JP3705197B2 - 車両情報提供装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に情報を提供する車両情報提供装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報を利用する手段として、ラジオやテレビなどによる放送手段や、情報が記録されたテープやディスクなどによるパッケージ手段、通信手段を介して要求した特定の情報を入手するオンデマンド方式のものなどが知られている。放送手段は、情報が番組というひとかたまりの状態で提供されるため、利用者側で情報の利用時間(情報量)を調整することができない。また、パッケージ手段は、あらかじめ記録されている情報ごとに情報量が異なるので、利用者側で情報の利用時間(情報量)を調整することができない。さらに、オンデマンド方式の利用手段も、要求した情報がひとかたまりの状態で提供されるため、利用者側で情報の利用時間(情報量)を調整することができない。このような情報を提供する際に、情報量を調整して利用者に提供する方法が工夫されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−99441号公報には、情報利用者の状況に応じて情報量を調整し、調整した情報を利用者に提示する情報提示装置が開示されている。この装置によれば、情報利用者があらかじめ設定した時間や、情報利用者が過去に情報を利用した平均時間に応じて情報量が調整される。したがって、情報を車両内で利用する場合など、目的地までの移動距離の違いや道路混雑によって乗員が車両内で過ごす時間が異なると、車両内で過ごす時間に応じて情報量を調整することができなかった。
【0005】
本発明は、車両で過ごす時間に応じて情報の提供時間を調整する情報提供装置に関し、車両から送信される当該車両の走行情報に基づいて当該車両が目的地に到着するまでの所要時間を推定し、車両から送信される要求に基づいて車両に提供する情報を選択し、情報の提供時間を推定された所要時間に対応させるように選択された情報を用いて車両に提供する情報リストを作成し、車両からの要求に情報の提供タイミングが含まれている場合に当該情報が提供タイミング通りに提供されるように情報リストの順番を入れ替え、この情報リストにしたがって車両に情報を送信するようにしたものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明による情報提供装置では、車両内で情報が利用される時間、すなわち、車両が目的地に到着するまでの所要時間に応じて提供する情報量を調整できるから、目的地までの移動距離が異なる場合でも適切に情報量を調整することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
−第一の実施の形態−
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態による車両情報提供装置、すなわち、情報提供センターを有する車両情報提供システムの構成図である。車両情報提供システムは、情報提供センター10と、顧客の車両に搭載された車載システム16とによって構成される。情報提供センター10は、車載システム16との間で通信を行って顧客に情報を提供する。ここでは、車載システム16に提供される情報をコンテンツ情報と呼ぶ。
【0008】
情報提供センター10は、コンテンツデータベース11と、顧客データベース12と、情報提供サーバー13と、番組内容管理装置14と、番組表作成装置15とを有する。コンテンツデータベース11には、情報提供センター10から車載システム16に配信するコンテンツ情報が収納されている。顧客データベース12には、顧客情報が登録されている。情報提供サーバー13はインターネットに接続され、インターネット上の他のWebサイトサーバーとの間で情報を送受して双方向通信を行い、コンテンツデータベース11に収納されていない情報を必要に応じて取得する。情報提供サーバー13はさらに、車載システム16との間で情報を送受して双方向通信を行う。情報提供サーバー13が車載システム16との間で双方向通信を行う通信媒体は、たとえば、移動体電話機によって構成される。番組内容管理装置14は、車載システム16に提供するコンテンツ情報と番組表とを対応させる。番組表作成装置15は、車載システム16に提供するコンテンツ情報を決定して番組表を作成する。
【0009】
車載システム16で提供されるコンテンツ情報には、以下のものがある。
(a)情報提供センター10から当該車両に配信されるコンテンツ情報(たとえば、音楽、過去のニュース、Webサイトからの情報)
(b)当該車両の車載システム16が有しているコンテンツ情報(たとえば、車載されているCDに記録されている音楽)
(c)当該車両の車載システム16が情報提供センター10を介さずに取得するコンテンツ情報(たとえば、ラジオ放送番組)
【0010】
車載システム16は、車載情報提供装置17と、センサーシステム18とを有する。車載情報提供装置17は、たとえば、不図示のナビゲーションシステム、オーディオ装置、ラジオ受信機および移動体電話機を含めて構成される。車載システム16は、移動体電話機の回線を介して情報提供センター10との間で双方向通信を行う。車載システム16で提供されるコンテンツ情報は、車両内の不図示の再生装置によってスピーカから再生される。このとき、車載情報提供装置17は、情報提供センタ10から配信される番組表の番号順にコンテンツ情報を再生する。センサーシステム18は、車両の走行速度や加速状況などの車両の走行情報を検出する。
【0011】
本発明は、情報提供センター10が車両から送られる走行情報を用いて当該車両が目的地に到着するまでの見込み所要時間を算出し、算出した時間に応じて顧客車両に提供するコンテンツ情報を決定することに特徴を有する。情報提供センター10は、決定したコンテンツ情報と、当該コンテンツ情報を再生する順番と、当該コンテンツ情報をどのように取得するかを示すメディア情報とが含まれる番組表を作成し、顧客車両に配信する。顧客車両は、配信された番組表にしたがってコンテンツ情報を取得および再生する。
【0012】
図2は、上述した車両情報提供システムで行われる処理の流れを説明するフローチャートである。図2の左側が情報提供センター10で行われる処理であり、図2の右側が車載システム16で行われる処理である。図2による処理は、車両の乗員によって処理開始が指示されると起動する。ステップS101において、車両の乗員が当該車両の目的地を不図示のナビゲーションシステムに入力する。乗員はさらに、コンテンツ情報の利用目的を車載情報提供装置17に設定する。利用目的は、たとえば、
(1)天気情報を得る。
(2)交通情報を得る。
(3)ニュースを聴く。
(4)音楽を聴く。
というように複数の目的が設定可能に構成されている。天気情報の場合、エリアおよび時間帯を指定してもよい。交通情報の場合、エリアおよび進行方向を指定してもよい。ニュースの場合、ニュースのジャンルを指定してもよい。音楽の場合、曲のジャンルを指定してもよい。また、コンテンツ情報を再生する時刻やエリアを指定してもよい。
【0013】
車載システム16は、入力された目的地、利用目的などを示す情報を含む要求を情報提供センター10へ送信してステップS102へ進む。このとき、車載情報提供装置17内に有するコンテンツ情報を希望する場合は、当該コンテンツ情報の格納場所を示す情報を情報提供センター10へ送信する。たとえば、不図示のオーディオ装置のCDプレーヤにセットされているCDに記録されている曲を聴きたい場合には、当該CDのディスク番号およびトラック番号を示す情報を送信する。また、車載情報提供装置17内の不図示のメモリに記録されている音楽データによる曲を聴きたい場合には、当該音楽データの記録場所を示すパス情報を送信する。車載システム16はさらに、不図示のナビゲーションシステムの位置検出装置によって検出される当該車両の現在地を示す情報、ならびに、ナビゲーションシステムによって探索された経路情報も情報提供センター10へ送信する。車両は、この時点で走行が開始される。
【0014】
ステップS102において、情報提供センター10は、車載システム16から送信された情報を用いて車載システム16側の情報利用時間を推定する。利用時間の推定は、車両が目的地へ到着するまでの見込み所要時間とする。見込み所要時間は、たとえば、経路情報による走行距離を所定の走行速度で除算して求める。情報提供センター10は、提供するコンテンツ情報の再生時間の合計が推定利用時間に収まるように、コンテンツデータベース11から上記利用目的に合致するコンテンツ情報を抽出し、配信するコンテンツ情報の番組表を作成する。なお、車載情報提供装置17内のコンテンツ情報が指定されている場合は、車載情報提供装置17内からもコンテンツ情報を選ぶ。情報提供センター10は、作成した番組表を車載システム16へ配信する。
【0015】
図3は、情報提供センター10で作成された番組表の一例を示す図である。図3において、番組番号の欄には、車両で再生されるコンテンツ情報の順番が記されている。提供情報ジャンルの欄には、利用目的に合致するコンテンツ情報のタイトルが記されている。アクションの欄には、当該コンテンツ情報をどのように取得するかを示すメディア情報が記されている。D/L(ダウンロード)は、情報提供センター10から車載システム16へ配信することを示す。TTSは、配信されたテキストデータを音声データに変換して読み上げ再生することを示す。CD Playerは、車載情報提供装置17内のCDプレーヤで再生することを示す。イベントの欄には、当該コンテンツ情報を再生する時刻を指定する場合に、当該時刻が記される。指定時刻は、上記要求に含めて車載システム16から情報提供センター10へ送信される。
【0016】
ステップS104において、車載システム16は、情報提供センター10から配信された番組表を取得してステップS105へ進む。ステップS105において、車載システム16は、番組表の番組番号が小さいものから当該コンテンツ情報が車載情報提供装置17内にあるか否かを判定する。車載システム16は、当該コンテンツ情報が車載情報提供装置17内にある場合にステップS105を肯定判定してステップS107へ進み、当該コンテンツ情報が車載情報提供装置17内にない場合はステップS105を否定判定する。ステップS105を否定判定した場合、車載システム16は、当該コンテンツ情報の送信を情報提供センター10に要求し、ステップS106へ進む。
【0017】
ステップS106において、情報提供センター10は、コンテンツ情報の送信要求を受けると、コンテンツデータベース11から当該コンテンツ情報を読み出して車載システム16へ配信する。情報提供センター10は、コンテンツ情報を配信するとステップS107へ進む。
【0018】
ステップS107において、車載システム16は、コンテンツ情報を車両内の不図示の再生装置によってスピーカから再生し、ステップS109へ進む。ステップS109において、車載システム16は、番組表の全てのコンテンツ情報の再生が終了したか否かを判定する。車載システム16は、全てのコンテンツの再生が終了した場合にステップS109を肯定判定し、図2による処理を終了する。一方、未再生のコンテンツ情報がある場合、車載システム16は、ステップS109を否定判定してステップS110へ進む。ステップS110において、車載システム16は、不図示のナビゲーションシステムの位置検出装置によって検出される当該車両の現在地を示す情報を情報提供センター10へ送信し、ステップS111へ進む。
【0019】
ステップS111において、情報提供センター10は、車載システム16から送信された情報を用いて車載システム16側の情報利用時間を再度推定する。新たに推定した情報利用時間が当初の推定利用時間より長い場合は、目的地への到着予定時刻が遅延している場合で、番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が推定利用時間に対して早いと考えられる。新たに推定した情報利用時間が当初の推定利用時間より短い場合は、目的地への到着予定時刻が早くなっている場合で、番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が推定利用時間に対して遅いと考えられる。
【0020】
情報提供センター10は、未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計が新たな推定利用時間に収まるように、コンテンツ情報の番組表を再考察する。ステップS112において、情報提供センター10は、番組表にコンテンツ情報を追加するか否かを判定する。情報提供センター10は、新たに推定した情報利用時間が未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計より長い場合、ステップS112を肯定判定してステップS113へ進み、新たに推定した情報利用時間が未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計より短い場合に、ステップS112を否定判定してステップS114へ進む。
【0021】
ステップS113において、情報提供センター10は、コンテンツデータベース11から上記利用目的に合致するコンテンツ情報を新たに抽出し、番組表に追加する。上述したように、車載情報提供装置17内のコンテンツ情報が指定されている場合は、車載情報提供装置17内からもコンテンツ情報を選ぶ。情報提供センター10は、追加後の番組表を車載システム16へ配信し、ステップS104へ戻る。
【0022】
ステップS114において、情報提供センター10は、番組表からコンテンツ情報を削除するか否かを判定する。情報提供センター10は、新たに推定した情報利用時間内に未再生のコンテンツ情報を全て再生できない場合に、ステップS114を肯定判定してステップS115へ進む。情報提供センター10は、新たに推定した情報利用時間内に未再生のコンテンツ情報を全て再生できる場合に、ステップS114を否定判定してステップS104へ戻る。この場合には、番組表の変更はしない。
【0023】
ステップS115において、情報提供センター10は、未再生のコンテンツ情報のうち、たとえば、番組番号が最も大きいコンテンツ情報を番組表から削除してステップS116へ進む。ステップS116において、情報提供センター10は、削除後の番組表を車載システム16へ配信し、ステップS104へ戻る。
【0024】
以上の説明では、情報提供センター10が1台の車両に対して情報を提供する例を説明したが、車両は複数台あってもよい。この場合には、情報提供センター10が複数台の車両に搭載される車載システム16のそれぞれに対し、上記の処理を並行して行う。
【0025】
以上説明した第一の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)車両の乗員の利用目的(たとえば、天気情報を得る、交通情報を得る、ニュースを聴く、音楽を聴く)に応じて、コンテンツ情報を選択して再生するようにしたので、乗員の希望に合致したコンテンツ情報を再生することができる。
(2)コンテンツ情報は、車両の車載システム16側に有する情報(たとえば、CDに記録されている音楽)のとき、車載システム16側の情報を使用し、車載システム16が情報提供センター10を介さずに取得するコンテンツ情報(たとえば、ラジオ放送番組)のとき、車載システム16自身で取得した情報を使用し、車載システム16側になく、車載システム16自身で取得できない情報(たとえば、インターネット上のWebサイトに登録されている情報、および情報提供センター10内に登録されている情報)のとき、情報提供センター10から車載システム16に配信された情報を使用するようにした。したがって、幅広いジャンルから情報を選択して再生することができる。
(3)コンテンツ情報を再生するごとに、車両の目的地および現在地の情報から当該車両が目的地に到着する見込み所要時間を算出して推定情報利用時間とし、この推定情報利用時間内に収まるように番組表のコンテンツ情報を追加したり削除したりして、未再生のコンテンツ情報の再生時間を調整するようにした。この結果、目的地に到着するまでにコンテンツ情報を再生できなかったり、目的地に到着する前にコンテンツ情報の再生が終了して時間が余ってしまうことが防止され、情報の量が適切に調整される。さらに、走行経路の道路混雑による渋滞や、乗員が途中で休憩するなどの理由によって見込み所要時間が変化する場合でも、情報利用時間が逐次再考察されるので、車両の移動時間を有効に利用してコンテンツ情報を再生することができる。
(4)車載システム16から情報提供センター10へ当該車両の現在地を示す情報、目的地を示す情報、および車載システム16側で探索された経路情報を含めて送信するようにした。情報提供センター10は、経路情報を用いて当該車両による情報利用時間を推定することができる。とくに、経路が複数存在する場合には、走行経路が明らかになることによって到着までの見込み所要時間がより正確に算出されるから、推定情報利用時間がより正確になる。
【0026】
上述したステップS101において、車両の乗員が当該車両の目的地、コンテンツ情報の利用目的を入力するようにしたが、情報提供装置17が車両の現在地、現在の時刻、および過去に入力された情報に基づいて自動的に設定するようにしてもよい。
【0027】
当該車両の車載システム16が有しているコンテンツ情報は、上述したCDに記録されている音楽情報の他に、情報提供装置17内のメモリもしくはハードディスクなどの記録媒体に記録されている音楽情報や音声情報でもよい。音楽情報は、たとえば、MP3のような形式の圧縮データであってもかまわない。
【0028】
図3のイベント欄には、時刻の他にエリア名を記録してもよい。この場合には、車両が移動して当該エリア内に入ったときに、当該コンテンツ情報の再生を行うようにする。指定するエリア名は、上記要求に含めて車載システム16から情報提供センター10へ送信される。
【0029】
コンテンツ情報がラジオ放送番組の場合は、図3のアクション欄に、たとえば、Radio 80MHzと記す。この場合に車載情報提供装置17は、当該コンテンツ情報の再生時に、アクション欄に記されている周波数のラジオ放送を受信し、受信内容をスピーカから再生する。なお、コンテンツ情報がラジオ番組の場合には、上述したステップS105において肯定判定を行う。
【0030】
上記の説明では、見込み到着時間が道路混雑による渋滞や乗員の休憩などの理由で変化することにより、未再生のコンテンツ情報の再生時間と情報利用時間との間に差違が生じる例を説明した。この他、見込み到着時間が変わらなくても、コンテンツ情報の再生が中断される場合には未再生のコンテンツ情報の再生時間と情報利用時間との間に差違が生じることが想定される。たとえば、乗員が電話機の着信に応答するためにコンテンツ情報の再生を中断すると、その分情報利用時間に対して未再生のコンテンツ情報の再生時間の方が長くなる。上述したステップS102〜S104の処理では、このようにコンテンツ情報の再生が中断された場合でも、目的地に到着するまでの情報利用時間に収まるように、コンテンツ情報の番組表が変更される。
【0031】
−第二の実施の形態−
番組表を再考察する際に、コンテンツ情報の再生時刻を考慮して番組表を変更してもよい。図3の番組表において、番組番号6の音楽(Music3)は、再生する時刻がイベント欄に記されている。車両の乗員が、番組番号3の交通情報の再生途中にコンテンツ情報の再生を一旦止めていたと仮定する。乗員がコンテンツ情報の再生の再開を指示すると、車載システム16は交通情報の再生を再開する。図2のステップS109において、車載システム16は、交通情報の再生を終了した時点で番組番号4以降の未再生のコンテンツ情報があるのでステップS110へ進む。車載システム16は、当該車両の現在地を示す情報を情報提供センター10へ送信する。
【0032】
ステップS111において、情報提供センター10は、番組表の再考察の際に現在の時刻を参照する。情報提供センター10は、現在時刻が9:00AMまであとわずかで他のコンテンツ情報を再生する時間がない場合や、9:00AMを過ぎている場合に、番組の順番を入れ替えて旧番組番号6の音楽(Music3)を新しく番組番号4にする。旧番組番号4、5の番組は、順に番組番号5、6にそれぞれ繰り下げられる。変更後の番組表が情報提供センター10から車載システム16に送信されることにより、当該音楽(Music3)が車載システム16で再生される。なお、未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計が新たな推定利用時間に収まらない場合には、第一の実施の形態と同様に、コンテンツ情報が番組表に対して追加/削除される。
【0033】
以上説明した第二の実施の形態によれば、特定のコンテンツ情報(Music3)を希望する時刻(9:00AM)に再生するように番組表のイベント欄に再生時刻を記し、番組表を再考察する際に現在の時刻を参照して番組の順番を入れ替えるようにした。したがって、たとえば、乗員がコンテンツ情報の再生を途中で一旦止めていた場合など、当初の番組表と比べて番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が遅いときでも、希望する時刻に要求した音楽(Music3)を再生させることができる。
【0034】
コンテンツ情報の再生時刻を考慮して番組表を変更する代わりに、コンテンツ情報の再生エリアを考慮して番組表を変更してもよい。この場合には、特定のコンテンツ情報を希望するエリアで再生するように番組表のイベント欄にエリア名を記し、番組表を再考察する際に車両の現在地を参照して番組の順番を入れ替えるようにする。したがって、たとえば、乗員がコンテンツ情報の再生を途中で一旦止めていた場合など、当初の番組表と比べて番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が遅いときでも、希望するエリア内に当該車両が移動したときに要求したコンテンツ情報を再生させることができる。
【0035】
コンテンツ情報の再生は、音声再生のみを行う場合を例にあげて説明したが、コンテンツ情報に映像情報を含めてモニタに再生表示するようにしてもよい。
【0036】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。通信手段は、たとえば、移動体電話機によって構成される。走行情報は、たとえば、車両の走行速度や加速状況が対応する。所要時間推定手段は、たとえば、情報提供サーバー13が対応する。情報選択手段およびリスト作成手段は、たとえば、番組表作成装置15によって構成される。情報リストは、たとえば、番組表が対応する。制御手段は、たとえば、情報提供サーバー13および番組内容管理装置14によって構成される。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による車両情報提供システムの構成図である。
【図2】車両情報提供システムで行われる処理の流れを説明するフローチャートである。
【図3】番組表の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…情報提供センター、 11…コンテンツデータベース、
12…顧客データベース、 13…情報提供サーバー、
14…番組内容管理装置、 15…番組表作成装置、
16…車載システム、 17…車載情報提供装置、
18…センサーシステム
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に情報を提供する車両情報提供装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報を利用する手段として、ラジオやテレビなどによる放送手段や、情報が記録されたテープやディスクなどによるパッケージ手段、通信手段を介して要求した特定の情報を入手するオンデマンド方式のものなどが知られている。放送手段は、情報が番組というひとかたまりの状態で提供されるため、利用者側で情報の利用時間(情報量)を調整することができない。また、パッケージ手段は、あらかじめ記録されている情報ごとに情報量が異なるので、利用者側で情報の利用時間(情報量)を調整することができない。さらに、オンデマンド方式の利用手段も、要求した情報がひとかたまりの状態で提供されるため、利用者側で情報の利用時間(情報量)を調整することができない。このような情報を提供する際に、情報量を調整して利用者に提供する方法が工夫されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−99441号公報には、情報利用者の状況に応じて情報量を調整し、調整した情報を利用者に提示する情報提示装置が開示されている。この装置によれば、情報利用者があらかじめ設定した時間や、情報利用者が過去に情報を利用した平均時間に応じて情報量が調整される。したがって、情報を車両内で利用する場合など、目的地までの移動距離の違いや道路混雑によって乗員が車両内で過ごす時間が異なると、車両内で過ごす時間に応じて情報量を調整することができなかった。
【0005】
本発明は、車両で過ごす時間に応じて情報の提供時間を調整する情報提供装置に関し、車両から送信される当該車両の走行情報に基づいて当該車両が目的地に到着するまでの所要時間を推定し、車両から送信される要求に基づいて車両に提供する情報を選択し、情報の提供時間を推定された所要時間に対応させるように選択された情報を用いて車両に提供する情報リストを作成し、車両からの要求に情報の提供タイミングが含まれている場合に当該情報が提供タイミング通りに提供されるように情報リストの順番を入れ替え、この情報リストにしたがって車両に情報を送信するようにしたものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明による情報提供装置では、車両内で情報が利用される時間、すなわち、車両が目的地に到着するまでの所要時間に応じて提供する情報量を調整できるから、目的地までの移動距離が異なる場合でも適切に情報量を調整することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
−第一の実施の形態−
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態による車両情報提供装置、すなわち、情報提供センターを有する車両情報提供システムの構成図である。車両情報提供システムは、情報提供センター10と、顧客の車両に搭載された車載システム16とによって構成される。情報提供センター10は、車載システム16との間で通信を行って顧客に情報を提供する。ここでは、車載システム16に提供される情報をコンテンツ情報と呼ぶ。
【0008】
情報提供センター10は、コンテンツデータベース11と、顧客データベース12と、情報提供サーバー13と、番組内容管理装置14と、番組表作成装置15とを有する。コンテンツデータベース11には、情報提供センター10から車載システム16に配信するコンテンツ情報が収納されている。顧客データベース12には、顧客情報が登録されている。情報提供サーバー13はインターネットに接続され、インターネット上の他のWebサイトサーバーとの間で情報を送受して双方向通信を行い、コンテンツデータベース11に収納されていない情報を必要に応じて取得する。情報提供サーバー13はさらに、車載システム16との間で情報を送受して双方向通信を行う。情報提供サーバー13が車載システム16との間で双方向通信を行う通信媒体は、たとえば、移動体電話機によって構成される。番組内容管理装置14は、車載システム16に提供するコンテンツ情報と番組表とを対応させる。番組表作成装置15は、車載システム16に提供するコンテンツ情報を決定して番組表を作成する。
【0009】
車載システム16で提供されるコンテンツ情報には、以下のものがある。
(a)情報提供センター10から当該車両に配信されるコンテンツ情報(たとえば、音楽、過去のニュース、Webサイトからの情報)
(b)当該車両の車載システム16が有しているコンテンツ情報(たとえば、車載されているCDに記録されている音楽)
(c)当該車両の車載システム16が情報提供センター10を介さずに取得するコンテンツ情報(たとえば、ラジオ放送番組)
【0010】
車載システム16は、車載情報提供装置17と、センサーシステム18とを有する。車載情報提供装置17は、たとえば、不図示のナビゲーションシステム、オーディオ装置、ラジオ受信機および移動体電話機を含めて構成される。車載システム16は、移動体電話機の回線を介して情報提供センター10との間で双方向通信を行う。車載システム16で提供されるコンテンツ情報は、車両内の不図示の再生装置によってスピーカから再生される。このとき、車載情報提供装置17は、情報提供センタ10から配信される番組表の番号順にコンテンツ情報を再生する。センサーシステム18は、車両の走行速度や加速状況などの車両の走行情報を検出する。
【0011】
本発明は、情報提供センター10が車両から送られる走行情報を用いて当該車両が目的地に到着するまでの見込み所要時間を算出し、算出した時間に応じて顧客車両に提供するコンテンツ情報を決定することに特徴を有する。情報提供センター10は、決定したコンテンツ情報と、当該コンテンツ情報を再生する順番と、当該コンテンツ情報をどのように取得するかを示すメディア情報とが含まれる番組表を作成し、顧客車両に配信する。顧客車両は、配信された番組表にしたがってコンテンツ情報を取得および再生する。
【0012】
図2は、上述した車両情報提供システムで行われる処理の流れを説明するフローチャートである。図2の左側が情報提供センター10で行われる処理であり、図2の右側が車載システム16で行われる処理である。図2による処理は、車両の乗員によって処理開始が指示されると起動する。ステップS101において、車両の乗員が当該車両の目的地を不図示のナビゲーションシステムに入力する。乗員はさらに、コンテンツ情報の利用目的を車載情報提供装置17に設定する。利用目的は、たとえば、
(1)天気情報を得る。
(2)交通情報を得る。
(3)ニュースを聴く。
(4)音楽を聴く。
というように複数の目的が設定可能に構成されている。天気情報の場合、エリアおよび時間帯を指定してもよい。交通情報の場合、エリアおよび進行方向を指定してもよい。ニュースの場合、ニュースのジャンルを指定してもよい。音楽の場合、曲のジャンルを指定してもよい。また、コンテンツ情報を再生する時刻やエリアを指定してもよい。
【0013】
車載システム16は、入力された目的地、利用目的などを示す情報を含む要求を情報提供センター10へ送信してステップS102へ進む。このとき、車載情報提供装置17内に有するコンテンツ情報を希望する場合は、当該コンテンツ情報の格納場所を示す情報を情報提供センター10へ送信する。たとえば、不図示のオーディオ装置のCDプレーヤにセットされているCDに記録されている曲を聴きたい場合には、当該CDのディスク番号およびトラック番号を示す情報を送信する。また、車載情報提供装置17内の不図示のメモリに記録されている音楽データによる曲を聴きたい場合には、当該音楽データの記録場所を示すパス情報を送信する。車載システム16はさらに、不図示のナビゲーションシステムの位置検出装置によって検出される当該車両の現在地を示す情報、ならびに、ナビゲーションシステムによって探索された経路情報も情報提供センター10へ送信する。車両は、この時点で走行が開始される。
【0014】
ステップS102において、情報提供センター10は、車載システム16から送信された情報を用いて車載システム16側の情報利用時間を推定する。利用時間の推定は、車両が目的地へ到着するまでの見込み所要時間とする。見込み所要時間は、たとえば、経路情報による走行距離を所定の走行速度で除算して求める。情報提供センター10は、提供するコンテンツ情報の再生時間の合計が推定利用時間に収まるように、コンテンツデータベース11から上記利用目的に合致するコンテンツ情報を抽出し、配信するコンテンツ情報の番組表を作成する。なお、車載情報提供装置17内のコンテンツ情報が指定されている場合は、車載情報提供装置17内からもコンテンツ情報を選ぶ。情報提供センター10は、作成した番組表を車載システム16へ配信する。
【0015】
図3は、情報提供センター10で作成された番組表の一例を示す図である。図3において、番組番号の欄には、車両で再生されるコンテンツ情報の順番が記されている。提供情報ジャンルの欄には、利用目的に合致するコンテンツ情報のタイトルが記されている。アクションの欄には、当該コンテンツ情報をどのように取得するかを示すメディア情報が記されている。D/L(ダウンロード)は、情報提供センター10から車載システム16へ配信することを示す。TTSは、配信されたテキストデータを音声データに変換して読み上げ再生することを示す。CD Playerは、車載情報提供装置17内のCDプレーヤで再生することを示す。イベントの欄には、当該コンテンツ情報を再生する時刻を指定する場合に、当該時刻が記される。指定時刻は、上記要求に含めて車載システム16から情報提供センター10へ送信される。
【0016】
ステップS104において、車載システム16は、情報提供センター10から配信された番組表を取得してステップS105へ進む。ステップS105において、車載システム16は、番組表の番組番号が小さいものから当該コンテンツ情報が車載情報提供装置17内にあるか否かを判定する。車載システム16は、当該コンテンツ情報が車載情報提供装置17内にある場合にステップS105を肯定判定してステップS107へ進み、当該コンテンツ情報が車載情報提供装置17内にない場合はステップS105を否定判定する。ステップS105を否定判定した場合、車載システム16は、当該コンテンツ情報の送信を情報提供センター10に要求し、ステップS106へ進む。
【0017】
ステップS106において、情報提供センター10は、コンテンツ情報の送信要求を受けると、コンテンツデータベース11から当該コンテンツ情報を読み出して車載システム16へ配信する。情報提供センター10は、コンテンツ情報を配信するとステップS107へ進む。
【0018】
ステップS107において、車載システム16は、コンテンツ情報を車両内の不図示の再生装置によってスピーカから再生し、ステップS109へ進む。ステップS109において、車載システム16は、番組表の全てのコンテンツ情報の再生が終了したか否かを判定する。車載システム16は、全てのコンテンツの再生が終了した場合にステップS109を肯定判定し、図2による処理を終了する。一方、未再生のコンテンツ情報がある場合、車載システム16は、ステップS109を否定判定してステップS110へ進む。ステップS110において、車載システム16は、不図示のナビゲーションシステムの位置検出装置によって検出される当該車両の現在地を示す情報を情報提供センター10へ送信し、ステップS111へ進む。
【0019】
ステップS111において、情報提供センター10は、車載システム16から送信された情報を用いて車載システム16側の情報利用時間を再度推定する。新たに推定した情報利用時間が当初の推定利用時間より長い場合は、目的地への到着予定時刻が遅延している場合で、番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が推定利用時間に対して早いと考えられる。新たに推定した情報利用時間が当初の推定利用時間より短い場合は、目的地への到着予定時刻が早くなっている場合で、番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が推定利用時間に対して遅いと考えられる。
【0020】
情報提供センター10は、未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計が新たな推定利用時間に収まるように、コンテンツ情報の番組表を再考察する。ステップS112において、情報提供センター10は、番組表にコンテンツ情報を追加するか否かを判定する。情報提供センター10は、新たに推定した情報利用時間が未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計より長い場合、ステップS112を肯定判定してステップS113へ進み、新たに推定した情報利用時間が未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計より短い場合に、ステップS112を否定判定してステップS114へ進む。
【0021】
ステップS113において、情報提供センター10は、コンテンツデータベース11から上記利用目的に合致するコンテンツ情報を新たに抽出し、番組表に追加する。上述したように、車載情報提供装置17内のコンテンツ情報が指定されている場合は、車載情報提供装置17内からもコンテンツ情報を選ぶ。情報提供センター10は、追加後の番組表を車載システム16へ配信し、ステップS104へ戻る。
【0022】
ステップS114において、情報提供センター10は、番組表からコンテンツ情報を削除するか否かを判定する。情報提供センター10は、新たに推定した情報利用時間内に未再生のコンテンツ情報を全て再生できない場合に、ステップS114を肯定判定してステップS115へ進む。情報提供センター10は、新たに推定した情報利用時間内に未再生のコンテンツ情報を全て再生できる場合に、ステップS114を否定判定してステップS104へ戻る。この場合には、番組表の変更はしない。
【0023】
ステップS115において、情報提供センター10は、未再生のコンテンツ情報のうち、たとえば、番組番号が最も大きいコンテンツ情報を番組表から削除してステップS116へ進む。ステップS116において、情報提供センター10は、削除後の番組表を車載システム16へ配信し、ステップS104へ戻る。
【0024】
以上の説明では、情報提供センター10が1台の車両に対して情報を提供する例を説明したが、車両は複数台あってもよい。この場合には、情報提供センター10が複数台の車両に搭載される車載システム16のそれぞれに対し、上記の処理を並行して行う。
【0025】
以上説明した第一の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)車両の乗員の利用目的(たとえば、天気情報を得る、交通情報を得る、ニュースを聴く、音楽を聴く)に応じて、コンテンツ情報を選択して再生するようにしたので、乗員の希望に合致したコンテンツ情報を再生することができる。
(2)コンテンツ情報は、車両の車載システム16側に有する情報(たとえば、CDに記録されている音楽)のとき、車載システム16側の情報を使用し、車載システム16が情報提供センター10を介さずに取得するコンテンツ情報(たとえば、ラジオ放送番組)のとき、車載システム16自身で取得した情報を使用し、車載システム16側になく、車載システム16自身で取得できない情報(たとえば、インターネット上のWebサイトに登録されている情報、および情報提供センター10内に登録されている情報)のとき、情報提供センター10から車載システム16に配信された情報を使用するようにした。したがって、幅広いジャンルから情報を選択して再生することができる。
(3)コンテンツ情報を再生するごとに、車両の目的地および現在地の情報から当該車両が目的地に到着する見込み所要時間を算出して推定情報利用時間とし、この推定情報利用時間内に収まるように番組表のコンテンツ情報を追加したり削除したりして、未再生のコンテンツ情報の再生時間を調整するようにした。この結果、目的地に到着するまでにコンテンツ情報を再生できなかったり、目的地に到着する前にコンテンツ情報の再生が終了して時間が余ってしまうことが防止され、情報の量が適切に調整される。さらに、走行経路の道路混雑による渋滞や、乗員が途中で休憩するなどの理由によって見込み所要時間が変化する場合でも、情報利用時間が逐次再考察されるので、車両の移動時間を有効に利用してコンテンツ情報を再生することができる。
(4)車載システム16から情報提供センター10へ当該車両の現在地を示す情報、目的地を示す情報、および車載システム16側で探索された経路情報を含めて送信するようにした。情報提供センター10は、経路情報を用いて当該車両による情報利用時間を推定することができる。とくに、経路が複数存在する場合には、走行経路が明らかになることによって到着までの見込み所要時間がより正確に算出されるから、推定情報利用時間がより正確になる。
【0026】
上述したステップS101において、車両の乗員が当該車両の目的地、コンテンツ情報の利用目的を入力するようにしたが、情報提供装置17が車両の現在地、現在の時刻、および過去に入力された情報に基づいて自動的に設定するようにしてもよい。
【0027】
当該車両の車載システム16が有しているコンテンツ情報は、上述したCDに記録されている音楽情報の他に、情報提供装置17内のメモリもしくはハードディスクなどの記録媒体に記録されている音楽情報や音声情報でもよい。音楽情報は、たとえば、MP3のような形式の圧縮データであってもかまわない。
【0028】
図3のイベント欄には、時刻の他にエリア名を記録してもよい。この場合には、車両が移動して当該エリア内に入ったときに、当該コンテンツ情報の再生を行うようにする。指定するエリア名は、上記要求に含めて車載システム16から情報提供センター10へ送信される。
【0029】
コンテンツ情報がラジオ放送番組の場合は、図3のアクション欄に、たとえば、Radio 80MHzと記す。この場合に車載情報提供装置17は、当該コンテンツ情報の再生時に、アクション欄に記されている周波数のラジオ放送を受信し、受信内容をスピーカから再生する。なお、コンテンツ情報がラジオ番組の場合には、上述したステップS105において肯定判定を行う。
【0030】
上記の説明では、見込み到着時間が道路混雑による渋滞や乗員の休憩などの理由で変化することにより、未再生のコンテンツ情報の再生時間と情報利用時間との間に差違が生じる例を説明した。この他、見込み到着時間が変わらなくても、コンテンツ情報の再生が中断される場合には未再生のコンテンツ情報の再生時間と情報利用時間との間に差違が生じることが想定される。たとえば、乗員が電話機の着信に応答するためにコンテンツ情報の再生を中断すると、その分情報利用時間に対して未再生のコンテンツ情報の再生時間の方が長くなる。上述したステップS102〜S104の処理では、このようにコンテンツ情報の再生が中断された場合でも、目的地に到着するまでの情報利用時間に収まるように、コンテンツ情報の番組表が変更される。
【0031】
−第二の実施の形態−
番組表を再考察する際に、コンテンツ情報の再生時刻を考慮して番組表を変更してもよい。図3の番組表において、番組番号6の音楽(Music3)は、再生する時刻がイベント欄に記されている。車両の乗員が、番組番号3の交通情報の再生途中にコンテンツ情報の再生を一旦止めていたと仮定する。乗員がコンテンツ情報の再生の再開を指示すると、車載システム16は交通情報の再生を再開する。図2のステップS109において、車載システム16は、交通情報の再生を終了した時点で番組番号4以降の未再生のコンテンツ情報があるのでステップS110へ進む。車載システム16は、当該車両の現在地を示す情報を情報提供センター10へ送信する。
【0032】
ステップS111において、情報提供センター10は、番組表の再考察の際に現在の時刻を参照する。情報提供センター10は、現在時刻が9:00AMまであとわずかで他のコンテンツ情報を再生する時間がない場合や、9:00AMを過ぎている場合に、番組の順番を入れ替えて旧番組番号6の音楽(Music3)を新しく番組番号4にする。旧番組番号4、5の番組は、順に番組番号5、6にそれぞれ繰り下げられる。変更後の番組表が情報提供センター10から車載システム16に送信されることにより、当該音楽(Music3)が車載システム16で再生される。なお、未再生のコンテンツ情報の再生時間の合計が新たな推定利用時間に収まらない場合には、第一の実施の形態と同様に、コンテンツ情報が番組表に対して追加/削除される。
【0033】
以上説明した第二の実施の形態によれば、特定のコンテンツ情報(Music3)を希望する時刻(9:00AM)に再生するように番組表のイベント欄に再生時刻を記し、番組表を再考察する際に現在の時刻を参照して番組の順番を入れ替えるようにした。したがって、たとえば、乗員がコンテンツ情報の再生を途中で一旦止めていた場合など、当初の番組表と比べて番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が遅いときでも、希望する時刻に要求した音楽(Music3)を再生させることができる。
【0034】
コンテンツ情報の再生時刻を考慮して番組表を変更する代わりに、コンテンツ情報の再生エリアを考慮して番組表を変更してもよい。この場合には、特定のコンテンツ情報を希望するエリアで再生するように番組表のイベント欄にエリア名を記し、番組表を再考察する際に車両の現在地を参照して番組の順番を入れ替えるようにする。したがって、たとえば、乗員がコンテンツ情報の再生を途中で一旦止めていた場合など、当初の番組表と比べて番組表の進行(コンテンツ情報の再生)が遅いときでも、希望するエリア内に当該車両が移動したときに要求したコンテンツ情報を再生させることができる。
【0035】
コンテンツ情報の再生は、音声再生のみを行う場合を例にあげて説明したが、コンテンツ情報に映像情報を含めてモニタに再生表示するようにしてもよい。
【0036】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。通信手段は、たとえば、移動体電話機によって構成される。走行情報は、たとえば、車両の走行速度や加速状況が対応する。所要時間推定手段は、たとえば、情報提供サーバー13が対応する。情報選択手段およびリスト作成手段は、たとえば、番組表作成装置15によって構成される。情報リストは、たとえば、番組表が対応する。制御手段は、たとえば、情報提供サーバー13および番組内容管理装置14によって構成される。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による車両情報提供システムの構成図である。
【図2】車両情報提供システムで行われる処理の流れを説明するフローチャートである。
【図3】番組表の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…情報提供センター、 11…コンテンツデータベース、
12…顧客データベース、 13…情報提供サーバー、
14…番組内容管理装置、 15…番組表作成装置、
16…車載システム、 17…車載情報提供装置、
18…センサーシステム
Claims (4)
- 車両との間で情報を送受信する通信手段と、
前記車両から送信される当該車両の走行情報に基づいて当該車両が目的地に到着するまでの所要時間を推定する所要時間推定手段と、
前記車両から送信される要求に基づいて前記車両に提供する情報を選択する情報選択手段と、
情報の提供時間を前記所要時間推定手段で推定された所要時間に対応させるように前記情報選択手段で選択された情報を用いて前記車両に提供する情報リストを作成し、前記車両からの要求に情報の提供タイミングが含まれている場合に当該情報が前記提供タイミング通りに提供されるように前記情報リストの順番を入れ替えるリスト作成手段と、
前記リスト作成手段によって作成された情報リストにしたがって前記車両に情報を送信するように前記通信手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする情報提供装置。 - 請求項1に記載の情報提供装置において、
前記制御手段は、前記車両に前記情報リストの情報を1つ提供するごとに前記所要時間の推定を再度行うように前記所要時間推定手段を制御するとともに、前記リスト作成手段をさらに制御して未提供の情報の提供時間が再度推定された所要時間に対応するように前記情報リストを変更させることを特徴とする情報提供装置。 - 請求項1または2に記載の情報提供装置において、
前記情報の提供タイミングは提供時刻を示す情報であり、
前記リスト作成手段は、前記車両から送信される要求に含まれる時刻に当該時刻に対応する情報を提供するように前記車両に提供する情報リストを作成し、
前記制御手段は、前記リスト作成手段によって作成された情報リストにしたがって前記車両に情報を送信するように前記通信手段を制御することを特徴とする情報提供装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の情報提供装置において、
前記情報の提供タイミングは提供エリアを示す情報であり、
前記リスト作成手段は、前記車両から送信される要求に含まれるエリア内に当該車両が位置するときに当該エリアに対応する情報を提供するように前記車両に提供する情報リストを作成し、
前記制御手段は、前記リスト作成手段によって作成された情報リストにしたがって前記車両に情報を送信するように前記通信手段を制御することを特徴とする情報提供装置。
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