JP3707448B2 - 有機el素子の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機EL素子の作製方法に関するものであり、特にパッシブマトリクス駆動有機EL素子の上部電極の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子)は、各種フラットパネルディスプレイへの応用が盛んに検討されてきている。有機EL素子は、基板上に少なくとも下部電極、有機EL発光層および上部電極を積層した構造を有する。有機EL素子をパッシブマトリクス駆動する場合、下部電極および上部電極は互いに直交する方向に延びるラインパターンに形成されることが一般的である。
【0003】
ラインパターンを有する上部電極を形成する際には、半導体の分野において通常用いられているウェットプロセスを用いることができない。なぜなら、エッチャントが有機EL発光層を侵してその機能を低下させるからである。そこで従来は、図2に示すように、最初に基板51上にラインパターンを有する下部電極52を形成し、下部電極52上に逆テーパー形状の絶縁隔壁55を形成し、その後に有機EL発光層53および上部電極54を積層してラインパターン(下部陽極52と直交する方向に延びる)を有する陰極を形成する方法が用いられている。
【0004】
ラインパターンを有する陰極の別の作製方法は、作製するラインパターンに対応する開口部を有するメタルマスクを用いて、スパッタないし蒸着法により電極材料を積層して陰極を形成することである。
【0005】
また、特開2000−68054号公報においては、樹脂製ワイヤをマスクとして用いる電極の形成法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、絶縁隔壁を用いる方法においては、有機EL発光層および上部電極の製膜前に絶縁隔壁をあらかじめ形成しておく必要があり、メタルマスクを用いる方法に比較して工程が増えてしまう。一方、メタルマスクを用いる方法において高精細に分離した上部電極を作製する場合には、メタルマスクを薄くする必要があり、蒸着時の輻射熱による撓みでラインパターンのボケが発生したり、メタルマスク自身の強度が低下するという問題点を有する。また、樹脂製ワイヤを用いる方法において高精細に分離した上部電極を作製する場合にも、樹脂製ワイヤを細くする必要があり、蒸着時の輻射熱による撓みでラインパターンのボケが発生したり、樹脂製ワイヤ自身の強度が低下するという問題点を有する。
【0007】
したがって、有機EL発光層の機能低下を伴うことなしに、高精細に分離した上部電極を作製することができる方法が強く求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の実施形態である有機EL素子の作製方法は、ラインパターンを有する下部電極と、有機EL発光層とを設けた基板上に上部電極を均一に形成する工程と、前記上部電極の上に、Al 、AlN、SiO 、Si 、Ta 、ZrO またはTiO を用いて、パッシベーション層を均一に形成する工程と、前記パッシベーション層をレジストをマスクとしてパターニングして、パターン化されたパッシベーション層を形成する工程と、前記レジストを除去する工程と、前記パターン化されたパッシベーション層をマスクとするドライエッチングを行って、前記上部電極を前記下部電極のラインパターンと直交する方向に延びるラインパターンに分離する工程とを具えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記ドライエッチングは反応性イオンエッチングまたは物理的エッチングであってもよい。また、前記パターン化されたパッシベーション層を形成する工程は、レジストをマスクとするドライエッチング(好ましくは反応性イオンエッチング)を含んでもよい。あるいはまた、前記上部電極をラインパターンに分離する工程の後に、第2パッシベーション層を形成する工程をさらに含んでもよい。第2パッシベーション層は、Al 、AlN、SiO 、Si 、Ta 、ZrO またはTiO を用いて形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL素子の作製方法は、ラインパターンを有する下部電極および有機EL発光層を設けた基板上に上部電極を均一に形成する工程と、前記上部電極の上にパターン化されたパッシベーション層を形成する工程と、前記パッシベーション層をマスクとするドライエッチングを行って、前記上部電極を前記下部電極のラインパターンと直交する方向に延びるラインパターンに分離する工程とを具えたことを特徴とする。
【0011】
以下、図1(a)〜(h)を参照しながら、本発明の有機EL素子の作製方法を説明する。図1(a)は、基板1上に、ラインパターンを有する下部陽極2と、有機EL発光層3と、均一に形成された上部陰極4とを示す断面図である。基板1としては、ガラス、プラスチック、シリコンなど当該技術において知られている任意の材料を用いることができる。有機EL発光層3における発光を基板1を通して外部に取り出す場合(ボトムエミッション方式)には、基板1は透明であることが求められる。
【0012】
基板1上に形成される下部電極2は、適切な間隔を有するラインパターン状に形成される。下部電極2のパターニングは、通常のウェットプロセスを用いて行うことができる。有機EL発光層3からの発光を上部電極4側から取り出す場合(トップエミッション方式)に、下部陽極2が有機EL発光層3からの光を反射することが好ましい。有機EL発光層3からの発光を基板1側から取り出す場合(ボトムエミッション方式)には、下部電極が透明であることが必須である。
【0013】
下部電極2を陽極として用いる場合、ホール注入性を向上させるために仕事関数の大きい材料により下部電極を形成する。適当な材料は、ITOまたはIZOのような透明導電性酸化物を含む。これらの材料は透明であるので、ボトムエミッション方式に特に有用である。トップエミッション方式を採る場合には、下部電極2と基板1との間に反射性金属層(例えば、Alなど)を設けることにより反射性を付与することが好ましい。
【0014】
下部電極2を陰極として用いる場合、電子注入性を付与するために仕事関数が小さい材料により下部電極を形成する。適当な材料は、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金あるいは化合物を含む。これらの材料は不透明であるので、ボトムエミッション方式を採る場合には、これら材料の極薄膜(10nm以下)あるいはこれら材料と光が透過できる金属(たとえばAl)との2層構造の超薄膜(10nm以下)を有機発光層3と接触させて配置し、該超薄膜と基板1との間にITOまたはIZOなどの透明導電膜を形成する構成とすることが好ましい。トップエミッション方式を採る場合には、陽極の場合と同様に、下部電極2と基板1との間に反射性金属層(例えば、Alなど)を設けることにより反射性を付与することが好ましい。
【0015】
前記下部陽極2の上に、有機EL発光層3が設けられる。有機EL発光層3は、有機発光材料を含む有機発光層を少なくとも具備し、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層または電子注入層を設けることができる。以下に、例示的な有機EL発光層3の構成を示す(明瞭性のため、両電極を含めて示す)。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
【0016】
有機EL発光層3を構成する各層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、有機発光層として青色から青緑色の発光を得るためには、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。
【0017】
上記の有機EL発光層3の上に、上部電極4を均一に形成する。トップエミッション方式の素子を形成する場合には、有機EL発光層3からの発光に対して上部電極が透明である必要がある。一方、ボトムエミッション方式の素子を形成する場合には、有機EL発光層3からの光を反射することが好ましい。
【0018】
透明性および反射性の陽極および陰極は、下部電極2に関して記載した材料を用いて適宜作製することができる。ただし、陽極の場合には仕事関数の大きな材料が有機EL発光層3と接触し、陰極の場合には仕事関数の小さい材料が有機EL発光層3と接触していることを条件とする。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、有機EL発光層3および上部陰極4を覆うようにパッシベーション層5を形成する。パッシベーション層5を形成するために好ましい材料は、Al、AlN、SiO、Si、Ta、ZrOまたはTiOを含む。パッシベーション層5は、スパッタ法(RFマグネトロンスパッタ、ECRスパッタ、および対向ターゲットスパッタ法を含む)、CVD法、または電子ビーム蒸着法により形成することができる。パッシベーション層5は、50〜1000nm、好ましくは100〜500nmの厚さを有して形成される。後述するように上部電極4の分離を非選択的ドライエッチングにて行う場合、パッシベーション層5をより厚くすることが必要となり、200〜10000nm、好ましくは200〜500nmの厚さを有するパッシベーション層5を用いる。この段階において、有機EL発光層3がパッシベーション層5により覆われるため、次の工程であるレジスト6のパターニングにウェットプロセスを用いることが可能となる。
【0020】
次に、図1(c)に示すように、パッシベーション層5の上にレジスト6を均一に塗布する。レジスト6は、ポジ型であってもネガ型であってもよく、および後述するパッシベーション層のドライエッチングのために適切な材料で形成される。レジスト6の露光および現像(パターニング)を行って、図1(d)に示されるようにパッシベーション層5を露出する開口部を形成する。開口部は、下部陽極2のラインパターンと直交する方向に延びるラインパターンに形成される。なお、図1(d)には1つの開口部の場合を示したが、複数の開口部を設けてもよいことはもちろんである。また、開口部の側壁が垂直である場合を図示したが、該側壁をテーパー状に加工してもよい。
【0021】
次に、レジスト6をマスクとしてパッシベーション層5のドライエッチングを行う。ドライエッチングは、スパッタエッチング、イオンビームエッチング(ミリング)、反応性イオンエッチング(RIE、RFおよびマグネトロンを含む)、反応性イオンビームエッチング、ECRプラズマエッチング、プラズマ分離型マイクロ波プラズマエッチングまたは高密度プラズマエッチング(誘導結合型およびヘリコン波を含む)等、当該技術において知られている物理的エッチング、化学的エッチングおよび物理化学的エッチングの任意の手法を用いて行うことができる。反応性イオンエッチングを用いることが、エッチング速度、選択比、パターンに対する忠実性の点から好ましい。また、ドライエッチングを行う場合には、印加される熱により有機EL発光層3の材料が劣化することを防止するために、基板を冷却することが好ましい。
【0022】
パッシベーション層5がSiOである場合、RIEに用いることができるガスは、ハロゲン化炭化水素(CF、CHF、CCl、C、C、C、C)、HF、NF、SF、およびXeFからなる群から選択される。前述のガスを組み合わせて用いてもよく、あるいはO、H、Ar、C等と混合して用いてもよい。パッシベーション層5がAlである場合、エッチングガスは、BCl、CCl/Ar、およびCl/Arからなる群から選択される。パッシベーション層5がSiである場合、ドライエッチングに用いることができるガスは、ハロゲン化炭化水素(CF、CHF、CCl、CBrF、C、C、C、C)、NF、SF、およびXeFからなる群から選択される。前述のハロゲン化炭化水素を、O、H等と混合して用いてもよい。パッシベーション層5がTaである場合、エッチングガスとしてCFを用いることができる。RIEを用いる場合のレジスト6の厚さは、1〜3μmである。
【0023】
Ar、HeまたはXe等の非反応性ガスを用いる物理的エッチング(スパッタエッチングなど)を用いてもよい。この場合は、レジスト6とパッシベーション層5とのエッチング選択比が低くなるので、レジスト6を厚くする必要があり、好ましくはパッシベーション層の2倍以上の厚さ(例えば400nm以上)を有する必要がある。
【0024】
次に、図1(e)に示すように、レジスト6を除去する。上部電極4の分離を行った後には有機EL発光層が露出するので、上部電極4の分離を行う前にレジストの除去を行うことが好ましい。レジスト6の除去は、当該技術においてよく知られている酸素アッシングにより行うことができる。
【0025】
次に、図1(f)に示すように、パターニングされたパッシベーション層5をマスクとして、ドライエッチングにより、上部陰極4の分離を行う。本工程におけるドライエッチングもまた、スパッタエッチング、イオンビームエッチング(ミリング)、反応性イオンエッチング(RIE、RFおよびマグネトロンを含む)、反応性イオンビームエッチング、ECRプラズマエッチング、プラズマ分離型マイクロ波プラズマエッチングまたは高密度プラズマエッチング(誘導結合型およびヘリコン波を含む)等、当該技術において知られている物理的エッチング、化学的エッチングおよび物理化学的エッチングの任意の手法を用いて行うことができる。化学的イオンエッチングを用いることが、エッチング速度、選択比、パターンに対する忠実性の点から好ましい。また、ドライエッチングを行う場合には、印加される熱により有機EL発光層3の材料が劣化することを防止するために、基板を冷却することが好ましい。
【0026】
上部電極4の材料がIZOまたはITOである場合、塩素系ガス(Clなど)/H、CH/He、CH/H、HI/Ar、CF、またはCHOH/Arを、エッチングガスとして使用することができる。上部電極4の材料がAlである場合、BCl、BCl/Cl/He、BCl/CF/O、CCl、CCl/Ar、CCl/He、またはSiCl等を、エッチングガスとして使用することができる。上部電極4の材料がMoである場合、CBrF、CCl、CCl/O、CF、CF/O、NF、またはSF等を、エッチングガスとして使用することができる。
【0027】
上部電極4がAgまたはMgで形成されている場合、Ar、He、Xe等の非反応性ガスを用いるスパッタエッチング、イオンビームエッチングなどの物理的エッチングによりドライエッチングを実施することができる。この場合には、上部電極4も、パッシベーション層5も非選択的にエッチングされるので、前述のようにパッシベーション層5を厚くする必要がある。
【0028】
本発明の方法を実施するに当たり、上部電極4の分離を行うためのエッチングガスがパッシベーション層5のエッチングを行わないように材料を選択することが好ましい。そのような材料の組合せを以下に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003707448
【0030】
上部電極4が複数の材料から成る積層体である場合には、それぞれの材料に対して、前述のエッチングガスを用いるドライエッチングを実施して上部電極4を分離する。
【0031】
以上のようにして上部電極4を分離した際には、有機EL発光層3が露出し、その一部がエッチングガスにさらされる恐れがある。しかしながら、有機EL発光層3に対するエッチングガスの影響は局所的であり、かつ影響を受ける部分は発光する部分ではない。このため、有機EL素子としての特性はほとんど悪影響を受けることがない。
【0032】
最後に、有機EL発光層3の露出部分およびパッシベーション層5の上面に、第2パッシベーション層7を形成する。第2パッシベーション層7を形成するために好ましい材料は、Al、AlN、SiO、Si、Ta、ZrOまたはTiOを含み、パッシベーション層5と同一であっても異なっていてもよい。。第2パッシベーション層7は、スパッタ法(RFマグネトロンスパッタ、ECRスパッタ、および対向ターゲットスパッタ法を含む)、CVD法、または電子ビーム蒸着法により形成することができる。第2パッシベーション層7は、100〜2000nm、好ましくは200〜1000nmの厚さを有して形成される。
【0033】
この工程により、有機EL発光層3は再び完全に覆われるため、後の工程において塗布(ディップ、スピンコート、キャストなど)またはウェットエッチングなどのウェットプロセスを用いても、有機EL発光層3の特性劣化を発生させることがない。
【0034】
本発明の方法により上部電極の分離を行った後に、さらに加工を行うことにより、多数の有機EL素子をマトリクス上に配列したELディスプレイを作製することができる。
【0035】
トップエミッション方式の有機ELディスプレイの一例を図3に示す。基板21の上に、下部陽極22、有機発光層23、上部透明陰極24およびパッシベーション層25からなる有機EL素子が形成される。ここで、上部透明陰極24の分離を、本発明の方法を用いて実施する。下部陽極22および上部透明電極24は、互いに直交するラインパターンに形成される。一方、透明基板32の上に、所望される色変換フィルター層を形成する。図3においては、青色、緑色および赤色の色変換フィルター層が形成されており、青色変換フィルター層は青色カラーフィルター層26Bから構成され、および緑色および赤色変換フィルター層は、それぞれカラーフィルター層26Gおよび26Rと色変換層27Gおよび27Rとの積層体で構成されている。また、各色変換フィルター層の間にはブラックマスク33が形成されている。次に、それら色変換フィルター層およびブラックマスク33上に保護層28を形成し、さらに上記の層を覆うようにカラーフィルタ保護用パッシベーション層29を形成して、色変換フィルターが得られる。次に有機EL素子と色変換フィルターとを、それらの間に充填剤層30を形成しながら位置合わせをして貼り合わせ、最後に周辺部分を封止樹脂31を用いて封止して、有機ELディスプレイが得られる。
【0036】
ボトムエミッション方式の有機ELディスプレイの一例を図4に示す。透明基板32の上に、所望される色変換フィルター層を形成する。本実施態様においても、青色(26B)、緑色(26G,27G)および赤色(26R,27R)の色変換フィルター層が形成されており、その構成はトップエミッション方式の場合と同等である。また、各色変換フィルター層の間にはブラックマスク33が形成されている。次に、それら色変換フィルター層およびブラックマスク33上に保護層28を形成し、さらに上記の層を覆うようにカラーフィルタ保護用パッシベーション層29が形成する。そして、その上に透明電極34、有機発光層23、上部電極36およびパッシベーション層35からなる有機EL素子を形成する。ここで、パッシベーション層35は、有機EL発光層23以下の全ての層を覆うように形成され、また上部透明電極36の分離を本発明の方法により実施する。透明電極34および上部電極36は、互いに直交するラインパターンに形成される。最後に、充填剤30、封止樹脂31および封止基板37を用いて全体を封止して有機ELディスプレイが得られる。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
ガラス基板1の上に、幅300μm、間隔30μmのラインパターンを有し、厚さ100nmのAlおよび厚さ200nmのIZO(InZnO)からなる下部電極(陽極)2を形成した。Alは有機発光層からの発光を反射して効率よく光を放出することおよび電気抵抗を低減することに有効である。また、仕事関数の大きい材料であるIZOは、有機EL発光層に対してホールを効率よく注入することに有用である。
【0038】
前記下部陽極2を形成した基板1を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子注入層を真空を破らずに順次成膜して有機EL発光層3を形成した。成膜に際して真空槽内圧を1×10−4Paまで減圧した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)を100nm積層した。正孔輸送層は4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。有機発光層は4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層はアルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)を20nm積層した。
【0039】
この後、真空を破ることなく、電子注入に必要な仕事関数の小さな金属Mg/Agを共蒸着法にて膜厚2nmに製膜し、その上にIZO膜をスパッタリング法で膜厚200nmに製膜することにより、上部透明電極(陰極)4を形成した。
【0040】
上部電極4の上に、パッシベーション層5として、スパッタ法にてSiO膜を300nm堆積させた。パッシベーション層5の上に厚さ1.5μmのレジスト6を塗布した。そして、レジスト6を慣用の方法によりパターニングして、幅30μm、間隔100μmのラインパターン状の開口部を形成した。
【0041】
この基板を、RIE装置内に配置し、エッチングガスとしてCHF/Oを用いるドライエッチングを行った。装置内圧力を2Paとし、CHFのガス流量を80sccmとし、Oのガス流量を50sccmとした。RIE装置に30分間にわたって0.1W/cmの電力を印加して、パッシベーション層5のパターニングを実施した。
【0042】
RIE装置内を排気してCHFを除去し、流量50sccmのOガスを導入し、装置内圧力4Pa、印加電力0.1W/cmの条件にて、レジスト6をOアッシングにより除去した。
【0043】
そして、Oガスの排気後に、圧力0.4Pa(3mTorr)のHI/Ar(1:1)をエッチングガスとして用い、30分間にわたって3.75W/cmの電力を印加して、IZOのパターニングを実施した。これにより、パッシベーション層5に覆われていない部分のIZOが除去され、Mg/Agが露出する。
【0044】
HIガスを排気除去した後に、流量50sccmのArガスを導入し、装置内圧力4Pa、印加電力0.1W/cmの条件にてドライエッチングを行い、露出しているMg/Agを除去して、上部電極4の分離を実施した。上部電極4は幅100μm、間隔30μmの下部電極2のラインパターンと直交する方向に延びるラインパターン状となり、パッシベーション層5は、幅100μm、間隔30μm、厚さ300nmのラインパターン状になった。
【0045】
さらに、基板をRIE装置と真空で連結されたスパッタ装置内に装着し、第2パッシベーション層7としてSiO膜を600nm堆積させ、有機EL素子を得た。
【0046】
一方、透明(ガラス)基板上に青色フィルター材料(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCB−7001)をスピンコート法にて塗布後,フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し,膜厚10μmのラインパターンとした。
【0047】
同様のカラーフィルター材料系で赤、緑のカラーフィルター層6Gおよび6Rを上記透明基板上にスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、膜厚1.5μmのラインパターンとした。
【0048】
緑色蛍光色素としてクマリン6(0.7重量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120重量部へ溶解させた。光重合性樹脂の「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)100重量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布溶液を、透明基板上の緑色カラーフィルター層上にスピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施し、膜厚10μmのラインパターンとした。
【0049】
赤色蛍光色素としてクマリン6(0.6重量部)、ローダミン6G(0.3重量部)、ベーシックバイオレット11(0.3重量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120重量部へ溶解させた。光重合性樹脂の「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)100重量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布溶液を、基板の赤色カラーフィルター層上に、スピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施し,膜厚10μmのラインパターンとした。
【0050】
各色の色変換フィルター層の間に、ブラックマスク(厚さ1.5μm)を形成した。熱伝導率の高いブラックマスクとして、色変換フィルター層壁面に、まず格子状のパターン形成が可能なマスクを用いたスパッタ法にて膜厚500nmの酸化クロム層を形成した。次いで、同様のマスクを用い、スパッタ法にて、SiN膜を、R,G,Bの各サブピクセルの周辺に、同膜厚になるように形成した。画素のピッチは0.3×0.3mmで、各色のサブピクセルの形状は、0.1×0.3mmである。
【0051】
色変換フィルター層の上面に、ZPN1100(日本ZEON製)を、色変換フィルター層表面からの厚さが3μmになるようにスピンコート法にて塗布し、保護層を形成した。そして、カラーフィルタ保護用パッシベーション層29として、スパッタ法にてSiON膜を300nm堆積させ、色変換フィルター基板を得た。
【0052】
こうして得られた下部電極、有機EL発光層、上部電極およびパッシベーション層を形成した基板と色変換フィルター基板とをUV硬化型の封止樹脂11で貼り合わせて、有機ELディスプレイを得た。このとき、両基板の間の空間にはシリコーンゲル等の材料を充填剤層10として充填した。
【0053】
【発明の効果】
本発明のようにドライエッチングにより高精細に分離した上部電極を作成することが可能となる。さらに、エッチング溶液を用いないので有機EL発光層がエッチング溶液に接触して、その機能を低下させる恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の作製方法の工程を示す概略図である。
【図2】従来の絶縁隔壁を用いる有機EL素子の作製方法を示す概略図である。
【図3】本発明の方法を利用して作製することができるトップエミッション方式の有機ELディスプレイを示す概略図である。
【図4】本発明の方法を利用して作製することができるボトムエミッション方式の有機ELディスプレイを示す概略図である。
【符号の説明】
1、21,51 基板
2、22、52 下部電極
3、23、53 有機EL発光層
4、24、54 上部電極
5、35 パッシベーション層
6 ワイヤ
7 第2パッシベーション層
26R、26G、26B カラーフィルター層(赤色、緑色、青色)
27R、27G 色変換層(赤色、緑色)
28 保護層
29 カラーフィルタ保護用パッシベーション層
30 充填剤層
31 封止樹脂
32 透明基板
33 ブラックマスク
34 透明電極
36 上部電極
37 封止基板
55 陰極隔壁

Claims (6)

  1. ラインパターンを有する下部電極と、有機EL発光層とを設けた基板上に上部電極を均一に形成する工程と、
    前記上部電極の上に、Al 、AlN、SiO 、Si 、Ta 、ZrO またはTiO を用いて、パッシベーション層を均一に形成する工程と、
    前記パッシベーション層をレジストをマスクとしてパターニングして、パターン化されたパッシベーション層を形成する工程と、
    前記レジストを除去する工程と、
    前記パターン化されたパッシベーション層をマスクとするドライエッチングを行って、前記上部電極を前記下部電極のラインパターンと直交する方向に延びるラインパターンに分離する工程と
    を具えたことを特徴とする有機EL素子の作製方法。
  2. 前記ドライエッチングは、反応性イオンエッチングまたは物理的エッチングであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の作製方法。
  3. 前記パターン化されたパッシベーション層を形成する工程は、レジストをマスクとするドライエッチングを含むことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の作製方法。
  4. 前記レジストをマスクとするドライエッチングは、反応性イオンエッチングまたは物理的エッチングであることを特徴とする請求項3に記載の有機EL素子の作製方法。
  5. 前記上部電極をラインパターンに分離する工程の後に、第2パッシベーション層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の作製方法。
  6. 前記第2パッシベーション層は、Al 、AlN、SiO 、Si 、Ta 、ZrO またはTiO を用いて形成されることを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子の作製方法。
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