行えばよいが、この場合にはモニター18に実際に設定された倍率が表示されるのがよい。そして、指定後、ユーザはプリント画面に戻ったモニター18上に表示されたイメージセンサ30の画像と仕上がりプリント領域、すなわちトリミング領域を示す基準線とによって所定のトリミング領域の画像を確認する。所望のトリミング画像が得られていない場合には、ユーザは、所望のトリミング画像が得られるまで、このような光学倍率の調整によるトリミング作業を繰り返すことができる。
本発明においては、モニター18に表示される基準線は、イメージセンサ30に読み取られた原稿画像がプリント上に再現されるまでに生じる画像のけられを十分に考慮したものであるため、実際にプリントされた再現画像とのずれはほとんどないので、モニター18上でのトリミング画像の確認で十分であるが、実際にプリントを出力しながらトリミング作業を行っても良いことは勿論である。
【0063】
本発明の画像形成装置を適用するデジタルプリント装置は、基本的に以上のように構成されるが、以下に本発明のデジタルプリント装置の作用を説明する。
まず、デジタルプリント装置10に電源が入れられると、制御装置14のCPUは76は、キャリアや感光材料の情報を自動的に取得する。ここで、オペレータは、目視により、あるいは、モニター18の画面に表示されたキャリア情報や感光材料の情報を確認して、必要であればキャリアやマガジン114を交換する。交換されると、CPU76は、新しいキャリアやマガジンのID符号を得、モニター表示を変更する。さらに、オペレータは、プリントサイズを入力して、本発明法の初期設定が終了する。続いてデジタルプリント装置10においては、上述したようにプリントサイズに応じたスキャンモードが設定される。ここで、オペレータは、プリントサイズに対してスキャンモードが設定されていない場合やスキャンモードを変更したい場合には、図8および9に示すスキャンモード登録によって、所望のスキャンモードを設定することができる。また、ここでは、切り出し画素領域(画素数)および送出出力画素領域(画素数)が決定される。
【0064】
次いで、入力装置12の光源部24からの光量等、デジタルプリント装置は所定の立ち上り状態にあることを確認されていると、オペレータは、ストリップスAに撮影された1枚目の画像が読取位置ZとなるようにストリップスAをフィルムキャリア28に装填する。ここで、読み取り開始の指示を出すと、入力装置12においては、まず、プレスキャンが開始される。
プレスキャンが開始されると、光源部24で光路Lに挿入された、例えば色フィルタ38のGフィルタによって調光された光がストリップスAを透過し、レンズユニット62によって原稿画像の投影像としてイメージセンサ30の有効画素領域に略内接して結像され、G原稿画像が読み取られ、制御装置14に送られ、信号処理装置72で所定の信号処理された後、プレスキャン用フレームメモリ91aに格納される。次いで、同様にして、例えば、B画像、続いてR画像が読み取られ、順次フレームメモリ91aに格納されて、プレスキャンが終了する。
【0065】
同時に、制御装置14においては、画像処理装置74によってフレームメモリ91bからプレスキャンG画像が読み出され、表示用画像処理回路92で画像処理され、仕上がりプリント領域を示す基準線と共にモニタ18に表示される。モニタ18に表示された原稿画像を使って、主被写体の設定等が行われ、画像処理条件設定手段96において、得られた画像情報や主被写体等に応じて、画像処理条件が設定され、制御部70において、絞り36の調整等が行われる。
また、制御部70においては、信号処理装置72で信号処理されたプレスキャン画像を用いて、自動焦点調整手段80によるズームレンズユニット62の自動焦点調整が行われる。
この後、本スキャンが開始されると、設定されたスキャンモードに応じて、イメージセンサ30による画素ずらしを行いもしくは行わず、プレスキャンと同様の手順で、フィルム原稿のG画像、B画像およびR画像が、順次読み取られて制御装置14に送られ、信号処理装置72で、設定されたスキャンモードに応じて空間平均もしくは時間平均され、さらに所要の信号処理された後、本スキャン用フレームメモリ91bに格納される。続いて、画像処理装置74において、先に決定された切り出し画素領域の画素の画像信号がフレームメモリ91bから読み出され、記録用画像処理回路94でLPF、拡縮(電子変倍)、USMなどの画像処理が施され、必要に応じて、画像回転制御手段82による画像の90度回転およびネガ/ポジ変換手段84によるネガ/ポジ反転が行われて、本発明法によって決定された送出出力画素領域(画素数)の画像信号が、画像出力機16に伝送される。
【0066】
一方、画像出力機16においては、マガジン114から引き出された感光材料Pが、画像位置情報形成部118に搬送され、コマ情報が形成された後、露光部120に搬送される。露光部120では、光ビーム走査装置102によって光ビームを制御装置14から転送された画像信号によって変調し、変調された光ビームを主走査方向に偏向して副走査搬送される感光材料Pを走査露光することにより、潜像を形成する。
潜像が形成された感光材料Pは、バックプリント部122に搬送され、フィルム撮影日等の情報をバックプリントされ、リザーバ124に収容され、排出部126から現像装置108に搬送される。
現像装置108に搬送された感光材料Pは、所定の速度で搬送されつつ、各槽において、発色現像、漂白定着、水洗の各処理を順次施されて現像され、乾燥装置110で乾燥されて、排出装置112の切断部138でコマ情報に応じてプリント毎に切断されて仕上りプリントとされて、ソート情報に応じてソータ140に収納される。
【0067】
以上、本発明の画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、出力画像信号の主副画素数またはプリントサイズ(出力プリントサイズ)が多種多様であっても、これらに応じて要求される解像度およびSN比でフィルム原稿画像を読み取る画像読み取り方式制御(スキャン)モードを設定し、登録もしくは記憶することができるし、出力プリントサイズが選択もしくは設定されると自動的に該当するスキャンモードが設置され、このスキャンモードでフィルム原稿画像を読み取ることができる。
従って、本発明によれば、出力プリントサイズに応じて適正なスキャンモードが設定されるので、例えば出力プリントサイズが大きくなると、スキャン時間が長くなって、生産性が低下しても、原稿画像の読み取りを大プリントサイズに要求される高解像度かつ高SN比で行うことができるし、出力プリントサイズが小さい場合には、解像度やSN比が多少落ちても、画素ずらしや読取画素の時間平均や空間平均などのいずれか一つもしくは二つあるいは全部を行わずにスキャン時間を短くして、生産性の高い原稿画像の読み取りを行うことができ、どのような出力プリントサイズであっても、その出力プリントサイズに応じて画質と生産性のバランスのとれた画像読み取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置を適用するデジタルプリント装置の一実施例のブロック図である。
【図2】 図1に示すデジタルプリント装置の画像入力装置の一実施例の概略斜視図である。
【図3】 図2に示す画像入力装置に用いられるスライドキャリアの一実施例の概略斜視図である。
【図4】 図2に示す画像入力装置で行われる画素ずらしを説明する説明図である。
【図5】 図1に示すデジタルプリント装置の制御装置の一実施例のブロック図である。
【図6】 図5に示す制御装置の画像処理装置の一実施例のブロック図である。
【図7】 図1に示すデジタルプリント装置の画像出力機の一実施例の概略断面図である。
【図8】 本発明に用いられる読み取り方式制御手段において行われる画像スキャンモード登録を説明するためのモニタ表示画面の一例を示す説明図である。
【図9】 本発明に用いられる読み取り方式制御手段において行われる画像スキャンモード登録を説明するためのモニタ表示画面の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 デジタルプリント装置
12 画像入力装置
14 制御装置
16 画像出力機
18 表示装置(モニタ)
20 記憶装置
22 データ入力装置
24 光源部
26 キャリベース
28 結像部
30 イメージセンサ(CCD)
30a xy移動制御回路
32 フィルムキャリア
34 スライドキャリア
62 ズームレンズユニット
70 制御部
72 信号処理装置
74 画像処理装置
76 CPU
78 メモリ
91,91a,91b フレームメモリ
92 表示用画像処理回路
94 記録用画像処理回路
100 搬送装置
102 光ビーム走査装置
108 現像装置
110 乾燥装置
112 排出装置

Claims (2)

  1. 写真フィルムまたは反射原稿の画像を光電的に読み取ることにより、フィルムまたは反射原稿上の画像情報からデジタル画像信号を得る画像読み取り手段と、
    前記デジタル画像信号から出力画像信号を生成する画像処理手段と、
    前記出力画像信号を記録媒体に記録する画像記録手段と、
    前記画像読み取り手段が画像情報を読み取る際の解像度と信号/ノイズ比を制御するために、画素を基準画素からずらして読み取ることで読取画素数を増加させる画素ずらしと、読み取った画素の画像信号の空間平均化または時間平均化とを組み合わせて設定されるいくつかの読み取り方式制御モードと、出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズとを対応付けて登録する登録手段と、
    前記出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズが選択されることによって、前記いくつかの読み取り方式制御モードの中から、対応する読み取り方式制御モードを自動的に決定し、決定された読み取り方式制御モードを用いて画像読み取り制御を行う読み取り方式制御手段とを備え
    前記いくつかの読み取り方式制御モードのうちの一つでは、基準画素からずらして画素を読み取り、読み取った画素の画像信号を空間平均化することを特徴とする画像形成装置。
  2. 写真フィルムまたは反射原稿の画像を光電的に読み取ることにより、フィルムまたは反射原稿上の画像情報からデジタル画像信号を得る画像読み取るに際し、
    画像情報を読み取る際の解像度と信号/ノイズ比を制御するために、画素を基準画素からずらして読み取ることで読取画素数を増加させる画素ずらしと、読み取った画素の画像信号の空間平均化または時間平均化とを組み合わせて設定されるいくつかの読み取り方式制御モードと、出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズとを対応付けて登録し、前記出力画像信号の主副画素数もしくはプリントサイズが選択されることによって、前記いくつかの読み取り方式制御モードの中から、対応する読み取り方式制御モードを自動的に決定し、決定された読み取り方式制御モードを用いて画像読み取り制御を行い、前記デジタル画像信号から出力画像信号を生成し、前記出力画像信号を記録媒体に記録することを特徴とする画像形成方法。
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