JP3704950B2 - 液晶層厚測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶層厚測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、対向面に電極がそれぞれ形成された一対の基板の間に液晶分子が所定の配向状態で配向した液晶層を設けてなる液晶セルの前記液晶層の層厚の測定は、次の(1),(2)のいずれかの方法によって行なわれている。
【0003】
(1)液晶セルにその一方の面から光を入射させ、一対の基板のそれぞれの内面と液晶層との2つの界面で反射した光の干渉光強度を測定して液晶層厚を算出する方法。
【0004】
(2)液晶セルをはさんで一対の偏光板を所定の条件で配置し、前記液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態での透過光を測定して、透過率が極小となる波長を検出し、その波長からGooch and Tarry の理論式により液晶層厚を算出する方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記(1)および(2)の液晶層厚測定方法は、いずれも、液晶層厚を精度良く測定することが難しいという問題をもっている。
すなわち、上記(1)の方法では、液晶セルの一対の基板のうちの光の入射方向から見て前方の基板と液晶層との界面で反射した光と、背面側の基板の内面と液晶層との界面で反射される光との光路長差による干渉を基に液晶層厚を算出するものである。この光路長差は液晶層の屈折率と長さに依存するが、基板間に封入された液晶層の屈折率を正確に求めることは困難であり、特にツイスト配向された液晶層を透過した光の光路長を求めることは極めて困難である。また実際には、基板内面の配向膜面と液晶層との界面だけでなく、基板面に形成された電極と基板との界面や、前記電極と配向膜との界面などでも光が反射するため、液晶層厚を精度良く測定することが難しい。
【0006】
また、上記(2)の方法は、理論上は精度良く液晶層厚を測定できるが、実際には、液晶セルの基板間に分散状態で挟持されているギャップ材部分(液晶が存在しない部分)や液晶分子の配向が乱れた部分などのような液晶層本来の屈折率とは異なる屈折率を示す部分を透過したノイズ光の影響により、透過率が極小となる波長の検出に大きな誤差が生じるため、液晶層厚を精度良く測定することが難しい。
この発明は、液晶セルの液晶層厚を高い精度で測定することができる液晶層厚測定方法を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、液晶セルの少なくとも一方の面に偏光板を所定の条件で配置して前記液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態での透過光の分光分布を測定し、その透過光の色度を表す点をCIE色度図上に表わして、前記色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線のx,y軸のいずれかに対する傾き角から前記液晶セルの液晶層厚を求めることを特徴とするものである。
【0008】
すなわち、この発明は、液晶セルと所定の条件で配置した偏光板とを透過した光の分光分布の液晶層厚依存性に基づいて前記液晶セルの液晶層厚を求めるものであり、液晶セルの透過光の分光分布は液晶層厚に対応するため、透過光の分光分布から液晶層厚を求めることができる。
【0009】
液晶セルを透過する光はギャップ材部分や液晶分子の配向が乱れた部分などを透過したノイズ光を含んでいるため、実際の透過光の分光分布は、ノイズ光を含んでいる。
【0010】
しかし、実際に測定される透過光がノイズ光を含んでいても、その透過光の分光分布曲線の形、つまり可視光帯域の各波長光ごとの透過率の比はほとんど変わらず、前記分光分布曲線が分光分布図上で上方へ平行移動するだけであるので、CIE色度図上でのノイズ光の影響による色度の変化は、液晶層厚が同じであれば、無彩色点と前記理論上の透過光の色度を表わす点とを通る直線に沿ったほぼ直線的な変化である。
【0011】
つまり、液晶セルの液晶層厚が同じであれば、前記無彩色点と透過光の色度を表わす点とを通る直線のx,y軸のいずれかに対する傾き角は、ノイズ光の影響の有無にかかわらずほぼ一定である。
【0012】
そこで、この発明は、前記CIE色度図上での無彩色点と透過光の色度を表わす点とを通る直線の傾き角から液晶層厚を求めるようにしたのであり、前記直線の傾き角と液晶層厚との関係は予め求めることができ、また、前記直線の傾き角はノイズ光の影響の有無にかかわらずほぼ一定であるため、透過光の分光分布を測定してその透過光の色度をCIE色度図上に表わし、この色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線の傾き角を求めれば、液晶層厚を、ノイズ光の影響による誤差をほとんど生じることなく高い精度で測定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の液晶層厚測定方法は、上記のように、液晶セルの少なくとも一方の面に偏光板を所定の条件で配置して前記液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態での透過光の分光分布を測定し、その透過光の色度を表す点をCIE色度図上に求め、前記色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線のx,y軸のいずれかに対する傾き角から液晶層厚を求めることにより、前記液晶層厚を高い精度で測定するようにしたものである。
【0014】
この発明は、白黒表示を行なう液晶セルの液晶層厚測定にも、複数の色のカラーフィルタを備えたカラー画像を表示する液晶セルの液晶層厚測定にも適用できるものであり、カラーフィルタを備えた液晶セルの液晶層厚を測定する場合は、測定した透過光の分光分布を、予め測定しておいた前記複数の色のカラーフィルタのみを透過した光の分光分布分に基づいて液晶セルのみの分光分布に補正し、その補正された分光分布に対応する色度をCIE色度図上に表わせばよい。
【0015】
また、この発明において、前記透過光の分光分布の測定は、前記偏光板を光の透過率が液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態において最小となる条件で配置して行なうのが好ましく、前記分光分布の液晶層厚依存性は、光の透過率が小さい方が大きく見えるため、このような条件で偏光板を配置して透過光の分光分布を測定すれば、その透過光の色度をより正確に色度図上に表わして、さらに精度よく液晶層厚を測定することができる。
【0016】
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。
まず、液晶層厚を測定しようとする液晶セルについて説明すると、図6および図7はそれぞれ液晶セルの断面図である。
【0017】
図6に示した液晶セル1は、白黒表示を行なうものであり、対向面に透明電極13,14がそれぞれ形成され、その電極形成面上に配向膜15,16がそれぞれ形成された一対の透明基板11,12を枠状のシール材16を介して接合し、これらの基板11,12の間の前記シール材16で囲まれた領域に、液晶分子が所定の配向状態で配向した液晶層18を設けて構成されている。
【0018】
なお、図では省略したが、前記一対の基板11,12の間隙は、これらの基板11,12間に分散状態で挟持させたガラス粒子等からなる複数のギャップ材により規制されている。
【0019】
この液晶セル1は、アクティブマトリックス方式のものであり、その一方の基板、例えば背面側基板11の内面に形成された電極13は、マトリックス状に配列する複数の画素電極、他方の基板、例えば前面側基板12の内面に形成された電極14は、前記複数の画素電極13と対向する部分によりそれぞれ画素領域を形成する一枚膜状の対向電極である。
【0020】
また、図では省略したが、前記画素電極13を形成した基板11の内面には、これらの画素電極13にそれぞれ接続された複数のアクティブ素子と、これらのアクティブ素子に信号を供給するための信号供給配線とが設けられている。なお、前記アクティブ素子は例えばTFT(薄膜トランジスタ)であり、その場合は、前記基板11の内面に、前記TFTにゲート信号を供給するためのゲート信号供給配線と、前記TFTにデータ信号を供給するためのデータ信号供給配線とが設けられる。
【0021】
また、この液晶セルは、TN(ツイステッドネマティック)型の液晶表示素子に用いられるものであり、一対の基板11,12間に設けられた液晶層18の液晶分子は、前記配向膜15,16によりそれぞれの基板11,12の近傍における配向方向を規制され、両基板11,12間においてほぼ90°のツイスト角でツイスト配向している。
【0022】
図7に示した液晶セル2は、フルカラー画像等の多色カラー画像を表示するものであり、この液晶セル2では、そのいずれかの基板、例えば前面側基板12の内面に、透過波長帯域が互いに異なる複数の色のカラーフィルタ、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタ17R,17G,17Bを、各画素領域にそれぞれ対応させて設け、その上に透明電極14を設けている。
【0023】
なお、この液晶セル2は、カラーフィルタ17R,17G,17Bを備えたものであるが、その他の構成は図6に示した液晶セル1と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0024】
次に、液晶層厚の測定方法を、図6に示した液晶セル1の液晶層厚の測定を例にとって説明すると、この実施例では、次のような手順で前記液晶セル1の液晶層厚dを測定する。
【0025】
まず、図6に示したように、液晶セル1の両方の面にそれぞれ対向させて一対の偏光板21,22を所定の条件で配置し、前記液晶セル1の電極13,14間に電圧を印加しない状態で、一方の面から図に矢線で示すように白色光を入射させ、一方の偏光板21と液晶セル1と他方の偏光板22とを透過して他方の面に出射する透過光の分光分布を図示しない測定器により測定する。
【0026】
この透過光の分光分布の測定は、前記一対の偏光板21,22を、光の透過率が液晶セル1の電極13,14間に電圧を印加しない状態において最小となる条件、つまり、ノーマリーブラックの表示を行なう条件で配置して行なう。
【0027】
すなわち、前記液晶セル1の液晶層18の液晶分子のツイスト角が上述したようにほぼ90°である場合は、一対の偏光板21,22を、それぞれの光学軸(例えば透過軸)を互いにほぼ平行にするとともに、前記液晶セル1のそれぞれの基板11,12の近傍における液晶分子の配向方向と、その基板11,12に隣接する偏光板21,22の光学軸とを互いにほぼ平行またはほぼ直交させて配置して、透過光の分光分布を測定する。
【0028】
次に、測定した透過光の分光分布を基に、色度座標(x,y値)を算出し、前記透過光の色度を前記CIE色度図上に表わす。図1において、CPは前記透過光の色度を表わす点(以下、色度点という)であり、WPは無彩色点(x=0.317,y=0.341の点)を示している。
【0029】
なお、この実施例では上述したように、前記透過光の分光分布の測定を、一対の偏光板21,22を光の透過率が液晶セル1の電極13,14間に電圧を印加しない状態において最小となる条件で配置して行なっており、透過光の分光分布の液晶層厚依存性は、光の透過率が小さい方が明確に観察できるため、透過光の色度をより正確に色度図上に表わすことができる。
【0030】
次に、前記色度図上での無彩色点WPと前記透過光の色度点CPとを通る直線Lのx軸に対する傾き角θを測定し、図2に示した傾き角θと液晶層厚dとの関係に基づいて、前記液晶セル1の液晶層厚dを求める。
【0031】
すなわち、この液晶層厚測定方法は、液晶セル1と所定の条件で配置した一対の偏光板21,22とを透過した光の分光分布の液晶層厚依存性に基づいて前記液晶セル1の液晶層厚dを求めるものであり、液晶セル1のギャップ材部分や液晶分子の配向が乱れた部分などを透過したノイズ光を考慮すること無く、透過光の分光分布から液晶層厚dを求めることができる。
【0032】
以下に上記測定方法の原理について説明する。液晶セルの透過光の分光分布の液晶層厚依存性は、液晶の屈折率異方性Δn,液晶分子の配向状態,透過光の波長,及びセルギャップが既知であれば、Gooch and Tarry の理論式により算出することができる。
【0033】
すなわち、液晶分子のツイスト角が90°である90°ツイストTN液晶表示素子(TN−LCD)のノーマリブラック状態における透過光強度Tは、Gooch and Tarry の理論式に基づいて下記の (1)式で表される。
【0034】
【数1】
Figure 0003704950
【0035】
上記 (1)式により、液晶層厚dが4.5μm、4.6μm、4.7μm、4.8μm、4.9μm、5.0μm、5.1μm、5.2μmの8通りについて、可視光帯域の各波長それぞれの透過率を算出することにより、前記TN−LCDのノーマリブラック状態における透過光の分光分布を求めることができる。
【0036】
求めた各液晶層厚における分光分布から液晶層厚dに対するY値(透過光の明るさ)とCIE色度図上での色度座標(xおよびyコーディネイトの値)を算出すると、次の[表1]のようになる。
【0037】
【表1】
Figure 0003704950
【0038】
この[表1]に示したY値とCIE色度図上での色度座標を示すxおよびyコーディネイトに基づいて、各液晶層厚に対応する色度点を前記CIE色度図上に表わすと、図3のようになる。この図3で示されるように、透過光の色度を表わす点CP0 は、液晶層厚dによって異なる。したがって、透過光の分光分布、つまり透過光のCIE色度図上での色度点から、液晶層厚dを求めることができる。
【0039】
ところで、実際に測定される透過光は前記ノイズ光を含んでいるため、実際の透過光の分光分布は、上述した計算による透過光の分光分布とは異なる。
すなわち、図4は、液晶層厚dが4.6μmの前記TN−LCDについて上記 (1)式により求めたの透過光の分光分布(算出値)と、液晶層厚dが同じ(d=4.6μm)でノイズ光量が異なる複数のTN−LCDについて偏光板は上述したノーマリブラック配置の件で実際に測定した透過光の分光分布(実測値)とを示している。
【0040】
このノイズ光は、液晶セル1のギャップ材部分(液晶が存在しない部分)や液晶分子の配向が乱れた部分などのような液晶層本来の屈折率とは異なる屈折率を示す部分からの漏れ光である。
【0041】
この図4のように、実際の透過光の分光分布は、ノイズ光を考慮しない計算により求めた透過光の分光分布とは異なり、ノイズ光(漏れ光)の量が多いほど各波長光の透過率が高くなるが、その分光分布曲線の形(可視光帯域の全ての波長光の透過率の比)は、前記計算により求めた分光分布曲線上の透過光の分光分布とほとんど変わらず、前記分光分布曲線が透過率が高い方向に平行移動した特性を示す。
【0042】
図4に示した、ノイズ光を含んだ透過光の分光分布に基づいて、ノイズ光が無い場合(Y値=7.34)と、ノイズ光強度により透過光強度Y値が異なる場合について、それぞれのCIE色度図上でのx,yコーディネイトを[表2]示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003704950
【0044】
この[表2]の各色度座標により、各色度点CPをCIE色度図上に表わすと、図5のようになる。
この図5から分かるように、液晶層厚dが同じ場合、ノイズ光の影響によるY値の変化は、無彩色点WPと前記算出(ノイズ光が無いとき)された色度点CP0 とを通る直線に沿ったほぼ直線的な変化である。
【0045】
つまり、液晶セル1の液晶層厚dが同じであれば、CIE色度図上での無彩色点WPと透過光の色度を表わす点とを通る直線のx軸に対する傾き角θは、ノイズ光の影響の有無にかかわらずほぼ一定である。
【0046】
そして、図3に示されているように、CIE色度図上で各液晶層厚毎にそれぞれ対応した異なる色度点CP0 をもっているから、それぞれの液晶層厚におけるノイズ光を含んだ透過光のCIE色度図上での色度点CPは、その液晶層厚に対応する色度点CP0 と無彩色点WPとを結んだ直線上にある。
【0047】
よって、偏光板をノーマリブラック配置したTN−LCDの透過光をCIE色度図上に表した色度点CP0 と無彩色点WPとを結んだ直線Lのx軸に対する傾き角θが、液晶層厚に対応する。
【0048】
前記直線Lのx軸に対する傾き角θと、液晶層厚dとの関係は、[表1]に示した各液晶層厚dに対応する色度点CP0 の色度座標と、無彩色点WPの色度座標とにより求めることができる。
このようにして、求めた直線Lのx軸に対する傾き角θと、液晶層厚dとの関係を図2に示した。
【0049】
上述したように、前記直線Lの傾き角θは、ノイズ光の影響の有無にかかわらずほぼ一定であるため、TN−LCDの透過光の分光分布を測定してその透過光の色度点をCIE色度図上に表わし、この色度図上での無彩色点WPと前記透過光の色度を表わす点CPとを通る直線Lの傾き角θを求め、この傾き角θと液晶層厚dとの関係を表した図2に基づいて液晶層厚dを求めることにより、ノイズ光の影響による誤差をほとんど生じることなく高い精度で測定することができる。
【0050】
また、上記実施例では、前記透過光の分光分布の測定を、一対の偏光板21,22を光の透過率が液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態において最小となる条件で配置して行なっており、透過光の分光分布の液晶層厚依存性は光の透過率が小さい方が明確に測定できるため、このような条件で偏光板21,22 を配置して透過光の分光分布を測定することにより、その透過光の色度をより正確に色度図上に表わして、さらに精度よく液晶層厚を測定することができる。
【0051】
このように、偏光板21,22を光の透過率が液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態において最小となる条件で配置して透過光の分光分布を測定したときの液晶層厚dの測定誤差は、±0.01μmの範囲であり、高い精度で液晶層厚dを測定することができる。
【0052】
なお、上記液晶層厚測定方法は、図7に示したカラーフィルタ17R,17G,17Bを備えた液晶セル2の液晶層厚dの測定にも適用できるものであり、その場合は、この液晶セル2を図7に示すように一対の偏光板21,22ではさんで透過光の分光分布を測定し、その測定した分光分布から、予め測定しておいた前記複数の色のカラーフィルタ17R,17G,17Bのみを透過した光の分光分布分を差し引いてカラーフィルタ無しの分光分布を求め、その分光分布に対応する色度をCIE色度図上に表わして、前記色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線のx軸に対する傾き角θを算出し、図2に示した傾き角θと液晶層厚dとの関係に基づいて、前記液晶セル1の液晶層厚dを求めるすればよい。
【0053】
また、上記実施例では、CIE色度図上での無彩色点WPと透過光の色度を表わす点CPとを通る直線Lのx軸に対する傾き角θから液晶層厚dを判定したが、液晶層厚dは、前記直線Lのy軸に対する傾き角から判定してもよい。
【0054】
さらに、上記実施例では、透過光の分光分布の測定を、前記偏光板を光の透過率が液晶セル1の電極13,14間に電圧を印加しない状態において最小となる条件(ノーマリーブラックの表示を行なう条件)で配置して行なったが、透過光の分光分布の測定は、前記偏光板を光の透過率が液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態において最大となる条件(ノーマリーホワイトの表示を行なう条件)で配置して行なってもよい。
【0055】
また、この発明は、液晶分子がツイスト配向した液晶セルに限らず、液晶分子がほぼ平行に配向した、いわゆるパラレル配向液晶セルの液晶層厚測定にも適用できるものであり、その場合も、液晶セルをはさんで一対の偏光板を所定の条件で配置して前記液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態での透過光の分光分布を測定し、その透過光の色度をCIE色度図上に表わして、前記色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線のx,y軸のいずれかに対する傾き角から前記液晶セルの液晶層厚を求めればよい。
【0056】
なお、前記パラレル配向液晶セルの液晶層厚測定において、透過光の分光分布の測定を、偏光板を光の透過率が液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態において最小となる条件で配置して行なう場合、前記パラレル配向液晶セルの光透過強度T0 は、液晶の屈折率異方性をΔn、液晶層厚をdとすると、下記の (2)式で表される。
【0057】
【数2】
Figure 0003704950
【0058】
したがって、上述した第1実施例と同様に、上記 (2)式により、異なる複数の液晶層厚d毎に可視光帯域の各波長それぞれの透過率を算出して透過光の分光分布を求め、その分光分布から液晶層厚dに対するCIE色度図上での色度座標(xおよびyコーディネイトの値)を算出して色度点を求め、この色度点と無彩色点とを結ぶ線のx軸に対する傾き角を求める。そして、予め前各液晶層厚に対する色度座標と無彩色点の色度座標とから算出しておいた、前記各液晶層厚と前記傾き角との関係に基づいて、液晶層厚を求めることができる。
【0059】
さらに、上記実施例では、液晶セル1をはさんで一対の偏光板21,22を配置し、一方の偏光板21と液晶セル1と他方の偏光板22とを透過して出射する透過光の分光分布を測定しているが、液晶セルの一方の面に偏光板を所定の条件で配置し、前記液晶セルの他方の面に反射板を配置して、前記偏光板と液晶セルを透過して前記反射板で反射され前記液晶セルと前記偏光板とを透過して出射する透過光の分光分布を測定し、その透過光の色度をCIE色度図上に表わして、前記色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線のx,y軸のいずれかに対する傾き角から前記液晶セルの液晶層厚を求めるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
この発明の液晶層厚測定方法は、液晶セルの少なくとも一方の面に偏光板を所定の条件で配置して前記液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態での透過光の分光分布を測定し、その透過光の色度をCIE色度図上に表わして、前記色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線のx,y軸のいずれかに対する傾き角から液晶層厚を求めるものであるから、前記液晶層厚を高い精度で測定することができる。
【0061】
この発明は、白黒表示を行なう液晶セルの液晶層厚測定にも、複数の色のカラーフィルタを備えたカラー画像を表示する液晶セルの液晶層厚測定にも適用できるものであり、カラーフィルタを備えた液晶セルの場合でも、測定した透過光の分光分布から、予め測定しておいた前記複数の色のカラーフィルタのみを透過した光の分光分布分を差し引いてカラーフィルタ無しの分光分布を求め、その分光分布に対応する色度をCIE色度図上に表わすことにより、上述した液晶層厚の測定を行なうことができる。
【0062】
また、この発明において、前記透過光の分光分布の測定は、前記偏光板を光の透過率が液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態において最小となる条件で配置して行なうのが好ましく、前記分光分布の液晶層厚依存性は、光の透過率が小さい方が大きく見えるため、このような条件で偏光板を配置して透過光の分光分布を測定すれば、その透過光の色度をより正確に色度図上に表わして、さらに精度よく液晶層厚を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無彩色点と透過光の色度を表わす点とを通る直線の傾き角の一例を示すCIE色度図。
【図2】前記直線の傾き角と液晶層厚との関係を示す図。
【図3】液晶層厚が異なる液晶表示素子について求めた透過光の分光分布から算出した、液晶層厚と透過光の色度点との関係を示すCIE色度図。
【図4】液晶層厚が4.6μmの液晶表示素子について求めたノイズ光が無い場合の透過光の分光分布と、液晶層厚dが同じ(d=4.6μm)でノイズ光強度が異なる複数の液晶表示素子について実際に測定した透過光の分光分布とを示す図。
【図5】液晶層厚が4.6μmの液晶表示素子について求めた透過光の色度点と、液晶層厚dが同じ(d=4.6μm)でノイズ光量が異なる複数の液晶表示素子について実際に測定した透過光の色度点とを示すCIE色度図。
【図6】白黒表示を行なう液晶セルの断面図。
【図7】カラー表示を行なう液晶セルの断面図。
【符号の説明】
WP…無彩色点
CP…透過光の色度を表わす点
L…前記無彩色点と透過光の色度を表わす点とを通る直線
θ…前記直線のx軸に対する傾き角

Claims (3)

  1. 対向面に電極がそれぞれ形成された一対の基板の間に液晶分子が所定の配向状態で配向した液晶層を設けてなる液晶セルの前記液晶層の層厚を測定する方法であって、
    前記液晶セルの少なくとも一方の面に偏光板を所定の条件で配置して前記液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態での透過光の分光分布を測定し、その透過光の色度を表す点をCIE色度図上に求め、前記色度図上での無彩色点と前記透過光の色度を表わす点とを通る直線のx,y軸のいずれかに対する傾き角から前記液晶セルの液晶層厚を求めることを特徴とする液晶層厚測定方法。
  2. 前記液晶セルは、前記一対の基板の対向する内面のいずれか一方に複数の色のカラーフィルタを備えており、前記透過光の分光分布は、測定した前記液晶セルの透過光の分光分布を、予め測定しておいた前記複数の色のカラーフィルタのみを透過した光の分光分布を基に前記液晶セルのみの分光分布に補正して求めることを特徴とする請求項1に記載の液晶層厚測定方法。
  3. 前記透過光の分光分布の測定は、前記偏光板を、光の透過率が前記液晶セルの電極間に電圧を印加しない状態において最小となる条件で配置して行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶層厚測定方法。
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