JP3704733B2 - 非線形光学結晶素子 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、照射された基本波となる光ビームに基づいて紫外線波長域の光ビームを発生する非線形光学結晶素子に関する。特に、本発明は、紫外低反射光学膜を有する非線形光学結晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を利用して情報処理や計測制御などを行うオプトエレクトロニクスの分野では、レーザ光源から出射されるレーザ光の短波長化及び高出力化が要求されている。
【0003】
400nm以下の紫外線の波長帯域では、半導体レーザは発振困難であるため、非線形光学結晶素子の第2高調波発生(SHG)現象を利用したレーザ光源が考えられている。このレーザ光源は、入射光の波長変換を非線形光学結晶素子を用いた波長変換器により行い、紫外線の波長帯域のレーザ光(以下単に紫外レーザ光という)を出射するものである。このレーザ光源は、リング型共振器内に非線形光学結晶素子を配し、非線形光学結晶素子に基本波となるレーザ光を照射することによって紫外レーザ光を発生するものである。
【0004】
波長変換器を構成する非線形光学結晶素子の表面には、真空蒸着により薄膜形成を行った無反射コーティング膜からなる紫外用低反射光学膜が設けられている。
【0005】
非線形光学結晶素子としては、リン酸2水素カリウム(KDP)やホウ酸バリウム(BBO)などの単結晶が用いられる。KDPやBBOなどの非線形光学結晶素子は、潮解性のある単結晶であるため、潮解による結晶の破壊から保護する必要がある。しかし、KDPやBBOなどの単結晶基板を加熱して真空蒸着により形成された薄膜は、一般に円柱構造をもち水分を通過し易く保護膜としては機能しない。
【0006】
すなわち、蒸着によって単結晶上に形成された光学薄膜は、蒸着によって単結晶上に設けられた原子もしくは分子の密度が低いため、蒸着された原子間に空気中の水分が侵入してしまう。この水分の屈折率とKDPもしくはBBOの単結晶の屈折率が相違するため、非線形光学結晶素子から出射される紫外レーザ光に波長シフトが発生してしまう。また、蒸着によって形成された光学薄膜内に空気中の水分が侵入してしまうために、単結晶の表面に潮解が発生し、単結晶の表面が破壊され凸凹になってしまう。
【0007】
そこで、上記非線形光学結晶素子を密閉容器に入れ、窒素ガス中で使用するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような紫外レーザ光を発生するレーザ光源では、光波長変換器を構成する非線形光学結晶素子を潮解による破壊から保護するために、非線形光学結晶素子を窒素ガス中で使用するようにしていたので、非線形光学結晶素子を封入する密閉容器を必要とし、しかも、密閉容器の窓材を紫外レーザ光に対して高耐力としなければならず、さらに、窓材自体に高性能の無反射コーティング膜を設ける必要があった。
【0009】
また、非線形光学結晶素子として用いられるKDPやBBOなどの単結晶には熱膨張に異方性があり、高出力の紫外レーザ光を発生するレーザ光源では、単結晶の異方性の熱膨張によって非線形光学結晶素子上の光学薄膜が割れてしまう虞れが大きく、信頼性に欠けるという問題点があった。
【0010】
このような従来の実情に鑑み、高出力の紫外レーザ光を発生するレーザ光源の信頼性を向上するができる非線形光学結晶素子を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、潮解により破壊され難い非線形光学結晶素子を提供することにある。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は、単結晶の異方性の熱膨張によって破壊され難い非線形光学結晶素子を提供することにある。
【0013】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、非線形光学結晶の表面にイオンプレーティングによりコーティング膜を形成した構造を見出すに至った。
【0014】
本発明は、照射された基本波となる光ビームに基づいて紫外線波長域の光ビームを発生する非線形光学結晶素子であって、ホウ酸バリウムより形成された非線形光学結晶と、上記基本波となる光ビームが照射される上記非線形光学結晶の入射面と、上記紫外線波長域の光ビームを出射する上記非線形光学結晶の出射面に各々形成された少なくとも2層の膜からなる保護膜とを備え、上記保護膜は、上記入射面に入射する光ビームに対して無反射膜となる条件を満足するように形成され、上記保護膜のうち上記入射面もしくは上記出射面と直接接する膜は、イオンプレーティング法により、上記紫外線波長域の光ビームを透過する酸化ハフニウムより形成されていることを特徴とする。
【0020】
【作用】
本発明では、入射面と出射面に各々形成された少なくとも2層の膜からなる保護膜のうち、ホウ酸バリウムより形成された非線形光学結晶の表面上に直接形成される膜をイオンプレーティング法によって酸化ハフニウムで形成することによって、非線形光学結晶の表面上に直接形成される膜を緻密に形成することができる。これにより、非線形光学結晶素子を空気中もしくは大気中で使用しても、空気中の水分が非線形光学結晶の表面上に直接形成される膜内に侵入して、非線形光学結晶の表面上に直接形成される膜の屈折率を変化させるようなことがない。
【0021】
【実施例】
以下、本発明に係る非線形光学結晶素子の具体的な実施例について、詳細に説明する。
【0022】
以下に説明する各実施例の紫外光用低反射光学薄膜は、紫外レーザ光を発生するレーザ光源に用いられる光波長変換器を構成する非線形光学結晶素子の表面に形成されたものである。具体的には、波長532nmの入射レーザ光に対して波長変換を行い波長266nmの紫外レーザ光を出射する第2高調波発生(SHG)機能を有する非線形光学結晶素子の表面に形成された多層の無反射コーティング膜からなるものである。本願でいう紫外光用低反射光学薄膜とは、上述した基本波となる波長532nmのレーザ光に対して、低反射率を有することをさしている。
【0023】
非線形光学結晶としては、リン酸2水素カリウム(KDP)やホウ酸バリウム(BBO)などの単結晶が用いられる。以下に述べる各実施例では非線形光学結晶素子としてBBO単結晶を用いた。
【0024】
図1に示すように、BBO単結晶1は、六面体形状に形成されている。なお、図1では、理解しやすくするため、後述する光学薄膜を誇張して開示している。
【0025】
この六面体形状の六つの平面のうち、少なくとも1組の相対抗する2つの平面1b,1cに光学薄膜2,3が形成されている。このBBO単結晶1の相対抗する2つの平面1b,1cのうちの一方の平面1bは、例えば上述した波長532nmのレーザ光が入射する入射面である。他方の平面1cは、上述した波長266nmの紫外レーザ光を出射する出射面である。これらの平面1b,1cに形成される光学薄膜2,3は、少なくとも2層以上の多層膜より構成されており、BBO単結晶1の平面と接する1番目の膜2a,3aがイオンプレーティングによって成膜されている。この1番目の膜2a,3a上に積層される2番目、3番目の各膜2b,2c,3b,3cは、イオンプレーティングによって成膜してもよいし、スパッタリングや蒸着などによって成膜してもよい。光学薄膜2,3のうちBBO単結晶1の平面1b,1cと接する1番目の膜2a,3aをイオンプレーティングによって成膜することによって、BBO単結晶1上に設けられる原子の充填度を上げることができる。換言すると、BBO単結晶1の平面1b,1c上でのイオンプレーティングされた原子の密度を上げることができるので、緻密な膜を成膜することができ、空気中の水分が1番目の膜2a,3a中に侵入することができない。その結果、1番目の膜2a,3aの屈折率の変化が発生することもなくなり、BBO単結晶1の入射面、出射面を保護することができる。仮に2番目、3番目の各膜2b,2c,3b,3cより空気中の水分が侵入したとしても、1番目の膜2a,3aによってBBO単結晶1への侵入が阻止される。
【0026】
以下に述べる各実施例では、例えばリアクティブ低電圧イオンプレーティング法によって、BBO単結晶1の平面1b,1c上に光学薄膜2,3の少なくとも1番目の膜2a,3aを成膜した。
【0027】
ここで、図1に示した構成では、BBOがKDPに比べて潮解性が少ないため、BBO単結晶1の平面1b,1cのみに光学薄膜を成膜しているが六面全てに成膜を施してもよい。六面体形状のKDPに光学薄膜を成膜する場合には、潮解性による劣化を防止するために六面全てに成膜することが望ましい。
【0028】
なお、2番目以降の膜は、1番目の膜とともにBBO単結晶1の保護膜として機能するとともに、波長532nmの基本波に対して無反射となる光学薄膜として機能するものであり、スパッタリングや蒸着など薄膜形成法によって光吸収係数k=0となるように、且つ波長532nmの基本波に対して無反射となるように設けられている。
【0029】
また、BBO単結晶に成膜されている光学薄膜は、主に波長532nmの基本波に対して無反射となるように膜の無反射設計を行い、波長266nmの光高調波に対して数十パーセントの反射光を許容するような膜設計がされている。ただし、波長266nmの第2高調波も波長変換効率の面からするとできるだけ反射率の低い方が望ましい。
【0030】
また、光学薄膜2,3を形成する材料は、上述したように波長532nmの基本波膜を波長変換して波長266nmの第2高調波を発生するものであるため、紫外線の波長帯域の透過率の高い材料例えば酸化アルミニウムAl23、酸化ハフニウムHfO2 、酸化シリコンSiO2 、酸化スカンジウムSc23などの酸化物の中から選択した。
【0031】
また、BBO単結晶の線熱膨張率は結晶の軸により1桁違うが、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜はBBO単結晶に対する密着性が良く、このイオンプレーティングにより成膜した膜をBBO単結晶側の1番目の膜とした各実施例の光学薄膜は、BBO単結晶の異方性の熱膨張によって破壊されることはなかった。また、BBO単結晶の光学薄膜が形成された面に潮解が発生せず、結晶の破壊は認められなかった。
【0032】
ここで、BBO単結晶の波長分散式は、
o 2 = 1.9595+0.7892・λ2 /(λ2 − 0.021613)
e 2 = 1.6932+0.6782・λ2 /(λ2 − 0.01816)
にて与えられる。なお、λは波長であり、no は常光線屈折率であり、ne は異常光線屈折率である。上述の波長分散式から、BBO単結晶の屈折率は、波長532nmの基本波に対しては1.67であり、また、波長266nmの第2高調波に対しては1.76である。
【0033】
さらに、以下に述べる各実施例において、屈折率条件は、光学薄膜の各膜の屈折率を表す。また、位相条件は、位相条件=n・d/λS で与えられるものである。
【0034】
ここで、nは、各膜の屈折率を表し、dは各膜の物理的な膜厚(各膜の実際の膜厚)を表し、λS は設計の中心波長である。”-IP ”はイオンプレーティングにより形成した膜であることを示している。なお、以下の第1の実施例ないし第7の実施例では、BLAZERS社製BAP−1000を用いてイオンプレーティング法によりBBOの単結晶上に光学薄膜を成膜した。
【0035】
〔第1の実施例〕
【0036】
【表1】
Figure 0003704733
【0037】
この第1の実施例では、λS =600nmとして位相条件を設定している。そして、基板となるBBOの屈折率をnS 、1番目及び3番目の膜の屈折率をそれぞれn1 ,n3 としたとき、n1/n3=√nS を満足するように成膜した。
【0038】
この第1の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23膜を形成し、次に、2番目の膜としてHfO2 膜を通常の蒸着法で形成し、さらに、3番目の膜としてMgF2 膜を通常の蒸着法で形成してなる3層構造の紫外光低反射光学膜である。
【0039】
イオンプレーティングにより形成したAl23膜の屈折率は、BBO単結晶の屈折と同じであり、さらに分散も2波長でみると同じであることから、1番目の光学膜厚を任意に設定することができ、2番目以降の膜の設計に影響を与えることがない。イオンプレーティングにより形成した1番目のAl23膜は、保護膜として機能する。そして、2番目のHfO2 膜と3番目のMgF2 膜が無反射コーティング膜として機能する。
【0040】
また、この第1の実施例における2番目以降の膜は、上記屈折条件を満たし、紫外レーザ光を透過する材料で、基板に加熱する通常の蒸着法で薄膜形成できるものとして、2番目の膜にHfO2 膜を選定し、3番目の膜にMgF2 膜を選定した。
【0041】
この第1の実施例の光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図2に示すような測定結果が得られ、この第1の実施例の光学薄膜では、波長532nmの基本波及び波長266nmの第2高調波に対して目標とする無反射特性を得ることができた。
【0042】
〔第2の実施例〕
【0043】
【表2】
Figure 0003704733
【0044】
この第2の実施例では、λS =532nmとして位相条件を求めた。そして、基板となるBBOの屈折率をnS 、1番目及び2番目の膜の屈折率をそれぞれn1 ,n2 としたとき、n1/n2=√nS を満足するように成膜した。
【0045】
この第2の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりHfO2 膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23 膜を形成してなる2層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0046】
この第2の実施例の2層構造の紫外光低反射光学薄膜において、イオンプレーティングにより形成した1番目のHfO2 膜及び2番目のAl23膜は、保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0047】
そして、この紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図3に示すように波長532nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.03%で波長266nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が8%の測定結果が得られ、この第2の実施例の光学薄膜においても目標とする無反射特性が得られた。
【0048】
〔第3の実施例〕
【0049】
【表3】
Figure 0003704733
【0050】
この第3の実施例では、λS =532nmとして位相条件を設定した。そして、基板となるBBOの屈折率をnS 、1番目、2番目及び3番目の膜の屈折率をそれぞれn1,n2,n3 としたとき、n1・n3=n2√nS を満足するように成膜した。
【0051】
この第3の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23膜を形成し、さらに、3番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成してなる3層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0052】
この第3の実施例の3層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のSiO2 膜、2番目の膜のAl23膜及び3番目の膜のSiO2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0053】
この第3の実施例の紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図4に示すような測定結果が得られ、この第3の実施例の光学薄膜においても波長532nmの基本波及び波長266nmの第2高調波に対して目標とする無反射特性が得られた。
【0054】
〔第4の実施例〕
【0055】
【表4】
Figure 0003704733
【0056】
この第4の実施例の紫外光低反射光学薄膜は、上述の第3の実施例における設計の中心波長λS を532nmから580nmに変更して、位相条件を設定したものである。
【0057】
そして、この紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図5に示すように波長532nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.2%で波長266nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が3%の測定結果が得られ、この第4の実施例の光学薄膜においても目標とする無反射特性が得られた。
【0058】
〔第5実施例〕
【0059】
【表5】
Figure 0003704733
【0060】
この第5の実施例では、λS =532nmとして位相条件を設定した。そして、基板となるBBOの屈折率をnS 、1番目、2番目及び3番目の膜の屈折率をそれぞれn1,n2,n3 としたとき、n1・n3=n2√nS を満足するように成膜した。
【0061】
この第5の実施例の紫外光低反射光学薄膜は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成し、次に、2番目の膜としてNdF3 膜を通常の蒸着法で形成し、さらに、3番目の膜としてMgF2 膜を通常の蒸着法で形成してなる3層構造の紫外光学膜である。
【0062】
この第5の実施例の3層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のSiO2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能し、さらに、2番目の膜のNdF3 膜及び3番目の膜のMgF2 膜が無反射コーティング膜として機能する。
【0063】
この紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図6に示すような測定結果が得られ、この第5の実施例の光学薄膜においても波長532nmの基本波及び波長266nmの第2高調波に対して目標とする無反射特性が得られた。
【0064】
〔第6の実施例〕
【0065】
【表6】
Figure 0003704733
【0066】
この第6の実施例の紫外光低反射光学薄膜は、上述の第5の実施例における設計の中心波長λS を532nmから580nmに変更して、位相条件を設定したものである。
【0067】
この第6の実施例の紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図7に示すような測定結果が得られ、この第6の実施例の光学薄膜においても波長532nmの基本波及び波長266nmの第2高調波に対して目標とする無反射特性が得られた。
【0068】
〔第7の実施例〕
【0069】
【表7】
Figure 0003704733
【0070】
この第7の実施例では、λS =532nmとして位相条件を設定した。そして、基板となるBBOの屈折率をnS 、1番目、2番、3番目目及び4番目の膜の屈折率をそれぞれn1,n2,n3,n4 としたとき、n1・n4=n3√nS を満足するように成膜した。
【0071】
この第7の実施例は、上述の第5の実施例における2番目の膜のNdF3 膜と3番目の膜のMgF2 膜との間にバッファレイヤとしてHfO2 膜を設けて4層構造の紫外光低反射光学薄膜としたものである。
【0072】
この第7の実施例の紫外光低反射光学薄膜では、分光光度測定を行ったところ図8に示すような測定結果が得られ、上述の第5の実施例の紫外光低反射光学薄膜よりも波長532nmすなわち基本波に対する無反射領域を広げることができた。
【0073】
なお、上記図2乃至図8において、横軸は測定波長を表し、縦軸は反射率を表している。
【0074】
上述した第1の実施例ないし第7の実施例では、非線形光学結晶素子としてのBBOの単結晶の少なくとも相対抗する1対の面にAl23,HfO2 ,SiO2 などの酸化物からなる1番目の膜をイオンプレーティングによって成膜するようにした。しかしながら、非線形光学結晶素子としてのBBO単結晶上に成膜される1番目の膜を構成する材料は上述した酸化物に限られずMgF2 ,LiFなどのフッ化物であってもよい。MgF2 ,LiFなどのフッ化物は、上述したAl23,HfO2 ,SiO2 などの酸化物と同様に吸収係数kがゼロで紫外線の波長帯域まで光透過性を有するものであり、むしろ透過できる範囲は上述した酸化物よりも広い。
【0075】
また、酸化物としても上述したもの以外にMgO,Sc23,Y23なども用いることができる。特に、酸化スカンジウムSc23膜は、HfO2 膜に比べ遠紫外帯域での吸収係数kが半分なので、さらにレーザの高耐力化が可能になる。
【0076】
例えば、光学薄膜作成装置として図9に示すような低電圧反応性イオンプレーティング装置10を用いて、イオンプレーティングによりHfO2 膜、Al23膜、SiO2 膜、Sc23膜、MgF2 膜を成膜し、各膜の屈折率を測定したところ、表8に示すような実測結果得られた。
【0077】
【表8】
Figure 0003704733
【0078】
ここで、図9に示した低電圧反応性イオンプレーティング装置10は、底壁部分に酸素ガス注入口11Aを有する真空容器11と、この真空容器11の上壁部分に設けられBBO単結晶1が装着される絶縁された回転式基板ホルダ12と、上記真空容器11の底壁部分に配設された成膜材料20が入れられるるつぼ13及び電子銃14と、上記真空容器11の側壁部分に設けられアルゴンガス注入口15を有するプラズマガン16と、上記るつぼ13とプラズマガン16との間に直流電圧を印加する直流電源装置17とからなる。
【0079】
なお、上記真空容器11は図示しない開閉自在な扉を有し、この扉を開いて上記回転式基板ホルダ12にはBBO単結晶1が装着され、また、上記るつぼ13に成膜材料20が入れられるようになっている。また、上記真空容器11は、図示しない真空ポンプにより所望の真空度まで吸引されるようになっている。
【0080】
この低電圧反応性イオンプレーティング装置10は、アルゴンガス注入口15から注入されたアルゴンArガスをプラズマガン16よりイオン化して作動ガスとし、るつぼ13に入っている成膜材料20を電子銃14により溶解して伝導性を持たせ酸素ガス注入口11Aから酸素O2 ガスをさらに導入することによって酸素O2 、金属、アルゴンArがプラズマ化することで低温で緻密な膜を上記回転式基板ホルダ12に保持されたBBO単結晶1の表面に成膜する。
【0081】
また、六面体形状の単結晶の六面全てに成膜するには、例えば、次のようにすればよい。すなわち、低電圧反応性イオンプレーティング装置10では、成膜材料20の電荷を+Qとすると、絶縁された回転式基板ホルダ12に保持されたBBO単結晶1は−Qの電荷となる。そこで、図10に示すように、BBO単結晶1を上記回転式基板ホルダ12から半分程突き出すように装着すると、図11に1点鎖線で示すような等電位面をとり、蒸着分子イオンがBBO単結晶1の側面へ回り込んで、BBO単結晶1の側面にも緻密な膜を成膜することができる。
【0082】
さらに、図12に示すように上記回転式基板ホルダ12に半分程突き出すように装着されたBBO単結晶1を囲むようにリング磁石19を設置して磁場を形成した状態でイオンプレーティングを行うようにすれば、蒸着分子イオンがファラデーの法則によりBBO単結晶1の側面へ効率よく回り込んで、BBO単結晶1の側面にも緻密な膜を成膜することができる。この低電圧反応性イオンプレーティング装置10では、40〜50°C程度の低温度で成膜することができるので、磁石やフェライトのキューリ温度を越えないので、イオンプレーティング中にも磁場を維持することができる。
【0083】
以下に示す第8の実施例8ないし第15の実施例は、上記表8に示した屈折率に基づいて設計して、図9に示した低電圧反応性イオンプレーティング装置10によりBBO単結晶に成膜したものである。
【0084】
〔第8の実施例〕
【0085】
【表9】
Figure 0003704733
【0086】
この第8の実施例では、λS =430nmとして位相条件を設定した。この第8の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりHfO2 膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23膜を形成し、さらに、3番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成してなる3層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0087】
この第8の実施例の3層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のHfO2 膜、2番目の膜のAl23膜及び3番目の膜のSiO2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0088】
この第8の実施例の紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図13に示すように波長532nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.03%で波長266nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が1%の測定結果が得られ、この第8の実施8の光学薄膜においても目標とする無反射特性が得られた。
【0089】
〔第9の実施例〕
【0090】
【表10】
Figure 0003704733
【0091】
この第9の実施例では、λS =532nmとして位相条件を設定した。この第9の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりSc23膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成してなる2層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0092】
この第9の実施例の2層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のSc23膜及び2番目の膜のSiO2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0093】
この第9の実施例の紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図14に示すように波長532nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.08%で波長266nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が8%の測定結果が得られ、この第9の実施例の光学薄膜においても目標とする無反射特性が得られた。
【0094】
〔第10の実施例〕
【0095】
【表11】
Figure 0003704733
【0096】
この第10の実施例では、λS =430nmとして位相条件を設定した。この第10の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりSc23膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成してなる2層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0097】
この第10の実施例の2層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のSc23膜及び2番目の膜のSiO2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0098】
この第10の実施例の紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図15に示すように波長532nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.05%で波長266nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が6%の測定結果が得られ、この第10の実施例の光学薄膜においても目標とする無反射特性が得られた。
【0099】
〔第11の実施例〕
【0100】
【表12】
Figure 0003704733
【0101】
この第11の実施例では、λS =430nmとして位相条件を設定した。この第11の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりSc23膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23膜を形成し、さらに、3番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成してなる3層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0102】
この第11の実施例の3層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のSc23膜、2番目の膜のAl23膜及び3番目の膜のSiO2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0103】
この第11の実施例の紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図16に示すように波長532nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.07%で波長266nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が3.2%の測定結果が得られ、この第11の実施例の光学薄膜においても目標とする無反射特性が得られた。
【0104】
〔第12の実施例〕
【0105】
【表13】
Figure 0003704733
【0106】
この第12の実施例では、λS =800nmとして位相条件を設定した。この第12の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりSc23膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成し、さらに、3番目の膜としてイオンプレーティングによりMgF2 膜を形成してなる3層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0107】
この第12の実施例の3層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のSc23膜、2番目の膜のSiO2 膜及び3番目の膜のMgF2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0108】
この第12の実施例の紫外光低反射光学薄膜について分光光度測定を行ったところ図17に示すように波長532nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.07%で波長355nmに対するに対する最小反射率Rmin が5%で波長266nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が5%の測定結果が得られ、この第12の実施例の光学薄膜においても目標とする無反射特性が得られた。
【0109】
〔第13の実施例〕
【0110】
【表14】
Figure 0003704733
【0111】
この第13の実施例では、λS =785nmとして位相条件を設定した。この第13の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりHfO2 膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23膜を形成し、さらに、3番目の膜としてイオンプレーティングによりMgF2 膜を形成してなる3層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0112】
この第13の実施例の3層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のHfO2 膜、2番目の膜のAl23膜及び3番目の膜のMgF2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0113】
この第13の実施例の紫外光低反射光学薄膜について波長1064nmを基本波として分光光度測定を行ったところ図18に示すように波長1064nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.0019%で波長532nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が0.014%で波長355nmの第3高調波に対する最小反射率Rmin が10%の測定結果が得られた。
【0114】
すなわち、この第13の実施例の光学薄膜を設けた非線形光学結晶素子では、波長1064nmを基本波から波長355nmの第3高調波を取り出すことができた。
【0115】
〔第14の実施例〕
【0116】
【表15】
Figure 0003704733
【0117】
こ第14の実施例では、λS =290nmとして位相条件を設定した。この第14の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりHfO2 膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23膜を形成し、さらに、3番目の膜としてイオンプレーティングによりMgF2 膜を形成してなる3層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0118】
この第14の実施例の3層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のHfO2 膜、2番目の膜のAl23膜及び3番目の膜のMgF2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0119】
この第14の実施例の紫外光低反射光学薄膜について波長1064nmを基本波として分光光度測定を行ったところ図19に示すように波長1064nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.0794%で波長532nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が0.0035%で波長355nmの第3高調波に対する最小反射率Rmin が7%の測定結果が得られた。
【0120】
すなわち、この第14の実施例の光学薄膜を設けた非線形光学結晶素子においても、波長1064nmを基本波から波長355nmの第3高調波を取り出すことができた。
【0121】
〔第15の実施例〕
【0122】
【表16】
Figure 0003704733
【0123】
この第15の実施例では、λS =55nmとして位相条件を設定した。この第15の実施例は、BBO単結晶側の1番目の膜としてイオンプレーティングによりHfO2 膜を形成し、次に、2番目の膜としてイオンプレーティングによりAl23膜を形成し、次に、3番目の膜としてイオンプレーティングによりSiO2 膜を形成し、さらに、4番目の膜としてイオンプレーティングによりMgF2 膜を形成してなる43層構造の紫外光低反射光学薄膜である。
【0124】
この第15の実施例の4層構造の紫外光低反射光学薄膜では、イオンプレーティングにより形成した1番目の膜のHfO2 膜、2番目の膜のAl23膜、3番目の膜のSiO2 膜及び4番目の膜のMgF2 膜が保護膜として機能するとともに無反射コーティング膜として機能する。
【0125】
この第15の実施例の紫外光低反射光学薄膜について波長1064nmを基本波として分光光度測定を行ったところ図20に示すように波長1064nmの基本波に対する最小反射率Rmin が0.08%で波長532nmの第2高調波に対する最小反射率Rmin が0.05%で波長355nmの第3高調波に対する最小反射率Rmin が2.8%の測定結果が得られた。
【0126】
すなわち、この第15の実施例の光学薄膜を設けた非線形光学結晶素子においても、波長1064nmを基本波から波長355nmの第3高調波を取り出すことができた。
【0127】
【発明の効果】
本発明に係る非線形光学結晶素子では、イオンプレーティングにより酸化ハフニウムで形成した少なくとも1番目のコーティング膜が保護膜として機能し、ホウ酸バリウムより形成された非線形光学結晶が潮解による破壊から保護される。
【0128】
また、本発明に係る非線形光学結晶素子では、イオンプレーティングにより酸化ハフニウムで形成した1番目のコーティング膜が非線形光学結晶に対する密着性が良いので、上記非線形光学結晶の異方性の熱膨張によって破壊され難い。
【0129】
従って、本発明によれば保護膜及び無反射コーティング膜の機能を有する多層構造の紫外光低反射光学薄膜を有する非線形光学結晶素子を提供することができる。紫外用のレーザ光源の光波長変換素子を構成する
本発明に係る非線形光学結晶素子を紫外用のレーザ光源の光波長変換素子として用いることにより、上記非線形光学結晶素子を封入する密閉容器を必要とすることなく、光波長変換素子の信頼性を向上することができる。これにより、高出力の遠紫外用のレーザ光源の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非線形光学結晶素子の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図5】本発明の第4の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図6】本発明の第5の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図7】本発明の第6の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図8】本発明の第7の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図9】本発明に係る非線形光学結晶素子における紫外光低反射光学薄膜を成膜するための低電圧反応性イオンプレーティング装置の構造を示す模式的な断面図である。
【図10】上記低電圧反応性イオンプレーティング装置により、6面体状の単結晶の6面全面に紫外光低反射光学薄膜を成膜するの場合の上記単結晶の装着状態を模式的に示す要部側面図である。
【図11】上記6面体状の単結晶の6面全面に紫外光低反射光学薄膜を成膜する原理説明を行うための図である。
【図12】上記低電圧反応性イオンプレーティング装置により、6面体状の単結晶の6面全面に紫外光低反射光学薄膜を成膜するの場合の他の要部構成を模式的に示す斜視図である。
【図13】本発明の第8の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図14】本発明の第9の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図15】本発明の第10の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図16】本発明の第11の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図17】本発明の第12の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図18】本発明の第13の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図19】本発明の第14の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【図20】本発明の第15の実施例に係る紫外光低反射光学薄膜の分光光度測定の結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1 BBO単結晶
2,3 光学薄膜

Claims (1)

  1. 照射された基本波となる光ビームに基づいて紫外線波長域の光ビームを発生する非線形光学結晶素子であって、
    ホウ酸バリウムより形成された非線形光学結晶と、上記基本波となる光ビームが照射される上記非線形光学結晶の入射面と、上記紫外線波長域の光ビームを出射する上記非線形光学結晶の出射面に各々形成された少なくとも2層の膜からなる保護膜とを備え、上記保護膜は、上記入射面に入射する光ビームに対して無反射膜となる条件を満足するように形成され、上記保護膜のうち上記入射面もしくは上記出射面と直接接する膜は、イオンプレーティング法により、上記紫外線波長域の光ビームを透過する酸化ハフニウムより形成されていることを特徴とする非線形光学結晶素子。
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