JP3707074B2 - 線状ヒーターを用いた成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂の射出成形用金型などで用いられる線状ヒーターを用いた成形用金型に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
製品成形用のキャビティへのゲートまでの材料通路内の成形材料である樹脂を加熱して常時溶融状態に保つホットランナー金型装置において、ゲートをバルブピンなどのバルブ体により機械的に開閉するバルブゲート式金型装置が知られている。なお、ホットランナー金型装置は、成形能率を高めることを目的としたものであり、ゲートを閉じるのは、型開時などにゲートから樹脂が漏れるのを防止するためである。また、バルブゲート式金型装置では、ゲートおよびピン状のバルブ体の軸方向とこのバルブ体の移動方向は、一般的に型閉時に相互間に製品形状のキャビティを形成する固定型および可動型の型開閉方向と一致させてある。すなわち、ゲートはダイレクトゲートになっている。そして、従来のバルブゲート式金型装置では、ゲートおよびこれに嵌合するバルブ体は円柱形状になっていた。
【0003】
ところで、中央部に孔部を有する環状または筒状の製品を成形する場合、その製品の軸方向を型開閉方向と一致させることになる。ところが、従来のような円柱形状のダイレクトゲートでは、環状または筒状の製品の場合、この製品の偏った位置にゲートを設けざるを得ない。しかし、このようにゲートが製品の偏った位置にあると、孔部が妨げとなって、ゲートからキャビティ内に均一に樹脂を充填できず、成形される製品の精度、特に真円度を向上させにくい問題があった。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、中央部に孔部を有する環状または筒状の製品を成形する場合に、ゲートを、孔部を囲む環状にすることが提案されている。この場合、ゲートの形状に合わせてバルブ体は筒状に形成され、このバルブ体内には、製品の孔部に対応するピン体が通される。ここで、従来のこの種の金型装置の一例について、図3を参照しながら説明する。同図において、1は固定型、2は可動型で、型体であるこれら固定型1および可動型2は、図示上下方向(型開閉方向)に互いに移動して開閉し、型閉時に相互間に製品形状のキャビティ3を複数形成するものである。前記固定型1には、前記キャビティ3に臨むゲート形成孔4が設けられ、固定型1に形成された組み込み孔5にバルブ装置6のバルブケーシング7が組み込まれ、該バルブケーシング7の先端が嵌合受部8に嵌合している。そして、前記バルブケーシング7内には、射出成形機に接続されたランナーに連通する材料通路9が形成されている。また、バルブケーシング7の外周には、材料通路9を加熱する加熱手段としてのヒーター10が設けられている。さらに、前記材料通路9内を貫通してほぼ円筒状のバルブ体としてのバルブスリーブ11が設けられており、このバルブスリーブ11の先端側は細長いほぼ円柱状のピン体12が外嵌している。これらバルブスリーブ11およびピン体12は、前記型開閉方向を軸方向としており、バルブスリーブ11はピン体12に対して軸方向へ摺動可能である。また、ピン体12は、前記ゲート形成孔4内に同軸的に位置しており、その結果、これらゲート形成孔4およびピン体12により環状のゲート13は、成形される製品の孔部を囲む環状に形成されることになる。これとともに、ピン体12は、その先端面によりキャビティ3の一部を形成するものである。一方、前記筒状のバルブスリーブ11は、その軸方向に移動するものであるが、前記環状のゲート13に挿脱自在に嵌合する薄肉円筒状のゲート閉塞部14を先端部に有し、ゲート13を開閉するものである。
【0005】
また、前記可動型2はコア15を有し、このコア15はキャビティ3を形成するものであり、製品の内面および孔部を形成する。そして、型閉時には、前記固定型1側のピン体12がコア15に突き当たるようになっている。
【0006】
そして、成形時には、まず固定型1と可動型2とを型閉してこれら固定型1および可動型2間にキャビティ3を形成する。このとき、固定型1側のピン体12は、可動型2のコア15に突き当たってキャビティ3の一部を形成する。そして、ピン体12の駆動によりゲート13を開放し、射出成型機のノズルからスプルーに成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹脂は、マニホールドのランナーからバルブケーシング7内の材料通路9を通って、ゲート13からキャビティ3内に流入する。このキャビティ3内に樹脂が充填された後、ピン体12の駆動によりゲート13を閉塞する。さらに、キャビティ3内の樹脂が冷却して固化した後、固定型1と可動型2とを型開してキャビティ3内の樹脂すなわち成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、全成形サイクルを通じて、ヒーター10の加熱により材料通路9内の樹脂は常時溶融状態に保たれる。
【0007】
そして、このようなホットランナー金型装置においては、上記のようにバルブケーシングの外周にヒーター10を設けて、材料通路9内の樹脂を加熱して常時溶融状態に保つようにしているが、ヒーター10から離れた両端側が低くなる。これは、キャビティ3内の樹脂を速やかに固化させるために冷却される固定型1及び可動型2に対して、バルブケーシング7のゲート13側が前記嵌合受部8で接触し、この接触部を通じてバルブケーシング7から固定型1へ熱が逃げることが一因である。そして、材料通路9における最も温度の低い部分つまり両端側で、樹脂の流動性を確保できるだけの温度が得られるようにしなければならないが、そのため、中間部の温度は過度に高くなる。そして、温度が高すぎると、材料通路9内の樹脂がヤケ(黒い焦げを生じること)を生じ、この樹脂の特性が悪くなる。
【0008】
そして、上記図6に示した構造のものでは、ゲート形成孔4にピン体12が位置することにより環状のゲート13が形成され、そのピン体12が型閉時に可動型2のコア15に突き当たり、ピン体12がコア15により可動型2に接し、ピン体12に接するコア15を伝わってゲート側の熱が可動型2に逃げ易いという問題がある。また、他の構造では、型閉時に可動型のピン体であるコアピンがバルブスリーブに着脱自在に嵌入し、そのコアピンとゲート形成孔との間に環状のゲートを形成するものや、型閉時に固定型のピン体が可動型に着脱自在に嵌入し、そのピン体とゲート形成孔との間に環状のゲートを形成するものなどがあるが、いずれもピン体によりゲート側から可動型に熱が逃げ易いという問題がある。
【0009】
このようにピン体12は温度が低くなり易いため、ピン体12の周囲の樹脂の流動性が低下し、これがバルブスリーブ7の駆動時の抵抗になると共に、流動性の低下した樹脂がキャビティに送られると、成形品にバリなどが発生する虞がある。
【0010】
このような問題を解決する手段として、前記ピン体12にヒーターを内蔵することが考えられる。例えば、図7に示すように、ピン体12内に電熱線16を挿通し、この電熱線16は、ピン体12の先端まで直線部16Aを有し、この直線部16Aの先端にコイル状部16Bが連続してなる。このような構造では、電熱線16の一端側がコイル状部16Bで他端側が直線部16Aであるため、電熱線のワット密度が小さく、単位当りの発熱量が十分に得られないことがある。
【0011】
これに対し、上述したヒーター10として、例えば特許第3154359号公報には、コイル状に巻いた電熱線と、この電熱線を同軸的に内蔵しセージングにより断面形状を4角形状にした外管と、これら電熱線と外管との間に介在させた絶縁材とを備えた線状ヒーターがあり、この線状ヒーターでは、両側をコイル状にできるため、単位長さあたりの発熱量を大きくでき、また、外管がバルブケーシングの外周に面接触し、その接触面積が大きくなり、加熱効率に優れたものとなる。
【0012】
しかし、前記線状ヒーターは四角形の外管が並んだ断面形状をなすから、上述したピン体12で直径の細いものには組み込み難く、ピン体12の内部や孔部分に挿入して使用するには不向きである。
【0013】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、ピン体のキャビティ側を加熱することができる成形用金型を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、この型体に設けられた材料通路およびこの材料通路を前記キャビティへ連通させるゲートと、このゲートを開閉するバルブ体と、このバルブ体を駆動する駆動装置とを備え、前記バルブ体が筒状をなすと共に、このバルブ体の先端側が前記ゲートに挿脱可能に嵌合し、前記筒状のバルブ体の内部に、型閉時に他の型体に接するピン体を貫通させてなるバルブゲート式の成形用金型において、前記ピン体に線状ヒーターを内蔵し、この線状ヒーターは、電熱線と、この電熱線を内蔵した断面略半円状の外管と、これら電熱線と外管との間に介在させた絶縁材と、先端側で前記外管を折り返した折り返し部と、この折り返し部から基端側に設けられ両側の前記外管を沿わせて略円形に形成された円柱部とを備え、前記折り返し部に前記電熱線のコイル部を設け、前記電熱線の基端側を直線状に形成し、前記折り返し部で二重に設けた前記コイル部を、前記ピン体の先端部に対応して設けたものである。
【0015】
線状ヒーターは、円柱部により細い孔などに挿入することが可能となり、孔などに挿入すれば、該孔に外周が面接触して熱伝達率が向上し、それぞれ電熱線を内蔵した両側の外管により、周りを効率良く加熱することができる。
【0016】
また、折り返し部で二重に設けたコイル部により、電熱線のワット密度を大きくすることができ、先端側の発熱量を部分的に大きくすることができる。
【0017】
そして、成形に際しては、複数の型体を型閉してこれらの型体間にキャビティを形成する。このとき、ピン体が他の型体に接すると共に環状のゲート内に位置する。そして、バルブ体によりゲートを開放し、材料通路からゲートを通してキャビティ内に成形材料を充填する。その後、バルブ体を移動させてゲートを閉じる。さらに、キャビティ内の成形材料が冷却して固化した後、型開して製品キャビティ内で固化した成形材料つまり成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、型閉時に、ピン体が他の型体に接するため、他の型体側に熱が逃げ易いが、ピン体に内蔵した線状ヒーターによりピン体のゲート側を加熱し、ピン体周囲の成形材料を常時溶融状態に適した温度に保つことができる。
【0018】
また、請求項2の発明は、前記円柱部をセージングにより形成したものである。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明のバルブゲート式金型装置一実施例について、図1〜図5を参照しながら説明する。まず、成形用金型の例としてバルブゲート式金型装置の構成について説明する。
【0020】
図1〜図2に示すように、21は固定型、22は可動型で、型体であるこれら固定型21および可動型22は、図示上下方向(型開閉方向)に互いに移動して開閉し、型閉時に相互間に製品形状のキャビティ23を複数形成するものである。前記固定型21は、キャビティ23を形成するキャビティブロック26を埋め込んで固定した固定側型板27と、この固定側型板27における可動型22と反対側の面にスペーサーブロック28を介して固定された固定側取り付け板29とを備え、この固定側取り付け板29は、射出成形機の型締用の固定側プラテンに取り付けられるものである。また、前記固定側型板27と前記固定側取り付け板29との間には、マニホールド31が設けられている。このマニホールド31内には、射出成型機のノズルが接続される図示していないスプルーを前記各キャビティ23へ分岐させる材料通路であるランナー32が形成されているとともに、このランナー32を加熱する加熱手段としてのヒーターが設けられている。
【0021】
また、前記マニホールド31における固定側型板27側の面には、バルブ装置33のバルブケーシング34が接続されている。このバルブケーシング34は、前記固定側型板27およびキャビティブロック26に形成された組み付け孔35,36内に挿入されている。そして、バルブケーシング34は、円筒形の本体部37のマニホールド31側の端部に径大部38が形成され、本体部37のゲート側の端部に先端に向って縮小する先端部39が形成されている。
【0022】
また、前記キャビティブロック26の組み付け孔36の先端部は、前記キャビティ23に臨むゲート形成孔41になっている。そして、前記バルブケーシング34内には、前記マニホールド31のランナー32に連通する材料通路42が形成されている。この材料通路42は前記型開閉方向に延びているが、材料通路42におけるマニホールド31側の一部には屈曲部43が形成され、この屈曲部43は後述するバルブ体から離れた位置に開口部43Aを有し、この開口部43Aと前記ライナー32が接続されている。また、バルブケーシング34の中央側たる本体部37の外周には、材料通路42を加熱する中央側加熱手段としてのヒーター44が設けられており、このヒーター44は、ヒーターカバー45により外周側から覆われている。さらに、ヒーター44の内側に添えて温度センサー46が設けられている。また、バルブケーシング34の本体部37およびヒーターカバー45と組み付け孔35,36の内面との間の多くの部分は隙間になっていて、断熱層47を形成している。
【0023】
また、バルブケーシング34の径大部38の外周には、材料通路42の屈曲部43を加熱する径大部加熱手段としてのヒーター51が設けられており、このヒーター51は、ヒーターカバー52により外周側から覆われている。さらに、ヒーター51の内側に添えて温度センサー53が設けられている。そして、径大部38の先端側が組み込み孔35の径大嵌合受部54に嵌合する。
【0024】
さらに、バルブケーシング34の先端部39の外周には、材料通路42を加熱する加熱手段としてのリングヒーター61が設けられており、このリングヒーター61は、線状ヒーターを一重に巻いたものであって、断熱カバーたるヒーターカバー62により外周側から覆われており、該ヒーターカバー62は内部に溶融樹脂が入り込まない気密性を有する。また、リングヒーター61に添えて温度センサー(図示せず)が設けられている。前記先端部39には前記リングヒーター61を巻装する段部39Aが設けられ、そのリングヒーター61の上からリング状のヒーターカバー62が先端部39に外嵌される。そのヒーターカバー62はバルブケーシング34より熱伝導率の低い材質からなり、その外周には円柱外周面状の嵌合部62Aが形成され、この嵌合部62Aが嵌合するゲート側嵌合受部63が、前記組み込み孔36に形成されている。また、先端部39およびヒーターカバー62の外周と組み込み孔36の内面との間の部分は隙間になっていて、該隙間が前記材料通路42と連通し、内部に成形材料たる樹脂(図示せず)が充填されて樹脂断熱層64となる。このよう前記隙間に樹脂が充填されても、ヒーターカバー62により内部のリングヒーター61は樹脂に接することはない。
【0025】
したがって、バルブケーシング34は、先端側(ゲート73側)のヒーターカバー62が嵌合受部63に嵌合すると共に、基端側(反ゲート73側)の径大部38が径大嵌合受部53に嵌合することにより、固定型21の組み込み孔35,36に位置決め状態で組み込まれる。
【0026】
さらに、前記材料通路42内のほぼ中央を貫通してほぼ円筒状のバルブ体としてのバルブスリーブ71が設けられており、このバルブスリーブ71内に細長いほぼ円柱状のピン体たるセンターピン72が嵌合されている。尚、前記開口部43Aはバルブスリーブ71と離れた位置で径大部38の反ゲート73側の面に開口する。それらバルブスリーブ71およびセンターピン72は、前記型開閉方向を軸方向としており、バルブスリーブ71はセンターピン72に対して軸方向へ摺動可能である。また、センターピン72は、前記ゲート形成孔41内に同軸的に位置しており、その結果、これらゲート形成孔41およびセンターピン72の先端部72Aにより形成され前記材料通路42をキャビティ23に連通させるゲート73は、成形される製品の孔部を囲む環状に形成されることになる。すなわち、ゲート形成孔41とのセンターピン72の先端部72Aの間に、環状のゲート73が形成される。これとともに、センターピン72は、その先端面によりキャビティ23の一部を形成するものであって固定型21に位置固定されている。また、センターピン72の先端部72Aが基端側より径大に形成されており、先端部72Aに前記バルブスリーブ71の先端が摺動自在に外嵌し、センターピン72の基端側とバルブスリーブ71との間には間隙71Kが設けられている。
【0027】
一方、前記筒状のバルブスリーブ71は、その軸方向に移動するものであるが、前記環状のゲート73に挿脱自在に嵌合する薄肉円筒状のゲート閉塞部74を先端部に有し、ゲート73を開閉するものである。なお、バルブスリーブ71は、バルブケーシング34の径大部38内に固定されたガイドブッシュ75を摺動自在に貫通しているとともに、バルブケーシング34の材料通路42内に形成された複数の支持羽根76の内側にバルブスリーブ71が常時摺動自在に嵌合している。これにより、バルブスリーブ71がバルブケーシング34に支持されている。さらに、詳細には、3枚の支持羽根76が、材料通路42の内周面に型開閉方向に延びて一体に形成し、これら支持羽根76間が分割された材料通路42となっている。前記支持羽根76は、材料通路42の中心軸に対して120°ずつ離れて放射状に位置している。また、支持羽根76の内側縁は、ゲート73と反対の部分である基端側が凸状湾曲縁となり、他の縁は前記型開閉方向と平行で前記バルブスリーブ71の外周面に摺動する摺動縁となっており、それら複数の支持羽根76によりバルブスリーブ71を摺動自在に支持する。尚、前述のような支持羽根76を一体に有するバルブケーシング34は、例えば放電加工により製造できる。
【0028】
そして、前記バルブスリーブ71の駆動のために、このバルブスリーブ71は、前記マニホールド31に形成された通孔77を貫通して固定側取り付け板29に設けられた駆動装置としての油圧シリンダー装置などの流体圧シリンダー装置78に接続されている。
【0029】
前記可動型22は、前記固定側型板27に突き当たる可動側型板81を有しており、この可動側型板81にコア体たるコアピン82が固定されている。これら可動側型板81およびコアピン82は、ともにキャビティ23を形成するものであるが、特にコアピン82は、製品の内面および孔部を形成するものである。そして、型閉時には、前記固定型21側のセンターピン72がコアピン82に突き当たるようになっている。また、図示していないが、可動側型板81における固定型21と反対側の面には可動側受け板が固定されており、この可動側受け板における固定型21と反対側の面にはスペーサブロックを介して可動側取り付け板が固定されている。この可動側取り付け板は、射出成形機の型締用の可動側プラテンに取り付けられるものである。
【0030】
本発明の線状ヒーター101は、上記のようは射出成形用金型のバルブに用いるものであり、図3〜図4に示すように、電熱線であるニクロム線102をステンレスなどからなる外管103に同軸的に内蔵すると共に、これらニクロム線102と外管103との間に絶縁材である粉末状のマグネシア104を介在させた構造を有する。また、ヒーター101は、前記センターピン72の先端部72Aに対応して、外管103を折り曲げて折り返した折り返し部105を有し、この折り返し部105から基端側には、両側の外管103,103が沿ってなる略断面円形の円柱部106が形成され、個々の外管103,103の断面は略半円形をなす。すなわち、外管103は直径方向の直径部103Tと略半円形の半円部103Hとを有し、両側の外管103,103同志は直径部103T,103Tを突き合わせている。また、両側の外管103,103の基端側において溶着などの固定部107により固定されている。前記ニクロム線102は、先端側においてコイル状に巻いたコイル部102Aを形成し、基端側は直線状に形成され、基端102Bは絶縁状態で外管103,103から外部に引き回され、図示しない加熱制御手段に接続されている。例えば、前記ニクロム線102は、径が0.1ミリで、コイル部102Aの巻き径は0.5ミリ程度である。
【0031】
以下、前記ヒーター101の製法の一例を説明する。図3に示すように、ニクロム線102をステンレスなどからなる外管103に同軸的に内蔵すると共に、これらニクロム線102と外管103との間に絶縁材である粉末状のマグネシア104を介在し、この段階では、外管103は断面略円形で直線状をなす。また、外管103は折り返した後の寸法に合わせて所定長さに形成されており、外管103の端部103Aからニクロム線102の基端102Bを引き出しておく。次に、折り曲げ加工により外管103を略中央で折り返して折り返し部105を形成する。この折り返し部105から基端側では、図4(A)に示すように、両側の断面略円形の外管103,103が沿った状態となり、このままセージング(回転冷間鍛造)により、図4(B)に示すように、両側の外管103,103を併せて断面略円形になるように円柱部106を形成し、必要に応じて基端側で両側の外管103,103を固定部107にて固定する。尚、断面円形の外管103に挿入された状態でコイル部102Aの巻き形は略円形であるが、セージング後は略長円形となる。
【0032】
このような線状ヒーター101によれば、電熱線であるニクロム線102をコイル状に巻いたことにより、コイル部102Aのワット密度を大きくでき、その部分の発熱量を大きくできる。そして、細いニクロム線102により細いコイル部102Aを形成し、さらに、折り返し部105によりコイル部102Aを二重にしてワット密度を上げることができ、しかも、二重に沿わせた外管103,103をセージングして全体断面を略円形としたから、ヒーター101全体を細くでき、金型内の限られたスペースに組む込むのに適したものとなる。
【0033】
そして、前記ヒーター101を成形用金型に用いる場合、前記センターピン72の中心に装着孔72Bを形成し、この装着孔72Bに前記ヒーター101を挿入配置し、折り返し部105を先端部72A側に位置させる。また、図2に示すように、コイル部102Aは、センターピン72の先端部72Aに対応し、先端部72Aの長さと同じかそれより長く形成されている。したがって、ニクロム線102に通電すると、センターピン72の先端部72Aを加熱することができる。
【0034】
つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。成形時には、まず固定型21と可動型22とを型閉してこれら固定型21および可動型22間にキャビティ23を形成する。このとき、固定型21側のピン体32は、可動型22のコアピン82に突き当たってキャビティ23の一部を形成する。そして、射出成型機のノズルからスプルーに成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。また、バルブスリーブ71を図中上方に移動してゲート73を開成する。射出した樹脂は、マニホールド31のランナー32かバルブケーシング34内の材料通路42を通って、環状のゲート73からキャビティ23内に流入する。このキャビティ23内に樹脂が充填された後、バルブスリーブ71をゲート73側に移動し、ゲート閉塞部74によりゲート73を閉塞する。さらに、キャビティ23内の樹脂が冷却して固化した後、固定型21と可動型22とを型開してキャビティ23内の樹脂すなわち成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、全成形サイクルを通じて、ヒーター44,61,51の加熱により材料通路42内の樹脂は常時溶融状態に保たれる。
【0035】
このような成形において、型閉時には、環状のゲート形成孔41内にセンターピン72が位置して環状のゲート73が形成され、そのセンターピン72が可動型22のコアピン82に面接触状態で接する。このため、センターピン72の先端部72Aから可動型22に熱が逃げ易くなるが、センターピン72にヒーター101を内蔵し、このヒーター101は先端部72Aに対応してコイル部102Aを有するから、先端部72Aを効率よく加熱するすることができ、これによりバルブスリーブ72の先端部72A周囲の流動性を確保でき、成形不良の発生を防止できる。
【0036】
このように本実施形態では、請求項4に対応して、互いに開閉し型閉時にキャビティ23を相互間に形成する複数の型体たる固定型21及び可動型22と、この固定型21に設けられた材料通路42およびこの材料通路42をキャビティ23へ連通させるゲート73と、このゲート73を開閉するバルブ体たるバルブスリーブ71と、このバルブスリーブ71を駆動する駆動装置たる流体圧シリンダー装置78とを備え、バルブスリーブ71が筒状をなすと共に、このバルブスリーブ71の先端側がゲート73に挿脱可能に嵌合し、筒状のバルブスリー71の内部に、型閉時に他の型体たる可動型22に接するピン体たるセンターピン72を貫通させてなるバルブゲート式の成形用金型において、センターピン72に線状ヒーター101を内蔵し、電熱線たるニクロム線102と、このニクロム線102を内蔵した断面略半円状の外管103と、これらニクロム線102と外管103との間に介在させた絶縁材たるマグネシア104と、先端側で外管103を折り返した折り返し部105と、この折り返し部105から基端側に設けられ両側の外管103,103を沿わせて略円形に形成された円柱部106とを備え、折り返し部 105 にニクロム線 102 のコイル部コイル部 102 Aを設け、ニクロム線 102 の基端側を直線状に形成し、折り返し部 105 で二重に設けたコイル部 102 Aを、センターピン 72 の先端部 72 Aに対応して設けたから、成形に際しては、複数の固定型21及び可動型22を型閉してこれらの固定型21及び可動型22間にキャビティ23を形成する。このとき、センターピン72が可動型22のコアピン82に接すると共に環状のゲート73内に位置する。そして、バルブスリーブ71によりゲート73を開放し、材料通路42からゲート73を通してキャビティ23内に成形材料を充填する。その後、バルブスリーブ71を移動させてゲート73を閉じる。さらに、キャビティ23内の成形材料が冷却して固化した後、型開して製品キャビティ23内で固化した成形材料つまり成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、型閉時に、センターピン72が可動型22のコアピン82に接するため、他の型体側に熱が逃げ易いが、センターピン72に内蔵した線状ヒーター101によりセンターピン72のゲート73側を加熱し、センターピン72の先端側周囲の樹脂を常時溶融状態に適した温度に保つことができる。また、コイル部102Aをセンターピン72の先端部72Aに対応して設けたから、加熱が必要な先端部72Aを効率良くかつ均一に加熱することができる。
【0037】
また、線状ヒーター 101 は、円柱部106により細い孔である装着孔72Bなどに挿入することが可能となり、装着孔72Bに挿入すれば、装着孔72Bに円柱部106の外周が面接触して熱伝達率が向上し、それぞれニクロム線102を内蔵した両側の外管103,103により、周りを効率良く加熱することができる。さらに、二重に設けたコイル部102Aにより先端側におけるニクロム線102のワット密度を大きくすることができ、先端側の発熱量を部分的に大きくすることができる
【0038】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、円柱部 106 をセージングにより形成したものである。
【0039】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、ヒーターを構成する電熱線,外管や絶縁材の材質などは、その使用目的などにより適宜設定できる
【0040】
また、成形用金型において、前記実施形態では、ピン体であるセンターピンをバルブ装置に設け、前記他の型体は、型閉時にセンターピンが突き当たるコア体を設ける例を示したが、型閉時に可動型のピン体であるコアピンがバルブスリーブに着脱自在に嵌入し、そのコアピンとゲート形成孔との間に環状のゲートを形成するものや、型閉時に固定型のピン体が可動型に着脱自在に嵌入し、そのピン体とゲート形成孔との間に環状のゲートを形成するものにも本発明は適用可能である。また、実施形態では、センターピンにバルブスリーブが直接外嵌する例を示したが、両者間に他の部材が介在してもよい。また、実施形態では、外周が円形の径大部を示したが、径大部は円形に限らず、本体部より大きく構成されたものであればよい。さらに、前記実施形態では、成形材料が熱可塑性樹脂であったが、本発明は、熱可塑性樹脂以外の成形材料の成形にも適用できる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、この型体に設けられた材料通路およびこの材料通路を前記キャビティへ連通させるゲートと、このゲートを開閉するバルブ体と、このバルブ体を駆動する駆動装置とを備え、前記バルブ体が筒状をなすと共に、このバルブ体の先端側が前記ゲートに挿脱可能に嵌合し、前記筒状のバルブ体の内部に、型閉時に他の型体に接するピン体を貫通させてなるバルブゲート式の成形用金型において、前記ピン体に線状ヒーターを内蔵し、この線状ヒーターは、電熱線と、この電熱線を内蔵した断面略半円状の外管と、これら電熱線と外管との間に介在させた絶縁材と、先端側で前記外管を折り返した折り返し部と、この折り返し部から基端側に設けられ両側の前記外管を沿わせて略円形に形成された円柱部とを備え、前記折り返し部に前記電熱線のコイル部を設け、前記電熱線の基端側を直線状に形成し、前記折り返し部で二重に設けた前記コイル部を、前記ピン体の先端部に対応して設けたものであり、ピン体に内蔵した線状ヒーターによりピン体のゲート側を加熱し、材料通路内の成形材料を常時溶融状態に保つことができる。
【0042】
また、請求項2の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記円柱部をセージングにより形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブゲート式の成形用金型の一実施形態を示す断面図である。
【図2】同上、ピン体先端部周りの断面図である。
【図3】同上、ヒーターの一部切欠き斜視図である。
【図4】同上、ヒーターの断面図であり、図4(A)はセージング前、図4(B)はセージング後を示す。
【図5】同上、ヒーターの断面図である。
【図6】従来の成形用金型のピン体先端部周りの断面図である。
【図7】同上、ピン体先端部の斜視図である。
【符号の説明】
21 可動型(型体)
22 固定型(型体)
23 キャビティ
21 固定型
22 可動型
23 キャビティ
71 バルブスリーブ(バルブ体)
72 センターピン(ピン体)
72A 先端部
73 ゲート
78 流体圧シリンダー装置(駆動装置)
82 コアピン(コア体)
101 ヒーター
102 ニクロム線(電熱線)
102A コイル部
103 外管
104 マグネシア(絶縁材)
105 折り返し部
106 円柱部

Claims (2)

  1. 互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、この型体に設けられた材料通路およびこの材料通路を前記キャビティへ連通させるゲートと、このゲートを開閉するバルブ体と、このバルブ体を駆動する駆動装置とを備え、前記バルブ体が筒状をなすと共に、このバルブ体の先端側が前記ゲートに挿脱可能に嵌合し、前記筒状のバルブ体の内部に、型閉時に他の型体に接するピン体を貫通させてなるバルブゲート式の成形用金型において、前記ピン体に線状ヒーターを内蔵し、この線状ヒーターは、電熱線と、この電熱線を内蔵した断面略半円状の外管と、これら電熱線と外管との間に介在させた絶縁材と、先端側で前記外管を折り返した折り返し部と、この折り返し部から基端側に設けられ両側の前記外管を沿わせて略円形に形成された円柱部とを備え、前記折り返し部に前記電熱線のコイル部を設け、前記電熱線の基端側を直線状に形成し、前記折り返し部で二重に設けた前記コイル部を、前記ピン体の先端部に対応して設けたことを特徴とする線状ヒーターを用いた成形用金型。
  2. 前記円柱部をセージングにより形成したことを特徴とする請求項1記載の線状ヒーターを用いた成形用金型。
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