JP3703381B2 - Catv緊急放送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルCATV受信端末における緊急放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来のデジタルCATV用放送受信装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
1は、例えば、90〜770MHzの高周波帯から6MHzのバンド幅を持つ1チャンネルに周波数を同調させるチューナであり、将来的には、全高周波帯が現行アナログ放送からデジタル放送、あるいはデジタル通信に移行するようになることから、ここでは、デジタル放送受信用チューナ(以下、単に「チューナ」と称する)を想定している。
2は、デジタル変調に対応したデジタル復調器であり、CATVの場合、一般的に、64QAMが採用されている。
3′は、後段のブロック符号による誤り訂正回路4において、ブロック先頭を検出するための同期検出回路である。
【0003】
図11は、ISO/IEC13818−1で規定されているMPEG2トランスポートフレームの構成を示す図である。
このMPEG2トランスポートパケット(以下、「TSパケット」)の先頭に存在する同期バイトが、検出の対象として使用される。
4は、TSパケットに、誤りが発生していた場合に、誤りの検出、およびその訂正を行う誤り訂正回路であり、図11に示されるように、1個のTSパケット188バイト当たり16バイトの誤り訂正符号が追加される。
以降、誤り訂正符号が付加されたTSパケットをフレームと呼ぶことにする。
【0004】
一般的に、この誤り訂正方式としては、ヨーロッパのETS(European Telecommunication Standard)規格ETS−300−429が採用されており、誤り訂正符号としてリードソロモン符号が使われている。リードソロモン符号は、ブロック符号に属し、ETS−300−429では、1TSパケットを1ブロックとして扱うため、各TSパケットの先頭に、ブロック先頭を示す1バイトの同期バイト(以下、「同期コード」と称し、通常は47へキサの値で8TSパケット毎に反転)が付加され、後段のデマルチプレクサ5と整合を取るため、本誤り訂正で、この同期コード反転は元に戻される。
【0005】
5は、チューナ1で選択されたチャンネル内に多重化伝送されている複数のサブチャンネルや、NIT,PAT,PMT等のPSI(Program Specific Information)、あるいは、CATV事業者が独自に定義し、番組内容やサービス情報を記載したSI(Service Information)を分離するデマルチプレクサであり、コントローラ10の選局処理により、ユーザ所望の番組に該当した映像PESパケット、および音声PESパケットを出力する。
また、デマルチプレクサ5は、放送局側と同一の時刻を共有するため、伝送されている参照基準時刻PCR(Program Clock Reference)と、フェーズロックドループ回路から、27MHzのSTC(System Time Clock)を再生し、放送局側と同期を取っている。
【0006】
6は、ISO/IEC13818−2で規定されているMPEG2ビデオのPESパケットを復号するビデオデコーダであり、これに内蔵されているOSD(0n Screen Display)機能により、EPG(電子番組ガイド)を放送画面と合成してテレビへ出力することが出来る。
7は、ISO/IEC13818−3で規定されているMPEG2オーディオのPESパケットを復号するオーディオデコーダである。
8、9は、それぞれ、ビデオおよびオーディオ信号のD/A変換器で、例えば、コンポジットビデオ信号とステレオ信号を出力してTVに表示する。
10は、コントローラであり、リモコンからの制御処理や、PSI/SIの処理に使われ、一般的に動作周波数としては、数十MHz〜数百MHzのものが使用される。
11は、警報ブザーであり、緊急放送受信時に視聴者に緊急告知するために用いられる。
12′は、不揮発メモリであり、受信端末の設置地域を特定する地域コードが予め記憶されている。
13′は、電源制御部であり、コントローラ10から駆動要求を受けて、待機状態と、主電源が投入された状態(以下、「主電源オン状態」)の切り替えを行う。
【0007】
まず、通常放送受信時についての動作を説明する。
視聴者からリモコン等によって指示される視聴要求番組に関するPSI/SIは、デマルチプレクサ5において伝送ビットストリームから抽出される。
このPSI/SIは、コントローラ10により、視聴要求番組を構成するオーディオ/ビデオのパケットID(PID)と、伝送されている伝送バンドが解析される。
この伝送バンドにチューナ1を同調させた上で、それぞれのPIDをデマルチプレクサ5にセットすることにより、オーディオデコーダ7と、ビデオデコーダ6の各々に視聴要求番組に対応したPESパケットが伝送される。
このようにオーディオデコーダ7と、ビデオデコーダ6で復号されたべースバンド信号は、D/A変換器8、9で、アナログ信号に変換されてから、テレビモニタへ出力され、通常放送が視聴できる。
【0008】
次に、緊急放送待機時、および受信時についての動作を説明する。
日本CATV技術協会JCTEA STD−003−1.1によると、緊急放送時には、PSI内のNIT、またはPMTに、緊急情報記述子をCATV局が伝送することになっている。
【0009】
図12は、JCTEA STD−003−1.1で規定されている緊急情報記述子(emergency information descdptor)を示す図である。
従って、CATV受信端末では、この記述子が送られて来ているか否かを常時監視するために、チューナ1、デジタル復調器2、同期検出回路3′、誤り訂正回路4、デマルチプレクサ5、およびコントローラ10を、CATV受信端末が待機状態でも通電しておく必要がある。
【0010】
図13は、緊急放送受信時におけるCATV受信端末の動作を示すフローチャート図である。
この図を用いて、緊急放送受信時におけるCATV受信端末の動作を説明する。
まず、デマルチプレクサ5で、NIT、またはPMTが、入力ビットストリーム中から取得されたかを判別し(ステップS1301)、取得していた時は、コントローラ10で、これらのテーブルの解釈をして緊急情報記述子が含まれているか否かを確認する(ステップS1302)。
もし、記述子が含まれていなければ、SIテーブルの更新等の処理を行い(ステップS1303)、再び、ポーリング状態に戻る(ステップS1301)。
一方、記述子が含まれていれば、記述子内の緊急放送開始/終了フラグ(start end flag)が、放送中(=1)か否かを識別する(ステップS1304)。
【0011】
もし、放送中であれば、area codeフィールドに記載された地域と、あらかじめ不揮発メモリ12′に記憶されている居住地域を、照合し(ステップS1305)、もし、当CATV受信端末が、緊急放送の対象になっており、なお且つ、主電源がオン状態であるならば、緊急事態の旨を、OSD、または警報ブザー11を使用してユーザに告知する(ステップS1306)。
逆に、緊急放送の対象になっていても、主電源がオフ状態であるならば、電源制御部13′により主電源を駆動して、同様に告知する。
主電源がオフ状態から駆動された緊急警報は、緊急放送開始/終了フラグ(start end flag)が、終了状態(=0)になると、自動的に、主電源をオフする(ステップS1307)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
近年、国際的に地球温暖化防止の動きが高まり、同時に電気製品の省エネルギー化が求められている。
しかしながら、前述の従来の緊急放送方式では、緊急放送自体の発生頻度が稀にも関わらず、CATV受信端末では、ビットストリーム中に、緊急放送情報の送出を監視するために待機状態でも、チューナやデジタル復調以外に、高速クロックで動作するデマルチプレクサと、コントローラも、常時通電しておく必要があり、上記温暖化防止の風潮に反するという問題があった。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、CATV受信端末における緊急放送情報を監視するための待機状態の省電力化を図ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、CATV局から映像、音声、番組情報等のデータをデジタル信号に変換して、ブロック誤り訂正符号を挿入し、さらに時間多重を施した上で、デジタル変調を用いてケーブル網に伝送を行うデジタルCATV緊急放送受信装置において、緊急放送発信時に、放送周波数(RFdefault)から緊急放送が発生していることを検出する緊急放送検出手段と、緊急放送の開始/終了および該当地域等を記した緊急情報データを記載したビットストリームを放送周波数(RFemergency)から検出する手段と、前記放送周波数RFdefaultおよびRFemergencyを不揮発メモリに記憶する手段とを有し、さらに、前記CATV緊急放送受信装置が待機状態に遷移する前に、チューナを前記RFdefaultに同調させる手段と、前記緊急放送検出手段により緊急放送が検出された時に、前記CATV緊急放送受信装置の主電源を投入し、前記チューナを前記RFemergencyに同調させる手段と、該RF emergency に同調させる手段で同調成立後に、前記RFemergencyと伝送されている前記緊急情報データを抽出し、該緊急情報データが緊急放送中であることを示していれば、視聴者に緊急告知をする手段と、前記緊急情報データが緊急放送終了を示した時、緊急告知を終了して、前記チューナを前記RFdefaultに同調させた後、再び待機状態に戻す手段とを具備することを特徴とするCATV緊急放送受信装置である。
【0014】
さらに、本発明は、前記CATV緊急放送受信装置の緊急放送検出手段は、前記チューナが前記RFdefaultに同調している状態において、前記ブロック誤り訂正符号のブロック先頭を示す同期信号と前記入力ビットストリームの同期捕捉を行う捕捉手段と、該捕捉手段で確立された同期が保持されているか否かを監視する同期追従手段と、該同期追従手段で同期が維持されていない時に、前記捕捉手段に再度同期を捕捉し直すように指示する再捕捉手段とから構成され、該再捕捉手段により同期の再捕捉を所定回数試みても、同期捕捉が得られない時に、緊急放送が発生していると判断するようにしたものである。
【0015】
さらに、本発明は、前記CATV緊急放送受信装置において、前記放送周波数RFdefaultを視聴中に、前記緊急放送検出手段により、緊急放送が検出された場合に、前記チューナを前記RFemergencyに同調させ、前記ビットストリーム中に伝送されている緊急情報データを参照し、緊急告知の対象と判断された時に、視聴者に緊急告知する手段と、該緊急情報データが緊急放送終了を示した時、前記緊急告知を終了させ、前記チューナを、再びRFdefaultに同調させて、元の視聴チャンネルに戻す手段とを具備したことを特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明は、前記CATV緊急放送受信装置において、前記緊急告知手段は、前記CATV緊急放送受信装置に内蔵された警報ブザー、およびオンスクリーンディスプレイにより、緊急事態を視聴画面に表示することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明によるCATVにおける緊急放送受信装置の実施形態を、図面に基づいて、以下に説明する。
図1は、本発明に係るCATV緊急放送受信装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
ここで、緊急放送時に、緊急放送情報(emergency information descriptor)が伝送されているチャンネル(RFemergency)と、緊急警報放送(以下、緊急放送)が発生していることを示すチャンネル(RFdefault)が、CATV網に用意され、チャンネル(RF emergency )において緊急放送情報が伝送されていることを示す信号を、緊急放送時にチャンネル(RF default )を用いて伝送している。
CATV受信端末側では、緊急放送発信時に、放送周波数(RF default )から緊急放送が発生していることを検出する緊急放送検出手段と、緊急放送の開始/終了および該当地域等を記した緊急情報データを記載したビットストリームを放送周波数(RF emergency )から検出する手段とを有し、これらの情報は、予め、不揮発メモリ12に記憶されている。
なお、図において、チューナ1、デジタル復調器2、誤り訂正回路4、デマルチプレクサ5、ビデオデコーダ6、オーディオデコーダ7、D/A変換器8および9、コントローラ10、警報ブザー11は、それぞれ、先に従来例として説明した図10に示したものと同一で、同じ符号を付してある。
【0018】
緊急放送検出部3は、同期コードと、入力ビットストリーム間の同期が維持できているか否かを監視し、チューナ1の同調周波数が、RFdefaultであり、且つ同期が維持できない時に、緊急放送が発信されていると判定する。
不揮発メモリ12は、図10における不揮発メモリ12′に記憶される地域コードに加えて、RFdefaultと、RFemergencyが記憶される。
不揮発メモリ12への記憶は、端末設置時に書き込む方法等が考えられる。
電源制御部13は、待機状態において、緊急放送検出部3が緊急放送を検出していると判断した時に、待機状態から主電源オン状態に移行させる。
すなわち、チューナ1、デジタル復調器2、緊急放送検出部3は、待機状態でも、通電されており、コントローラ10や、デマルチプレクサ5を含めて、その他の構成部は、主電源がオン状態になった上で通電される。
【0019】
図2は、図1中の緊急放送検出部3の内部構成を示すブロック図である。
緊急放送検出部3は、詳細には、図に示すように、同期コードを検出して、同期コードが出現する周期(以下、同期パルス)を生成し、同期パルスと入力フレームの間で同期が確立できているか否かを確認する同期捕捉部31と、この同期パルスと入力フレーム間の同期が維持できているか否かを監視する同期追従部32と、同期追従が維持できなくなった時に、再度、同期捕捉を試みる再捕捉指示と、再捕捉状態が実現できなかった場合に、電源制御部13に主電源投入要求信号を送出する出力制御部33から構成されている。
【0020】
図3は、図2中の同期捕捉部部31の内部構成を示すブロック図である。
311は、入力フレームと同期コードの比較を行って同期パルスを発生させる比較回路を内蔵し、且つ比較器313から再捕捉要求指示を受けた時に入力フレームの位置をフレームに同期したクロック(以降、フレームクロック)でシフトする移相回路を内蔵した比較器を、312は、比較器311から出力された同期パルスをフレームクロックを基準として、次のフレームの同期コードが来るまでカウントする同期パルス幅カウンタを、313は、同期パルス幅カウンタ312でカウントが終了した直後にフレームの値を読んで、同期コードと一致しているかを確認する比較器を、314は、比較器311で生成した同期パルスが、入力フレームと同期捕捉していることを最終判断するため、比較器313の一致回数が所定回数まで達するかを調べる同期捕捉判定カウンタを、それぞれ表している。
【0021】
図4は、同期捕捉部31の動作手順を示すフローチャート図である。
ここで、同期捕捉部31の動作を、図3、図4により説明する。
まず、比較器311で、フレームをフレームクロックでシフトさせながら、入力フレームと同期コードを比較する(ステップS401)。
もし、所定回数の再施行操作でも、一致が見られなければ、同期不可能と判定する(ステップS408)。
他方、一致が得られれば、同期パルス幅カウンタ312をスタートさせ(ステップS402)、次フレームの先頭、即ち204バイト目で、フレームの値が同期コードの値と一致しているか否かを、比較器313で確認する(ステップS404)。
【0022】
図5は、フレームと同期コード間に同期が確立している状態(A)と、同期コードと同一の値がデータ内に混在しているため同期捕捉できない状態(B)を示す図である。
ここで、比較器313での比較が一致していれば(図5(A))、同期捕捉判定カウンタ314をインクリメントし(ステップS405)、この時点で、生成している同期パルスを使用して、フレームと同期パルス間の同期捕捉が確立したと判断する回数(K回)まで、ステップS402〜ステップS406の処理を繰り返す。
ステップS404で、一致しない場合は、同期コードと同じ値が、フレーム内のデータ領域(同期コード以外の領域)に出現(図5(B))し、比較器311が、このデータを誤って、同期コードとして捕えてしまうために誤動作する時であり、比較器311で、フレームの位置をフレームクロックでシフトさせて(ステップS403)、ステップS401に戻り、再捕捉を試みる。
【0023】
再捕捉は、フレーム周期分、すなわち204回繰り返せば、得られるはずである。
最終的に、同期捕捉判定カウンタ314で、捕捉回数をK回カウントした時、フレームの同期捕捉は確立されたと判断し、同期パルスをバッファ315から、後段の同期追従部32(図2参照)に出力する(ステップS407)。
このように生成された同期パルスは、同期追従部32で、入力フレームの伝送ジッターや、ノイズによる影響で同期外れが生じていないかを監視し、同期外れが生じた場合に、同期捕捉作業を再度行うよう、同期捕捉部31(図2参照)に対して指示する。
【0024】
図6は、図2中の同期追従部32の詳細な構成を示すブロック図である。
ここで、図6において、321は、同期捕捉部31で生成した同期パルスで、フレームを一時記憶させるラッチ回路を、322は、ラッチされたフレームの値が同期コードと一致するかを比較する比較器を、323は、比較器322での不一致数をカウントする同期外れカウンタを表わす。
【0025】
図7は、図2中の出力制御部33の詳細な構成を示すブロック図である。
出力制御部33は、再同期捕捉が失敗した時(図4のステップS408)に、チューナ1で同調している周波数と、RFdefaultを、比較器331で比較し、両者が一致していた時に、電源制御部13とコントローラ10に、緊急放送検出信号を送信する。
もし、主電源がオフ状態であれば、電源制御部13は主電源を投入する。
【0026】
図7におけるRFdefaultレジスタ333は、例えば、主電源投入時に、不揮発メモリ12に記憶されているRFdefaultが、本レジスタにも転送されることにより、不揮発メモリ12に記憶されているRFdefaultと、同一周波数が記録される。
また、図7のカレントRFレジスタ332は、チューナ1で選局操作を行う度に、同調された周波数に書き換えられる記憶素子である。
【0027】
以上、緊急放送検出部3の構成および動作について説明したが、実際には同期コードの検出を容易にするため、ETS-300-429のように、周期的に同期コードを反転させても良いし、また、送受信で再現可能な乱数を、同期コードを除いたTSパケット内のデータに乗算し、同期コードと同一な値を持つデータの発生頻度を抑えて、同期捕捉を容易にする手段も有効である。
【0028】
図8は、本発明のCATV受信端末の待機状態時における動作手順を示すフローチャート図である。
このような構成における本発明のCATV受信端末の待機状態時における動作を、図8を用いて説明する。
ここで、待機状態時に通電される回路は、図1におけるチューナ1、デジタル復調器2、緊急放送検出回路3である。
まず、待機状態時には、チューナ1は、RFdefaultに同調されており、緊急放送検出回路3で、緊急放送検出信号が検出される(ステップS801)と、すなわち、同期コードと入力ビットストリーム間の同期が得られなくなると、電源制御部13が、主電源を起動する(ステップS802)。
【0029】
次に、起動されたコントローラ10は、不揮発メモリ12から緊急情報記述子が伝送されているチャンネルRFemergencyを読み出して、チューナ1をRFdefaultからRFemergencyに遷移させる(ステップS803)。
RFemergencyは、CATV局が、JCTEA STD−003−1.1に準拠した緊急情報記述子(emergency information descriptor)を、PMTまたはNITに伝送しているチャンネルである。
CATV受信端末では、この記述子を検出し(ステップS805)、記述子内のarea codeと、不揮発メモリ12に記憶されている地域コードが合致していて(ステップS806)、なお且つ緊急放送開始/終了フラグ(start end flag)が開始状態(=1)であれば(ステップS807)、該受信端末の設置されている地域が、緊急放送の対象に該当していると判断して、警報ブザー11で緊急告知を行う(ステップS808)。
【0030】
このように発せられた緊急告知は、緊急放送開始/終了フラグ(start end flag)が、終了状態(=0)になると告知を終了し(ステップS809)、チューナ1を、元のRFdefaultに、同調させ(ステップS810)、主電源をオフの状態にし、再び待機状態に戻る(ステップS811)。
一方、ユーザが視聴中(主電源オン状態)に、緊急放送が伝送されている場合には、RFdefaultを除いて、PSI/SIから緊急放送情報を抽出して、緊急告知をする。
【0031】
図9は、RFdefaultの視聴状態から緊急放送を検出および告知する動作手順を示すフローチャート図である。
ユーザがRFdefaultを視聴している際に、緊急放送が伝送された時の動作フローを図9を用いて説明する。
すなわち、RFdefaultを視聴している間に、緊急放送検出部3で緊急放送を検出した時(ステップS901)に、RFdefaultの視聴を中断して、チューナ1をRFemergencyに遷移させる(ステップS902)。
そこで、RFemergencyに伝送されているビットストリームから、デマルチプレクサ5で、NITまたはPMTを取得し(ステップS903)、さらに、テーブル内に緊急情報記述子が含まれているか否かを判定する(ステップS904)。
【0032】
もし、緊急情報記述子を取得し、記述子内のarea codeが、不揮発メモリ12に記憶されている地域コードと一致し(ステップS905)、なお且つ、緊急放送発信中、すなわち、緊急放送開始/終了フラグ(start end flag)が(=1)であれば(ステップS906)、視聴者に緊急告知を行う(ステップS907)。
このように起動された緊急告知は、緊急放送開始/終了フラグ(start end flag)が0になるまで継続され、緊急告知終了後(ステップS908)に、再びチューナ1をRFdefaultに遷移させ、元の視聴状態に戻す(ステップS909)。
【0033】
ところで、デマルチプレクサ5で、NIT、またはPMTを取得できない場合や、取得しても、そのテーブル内に緊急情報記述子が含まれていなければ、ケーブル網内で受信障害が発生したと判断して、ビデオデコーダ6に内蔵されたOSDを使用して、視聴画面上にその旨を告知する(ステップS910)。
【0034】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のCATV緊急放送受信装置は、同期コード検出の有無で主電源を投入する手段を有しているため、従来のように高速なクロックで動作するデマルチプレクサ、コントローラ、さらには誤り訂正回路を、常時、通電していなくても、緊急放送を受信できる。従って、CATV受信端末の省電力化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCATV緊急放送受信装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における緊急放送検出部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2における同期捕捉部部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図2における同期捕捉部の動作手順を示すフローチャート図である。
【図5】フレームと同期コード間に同期が確立している状態(A)と、同期コードと同一の値がデータ内に混在しているため同期捕捉できない状態(B)を示す図である。
【図6】図2における同期追従部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】図2における出力制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す実施例の待機状態から緊急放送を検出および告知する動作手順を示すフローチャート図である。
【図9】図1に示す実施例のRFdefaultの視聴状態から緊急放送を検出および告知する動作手順を示すフローチャート図である。
【図10】従来のデジタルCATV用放送受信装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図11】ISO/IEC13818−1で規定されているMPEG2トランスポートフレームの構成を示す図である。
【図12】JCTEA STD−003−1.1で規定されている緊急情報記述子(emergency information descdptor)を示す図である。
【図13】図10の示すCATV受信端末の緊急放送受信時における動作手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…チューナ、2…デジタル復調器、3…緊急放送検出部、3′…同期検出回路、4…誤り訂正回路、5…デマルチプレクサ、6…ビデオデコーダ、7…オーディオデコーダ、8、9…D/A変換器、10…コントローラ、11…警報ブザー、12、12′…不揮発メモリ、13、13′…電源制御部。
Claims (4)
- CATV局から映像、音声、番組情報等のデータをデジタル信号に変換して、ブロック誤り訂正符号を挿入し、さらに時間多重を施した上で、デジタル変調を用いてケーブル網に伝送を行うデジタルCATV緊急放送受信装置において、緊急放送発信時に、放送周波数(RFdefault)から緊急放送が発生していることを検出する緊急放送検出手段と、緊急放送の開始/終了および該当地域等を記した緊急情報データを記載したビットストリームを放送周波数(RFemergency)から検出する手段と、前記放送周波数RFdefaultおよびRFemergencyを不揮発メモリに記憶する手段とを有し、さらに、前記CATV緊急放送受信装置が待機状態に遷移する前に、チューナを前記RFdefaultに同調させる手段と、前記緊急放送検出手段により緊急放送が検出された時に、前記CATV緊急放送受信装置の主電源を投入し、前記チューナを前記RFemergencyに同調させる手段と、該RF emergency に同調させる手段で同調成立後に、前記RFemergencyと伝送されている前記緊急情報データを抽出し、該緊急情報データが緊急放送中であることを示していれば、視聴者に緊急告知をする手段と、前記緊急情報データが緊急放送終了を示した時、緊急告知を終了して、前記チューナを前記RFdefaultに同調させた後、再び待機状態に戻す手段とを具備することを特徴とするCATV緊急放送受信装置。
- 前記緊急放送検出手段は、前記チューナが前記RFdefaultに同調している状態において、前記ブロック誤り訂正符号のブロック先頭を示す同期信号と前記入力ビットストリームの同期捕捉を行う捕捉手段と、該捕捉手段で確立された同期が保持されているか否かを監視する同期追従手段と、該同期追従手段で同期が維持されていない時に、前記捕捉手段に再度同期を捕捉し直すように指示する再捕捉手段とから構成され、該再捕捉手段により同期の再捕捉を所定回数試みても、同期捕捉が得られない時に、緊急放送が発生していると判断することを特徴とする請求項1記載のCATV緊急放送受信装置。
- 前記放送周波数RFdefaultを視聴中に、前記緊急放送検出手段により緊急放送が検出された場合に、前記チューナを前記RFemergencyに同調させ、前記ビットストリーム中に伝送されている緊急情報データを参照し、緊急告知の対象と判断された時に、視聴者に緊急告知する手段と、前記緊急情報データが緊急放送終了を示した時、前記緊急告知を終了させ、前記チューナを再び前記RFdefaultに同調させて、元の視聴チャンネルに戻す手段とを具備することを特徴とする請求項1または2記載のCATV緊急放送受信装置。
- 前記緊急告知手段は、前記CATV緊急放送受信装置に内蔵された警報ブザー、およびオンスクリーンディスプレイにより、緊急事態を視聴画面に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のCATV緊急放送受信装置。
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