JP3704948B2 - 熱可塑性エラストマーおよび製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性ポリオレフィン樹脂および架橋されたゴム成分からなる熱可塑性エラストマー、およびその製造方法に関し、さらに詳しくは耐油性が向上し、しかも押出成形時にダイに発生する目ヤニ状の付着物(以下、目ヤニという)の発生量が少ない熱可塑性エラストマー、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイクルが容易であることから、省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫ゴムの代替品として自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建材等に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、従来のオレフィン系熱可塑性エラストマーは耐油性が悪く、特に芳香族系有機溶剤、ガソリン、鉱油などの非極性溶媒等に接触すると膨潤してしまうという問題点があり、その使用用途が限定されている。また、押出成形時にダイに発生する目ヤニの量が一般的な樹脂に比べて多く、このため目ヤニが成形品に付着して外観不良の原因になるなどの問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐油性が向上し、しかも押出成形時に目ヤニの発生量が少ない熱可塑性エラストマー、およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の熱可塑性エラストマーおよびその製造方法である。
(1) 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含む組成物からなる熱可塑性エラストマーであって、
(a)23℃のシクロヘキサンに48時間浸漬したときのシクロヘキサン不溶解分として表わされるゲル含量が20重量%以上、
(b)50℃のパラフィンオイルに24時間浸漬したときの重量変化率ΔWが80重量%以下、
(c)スクリュー径50mm、L/Dが28、圧縮比4.0のフルフライト型スクリューを有する一軸押出機と、それに取付けた開口部25mm×1mmのダイを用いて、前記一軸押出機の導入部からダイ出口を160〜210℃のグラジエント昇温により、テープ状の成形品を20m/分で押し出した場合に、10分間でダイ付近に発生する目ヤニ状付着物が30mg以下
である熱可塑性エラストマー。
(2) 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含む組成物からなる熱可塑性エラストマーの製造において、
第1の押出機において結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練し、実質的に架橋反応が終了している混練物を第2の押出機のバレルの全長に対してフィードホッパー側から2/3より上流側に供給して、第2の押出機内の結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)とともに溶融混練する
熱可塑性エラストマーの製造方法。
(3) 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含む組成物からなる熱可塑性エラストマーの製造において、
第1の押出機を用いて結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練し、前記第1の押出機の全長の4/13よりダイ側に取り付けた第2の押出機から結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)を第1の押出機内に供給し、第1の押出機内の実質的に架橋反応が終了している混練物とともに溶融混練する
熱可塑性エラストマーの製造方法。
【0006】
本明細書において目ヤニとは、熱可塑性エラストマーの押出成形時にダイに付着する原料とは色または物性が異なる付着物を意味する。この目ヤニには黄色の粘着質のものや、黒色の細かい粒などが知られており、原料ポリマーの劣化物と考えられているが、その発生メカニズムなどは明らかにされていない。
【0007】
本発明の熱可塑性エラストマーは結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含み、前記ゲル含量(a)が20重量%以上、好ましくは30重量%以上、前記浸漬前後の重量変化ΔW(b)が80重量%以下、好ましくは60重量%以下、前記目ヤニ発生量(c)が30mg以下、好ましくは20mg以下のものである。ここでゲル含量(a)、浸漬前後の重量変化率(b)および目ヤニ発生量(c)は次のようにして測定される。
【0008】
《ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)(a)の測定法》
熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで得られた細片を密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。次に、この試料を濾紙上に取出し、室温にて恒量になるまで72時間以上乾燥する。この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を「補正された最終重量(Y)」とする。一方、試料の重量から、ポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(例えば軟化剤等)の重量およびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を「補正された初期重量(X)」とする。
ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)(a)は下記数式(1)により求められる。
ゲル含量(重量%)={「補正された最終重量(Y)」/「補正された初期重量(X)」}×100 …(1)
【0009】
《浸漬前後の重量変化率ΔW(b)の測定法》
熱可塑性エラストマーから射出成形により150mm×120mm×2mmの角板を成形し、それから20mm×20mm×2mmの角板のテストピースを切り出し、予め秤量したテストピースを50℃のパラフィンオイルに24時間浸漬した後、重量を量り、浸漬前後の重量変化率ΔW(b)を算出する。
【0010】
《目ヤニ発生量(c)の測定法》
熱可塑性エラストマーを使用し、スクリュー径50mm、L/Dが28、圧縮比4.0のフルフライト型スクリューを有する一軸押出機と、それに取付けた開口部25mm×1mmのダイを用いて、前記一軸押出機の導入部からダイ出口を160〜210℃のグラジエント昇温により、テープ状の成形品を20m/分で押し出した場合に、10分間でダイ付近に発生する目ヤニを秤量する。上記グラジエント昇温は、各ゾーン(C1〜C4)、ヘッド(H)およびダイ(D)の温度を次の設定温度で行う。
C1/C2/C3/C4/H/D=160/170/180/190/200/210(℃)
【0011】
本発明の熱可塑性エラストマーは結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含む組成物であるが、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)と混合した状態でゴム成分(B1)が架橋された架橋物(C)と、結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)とを含む組成物が好ましい。
【0012】
架橋物(C)を構成する結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンの単独重合体または共重合体などがあげられる。
【0013】
このような結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)としては、エチレン、プロピレンまたは1−ブテンの単独重合体、あるいはエチレン、プロピレンまたは1−ブテンを主成分とする共重合体などのポリオレフィン樹脂が好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンとしては、プロピレン含有量80〜100モル%、好ましくは85〜100モル%のプロピレン単独重合体または炭素数2〜10(ただしプロピレンを除く)のα−オレフィンとの共重合体があげられる。架橋物(C)を構成する結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0014】
本発明において、架橋物(C)を構成する結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)は、架橋物(C)を構成する(A1)および(B1)成分の合計量100重量部に対して5〜70重量部、好ましくは10〜50重量部の割合とするのが望ましい。
結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)を上記のような割合とすると、柔軟性および成形性に優れた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0015】
架橋物(C)を構成するゴム成分(B1)の具体的なものとしては、炭素数2〜20のα−オレフィン含量が50モル%以上の無定形ランダムな弾性共重合体であるオレフィン系共重合体ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・エチレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴムおよびその水素添加品、スチレン・イソプレン共重合ゴムおよびその水素添加品、ニトリルゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、アクリルゴムなどがあげられる。
上記炭素数2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどがあげられる。これらの中でもエチレンおよびプロピレンが好ましい。
【0016】
このようなゴム成分(B1)としては、2種以上のα−オレフィンからなるα−オレフィン共重合体、または2種以上のα−オレフィンと非共役ジエンとからなるα−オレフィン・非共役ジエン共重合体などのオレフィン系ゴムが好ましく、特にエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜10〜50/50〕が好ましい。上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムとしては、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムが好ましい。
【0017】
上記非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどがあげられる。このような非共役ジエンが共重合しているエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素価は35以下、好ましくは25以下が望ましい。
【0018】
架橋物(C)を構成するゴム成分(B1)は、メルトフローレート(MFR、ASTM D 1238−65T、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)が0.1〜5g/10分、好ましくは0.1〜2g/10分であるものが望ましい。
架橋物(C)を構成するゴム成分(B1)は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0019】
本発明において、架橋物(C)を構成するゴム成分(B1)は、架橋物(C)を構成する(A1)および(B1)成分の合計量100重量部に対して30〜95重量部、好ましくは90〜50重量部の割合とするのが望ましい。
ゴム成分(B)を上記のような割合とすると、柔軟性および成形性に優れた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0020】
本発明における架橋物(C)では架橋剤(D)として、有機過酸化物、硫黄、フェノール樹脂、アミノ樹脂、キノンおよびその誘導体、アミン系化合物、アゾ化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート等、熱硬化型ゴムで一般に使用される架橋剤を使用することができる。これらの中では有機過酸化物が好ましい。
【0021】
有機過酸化物としては、具体的にはジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドなどがあげられる。
【0022】
これらの中では、臭気、スコーチ安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、特に1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好ましい。
【0023】
有機過酸化物は、架橋物(C)を構成する(A1)および(B1)成分の合計量100重量部に対して0.1〜2重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部の割合で用いるのが望ましい。有機過酸化物の量が上記範囲にある場合、ゴム的性質、成形性、耐熱性および成形品外観のバランスのとれた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0024】
上記有機過酸化物による架橋処理に際し、架橋助剤(E)を使用することもできる。架橋助剤(E)の具体的なものとしては、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;p−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム等のオキシム化合物;N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン等のニトロソ化合物;トリメチロールプロパン−N,N′−m−フェニレンジマレイミド等のマレイミド化合物;その他イオウ、ジフェニルグアニジンなどがあげられる。その他にも架橋助剤(E)として、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー;ビニルブチラート、ビニルステアレート等の多官能ビニルモノマー;トリアリルシアヌレート等の多官能性アリルモノマーなどがあげられる。
【0025】
有機過酸化物による架橋処理に際し、上記架橋助剤(E)を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。上記架橋助剤(E)の中ではジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは取扱い易く、前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)やゴム成分(B1)との相溶性が良好であり、かつ有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤としても働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれた熱硬化性エラストマーが得られる。
【0026】
上記架橋助剤(E)は、前記被架橋処理物全体に対して0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜2重量%の割合で用いるのが望ましい。架橋助剤(E)の配合割合が上記範囲にある場合、得られる熱可塑性エラストマーは、架橋助剤(E)が熱可塑性エラストマー中に未反応のモノマーとして残存することがないため、加工成形の際に熱履歴による物性の変化が生じることがなく、しかも流動性に優れている。
【0027】
架橋物(C)に配合する結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)は、架橋物(C)を構成する結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)として例示したものを用いることができる。架橋物(C)に配合する結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)は、架橋物(C)を構成する結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また架橋物(C)に配合する結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0028】
架橋物(C)に配合する結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)としては、ポリプロピレンまたは低密度直鎖状ポリエチレンが好ましく、特にMFRが10g/10分以下のポリプロピレンが好ましい。このようなポリプロピレンを用いることにより、耐油性が向上し、しかも押出成形時に発生する目ヤニの少ない熱可塑性エラストマーを得ることができる。
【0029】
架橋物(C)に配合するゴム成分(B2)は、架橋物(C)を構成するゴム成分(B1)として例示したものを用いることができる。架橋物(C)に配合するゴム成分(B2)は、架橋物(C)を構成するゴム成分(B1)と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また架橋物(C)に配合するゴム成分(B2)は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0030】
架橋物(C)に配合するゴム成分(B2)としては、架橋物(C)を構成するゴム成分(B1)と同じか相溶性のよいゴムおよび/または炭素数2〜20のα−オレフィン含量が50モル%以上の無定形ランダムな弾性共重合体であるオレフィン系ゴムを用いることが好ましい。このような無定形ランダムな弾性共重合体としては、2種以上のα−オレフィンからなるα−オレフィン共重合体、2種以上のα−オレフィンと非共役ジエンとからなるα−オレフィン・非共役ジエン共重合体などがあり、具体的には以下のようなオレフィン系ゴムなどがあげられる。
【0031】
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
(2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
(3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム〔プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
(4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム〔ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
【0032】
上記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどがあげられる。
上記非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどがあげられる。
【0033】
このような非共役ジエンが共重合している上記(2)のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素価は25以下が好ましい。
前記(1)〜(4)のオレフィン系ゴムは、MFRが0.1〜10g/10分、好ましくは0.2〜5g/10分であるものが望ましい。
【0034】
前記オレフィン系ゴムの中でも、特にエチレン・プロピレンゴムが好ましく、特にエチレンとプロピレンとのモル比(エチレン/プロピレン)が30/70〜90/10のものが好ましい。
【0035】
本発明において、架橋物(C)に配合する結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)の量は、架橋物(C)を構成する(A1)および(B1)の合計量100重量部に対して3〜100重量部、好ましくは5〜70重量部であるのが望ましい。架橋物(C)に配合する成分は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)、ゴム成分(B2)のいずれか一方でもよいし、両方でもよい。
【0036】
本発明においては、前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびゴム成分(B)の他に、熱可塑性エラストマーの原料として軟化剤(F)、無機充填剤(G)、その他の成分などを用いることができる。特に軟化剤(F)を用いると、柔軟性および成形性に優れた熱可塑性エラストマーを得ることができる。
【0037】
上記軟化剤(F)の具体的なものとしては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物などがあげられる。
軟化剤(F)の配合量は、ゴム成分(B)100重量部に対して10〜300重量部、好ましくは20〜200重量部とするのが望ましい。
【0038】
前記無機充填剤(G)の具体的なものとしては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊維、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラスビーズ、シラスバルーンなどがあげられる。
無機充填剤(G)の配合量は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびゴム成分(B)の合計量100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部とするのが望ましい。
【0039】
さらに本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤などの他の添加剤を配合することができる。
【0040】
上記の熱可塑性エラストマーは、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)と混合した状態でゴム成分(B1)が架橋された架橋物(C)に、結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)ならびに他の添加剤が配合された組成物である。架橋物(C)は結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)を抱き込んだ形でゴム成分(B1)が架橋されたゲル状物となっており、23℃シクロヘキサン不溶解分であるゲルを含有している。架橋物(C)と他の成分とは均一に分散、混合している。
【0041】
本発明の熱可塑性エラストマーは、第1の押出機において結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練し、実質的に架橋反応が終了している混練物を第2の押出機のバレルの全長に対してフィードホッパー側から2/3より上流側に供給して、第2の押出機内の結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)とともに溶融混練する第1の製造方法、ならびに第1の押出機を用いて結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B2)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練し、前記第1の押出機の全長の4/13よりダイ側に取り付けた第2の押出機から結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)を第1の押出機内に供給し、第1の押出機内の実質的に架橋反応が終了している混練物とともに溶融混練する第2の製造方法により製造することができる。
【0042】
まず第1の製造方法について説明する。第1の製造方法で用いる第1の押出機としては、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練することができる押出機が制限なく使用できる。第1の押出機としては、例えば一軸押出機または二軸押出機などが使用できるが、二軸押出機が好ましく、特にL/D(スクリューの有効長Lと外径Dとの比)が30以上、好ましくは36〜54の二軸押出機が好ましい。このような二軸押出機としては、例えば2本のスクリューの回転方向が同一方向のもの、異なる方向のもの、あるいは2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合わないものなど任意の二軸押出機を使用することができる。これらの中では、2本のスクリューの回転方向が同一方向で、噛み合うものがより好ましい。このような二軸押出機の具体的なものとしては、ワーナー社製ZSK、東芝機械社製TEM、日本製鋼所社製TEX、池貝社製GT、神戸製鋼所製KTX(いずれも商標)などがあげられる。
【0043】
第1の製造方法で用いる第2の押出機には、第1の押出機を取り付けるための取付部が設けられ、この取付部に第1の押出機が取り付けられている。取付部の位置は、第2の押出機のバレルの全長に対してフィードホッパー側から2/3より上流側(フィードホッパー側)、好ましくは1/5〜1/2の位置(1/2よりフィードホッパー側の位置である)のバレルに設ける。第2の押出機は、一軸押出機または二軸押出機であってもよいし、高速連続混練ミキサーであってもよいが、二軸押出機が好ましい。
また第1および第2の押出機は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびゴム成分(B)などの原料供給用のフィードホッパーまたは定量フィーダーを通常備えている。
【0044】
本発明において、「第1の押出機」および「第2の押出機」という名称は、単に2つの押出機を区別するための名称であって、2つの押出機しか使用しないということを意味するものではない。例えば、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)として2種以上のポリオレフィン樹脂を使用する場合は、第1の押出機の前段に、2種以上のポリオレフィン樹脂を予め溶融混練する他の押出機が設けられていてもよい。
【0045】
第1の製造方法は、まず第1の押出機において、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練して架橋反応させる。
第1の押出機に供給する(A1)および(B1)成分は、通常溶融されていない状態で、フィードホッパーまたは定量フィーダーなどを用いて供給する。
【0046】
架橋剤(D)および架橋助剤(E)の供給方法としては、ミキサーを用いて架橋反応に供されるポリマーのペレットと予め混合して第1の押出機に供給する方法、またはフィードホッパーとダイとの間に設けられたバレル開口部から第1の押出機に供給する方法などが採用できる。後者の場合、バレル開口部は、第1の押出機のバレルの全長のフィードホッパー側から1/2より上流側、好ましくは2/5より上流側(フィードホッパー側)に設けるのが好ましい。
【0047】
架橋反応は、混練物が第2の押出機に供給される前、すなわち第1の押出機内で実質的に終了している。そのため、架橋反応が進行する場所、例えば架橋剤(D)が供給される位置とダイとの間のいずれかのバレルゾーンを、架橋剤(D)の1分半減期温度より20℃以上、好ましくは30℃以上高い温度に設定するのが好ましい。
【0048】
架橋反応が実質的に終了しているかどうかは、下記数式(2)から求められるゲル量の差(シクロヘキサン不溶解分の量)から判定することができる。すなわち、下記数式(2)の値が10以下の場合は架橋反応は実質的に終了していると判定することができる。また下記数式(2)の値が小さいほど、架橋反応はより進行していると判定することができる。
【0049】
ゲル量の差(mg)=Q−rP …(2)
(式中、Qは最終的に得られた熱可塑性エラストマーの試料100mg中に含まれるシクロヘキサン不溶解分の量(mg)、Pは第2の押出機に供給される混練物からサンプリングした試料100mg中に含まれるシクロヘキサン不溶解分の量(mg)、rは第1および第2の押出機に供給した原料の合計の内、第1の押出機に供給した原料の割合(重量比)である。)
【0050】
各試料のシクロヘキサン不溶解分の量は次のようにして求める。すなわち試料を100mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで得られた細片を密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。次に、この試料を濾紙上に取出し、室温にて恒量になるまで72時間以上乾燥する。この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分の重量を減じた値を求め、この値をシクロヘキサン不溶解分の量とする。
【0051】
第1の製造方法では、架橋反応が実質的に終了している架橋物(C)(第1の押出機から第2の押出機に供給される混練物)と、架橋されないポリマー(第1の押出機以外から第2の押出機に供給される原料など)とが、第1の押出機を取り付けた取付部より下流の第2の押出機内で溶融混練されることになり、これにより架橋物(C)と架橋されないポリマーとが均一に分散された組成物が製造される。
【0052】
架橋反応によって生成する架橋物(C)の架橋度(最終組成物中の架橋度)は、前記の方法によって測定したゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)(a)が20重量%以上、好ましくは30重量%以上である。また熱可塑性エラストマーに耐油性が要求される場合は、90重量%以上であることが望ましい。なお本発明の熱可塑性エラストマーは、ゲル含量が90重量%未満であっても、ゲル含量が同等の従来の熱可塑性エラストマーに比べて耐油性が向上している。
【0053】
第1の押出機で混練する際の剪断速度は、少なくとも300sec-1以上、好ましくは1000sec-1以上、さらに好ましくは2000sec-1以上であることが必要である。
【0054】
架橋物(C)に配合する(A2)および/または(B2)成分は、通常溶融されていない状態で、フィードホッパーまたは定量フィーダーなどを用いて供給するが、第1の押出機から供給される混練物とのブレンド比を一定に保つため定量フィーダーを用いて供給するのが望ましい。
【0055】
第1の製造方法では、第1の押出機で溶融混練し、実質的に架橋反応が終了している混練物を第2の押出機に供給し、第2の押出機内の結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)とともに溶融混練する。第1の押出機から供給する混練物は、溶融状態で第2の押出機に供給するのが好ましい。供給位置は、第2の押出機のバレルの全長に対してフィードホッパー側から2/3より上流側、好ましくは1/5〜1/2の位置とする。第2の押出機での溶融混練の温度は140〜300℃、好ましくは160〜250℃とするのが望ましい。
【0056】
軟化剤(F)、無機充填剤(G)および他の添加剤の添加位置は特に限定されず、例えば第1の押出機に添加することもできるし、第2の押出機に添加することもできるし、両方の押出機に添加することもできる。
第1の押出機および第2の押出機に供給する各成分は予めヘンシェルミキサーなどの混練機で混合しておくのが好ましい。
【0057】
次に第2の製造方法について説明する。第2の製造方法で用いる第1の押出機としては、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練することができる押出機が制限なく使用できる。第1の押出機としては、例えば一軸押出機または二軸押出機などが使用できるが、二軸押出機が好ましく、特にL/D(スクリューの有効長Lと外径Dとの比)が35以上、好ましくは40〜60、さらに好ましくは44〜56の二軸押出機が好ましい。このような二軸押出機としては、例えば2本のスクリューの回転方向が同一方向のもの、異なる方向のもの、あるいは2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合わないものなど任意の二軸押出機を使用することができる。これらの中では、2本のスクリューの回転方向が同一方向で、噛み合うものがより好ましい。このような二軸押出機の具体的なものとしては、ワーナー社製ZSK、東芝機械社製TEM、日本製鋼所社製TEX、池貝社製GT、神戸製鋼所製KTX(いずれも商標)などがあげられる。
【0058】
第1の押出機には、バレルの全長の1/2よりダイ側(下流末端側)のバレルに第2の押出機を取り付けるための取付部が設けられ、この取付部に第2の押出機が取り付けられている。第2の押出機は、一軸押出機であってもよいし、二軸押出機であってもよいが、2種以上のポリマーを第1の押出機内に供給する場合には二軸押出機が好ましい。第2の押出機の取付位置は、第1の押出機のバレルの全長の4/13よりダイ側(下流側)である。また第1の押出機は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)などの原料供給用のフィードホッパーまたは定量フィーダーを通常備えている。
【0059】
第2の製造方法は、まず第1の押出機に結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を供給して架橋剤(D)の存在下で溶融混練して架橋反応させる。
架橋剤(D)および架橋助剤(E)の供給方法としては、ミキサーを用いて架橋反応に供されるポリマーのペレットと予め混合して第1の押出機に供給する方法、または第2の押出機の取付部より上流側に設けられたバレル開口部から架橋反応に供されるポリマーとは別に第1の押出機に供給する方法などが採用できる。後者の場合バレル開口部は、第1の押出機のバレルの全長のダイ側から3/5より上流側(フィードホッパー側)に設けるのが好ましい。
【0060】
架橋反応は、新たなポリマーが供給される手前、すなわち第2の押出機の取付位置より手前(上流側)で実質的に終了している。そのため、架橋反応が進行する場所、例えば架橋剤(D)が供給される位置と第2の押出機の取付位置との間のいずれかのバレルゾーンを、架橋剤(D)の1分半減期温度より20℃以上、好ましくは30℃以上高い温度に設定するのが好ましい。
第2の製造方法では、架橋反応が実質的に終了している架橋物(C)と架橋されないポリマーとが第2の押出機の取付部より下流域で溶融混練され、架橋物(C)と架橋されないポリマーとが均一に分散された組成物が製造される。
【0061】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性エラストマーは、耐油性が向上し、しかも押出成形時に目ヤニの発生量が少ない。また軽量でリサイクルが容易であることから、省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫ゴムの代替品として自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建材等の分野で広く使用することができる。
【0062】
本発明の第1の製造方法は、第1の押出機において結晶性ポリオレフィン樹脂およびゴム成分を架橋剤の存在下で溶融混練し、実質的に架橋反応が終了している混練物を第2の押出機のバレルの全長に対してフィードホッパー側から2/3より上流側に供給して、結晶性ポリオレフィン樹脂および/またはゴム成分とともに溶融混練しているので、耐油性が向上し、しかも押出成形時に発生する目ヤニの量が少ない熱可塑性エラストマーを容易に効率よく製造することができる。
【0063】
本発明の第2の製造方法は、第1の押出機を用いて結晶性ポリオレフィン樹脂およびゴム成分を架橋剤の存在下で溶融混練し、第1の押出機の全長の4/13よりダイ側に取り付けた第2の押出機から結晶性ポリオレフィン樹脂および/またはゴム成分を第1の押出機内に供給し、第1の押出機内の実質的に架橋反応が終了している混練物とともに溶融混練しているので、耐油性が向上し、しかも押出成形時に発生する目ヤニの量が少ない熱可塑性エラストマーを容易に効率よく製造することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
次に本発明の熱可塑性エラストマーの製造方法の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明の第1の製造方法に用いる製造装置の斜視図であり、1は第1の押出機、2は第2の押出機である。
【0065】
第1の押出機1は、二軸押出機であり、フィードホッパー5およびダイ6を備え、ダイ6から押し出した混練物が押出圧力により接続路7を通して第2の押出機2内に供給されるように構成されている。
【0066】
第2の押出機2は二軸押出機であり、定量フィーダー11およびダイ12を備え、バレル13の全長に対して定量フィーダー11側から3/10の位置に第1の押出機1を取り付けるための取付部14を有している。取付部14には第1の押出機1からの接続路7が接続している。
第1の押出機1と第2の押出機2とは設置面からほぼ同じ高さに並行して設置されている。
【0067】
図1の製造装置を用いて熱可塑性エラストマーを製造するには、第1の押出機1のフィードホッパー5から結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)、ゴム成分(B1)、架橋剤(D)および必要により配合する他の添加剤を供給し、少なくとも300sec-1の剪断速度で溶融混練して架橋反応させる。この際、第2の押出機2に供給する前に架橋反応が実質的に終了するように、押出機の種類、設定温度、架橋剤(D)の種類および量などを選択する。この架橋反応が実質的に終了している混練物(架橋物(C))をダイ6から押し出すとともに、接続路7を通して押出圧力により第2の押出機2内に供給する。図1の装置の場合、第1の押出機1が押出機2に取り付けられているので、第1の押出機1における上記条件を選択することにより、容易に、実質的に架橋反応を終了させることができる。
【0068】
第2の押出機2では、定量フィーダー11から結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)ならびに必要により配合する他の添加剤を供給し、接続路7を通して第1の押出機1から供給される混練物とともに溶融混練する。これにより、第1の押出機1で架橋反応を受けた架橋物(C)および第2の押出機2の定量フィーダー11から供給される原料が、取付部14より下流の位置でさらに溶融混練され、熱可塑性エラストマーが製造される。
【0069】
第1の押出機1から第2の押出機2に供給する混練物は溶融状態で供給するのが好ましく、このため接続路7は混練物(架橋物(C))の融点以上に保温できる金属管で構成されるのが好ましい。製造された熱可塑性エラストマーはダイ12から押し出す。
【0070】
図2は第1の製造方法の他の製造装置を示す正面図であり、第1の押出機1が第2の押出機2の上方に設置され、第1の押出機1で架橋反応させ、実質的に架橋反応が終了している混練物(架橋物(C))が接続路7を通して重力落下により第2の押出機2内に供給されるように構成されている。他の構成は図1と同じである。
図2の製造装置の場合も、混練物(架橋物(C))が重力落下により第2の押出機2に供給される以外は、図1の製造装置の場合と同様にして熱可塑性エラストマーを製造することができる。
【0071】
図1および図2の装置においては、架橋剤(D)および必要により配合する他の添加剤はフィードホッパー5から供給されるが、フィードホッパー5とダイ6との間にバレル開口部を設けて、この開口部から添加することもできる。また第2の押出機2としては、一軸押出機や高速連続混練ミキサーなどの他の押出機または混練機を使用することもできる。
【0072】
図3は第2の製造方法に用いる製造装置の斜視図であり、1は第1の押出機、2は第2の押出機である。
第1の押出機1は、L/Dが35以上の二軸押出機であり、フィードホッパー5およびダイ6を備え、第1の押出機1のバレル8の全長に対してダイ6側から3/10の位置に、第2の押出機2を取り付けるための取付部9を有している。第2の押出機2は二軸押出機であって、フィードホッパー15から供給された原料が接続路16を通して取付部9から第1の押出機1に供給するように構成されている。
【0073】
図3の製造装置を用いて熱可塑性エラストマーを製造するには、第1の押出機1のフィードホッパー5から結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)、ゴム成分(B1)、架橋剤(D)および必要により配合する他の添加剤を供給し、溶融混練して架橋反応させる。この際、第2の押出機2から原料が供給される前に実質的に架橋反応が終了するように、押出機の種類、設定温度、架橋剤(D)の種類および量などを選択する。図3の装置の場合、第1の押出機1のバレル8の下流側に第2の押出機2の取付部9が設けられているので、上記条件を選択することにより、容易に、実質的に架橋反応を終了させることができる。
【0074】
一方、第2の押出機2のフィードホッパー15から結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)ならびに必要により配合する他の添加剤を供給して混合した後、接続路16を通して取付部9から第1の押出機1に供給し、第1の押出機内の実質的に架橋反応が終了している混練物とともに溶融混練する。これにより、架橋反応を受けた原料および第2の押出機から供給される原料が取付部9より下流の位置でさらに溶融混練され、熱可塑性エラストマーが製造される。製造された熱可塑性エラストマーはダイ6から取り出す。
【0075】
図3の装置においては、架橋剤(D)および必要により配合する他の添加剤はフィードホッパー5から供給されるが、フィードホッパー5と取付部9との間にバレル開口部を設けて、この開口部から添加することもできる。また第2の押出機2としては、一軸押出機などの他の押出機を使用することもできる。
【0076】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお各実施例のゲル含量、耐油性ΔWおよび目ヤニの量はすでに説明した方法により測定した。実施例において用いた原料を以下に記す。
【0077】
《結晶性ポリオレフィン樹脂(A)》
(A−1)プロピレンホモポリマー:MFR=15g/10分
(A−2)プロピレンホモポリマー:MFR=1.0g/10分
(A−3)1−ブテンホモポリマー:MFR=0.7g/10分
(A−4)エチレン・4−メチル−1−ペンテンランダム共重合体:密度=0.920g/cm3、MFR=3.6g/10分
(A−5)プロピレンホモポリマー:MFR=25g/10分
(A−6)プロピレンホモポリマー:MFR=0.5g/10分
(A−7)1−ブテンホモポリマー:MFR=1.5g/10分
(A−8)エチレン・4−メチル−1−ペンテンランダム共重合体:密度=0.920g/cm3、MFR=2.0g/10分
【0078】
《ゴム成分(B)》
(B−1)エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム:エチレン含量=80モル%、ヨウ素価=12、MFR=0.2g/10分であるゴムの40重量部油展品(油展用油:出光興産(株)製、ダイナプロセスオイルPW−380、商標)
(B−2)ブチルゴム:MFR=0.6g/10分、不飽和度=0.7モル%(B−3)スチレン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物:スチレン含量=30重量%、MFR=2.0g/10分、水素添加率=90%
(B−4)エチレン・1−ブテン共重合体:エチレン含量=81モル%、MFR=0.5g/10分
(B−5)エチレン・プロピレン共重合体:エチレン含量=41モル%、MFR=0.4g/10分
(B−6)エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム:エチレン含量=78モル%、ヨウ素価=14、MFR=0.2g/10分であるゴムの40重量部油展品(油展用油:出光興産(株)製、ダイナプロセスオイルPW−380、商標)
(B−7)エチレン・1−ブテン共重合体:エチレン含量=81モル%、MFR=0.7g/10分
【0079】
《架橋剤(D)》
(D−1)2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン:1分半減期温度=179℃
《架橋助剤(E)》
(E−1)ジビニルベンゼン
《軟化剤(F)》
(F−1)パラフィン系プロセスオイル:出光興産(株)製、ダイナプロセスオイルPW−380、商標
【0080】
実施例1
図1の製造装置を用いて熱可塑性エラストマーを製造した。すなわち、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)として前記(A−1)のペレット20重量部、ゴム成分(B1)として前記(B−1)のペレット80重量部、前記(D−1)の架橋剤0.4重量部、および前記(E−1)の架橋助剤0.4重量部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、第1の押出機1(スクリュー径30mm、L/D=40、温度調節可能なバレル:6ゾーン、二軸押出機)のフィードホッパー5から供給し、架橋反応させた。この場合の剪断速度は2400sec-1であった。またバレル8のフィードホッパー5側からの各ゾーン(C1〜C6)およびダイ6(D)の設定温度は以下の通りであった。
C1/C2/C3/C4/C5/C6/D=160/160/180/210/230/230/220(℃)
【0081】
上記のようにして第1の押出機1で溶融混練して架橋反応させた混練物を、第1の押出機1のダイ6から第2の押出機2(スクリュー径30mm、L/D=32、温度調節可能なバレル:6ゾーン、二軸押出機)内に供給した。なお第1の押出機1は、第2の押出機2のバレル13の全長に対して定量フィーダー11から2/7の位置(すなわち第2の押出機のバレルの全長の1/2より上流側)に取り付けられている。
上記混練物の供給とは別に、第2の押出機2には定量フィーダー11から結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)として前記プロピレンホモポリマー(A−2)を供給し、上記混練物とともに溶融混練した。供給量は、第1の押出機1のフィードホッパー5に供給するポリマー100重量部に対して20重量部とした。このようにして熱可塑性エラストマーを製造した。
【0082】
得られた熱可塑性エラストマーのペレットから射出成形により150mm×120mm×2mmの角板を成形し、それから20mm×20mm×2mmのテストピースを切り出して、膨潤試験を行って耐油性(膨潤率)を評価した。膨潤試験は前記の通り予め秤量したテストピースを50℃のパラフィンオイルに24時間浸漬した後、重量を量り、浸漬前後の重量変化率(ΔW)を算出した。結果を表1に示す。
【0083】
また得られた熱可塑性エラストマーを使用し、スクリュー径50mm、L/Dが28、圧縮比4.0のフルフライト型スクリューを有する一軸押出機と、それに取付けた開口部25mm×1mmのダイを用いて、前記一軸押出機の導入部からダイ出口を160〜210℃のグラジエント昇温により、テープ状の成形品を20m/分で押し出した場合に、10分間でダイ付近に発生した目ヤニを秤量した。上記グラジエント昇温は、各ゾーン(C1〜C4)、ヘッド(H)およびダイ(D)の温度を次の設定温度で行った。結果を表1に示す。
C1/C2/C3/C4/H/D=160/170/180/190/200/210(℃)
さらに前記数式(1)から、ゲル含量を求めた。結果を表1に示す。
【0084】
実施例2〜8および比較例1〜3
表1〜表3に示す配合で実施例1と同様に熱可塑性エラストマーを製造し、同様に評価した。結果を表1〜表3に示す。
【0085】
実施例9
表2に示す配合で、前記(D−1)、(E−1)および(F−1)の混合物の液体を、ポンプを用いて、第1の押出機1のバレル8の全長に対してフィードホッパー5から2/7の位置に設けたバレル開口部から第1の押出機1に供給した。これ以外は実施例1と同様に熱可塑性エラストマーを製造し、同様に評価した。結果を表2に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
表1〜表3の注
*1 第1の押出機のフィードホッパーから供給、単位:重量部
*2 第2の押出機の定量フィーダーから供給、単位:重量部
*3 第1の押出機のバレルの全長に対してフィードホッパーから2/7の位置に設けたバレル開口部からポンプでフィード、単位:重量部
*4 前記数式(1)から求められるゲル含量(単位:重量%)
*5 耐油性ΔWの単位:重量%
*6 目ヤニの量の単位:mg
【0090】
実施例10
図3の製造装置を用いて熱可塑性エラストマーを製造した。すなわち、結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)として前記(A−5)のペレット20重量部、ゴム成分(B1)として(B−6)のペレット80重量部、前記(D−1)の架橋剤0.3重量部、および前記(E−1)の架橋助剤0.4重量部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、第1の押出機1(スクリュー径53mm、L/D=45、温度調節可能なバレル:12ゾーン、二軸押出機)のフィードホッパー5から供給し、架橋反応させた。この場合の剪断速度は2500sec-1であった。またバレル8のフィードホッパー5側からの各ゾーン(C1〜C12)およびダイ6(D)の設定温度は以下の通りであった。
C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/C8/C9/C10/C11/C12/D=160/160/170/180/200/220/230/230/200/200/200/200/200(℃)
【0091】
第1の押出機1のバレル8の全長に対してダイ6から4/13の位置(すなわち第1の押出機1のバレル8の全長の1/2よりダイ6側)に取り付けた第2の押出機2(スクリュー径30mm、L/D=32、全て220℃に設定、二軸押出機)から、結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)として前記(A−6)のプロピレンホモポリマーを供給した。供給量は、第1の押出機1のフィードホッパー5に供給するポリマー100重量部に対して20重量部とした。このようにして熱可塑性エラストマーを製造し、実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0092】
実施例11〜17および比較例4〜6
表4〜表6に示す配合で実施例10と同様に熱可塑性エラストマーを製造し、同様に評価した。結果を表4〜表6に示す。
【0093】
実施例18
表5に示す配合で、前記(D−1)、(E−1)および(F−1)の混合物の液体を、ポンプを用いて、第1の押出機のバレルの全長に対してダイ6から10/13の位置に設けたバレル開口部から供給した。これ以外は実施例10と同様に熱可塑性エラストマーを製造し、同様に評価した。結果を表5に示す。
【0094】
比較例7
図3の第1の押出機1のバレル8の全長に対してダイ6から9/13の位置(すなわち第1の押出機1のバレル8の全長の1/2より上流側)になるように第2の押出機(スクリュー径30mm、L/D=32、全て220℃に設定、二軸押出機)2の取付位置を変更し、また配合を表6の配合に変更した以外は実施例10と同様に熱可塑性エラストマーを製造し、同様に評価した。結果を表6に示す。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
表4〜表6の注
*1 第1の押出機のフィードホッパーから供給、単位:重量部
*2 第2の押出機から供給(比較例7は第1の押出機のバレルの全長に対してダイから9/13の位置に取り付けた第2の押出機から供給、それ以外は第1の押出機のバレルの全長に対してダイから4/13の位置に取り付けた第2の押出機から供給)、単位:重量部
*3 第1の押出機のバレルの全長に対してダイから10/13の位置に設けたバレル開口部からポンプでフィード、単位:重量部
*4 前記数式(1)から求められるゲル含量(単位:重量%)
*5 耐油性ΔWの単位:重量%
*6 目ヤニの量の単位:mg
【0099】
表1〜表6の結果から、各実施例の熱可塑性エラストマーは耐油性に優れるとともに、目ヤニの生成量が少ないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の製造方法に用いる製造装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の製造方法に用いる他の製造装置を示す正面図である。
【図3】本発明の第2の製造方法に用いる製造装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1の押出機
2 第2の押出機
5、15 フィードホッパー
6、12 ダイ
7、16 接続路
8、13 バレル
11 定量フィーダー
9、14 取付部
Claims (3)
- 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含む組成物からなる熱可塑性エラストマーであって、
(a)23℃のシクロヘキサンに48時間浸漬したときのシクロヘキサン不溶解分として表わされるゲル含量が20重量%以上、
(b)50℃のパラフィンオイルに24時間浸漬したときの重量変化率ΔWが80重量%以下、
(c)スクリュー径50mm、L/Dが28、圧縮比4.0のフルフライト型スクリューを有する一軸押出機と、それに取付けた開口部25mm×1mmのダイを用いて、前記一軸押出機の導入部からダイ出口を160〜210℃のグラジエント昇温により、テープ状の成形品を20m/分で押し出した場合に、10分間でダイ付近に発生する目ヤニ状付着物が30mg以下
である熱可塑性エラストマー。 - 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含む組成物からなる熱可塑性エラストマーの製造において、
第1の押出機において結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練し、実質的に架橋反応が終了している混練物を第2の押出機のバレルの全長に対してフィードホッパー側から2/3より上流側に供給して、第2の押出機内の結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)とともに溶融混練する
熱可塑性エラストマーの製造方法。 - 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および架橋されたゴム成分(B)を含む組成物からなる熱可塑性エラストマーの製造において、
第1の押出機を用いて結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)およびゴム成分(B1)を架橋剤(D)の存在下で溶融混練し、前記第1の押出機の全長の4/13よりダイ側に取り付けた第2の押出機から結晶性ポリオレフィン樹脂(A2)および/またはゴム成分(B2)を第1の押出機内に供給し、第1の押出機内の実質的に架橋反応が終了している混練物とともに溶融混練する
熱可塑性エラストマーの製造方法。
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