JP3708865B2 - 回転式床面洗浄ブラシ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、床面の洗浄に使用され、動力をもって駆動される回転式洗浄装置に装着して使用される洗浄ブラシに関し、更に詳しくは、円板状の基台に研摩ブラシが植設され、その回転をもって床面を研摩・洗浄する回転式洗浄ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
床面の洗浄用として、一般的に、不織布に研摩材を埋め込んで形成された円板状のパッドを回転動とともに床面に押し当ててなす洗浄装置が使用されている。該パッドは弾性を有し、床面に馴染むとともに、その適度な研摩力により床面に塗布されたワックス層に対して別途供給される洗浄剤とともに良好に作用して洗浄効果を発揮する。すなわち、パッド内の研摩材の混入割合により、研摩力が大きいとワックス層の全てが剥離され、研摩力が小さいとワックス層の表面を単に磨き上げるものとなる。床面の洗浄はワックス層の上層をわずかに研摩することによって達成される。
従って、洗浄用パッドにおいては、ワックス層の上層のみを研摩するという作用を達成すべく、洗浄に適合する研摩材の混入割合が重要な要素となっている。
一方、床パネルを使用した床面は床躯体の施工精度から凹凸が避けられないものであり、また、床パネルの表層に施されたワックス層にはヒール等を介して加えられる大きな圧力により窪みいわゆるヒールマークが随所に刻設されるものである。そして、汚れは床面の凹部、ヒールマークの窪み内に付着するものである。
そこで、従来のパッド式の洗浄装置を使用した場合に、パッド自体は全体的に一定厚の平板状を保持し、その底面も平面状を保持することから、ヒールマークの窪みは勿論として床パネルの凹部に研摩作用が及ばず、床面が十分に研摩清掃できないものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、この種の動力をもって回転駆動される回転式洗浄装置において、床面の凹凸に更に馴染みがよく、ヒールマークの窪みにも追従のできる洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明はこのため、円板状の基台に研磨ブラシを植設してなるいわゆる回転式洗浄ブラシにおいて、特別なブラシ配列を採ることによりこの目的を達成したものである。すなわち、通常には、円板状基台に軟質系の0.60mm径のブラシ繊維を植設する方策が採られるが、このものでは繊維の腰が折れ易く、使用とともに最外側のブラシの腰折れが進展し、洗浄性が劣化するものである。
本発明では、この知見に基づき、外径側のブラシの剛性を大きくすることにより、この目的を達成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転式洗浄ブラシは、具体的には次の構成を採る。
すなわち回転駆動される円板状の基台に、合成樹脂繊維体の表面に強研摩性の研摩砥粒が高密度に付着配合されたブラシ繊維を高密集度のブラシ群になし、該ブラシ群を同心状に多数列に植設し、当該ブラシ繊維をもって床面を研摩・洗浄する床面洗浄ブラシにおいて、前記ブラシ群は、前記基台の下面に穿設された複数のブラシ植設孔のそれぞれに植え込まれたブラシ束の集合体よりなり、内径側のブラシ群は剛性の小さい合成樹脂繊維体が使用され、外径側のブラシ群は剛性の大きい合成樹脂繊維体が使用され、前記内径側のブラシ群及び前記外径側のブラシ群は所定の付加荷重をもって床面に押し付けられ、前記外径側のブラシ群の合成樹脂繊維体は内径側のブラシ群の合成樹脂繊維体より、丈高を長くされ、かつ、外径側のブラシ群は径方向の長さの比率において1〜3割を占めるとともに、その最外側は水平投影面において基台の外側面より突出してなる、ことを特徴とする。
上記において、「所定の付加荷重」とは本回転式床面洗浄ブラシの使用状態において、通常に付加される基台の重量並びにポリッシャーの重量をいう。
上記構成において、ブラシ繊維、ブラシ群の具体的態様は、以下の実施の形態、実施例で示されるが、それ以外の態様を除外するものではない。
合成樹脂繊維は、好ましくはナイロン(ポリアミド系樹脂)が選ばれるものであり、特にはナイロン612が好適であるが、ナイロン6,同8,同11,同66,同610等を除外するものではない。
また、ブラシ植設孔に付き、「外径側のブラシ群は径方向の長さの比率において1〜3割を占める」とは、ブラシ群が同心状に10列(20列)配される場合において、1〜3列(2〜6列)を占めるとの意である。
更に、以下の構成は適宜選択される事項である。
1)内径側のブラシ群のブラシ植設孔は鉛直に穿設され、外径側のブラシ群のブラシ植設孔においては、少なくとも最外側のブラシ植設孔は斜め外方に穿設されてなること、
2)内径側のブラシ群のブラシ植設孔は鉛直に穿設され、外径側のブラシ群のブラシ植設孔においては、少なくとも最外側のブラシ植設孔は基台の回転方向に付き回転接線後方に向けて斜めに穿設されてなること、
3)上記1)2)の構成、すなわち、内径側のブラシ群のブラシ植設孔は鉛直に穿設され、外径側のブラシ群のブラシ植設孔においては、少なくとも最外側のブラシ植設孔は斜め外方に穿設されてなるとともに、基台の回転方向に付き回転接線後方に向けて斜めに穿設されてなること。
また、ブラシ群のブラシ繊維は、
1)同一特性のブラシ繊維が使用され、外径側のブラシ群のブラシ繊維の径は内径側のブラシ群のブラシ繊維の径より太くされてなること、
2)外径側のブラシ群のブラシ繊維は硬質のものが使用され、内径側のブラシ群のブラシ繊維は軟質のものが使用されてなること、
3)6・12ナイロン繊維が使用され、外径側のブラシ群のブラシ繊維の径は0.80〜1.10mmの範囲内とされ、内径側のブラシ群のブラシ繊維の径は0.40〜0.70mmの範囲内とされること、
は適宜選択される事項である。
【0005】
本発明に付き、
1)外径側のブラシ群の合成樹脂繊維体は内径側のブラシ群の合成樹脂繊維体より3mm程度長くされること、
2)内径側のブラシ群の密集度を単位平方cm当たり60本程度、或いは60本以上とされること、
3)ブラシ繊維は、6・12ナイロン繊維本体にシリコンカーバイト又は酸化アルミニウムの研摩砥粒が接着剤を介して30%以上の混入率で付着配合されること、
は適宜付加される設計的事項である。
【0006】
(作用)
本洗浄ブラシを装着したポリッシャーの駆動により、本洗浄ブラシのブラシ群は基台の重量並びにポリッシャーの重量も付加され、床面に押し付けられ、かつその回転によりブラシ繊維の研磨作用をもって床面の汚れを剥離し、更に水並びに洗浄剤の付加とともに床面を洗浄する。
内径側のブラシ群は、個々のブラシ繊維は適度な可撓性を持ち、床面の凹凸部に良好に追従する。すなわち、個々のブラシ繊維は研摩性と適度な可撓性を持つので、床面の微小な凹凸部にも良好に追従し、かつワックス層への過度な剥離がなく、床面の表層の汚れを確実に取り除くことができる。
外径側のブラシ群は、内径側のものより剛性が高いので、使用状態において、腰折れが生ぜず、常時斜め下方へ直線状に延び、その最外側のブラシ繊維の下端は基台の外側面より、水平投影面において、外方へ位置することになる。これにより、外径側のブラシ群は洗浄区域における壁体の際に到達し、壁体との間にすき間を作ることなく、確実に隅部での研磨・洗浄作用を発揮する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の回転式洗浄ブラシ装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5はその一実施形態(第1実施形態)を示す。すなわち、図1及び図2はその全体構成を示し、図3〜図5は各部分構成を示す。
【0008】
図1・図2に示すように、Bは本実施形態の回転式床面洗浄ブラシ(以下、単に「洗浄ブラシ」という)であり、円板状の基台1、該基台1のブラシ植設孔2に植設されるブラシ束4よりなるブラシ群5、を含む。
【0009】
以下、各部の細部の構造に付いて説明する。
基台1
基台1は、中心に円孔1aが開設され、実質的に所定の一定厚さを持った円環状をなし、下面に対して開口する多数のブラシ植設孔2が穿設される。1bは外側面である。該基台1は、硬質の合成樹脂材をもって形成され、本実施形態では塩化ビニル樹脂が採用されるが、他の同等の合成樹脂材、例えば、ポリプロレン樹脂、ABS樹脂等の採用を妨げるものではない。また、木製であってもよいことは勿論である。
【0010】
ブラシ植設孔2
ブラシ植設孔2は、円形孔をなし、基台1に一定深さにわたって穿設されるとともに、一定の間隔を保って多数穿設される。該ブラシ植設孔2は本実施形態では千鳥状にかつ円心状に多数列に設けられる。
図3はブラシ植設孔2の断面構成を示し、2aはその孔壁、2bは円錐形をなす孔天井である。このブラシ植設孔2は、先端の刃先が円錐形をなすドリルをもって穿孔されるものであり、従ってその先端の形状に対応して孔天井2bは円錐形をなす。
このブラシ植設孔2は例えば、径が6〜7mm程度、深さが10mm程度、孔天井2bの角度が90°の諸元を採り、各孔2は千鳥に配され、10mm程度の間隔を保つ。このブラシ植設孔2のピッチは可及的小ピッチにされることが肝要であり、1つのブラシ植設孔2に植設されるブラシ繊維の本数と相俟って高密集性を達成する。
【0011】
ブラシ群5
ブラシ群5は、各ブラシ植設孔2に植え込まれたブラシ束4の集合体よりなる。
本実施の形態では、ブラシ群5は、内径側のブラシ群5Aと外径側のブラシ群5Bとからなり、内径側のブラシ群5Aは細径の合成樹脂繊維体が使用され、外径側のブラシ群5Bは太径の合成樹脂繊維体が使用され、外径側のブラシ群5Aの合成樹脂繊維体は内径側のブラシ群の合成樹脂繊維体5Bより丈高を長くされる。
【0012】
先ず、内径側・外径側ブラシ群5A,5Bに共通するブラシ束4の構成に付いて説明する。
ブラシ束4は、図4に示されるように、所定長のブラシ繊維6が10〜30本を一束として、中央より折り曲げられ、かつ、その折曲げ部に線材よりなる止め金具7が巻き懸けられる。
もっと詳しくは、ブラシ繊維6は所定の径を有する繊維体をなし、それ自体で研磨性を有する。また、該ブラシ繊維6は反発性をもって自然状態で直射状を保持し、中央で拘束力を受けて同一方向に向くが、この拘束力が解除されると直射状に復帰する。その構成の一例として、合成樹脂製線材の表面に砥粒が接着剤を介して付着されてなる。
そのようなブラシ繊維6として、合成樹脂製線材に付いては、ナイロン、特には6・12ナイロンの径0.40〜1.20mmのものが使用され、100mm単位の長さとされる。6・12ナイロンはその物理的特性として、引張り強さが1,120 〜1,260 kg/平方cm、引張り弾性係数が14,000〜17,500kg/平方cm、伸びが25〜35%、曲げ回復力が80〜85%、の特性値を示す。研摩砥粒に付いてはシリコンカーバイト(炭化ケイ素、比重3.25、モース硬度9.5 )あるいはアルミナ(酸化アルミニウム、比重3.99、モース硬度9.0 )の各微粉末を使用し、これを接着剤に30〜40%混入したものを合成樹脂製線材にコーティングする。
【0013】
止め金具7は金属線材、通常には鋼線よりなり、所定長さのものを、束ねられたブラシ繊維6の中央すなわち基部に巻き懸け、その両端を外方へ延設させる。
ブラシ束4の一態様として、20本のブラシ繊維6を一束として、止め金具7は長さが22mm、径が 0.5mmのものを使用する。
個々のブラシ束4は、基部において止め金具7が基台1内に食い込むことにより定着され、基台1の下面より突出する部分(毛丈)は、40mm程の長さとなり、所定の弾力性(腰の強さ、横剛性)を発揮する。
このように構成されたブラシ群5は、1つのブラシ植設孔2に多数のブラシ繊維6が植設され、小ピッチをもって配設されるものであり、基台1の全面にわたって均一にして高密集性が実現される。
【0014】
ブラシ植設孔2の穿孔作業すなわち穴加工に付いては、所定の装置すなわちボール盤を使用し、該装置に装着されたドリルによりなされる。当該装置は数値制御化、自動化され、該穴加工作業は所定間隔に精確になされる。また、多軸化をもって作業の迅速化を図ることができる。
基台1の素材は金属に比べ軟質であるので、容易に穿孔される。従って、その先端角は鋭角状を採りうる。
ブラシ束4のブラシ植設孔2への植込み作業は、基台1を反転させ、換言すれば該ブラシ植設孔2を上方に向けて、次のようにしてなされる。ブラシ繊維6の10〜30本を一束とし、その中央に止め金具7を巻き懸け、該止め金具7の突出両端が下方になるように折り込み、その状態を保持しつつ、所定の工具を介してブラシ植設孔2に押し込む。その押込み力により、止め金具7の突出両端はブラシ植設孔2の孔天井2bの傾斜面に沿って折り曲げられ基台1内に食い込む。
【0015】
(ブラシ群5A,5B)
本実施形態においては、内径側のブラシ群5Aと外径側のブラシ群5Bは同心状に多数列(通常10列程度)に配されるとともに、外側の2列が外径側のブラシ群5Bとされる。
内径側のブラシ群5Aと外径側のブラシ群5Bとは、それぞれ、剛度、長さを異にする。
すなわち、内径側のブラシ群5Aは細径のブラシ繊維が使用され、外径側のブラシ群5Bは内径側のブラシ群5Aのものよりも太径のブラシ繊維が使用されるとともに、αの長さをもってわずかに(2〜3mm程度)長くされる。
更に、外径側のブラシ群5Aは、その最外側のブラシ繊維の下端は基台1の外側面1bより、水平投影面において、β(5mm程度)だけ外方へ位置することになる。
これにより、外径側のブラシ群5Aの剛度及び長さは、内径側のブラシ群5Aの剛度よりも大きく、かつ僅かに長く、更には基台1の外側面1bより水平投影面において外方に突出することになる。
【0016】
先の図3の図例では、内径側のブラシ群5Aと外径側のブラシ群5Bとのブラシ植設孔2は、ともに鉛直方向に穿設されたものであるが、図5に示す態様においては、外径側のブラシ群5Bのブラシ植設孔2は外方に傾斜して穿設される。すなわち、最外側のブラシ植設孔2においてはその孔軸がa°(10°程度)傾斜し、2列目のブラシ植設孔2においてはその孔軸がb°(5°程度)傾斜する(a≧b)。bはまた、鉛直であってもよい。
しかして、この態様によれば、外径側のブラシ群5Bは短い長さで基台1の外側面1bより水平投影面においてβの距離をもって外方に突出することになる。更にまた、ブラシ植設孔2と基台1の側面との距離が図3の図例よりも余裕をもって大きく採れ、ブラシ植設孔2の穿孔作業が容易となる。
【0017】
更に別の態様として、外径側のブラシ群5Bにおいて、少なくとも最外側のブラシ植設孔2の孔軸を基台1の回転接線方向にc°(10°程度)傾斜する態様を採り得る。また、2列目のブラシ植設孔2においてはその孔軸をc°、あるいはd°(5°程度)傾斜する(c≧d)態様を採り得る。内径側のブラシ群5Aのブラシ植設孔2は通常は鉛直孔を採る。
該態様は、図3の態様、あるいは図5の態様に付加される。
しかして、この態様によれば、ブラシ装置Bの回転に伴い、外径側のブラシ群5Bのブラシ先端は床面に良好に馴染む。
【0018】
ブラシ群5A,5Bの具体例に付いては、内径側のブラシ群5Aは、先に述べたブラシ繊維6の内、0.55mmの径のものが使用され、その丈高は40.0mmとされる。外径側のブラシ群5Bは、1.00mmの径のものが使用され、その丈高は42.0mmとされる。
【0019】
(本洗浄ブラシBの使用態様)
本洗浄ブラシBは、駆動装置としてのポリッシャーに装着され、所定の回転数(200rpm)をもって駆動され、床面を洗浄する。
すなわち、作業者はポリッシャーを駆動するとともに、ポリッシャーの腕を把持して床面上を移動しつつ洗浄作業をなす。
【0020】
(実施例体の静特性)
(実施例)
基台1には15インチ体を使用し、10列(内、外側2列を外径側ブラシ群5B)のブラシ配列とする。ブラシ繊維は米国デュポン社製のナイロン612であるザイテル158L(デュポン社登録商標)を使用し、内径側ブラシ群5Aはブラシ繊維径を0.55mm、丈高を40.0mm、外径側ブラシ群5Bはブラシ繊維径を1.00mm、丈高を42.0mm、とし、それらの全てを鉛直に埋め込んだ。そして、外径側ブラシ群5Bの最外側のブラシの基台1からのはみ出し距離(β)は2mmである。また、ブラシ群5の密集度は平均して単位平方cm当たり70本である。
(比較例)
比較例として、基台1には同じく15インチ体を使用するとともに、10列のブラシ配列とし、ブラシ繊維は同じくザイテル158Lを使用し、ブラシ繊維径を0.55mm、丈高を30.0mmとし、それらの全てを鉛直に埋め込んだ。また、最外側のブラシの基台1からのはみ出し距離(β)は2mmであり、ブラシ群5の密集度は単位平方cm当たり70本である。
(静特性値)
上記の実施例体及び比較例体に駆動装置としてのポリッシャーを装着し、その重量(30kgm)を加えて、基台1の側面からのはみ出し長さ(β’)を計測した。
その結果は、
実施例:β’=3mm
比較例:β’=8mm
となり、実施例ではほとんど腰折れを生じなかったが、比較例では腰折れが生じ、大きく外方に折れ曲がることになった。
【0021】
(実施形態の作用・効果)
本洗浄ブラシBを装着したポリッシャーの駆動により、本洗浄ブラシBのブラシ群5は基台1の重量並びにポリッシャーの重量も付加され、床面に押し付けられ、かつその回転によりブラシ繊維6の研磨作用をもって床面の汚れを剥離し、更に水並びに洗浄剤の付加とともに床面を洗浄する。
このとき、本洗浄ブラシBのブラシ群5において、内径側のブラシ群5Aは、個々のブラシ繊維6はその細径から適度な可撓性を持ち、全体として床面の凹凸部に良好に追従する。
外径側のブラシ群5Bは、内径側のものより剛性が高いので、腰折れが生ぜず、常時斜め下方へ直線状に延び、その最外側のブラシ繊維6の下端は基台1の外側面より、水平投影面において、外方へ位置することになる。これにより、外径側のブラシ群5Bは洗浄区域における壁体の際に到達し、壁体との間にすき間を作ることなく、確実に隅部での研磨・洗浄作用を発揮する。
【0022】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技術的範囲内に包含されるものである。
1)ブラシ繊維に用いられる研摩砥粒は、シリコンカーバイト、酸化アルミニウム以外のものであっても、これと同等のものが使用されうる。
2)ブラシ束4は必ずしも止め金具7を介してブラシ植設孔2に定着されるものではなく、他の手段、例えば接着剤を介して固着されてもよい。
3)ブラシ繊維6の毛丈は本実施形態では40mmとなったが、これはあくまで例示であって、これに限定されないことは勿論である。
【0023】
【発明の効果】
本発明の回転式洗浄ブラシによれば、本洗浄ブラシを装着したポリッシャーの駆動により、本洗浄ブラシのブラシ群は基台の重量並びにポリッシャーの重量も付加され、床面に押し付けられ、かつその回転によりブラシ繊維の研磨作用をもって床面の汚れを効果的に剥離し、更に水並びに洗浄剤の付加とともに床面を洗浄する。
内径側のブラシ群は、個々のブラシ繊維は適度な可撓性を持ち、床面の凹凸部に良好に追従する。
外径側のブラシ群は、内径側のものより剛性が高いので、腰折れが生ぜず、常時斜め下方へ直線状に延び、その最外側のブラシ繊維の下端は基台の外側面より、水平投影面において、外方へ位置することになる。これにより、外径側のブラシ群は洗浄区域における壁体の際に到達し、壁体との間にすき間を作ることなく、確実に隅部での研磨・洗浄作用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の回転式床面洗浄ブラシの全体構成を示す平面図であって、左半分は上面図、右半分は下面図。
【図2】 本回転式床面洗浄ブラシの一部側面一部断面図。
【図3】 ブラシ群の拡大断面図。
【図4】 ブラシ束の模式図。
【図5】 ブラシ植設孔の他の態様図。
【符号の説明】
B…回転式床面洗浄ブラシ、1…基台、2…ブラシ植設孔、4…ブラシ束、5…ブラシ群、5A…内径側ブラシ群、5B…外径側ブラシ群、6…ブラシ繊維
Claims (6)
- 回転駆動される円板状の基台に、合成樹脂繊維体の表面に強研摩性の研摩砥粒が高密度に付着配合されたブラシ繊維を高密集度のブラシ群になし、該ブラシ群を同心状に多数列に植設し、当該ブラシ繊維をもって床面を研摩・洗浄する床面洗浄ブラシにおいて、
前記ブラシ群は、前記基台の下面に穿設された複数のブラシ植設孔のそれぞれに植え込まれたブラシ束の集合体よりなり、
内径側のブラシ群は剛性の小さい合成樹脂繊維体が使用され、
外径側のブラシ群は剛性の大きい合成樹脂繊維体が使用され、
前記内径側のブラシ群及び前記外径側のブラシ群は所定の付加荷重をもって床面に押し付けられ、
前記外径側のブラシ群の合成樹脂繊維体は内径側のブラシ群の合成樹脂繊維体より、丈高を長くされ、
かつ、外径側のブラシ群は径方向の長さの比率において1〜3割を占めるとともに、その最外側は水平投影面において基台の外側面より突出してなる、
ことを特徴とする回転式床面洗浄ブラシ。 - 内径側のブラシ群のブラシ植設孔は鉛直に穿設され、外径側のブラシ群のブラシ植設孔においては、少なくとも最外側のブラシ植設孔は斜め外方に穿設されてなる請求項1に記載の回転式床面洗浄ブラシ。
- 内径側のブラシ群のブラシ植設孔は鉛直に穿設され、外径側のブラシ群のブラシ植設孔においては、少なくとも最外側のブラシ植設孔は基台の回転方向に付き回転接線後方に向けて斜めに穿設されてなる請求項1に記載の回転式床面洗浄ブラシ。
- ブラシ群のブラシ繊維は、同一特性のブラシ繊維が使用され、外径側のブラシ群のブラシ繊維の径は内径側のブラシ群のブラシ繊維の径より太くされてなる、請求項1ないし3のいずれかに記載の回転式床面洗浄ブラシ。
- ブラシ群のブラシ繊維は、外径側のブラシ群のブラシ繊維は硬質のものが使用され、内径側のブラシ群のブラシ繊維は軟質のものが使用されてなる、請求項1ないし3のいずれかに記載の回転式床面洗浄ブラシ。
- ブラシ群のブラシ繊維は、6・12ナイロン繊維が使用され、外径側のブラシ群のブラシ繊維の径は0.80〜1.10mmの範囲内とされ、内径側のブラシ群のブラシ繊維の径は0.40〜0.70mmの範囲内とされる請求項1ないし4のいずれかに記載の回転式床面洗浄ブラシ。
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