JP3711661B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍・空調用途に用いられるスクロール圧縮機に関し、特にスクロール圧縮機の渦巻歯形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスクロール圧縮機は、固定スクロール100、揺動スクロール200の渦巻中央巻始めの先端部が渦巻歯切削時のバイトとの干渉などにより図9、図10に示すように鋭角的な形状となっていた。
また、特開昭59−99085号公報では、固定スクロール100、揺動スクロール200の渦巻中央巻始め部が図11、図12に示すように、
【0003】
【数1】
Figure 0003711661
【0004】
で決定される小円円弧半径Rsの小円円弧と大円円弧半径Rlの大円円弧で接続した形状が提案されている。
また、図13、図14に示すように渦巻中央巻始め部であるインボリュートの巻始め点3,4の間を適当な半径Rscの小円円弧と半径Rlcの大円円弧とで接続した形状が提案されている。
以下、簡単のため図9、図10に示すような巻始め部の形状を“バイト干渉”形状、図11,図12、図13、図14のようにインボリュート巻始め点の間を円弧で接続したような形状を“球根”形状と呼ぶ。特に、図11、図12の形状を“基本球根”、図13、図14に示すような“球根”形状を“従来球根”と呼ぶことにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図10に渦巻巻始め部を拡大して示した“バイト干渉”形状は、中央の圧縮室c0とその外側の圧縮室c1a,c1bの間の渦巻歯側面接触点が移動してきて、図中の巻始め先端点pf,poに到達すると歯側面の接触は終了し、最内室c0と第2室c1a,c1bは連通する(図10の(c))。この時点における最内室c0の容積は、死容積となって損失を生じる。また、“バイト干渉”形状は先端部の曲率が大きいため、この部分に作用する差圧が大きいような運転条件においては応力集中を生じ、渦巻の強度上問題があった。
【0006】
“基本球根”は“バイト干渉”形状のこのような問題点をクリアするために提案されたものである。すなわち図11に示すように、渦巻先端が“バイトと干渉”しない範囲で渦巻のインボリュート形状を点2を中心とする小円Rsと点1を中心とする大円Rlに接続することにより先端部が鋭角的になることを防ぐとともに、Rs,Rlを前述の式を満たす値とすることにより接触点が小円Rsと大円Rlの接続点5に至るまで側面接触が継続するので、図12に示すように死容積をほぼゼロとすることが可能となる。しかし、内部容積比が無限大しか選択できないので運転条件によっては過圧縮ロスを生じたり、渦巻巻始め部の肉厚が厚くなる分、吐出ポートを設けるためのスペースが不足し、吐出圧損の増大を招きやすくなったりする。また、揺動渦巻と固定渦巻の巻始め先端部形状が同一となるので揺動スクロールと固定スクロールを異なる材料で構成した場合など、材料強度の低い方の応力が許容レベルになるようにRs,Rlを決めると、もう一方にとっては過剰設計となるという問題もある。
【0007】
図13に形状を示した“従来球根”は、巻始め点3,4の間を二つの円弧で接続しているという点では“基本球根”と同様であるが、点1cを中心とする大円Rlcと点2cを中心とする小円Rscは、図14に示すように接触点が点3,4に至った時点(図14の(a))で歯側面の接触が終了し、最内室と第2室とが連通する(図14の(b))関係寸法となっている。したがって連通時の最内室容積が死容積となる。また円弧部分では接触しないので、固定スクロールの大円Rlcfと揺動スクロールの大円Rlco,固定スクロールの小円Rscfと揺動スクロールの小円Rscoが同一寸法となることが必要というわけではなく、材料強度が異なる場合にはそれに応じてRscfとRscoに差をつけることもできる。しかし、内部容積比が渦巻の巻数と巻始め点3,4の関係で一義的に決まり、巻始め点を内側に寄せるにも現実的な限界があるので、冷凍用など高圧縮比の条件で運転される用途に用いる場合、渦巻の巻数を増やして圧縮比と容積比のマッチングを図ることになる。巻数増は渦巻の外径が大きくなる分、ガス圧による軸方向のスラスト荷重の増大を招くので、摺動損失などの面で望ましくない。また、空調用でも高低圧差が大きくなる冷媒R410Aなどを用いた場合には、渦巻先端部の強度確保のため巻始め点を外周よりに設定して小円の径を大きくすると、所定の容積比を得るために巻始めに応じて巻終わりも外側にずらす必要があるので、見かけの巻数としては増大しなくても渦巻の外径は大きくなる。外径の大きな渦巻はコンパクト性で劣るのみならず、前述のごとくガス荷重によるスラスト摺動損失の面で不利となる。
【0008】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、材質に応じて適正な強度を確保しながら、用途に応じた容積比を得るために外径が不必要に大きくなるのを防ぎ、死容積の極小化を図りながら吐出流路を確保して圧損の増大を抑制できるような渦巻を備えた、小型で高性能,高信頼性のスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明のスクロール圧縮機は、台板の片側の面に板状渦巻歯を形成し,該板状渦巻歯の中央巻始め部は外向面曲線に滑らか接続する半径Rsfの小円円弧部と該小円円弧部と内向面曲線とに滑らかに接続する半径Rlfの大円円弧部とで形成した固定スクロールと、該固定スクロールと組合わされて圧縮室を形成する板状渦巻歯を台板の片側の面に形成し,該板状渦巻歯の中央巻始め部は外向面曲線に滑らかに接続するRsfとは異なる半径Rsoの小円円弧部と該小円円弧部と内向面曲線とに滑らかに接続するRlfとは異なる半径Rloの大円円弧部とで形成し,前記固定スクロールに対して半径rで揺動運動する揺動スクロールとを備え、Rsf=Rs−X、Rlf=Rl+X、Rso=Rlf−r、Rlo=Rsf+rなる関係を満たし、
Rs=a×(1/(2×(π−β))+α−β/2)
Rl=a×(1/(2×(π−β))+(π−α)−β/2)
Xを定数、aを渦巻インボリュートの基礎円半径、αを渦巻インボリュートの歯厚角、βを巻始め部の定義角とするスクロール圧縮機としたものである。
【0010】
また、本発明の第2の発明のスクロール圧縮機は、第1の発明のスクロール圧縮機において、圧縮後の流体を吐出する吐出ポートを固定スクロールの小円円弧部と揺動スクロールの小円円弧部のうち、円弧径が小さい方の小円円弧部を有するスクロールの方に設けたものである。
【0014】
また、本発明の第の発明のスクロール圧縮機は、第1の発明のスクロール圧縮機において、固定スクロールと揺動スクロールに異なる材質を用いたものである。
【0015】
また、本発明の第の発明のスクロール圧縮機は、第の発明のスクロール圧縮機において、固定スクロールの材質を鉄系鋳物材とし、揺動スクロールの材質をアルミニウム系材としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の“球根”形状説明図,図2は同じく動作説明図である。
図1において、300は固定スクロールの渦巻中心部,400は揺動スクロールの渦巻中心部を示し、破線は固定スクロールの基礎円と巻始め点以内の渦巻曲線を表わしている。点3f,4fと3o,4oはそれぞれ固定スクロールと揺動スクロールの“球根”定義角βで定まる巻始め点である。固定スクロールは板状渦巻歯の中央巻始め部である点3f,4f間を点1fを中心とし半径Rlfの大円(大円円弧部350)と点2fを中心とし半径Rsfの小円(小円円弧部340)で接続し、大円Rlfと小円Rsfの接続点は点5fである。大円Rlfは点3fで内向面曲線330と滑らかに接続し、小円Rsfは点4fで外向面曲線320と滑らかに接続する。外向面曲線320と内向面曲線330とはインボリュート曲線である。
揺動スクロールは、中央巻始め部である点3o,4o間を点1oを中心とし半径Rloの大円(大円円弧部450)と点2oを中心とし半径Rsoの小円(小円円弧部440)で接続し、大円Rloと小円Rsoの接続点は点5oである。大円Rloは点3oで内向面曲線430と滑らかに接続し、小円Rsoは点4oで外向面曲線420と滑らかに接続する。外向面曲線420と内向面曲線430とはインボリュート曲線である。大円,小円の径Rsf,Rlfは、“基本球根”の小円Rs,大円Rlに対して、定数xによりRsf=Rs−x,Rlf=Rl+xおよびRso=Rlf−r,Rlo=Rsf+r(rは揺動半径)と決められている。このように大円,小円を決定することにより、固定と揺動各々の大円と小円が滑らかに接続し、かつ固定の大円Rlfと揺動の小円Rso,揺動の大円Rloと固定の小円Rsfの接触が保証されている。その動作は図2に示すようになり、圧縮,吐出が完了するまで渦巻側面の接触が継続し、死容積は極小となる。しかも上述のように“球根”形状を決定しているので、固定スクロールと揺動スクロールで肉厚の異なる“0球根”(即ち死容積が極小となる)となっている。定数xの値には設計的自由度があり、x>0なら固定の“球根”が揺動より小さくなり、x<0ならばその逆となる。xの絶対値を大きくするほど固定,揺動の小円半径の差が大きくなるので、本実施例では固定スクロールの素材である鋳鉄材と揺動スクロールの素材のアルミ材の材料強度の差に見合う肉厚となるようにx(>0)を決定して、肉厚が薄い方の固定スクロール側に吐出ポートを配置し、吐出流路の面積を確保するようにしている。これにより実施の形態1のスクロール圧縮機では、渦巻素材の材料強度に見合った“球根”の寸法を決めることにより過剰設計を避けつつ、“球根”部に干渉しない範囲でできるだけ大きな吐出ポートを設けることにより、図7に示すように破線の“基本球根”の場合よりも吐出ポート360(基本球根の吐出ポートは110)が大きくなって、吐出圧損の増大を抑制することが可能となっている。
【0017】
本実施の形態では、“球根”部が“基本球根”同様に死容積を極小に保ちながら、固定スクロールと揺動スクロールで“球根”部の径が異なる渦巻を用いているので、異なる素材を用いる場合にはその材料強度に応じて、より肉厚を必要とする方の“球根”小円の径を他方の小円よりも大きい径に設定でき、双方の“球根”部を適正な強度に保ち過剰設計を避けることが可能となっている。また、固定スクロールと揺動スクロールで小円の径が小さく大円の径が大きい方の渦巻に吐出ポートを設けることにより、吐出ポートの流路を確保でき、吐出圧損の増大を抑制することが可能となっている。
【0018】
実施の形態2.
図3において、500は本発明の実施の形態2に基づく固定スクロールの渦巻中心部,600は揺動スクロールの渦巻中心部を示し、破線は固定スクロールの基礎円と巻始め点以内の渦巻曲線およびベースとなる“基本球根”の形状を表わしている。固定スクロール側において点4〜9〜10は半径Rsの円弧4〜9と半径(Rs−dR)の円弧9〜10を接続した小円(小円円弧部540),点3〜8〜10は半径Rlの円弧3〜8と半径(Rl+dR)の円弧8〜10を接続した大円(大円円弧部550)である。前記大円と小円とで板状渦巻歯の中央巻始め部を形成する。小円の半径変化量と大円の半径変化量をdR(>0)で同一とし、それぞれを半径Rsの円弧4〜9と半径Rlの円弧3〜8に滑らかに接続するように(Rs−dR)の円弧9〜10の中心点7と(Rl+dR)の円弧8〜10の中心点6を決定することにより点10における滑らかな接続が保証される。
なお、半径Rsの円弧、半径Rlの円弧、点4から外側の外向面曲線、点3から外側の内向面曲線は基本球根と同じものである。
また、揺動スクロール側においても、前記の固定スクロールと同様である。即ち、半径Rsの円弧と半径(Rs−dR)の円弧を接続した小円(小円円弧部640)と、半径Rlの円弧と半径(Rl+dR)の円弧を接続した大円(大円円弧部650)を形成する。
【0019】
このように構成した渦巻の動作は図4に示すようになり、接触点が半径Rsの円弧と半径Rlの円弧上にあるdβの範囲(圧縮継続部であり、固定スクロールでは560、揺動スクロールでは660)では“基本球根”同様に圧縮が継続され、それ以降はdRだけ半径を変化させているために中心室と第2室は連通する(連通部であり、固定スクロールでは570、揺動スクロールでは670)。圧縮継続角dβは0°以上∠4-2-5(=∠3-1-5)以下の範囲であれば選択には設計的自由度が有るので、巻終わりに対する内部容積比,巻始め部の強度などを考慮して最適な値を設定することが可能である。ちなみにdβ=∠4-2-5(=∠3-1-5)とすると“基本球根”と同一形状となり、dβ=0°は前述の“従来球根”と同一形状を与える。すなわち“基本球根”と“従来球根”は“4円弧球根”の特殊な場合であるということができる。また、固定スクロールと揺動スクロールのどちらか少なくとも一方が“4円弧球根”になっていれば、相手側が“基本球根”のまま,すなわちdR=0でもdβの間だけ圧縮を継続しその後連通するという動作は同じである。また、固定スクロールと揺動スクロールが両方とも“4円弧球根”の場合で固定側の半径変化量dRfと揺動側の半径変化量dRoが異なっていても連通動作に変りはないので、dRf,dRoは連通後の流路面積や巻始め部の強度などの観点から最適な値を決定することができる。
【0020】
本実施の形態においては、設定圧力比に見合う内部容積比を得るために巻数のみで対応して渦巻大径化によるスラスト摺動損失の増大を招くことがないように圧縮継続角dβを設定し、連通後の小円円弧部の半径変化量dRf,dRoは各々固定スクロール材の鋳鉄と揺動スクロールのアルミ材に応じた強度を確保できる範囲でできるだけ大きく設定して中心室部分に空間を確保して、図8に示すように破線で示したベース球根(“基本球根”)側(吐出ポート110)或いは径変化量の小さい側(揺動スクロール)に吐出ポートを配置したときと較べて、吐出ポート580として吐出流路における圧損の増大を抑制している。
【0021】
本実施の形態では、固定スクロールの大円部と揺動スクロールの小円部,揺動スクロールの大円部の固定スクロールの小円部で互いの接触を保てるような“球根”形状を採りながら、固定スクロールと揺動スクロールの少なくとも一方は圧縮完了に至る途中で小円の径が小さく,大円の径が大きくなるので、径が変化する点で最内室と第2室の連通が行なわれる。したがって、円弧部での圧縮継続範囲の設定を操作することにより内部容積比の設計自由度が、巻数の調整のみで行なうものより、大きくなっている。また、概略“球根”形状となっているので死容積は極小に近く、それにともなう損失も小さい。小円の径が小さく,大円の径が大きくなっている部分を、吐出ポートを設けるためのスペースに充てられるので、吐出流路の確保にも有利となっている。
【0022】
また、固定スクロールと揺動スクロールに異なる素材を用いるもので各々の“球根”径変化量が異なっている場合も、固定スクロールの大円部と揺動スクロールの小円部、揺動スクロールの大円部と固定スクロールの小円部で互いの接触を保ちながら、圧縮完了までの途中で小円の径が小さく、大円の径が大きくなる“球根”径変化点で最内室と第2室の連通が行われるのは同様である。
【0023】
実施の形態3.
図5は実施形態3の渦巻中心部を示す。図において、固定スクロール700側の点4f〜9f〜10fは半径Rsfの円弧4f〜9fと半径(Rsf−dRf)の円弧9f〜10fを接続した小円(小円円弧部740),点3f〜8f〜10fは半径Rlfの円弧3f〜8fと半径(Rlf+dRf)の円弧8f〜10fを接続した大円(大円円弧部750)である。揺動スクロール800側は点4o〜9o〜10oが半径Rsoの円弧4o〜9oと半径(Rso−dRo)の円弧9o〜10oを接続した小円(小円円弧部840),点3o〜8o〜10oが半径Rloの円弧3o〜8oと半径(Rlo+dRo)の円弧8o〜10oを接続した大円(大円円弧部850)である。それぞれ小円と大円とで板状渦巻歯の中央巻始め部を形成する。実施形態2の“4円弧球根”が“基本球根”すなわち等径の“0球根”をベースにしているのに対して、本実施の形態は、ベースを実施の形態1の“異径0球根”にして“4円弧球根”化した、所謂“異径4円弧球根”であるので、圧縮を継続する小円円弧部分4f〜9f(圧縮継続部760)と4o〜9o(圧縮継続部860)及び大円円弧部分3f〜8f(圧縮継続部760)と3o〜8o(圧縮継続部860)から径が異なっていることが特徴である。中央巻始め部で前記圧縮継続部を除いた部分が連通部である(固定スクロール770、揺動スクロール870)。
【0024】
図6はこのように構成した渦巻の動作を示したものであるが、dβだけ圧縮を継続しその後連通する動作は実施の形態2と同様で、片方の“球根”部の肉厚が他方よりも厚くなっている。圧縮継続角dβの選択に設計的自由度が有り巻終わりに対する内部容積比,巻始め部の強度などを考慮して最適な値を設定可能であること、固定スクロールと揺動スクロールのどちらか少なくとも一方が“異径4円弧球根”になっていれば相手側がベース球根(“異径0球根”)のままでもdβの間だけ圧縮を継続しその後連通するという動作が同じであること、また、固定スクロールと揺動スクロールが両方とも“異径4円弧球根”の場合で固定側の半径変化量dRfと揺動側の半径変化量dRoが異なっていても連通動作に変りはないのでdRf,dRoは連通後の流路面積や巻始め部の強度などの観点から最適な値を決定することができること、等も実施の形態2の場合と同様である。
【0025】
本実施の形態においては、設定圧力比に見合う内部容積比を得るために巻数のみで対応して渦巻大径化によるスラスト摺動損失の増大を招くことがないように圧縮継続角dβを設定し、連通後の小円半径変化量dRf,dRoは各々固定スクロール材の鋳鉄と揺動スクロールのアルミ材に応じた強度を確保できる範囲でできるだけ大きく設定して中心室部分に空間を確保して、図8に示すように破線で示したベース球根側(吐出ポート110)或いは径変化量の小さい側(揺動スクロール)に配置したときよりも吐出ポートを大きくして(吐出ポート580)、吐出流路における圧損の増大を抑制しているのは実施の形態2と同様であるが、両“球根”部の強度を最適化するにあたって径変化量dRf,dRoだけでなくベース球根の小円Rsf,Rsoも含めて調整されているのでより設計自由度が大きく、細やかな最適化が可能となっている。
【0026】
本実施の形態では、固定スクロールの大円部と揺動スクロールの小円部,揺動スクロールの大円部の固定スクロールの小円部で互いの接触を保てるような“球根”形状を採りながら、固定スクロールと揺動スクロールの少なくとも一方は圧縮完了に至る途中で小円の径が小さく,大円の径が大きくなるので、径が変化する点で最内室と第2室の連通が行なわれる。したがって、円弧部での圧縮継続範囲の設定を操作することにより内部容積比の設計自由度が、巻数の調整のみで行なうものより、大きくなっている。また、概略“球根”形状となっているので死容積は極小に近く、それにともなう損失も小さい。小円の径が小さく,大円の径が大きくなっている部分を、吐出ポートを設けるためのスペースに充てられるので、吐出流路の確保にも有利となっている。
【0027】
また、固定スクロールと揺動スクロールに異なる素材を用いるもので各々の“球根”径変化量が異なっている場合も、固定スクロールの大円部と揺動スクロールの小円部、揺動スクロールの大円部と固定スクロールの小円部で互いの接触を保ちながら、圧縮完了までの途中で小円の径が小さく、大円の径が大きくなる“球根”径変化点で最内室と第2室の連通が行われるのは同様である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したとおり第1の発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールと揺動スクロールが死容積が極小となる渦巻形状を採用しているので、高圧縮比運転に適応しながら、両スクロールの中央巻始め部の円弧径が異なっているので、両スクロール間で、異素材の採用及び吐出ポートの設置が適応性良く行える。
【0029】
第2の発明のスクロール圧縮機は、小円の円弧径の小さい方のスクロールに吐出ポートを設けたので、吐出圧損の増大を抑制した高効率のスクロール圧縮機が得られる。
【0033】
の発明のスクロール圧縮機は、第1の発明において、固定スクロールと揺動スクロールに異なる材質を用いるようにしているので、固定スクロールと揺動スクロール間で、材質に応じて円弧径を変えることができ、それぞれの中央巻始め部の強度が過度になったり、弱すぎることがなく適正化できる。
【0034】
の発明のスクロール圧縮機は、第の発明において、固定スクロールの材質を鉄系鋳物材とし、揺動スクロールの材質をアルミニウム系材とするようにしているので、第の発明の効果に加えて、揺動スクロールを軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の“球根”形状説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の動作説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態2の“球根”形状説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態2の動作説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態3の“球根”形状説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態3の動作説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態1における吐出ポート配置図である。
【図8】 本発明の実施の形態2、3における吐出ポート配置図である。
【図9】 従来のスクロール圧縮機の動作原理図である。
【図10】 従来のスクロール圧縮機の中央部拡大動作説明図である。
【図11】 従来のスクロール圧縮機の“基本球根”の形状説明図である。
【図12】 従来のスクロール圧縮機の“基本球根”の動作説明図である。
【図13】 従来のスクロール圧縮機の“従来球根”の形状説明図である。
【図14】 従来のスクロール圧縮機の“従来球根”の動作説明図である。
【符号の説明】
300 固定スクロール(板状渦巻歯)、320 外向面曲線、330 内向面曲線、340 小円円弧部、350 大円円弧部、360 吐出ポート、400 揺動スクロール(板状渦巻歯)、420 外向面曲線、430 内向面曲線、440 小円円弧部、450 大円円弧部、500 固定スクロール(板状渦巻歯)、520 外向面曲線、530 内向面曲線、540 小円円弧部、550 大円円弧部、560 圧縮継続部、570 連通部、580 吐出ポート、600 揺動スクロール(板状渦巻歯)、620 外向面曲線、630 内向面曲線、640 小円円弧部、650 大円円弧部、660 圧縮継続部、670連通部、700 固定スクロール(板状渦巻歯)、720 外向面曲線、730 内向面曲線、740 小円円弧部、750 大円円弧部、760 圧縮継続部、770 連通部、800 揺動スクロール(板状渦巻歯)、820 外向面曲線、830 内向面曲線、840 小円円弧部、850 大円円弧部、860圧縮継続部、870 連通部。

Claims (4)

  1. 台板の片側の面に板状渦巻歯を形成し,該板状渦巻歯の中央巻始め部は外向面曲線に滑らか接続する半径Rsfの小円円弧部と該小円円弧部と内向面曲線とに滑らかに接続する半径Rlfの大円円弧部とで形成した固定スクロールと、該固定スクロールと組合わされて圧縮室を形成する板状渦巻歯を台板の片側の面に形成し,該板状渦巻歯の中央巻始め部は外向面曲線に滑らかに接続するRsfとは異なる半径Rsoの小円円弧部と該小円円弧部と内向面曲線とに滑らかに接続するRlfとは異なる半径Rloの大円円弧部とで形成し,前記固定スクロールに対して半径rで揺動運動する揺動スクロールとを備え、
    Rsf=Rs−X、Rlf=Rl+X、Rso=Rlf−r、Rlo=Rsf+rなる関係を満たすスクロール圧縮機。
    ただし、
    Rs=a×(1/(2×(π−β))+α−β/2)
    Rl=a×(1/(2×(π−β))+(π−α)−β/2)
    X:定数、a:渦巻インボリュートの基礎円半径、α:渦巻インボリュートの歯厚角、
    β:巻始め部の定義角
  2. 圧縮後の流体を吐出する吐出ポートを固定スクロールの小円円弧部と揺動スクロールの小円円弧部のうち、円弧径が小さい方の小円円弧部を有するスクロールの方に設けたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 固定スクロールと揺動スクロールに異なる材質を用いたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 固定スクロールの材質を鉄系鋳物材とし、揺動スクロールの材質をアルミニウム系材としたことを特徴とする請求項3記載のスクロール圧縮機。
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