JP3711178B2 - 包装用容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食用練り製品等を内容物とする包装用容器に関し、特に、容器本体の口頸部を確実に閉じるための手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
包装用容器における容器本体の口頸部を密閉する技術としては、合成樹脂製容器本体の口頸部の上端に内方且つ上方に突出する突縁部を形成し、その内側端を蓋の天板部内面に弾性的に接触させるというものがある(実開昭63−144458号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の構成では、特に広口の容器の場合、突縁部に僅かな変形があっても、密封漏れが生じることがある。また、突縁部の変形による密封漏れは、食用練り製品の種類によっては発生する炭酸ガス等の圧力の増大によって、生じることもある。
【0004】
そこで、本発明は、密閉性に優れた包装用容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、口頸部を有する容器本体と、この容器本体の前記口頸部に螺着される蓋と、蓋の天板部の内面に配設された軟質材から成るシール板とを備える包装用容器において、口頸部の上端に、内方に延びると共にその内側端が上方に延びる環状の突縁部を設け、蓋の天板部の内面に、突縁部の内径よりも大きい直径を有する環状の突部を設け、蓋を口頸部に取り付けた際に突縁部の内側端と蓋の天板部との間でシール板が挟持されるように突縁部を形成し、蓋を口頸部に螺着した際に突部との間でシール板を挟持する環状の挟持面を突縁部に形成した、ことを特徴としている。特に、蓋が容器本体の口頸部に螺着又は打栓によって取り付けられている場合、かかる構成においては、2箇所で十分にシールされるため、密閉性が格段に向上する。
【0006】
また、容器本体や蓋が合成樹脂製である場合、弾性力をもってシール板を押し付けるため、蓋の螺着による取り付けが多少弛んでも、密閉性が保たれる。また、蓋が打栓によって取り付けられた場合には弛むことはないので、より高い密閉性が維持される。これらの効果が発揮されるには、合成樹脂は、JIS−K7203による曲げ弾性率が8000kgf/cm2〜15000kgf/cm2であることが好適である。
【0007】
また、突縁部を、内側ほど上方に位置する少なくとも2つの段差面を有するものとし、挟持面を段差面間に形成される環状の立上り面とすることが好ましい。
【0008】
更に、口頸部の中心軸線に沿っての断面において、突縁部と口頸部との結合点(P1)と、突縁部の内側端上の点であって、蓋を口頸部に螺着した際に最初にシール板と接する点(P2)とを結ぶ線分が中心軸線に直角で結合点(P1)を通る面と為す角度が、18度〜50度である場合、突縁部は適当な弾性力をもってシール板と接することができる。
【0009】
シール板を構成する軟質材は発泡プラスチックが好ましく、その見掛け密度は0.01g/cm3〜0.30g/cm3であるのがよい。
【0010】
なお、炭酸ガス等を発生する食用練り製品を包装用容器の内容物とした場合、容器本体に取り付けられた蓋の天板部に、容器本体の内圧に応じて形状が変化する圧力検知部を形成するのが好適である。これにより、包装用容器の内圧を視覚的に検知できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、「上」及び「下」等の語は図面に示された状態での上下に基づくものとする。
【0012】
【第1の実施形態】
図1及び図2は、本発明に従って構成された包装用容器の一実施形態を示す断面図である。図示の包装用容器10は、合成樹脂製の容器本体12と、この容器本体12の口頸部14を閉じる合成樹脂製の蓋16とから主に構成されており、練り辛子、練りニンニク、味噌、ケチャップ、マヨネーズ、蜂蜜、ホワイトソース、軟質マーガリン、ジャム等の食用練り製品、グリース等の機械油、ハンドクリーム、化粧用乳液、練り洗剤、植木の剪定切口に塗る接ぎ蝋、障子紙を貼る場合等に用いられる木部接着用のり、等の半流動体や流動体を収容するのに適したものである。
【0013】
容器本体12は略円筒形の有底容器であり、その上部には略円筒形の口頸部14が一体的に形成されている。口頸部14の外周面にはねじ突条が形成されており、おねじ部18を構成している。
【0014】
蓋16は、円板状の天板部20と、その天板部20の周縁から垂下する略円筒形の側壁部22とから構成されている。側壁部22の内周面にはねじ突条が形成されており、容器本体12のおねじ部18と螺合可能なめねじ部24を構成している。
【0015】
蓋16及び容器本体12を構成する合成樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、αオレフィンの炭素数が4〜8であるエチレン・αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、4−メチルペンテン−1重合体、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、エステル系共重合体が好ましい。より好ましい合成樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体である。
【0016】
蓋16の天板部20の内面(図1及び図2では下面)には、天板部20の直径とほぼ同一の直径、必要に応じてその90%程度の直径を有する円板状のシール板26が嵌め込まれて取り付けられている。必要に応じて、天板部20の直径よりも小さく或はその直径の90%程度の直径を有する円板状のシール板26のときは、このシール材26の脱落を防ぐために、側壁部22の内周壁に沿って、環状突起又は離間する環状突起を設けることができる。シール板26は軟質材、好ましくは発泡プラスチック又はエラストマー樹脂から成り、より好ましくは単層又は積層体の発泡プラスチック板を打抜き加工することで形成されている。発泡プラスチックの気泡構造は独立気泡構造又は連続気泡構造のいずれでもよいが、見掛け密度が0.01g/cm3〜0.30g/cm3の範囲内にあるものが好適である。連続気泡を含むシール板26を用いるときには、シール板26の両面を貫く貫通孔をなくすために、シール板26の片面又は両面を加熱ローラにより再溶融することが好ましい。なお、エラストマー樹脂としては、熱可塑性エラストマーが好ましく、なかでもオレフィン系であれば、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩部分中和物、又は、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン系であれば、スチレン・ブタジエン・イソプレン共重合体、スチレン・エチレン・ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、塩化ビニル系であれば、塩化ビニル・アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ウレタン系であれば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、エステル系であれば、ポリエステル、ポリエーテル・エステル、アミド系であれば、ポリエーテル・エステル・アミド、その他、シリコーン樹脂等が好ましい。特に、エチレン・プロピレン共重合体、スチレン・ブタジエン・イソプレン共重合体、SEBS、TPUが好ましい。また、これらの熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、着色のために顔料、加工性を改善するために熱安定剤又は加工助剤、表面性を改善するためにスリップ剤又はアンチブロッキング剤又は有機若しくは無機のフィラーを適宜加えることができる。
【0017】
本実施形態における包装用容器10は、更に、口頸部14に一体的に形成され且つ当該口頸部14の上端から内方に延びる環状の突縁部28を備えている。突縁部28は全体として、口頸部14の中心軸線Aに向かって斜め上方に延びており、その内側端30は中心軸線Aとほぼ平行な状態で上方に延びている。また、突縁部28は、中心側ほど高くなるように、少なくとも2つの段差面32,34が形成されている。これらの段差面32,34は、中心軸線Aに向かって漸次上方に傾斜されており、両段差面32,34の間には、より急峻な立上り面36が形成されている。この突縁部28の内側端30は、蓋16を容器本体12の口頸部14に螺着した際、図2に示す如く、シール板26の下面に弾性的に接し、シール板26を蓋16の天板部20の下面との間で挟持して所望のシール効果が得られるようにしている。
【0018】
また、蓋16の天板部20の下面には、環状の突部38がめねじ部24と同軸に形成されている。この突部38は、天板部20の下面に対してほぼ直角に延びる内側面40と、傾斜された外側面42とを有している。突部38の内側面40の内径は、容器本体12の突縁部28の立上り面36の内径(図1において、中心軸線Aから点aまでの距離)とほぼ同一又はそれよりもやや大きい値とされている。この突部38は、蓋16を容器本体12の口頸部14に螺着した際に、図2に示すように、突縁部28の立上り面(挟持面)36との間でシール板26を挟持してシール効果を得ようとするものであり、従って、突部38の位置は、蓋16の螺着時における突縁部28の屈曲状態、突縁部28の立上り面36の位置、シール板26の板厚等に応じて適宜選定されるものである。
【0019】
上述したように、本実施形態の包装用容器10においては、蓋16を容器本体12の口頸部14に螺着した状態で、突縁部28の内側端30と蓋16の天板部20との間、及び、突縁部28の立上り面36と蓋16の突部38との間の2箇所でシール板26が挟持され、きわめて高度のシール効果が得られる。また、蓋16及び容器本体12が適当な弾性率を有する合成樹脂から作られている場合、突縁部28が弾性的に屈曲されるため、蓋16が多少ゆるんだとしても、シール板26に対する突縁部28の押付け力は維持され、シール効果は失われない。従って、内容物が食用練り製品のときには、腐敗、変色若しくは異臭を抑えることができる。また、内容物がグリースのときは、酸化による粘度変化や異臭を抑えることができる。更に、内容物がハンドクリームや化粧用乳液の場合には、油脂と水分との分離若しくは異臭を抑えることができ、内容物が練り洗剤や接ぎ蝋、木部接着用ののりのときは、水分蒸発による粘度変化若しくは変色を抑えることができる。
【0020】
なお、蓋16を取り外す場合には人手によるのが一般的であることを考慮して、螺着の際に蓋16に加えられるトルクは、30kgf・cm〜80kgf・cmであることが好ましく、更に好ましくは50kgf・cm〜60kgf・cmである。また、必要に応じて、内容物を収容した容器本体12のヘッドスペース内の空気を炭酸ガス或は窒素ガスに置換してもよい。
【0021】
上記シール効果を十分に発揮させるためには、蓋16及び容器本体12を構成する合成樹脂はJIS−K7203による曲げ弾性率が8000kgf/cm2 〜15000kgf/cm2であることが有効である。
【0022】
また、口頸部14の中心軸線Aに沿っての断面において、突縁部28と口頸部14との結合点P1、すなわち突縁部28の屈曲点と、突縁部28の内側端30上の点であって、蓋16を口頸部14に螺着した際に最初にシール板26と接する点P2とを結ぶ線分P1−P2が中心軸線Aに直角で結合点(P1)を通る面Sと為す角度をθとした場合、このθの値が、円周角360度表示で18度〜50度であるとき、突縁部28は適当な弾性力をもってシール板26と接することができる。
【0023】
更に、螺着時に蓋16に加えるトルクを30kgf・cm〜80kgf・cmとした場合、シール板26の厚さは0.5mm〜4.0mmとするのが好適である。シール板26の厚さを4.0mmよりも大きくした場合、螺着のトルクを大きくせざるを得なくなり、容器本体12を変形させ、密閉性を損なうおそれがあり、逆に0.5mmよりも小さくした場合、蓋16の突部38及び容器本体12の突縁部28の寸法精度を上げる必要が生じる。
【0024】
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、上記実施形態では、シール板26は平板状のものを用いているが、蓋16に嵌め込み、更に蓋16を締め付けた場合には、シール板26の外周が下方に向けて変形されるため、シール板26の外周部の変形を軽減する目的で、シール板26の形状を球面形状、或は、外周部だけ切頭円筒形としてもよい。また、シール板26の外周縁から下方に垂下する環状の突起(図示せず)を設け、その突起で口頸部14の上端部外周面を密閉するようにしてもよい。
【0025】
【第2の実施形態】
図3及び図4には本発明に係る包装用容器の他の実施形態の断面図が示されている。なお、第1の実施形態と同じ要素には同一符号を付している。
【0026】
本実施形態では、容器本体12の口頸部14に蓋16が螺着される第1の実施形態と異なり、容器本体12の口頸部に14に蓋16が打栓されている。より詳細に述べると、容器本体12の上部に一体的に形成された略円筒形の口頸部14の外周面には、環状凸部19が形成され、蓋16を構成する側壁部22の内周面には、打栓した際に容器本体12の環状凸部19と嵌合可能な環状凹部25が形成されている。
【0027】
本実施形態で蓋16を容器本体12の口頸部14に打栓した際でも、第1の実施形態と同様なシール効果が得られる。すなわち、口頸部14の突縁部28の内側端30が、図4に示す如く、シール板26の下面に弾性的に接し、シール板26を蓋16の天板部20の下面との間で挟持して所望のシール効果が得られるようにしている。
【0028】
また、蓋16の天板部20の下面の環状の突部38が、蓋16を口頸部14に打栓した際、図4に示すように、突縁部28の立ち上がり面(挟持面)36との間でシール板26を挟持してシール効果を得ようとしている。
【0029】
このように本実施形態の包装用容器10では、螺着の場合と同様、突縁部28の内側端30と蓋16の天板部20との間、及び、突縁部28の立ち上がり面36と蓋16のと突部38との間の2箇所でシール板26が挟持され、きわめて高度のシール効果が得られる。
【0030】
さらに、この包装用容器10では、蓋16は容器本体12の口頸部14に打栓した状態で取り付けられるため、弛むことはない。したがって、シール板26に対する突縁部28の押しつけ力が維持され、高度のシール効果が絶えず維持される。特に、このシール効果は、蓋16及び容器本体12が適当な弾性率を有する上記合成樹脂から作られている場合に、突縁部28が弾性的に屈曲されるので、より顕著となる。
【0031】
上述したように、容器本体12及び蓋16は略円筒形状をなしているものとしていた。しかし、容器本体12に蓋16が打栓して取り付けられる場合は、螺着の場合と異なり、一定のシール効果を維持させながら、容器本体12に対する蓋16の周方向の位置が任意に定められる。このため、容器本体12及び蓋16の外周面の水平断面形状が例えば楕円であっても、打栓の場合は取り付け時の位置合わせが容易となる。なお、図2及び図3に明示したように、環状凸部19及び環状凹部25が周方向に連続的に形成されるのではなく、それらが周方向等間隔に、離間して配設されることによって、容器本体12に対する蓋16の位置が、一意的又は適当に定められても、同様な作用効果が得られる。
【0032】
【第3の実施形態】
容器本体に第1の実施形態に述べた食用練り製品が内容物として収容されている場合、種類によっては炭酸ガス等のガスを放出することもある。例えば、その中の味噌は常温で流通されるように、味噌に含まれる酵母を加熱処理するのが一般的である。しかし、近年、加熱処理をしない、生味噌と呼ばれる味にこだわった味噌が流通されている。この生味噌では、その代謝により炭酸ガスが発生し、包装用容器10の内部に充満して正圧となるため、包装用容器は10は大きな負荷を受ける。そこで、本実施形態の包装用容器10では、その内部圧力に応じて包装用容器10の形状が変化する圧力検知部44を、蓋16の天板部20に設けることにより、このような包装用容器10の内部状態を検知できるようにしてある。
【0033】
図5を参照して詳細に述べると、蓋16の天板部20の中央部分には、圧力検知部44が容器本体12側に湾曲して設けられている。好適には、圧力検知部44は容器本体の突縁部28の内側端30よりも内方に形成され、上述した2箇所のシール部分で、シール効果を得るようにするのがよい。この圧力検知部44において、その形状は、中心が包装用容器10の中心軸線Aを通る球面の一部をなし、また、圧力検知部44の中央部分に向かうにつれて、その肉厚が薄くなっている。これにより、包装用容器10の内圧に応じて、圧力検知部44は形状の変化を容易に受け易くなり、ある一定の圧力に達した場合に、圧力検知部44が上方に湾曲した状態に反転して変形するようになる。このため、包装用容器10の内圧を目視で確認することができる。また、このような変形が可逆的になされるために、天板部20を構成する蓋16が上に述べたような適当な弾性を備えた合成樹脂から作られているのが好ましい。したがってこの場合には、包装用容器10の内圧の経時的な変化をも目視で確かめることができる。
【0034】
なお、本実施形態は、図5に示された形状の圧力検知部44に限定されず、図6〜図8に示された形状の圧力検知部44でもよい。すなわち、球面の一部をなして形成された図5の圧力検知部44と異なり、圧力検知部44の中央部分及び周縁部分をそれぞれ、平坦及び球面の一部にしたり(図6参照)、球面の一部及び逆円錐形状の一部にしたり(図7参照)、或いは上に凸及び下に凸の状態の湾曲した球面の一部にしたりした(図8参照)形状にしている。さらに、内圧が異なる状態を目視で検知するために、肉厚の異なる圧力検知部44が複数設けられてもよい。例えば、図9に示されるように、図5に明示した圧力検知部44の周りには、その圧力検知部44と肉厚が異なる圧力検知部44a〜44cが、更に、周方向に等間隔で複数個設けられ、段階的に包装用容器10の内圧を検知してもよい。
【0035】
なお、このような炭酸ガス等を発生する食品は、本実施形態で生味噌に限定してきたが、その他に山芋、未加熱処理のにんにくやナチュラルチーズ、又は焙煎したコーヒー豆等がある。
【0036】
次に、本発明による包装用容器10を試作し、実用状態を想定した日持ち試験を行った結果を以下に示す。この日持ち試験では、ヘッドスペース内の空気を窒素ガスで置換したガラス密封容器に充填した内容物を基準として、内容物のヘッドスペース側表面における変色と臭気を、30日間15℃で冷蔵保存した後に、健康人の目視と嗅覚で比較した。そして、基準の色相からの変色の有無で、変色有りと変色無しに分別し、また、臭気の差異の有無で、臭気の変化有りと変化無しに分別した。
【0037】
【実施例1】
実施例1の包装用容器の形状は図1及び図2、又は図3及び図4に示す包装用容器10の形状と基本的に同じである。以下の実施例2、実施例3についても形状は図1及び図2、又は図3及び図4に示すものと基本的に同じである。
【0038】
この包装用容器の容器本体及び蓋は、JIS−K7203による曲げ弾性率が13000kgf/cm2、JIS−K6760による密度が0.954g/c m3であり、且つ、メルトフローレートが0.25g/10minである高密度ポリエチレンから作られたものとした。
【0039】
螺着によって取り付けられた容器本体及び蓋の場合、容器本体の外径は約97mm、口頸部のおねじ部の外径は約78mm、谷径は約75.6mm、突縁部の内径は約67.5mmとした。また、蓋の外径は約81mmとした。更に、突縁部28に内側ほど上方に位置する2段の段差面である段差面32と段差面34を設け、点P1と点P2とを結ぶ線分P1−P2と面Sとの為す角θを24度に設定し、突部の高さは約1mmとした。シール板としては、独立気泡構造を有し、見掛け密度0.26g/cm3、厚さ3mmの発泡した状態の低密度ポリエチレンを用いた。また、図 1における、容器本体12側の段差面32の断面長さを1.0mmとし、2段目の段差面34の断面長さを0.5mmとした。
【0040】
打栓によって取り付けられた容器本体及び蓋の場合には、口頸部の外径は約78mm、突縁部の内径は約67.5mmとした以外、螺着による場合と形状は同じとした。
【0041】
このような500g入り包装用容器に、練り辛子を重量割合で90%充填し、前記条件で密封した後、30日間15℃で冷蔵保存した結果、充填された練り辛子のヘッドスペース側表面は変色無し且つ臭気の変化無しの判定が得られた。
【0042】
【実施例2】
実施例2の包装用容器は、突縁部の形状について、線分P1−P2と面Sとの為す角θを45度とし、シール板として厚さ2mmのSEBSを用いた点を除き、実施例1のものと実質的に同様とした。
【0043】
このような500g入り包装用容器に、練り辛子を重量割合で90%充填し、前記条件で密封した後、30日間15℃で冷蔵保存した結果、充填された練り辛子のヘッドスペース側表面は変色無し且つ臭気の変化無しの判定が得られた。
【0044】
【実施例3】
実施例3の包装用容器は、突縁部の形状について、線分P1−P2と面Sとの為す角θを18度とし、シール板として厚さ3mm、見掛け密度0.32g/cm3の発泡した状態の低密度ポリエチレンを用いた点を除き、実施例1のものと 実質的に同様とした。
【0045】
このような500g入り包装用容器に、味噌を重量割合で90%充填し、前記条件で密封した後、30日間15℃で冷蔵保存した結果、充填された味噌のヘッドスペース側表面は変色無し且つ臭気の変化無しの判定が得られた。
【0046】
【実施例4】
実施例3の包装用容器では、シール板として厚さ1mm、見掛け密度0.26g/cm3の発泡した状態の低密度ポリエチレンを用い、その形状を周縁に環状 突起を有する平板状とした点を除き、実施例1のものと実質的に同様とした。
【0047】
このような500g入り包装用容器に、練り辛子を重量割合で90%充填し、前記条件で密封した後、30日間15℃で冷蔵保存した結果、充填された練り辛子のヘッドスペース側表面は変色無し且つ臭気の変化無しの判定が得られた。
【0048】
【実施例5】
実施例5では、天板部20に図5に示されたような圧力検知部44を設けた点を除いて、実施例1に述べた包装用容器10と実質的に同じ包装用容器を用いた。
【0049】
このような包装用容器に、加熱処理を行わない練りにんにく(炭酸ガスを発生し続ける練りにんにく)を重量割合で90%充填して密封した後、30日間15℃で保存した。その結果、その練りにんにくから発生する炭酸ガスにより、この包装用容器の内圧は高くなり、蓋の天板部に設けられた圧力検知部は反転したものの、包装用容器の密閉性は保持され、そのヘッドスペース側表面は変色し且つ臭気の変化無しの判定が得られた。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による包装用容器では、蓋を容器本体の口頸部に螺着又は打栓した際、2箇所の環状シール部が口頸部と蓋との間に形成される。これにより、シール効果が格段に向上し、内容物の長期にわたる保存が可能となる。
【0051】
また、包装用容器の内圧を視覚的に検知できるように、その内部圧力に応じて包装用容器の形状が変化する圧力検知部が、蓋の天板部に設けられている。これにより、包装用容器の内容物として、炭酸ガス等を発生するような食用練り製品の場合、内部の状態を開封することなく視覚的に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による包装用容器の第1の実施形態を示す断面図であり、蓋と容器本体とが分離している状態を示す図である。
【図2】図1の包装用容器において、蓋を容器本体の口頸部に螺着した状態を示す部分断面側面図である。
【図3】本発明による包装用容器の第2の実施形態を示す断面図であり、蓋と容器本体とが分離している状態を示す図である。
【図4】図3の包装用容器において、蓋を容器本体の口頸部に打栓した状態を示す部分断面側面図である。
【図5】本発明による包装用容器の第3の実施形態であって、蓋を容器本体の口頸部に螺着した状態を示す部分断面側面図である。
【図6】本発明による包装用容器の第3の実施形態の蓋であって、その第1変形例を示す部分断面側面図である。
【図7】本発明による包装用容器の第3の実施形態の蓋であって、その第2変形例を示す部分断面側面図である。
【図8】本発明による包装用容器の第3の実施形態の蓋であって、その第3変形例を示す部分断面側面図である。
【図9】本発明による包装用容器の第3の実施形態の第4変形例を示した、その蓋の上面図である。
【符号の説明】
10…包装用容器、12…容器本体、14…口頸部、16…蓋、18…おねじ部、19…環状凸部、20…天板部、22…側壁部、24…めねじ部、25…環状凹部、26…シール板、28…突縁部、30…内側端、32,34…段差面、36…立上り面(挟持面)、38…突部、40…内側面、42…外側面、44,44a,b,c…圧力検知部。

Claims (11)

  1. 口頸部を有する容器本体と、前記容器本体の前記口頸部に取り付けられる蓋と、前記蓋の天板部の内面に配設された軟質材から成るシール板とを備える包装用容器において、
    前記口頸部の上端に、内方に延びると共にその内側端が上方に延びる環状の突縁部を設け、
    前記突縁部は、内側ほど上方に位置する少なくとも2つの段差面を有し、
    前記蓋の前記天板部の内面に、前記突縁部の内径よりも大きい直径を有すると共に、前記天板部の内面に対して略直角に延びる内側面を有する環状の突部を設け、
    前記蓋を前記口頸部に取り付けた際に前記突縁部の内側端と前記蓋の前記天板部との間で前記シール板が挟持されるように、前記突縁部を形成し、
    前記蓋を前記口頸部に取り付けた際に、前記突部の前記内側面と前記突縁部の前記2つの段差面間に形成される環状の立上り面との間で前記シール板が挟持されるようになっている、
    ことを特徴とする包装用容器。
  2. 前記蓋は、前記容器本体の前記口頸部に螺着によって取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
  3. 前記蓋は、前記容器本体の前記口頸部に打栓によって取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
  4. 前記容器本体が合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装用容器。
  5. 前記容器本体は、JIS−K7203による曲げ弾性率が8000kgf/cm2〜15000kgf/cm2であることを特徴とする請求項4に記載の包装用容器。
  6. 前記蓋が合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装用容器。
  7. 前記蓋は、JIS−K7203による曲げ弾性率が8000kgf/cm2〜15000kgf/cm2であることを特徴とする請求項6に記載の包装用容器。
  8. 前記口頸部の中心軸線に沿っての断面において、前記突縁部と前記口頸部との結合点(P1)と、前記突縁部の前記内側端上の点であって、前記蓋を前記口頸部に取り付けた際に最初に前記シール板と接する点(P2)とを結ぶ線分が、前記中心軸線に直角で前記結合点(P1)を通る面と為す角度が、18度〜50度であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装用容器。
  9. 前記軟質材が発泡プラスチックであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の包装用容器。
  10. 前記発泡プラスチックの見掛け密度が0.01g/cm3〜 0.30g/cm3であることを特徴とする請求項9に記載の包装用容器。
  11. 前記容器本体に取り付けられた前記蓋の前記天板部には、前記容器本体の内圧に応じて形状が変化する圧力検知部が形成されていることを特徴とする請求項1〜10にいずれか1項に記載の包装用容器。
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