JP3711702B2 - 車両用制御装置の取付構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用制御装置の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両、特に自動車においては、乗員の操作に応じて作動される制御ユニット(情報処理ユニット、空間占有ユニットと称されることもある)の数(種類)が多くなる傾向にあり、特にインストルメントパネルのうち運転席と助手席との中間部分に集中して配置される傾向がある。すなわち、この部分には、空調制御用、オ−ディオ制御用のユニットが配置されて、その前面つまり車室内面側にはその操作用のスイッチ等の乗員に操作される入力部や、ユニットの作動状況を表示するディスプレイ等の出力部が配置される。そして、最近では、オ−ディオ用ユニットの種類も増加して、AM/FMラジオの他、カセットデッキ、CDプレ−ヤ、MDプレ−ヤ、イコライザ等々、オ−ディオのみでも相当の数になる。また、これに加えて、最近ではナビゲ−ションも搭載する傾向が強くなっており、ナビゲ−ションの地図表示用のディスプレイも必要になってくる。
【0003】
従来、機能(制御内容あるいは情報処理の内容)が異なるユニットは、個々独立した存在であり、個々独立したユニット毎に、その前面つまり車室側に臨む面に、乗員により操作される入力部や乗員に対する出力部を有していた。そして、出力部や多数の入力部を極力集中あるいは兼用させるために、複数の異なる機能を有する各ユニットを1つのユニットにまとめるようにすることも行われている。
【0004】
特開昭61−244636号公報には、互いに機能の異なる個々独立した複数のユニットを、1つの枠体を利用して1セット化することが提案されている。すなわち、複数のユニットを上下方向に積層した状態で1つに連結するシャシ−部分と、車室内壁面を構成する前面板部とを有する枠体が提案されている。しかしながら、各ユニットは、個々独立して出力部や入力部を有しており、上記前面板部には、車室内から出力部を目視できるようにするための開口や、入力部に対して車室側から操作できるようにするための開口が形成されているのみとなっている。つまり、上記枠体は、単に、複数の個々独立したユニットを1つにセット化するための締結体として機能しているのみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、多くのユニットが狭い箇所に集中することは、出力部や多数の入力部の配置に大きな制約を受けることになり、操作性や視認性の上で好ましくなく、ユニットの数が多くなるほど、一部のユニットに対する操作性や視認性が悪くなってしまう。
【0006】
操作性や視認性を向上させる1つの手法として、前述のように、互いに異なる機能をまとめて1つのユニットとして構成することである。しかしながら、この場合は、同じ車種であってもグレ−ドによって搭載するユニットの数や種類(機能の数や種類)が異なることを勘案すると、搭載するユニットの数と種類の組合せは相当な数となり、この多数の組合せに対応した数のものについてそれぞれ1セット化したものを用意することは、1セット化されたものの数(種類)も相当に多くなってしまうことになる。このことは、必然的に、1セット化するにも限界があり、しかも1セット化したもの1種類毎の生産個数が少なくなることになって、コスト的にも好ましくないものとなる。
【0007】
とりわけ、最近の車両では、インストルメントパネルの車幅方向略中間部には、空調用の操作部があらかじめ車両設計段階から配置されて、この空調用操作部を除いた部分に2DIN規格分の開口部が設けられて、この2DINのスペ−ス内においてオ−ディオ用やナビゲ−ション等のユニットを設置しなければならず、ユニットの操作部や出力部の配置に大きな制約を与える原因ともなっている。
【0008】
上述のような問題を解消するため、本出願人は、車両に搭載される次のような制御装置組立体を開発した。すなわち、表面側に乗員に対する出力部および乗員により操作される入力部とを有するパネル体と、それぞれ前記パネル体とは別体に形成されて該パネル体の背面側において該パネル体に連結された複数の制御ユニットとを備えて、前記入力部の操作に応じて前記制御ユニットが作動されると共に、少なくとも一部の制御ユニットの作動状況が前記出力部に出力されるように設定された制御装置組立体を開発した。このような制御装置組立体は、インストルメントパネルに形成された開口部を通して前記複数の制御ユニットが該インストルメントパネル内に収納されると共に、前記パネル体が該開口部を施蓋して該インストルメントパネルの一部を構成することになる。
【0009】
上述の制御装置組立体にあっては、各制御ユニットに対する乗員の入力部つまり操作部や制御ユニットの作動状況を乗員へ告知する出力部は、全てパネル体に設けられて、制御ユニット毎には入力部や出力部が設けられないものとなる。このことは、車種やグレ−ドに応じてパネル体を選択して、この選択されたパネル体に応じて制御ユニットを選択して制御装置組立体を構成すればよいことになり、制御ユニットは、車種やグレ−ドに応じて個々専用のものを容易することなく共通化することが可能となる。
【0010】
上述の制御装置組立体を車体つまりインストルメントパネルに組込むとき、制御装置組立体は全体としてかなりの重量を有するので、いかに容易にインストルメントパネルに組込むが問題となる。
【0011】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、パネル体と該パネル体とは別体に形成された複数の制御ユニットとを連結してなる制御装置組立体を、インストルメントパネルに容易に組込めるようにした車両用制御装置の取付構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明あっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、
表面側に乗員に対する出力部および乗員により操作される入力部とを有するパネル体と、それぞれ前記パネル体とは別体に形成されて該パネル体の背面側において該パネル体に連結された複数の制御ユニットとを備え、前記入力部の操作に応じて前記制御ユニットが作動されると共に、少なくとも一部の制御ユニットの作動状況が前記出力部に出力されるように設定された制御装置組立体を車両に取付ける車両用制御装置の取付構造であって、
インストルメントパネルに形成された開口部を通して前記複数の制御ユニットが該インストルメントパネル内に収納されると共に、前記パネル体が該開口部を施蓋して該インストルメントパネルの一部を構成するようにして、該制御装置組立体が該インストルメントパネルに対して組込まれており、
前記制御装置組立体を前記インストルメントパネルに対して組込んだとき、該制御装置組立体の背面に設けられた被支持部が、前記インストルメントパネル内に設けられた車体側支持部に嵌合されて、該制御装置組立体の重量が前記支持部に支承されるように設定され、
前記インストルメントパネル内には、前記制御装置組立体を該インストルメントパネルに組込むときに、前記被支持部を前記支持部へ向けて案内するガイド部材が設けられ、
前記被支持部の前記支持部に対する嵌合が進行するにつれて、前記制御装置組立体が前記ガイド部材から上方へ離間するように、該被支持部と支持部との嵌合関係が設定されている、
ようにしてある。上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。
【0013】
【発明の効果】
請求項1によれば、制御装置組立体の構造からして、制御ユニットとは別体に形成されたパネル体に、制御ユニットの出力部や入力部が設けられているので、この入力部や出力部の配置の自由度が飛躍的に向上されて、操作性や視認性向上の上で好ましいものとなる。また、パネル体は制御ユニットとは別体に形成されているので、パネル体、特にパネル体のうち車室側に臨む面を、車体内壁面として好適なものにデザインして、装飾性向上の上で好ましいものとなる。さらに、パネル体を交換するだけで、異なる機能の制御ユニットをそのまま使用することができる。つまり、制御ユニットの数や種類の組合せに応じてパネル体を交換するだけで、異なる機能を有する複数のユニットを1つにセット化したものと同じように機能させることができる。このことは、異なる機能の複数の制御ユニットの組合せにより柔軟に対応して、この組合せの数を容易により多くすることが可能となり、またそのためのコストの点でも有利となる。さらに又、制御ユニットの配設位置に対する制約が、制御ユニット毎にそれぞれ出力部や入力部を設けていた場合に比して操作性、視認性を考慮する必要がないためはるかに小さくなり、車室内壁面内側にある空間の有効利用という点でも好ましいものとなる。
【0014】
以上に加えて、制御装置組立体は、ガイド部材を案内として制御ユニットがインストルメントパネル内に収納されるように組み付けられるので、組み付けが容易となる。また、インストルメントパネルに形成された開口部を通して制御ユニットがインストルメントパネル内に収納されるように組込んでいく過程、つまり開口部を通して挿入していく作業過程において、自動的に被支持部が支持部に嵌合してその重量が車体側に支承されるように組込まれるので、制御装置組立体のインストルメントパネルに対する組み付けが飛躍的に向上される。さらに、制御装置組立体のインストルメントパネルに対する組み付け完了状態では、制御装置組立体がガイド部材から上方へ離間した状態となるので、かなりの重量物となる制御装置組立体が車両の走行に応じて上下方向に振動しても、ガイド部材と制御装置組立体とが上下方向から当接する事態が防止されて、この当接に起因して走行中にインストルメントパネル内で異音が発生してしまうという事態を防止することもできる。
【0015】
請求項2によれば、制御装置組立体側の第1コネクタと車体側の第2コネクタとの接続を、制御装置組立体をインストルメントパネルに組込む過程において自動的に接続することができる。特に、ガイド部材による制御装置組立体の案内作用を利用して、また各コネクタの調芯機能をも利用して、第1コネクタと第2コネクタとの接続を確実に行うことができる。
【0016】
請求項3によれば、仮止めを利用して第2コネクタの位置を第1コネクタとの接続に適した位置に保持しつつ、接続完了状態では第2コネクタを上下方向にフロ−ティング状態として、走行中に制御装置組立体が上下方向に振動しても、コネクタの接続部分に無理な力が作用するのが防止され、確実な接続関係を維持する上で好ましいものとなる。
【0017】
請求項4によれば、第2コネクタが、前後方向つまり第1コネクタとの接続、接続解除方向には変位しないようにされているので、確実な接続の確保と接続後における確実な接続状態維持とを確保する上で好ましいものとなる。
【0018】
請求項5によれば、仮止めするための具体的な手法が提供される。特に、第2コネクタに設けた弱化部が破断されない限り仮止めが確保されるので、仮止め機能を確実に確保する上で好ましいものとなる。また、弱化部が破断されるときの外力の大きさは、コネクタに無理とならない程度の大きさとして容易に設定することができるので、制御装置組立体のインストルメントパネルに対する組み付け完了後におけるコネクタのフロ−ティング状態を確実に確保する上でも好ましいものとなる。
【0019】
請求項6によれば、インストルメントパネルに組み付けられた制御装置組立体の上下方向振動が、コネクタに対して左右方向軸線回りに若干回動させるような外力を与えるようなときでも、この上下方向振動によってコネクタに無理な力が作用するのが防止されて、コネクタの確実な接続状態を確保する上で好ましいものとなる。
【0020】
請求項7によれば、車体の強度部材としてのステアリング支持部材に対して支持部およびガイド部材を固定することにより、この支持部とガイド部材との車体側への固定状態をしっかりとしたものとすることができる。このことは、ガイド部材にあっては、制御装置組立体を所望方向へ確実にガイドする上で好ましいものとなる。また、支持部にあっては、制御装置組立体をしっかりと車体側に支持する上で好ましいものとなる。
【0021】
請求項8によれば、パネル体を固定具を利用してインストルメントパネルに固定することにより、制御装置組立体を、支持部による支承作用と合せてよりしっかりとインストルメントパネルつまり車体側に支承させる上で好ましいものとなる。また、インストルメントパネルに対する固定部分をパネル体の外周縁部に設定することにより、この固定部分が入力部や出力部の配置に制約を与えないものとなる、また、かなり広い面積を有するパネル体をその外周縁部でもって固定することにより、しっかりとした固定とする上で好ましいものとなる。勿論、パネル体の外周縁部に相当する位置には、インストルメントパネルの開口部周縁が必ず位置することになるので、固定部分の位置設定として極めて好ましいものとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[図1〜図7の説明]
まず、図1、図2を参照しつつ、本発明の全体的な概要について説明する。図1、図2において、1は車室内壁面を構成するパネル部材としてのインストルメントパネルであり、その車幅方向略中間部には、開口部2が形成されている。この開口部2は、上下方向および左右方向共に、2DIN規格の大きさよりも大きくされている。このような開口部2は、パネル体Pにより施蓋されて、車室内から目視できないようにされている。そして、パネル体Pが、実質的にインストルメントパネル1の一部を構成している。
【0023】
パネル体Pの背面側つまり車室とは反対側には、開口部2内つまりインストルメントパネル1内に位置するように、3つの制御ユニット(情報処理ユニット、空間占有ユニット)U1、U2、U3が配置されている。パネル体Pと各ユニットU1、U2、U3とは、互いに連結、一体化されると共に、信号伝達のために接続されている。なお、ユニットU1はAM/FMラジオ用であり、ユニットU2はCDプレ−ヤ用であり、U3は空調制御用(ただしマニュアルエアコン用)とされている。各ユニットU1〜U3は、それぞれほぼ1DIN規格内の大きさに形成されて、上下方向に薄幅のボックス状として形成されており、互いに上下方向に積層されている。
【0024】
各ユニットU1〜U3は、それぞれ、乗員により操作される入力部や、作動状況等を表示する表示部は有しないものとされ(このことは以下に説明する他の制御ユニットについても同じ)、このユニットU1〜U3用の出力部や入力部は全てパネル体Pに設けられている。すなわち、パネル体Pの表面側には、液晶表示部から成る視覚的な表示部(出力部に対応)としてのディスプレイ5と、ディスプレイ5の下方において形成されたユニットU1に対するCDディスクの出入れ用開口6と、当該開口6の周囲に配置されたオ−ディオ用の操作スイッチ群7と、開口6およびスイッチ群7の下方において設けられた空調制御用のスイッチ群8(スイッチ群が入力部に対応)が設けられている。
【0025】
ディスプレイ5は、各ユニットU1〜U3用として兼用されている。スイッチ群7は、各ユニットU1、U2用として兼用とされている。また、スイッチ群8は、ユニットU3専用とされている。このように、ユニットU1〜U3に対する乗員の操作は、パネル体Pに設けられた入力部としてのスイッチ群7、8を利用して行われ、スイッチ群7、8の操作状況に応じた各ユニットU1〜U3の作動状況が、スイッチ群7、8の操作状態(操作選択状態)をも含めてディスプレイ5に表示されるようになっている。なお、スイッチ群7、8に含まれるスイッチの種類や、ディスプレイ5に表示される表示内容は、従来からあるCDプレ−ヤやAM/FMラジオ用さらには空調制御用と同じである。
【0026】
パネル体Pには、さらに、空調制御用スイッチ群8の下方において、灰皿9とシガ−ライタ10とが車幅方向に互いに並列に設けられている。また、パネル体Pには、その左右方向端部において、空調用エアの吹出し口11が設けられている。
【0027】
前記開口部2は、左右一対の上下方向の伸びる隔壁3によって、左右方向に3つの小開口部分2A、2Cに分割されている。もっとも大きい小開口部分2Aに、各ユニットU1〜U3が収納される。小開口部分2Aの左右に形成される小開口部分2Cが、パネル体Pの空調用エア吹出し口11に整合される空調用エアの通路となり、図示を略す空調用エアのダクトが接続されるものである。
【0028】
パネル体Pと各ユニットU1〜U3とは、車両搭載前にあらかじめ一体化された制御装置組立体KPとされて、ユニットU1〜U3が前記小開口部分2Aに収納されるように、当該ユニットU1〜U3側から開口部2に接近されて、車両にネ載される。そして、組み付け完了状態では、パネル体Pがインストルメントパネル1の一部を実質的に構成することになる。なお、パネル体Pの外周縁部は、インストルメントパネル1への組み付け完了状態において、開口部2の開口端縁部つまりインストルメントパネル1と略面一となるようにされる。
【0029】
図3、図4に示すように、インストルメントパネル1内には、左右方向つまり車幅方向に伸びるステアリング車軸部材54が位置されている。このステアリング車軸部材54は、既知のように車体側の強度部材となっており、このステアリング車軸部材54には、鉄板等の金属板を加工してなる部材12が例えば溶接等により固定されている。部材12は、ガイド部材13と支持部材14となるものである。ガイド部材13は、全体として平板状とされて、ステアリング支持部材54から後方つまり開口部2へ向けて伸びている。このようなガイド部材13は、少なくともその上面が、ステアリング支持部材54付近ではほぼ水平とされているが、開口部2に近づくにつれて徐々に低くなるようにされている(開口部2側から見れば、ステアリング支持部材54に近付くにつれてつまり前方へ向うにつれて徐々に高くなり、ステアリング支持部材54付近ではほぼ水平となっている)。
【0030】
前記支持部材14は、部材12をステアリング支持部材54付近で部分的に上方へ切り起こすことにより形成されている。この支持部材14には、所定高さ位置において、図15に示すように嵌合孔(嵌合凹部)15が形成されている。この嵌合孔15は、前方へ向うにつれて徐々に上方に向うように若干傾斜されていて、その内面にはゴム等からなる筒状の弾性体16が嵌合されている。つまり、弾性体の内孔が実質的に上記嵌合孔15を構成するようになっている。
【0031】
前記制御装置組立体KPを構成する複数の制御ユニットU1〜U3は、ケース体17によって囲まれており、このケース体17が、複数の制御ユニットU1〜U3を強固に連結する(特に上下方向の連結)と共に、パネル体Pの背面にも固定されて、制御装置組立体KPの一体化を全体的に補強している。このようなケース体17の前面、つまりステアリング支持部材54に近い側の面には、前方へ伸ばして嵌合突起18が一体化されている。この嵌合突起18は、前記嵌合孔15つまり弾性体16に嵌合されるもので、前方へ向うにつれて徐々に高くなるように若干傾斜されている。
【0032】
前記ケース体17の下面には、制御装置組立体KP側のコネクタとなる第1コネクタ52が設けられている。この第1コネクタ52に対応して、部材12の底面には、車体側コネクタとしての第2コネクタK2が設けられている。第1コネクタ52の接続部は前方を向いており、第2コネクタK2の1接続部は後方を向いている。各コネクタ52、53は、それぞれ既知のように調芯式とされて、若干の位置ずれがあっても互いに嵌合形式で接続可能とされている。なお、このコネクタ52、53を利用した接続は、制御装置組立体KPの外部にある外部機器類(車体側の機器類)との接続用で、例えばスピ−カ、アンテナ、電源等の接続用となる。
【0033】
次に、前述した制御装置組立体KPをインストルメントパネル1に組み込み手順について説明する。まず、ケース体17を含めてあらかじめ1セット化された制御装置組立体KPが、その制御ユニットU1〜U3側から、開口部2を通してインストルメントパネル1内に挿入されていく。この挿入当初の時点において、制御装置組立体KPの前端部低部が、ガイド部材13に載置され、この後は、ガイド部材13に制御装置組立体KPの重量を支承させつつ、上記挿入が進行されるが、ガイド部材13による制御装置組立体KPの支承によって、この挿入の作業がより容易に行われることになる。
【0034】
上記挿入が進行して、ガイド部材13のほぼ水平部分つまりステアリング支持部材54付近で制御装置組立体KPが支承されるようになると、嵌合突起18が嵌合孔15直近に位置されると共に、第1コネクタ52が第2コネクタ53直近に位置する状態となる(図3参照)。図3の状態からさらに挿入が進行されると、やがて、嵌合突起18が嵌合孔15に挿入開始され始め、このとき前記第1コネクタ52が第2コネクタ53に対して接続され始める。
【0035】
さらなる挿入により、嵌合突起18が嵌合孔15に深く嵌合されるが、両者18と15との前述した傾斜設定により、制御装置組立体KPは、ガイド部材13から若干上方へ浮き上がって離間されることになる(図4符号Kが離間距離を示す)。また同時に、第1コネクタ52が第2コネクタ53に完全に接続される。この後は、パネル体Pを、その外周縁部において、インストルメントパネル1(の開口部2の周縁部)に対して、ねじ等の固定具19によって固定することにより、インストルメントパネル1に対する組付が完了する。
【0036】
なお、制御装置組立体KPの開口部2からの挿入に際しては、インストルメントパネル1の隔壁2Cによって、その左右の大きな位置ずれが防止されて、上記嵌合孔15と嵌合突起18との嵌合、およびコネクタ52、53同士の接続がより容易に行われる。また、嵌合突起18の先端部は図5に示すように先細状とされて、嵌合孔15との若干の位置づれを吸収しつつ当該嵌合孔15に確実に嵌合されるようになっている。制御装置組立体KPをインストルメントパネル1から取り外すには、上記手順と逆の手順で行えばよい。
【0037】
制御装置組立体KPのインストルメントパネル1に対する組付完了状態では、制御装置組立体KPは、その前端部側においては支持部材14を介してステアリング支持部材54にしっかりと支承され、また後端部側においては固定具19によって、インストルメントパネル1によって支承されることになる。重量物である制御装置組立体KPが、ステアリング支持部材54から片持ち式に伸びているガイド部材13からフロ−ティング状態となっているので、走行中に制御装置組立体KPがガイド部材13に当接して振動を発生させてしまうという事態が防止される。勿論、弾性体16により、嵌合突起18部分での騒音発生も防止されることになる。
【0038】
図6、図7はそれぞれ、嵌合孔15と嵌合突起18との変形例を示すものである。すなわち、図6の例では、嵌合孔15は、後方へ向うにつれて徐々に拡径するテ−パ状とされる一方、嵌合突起18も先端に向うにつれて徐々に縮径するテ−パ状とされて、両者18と15との嵌合が若干の位置ずれを防止しつつ行われるようになっている。なお、テ−パ状とされた嵌合孔15と嵌合突起18との接触底面は、前方へ向うにつれて徐々に高くなるので、図4に符号Lで示す前述のフロ−ティング状態が得られる。
【0039】
図7の例では、嵌合孔15が後方へ向かるにつれて十分に大きくなるように、つまり嵌合突起18の対応部分よりも大きく形成されて、位置ずれを吸収する機能がより高められている。また、嵌合突起18は、図6の場合と同様にテ−パ状とされているが、さらに、先端に向うにつれて徐々に上方に位置するように傾斜設定されて、図4符号Lで示すフロ−ティング量をより十分かつ確実に得るようにしてある。
【0040】
[図8〜図11の説明]
図8〜図11は、第2コネクタ53の車体側に対する好ましい取付例を示すものであり、制御装置組立体KPをインストルメントパネル12に組みつけた状態では、上下方向にフロ−ティング支持されるようにしたものである。まず、第2コネクタ53の左右側面には、それぞれ支承突起部32が形成され、この支承突起部32の低部に、若干前後方向に突出する延長突起部32aが形成されている。この延長突起部32aは、比較的小さな力で、容易に破断されるようにされている。
【0041】
一方、前記部材12の底面には、支持ブラケット33が一体化される。このブラケット33は、左右一対の支持脚部34を有し、この支持脚部34に、開口35が形成されている。開口35の低部には、前後方向に若干伸びる延長開口部35aが形成されている。このような開口35に、図9に示すように前記支承突起部32が嵌合されるが、延長開口部35aに延長突起部32aが嵌合されて、ブラケット33に対して第2コネクタ53が上方へ変位するのが規制されている。この図9の状態が、第2コネクタ53の仮止め状態であり、支持脚部34のうち延長開口部35aに対する境界部分の段差部34aが、弱化部としての延長突起部32a上面に当接して第2コネクタ53の上方への変位を規制する係止部となる。
【0042】
制御装置組立体KPをインストルメントパネル1に組みつける過程において、第1コネクタ52が第2コネクタ53に接続完了した後に、制御装置組立体KPが若干上方へ変位され、この上方への変位による外力を受けて、延長突起部32aが破断されて、第2コネクタ53がブラケット32に対して若干上方へ変位した状態となる(図10参照)。開口35は、上下方向長さが、延長突起部32aが破断された支承突起部32の上下方向長さよりも十分大きくなっている。これにより、走行中に制御装置組立体KPが上下方向に振動しても、第2コネクタ53は制御装置組立体KPの上下方向振動に応じて上下方向に振動つまり変位して、第1コネクタ52との接続部分に無理な力が作用するのが防止される(確実な接続の維持)。また、開口35の前後方向寸法は、支承突起部32の前後方向寸法よりも若干大きい程度とされていて、第2コネクタ53の前後方向変位が規制されている。
【0043】
図11は、延長突起部32aの破断をより確実に行うようにした例で、前記段差部34aを、延長突起部32aに対して指向するような鋭利部分(カッタ部)となるように形成したものである。なお、図9一点鎖線で示すように、例えば、延長突起部32の前後方向端面を凸となるような円弧状として形成して、第2コネクタ53が、ブラケット33に対して左右方向(車幅方向)に伸びる軸線回りに若干回図4時計方向あるいは反時計方向に若干揺動したとしても、この揺動を第2コネクタ53がブラケット33に対して回動することにより吸収して、コネクタ52と53との接続部分に無理な力が作用するのがより一層防止される。
【0044】
[図12の説明]
次に、図12を参照しつつ、パネル体Pとユニット(U1〜U3)との関係について、参照しつつ詳細に説明するが、図12では、高級グレ−ド用とされていて、パネル体Pに付加し得る機能を総合的に含めて表示したものとなっており、図1、図2のものでは、図12に示す機能の一部のみが実現されたものとなっている。
【0045】
以上のことを前提として、図12一点鎖線で囲まれた部分がパネル体Pを示す。このパネル体Pは、マイクロコンピュ−タつまりCPUを有して、複数のI/Oポ−ト21〜23と、A/Dポ−ト24と、SI/SOポ−ト25とを有する。I/Oポ−ト21は、デジタルI/F26を介して、各種スイッチ等S1〜S11が接続されている。なお、スイッチ等S1〜S211は、図12では代表的に1つのみ示してあるが、実際には複数のスイッチ等から構成される場合もある。
【0046】
S1はナビゲ−ション用スイッチであり、S2はCDプレ−ヤ用スイッチであり、S3はMD(ミニディスク)プレ−ヤ用スイッチである。S4はDVD(デジタルビデオディスク)用スイッチであり、S5はカセットデッキ用スイッチであり、S6はAM/FMラジオ用スイッチである。S7はドライバインフォメ−ションシステム用スイッチであり、現在の車両走行状態や道路環境状態等を表示するように要求するためのものであり、例えば交通情報や現在の燃費、現在までの平均車速等を表示することを要求するためのものである。
【0047】
S8は車室内環境を検知するセンサであり、例えば車室内の温度や騒音レベル等を検知する。S9は受信部としての受光部であり、別途設けたリモコンスイッチからの無線信号(例えば赤外線信号等)の入力部となる。S10はマイクであり、例えば自動車電話使用時における乗員の発声音を検知したり、ユニットに対して音声入力したりする。S11は空調制御用スイッチである。
【0048】
前記A/Dポ−ト24は、アナログI/F27を介して、スイッチ等S12〜S14からの信号が入力される。S12は空調用エアの吹出しモ−ド選択用スイッチである。S13は空調用エアの温度選択スイッチである。S14は空調用エアの吹出し量選択スイッチである。
【0049】
パネル体Pは、モニタ/画面モジュ−ル28を有して、このモジュ−ル28に、表示部としてのディスプレイ5が接続されている。なお、ディスプレイ5としては、図1、図2に示したような大型の液晶を利用した例えば7インチディスプレイが用いることができ、この他、1DIN規格のカラ−ディスプレイ、あるいは1DIN規格のモノクロディスプレイ等を用いることもできる。
【0050】
パネル体Pには、パネル体Pに連結されるユニット以外の他の制御ユニットに関連したスイッチ等S15〜S17が設けられる。S15は、エンジンスイッチであり、通常設けられているイグニッションスイッチの機能を果たす。S16はハザ−ドスイッチである。S17はリアウインドガラスのくもり止め熱線用のスイッチである。
【0051】
パネル体Pに関連して設けられるユニットとして、図12ではナビゲ−ションユニットU4と、オ−ディオユニットUOとが示されており、オ−ディオユニットUOとしては、例えばAM/FMラジオ、カセットテ−ププレ−ヤ、MDプレ−ヤ、DVDプレ−ヤ等の各種オ−ディオ用ユニットが含まれる。オ−ディオユニットUOには、スピ−カ29が接続される。
【0052】
パネル体Pの外部には、さらにドライバ30と通信IC31とが設けられて、ドライバ30にはデフロスタ等各種の大きな駆動力(電力)を要する機器類が接続される。また、通信IC31には、多重通信ケ−ブルを介して、パネル体Pに設けたスイッチ類やディスプレイに関連した機器類が接続される。
【0053】
[図13〜図19の説明]
図13〜図19を参照しつつ、パネル体Pと制御ユニットとの連結手法および接続手法について説明するが、パネル体Pに連結、接続される制御ユニットの数が3個の場合を例にしてある、各ユニット同士を識別するときはUA、UB、UC(U1、U2、U3対応)の符合を用いて行い、各ユニットを識別する必要のないときはUの符合を用いることとする。
【0054】
まず、図13は、パネル体Pと各ユニットUA、UB、UCとの接続手法の一例を示してある。すなわち、ユニットUAとUBとがバス回路81によって相互に接続され、ユニットUBとUCとがバス回路82によって相互に接続され、ユニットUCとパネル体Pとがバス回路83によって相互に接続されている。すなわちパネル体Pに対して、ユニットUBはユニットUCを介して接続され、ユニットUAはユニットUCおよびUBを介して接続されている。そして、第1コネクタ52を、ユニットUCにまとめて設けてある。
【0055】
上述のような接続手法は、パネル体Pに対して接続されるユニットの数を、1つのみというように少なくする上で好ましいものとなる。また、ユニットUA、UB、UCを相互に上下方向に積層状態で連結するときに、この連結に応じて接続関係を得るという点でも有利となる(後述する図17〜図18の連結、接続手法の説明をも参照)。
【0056】
図14は、図13の場合に比して、パネル体PからユニットUA、UB、UC側へ長く伸びる延長部84を別途形成して、この延長部84の先端にコネクタ52を設けてある。この場合は、コネクタ52を、必ず用いられるパネル体Pに設けておくという利点がある。
【0057】
図15は、各ユニットUA、UB、UC共に、それぞれ個々独立してパネル体Pと接続したものである。そして、コネクタ52は、もっとも下方のユニットUCに設けてある。この場合は、各ユニットが確実にパネル体に接続されるという利点があり、他のユニットを経由してパネル体Pに接続される場合に比して、接続の確実性という点で好ましいものとなる。
【0058】
図16は、ユニットを上下方向に積層状態で連結するときに、ユニット間にゴム等の弾性部材からなる緩衝部材85を介在させてある。図16では、緩衝部材85を明確に示すために極端に肉厚として描いてあるが、実際には相当に薄いものとされており、後述するユニット間の上下方向の積層状態での連結手法を採択する場合にも、この緩衝部材85を設けることができる。
【0059】
図16では、さらに、もっとも下方に位置するユニットUCを、パネル体Pと一体に形成してある。換言すれば、ユニットUCは、常に所定のパネル体Pと共に使用されることが前提とされる機能を有するユニットが選択される。そして、このユニットUCに、コネクタ52が設けられている。
【0060】
図17〜図18は、パネル体PとユニットUA、UB、UCの連結手法の一例を示すものである。すなわち、各ユニットUA、UB、UC共にそれぞれ上下方2に薄幅とされたボックス状とされているが、その上面には複数(実施形態では2個)の連結用凹部88が形成される一方、その下面には複数(実施形態では2個)の連結用凸部89が形成されて、ユニットUA、UB、UCを上下方向に積層したときに(UA、UB、UCの上下方向位置の選択は図示のもに限らず任意である)、凸部89が凹部88にきつく嵌合されて相互の連結が行われるようにされている。そして、この凹部88と凸部89とが、図13等に示すバス回路の接続用コネクタを兼用していて、連結と同時に接続も行われるようになっている。
【0061】
パネル体Pの背面には、連結用凹部90が形成される一方、例えばもっとも下方のユニットUCのパネル体P側の取付面には連結用凸部91が設けられて、この凹部90と凸部91とがきつく嵌合されることにより、パネル体PとユニットUC(したがってUB、UA)とが連結される。この凹部90、凸部91も、バス回路の接続用コネクタを兼用している。そして、各ユニットUA、UB、UCには、それぞれ、パネル体Pとは反対側の面において、第1コネクタ52が設けられている。
【0062】
図17、図18に示すような連結、接続手法では、パネル体Pに応じて(車種やそのグレ−ドに応じて)、どのユニットを選択しても、容易にユニット同士およびユニットとパネル体Pとの連結、接続を容易に得ることができる。また、車体側コネクタ53に対する接続も、各ユニットの上下方向位置をどのように変更しても容易に得ることができる。
【0063】
なお、例えば車体側の第2コネクタ53がもっとも下方のユニットUCの高さ位置に配置される一方、もっとも下方の位置にあるユニットUCの高さ位置にユニットを設ける必要のないときは、別途ダミ−のユニット(外形形状を構成する枠体と、連結かつ接続用の凹部、凸部88、89、91およびコネクタ52を有するもの)を用いて、車体側コネクタ53に対応した位置に、コネクタ52が必ず位置するようにすればよい。また、各ユニットUA〜UC全てに、パネル体Pとの連結、接続用凸部91を設けることもできる。勿論、各凹部と凸部との形成関係は、図示の場合とは逆の関係となるようにしてもよい。
【0064】
ユニットのパネル体Pに対する連結を強固にするため、ねじ等の固定具を別途利用することもできる。すなわち、図19に示すように、各ユニットのパネル体P側の取付面に、例えば左右に伸びる短い取付ブラケット92を突設して、このブラケット92にねじ孔93を開口させておき、ねじ94のねじ部を、ねじ孔93を挿通させた後、パネル体P背面に形成されたねじ孔に螺合させればよい。このような連結手法を採択した場合、図3、図4に示すようなケース体17を廃止することも可能であり、ケース体17をも合わせて利用した連結を行うこともできる。
【0065】
[図20の説明]
図20は、あらかじめ用意された複数の制御ユニットおよび複数のパネル体とから、車両のグレ−ドの相違に応じたユニットとパネル体との組立体を得るための状況を概念的に示すものである。図20では、制御ユニットとしてU11〜U15の5種類用意されている。この複数のユニットU11〜U15の中から選択されるユニットの組合せは、K1〜K6の合計6種類とされている。そして、パネル体は、K1〜K6の6種類に対応して、合計6種類用意されている。
【0066】
車両のグレ−ドに応じて、ユニットの組合せK1〜K6の中からいずれか1つの組合せが選択される。同様に、グレ−ドに応じて、複数のパネル体P11〜P16の中から1つのパネル体が選択される。そして、選択されたK1〜K5のいずれか1つの組合せと、選択されたパネル体P11〜P16のいずれか1つとが、互いに連結、接続されることにより、KP1〜KP6のいずれか1つの組立体が得られ、この組立体が車両に搭載される。
【0067】
組立体KP1〜KP6は、あらかじめ用意しておくことができる。すなわち、グレ−ドを基準に考えたとき、グレ−ドに応じてユニットの組合せが選択される(K1〜K6の中から1つが選択される)と共に、グレ−ドに応じてパネル体が選択されて(P11〜P16の中から1つが選択される)、選択されたユニットの組合せと選択されたパネル体とを連結、接続して組立体P11〜P16が得られる。
【0068】
組合せK1〜K6を基準に考えたときは、この組合せに応じて必要なパネル体が選択されて(P11〜P16の中から1つが選択される)、ユニットの組合せに対応した組立体(KP11〜KP16)が得られる。パネル体P11〜P16を基準に考えたとき、パネル体に対応したユニットの組合せが選択されて(K1〜K5の中から1つが選択される)、パネル体に対応した組立体KP11〜KP16が得られる。
【0069】
ユニットの数(種類)に応じた組合せの数は、ユニットの数と同じでも、ユニットの数よりも少なくても、ユニットの数よりも多くてもよい。また、パネル体は、通常は、組合せの数と同じ数(種類)だけ用意されるが、例えば上位グレ−ドのパネル体によって下位グレ−ドのパネル体を兼用することにより、組合せの数よりも少ない数とすることも可能である(不用な開口は盲蓋で施蓋したり、一部のスイッチをダミ−化する)。勿論、ユニットの数(種類)、組合せの数(種類)、パネル体の数(種類)は、図44に示す数(種類)に限らず、適宜の数(種類)とすることができ、ユニットの数や組合せの数が多くなるほど本発明の利点が大きくなる。
【0070】
以上実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。パネル体Pに連結、接続されるユニットとしては、図示したものに限らず、この他、車両制御ユニット、エンジン制御ユニット、自動変速機の制御ユニット、ABS制御ユニット、オ−トクル−ズ制御ユニット、ステアリング制御ユニット、盗難防止制御ユニット、車高調整用制御ユニット、運転者識別用制御ユニット(例えばIDカ−ドを用いた識別)、車両のランプ類の点灯制御ユニット等適宜のものとすることができる。この場合、制御ユニットによっては、その出力部と入力部との少なく一方がパネル体Pに設けられて、当該パネル体Pとは離れた位置に配置されたものであってもよい(パネル体Pに対する連結はされない)。とりわけ、乗員により操作されるスイッチ等の入力部の数が少ない制御ユニットに関しては、パネル体Pとの連結は行わないようにしておくのが好ましい。
【0071】
パネル体Pには、比較的高価なCPUを装備することなく、このCPUおよびこれに関連したROM等の付属電子部品は、共通制御ユニットとしてパネル体Pとは別体に形成して、パネル体Pに連結、接続するようにすることもできる。この場合、パネル体Pに設けたスイッチからの信号は、一旦共通制御ユニットを介して、別の制御ユニットに出力させ、また当該別の制御ユニットの作動状況は共通制御ユニットを介してパネル体Pの出力部に伝達するようにしてもよい。ただし、ナビゲ−ション用の画像信号は、伝達信号量が多大となるので、共通制御ユニットの負担軽減のために当該共通制御ユニットを経ることなく、ナビゲ−ション用制御ユニットからパネル体Pの出力部(ディスプレイ)へ直接出力させるようにするのが好ましい。
【0072】
嵌合突起18により被支持部が構成されると共に、支持部材14、嵌合孔15により支持部が構成されるが、嵌合突起18を車体側に設け、嵌合孔15を制御装置組立体KP側に設けるようにしてもよい。制御装置組立体KP側に設けた嵌合突起18は、例えば制御ユニットとは別体に形成されて、固定具等により制御ユニットに固定するようにしてもよい。
【0073】
ガイド部材13は、平板状に限らず、例えば溝形式やレ−ル形式でもって制御装置組立体KPをガイドするようにしてもよい。また、ガイド部材13を設ける位置としては、インストルメントパネル1内に組み込まれた制御装置組立体KP(の制御ユニット)の側方あるいは上方のように適宜選択することもできるが、いずれの場合にあっても、挿入途中にある制御装置組立体KPの重量を支承するように設定しておくのが好ましい。
【0074】
第2コネクタ53を仮止めする、つまり低い位置に保持させるのに、上下方向に弾性変形可能な弾性体によって下方へ付勢することによって行うようにしてもよい。本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として記載された内容のものを提供することをも暗黙的に含むものである。また、本発明は、車両用制御装置の取付方法として表現することも可能である。
【0075】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をインストルメントパネル部分に適用した場合の一例を示す斜視図。
【図2】図1の要部分解斜視図。
【図3】制御装置組立体のインストルメントパネルへの組付途中を示す側面断面図。
【図4】制御装置組立体のインストルメントパネルへの組付完了状態を示す側面断面図。
【図5】被支持部と支持部との第1の嵌合例を示す側面断面図。
【図6】被支持部と支持部との第2の嵌合例を示す側面断面図。
【図7】被支持部と支持部との第3の嵌合例を示す側面断面。
【図8】第2コネクタの好ましい支持例を示す分解斜視図。
【図9】第2コネクタの仮止め例を示す側面図。
【図10】図9の仮止めが解除された状態を示す側面図。
【図11】第2コネクタの仮止めを解除する好ましい例を示す側面図。
【図12】パネル体と制御ユニット等との接続例を示す系統図。
【図13】パネル体と制御ユニット等との接続例を示す系統図。
【図14】パネル体と制御ユニット等との接続例を示す系統図。
【図15】複数のユニットとパネル体との接続関係の例を示す簡略側面図。
【図16】複数のユニットとパネル体との連結関係の例を示す簡略側面図。
【図17】複数のユニットとパネル体との連結、接続関係の例を示す簡略側面図。
【図18】図17の一部断面分解側面図。
【図19】図17、図18に示されるユニットの詳細を示す斜視図。
【図20】複数の制御ユニットと複数のパネル体とから必要な組立体を得る状況を示す説明図。
【符号の説明】
1:インストルメントパネル
2:開口部
5:ディスプレイ(出力部)
7:スイッチ群(オ−ディオ用−入力部)
8:スイッチ群(空調制御用−入力部)
13:ガイド部材
14:支持部材
15:嵌合孔
17:ケース体(連結、接続用)
18:嵌合突起(非支承部)
19:固定具
32:支承突起部
32a:延長突起部(弱化部)
33:ブラケット
34:支持脚部
35:開口
35a:延長開口部
34a:段差部(係止部)
S1〜S7、S11〜S17:スイッチ(入力部)
52:第1コネクタ(組立体側)
53:第2コネクタ(車体側)
54:ステアリング支持部材
U1〜U3:制御ユニット
UA〜UC:制御ユニット
U11〜U15:制御ユニット
P:パネル体
P11〜P16:パネル体
K1〜K6:ユニットの組合せ
KP:制御装置組立体
KP1〜KP6:制御装置組立体
Claims (8)
- 表面側に乗員に対する出力部および乗員により操作される入力部とを有するパネル体と、それぞれ前記パネル体とは別体に形成されて該パネル体の背面側において該パネル体に連結された複数の制御ユニットとを備え、前記入力部の操作に応じて前記制御ユニットが作動されると共に、少なくとも一部の制御ユニットの作動状況が前記出力部に出力されるように設定された制御装置組立体を車両に取付ける車両用制御装置の取付構造であって、
インストルメントパネルに形成された開口部を通して前記複数の制御ユニットが該インストルメントパネル内に収納されると共に、前記パネル体が該開口部を施蓋して該インストルメントパネルの一部を構成するようにして、該制御装置組立体が該インストルメントパネルに対して組込まれており、
前記制御装置組立体を前記インストルメントパネルに対して組込んだとき、該制御装置組立体の背面に設けられた被支持部が、前記インストルメントパネル内に設けられた車体側支持部に嵌合されて、該制御装置組立体の重量が前記支持部に支承されるように設定され、
前記インストルメントパネル内には、前記制御装置組立体を該インストルメントパネルに組込むときに、前記被支持部を前記支持部へ向けて案内するガイド部材が設けられ、
前記被支持部の前記支持部に対する嵌合が進行するにつれて、前記制御装置組立体が前記ガイド部材から上方へ離間するように、該被支持部と支持部との嵌合関係が設定されている、
ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。 - 請求項1において、
前記制御装置組立体に調芯式の第1コネクタが設けられると共に、インストルメントパネル内において車体側に支持された調芯式の第2コネクタが設けられ、前記制御装置組立体を前記インストルメントパネルに組込むときに、前記ガイド部材によって前記制御装置組立体が案内されることにより調芯されつつ、前記第1コネクタが第2コネクタに対して接続されるように該第1コネクタと第2コネクタとの位置関係が設定されている、
ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。 - 請求項2において、
前記第2コネクタが、車体側に仮止めされており、
前記被支持部が前記支持部に対して嵌合完了された組み付け状態では、前記第2コネクタの仮止めが解除されて、該第2コネクタが車体に対して上下方向にフロ−ティング状態となるように設定されている、
ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。 - 請求項3において、
前記第2コネクタは、上下方向に変位可能で前後方向には変位不能として車体側に支持されていて、前記仮止めされた状態では、該第2コネクタが下方に位置しており、
前記仮止めが解除されて前記第2コネクタが前記フロ−ティング状態とされたとき、前記制御装置組立体の上下動に応じて、該第2コネクタが前後方向への変位が規制されつつ上下動されるようにされている、
ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。 - 請求項3または請求項4において、
前記仮止め状態が、第2コネクタに設けられた弱化部が車体側に設けられた係止部に係止されることにより上方への変位が規制された状態とされ、
前記第2コネクタに対して上方への外力が加えられたときに、前記弱化部が破断されて、前記第2コネクタが前記仮止め状態から上方へ変位した状態とされる、
ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。 - 請求項2ないし請求項5のいずれか1項において、
前記第2コネクタが、少なくとも前記第1コネクタと接続完了された状態では、左右方向に伸びる軸線回りに回動可能として車体側に支持されている、
ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記支持部とガイド部材とがそれぞれ、前記インストルメントパネル内に配置されたステアリング支持部材に固定されている、ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記パネル体が前記開口部を施蓋した状態で、該パネル体の外周縁部が固定具によって前記インストルメントパネルに対して固定されている、ことを特徴とする車両用制御装置の取付構造。
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