JP3707249B2 - 被膜均一性に優れる方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

被膜均一性に優れる方向性けい素鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、変圧器その他の電気機器の鉄心等に用いられる方向性けい素鋼板の製造方法に関し、製造工程中に塗布する焼鈍分離剤を改良することにより被膜均一性を向上させる方法を提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
方向性けい素鋼の製造工程は、鋼スラブを熱間圧延後に冷間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍を施した後、二次再結晶のために最終仕上焼鈍を行うのが一般的である。この最終仕上焼鈍中に二次再結晶が起こり、圧延方向に磁化容易軸の揃った粗大な結晶粒が生成して優れた磁気特性が得られる。この最終仕上焼鈍は鋼板をコイル状に巻いて、長時間かけて行われるために鋼板の焼付きの防止を目的として予め鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布する。この焼鈍分離剤には通常、主剤としてMgO 又はAl2O3 を用いる。前者のMgO を主剤として用いるときには、焼鈍分離剤としての役割以外に、脱炭焼鈍時のSiO2を主体とする酸化層と反応することにより鋼板表面に絶縁被膜であるフォルステライト被膜を形成させるという働きがある。一方、後者のAl2O3 を焼鈍分離剤の主剤に用いるときには、打ち抜き性や鋼板表面を鏡面化してヒステリシス損を低減するためにフォルステライト被膜を形成させないことを目的としている。
【0003】
このような焼鈍分離剤の塗布工程は通常、分離剤を水に懸濁させて攪拌することによりスラリー化し、これをロールコーターにより鋼板表面に塗布し、乾燥炉で乾燥させた後にコイルに巻き取るという工程を採る。このとき、分離剤スラリーの塗布作業性が良好であることは重要であり、塗布作業性が不良であると、例えばスラリー塗布後、乾燥前に鋼板表面で液の流動が起こり、鋼板表面がさざ波状の塗りムラになり、これが仕上焼鈍後の鋼板の模様になって被膜均一性を損なうという問題や、コーターの溝に沿って塗布されない領域が発生する、いわゆるリングパターンと呼ばれる模様ができ、仕上焼鈍後に線状に被膜形成されない部分が発生するという問題が生じる。このため従来から、スラリーの粘度、密度、ふるい通過性等を管理して良好な塗布作業性を得ようとしてきたが、これらの特性を管理しても、満足の行く塗装作業性が得られない場合があった。
【0004】
このような問題を解決するために、様々な方法が開示されている。例えば、特開昭54−60279号公報には、マグネシアのクエン酸活性度を規定し、分離剤にリン酸化合物を添加し、かつ、スラリー中のMgO 濃度を規定することによりスラリー粘度を安定化させる方法が開示されている。また、特開昭55−110732号公報ではMgO スラリーにドライアイス又は炭酸ガスを吹き込むことによりスラリーの粘度を特定する方法が開示されている。更に、特開平8−252505号公報ではスラリーに超音波を照射することにより塗布ムラを低減する方法が開示されている。これらの方法により分離剤スラリー塗布性はかなり改善されてきた。
【0005】
しかしながら、前掲特開昭54−60279号公報の方法では、リン酸を添加することにより仕上焼鈍中にPが侵入し、これが磁気特性に悪影響を及ぼすという問題があった、また、前掲特開昭55−110732号公報の方法では、粘度が急激に変化するために粘度がかえって安定しないという問題があった。また、CがMgO 中に侵入することにより鋼板が浸炭され、時効硬化するという場合もあった。更に、前掲特開平8−252505号公報の方法では、超音波照射効果を得るためには極めて能力の高い超音波を照射しなければならないため設備費がかかり過ぎるという問題があった。
【0006】
これらの他にも種々の技術が開示されているものの、従来の指標で分離剤スラリーを管理するだけでは不十分で、必ずしも均一な塗布はできなかった。また、均一塗布を行うためにはその分離剤の粉体特性、例えば、平均粒径を適度な値に制御することが効果的であることが知られているが、焼鈍分離剤にはフォルステライト被膜形成の反応剤としての働きや、仕上焼鈍中に雰囲気流通性を制御して磁気特性を改善する働きもあるために、各種の粉体特性を塗装作業性のみならず反応性、雰囲気流通性にも好適な値に制御することは難しい。すなわち、良好な反応性や雰囲気流通性を確保するには、最適な値(例えば平均粒径に関しては0.3 μm から5.5 μm 程度の範囲)に厳格に制御しなければならず、塗布性を改善するために粉体特性を変更することは困難であった。更に、近年生産ラインの効率化に伴いライン速度を速める必要が生じ、この際に必然的に分離剤の塗布速度も速くなることから、塗布模様が出やすくなっており、これを改善する必要性は高まってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、大幅な設備の改造の必要がなく、容易な方法で、また、磁気特性にも悪影響を与えずにスラリーを均一に塗布し、これにより被膜の均一性を改善する方法を供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、Si:1.5 〜7.0 wt%含有する鋼素材を加熱後、熱間圧延し、1回もしくは中間焼鈍を含む複数回の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げた後、一次再結晶焼鈍を施し、その後、水でスラリー化した焼鈍分離剤を塗布し、乾燥させてから最終仕上焼鈍を行う一連の工程よりなる方向性けい素鋼板の製造方法において、
焼鈍分離剤スラリーを塗布するに当たり、焼鈍分離剤スラリーの塑性粘度の目標値を 0.1cP 以上5 cP 以下、降伏値の目標値を 0.1dyn cm 2 以上 25dyn cm 2 以下と定め、該目標値となるように調整した焼鈍分離剤スラリーを塗布することを特徴とする方向性けい素鋼板の製造方法である。
【0009】
この発明においては、
焼鈍分離剤の主剤として、平均粒径0.3 μm 以上4.5 μm 以下、水和量0.5 %以上5 %以下、BET 比表面積5 m2/g以上40m2/g以下、30℃でのクエン酸活性度30sec 以上150 sec 以下のMgO を用いること、又は、
焼鈍分離剤の主剤として、平均粒径0.7 μm 以上5.5 μm 以下、BET 比表面積70 m2/g 以上150m2/g 以下のAl2O3 を用いることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
発明者らは、被膜形成に最適な焼鈍分離剤の条件について種々の検討を行った結果、焼鈍分離剤スラリーの塑性粘度、降伏値を制御することにより被膜品質が大きく異なることを新規に見いだした。以下にこの知見を得るに至った実験について述べる。
【0011】
C:0.045 wt%(以下、単に「%」で示す。)、Si:3.25%、Al:0.02%、N:0.0080%、Mn:0.07%、Se:0.02%、Sb:0.03%、Cu:0.08%を含み、残部は実質的にFeよりなるけい素鋼スラブを1350℃で30分加熱後、熱間圧延して2.2 mmの板厚にしたのち、900 ℃,1 分間での熱延板焼鈍を施してから、タンデム圧延機により120 ℃で0.35mm厚に冷間圧延し最終板厚に仕上げた。これを脱炭焼鈍後、表1の粉体特性を持つ種々のMgO にTiO2を5 %添加した焼鈍分離剤を、MgO 1 kg当たり純水を2 〜15リットル混合して水和温度0 〜35℃、水和時間5 分〜2 時間で水和してスラリーとした後、ロールコーターにより塗布、乾燥させた。
【0012】
【表1】
Figure 0003707249
【0013】
この焼鈍分離剤を塗布する際には、水和温度と水和時間、濃度を調整することにより分離剤塗布、乾燥後の水和量をMgO に対して0.5 〜5.0 %の範囲に収まるようにした。更に、分離剤スラリーの塑性粘度、降伏値をそれぞれ0.02〜8 cP(センチポアズ)、0.05〜40dyn/cm2 の範囲の種々の値に変更して行った。この時のスラリーの塑性粘度、降伏応力は次のような手順により求めた。
1. 粘度計はBrookField社製粘度計LVDVIII 型を用いた。型式は共軸二重円筒型である。
2. 試料は所定温度、時間、濃度で攪拌したスラリーを用いた。
3. 所定時間だけ攪拌したスラリーを10〜330 (1/s) の各剪断速度Dで試験を行い各剪断応力τを求めた。
4. 凝集分散系の流体の、分散相の凝集に基づく非ニュートン流体の流動特性を表すCassonの方程式により、剪断速度D(sec-1) と、剪断応力τ(dyn・cm-2) は、降伏値τ0 と塑性粘度ηを用いて、
(τ)1/2 =(τ0 )1/2 +(η・D)1/2
と表される。したがって、各剪断速度ごとに得られた剪断応力の値を最小二乗法で解析することにより降伏値τ0 、塑性粘度ηを算出した。
【0014】
焼鈍分離剤の塗布後は最終仕上焼鈍を行った。最終仕上焼鈍前のコイルの塗布外観と塑性粘度、降伏値との関係を図1に示す。どのような粉体特性のMgO であっても塑性粘度を0.1 cP〜5 cP、降伏値を0.1 dyn/cm2 〜25dyn/cm2 の範囲内にすることにより、コイルの塗布外観は改善されている。特に、MgO に表1のNo.1〜5 のものを用いて降伏値、塑性粘度を上記範囲内に収めると、とりわけ均一で美麗な被膜外観となった。表1のNo.6〜9 のMgO でも同様の効果は認められるものの、若干のムラがあり、降伏値、塑性粘度が上記範囲内から外れると著しい模様ができたり被膜が形成されない部分が生じたりした。
【0015】
このような結果が得られたメカニズムについては、以下のように考えられる。まず、降伏値は低剪断速度域での粘弾性に関与し、これを適正化することにより塗布後の液の流動性や分離剤を水と混合する際の分散性を良好にする。この降伏値が低すぎると塗布後の液の流動が起こり塗布ムラが発生する。逆に高すぎると粉体を懸濁させたり混合したりするときに分散不良となり、添加剤などが不均一な状態で塗布されるために被膜にムラができるものと考えられる。また、塑性粘度は高剪断速度域での粘弾性に関与し、これを適正化することによりコーターでの塗布性を適正化することができる。この塑性粘度の値が高すぎるとリングパターンが発生しやすくなる。低すぎると分離剤の塗布量を所定の値まで確保することが難しくなり、このためロールギャップを過大に広げなければならなくなり塗布ムラを生じる。以上の点から降伏値、塑性粘度を適正化することにより被膜均一性が確保されるものと思われる。
【0016】
なお、このように塑性粘度、降伏値を制御するには、水和温度、時間、濃度、攪拌時間等を総合的に調整する必要があるが、この際にMgO の水和による持込水分が変化し、これが仕上焼鈍中に放出されて鋼板を酸化することにより磁気特性に悪影響を及ぼしてしまう危険性がある。この点から、水和時の水和量は分離剤に対して0.5 〜5 %の範囲に収めるよう調整しなければならない。
【0017】
次に、この発明の限定理由について述べる。
この発明の素材である含けい素鋼は、方向性けい素鋼板用素材であれば特に鋼種を問わないが、代表的な成分組成範囲としては、次のとおりである。
まず、Cは出鋼段階で低下させて脱炭焼鈍を行わない方法とある程度の量を確保して組織の改善を図り、その後脱炭焼鈍により除去する方法とがある。前者ではCの悪影響を避けるためには、0.01%以下にし、後者では組織改善のための好適範囲は0.01%以上0.10%以下である。次に、Siは2 〜4.5 %である。2 %未満では鉄損の低減効果が弱まり、4.5 %を超えると冷延性が損なわれる。
【0018】
C、Siの他に、インヒビター構成成分を添加する。インヒビターとしてはAlN 、MnS 、MnSe等が良く知られているが、これらの何れを用いてもよく、また、これらの二以上を複合して用いても良い。インヒビターにMnS 及び/又はMnSeを用いる場合は、Mn:0.03〜0.10%、SとSeの合計量:0.01〜0.03%にする。AlN をインヒビターに用いる場合は、Al:0.005 〜0.04%、N:30〜120 ppm とする。いずれもこれらの範囲よりも低いとインヒビターとして効果が働かず、高いと二次再結晶が不安定になる。
また、これらの主インヒビターの他に、補助インヒビター成分としてCu,Sn,Cr,Sb,Ge,Mo,Te,Bi,P,V等の1種又は2種以上を使うこともできる。インヒビターとしての働きに有効な濃度としては補助インヒビターの合計量で0.01%以上0.2 %以下である。これらの各インヒビターは単独使用、複数使用いずれも可能である。
【0019】
これらの素材を公知の方法で熱間圧延を行った後、1 回もしくは中間焼鈍を挟む複数回の冷間圧延を行って最終板厚にする。また、必要に応じて熱延板を冷間圧延前に焼鈍することも可能である。
冷間圧延の後、一次再結晶焼鈍を行い、焼鈍分離剤を塗布したのち、最終仕上焼鈍を行う。良好な被膜を得るためには、一次再結晶焼鈍から仕上焼鈍までの過程、なかでも焼鈍分離剤の塗布を厳重に管理する必要がある。
【0020】
まず、一次再結晶焼鈍の雰囲気、温度、焼鈍時間は特に限定するものではないが、通常、雰囲気は水蒸気、水素分圧比 PH2O /PH2で0.05以上0.68以下が採用される。これは、良好な内部酸化層を形成させるためのものであり、0.05未満であれば酸化層が薄くなり過ぎ、0.68より高いと酸化層中の酸素分が多くなり過ぎて、いずれも仕上焼鈍中のインヒビターの酸化が激しくなり、磁気特性の劣化を招くことが多くなる。また、焼鈍温度は750 ℃以上900 ℃以下、焼鈍時間は30秒以上180 秒以下とするのが望ましい。なお、一次再結晶焼鈍の加熱時の雰囲気と均熱時の雰囲気とを別々に制御して被膜特性を向上させる方法が知られているが、この発明ではこの方法を用いることもできる。更に、AlN をインヒビターとする場合に一次再結晶焼鈍の前、途中又は後に窒化を行う方法が知られているが、この発明でこのような方法を併せて行っても差し支えない。
【0021】
一次再結晶焼鈍後には仕上焼鈍時の焼付き防止のために、焼鈍分離剤を塗布する。焼鈍分離剤の主剤にはMgO 又はAl2O3 が用いられる。MgO を主剤として用いるときには、MgO を少なくとも40%は含有するところの焼鈍分離剤を用いる。MgO は平均粒径0.3 μm 以上4.5 μm 以下、水和量0.5 %以上5 %以下、BET 比表面積5 m2/g以上40m2/g以下、30℃でのクエン酸活性度30sec 以上150 sec 以下であることが好ましい。
【0022】
MgO の平均粒径は、ヘキサメタリン酸0.2 %水溶液で、300 W ,3 分間の超音波分散を行った後、レーザー回折式粒度分布計を用いることにより測定するという方法を用いた。平均粒径が0.3 μm 未満であれば仕上焼鈍中の雰囲気流通性が低下し、4.5 μm を超えると通気性が高くなりすぎ、いずれも磁気特性に不利となる。
【0023】
水和量は所定条件での水和後の1000℃,1 h 熱処理による強熱減量より求めた。水和量は仕上焼鈍中に持ち込まれる水分の量を表し、これは仕上焼鈍時に放出されて被膜形成反応時の酸素分となり被膜形成を促進する。上記の範囲から外れると被膜が過度に形成されたり、逆に被膜不良になったりすることにより被膜密着性不良や被膜模様をもたらす。
【0024】
BET 比表面積はガス吸着法を用いて測定するもので、ガス種はN2、前処理条件は330 ℃×6 時間、真空中で行った。また、測定は相対圧0 〜0.99までのガス吸着量の値をBET 多点法により解析するという方法を用いた。クエン酸活性度はクエン酸28.0g 、無水安息香酸ナトリウム0.25g 、1 %フェノールフタレインアルコール液2.0ml を純水に溶かし、1000mlとした溶液を200 ml容ビーカーに100 mlをとり、30±0.5 ℃に温度を上げ、直径8 mm、長さ35mm、プラスチック外装の磁石の回転子を入れ、30±0.5 ℃の温度に調整した恒温槽付きマグミキサーにセットし、pHメーターの電極をクエン酸溶液中に入れ、ここに、2.0 g のMgO を液中に投入して10秒後に回転子を900 rpm で回転させて液を攪拌し、液中に投入してからpHが8.0 になるまでの時間を測定するという方法を用いた。BET 比表面積、クエン酸活性度はいずれも被膜反応性に関与し、前述の値の範囲を外れると被膜形成不良となったり、被膜形成過多となったりして不良となる。
【0025】
Al2O3 を主剤とした焼鈍分離剤を用いる場合には、Al2O3 は被膜形成を抑制するために少なくとも30%以上を含有させる。このAl2O3 は平均粒径0.7 μm 以上5.5 μm 以下、BET 比表面積70 m2/g 以上150m2/g 以下とする。測定法は前述のMgO と同じ方法で行った。平均粒径、BET 比表面積とも仕上焼鈍中の鋼板の雰囲気流通性を適正に保つために制御する必要があり、これらの範囲を外れると磁気特性が不良となる。
【0026】
これらの分離剤を水で懸濁してスラリー化し、所定の時間混合後、鋼板に塗布し、乾燥させるが、このときのスラリーの塑性粘度、降伏値はそれぞれ塑性粘度を0.1 cP以上5 cP以下、降伏値を0.1 dyn/cm2 以上25 dyn/cm2以下とする。
【0027】
降伏値は0.1 dyn/cm2 よりも低いと塗布後の液の流動が起こり塗布ムラが発生する。逆に25 dyn/cm2よりも高いと粉体を懸濁させたり混合したりするときに分散不良となり、添加物などが不均一状態で塗布されるために塗布ムラができる。塑性粘度は0.1 cPよりも低いと分離剤の塗布量を所定の値まで確保することが難しくなり、このためロールギャップを過大に広げなければならなくなり、塗布ムラを生じる。このような塗布ムラが仕上焼鈍後に部分的な被膜欠陥や模様、膜無し材の場合は部分的な被膜形成をもたらす。5 cPよりも高いとリングパターンが発生しやすくなる。
【0028】
このように塑性粘度、降伏値を適正値に収める方法としては、分離剤と水の配合比を変更する方法、水和温度、水和時間、水和時の攪拌の強さを調整する方法などがある。このうち、分離剤の水に対する配合比を高めると、塑性粘度、降伏値は高まる。水和温度を高めると、降伏値、塑性粘度を低下させる。水和時間を長くすると、降伏値は一旦、低下したのち再び増大する。水和時の攪拌を強めると塑性粘度を高める働きがある。なお、水和温度や時間を高めると水和量も必然的に高まるため、水和量が大きく変化しないような調整を行わなければならない。したがって、例えば、分離剤−水配合比により降伏値を一定範囲に収めて、塑性粘度を攪拌速度、水和量を水和時間で調整するといった制御方法が考えられる。なお、この他にも従来公知の方法で、分離剤表面に水分吸着層を形成させる方法やスラリーに超音波照射をかける方法等が知られており、これらによっても塑性粘度や降伏値、水和量を調整できるので利用することが可能である。なお、膜無し材を製造するためには、分離剤主剤にAl2O3 を用いる方法の他に、MgO を主剤に使ってこれに塩化物やアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物を添加する方法が知られているが、この方法をこの発明に用いることも有効である。
【0029】
焼鈍分離剤には磁気特性、被膜改善のために助剤を添加することができる。この助剤には従来より公知のものでよいが一般的にはMn,Cu,Nb,Tl,Sr,Bi,Fe,Sn,Ti,Mg,Sb,Ca,Liの酸化物、水酸化物、硫酸塩、ほう酸塩、ほう化物、塩化物等が知られている。これらの化合物を添加する場合の添加量はMgO に対してトータルで0.5 重量部以上0.5 重量部以下とする条件が通常採用される。
なお、添加剤を用いることにより、スラリーの降伏値、組成粘度が変化することもあり、このような場合には添加剤を全て含めた状態でのスラリーの降伏値、塑性粘度を管理する必要がある。
【0030】
焼鈍分離剤の塗布後は仕上焼鈍を行う。最終仕上焼鈍は従来より公知の方法で良い。これら一連の処理の後、張力被膜コートを施してフラットニング焼鈍をして製品に仕上げる。かかる処理工程によって優れた磁気特性を有する方向性けい素鋼を得ることができる。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
C:0.05%、Si:3.28%、Mn:0.07%、Se:0.01%、Sb:0.025 %を含み、残部は実質的にFeよりなるスラブを1400℃に加熱し、2.2 mm厚に熱間圧延し、次いで900 ℃で1 分間の熱延板焼鈍を行ったのち、タンデム圧延機で冷間圧延して0.23mm厚の最終板厚に仕上げた。これを840 ℃で2 分間の脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤として表1のNo. 1 のMgO に6 %のTiO2と1 %のSrSO4 とを添加し、正回転ロールコーターで塗布し、乾燥させた。このとき、MgO を事前に湿水素雰囲気中に暴露することにより水和量を0.4 〜6 %に変更し、かつ、分離剤濃度、攪拌強度等を変更することにより塑性粘度を1 〜2 cP、降伏値を1 〜2 dyn/cm2 の範囲内で一定とした。その後、仕上焼鈍として800 〜1150℃までを昇温速度20℃/hで昇温し、引き続きドライH2雰囲気で1150℃,5 h の純化焼鈍を施した。これにリン酸マグネシウム−コロイド状シリカの系の絶縁コーティングを塗布し、焼付けを兼ねてヒートフラットニング処理を施した。
【0032】
このようにして得られた鋼板の被膜、磁気特性を調査した結果を表2に示す。この表2における被膜欠陥発生率は、レーザー式検査装置でコイル全長を長手方向500 mm、幅200 mmずつのブロックに分割し、被膜欠陥の発生したブロックを全体に対する割合で評価した。また、被膜密着性は、非剥離最小曲げ径で示している。降伏値を一定にしたうえで、水和量が0.5 〜5 %の範囲内にすることにより、被膜特性のみならず鉄損、磁束密度とも良好な値となっている。
【0033】
【表2】
Figure 0003707249
【0034】
(実施例2)
C:0.06%、Si:3.28%、Mn:0.07%、Se:0.02%、Sb:0.025 %を含み、残部は実質的にFeよりなるスラブを1400℃に加熱し、2.2 mm厚に熱間圧延し、次いで1050℃で2 分間の中間焼鈍を挟む2 回の冷間圧延により最終板厚0.30mmに仕上げた。これを850 ℃で2 分間の脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤として表1のNo. 3 のMgO に2 %のTiO2と種々の助剤を1 %添加し、正回転ロールコーターで塗布し、乾燥させた。このとき、表3の2 条件により降伏値、塑性粘度を変更した。その後、仕上焼鈍として820 ℃で50h 保定した後、ドライH2雰囲気で1150℃,5 h の純化焼鈍を施した。これにリン酸マグネシウム−コロイド状シリカの系の絶縁コーティングを塗布し、焼付けを兼ねてヒートフラットニング処理を施した。
【0035】
【表3】
Figure 0003707249
【0036】
このようにして得られた鋼板の被膜、磁気特性を調査した結果を表4に示す。いずれの焼鈍分離剤用の助剤を用いた場合でも降伏値、塑性粘度、水和量をこの発明の範囲内に制御した場合は磁気特性、被膜特性が良好となっている。
【0037】
【表4】
Figure 0003707249
【0038】
(実施例3)
化学成分の異なる種々のけい素鋼塊を1380℃で30分間加熱後、熱間圧延して2.2 mmの板厚にした後、1050℃で1 分間の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により最終板厚0.23mmに仕上げた。これを800 ℃で3分間の脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤として表1のNo.4のMgO に6%のTiO2と1%のSrSO4 を正回転ロールコーターで塗布し、乾燥させた。このとき、表3の条件で焼鈍分離剤を調合、攪拌し、表3のスラリーNo. 1は水和量2.3 %、塑性粘度1.5 cP、降伏値8.0 dyn/cm2 とし、スラリーNo. 2は水和量3.1 %、塑性粘度5.5 cP、降伏値25.9dyn/cm2 とした。その後、仕上焼鈍として800 で15時間保定した後、850 〜1150℃までを昇温速度15℃/hで昇温し、引き続きドライH2雰囲気で1150℃,5hの純化焼鈍を施した。これにリン酸マグネシウム−コロイド状シリカの系の絶縁コーティングを塗布し、焼付けを兼ねてヒートフラットニング処理を施した。
このようにして得られた鋼板の被膜、磁気特性を調査した結果を表5に示す。この発明の範囲においては、優れた磁気特性、被膜特性が実現されている。
【0039】
【表5】
Figure 0003707249
【0040】
(実施例4)
C:0.06%、Si:3.27%、Mn:0.07%、Se:0.02%、Sb:0.026 %を含み残部は実質的にFeよりなるスラブを1400℃に加熱し、次いで2.2 mm厚まで熱間圧延した後、1050℃で2 min 間の中間焼鈍を挟む2 回の冷間圧延により最終板厚0.20mmに仕上げた。これを840 ℃で2 分間の脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤としてAl2O3 に30%のCaO を添加し、正回転ロールコーターで塗布し、乾燥させた。このとき、表3の2 条件により降伏値、塑性粘度を変更した。また、その後、仕上焼鈍として820 ℃で50h 保定した後、ドライH2雰囲気で1150℃,5 h の純化焼鈍を施した。これにリン酸マグネシウム−コロイド状シリカの系の絶縁コーティングを塗布し、焼付けを兼ねてヒートフラットニング処理を施した。
このようにして得られた鋼板の被膜、磁気特性を調査した結果を表6に示す。適正なAl2O3 を用い、降伏値、塑性粘度をこの発明の範囲に制御した場合は磁気特性が良好でかつ全面にわたって下地被膜がなく、コーティングが均一に塗布された鋼板が得られた。塑性粘度、降伏値がこの発明の範囲から外れると、スラリー塗布後に線状に塗布ムラができ、この模様に沿って仕上焼鈍後に被膜形成され、これがフラットニング後も被膜模様となって残った。
【0041】
【表6】
Figure 0003707249
【0042】
(実施例5)
C:0.06%、Si:3.28%、Mn:0.07%、Se:0.02%、Sb:0.025 %を含み、残部は実質的にFeよりなるスラブを1400℃に加熱し、次いで2.2 mm厚に熱間圧延した後、1050℃で2 分間の中間焼鈍を挟む2 回の冷間圧延により最終板厚0.30mmに仕上げた。これを850 ℃で2 分間脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤として表1の種々の粉体特性を持つMgO に2 %のTiO2を添加し、正回転ロールコーターで塗布し、乾燥させた。このとき、表3の2 条件により降伏値、塑性粘度を変更した。その後、820 ℃で50h 保定した後、ドライH2雰囲気で1150℃,5 h の純化焼鈍を施した。これにリン酸マグネシウム−コロイド状シリカの系の絶縁コーティングを塗布し、焼付けを兼ねてヒートフラットニング処理を施した。
このようにして得られた鋼板の被膜、磁気特性を調査した結果を表7に示す。降伏値、塑性粘度、水和量、MgO 粉体特性をこの発明の範囲に制御した場合は磁気特性、被膜特性が良好となっている。
【0043】
【表7】
Figure 0003707249
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、塗布する焼鈍分離剤スラリーの塑性粘度を0.1 cP以上5 cP以下、降伏値を0.1 dyn/cm2 以上25 dyn/cm2以下とすることにより、磁気特性、被膜特性の良好な方向性けい素鋼板を安定して製造することが可能となり、品質向上に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塑性粘度、降伏値と被膜外観との関係を示す図である。

Claims (3)

  1. Si:1.5〜7.0wt%含有するけい素鋼素材を加熱後、熱間圧延し、1回もしくは中間焼鈍を含む複数回の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げた後、一次再結晶焼鈍を施し、その後、水でスラリー化した焼鈍分離剤を塗布し、乾燥させてから最終仕上焼鈍を行う一連の工程よりなる方向性けい素鋼板の製造方法において、
    焼鈍分離剤スラリーを塗布するに当たり、焼鈍分離剤スラリーの塑性粘度の目標値を 0.1cP 以上5 cP 以下、降伏値の目標値を 0.1dyn cm 2 以上 25dyn cm 2 以下と定め、該目標値となるように調整した焼鈍分離剤スラリーを塗布することを特徴とする方向性けい素鋼板の製造方法。
  2. 焼鈍分離剤の主剤として、平均粒径0.3 μm 以上4.5 μm 以下、水和量0.5 %以上5 %以下、BET 比表面積5 m2/g以上40m2/g以下、30℃でのクエン酸活性度30sec 以上150 sec 以下のMgO を用いることを特徴とする請求項1記載の方向性けい素鋼板の製造方法。
  3. 焼鈍分離剤の主剤として、平均粒径0.7 μm 以上5.5 μm 以下、BET 比表面積70 m2/g 以上150m2/g 以下のAl2O3 を用いることを特徴とする請求項1記載の方向性けい素鋼板の製造方法。
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