JP3707815B2 - イソプロピルアルコールの製造方法 - Google Patents

イソプロピルアルコールの製造方法 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、塗料溶剤や医薬、農薬、合成原料、洗浄剤として工業的に利用されるイソプロピルアルコールを、プロピレンの直接水和により製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロピレンの液相直接水和によるイソプロピルアルコールの製造は、ブテン水和によるsec-ブタノール製造と共に、旧くから知られている。水和反応に供される触媒は酸触媒であり、強酸性の陽イオン交換樹脂とヘテロポリ酸触媒を利用した製造方法が工業化されている。
なかでも、強酸性の陽イオン交換樹脂に代表される固体触媒を用いる方法では、水和反応を実施する条件が、温度100〜150℃、圧力 60〜200気圧と、ヘテロポリ酸触媒を用いる場合に比べて低温低圧で実施され、反応器または反応システムの構築上優位である。
【0003】
工業的に利用されるイソプロピルアルコールの利用形態の大部分は無水の状態であるため、かかる液相直接水和法では、反応器出口で得られる低濃度のアルコール水溶液を無水にまで濃縮する必要が生じる。この濃縮は、イソプロピルアルコールが水と最低共沸混合物を形成するため、共沸蒸留、脱水蒸留を経て精留操作により無水の製品として製造されるのが通例であり、かかる濃縮に要するエネルギーは極めて多大なものとなっている。
【0004】
かくのごとき濃縮エネルギーの低減化をはかるために、オレフィンの水和反応に供する該オレフィンの超臨界条件下もしくは亜臨界条件下にて水和反応を行い、オレフィン蒸気相に生成アルコールを分配せしめる方法が提案されている。
【0005】
公開特許公報第 60-149536号においては、液相ヘテロポリ酸を触媒としてn−ブテンと水から、sec-ブタノールを製造するに際して、n−ブテンの臨界圧力ならびに臨界温度を上回る温度圧力条件下に液相水和反応を行い、気相側に存在する反応混合物をガス状で反応器外へ抜き出し、冷却、液化して油水分離させ、該油相中から未反応n−ブテンを除去して、ほとんど無水のsec-ブタノールを製造する方法が記載されている。この方法は共沸操作を必要とせず、濃縮にかかわるエネルギーを見かけ上、大幅に低減せしめた好適な例であるが、反応器における原料ブテンの転化率は10%程度に留まり、単に反応器容積が多大となるのみならず、アルコール製造に必要な量論量の実に9倍以上もの多量の未反応ブテンを反応器入口に循環再使用することが要求されるという工業上の問題点を有している。
【0006】
さらに、公告特許公報昭60-24082号では、炭素原子数2〜6の蒸気状低級オレフィンを、液状水で、強酸性固体物質の存在下に高温高圧において直接接触水和し、得られた水性粗アルコールを、反応生成物から分離することにより炭素原子数2〜6の低級アルコールを得るに当たり、(1) オレフィン含有蒸気流を酸性触媒で満たされた反応器に底部から導入し、反応させるべきオレフィン1モル当たり液状水少なくとも1モルを反応器に装入し、(2) オレフィンの臨界温度及び臨界圧力よりも高いか叉は少なくとも僅かに低い温度及び圧力条件で反応させ、(3) 反応混合物の水相を全部反応器に留めるか叉はその主要量を反応器に戻し、(4) 未反応のオレフィン及びほとんどすべての反応生成物を含む蒸気流を反応器頂部から排出し、(5) 排出蒸気流から主として形成されたアルコールから成る粗生成物を液状で分離する、ことを特徴とする製造方法が記載されている。しかしてこの方法によれば、イソプロピルアルコールの生成選択率が高く、液状分離されるイソプロピルアルコールも高濃度で得られるとされている。また、高い選択率は、反応生成物がほとんど直接的に気相に移行して液相中のアルコール濃度が極端に低く保たれることに関連するとされている。その実施例の記載にしたがえば、100 気圧、135 ℃にて液相水和反応を実施し、イソプロピルアルコール選択率は99%以上、液状分離物は80wt%アルコールであり、高濃度濃縮が実現されている。しかしながら、本発明者らの知見によれば未だに共沸組成88wt%には到達していない。さらに、反応転化率については、新原料のプロピレンを毎時 5.6モル供給して液状分離後に 4.2モルのイソプロピルアルコールが得られており総括転化率は75%を呈してはいるが、反応器出口蒸気の一部を反応器に循環使用しているため、反応器入口と出口間での収率は明らかにされていないが、75%以下であることは明白である。
【0007】
さらに、本発明者らの知見および解析によれば、公告特許公報昭60-24082号に記載の方法で、かかる反応器出口でのプロピレン転化率を求めたところ、 135℃及び 100気圧の条件下の水和反応では、該公報のごとく液相中のイソプロピルアルコールを極端に低く保った場合は、反応混合物の水相の反応器への循環量が多大な場合であり、この場合には、例えば液相中のイソプロピルアルコール濃度が10wt%以下では、該転化率は約8%程度に留まることが判明した。すなわち、該公報の方法では、反応器出口蒸気の一部を反応器に直接循環使用して初めて高生成量が得られるのであり、このため反応器容積が多大となり、未反応オレフィンの循環量が多量とならざるを得ないことに変わりはなく、工業上の問題点の直接的解決にはならないと言える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、プロピレンの液相直接水和によりイソプロピルアルコールを製造するに際して、反応器内にて高濃度のイソプロピルアルコールを高い転化率で製造し、濃縮に要するエネルギーを低減すると同時に、多大な反応器容積を必要としない製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、強酸性の固体触媒の存在下に、プロピレンと水とを高温、高圧の下で直接水和し、反応生成物から粗アルコール水溶液を分離し、該水溶液を精製処理してイソプロピルアルコールを製造する方法であり、この方法は、より具体的には、
〔1〕 強酸性の固体触媒の存在下に、プロピレンと水とを、高温、高圧の下で直接水和し、かくして得られた反応生成物から粗アルコール水溶液を分離し、該水溶液を精製処理してイソプロピルアルコールを製造する方法にして、
(1) 該固体触媒を充填もしくは懸濁した反応器内に、プロピレンと、該反応させるプロピレン1モル当たり少なくとも1モル以上となる水と、さらに飽和炭化水素を連続的に供給し、
(2) 該反応器内の温度および圧力を該プロピレンならびに該飽和炭化水素の臨界温度及び臨界圧力以上か、もしくは、僅かに低い条件に保って水和反応させ、
(3) 得られた反応生成物のうち液相の全量もしくは一部を、該液中の水が、反応させるべきプロピレン1モル当たり10モル以上となるように流量にて該反応器入口に循環させ、
(4) 反応生成物のうち蒸気相の全量を反応器から抜き出し、減圧もしくは冷却により一部液化せしめて気体成分を分離した後に、該液化相に含まれる粗イソプロピルアルコールを精製して精イソプロピルアルコールを得る、
ことを特徴とするイソプロピルアルコールの方法であり、または、
〔2〕 飽和炭化水素の供給量がプロピレン供給量に対して、10ないし200 モル%である〔1〕記載の方法であり、または、
〔3〕 残留気体の全量もしくは一部から未反応プロピレンならびに飽和炭化水素を蒸留回収し、反応器入口に循環させて実施する請求項1もしくは請求項2に記載の方法である。
【0010】
まず添付図面について説明するに、図1は本発明方法を実施するためのフローシートである。ここで1はプロピレン供給導管、2は水供給導管、3は飽和炭化水素供給導管、4は液相循環管、5は反応器、6は蒸気相排出管、7は圧力調整弁、8は気液分離器、9は炭化水素排出管、10は凝縮液相排出管である。
【0011】
本発明で対象とする強酸性の固体触媒はとくに限定せらるるものではないが、強酸性の官能基を有する触媒、とりわけ、強酸性の陽イオン交換樹脂を代表的に用いることができる。固体触媒は、反応器内に固定層として充填されてもよく、懸濁状態で使用してもよい。また、液相ヘテロポリ酸のごとき水に溶解性を有する触媒を用いても差し支えないが、かくのごとき触媒は、その腐食性の故に反応器ならびに付帯設備に耐酸性の高級材質、例えばハステロイやチタン等の使用を要求されることが多く、製造設備上は固体触媒の使用が好ましい。
【0012】
液相水和反応で生成したアルコールを、オレフィン蒸気相に回収する方法は、反応平衡の束縛を有する液相からのアルコール回収に比べて、オレフィン分離後のアルコール濃度が高いことが知られているが、この回収アルコールの濃縮に要するエネルギーを低減化せしめるには、オレフィン蒸気相中に分配されるイソプロピルアルコール量が、同じく分配される水の量に比べて充分に多いことが要請される。また、反応器におけるオレフィンの転化率、すなわち、オレフィン蒸気相に回収されるアルコール量に対する反応器に供給されるオレフィン量の比率を高めるには、オレフィン蒸気相へのアルコール分配量の絶対量が大きいことが必要である。
【0013】
本発明者らは、かかる観点から鋭意検討した結果、飽和炭化水素、具体的には炭素数1ないし6、好ましくは炭素数2ないし5、より好ましくは炭素数3ないし4の飽和炭化水素を、これらの臨界温度ならびに臨界圧力を上回るか、もしくは僅かに低い、温度、圧力条件下で用いると、液相から炭化水素蒸気相へイソプロピルアルコールを多量かつ選択的に分配し得ることを見い出した。なお、炭素数があまり、小であると抽出力が低くなり、また、過大であると温度が水和条件より離れてしまうので好ましいものの事例としてはプロパン、n−ブタン、i−ブタン等があげられる。しかも、これらの条件の炭化水素へのイソプロピルアルコールの分配量は、同じ圧力ならびに温度条件下で比較すると、プロピレンを用いる場合に比べて、極めて大きい値を実現しうることを本発明者らは見出したのである。
【0014】
本発明者らの知見によれば、プロピレン(臨界温度 365K、臨界圧力 4.61MPa)、プロパン(臨界温度 369.7K、臨界圧力 4.25MPa)の臨界温度ならびに臨界圧力を上回る、例えば、393 K、8.1MPaの条件下では、炭化水素蒸気相中でのイソプロピルアルコール存在量は、プロパンを使用した場合はプロピレンの場合の約2.5倍を呈し、且つ、炭化水素蒸気相中での炭化水素フリーのイソプロピルアルコール濃度は、プロピレンの場合に約65モル%であるのに対して、プロパンの場合には約75モル%にも達することを本発明者らは見出したのである。これは、イソプロピルアルコールと水の共沸組成68モル%をも上回るものである。さらに、同じ温度及び圧力条件下では、n−ブタン(臨界温度425.6K、臨界圧力 3.76MPa)を用いると、炭化水素蒸気相中のイソプロピルアルコール存在量は、プロピレンの場合の約3倍を呈し、且つ、炭化水素フリーのアルコール濃度も70モル%を上回ることが判明した。
【0015】
すなわち、本発明で規定するような飽和炭化水素、例えば炭素数3ないし4の飽和炭化水素をプロピレン水和反応器にプロピレンと共存させ、その臨界温度ならびに臨界圧力を越えるか、もしくは僅かに低い、温度および圧力条件で用いると、プロピレン液相水和により生成したイソプロピルアルコールを、多量かつ選択的に炭化水素蒸気相に分配させることが可能となり、前述のごとき濃縮エネルギーの低減化とプロピレン転化率の向上を達成することができるという、当業者に予測されざる作用効果を奏するのである。
【0016】
水和反応を実施する反応器内での温度および圧力の操作条件は、プロピレン及び飽和炭化水素の臨界圧力を上回っていることが好ましいが、臨界温度をも上回っていることがより好ましい。反応温度は、高いことが反応速度の観点からは有利であるが、あまり高すぎると、炭化水素蒸気相中に分配されるイソプロピルアルコールの濃度が低下し、濃縮エネルギー低減化の観点から不利となる。また、反応温度が低い場合には、イソプロピルアルコールの炭化水素蒸気相中への分配量が低下し、プロピレン転化率が低下する。50℃ないし 200℃の範囲内で、より好ましくは80℃ないし150℃の範囲で実施することが好ましい。
【0017】
本発明においてプロピレンと共存させる飽和炭化水素は、すでに述べたように好ましくはプロパン、n−ブタンおよびiso −ブタンを挙げることができる。これらの炭化水素を単独でプロピレンと共存させてもよいし、複数を用いてもよい。なかでも、プロパンは、一般的にプロピレンに含まれていることが多いため、飽和炭化水素としてプロパンを用いることが、プロセス構築上は好ましい。
【0018】
飽和炭化水素の共存量は、特に臨界的な制限を有するものではない。この共存量を増加させるとプロピレン転化率を高くすることができるものの、炭化水素の供給もしくは循環使用に関わるエネルギーをも増加するため、反応器に供給するプロピレンに対して、10ないし 200モル%が好ましく、10ないし 100モル%がより好ましい。また、水は反応されるプロピレン1モル当り少なくとも1モル以上(ニューチャージ分として)供給する。その上限としては特に規定するものではないが、30モル以下であり、好ましくは5モル以下である。
【0019】
本発明において炭化水素蒸気相は、未反応プロピレン、飽和炭化水素、イソプロピルアルコール、水、ジイソプロピルエーテルから主として構成される。原料プロピレンによってはプロパンも共存しうるが、飽和炭化水素の共存量を調整することにより、未反応プロピレン量を著しく低減することが可能である。かくのごとき蒸気相を反応器から連続的に取りだした後に、プロピレン及び飽和炭化水素の臨界圧力以下に減圧し、必要に応じて、臨界温度以下に冷却することにより、イソプロピルアルコール及び水を液化させて、未反応の気体状プロピレン及び飽和炭化水素と分離することにより、共沸組成である68モル%と同程度以上の高濃度のイソプロピルアルコール水溶液を得ることができるのである。すなわち共沸蒸留操作を実質上必要としなくなり、さらには、共存水分量が低減化されるため、濃縮に要するエネルギーが大幅に低減されるという顕著な作用効果が得られるのである。
【0020】
気体状の未反応プロピレン及び飽和炭化水素は、アルコールと分離された後に常法に従い蒸留回収し、再び反応器に循環することにより余すところなく使用できる。また、未反応プロピレン及び飽和炭化水素に極めて若干量のイソプロピルアルコールが同伴する場合は、該蒸留塔の底部からこれを回収し精製工程へ供することも、原料原単位向上の点で効果的であることは言うまでもない。
【0021】
反応器における水を主成分とする液相は、全量もしくは主要部を反応器に留めることも可能であるが、その全量もしくは主要部を反応器出口から連続的に抜き出し、反応器入口に循環利用することが、液相水和反応における反応選択率ならびに反応熱除熱の観点から好ましい。液相の循環流量は、循環液中に含まれる水の量が、少なくとも反応器にて反応させるべきプロピレン1モルに対して10モル以上となる流量を保つことが、より好ましくは、反応器に供給されるプロピレン1モルに対して10モル以上となる流量を保つよう調節することが、水和反応におけるジイソプロピルエーテルの副生量低減の上で効果的である。なお、図1においてプロピレン、水、飽和炭化水素は液相循環ラインに供給されるごとくになっているが、もちろん反応器に供給してもよいものであることは当業者に見易い道理であろう。
プロピレン及び飽和炭化水素から分離され高濃度で得られたイソプロピルアルコールは、しかしながら、若干量の水を含んでおり、これより無水のアルコールを得るには脱水操作を行うことが好ましい。脱水操作には、ベンゼンやトルエン、ヘキサン等の共沸蒸留による脱水、ゼオライト等の乾燥剤を用いる脱水などの公知の方法を適用することができる。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を詳述する。
〔実施例1〕
内径30mm、高さ300mm のSUS316製のジャケット付き反応管に市販のマクロポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂レバチットSPC-118 を100mL 充填し、反応管底部より、96%プロピレン(残り4%はプロパン)を毎時 400mmol、プロパンを毎時 214mmol(プロピレン供給量に対して60モル%に相当)、水を毎時 165mmolの流量にて供給し、反応管の温度および圧力を各々130 ℃、80気圧に保ち、反応管上部から液相を毎時115gにて連続的に抜き出して反応管底部に循環供給させ、反応管出口より連続的に排出される気相を、圧力調整弁により30気圧に減圧した後に、気液分離管にて80℃に冷却し、気液分離管の底部より液相を連続的に抜き出した。この操作を開始して24時間後に各部の流量及び温度が定常になったのを確認した後に、気液分離管上部からの気相抜き出し流量及び組成、気液分離管底部からの液相抜き出し流量及び組成、ならびに反応管での循環液相の組成を測定した。
各部の流量及び組成、ならびに、反応管へのプロピレン供給量と気液反応管気相抜き出しのプロピレン量から算出される反応管入口出口間でのプロピレン転化率を表1に示す。
【0023】
〔実施例2〕
実施例1に用いた装置において、プロパン供給を行わず、替わりに、プロピレンに対してn−ブタンを50モル%の比率を維持しながら供給し、同じ液相循環量を保ち、同様の操作を行った。気液分離管からの抜き出し液相中のイソプロピルアルコールを逐次分析し、このイソプロピルアルコール流量が実施例1と等しくなるように、すなわち、アルコール生産量が等しくなるように、反応管へのプロピレン供給量を調整した。これ以外は実施例1と全く同様の操作を行った結果を、表1に併せて示す。
【0024】
〔比較例1〕
実施例1に用いた装置において、プロパンもn−ブタンも供給せずに、反応管に96%プロピレンと水のみを供給し、同じ液相循環量を保ち、同様の操作を行った。気液分離管からの抜き出し液相中のイソプロピルアルコールを逐次分析し、このイソプロピルアルコール流量が実施例1と等しくなるように、すなわち、アルコール生産量が等しくなるように、反応管へのプロピレン供給量を調整した。これ以外は実施例1と全く同様の操作を行った結果を、表1に併せて示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003707815
【0026】
【発明の効果】
本発明により、プロピレンの液相直接水和反応によるイソプロピルアルコールの製造において、未反応オレフィン蒸気相へ生成せしめたイソプロピルアルコールを選択的に移行させて回収する方法の有していた、オレフィン転化率の低さ、オレフィン供給量の過大さ、反応器容積の増大化という問題点を解決するのみならず、極めて高濃度アルコール水溶液を生成させることができ、該方法の有する濃縮エネルギー低減化という長所を発揮し、且つ、これら問題点を克服した現実的な製造方法が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのフローシート
【符号の説明】
1 プロピレン供給導管
2 水供給導管
3 飽和炭化水素供給導管
4 液相循環管
5 反応器
6 蒸気相排出管
7 圧力調整弁
8 気液分離器
9 炭化水素排出管
10 凝縮液相排出管

Claims (3)

  1. 強酸性の固体触媒の存在下に、プロピレンと水とを、高温、高圧の下で直接水和し、かくして得られた反応生成物から粗アルコール水溶液を分離し、該水溶液を精製処理してイソプロピルアルコールを製造する方法にして、
    (1) 該固体触媒を充填もしくは懸濁した反応器内に、プロピレンと、該反応させるプロピレン1モル当たり少なくとも1モル以上となる水と、さらに飽和炭化水素を連続的に供給し、
    (2) 該反応器内の温度および圧力を該プロピレンならびに該飽和炭化水素の臨界温度及び臨界圧力以上か、もしくは、僅かに低い条件に保って水和反応させ、
    (3) 得られた反応生成物のうち液相の全量もしくは一部を、該液中の水が、反応させるべきプロピレン1モル当たり10モル以上となるような流量にて該反応器入口に循環させ、
    (4) 反応生成物のうち蒸気相の全量を反応器から抜き出し、減圧もしくは冷却により一部液化せしめて気体成分を分離した後に、該液化相に含まれる粗イソプロピルアルコールを精製して精イソプロピルアルコールを得る、
    ことを特徴とするイソプロピルアルコールの方法。
  2. 飽和炭化水素の供給量がプロピレン供給量に対して、10ないし200 モル%である請求項1記載の方法。
  3. 残留気体の全量もしくは一部から未反応プロピレンならびに飽和炭化水素を蒸留回収し、反応器入口に循環させて実施する請求項1もしくは請求項2に記載の方法。
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