JP3708850B2 - 飲料抽出機用の保温容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は飲料抽出機の保温容器の液量表示機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、業務用として用いられる飲料抽出機は、給水タンクと、ヒータを備えた有底筒状の湯沸かしタンクと、給水タンクと湯沸かしタンクとを連結する給水パイプと、コーヒー粉、紅茶葉等をセットするチャンバーと、湯沸かしタンク内の沸騰水をチャンバー上方へ導くを吐出パイプと、チャンバー底面より抽出された抽出液を貯える保温容器と、保温容器を載置し保温容器内の抽出液を保温するウォーマーとを具備し、給水タンクに所望の水を給水すると給水パイプを通じて湯沸かしタンク内に入り、この湯沸かしタンク内の水がヒータにて加熱されて沸騰する。
【0003】
更に、給水タンクに必要とする所定の水を追加すると給水パイプを通じて湯沸かしタンク内に追加の水が供給され、湯沸かしタンク内でこの追加の水に相当する沸騰水がサイホン現象の働きにて吐出パイプを通じてチャンバー上部へ吐出される。このチャンバーには濾紙を敷いた後、コーヒー粉、紅茶葉等の原料をセットし、このチャンバー上部より吐出された沸騰水は原料と混合し、チャンバー下部より抽出液となって滴下され、保温容器内に溜められる。
【0004】
この保温容器は飲料抽出機のチヤンバー下方から抽出された暖かいコーヒー、紅茶等の抽出液を貯える内容器と、内容器内の抽出液を保温する保温ヒータと、液量表示管を介して内容器内の抽出液量を表示する液量表示機構と、電動ポンプ、揚水パイプを介して内容器内の抽出液を吐出する吐出機構と、吐出機構を駆動する駆動手段と、保温ヒータ、駆動手段を操作する電気回路機構とを設け、電動ポンプを介して液体を吐出する電動式電気ポットと同様に、この吐出機構の揚水パイプを液量表示管と兼用して、液量表示機構を吐出機構内に包括し、内容器内の液量をこの揚水パイプの目視によって確認していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、揚水パイプを液量表示管と兼用すると構造や部品点数は軽減できても、この種の飲料抽出機用の保温容器では、吐出中、吐出後に電動ポンプの水吸引力と、揚水パイプへの注入内径の大きさによる流通抵抗の減少とによって、液面がこの揚水パイプ内を大きく上下動して、液面を容易に目視で確認することが困難であるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明はこのような従来の飲料抽出機用の保温容器が有していた課題を解決したものであって、液量表示機構と吐出機構とを別個に設け、電動ポンプの水吸引力と液量表示管入口内径による流通抵抗の増大との相乗効果によって、液面の上下変動を減少させ容易に液面を目視確認できると共に液量表示機構の構造、組立作業も簡単にできることを目的とした飲料抽出機用の保温容器を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の飲料抽出機用の保温容器は、飲料抽出機1の加熱された高温の湯をチヤンバー9内のコーヒー粉、紅茶葉等注いで、チヤンバー下方から抽出された暖かいコーヒー、紅茶等の抽出液を貯える保温容器11を設け、保温容器に抽出液を貯蔵する内容器14と、内容器14内の抽出液を保温する保温ヒータ15と、液量表示管39を介して内容器14内の抽出液量を表示する液量表示機構21と、電動ポンプ27を介して内容器14内の抽出液を吐出する吐出機構20と、吐出機構20を駆動する駆動手段と、保温ヒータ15、駆動手段を操作する電気回路機構とを設け、内容器14底面の下端細口筒22と吐出機構20の電動ポンプ27との間を流水パイプ29にて接続し、流水パイプ29に細い枝パイプ35を一体的に設けると共に液量表示機構21の液量表示管39下端と枝パイプ35との間を液量ジョイントパイプ40にて接続する一方、液量表示管39の上端と内容器14上端との間を上部ジョイントパイプ41にて接続する構成としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図に基づき説明する。
図中、図1は本発明実施例の保温容器をセットした状態の飲料抽出機の縦断面図、図2は本発明実施例の保温容器の平面図、図3は本発明実施例の保温容器の液量表示機構を示す縦断面図、図4は本発明実施例の保温容器の底面図、図5は本発明実施例の保温容器の吐出機構を示す縦断面図、図6は図3のA部拡大図、図7は図3のB部拡大図である。
【0009】
コーヒー、紅茶等を抽出する飲料抽出機1は特にオフィス等で使用される業務用のものであって、図1に示すように、本体内上部の給水タンク2と、本体内に配置したヒータ3を備えた熱板4と、この熱板4上に載置した湯沸かしタンク5と、湯沸かしタンク5の上端開口を閉鎖する密閉蓋6と、給水タンク2と湯沸かしタンク5とを連結する給水パイプ7と、本体の上端開口を閉鎖する本体用蓋8と、コーヒー粉、紅茶葉等の原料をセットするすりばち状のチャンバー9と、湯沸かしタンク5内の高温水をチャンバー9上方へ導く導水パイプ10と、コンセントからの電源をコントロールするマイクロコンピュータによる電気回路機構とからなっている。
【0010】
この飲料抽出機1は前部上方に突出したチャンバー9下方に空間を設け、下端にチャンバー9からの抽出液を収容する保温容器11の載置場所となる載置部12を突出している。
この載置部12保温容器11の電源供給用のプラグ13を差し込む保温容器用のコンセントを設けている。
【0011】
飲料抽出機1は給水タンク2に所定の水を給水すると給水パイプ7を通じて湯沸かしタンク5内に入り、この湯沸かしタンク5内の水をヒータ3にて加熱、沸騰させる。
更に、給水タンク2に所望の水を追加すると給水パイプ7を通じて湯沸かしタンク5内に追加の水が供給される。
【0012】
この湯沸かしタンク5内で追加の水に相当する高温水がサイホン現象の働きにて導水パイプ10を通じてチャンバー9上部へ導かれる。このチャンバー9には濾紙を敷いた後、コーヒー粉、紅茶葉等の原料をセットし、このチャンバー9上部より吐出された高温水が原料と混合し、チャンバー9下部より熱い抽出液となって滴下し、保温容器11内に溜められる。
【0013】
保温容器11は図3に示すように、飲料抽出機1のチャンバー9から抽出液を貯える内容器14と、内容器14の外壁底部に内容器内の抽出液を保温する保温ヒータ15と、内容器14を囲んだ外装ケース16と、外装ケース16下端の底部材18と、外装ケース16の上端に着脱自在に装着する蓋体19と、内容器14の抽出液を外部へ吐出する吐出機構20と、内容器14内の抽出液量を表示する液量表示機構21と、吐出機構20を駆動する駆動手段と、保温ヒータ15、吐出機構20、駆動手段を操作するマイクロコンピュータによる電気回路機構とからなっている。33はハンドルである。
【0014】
この飲料抽出機1は保温容器11が載置部12にセットされ、保温容器用のコンセントに保温容器のプラグ13が差し込まれると、業務用のコンセントに差し込まれた飲料抽出機1のプラグより電源の一部が保温容器11へ入力され保温容器11のマイクロコンピュータによる電気回路機構の働きにて保温容器11の保温ヒータ15に通電し、保温容器11の内容器14を加熱して、内容器14内の抽出液を温める。
【0015】
この保温容器11は飲料抽出機1からの抽出液を収容した後であれば、特に飲料抽出機1の載置部12にセットする必要もなく、又、保温容器11のプラグ13を直接家庭用コンセントに差し込んでも何ら支障をきたすものではない。
【0016】
保温容器11の内容器14はガラス製材料にて図3に示すように、有底筒状に形成しており、上端口元を胴体に比べて細口としている。
この内容器14は図7に示すように、底壁中央に外部と連通する下端細口筒22を一体成形している。
下端細口筒22は後述の吐出機構20の電動ポンプ27と流水パイプ29とを介して連通している。
【0017】
保温容器11の保温ヒータ15は薄い平板状に形成しており、中央に四角形状の開口を設けている。
24は極薄の中空円盤状に形成された耐熱性弾性材であって、保温ヒータ15と内容器14との間に張設しており、保温ヒータ15の上面を内容器14の底面に押圧して、保温ヒータ15の熱を内容器14内の抽出液に確実に送っている。
【0018】
保温容器11の外装ケース16は合成樹脂材料にて前面を内側に窪ませて、略円筒状の胴部と胴部上端の肩部17とを一体成形している。
外装ケース16の肩部17は前方に内部中空の嘴部25を突設し、中央部に内容器14の上端細口を上方より覆うように中央筒状部42を設けている。この中央筒状部42の側壁上方には図6に示すように、後述の蓋体19を螺着する螺子を設け、この螺子の下方の前方に後述の液量表示機構21の上部ジョイントパイプ41を嵌合する突出パイプ43を設けている。
【0019】
この突出パイプ43の後端は図6に示すように、肩部17の中央筒状部42の下方側壁に貫通して、内容器14内と挿通するようにしている。
44はシールパッキンである。
保温容器11の底部材18は外装ケース16の下端を閉鎖しており、内容器14と底部材18との間に隙間を設け、この隙間に後述の蓄電池、電気回路機構を備えた配線盤等を配設している。
【0020】
保温容器11の蓋体19はレバー34操作にて蓋体上端中央を開閉自在としており、飲料抽出機1の載置部12に保温容器11が載置され、飲料抽出機1の抽出液を抽出する際に、レバー34を摺動して蓋体上端中央を開放し、蓋体19内部を通り内容器14内と連通してチャンバー9下方から抽出液を直接内容器14内へ滴下する。滴下終了後レバー34を逆方向に摺動して蓋体上端中央を閉鎖しておく。26は外装ケース16と内容器14との間に配設し、内容器14を囲んで内容器14からの放熱を防ぐ断熱材である。
【0021】
保温容器11の吐出機構20は内容器14内の抽出液を外部へ送る電動ポンプ27と、内容器14の下端細口筒22と電動ポンプ27とを連通する流水パイプ29と、内容器14の側壁に沿って上昇した揚水パイプ28と、電動ポンプ27と揚水パイプ28とを連通するジョイントパイプ23と、揚水パイプ28の先端に後端を接続し、他端を嘴部25内より下方に向けて突出した吐出パイプ30と、ジョイントパイプ23、揚水パイプ28を覆った断熱材31と、後述の操作部にあって、電動ポンプ27をON,OFFする吐出スイッチ32とからなっている。
【0022】
吐出機構20の流水パイプ29は図7に示すように、後述の液量表示機構21の液量表示管と連通する細い枝パイプ35を設けている。
吐出機構20の揚水パイプ28はガラス製の筒管で、表面を銀蒸着しており、図5に示すように、内容器14の側壁に非常に近接して垂設して、ジョイントパイプ23と共に断熱材31にて外面全てが覆われている。この揚水パイプ28を覆っている断熱材31は内容器14の側壁に近接している部分で内容器14からの熱を受けやすくするために薄肉とし、側壁より離れるに従って揚水パイプ28からの放熱を防ぐために厚肉に囲っている。
【0023】
この揚水パイプ28が内容器14の側壁に近接することで保温ヒータ15にて暖められた内容器14の熱を受け、揚水パイプ28を暖めることができる。
又、揚水パイプ28の銀蒸着にて揚水パイプ28内にある抽出液の放熱を抑えることができる。
更に、断熱材31にてジョイントパイプ23、揚水パイプ28を覆っているので、このジョイントパイプ23、揚水パイプ28内にある抽出液の放熱を抑えることができる。
【0024】
吐出機構20の吐出スイッチ32は嘴部25の上部表面に設けた操作部36に配設している。
この操作部36は電気回路機構につながっており、電動ポンプ27をON,OFFする吐出スイッチ32、保温ヒータ15用の点灯ランプ等を配設している。
【0025】
保温容器11の駆動手段は電動ポンプ27を駆動するモータとこのモータを駆動する電源とからなっている。この電源は保温容器11内に納めた蓄電池37又は保温ヒータ15の電源となる飲料抽出機1からの電源あるいは家庭用コンセントからの電源であってもよい。この保温容器11の蓄電池37は保温容器11のマイクロコンピュータによる電気回路機構の働きにて飲料抽出機1からの電源あるいは家庭用コンセントからの電源に通電されて急速充電する。
【0026】
この蓄電池37の充電に際しては、飲料抽出機1の給水タンク2に所望の水を追加し、サイホン現象にて湯沸かしタンク5内の追加の水に相当する高温水がチャンバー9内に送られ、抽出液としてチャンバー9下方より滴下する間の約3分〜5分間に充電を完了している。
【0027】
この蓄電池37は充電完了すると操作部36の吐出スイッチ32のONにて内容器14内にある抽出液全てを吐出できるに必要な電動ポンプ27への電力を備えている。本実施例では駆動手段の電源として蓄電池を使用しているが、特にこの蓄電池に限定するものでなく、蓄電池をなくし家庭用コンセントから直接電源を得るようにしても何ら支障をきたすものではない。
38は内容器14内の液温を感知してマイクロコンピュータによる電気回路機構に伝え、保温ヒータ15をON,OFFする温度調節器である。
【0028】
液量表示機構21は図3に示すように、内容器14外側壁に沿って上昇した液量表示管39と、液量表示管39と流水パイプ29の枝パイプ35とを連通する液量ジョイントパイプ40と、液量表示管39の上端と内容器14内と挿通する突出パイプ43とを連通する上部ジョイントパイプ41とからなっている。この液量表示管39は外装ケース16の前面上下方向に設けた切り欠きに透明板を貼った透明部より目視可能としている。
【0029】
上部ジョイントパイプ41は図3に示すように、液量表示管39の内径よりも小さい内径であって、液量表示管39内の内部空気を図6に示すように、突出パイプ43を通して内容器14上部の口元近くに排出可能としている。
液量ジョイントパイプ40は吐出機構20の電動ポンプ27の上方で図7に示すように、流水パイプ29からの細い枝パイプ35と連通しているので、細い枝パイプ35内への大きな流通抵抗を受けて流れ難くする反面、電動ポンプ27の水吸引力を受けて流れようとする相乗効果の影響により、液量表示管39内の液面が大きく上下変動することなく、容易に見やすく液量を確認することができる。
【0030】
以上本発明の代表例と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造のみに限定されるものではなく、例えば電動式電気ポット等であっても、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ本発明にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から既に明らかなように、本発明にいうところの飲料抽出機用の保温容器は飲料抽出機の加熱された高温の湯をチヤンバー内のコーヒー粉、紅茶葉等注いで、チヤンバー下方から抽出された暖かいコーヒー、紅茶等の抽出液を貯える保温容器を設け、保温容器に抽出液を貯蔵する内容器と、内容器内の抽出液を保温する保温ヒータと、液量表示管を介して内容器内の抽出液量を表示する液量表示機構と、電動ポンプを介して内容器内の抽出液を吐出する吐出機構と、吐出機構を駆動する駆動手段と、保温ヒータ、駆動手段を操作する電気回路機構とを設け、内容器底面の下端細口筒と吐出機構の電動ポンプとの間を流水パイプにて接続し、流水パイプに細い枝パイプを一体的に設けると共に液量表示機構の液量表示管下端と枝パイプとの間を液量ジョイントパイプにて接続する一方、液量表示管の上端と内容器上端との間を上部ジョイントパイプにて接続する構成としているので、液量表示機構と吐出機構とを別個に設け、電動ポンプの水吸引力と液量表示管入口内径による流通抵抗の増大との相乗効果によって、液面の上下変動を減少させ容易に液面を目視確認できると共に液量表示機構の構造、組立作業も簡単にできるという顕著な効果を期待することが出来るに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の保温容器をセットした状態の飲料抽出機の縦断面図。
【図2】本発明実施例の保温容器の平面図。
【図3】本発明実施例の保温容器の液量表示機構を示す縦断面図。
【図4】本発明実施例の保温容器の底面図。
【図5】本発明実施例の保温容器の吐出機構を示す縦断面図。
【図6】図3のA部拡大図。
【図7】図3のB部拡大図。
【符号の説明】
1…飲料抽出機
9…チャンバー
11…保温容器
14…内容器
15…保温ヒータ
17…肩部
20…吐出機構
21…液量表示機構
27…電動ポンプ
29…流水パイプ
35…枝パイプ
39…液量表示管
40…液量ジョイントパイプ
41…上部ジョイントパイプ
42…中央筒状部
43…突出パイプ
Claims (1)
- 飲料抽出機(1)の加熱された高温の湯をチヤンバー(9)内のコーヒー粉、紅茶葉等注いで、チヤンバー下方から抽出された暖かいコーヒー、紅茶等の抽出液を貯える保温容器(11)を設け、保温容器に抽出液を貯蔵する内容器(14)と、内容器(14)内の抽出液を保温する保温ヒータ(15)と、液量表示管(39)を介して内容器(14)内の抽出液量を表示する液量表示機構(21)と、電動ポンプ(27)を介して内容器(14)内の抽出液を吐出する吐出機構(20)と、吐出機構(20)を駆動する駆動手段と、保温ヒータ(15)、駆動手段を操作する電気回路機構とを設け、内容器(14)底面の下端細口筒(22)と吐出機構(20)の電動ポンプ(27)との間を流水パイプ(29)にて接続し、流水パイプ(29)に細い枝パイプ(35)を一体的に設けると共に液量表示機構(21)の液量表示管(39)下端と枝パイプ(35)との間を液量ジョイントパイプ(40)にて接続する一方、液量表示管(39)の上端と内容器(14)上端との間を上部ジョイントパイプ(41)にて接続することを特徴とした飲料抽出機用の保温容器。
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