JP3702922B2 - 耐熱性フィルター - Google Patents

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Description

【0010】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性フィルターに関する。さらに詳しくは、従来のフィルターが使用不可能であった酸化剤を含む高温流体、高温芳香族系流体を始めとする高温流体や、高溶解性流体の濾過に好適に使用でき、さらに耐圧性・形態保持性に優れ、かつ濾材の脱落が無く、優れた濾過精度を有するフィルターに関するものである。
【0011】
【従来の技術】
近年、化学工業製品分野の高純度化が進んだことに伴い、製品の溶液中に含まれる粒子径0.2μm〜数mm程度の異物を取り除くための、繊維を素材とするフィルターの使用が急激にのびてきている。従来、このようなフィルターに使用される繊維の素材としてはポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維などが多く使われてきた。
一般に繊維を素材とするフィルターは安価であり、構成繊維の繊維径を選択することによって自由に濾過精度を変更でき、繊維間の空隙部に多くの粒子を捕らえることができるために濾過ライフが長い、といったような長所を有している。しかしながら、そのフィルターの耐熱性や耐薬品性は、構成繊維の化学的特性に依存するため、これまでのポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維などを素材とするフィルターでは高温溶液、高温酸性溶液、高温アルカリ溶液などの、溶解性、反応性の高い溶液によっては問題が生じることがあった。
【0012】
一方、耐熱性、耐薬品性共に優れた繊維として、ガラス繊維、アラミド繊維、フッソ系繊維、ポリイミド繊維、ポリアリーレン繊維等が一般に知られている。このうち、アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維でULサーマルインデックス200〜220℃の耐熱性を有し、パラ系アラミド繊維ではさらに耐熱性に優れているが、高温下ではアルカリ、酸による強度劣化が起こり、高温高湿下では加水分解するという欠点を持つ。また、テトラフルオロエチレン繊維は、ULサーマルインデックス260℃の良好な耐熱性と優れた耐薬品性を有するが、強度が低いために加工性が悪く、加工された製品も一般に強度が低くなる。また、特公昭52−30609公報等で製法が示されるポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略記する)繊維は、ULサーマルインデックス190℃を有し、高温での耐アルカリ性、耐酸性に非常に優れており、高い繊維強度を持っている。
【0013】
このように、これらの耐熱性繊維はそれぞれ短所と長所を併せ持っているが、いずれの繊維も一般の熱融着性繊維に比べて熱接着性が悪いため、従来の技術では、これを前述したようなフィルター、あるいは不織布に成形することが難しかった。
【0014】
これらの耐熱性繊維を不織布に加工する方法として、これまでに提案されている方法の1つに、耐熱性短繊維のウェブに高圧水流加工やニードルパンチ加工を施して繊維間を交絡させる方法がある。この方法は耐熱性繊維を比較的容易に不織布化できるため、PPS繊維にニードルパンチ加工を施して作られたバグフィルターが、ゴミ焼却炉高温排ガス用フィルターのように非常に耐薬品性、耐熱性を要求される分野で数多く用いられている。しかし、これらの方法で作られた不織布からなるフィルターは、繊維が単に機械的に交絡しているだけなので、交絡が不十分な場合には耐圧性や形態安定性が不十分であったり、構成繊維が下流側へ脱落する可能性があり、フィルターへの使用には問題があった。
また、特開平7ー313823号公報では、多数の小孔を有する筒体を芯として、その外周面にポリフェニレンスルフィド樹脂製の繊維を巻き付けた濾過材が提案されている。しかしながら、この様な糸巻き上のフィルターでは濾過精度に劣り、かつ濾過材が脱落し易いという欠点を有する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた耐熱性、耐薬品性を有し、構成繊維の脱落がなく、かつ耐圧性と濾過精度にも優れたフィルターを提供するものであり、特に酸やアルカリ成分を含む高温流体等の従来のフィルターが使用不可能であった高温、高反応性、高溶解性流体の濾過に好適に使用できるフィルターを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、耐熱性繊維と熱融着性繊維からなる不織繊維集合体を熱処理し、成形することにより、耐熱性繊維本来の特性を損なうことなく繊維同士が強固に接着した、優れた耐圧性・形態安定性と濾過精度とを併せ持ち、かつ構成繊維の脱落のないフィルターが提供できることを知り、本発明を完成するに至った。
【0017】
本発明は前記課題を解決するために以下の構成を有する。
(1)耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に熱融着性繊維ウエブを重ね合わせ成形と同時に若しくは成形後に熱融着性繊維を加熱融着することにより得られる、耐熱性繊維が熱融着性繊維で熱接合された不織繊維集合体からなる耐熱性フィルター。
(2)耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に熱融着性繊維からなる熱接合された不織布を重ね合わせ、成形と同時に若しくは成形後に熱融着性繊維を加熱融着することにより得られる、耐熱性繊維が熱融着性繊維で熱接合された不織繊維集合体からなる耐熱性フィルター。
(3)熱接合された耐熱性不織繊維集合体が巻回積層された(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(4)耐熱性不織布をプリーツ状に折り曲げて両側面部を接着した濾過材の中央開口部に、多孔支持体を配して、その両端部が接着された(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(5)耐熱性繊維が、延伸されたポリフェニレンスルフィド繊維である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(6)熱融着性繊維が、繊維長3〜30mmの熱可塑性繊維である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(7)熱融着性繊維が、メルトブロー法で得られた熱可塑性繊維である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(8)熱融着性繊維が、融点差10℃以上を有する高融点樹脂と低融点樹脂との熱可塑性複合繊維である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(9)熱融着性繊維が、未延伸状態および/または半延伸状態のポリフェニレンスルフィド繊維である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(10)熱融着性繊維が、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維の群から選ばれた少なくとも1種である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(11)熱融着繊維の繊維径が、耐熱性繊維の繊維径以下である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
(12)耐熱性繊維ウェブの目付けが、10〜100g/m である(1)項若しくは(2)項に記載の耐熱性フィルター。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る耐熱性フィルターとは、耐熱性繊維が熱融着性繊維で熱接合された不織繊維集合体により構成されるものである。
【0019】
本発明でいう耐熱性繊維とは、高温雰囲気中に長時間置いた後にも、顕著な表面劣化、強度低下等が生じることがない繊維であればいかなるものでも良い。例えば、延伸されたPPS繊維、アラミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリエステル繊維、66ナイロン繊維、フェノール繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維などである。しかし、本発明の耐熱性フィルターに利用される耐熱性繊維には、強度、耐薬品性、耐熱性及びコストや量産化を考えた場合、延伸されたPPS繊維が最も好適である。また、これらの耐熱性繊維の中に、通常使用される添加物、例えば顔料、カーボン、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を、本発明の効果を妨げない範囲において、必要に応じて使用してもよい。
【0020】
本発明において耐熱性繊維の原料として好適に利用されるPPSとは、繰り返し単位として、p−フェニレンスルフィド単位やm−フェニレンスルフィド単位などのフェニレンスルフィド単位を含有するポリマーを意味する。p−フェニレンスルフィド単位を70重量%以上、好ましくは90重量%以上含む実質的に線状ポリマーが好ましい。その製造方法は、工業的にはp−ジハロベンゼンと硫化ナトリウムを反応させハロゲン元素をハロゲン化ナトリウムとして取り除くという方法が用いられることが多い。
また、本発明の主旨を逸脱しないかぎり、他の芳香族スルフィドとの共重合体や混合物であってもよい。また、これらの直線状重合体以外に分子中に2個より多いハロゲン原子の置換基を有するポリハロ芳香族化合物をp−ジハロベンゼンに対して、0.1〜5モル%添加した分岐型重合体も好適に使用できる。
【0021】
また、耐熱性繊維の形状は、特に限定されるものではないが、ウェブへの加工性を考慮して、ステープルファイバーであることが好ましい。また、耐熱性繊維の断面は円形、扁平形、三角〜八角形等の角型、T字形、多葉形、中空断面形等任意の形状とすることができる。
本発明において耐熱性繊維の形状としてステープルファイバーを利用する場合、その単糸繊度、繊維長は特に限定されるわけではないが、カーディング法、エヤレイド法等でウェブ化することを考慮して、単糸繊度1〜100デニール、繊維長3〜90mmであることが好ましい。
また、トウを直接開繊してウェブを作製してもよく、特開昭57−16954号公報に示されるような方法でスパンボンド法等を用いて直接不織布にしても良い。この方法は一般にステープルファイバーを利用する方法よりも高度な技術が必要であるが、製品は構成繊維の形状が長繊維であり、かつ繊維が相互に固着されているため繊維の脱落が起こらず好ましい。
【0022】
次に、本発明において耐熱性繊維として好適に利用されるPPSステープルファイバーの製造方法の例を述べる。
先ず、PPSペレットを通常の溶融紡糸工程により溶融紡糸する。すなわち、押出機により約300〜350℃に溶融されたPPS樹脂をノズルから押し出し、空気、水、グリセリン等の媒体中で好ましくはガラス転移温度以下の温度で冷却し、ロールに巻取る。ロール巻き取り速度は、通常、100〜1500m/分で巻取ることができる。
次に溶融紡糸によって得られたPPS未延伸糸を、供給ロールと引き取りロールとの間で自然延伸比以上で延伸する。延伸は、一段延伸でもよく、2段延伸以上の多段延伸で行ってもよい。延伸温度は通常、PPSのガラス転移温度すなわち90℃付近から270℃までの範囲で可能である。延伸によりPPS繊維は、強度、耐熱性、耐薬品性などが付与される。
延伸した後、寸法安定性及び結晶化促進のために、必要に応じて融点以下で定長熱処理または弛緩熱処理を行ってもよい。この熱処理は、常法により行うことができ、特にその条件は限定されないが、例えば、200〜280℃の乾熱雰囲気中、延伸比0.8〜1.2倍の条件下、1〜50秒間熱処理を行う方法が挙げられる。
そして得られた延伸PPS繊維にクリンプを付与した後、所定長に切断し、ステープルファイバーとする。
【0023】
次に、耐熱性繊維をウェブまたは不織布とする方法について述べる。
耐熱性繊維の形状としてステープルファイバーを利用する場合、まず、カーディング法、エヤレイド法等を用いて必要な目付のウェブに加工する。このウェブの目付は、特に限定されるものではないが、10〜100g/m2の範囲のものが好ましい。10g/m2未満であると、目付が小さすぎて均一なウェブを製造するのが困難であるばかりでなく、フィルターとした場合の利用価値も乏しい。一方、目付が100g/m2を超えると熱融着性繊維との接着が不十分となり、耐熱性繊維の脱落が起こる場合がある。また、前記のように作製した耐熱性繊維ウェブを予めニードルパンチ法や高圧水流法等で不織布としておくと、繊維が三次元絡合されるので、目付が100g/m2よりも厚くなっても繊維抜けが起こらず好ましい。ニードルパンチ法や高圧水流法は常法の方式を利用することができる。ニードルパンチ法を使う場合には、30〜150ポイント/cm2でニードルパンチ加工することが好ましい。高圧水流法を使う場合には、例えば孔径が0.05〜1.0mm、好ましくは0.1〜0.4mmの噴射孔を多数配列した装置を用い、噴射圧力が20〜150kg/cm2の高圧液体を前記噴射孔から噴射する。噴射孔の配列は、ウェブの進行方向と直交する方向に列状に配列する。この処理はウェブの片面あるいは両面のいずれに施してもよいが、特に片面処理の場合は、噴射孔を複数列に配列し、噴射圧力を前段階で低く後段階で高くして処理すると、均一で緻密な交絡形態と均一な地合を有する不織布を得ることができる。高圧流体としては、水あるいは温水を用いるのが一般的である。また、この工程は連続工程、別工程のいずれであってもよい。高圧流体処理を施した後は、例えば熱風乾燥機等の乾燥設備を用いて、ウェブを乾燥させる。
【0024】
次に、本発明でいう熱融着性繊維とは、耐熱性繊維に比べて融点または軟化温度が低く、耐熱性繊維と熱融着性繊維との混合物または混繊物を加熱または加圧加熱した場合に耐熱性繊維と接着する。つまり耐熱性繊維同士の繊維接点を熱接合できる繊維であれば、特に限定されない。本発明の場合は特に熱融着性繊維を用いると不織繊維集合体または不織布とした場合に強度向上、形態保持性が良くなり好ましい。これら熱融着性繊維として、例えば、PPS樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれかの樹脂よりなる繊維等が挙げられる。尚、ここで用いられるPPS樹脂は未延伸又は半延伸状態の物をいい、この様な物は比較的低温で軟化し、熱圧着することが可能であるために熱融着性繊維として使用することができるのである。繊維の形態としては、特にメルトブロー不織布または繊維長3〜30mmの超短繊維が好適に用いられる。
【0025】
本発明で用いられる熱融着性繊維は、融点差が10℃以上の高融点樹脂と低融点樹脂を組み合わせた2種類以上の熱可塑性ポリマーからなる複合繊維であってもよい。本発明において融点とは、示差走査型熱量計によって得られる昇温示差熱曲線において極小値をとる温度をいう。熱融着性繊維としてそのような高融点樹脂と低融点樹脂からなる複合繊維を用いた場合、該複合繊維を含む不織繊維集合体を熱処理した場合でも高融点樹脂の融点以下の温度であれば該複合繊維が通常の熱融着性繊維のように繊維形態を失うことがないため、熱融着性繊維が繊維間空隙を埋めるといったようなフィルターの濾過能力の低下の原因となることがなく好ましい。その形状は、鞘芯型、並列型、偏芯鞘芯型、多層型、あるいは海島型とすることができる。また、熱可塑性ポリマーの組み合わせとしてはPPS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等を任意に組み合わせることができる。組み合わせの例として、PPS樹脂/ ポリエーテルエーテルケトン樹脂、PPS樹脂/ポリオレフィン樹脂、PPS樹脂/ポリエステル樹脂、PPS樹脂/ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂/ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリアミド樹脂などが利用可能である。
【0026】
本発明において熱融着性繊維として超短繊維を用いる場合、その形状は繊維長3〜30mm程度でエヤレイド法等によりウェブ化可能であれば特に限定されない。超短繊維は通常の溶融紡糸、延伸法により得ることができる。この超短繊維は、耐熱性繊維との混繊が容易でかつ3次元的方向にランダムに分級し、熱接合点を大きくする。このため不織布層内は、理想的なポーラス構造を有するので、フィルターとした場合に通気性、通水性に優れる。
【0027】
本発明において熱融着性繊維としてメルトブロー不織布を用いる場合、通常のメルトブロー法が使用できる。すなわち、溶融紡糸しながら、両サイドから高速加熱気流を噴射して繊維を細化し、それをメッシュスクリーン上に捕集し不織布とする方法である。メルトブロー不織布の繊維は、多くの非結晶部分を含み、比較的低温でも軟化するため、接着成分として耐熱性繊維を接着させることができる。つまりメルトブロー不織布と耐熱性繊維とを、そのメルトブロー不織布を構成している繊維のガラス転移点以上で加圧加熱して非結晶部分を軟化させることで、耐熱性繊維の物性には影響は与えず接着し、耐熱性不織布にすることができる。また、メルトブロー法により紡糸された不織布は、一般に通常の溶融紡糸法により作られた繊維よりも構成繊維径が細いために、特に高精度のフィルターを製造する場合に好適に用いることが出来る。メルトブロー不織布の平均繊維径は特に限定されるものではないが、通常、1μm以上、好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μm以上であり、通常耐熱性繊維を構成するステープルファイバーの繊維径以下であることが好ましい。耐熱性繊維よりも平均繊維径が大きいと繊維接着交点が少なく、十分な強度が得られにくい。一方、メルトブロー不織布の目付は、20〜200g/m2程度のものが好適に用いられる。
【0028】
次に、前記で得られた耐熱性繊維ウェブまたは不織布を、熱融着性繊維で熱接合して、本発明の耐熱性フィルターを製造する方法について述べる。まず、前記で得られた耐熱性繊維ウェブの両側若しくは片側に熱融着性繊維ウエブを重ね合わせるか、耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に熱融着性繊維からなる熱接合された不織布を重ね合わせる。熱融着性繊維を使う場合、耐熱性繊維不織布と熱融着性繊維不織布を各1枚ずつ積層したものでもよいし、複数枚交互に積層したものでもよい。不織布の代わりにウェブを使用しても良い。次に、この重ね合わせた物を熱接着あるいは加圧熱接着させて、耐熱性繊維を熱接合する。この処理には、公知の方法を利用することができる。例えば、表面平滑なロールで処理する場合、プレスは、加圧圧力1〜50kg/cmで行うことが必要である。加圧圧力が、1kg/cm未満の場合には、十分な強度が得られない。50kg/cmを超える場合には、空隙率が低くなりフィルターとして十分な通気性が得られないばかりではなく、耐熱性繊維そのものの強度劣化につながり好ましくない。
【0029】
また、表面平滑なロールの一方をエンボスロールに変えて、エンボスロールのエンボスパターン部に存在する繊維同士を部分的に熱接着させる場合、エンボスロールの圧接面積率は、5%以上が好ましい。この圧接面積率が5%未満の場合、点状の融着区域が少なく機械的強度が低下し、良好な寸法安定性を得るのが困難となる。またエンボスパターンは圧接面積率が5%以上であれば、特に限定されるものではなく、丸型、楕円型、菱型、三角型、T字型、井型等任意の形状でよい。ロール温度は、熱融着性繊維のガラス転移点以上融点以下の温度範囲で熱接着すればよい。あらかじめホットエアー等で該不織布を予備加熱してもよい。
【0030】
熱処理においては、例えば熱融着繊維に未延伸状態および/または半延伸状態のPPS繊維を使用する場合、PPSの融点に近い高温で熱処理を行うと、空隙率の低いペーパーライクなものとなり、フィルターに利用するのに適したものが得られにくい。このような場合、前記したメルトブロー法で紡糸して得られたPPS繊維は、未延伸状態および/または半延伸状態をなし、かなり低温(例えば90〜95℃位)で軟化しており、これをうまく利用することにより、耐熱性繊維を熱接合することができる。この結果、形態保持性に優れたものとなる。しかも、このような低温で熱接合された不織布は、空隙率が高く、嵩高性に飛んでいるので、フィルターの流量特性、濾過ライフに好影響を与える。熱融着性繊維が前記複合繊維の場合、低融点樹脂の融点以上、高融点樹脂の融点以下の温度で熱処理を行うと熱融着性繊維の高融点樹脂の成分が繊維として残存し、熱接合後の不織布強度向上に寄与し、空隙率と嵩高性にも優れたものが得られる。
【0031】
次に、前記方法で作製した耐熱性不織布をフィルターの形状に成形する。フィルターの形状は特に限定される物ではなく、例えば筒状フィルター、バグフィルター、シート状フィルターとすることができる。しかし、本発明の実施態様としては筒状フィルターがもっとも好ましい。
【0032】
筒状フィルターに成形する方法には公知の方法を用いることができる。その方法の1つに、前記耐熱性不織布を多孔支持体に巻き付ける方法が挙げられる。巻き付ける方法は、単に多孔支持体に巻き付けても良く、加熱しながら1〜50kg/cm程度の適当な加圧圧力をかけて巻き付けても良い。また、多孔支持体の材質や形状は特に限定されるものではないが、当初の目的を達成するため、前記耐熱性不織布よりも耐熱性、耐薬品性にすぐれ、かつ変形することがないよう十分な強度を持つものが望ましい。例えばPPS、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂などの樹脂を加工した射出成型品、セラミックスやステンレス等の金属を加工したもの等を挙げることができる。また、濾過精度は耐熱性不織布の構成繊維径や空隙率を変えることによって任意のものに設定できる。さらに、耐熱性不織布の繊維径や空隙率をフィルターの上流側から下流側にかけて変化させることによって濾過ライフを延ばすことも可能である。
【0033】
また、前記の耐熱性繊維ウェブ若しくは不織布と熱融着性繊維ウェブ若しくは不織布を後者を前者の両側若しくは片側に重ね合わせ、特公昭56−43139のようにサクションドライヤー法、熱風乾燥装置あるいは熱ロール法等の公知の方法で加熱しながら、1〜50kg/cmの加圧圧力をかけて芯棒に巻き付けて筒状フィルターとしても良い。この場合には多孔支持体が不要であるため、フィルターを使用後廃棄する場合に多孔支持体を処理する必要がなくなる。この場合も、前記のような構成繊維径や空隙率を変えることにより濾過精度や濾過ライフの調節が可能である。
【0034】
また、別のフィルターへの加工方法として、前記方法で作製した耐熱性不織布をプリーツ状に折り曲げて筒状フィルターとすることもできる。
この製造法の1例をあげるが、特にこの方法に限定されるものではない。まず、前記の耐熱性不織布を1枚あるいは数枚積層してプリーツ状に折り畳み、両側面部を超音波、高周波等の熱シール法によって完全に溶着させる。この時、補強あるいは有効濾過面積増大のために、耐熱性不織布と適当なスペーサーとを交互に積層して折り畳んでもよい。このスペーサーの形状は特に限定されるものではなく、編物、ネット、パンチングシートなど種々のものを用いることが出来る。また、積層する耐熱性不織布の繊維径を変化させたり、密度勾配を付与することにより、濾過精度の変化やフィルターの交換寿命の延長を計ることもできる。次に多孔支持体を内部に入れ、両端をエンドキャップで接着する。接着には加熱溶融法を使用しても良く、ホットメルトなどのバインダーで接着しても良い。必要によってはフィルターエレメントの保護のために外層に多孔網筒を使用しても良い。これらのスペーサー、エンドキャップ、バインダー、多孔網筒等の材料や形状は特に限定されるものではないが、本発明の効果を損なうことがないよう、いずれの材質も耐熱性不織布と同程度以上の耐熱性、耐薬品性を持つことが望ましい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。本実施例における不織布、筒状フィルターの物性値等の定義と測定方法は以下の通りである。
(濾過精度)
循環式濾過性能試験機のハウジングにフィルター1本(250mm)を取り付け、50リットル用水槽からポンプで通水循環する。流量を毎分30リットルに調節後、水槽に試験粉体として基礎物性用標準粉体であるACコース・テストダスト(ACCTDと略す。中位径:27〜31μm)を60mg/分で連続添加し、添加開始から5分後に原液と濾液を採取し、それぞれの液に含まれる粒子の粒度分布を光遮断式粒子検出器を用いて計測する。この粒度分布測定結果を用いて、フィルターが捕集した粒子の個数の割合を捕集効率として算出し、99.9%捕集した粒径をフィルターの濾過精度とした。
【0036】
(濾過ライフ及び耐圧強度)
前記、循環式濾過性能試験器のハウジングにフィルター1本(250mm)を取り付け、流量30リットル/分で通水循環する。ここに、ACCTDを400mg/分で連続添加し、フィルターの1次側と2次側で圧力を測定して圧力損失の変化を記録する。フィルターの圧力損失が2kg/cm2に達するまでのケーキの添加量を濾過ライフとした。
引き続き、粉体の添加を行い、フィルターの圧力損失が10kg/cm2に達するか、もしくはフィルターが変形した時点での圧力損失を耐圧強度とした。
(耐熱性および耐薬品性)
循環式濾過性能試験機のハウジングにフィルター1本(250mm)を取り付け、試験流体を流量30リットル/分、入口圧0.5kg/cm2の条件で60分間通液循環した。その後、冷却、乾燥して外観観察、外径変化測定、および構成繊維表面の電子顕微鏡観察を行った。試験流体として、95℃の30重量%硫酸水溶液(溶液1)、95℃の30重量%水酸化ナトリウム水溶液(溶液2)を使用した。
【0037】
実施例1
(耐熱性繊維ウェブ)
PPS樹脂(メルトフローレイト(以下MFRと略す):50g/10分、310℃、2.16kg荷重)を、140℃で2時間予備乾燥した後、シリンダー径30mm押出機にて、紡糸温度320℃、巻取速度800m/minにて紡糸した。得られた未延伸糸を90℃で3倍に延伸し、ついで160℃で1.2倍に二段延伸し、最後に220℃で弛緩熱処理を行い、3デニール(繊維径18μm)、カット長51mmのPPS繊維を得た。得られたステープルファイバーをカードにて目付50g/m2のウェブに加工した。
(熱融着性繊維ウェブ)
熱融着性繊維としてPPS(MFR:130g/10分、310℃、2.16kg荷重)を、メルトブロー法によって、平均繊維径が約10μm、目付27g/m2のメルトブローウェブを作製した。
(本発明のフィルターの作製)
これら得られた耐熱性繊維ウェブを熱融着性繊維ウェブで挟み、サクションバンドドライヤーを用いて、90℃で加熱しながら加圧圧力10kg/cmをかけてPPS樹脂製多孔射出成形体に巻き取った後、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
フィルターの製造条件及びその性能の評価結果はそれぞれ表1及び表2に示した。以下の実施例及び比較例でも同様である。
【0038】
【表1】
Figure 0003702922
【0039】
【表2】
Figure 0003702922
【0040】
実施例2
実施例1で作製した耐熱性繊維ウェブを同じく実施例1で使用した熱融着性繊維ウェブで挟み、加工温度90℃、加圧圧力10kg/cmの条件でカレンダー加工を行い、耐熱性不織布とした。この耐熱性不織布1枚をプリーツ状に折り畳み、両側面部を超音波法によって完全に溶着させ、次にPPS性多孔支持体を内部に入れ、両端に加熱溶融法を使用してエンドキャップを接着して中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0041】
実施例3
耐熱性繊維として、単糸繊度2デニール、繊維長76mmのポリ−m−フェニレンイソフタルアミド(コーネックス、帝人(株)製)をカードにて目付50g/m2のウェブを作製した。得られたウェブを実施例1で作製した熱融着性繊維ウェブで挟み、実施例1と同条件で成形を行い、中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0042】
実施例4
熱融着性繊維としてポリプロピレン(PPと略す。MFR:16g/10分、230℃、2.16kg荷重)をメルトブロー法によって、平均繊維径が約10μm、目付23g/m2のメルトブロー不織布を作製した。
得られたPPメルトブロー不織布で実施例1で作製した耐熱性繊維ウェブを挟み、160℃、加圧圧力10kg/cmの条件でPPS樹脂製多孔射出成形体に巻き取った後、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0043】
実施例5
実施例1で得られた耐熱性繊維ウェブを、80メッシュの平織ネット上に置いて、ノズル径0.1mm、ピッチ1mmのノズルプレートから、水圧20kg/cm2で予備処理した後、40kg/cm2の高水圧で3回処理し、次いでこの交絡したトウウェブを反転させ、同様のノズルプレートから40kg/cm2の高水圧で3回処理し、三次元結合させた。次に、この不織布を乾燥して、目付48g/m2のウォータージェット(以後WJ)加工耐熱性繊維不織布を得た。この不織布上に、実施例1で得られた熱融着性繊維ウェブを乗せ、実施例1と同条件で成形を行い、中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0044】
実施例6
熱融着性繊維としてPP(MFR:16g/10分、230℃、2.16kg荷重)を芯成分とし、高密度ポリエチレン(PEと略す。MI:16g/10分、190℃)を鞘成分として、メルトブロー法によって、平均繊維径が約10μm、目付26g/m2の複合メルトブロー不織布を作製した。
得られた複合メルトブロー不織布で実施例5で作製したWJ加工耐熱性繊維不織布を挟み、130℃、加圧圧力10kg/cmの条件でPPS樹脂製多孔射出成形体に巻き取った後、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0045】
実施例7
熱融着性繊維として、PPS樹脂(MFR:50g/10分、310℃、2.16kg荷重)を、140℃で2時間予備乾燥した後、シリンダー径30mm押出機にて、紡糸温度320℃、巻取速度800m/minにて紡糸した。得られた繊維は、繊維径18μm、カット長5mmの低配向短繊維とした。実施例1で得られたPPS繊維ウェブをエヤレイド不織布加工機に供給し、前記低配向PPS短繊維をエヤレイド加工機によってPPS繊維ウェブ上に、堆積させた。なおこの短繊維ウェブの目付は、24g/m2とした。このPPS繊維と熱融着性短繊維の混繊物をサクションバンドドライヤーを用いて、90℃で加熱しながら加圧圧力10kg/cmをかけて金属製の芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0046】
実施例8
熱融着性繊維として、芯成分に極限粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレート(PETと略す)と鞘成分にPP( MFR:16g/10分、230℃、2.16kg荷重)の鞘芯複合型繊維を溶融紡糸装置を用いて紡糸、延伸し、繊度2デニール、カット長5mmの短繊維とした。実施例1で得られたPPS繊維ウェブをエヤレイド不織布加工機に供給し、前記複合短繊維をエヤレイド加工機によってPPS繊維ウェブ上に、堆積させた。なおこの短繊維ウェブの目付は、23g/m2とした。このPPS繊維と熱融着性短繊維の混繊物を160℃の熱風乾燥機を通し、加圧圧力10kg/cmをかけて金属製の芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0047】
実施例9
熱融着性繊維不織布として、PPS(MFR:130g/10分、310℃、2.16kg荷重)をメルトブロー法によって平均繊維径が約20μm、目付20g/m2とした不織布を作製した。実施例5で得た耐熱性繊維不織布の上に熱融着性繊維不織布を乗せ、160℃の熱風乾燥機を通し、加圧圧力10kg/cmをかけて金属製の芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0049】
比較例1
実施例5で作製したウォーターニードル加工耐熱性繊維不織布のみを実施例1と同条件で成形を行ったが、耐熱性繊維同士の接着はなく、フィルターとして使用することができなかった。
【0050】
比較例2
熱融着性繊維としてPET(融点253℃)を芯成分とし、共重合ポリエステル(融点195℃)を鞘成分とする繊維径22μm、カット長51mmの複合熱融着性繊維を使用し、カードにて目付50g/m2のウェブを作製した。そのウェブを200℃で加熱しながら加圧圧力10kg/cmをかけてPET樹脂製多孔射出成形体に巻き取った後、250mmの長さに切断し、外径60mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0051】
比較例3
熱融着性繊維としてPP(MFR:16g/10分、230℃、2.16kg荷重)を芯成分とし、高密度PE(MFR:16g/10分、190℃、2.16kg荷重)を鞘成分とする繊維径22μm、カット長51mmの複合熱融着性繊維を使用し、カードにて目付50g/m2のウェブを作製した。そのウェブを130℃で加熱しながら加圧圧力10kg/cmをかけてPE樹脂製多孔射出成形体に巻き取った後、250mmの長さに切断し、外径60mm、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0052】
実施例1と比較例2を比較すると、濾過精度、ライフ、耐圧強度は同程度であるが、実施例1の方が高温アルカリ溶液である溶液2に対する耐熱・耐薬品性で優っている。また、実施例1と比較例3を比較すると、濾過精度、ライフ、耐圧強度は同程度であるが、実施例1の方が高温酸性溶液である溶液1、高温アルカリ性溶液である溶液2の何れに対しても耐熱・耐薬品性で優っている。
以上、熱融着性繊維については未延伸/半延伸PPS繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維について評価したが、未延伸/半延伸ポリアミド繊維についても同様の効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の耐熱性フィルターは、耐熱性繊維が強固に熱接合されているため、濾材の脱落が無く、耐熱性、耐薬品性、及び耐圧性が要求されるような分野に好適に使用することができる。このため、使用時には十分な耐圧強度と優れた濾過精度を発揮する。
また、構成繊維径や空隙率を変えることにより、さまざまな濾過精度や寿命を持つフィルターを設計することも可能である。

Claims (12)

  1. 耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に熱融着性繊維ウエブを重ね合わせ成形と同時に若しくは成形後に熱融着性繊維を加熱融着することにより得られる、耐熱性繊維が熱融着性繊維で熱接合された不織繊維集合体からなる耐熱性フィルター。
  2. 耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に熱融着性繊維からなる熱接合された不織布を重ね合わせ、成形と同時に若しくは成形後に熱融着性繊維を加熱融着することにより得られる、耐熱性繊維が熱融着性繊維で熱接合された不織繊維集合体からなる耐熱性フィルター。
  3. 熱接合された耐熱性不織繊維集合体が巻回積層された請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  4. 耐熱性不織布をプリーツ状に折り曲げて両側面部を接着した濾過材の中央開口部に、多孔支持体を配して、その両端部が接着された請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  5. 耐熱性繊維が、延伸されたポリフェニレンスルフィド繊維である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  6. 熱融着性繊維が、繊維長3〜30mmの熱可塑性繊維である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  7. 熱融着性繊維が、メルトブロー法で得られた熱可塑性繊維である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  8. 熱融着性繊維が、融点差10℃以上を有する高融点樹脂と低融点樹脂との熱可塑性複合繊維である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  9. 熱融着性繊維が、未延伸状態および/または半延伸状態のポリフェニレンスルフィド繊維である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  10. 熱融着性繊維が、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  11. 熱融着繊維の繊維径が、耐熱性繊維の繊維径以下である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
  12. 耐熱性繊維ウェブの目付けが、10〜100g/m である請求項1若しくは2に記載の耐熱性フィルター。
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