JP3701986B2 - 液体加圧装置及びその運転方法 - Google Patents

液体加圧装置及びその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3701986B2
JP3701986B2 JP13785294A JP13785294A JP3701986B2 JP 3701986 B2 JP3701986 B2 JP 3701986B2 JP 13785294 A JP13785294 A JP 13785294A JP 13785294 A JP13785294 A JP 13785294A JP 3701986 B2 JP3701986 B2 JP 3701986B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
reciprocating pump
stroke
pump means
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13785294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07324676A (ja
Inventor
良司 村椿
幸明 永田
修 朴谷
正紀 滝前
伸考 山岸
雅則 金三津
正 杉森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sugino Machine Ltd
Original Assignee
Sugino Machine Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sugino Machine Ltd filed Critical Sugino Machine Ltd
Priority to JP13785294A priority Critical patent/JP3701986B2/ja
Publication of JPH07324676A publication Critical patent/JPH07324676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3701986B2 publication Critical patent/JP3701986B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、プランジャポンプなどの往復動ポンプを利用した液体加圧装置及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
材料切断や圧力容器内の加圧などに高圧液体を利用する場合、液体加圧源としてパスカルの原理による液圧ブースタ方式の高圧ポンプが広く利用されている。液圧ブースタは、入口圧力をプランジャピストンの受圧面積比に逆比例して増圧し、出口圧力とするものであるが、これには大別して1行程毎に断続的に所定流量の増圧圧力を出口側に送る単動ブースタと、一対の単動ブースタにチェック弁や方向切換弁を組み合わせて出口側に連続した流量を送り出す複動ブースタとがある。
【0003】
プランジャの駆動は一般に油圧方式であり、これには、出口から取り出される高圧液体(水など)が駆動圧油によって汚染されるのを防止するために駆動シリンダ室と増圧室との分離を図った油水分離型のものもあるが、例えばジャムや果汁又は酒等の製造において近年注目を集めている高圧液体による食品の加圧処理に利用するための液体加圧装置としては、駆動圧油による汚染の恐れが全くない電動方式でプランジャを往復駆動するものがよく用いられている。
【0004】
例えば実開平1−76570号公報には、電動方式の複動ブースタによる液体加圧装置として、材料切断等に使用する高圧ウォータージェットを発生させる往復動増圧機が示されている。この往復動増圧機では、給液用の回転式ポンプから吐出される液体を一対の往復動プランジャ加圧室に夫々チェック弁を介して導入し、同軸状に連結された一対のプランジャをボールねじ機構及び可逆サーボモータによって一体的に往復運動させることにより各加圧室内でプランジャによる交互の加圧動作を行わせ、各加圧室から交互に吐出される高圧液を夫々別のチェック弁を介して噴射ノズルに送り、噴射ノズルからほぼ連続的な高圧液体の噴射を得るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、食品の加圧処理を用途の視野に入れると、加圧処理に際して衛生面の確保が求められることから、駆動圧油がプランジャ駆動軸のシール面を介して加圧室内に混入したり、装置のメンテナンスに際して周辺を作動油で汚したりするおそれのある油圧駆動方式よりも、これらのおそれのない電動方式のブースタのほうが適していることは述べるまでもない。
【0006】
しかしながら従来の電動方式のブースタでは、前述のようにプランジャの加圧室に液体を供給するために別にポンプを必要とし、このポンプの容量は加圧室への給液量が一定ではないため或る程度の余裕をもって選定する必要があり、ポンプの設置によって装置構成が複雑となるだけでなく、給液用ポンプに回転式ポンプが用いられていたので、液体がポンプ内で循環して液質が変化してしまい、場合によっては加圧室内で加圧される前に液体内に気泡が混入し、目標の圧力に達するまでの時間が長くなるなど、加圧処理の効率にも悪影響を与えていた。
【0007】
また、従来の電動方式のブースタでは、給液用ポンプの吐出圧力はブースタの加圧室の初期シールに不足するほどに低く、小流量の場合にはシール漏れを起こす場合があり、さらに複動ブースタであっても液圧系は一段加圧であり、電動機の軸出力を大きくしないと充分な高圧が得られず、特に食品の加圧処理ではますます高圧化の要請があるが、電動機を高出力のものにするにはコスト増が避けられず、また装置全体が大きくなってしまうという問題点もある。
【0008】
さらにまた、従来の電動方式のブースタでは、負荷圧が設定値近傍に達してもプランジャのストローク長さは変わらず、したがって負荷の加圧に必要な吐出量が加圧室の全容積分未満となっても常に全ストローク長さでプランジャを往復駆動しているため、電動機の消費電力効率を向上させることができなかった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、負荷へ供給されるべき液体が不必要に循環されることなく、したがって液体の変質を生じることなく、比較的短時間のうちに目標圧力まで昇圧することのできる構成の簡単な往復動ポンプ方式の液体加圧装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
本発明の別の目的は、給液用ポンプを併用しない場合でも、低流量からシール漏れを生じることなく効率よく高圧液体を得ることができる往復動ポンプ方式の液体加圧装置を提供することである。
【0011】
本発明の更に別の目的は、昇圧された液体圧力を極力有効利用して無駄な電力消費を避けることのできる電動方式の液体加圧装置を提供することである。
【0012】
更に本発明では、往復動ポンプ方式の液体加圧装置において昇圧時間に占めるポンプ加圧行程のストローク長さを負荷圧との関連で可変制御して設定圧力までの昇圧時間を実質的に短縮することのできる運転方法を提供することも目的の一部に含むものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの特徴による液体加圧装置(第1発明)は、前述の課題を達成するために、吸入した液体を加圧して吐出する第1の往復動ポンプ手段と、
単位ストローク長さ当りの押しのけ容積が前記第1の往復動ポンプ手段よりも小さく、且つ前記第1の往復動ポンプ手段と互いに等しいストローク長さで可逆的に連動することにより前記第1の往復動ポンプ手段から吐出される液体を吸入して更に高圧に加圧して外部へ吐出する第2の往復動ポンプ手段と、
前記第1及び第2の往復動ポンプ手段を往復運動させる、可変設定された反転周期および回転速度で周期的に回転方向が逆転されるように制御される駆動原動機と、
前記第2の往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体によって内部を加圧される既知の一定容積Vをもつ負荷容器と、
第1の往復動ポンプ手段から第2の往復動ポンプ手段へ吐出された液体を逆流させない第1及び第2のチェック弁を配置した供給流路と、
第2の往復動ポンプ手段から吐出された液体を逆流させない第3及び第4のチェック弁を配置した接続流路とを備え、
前記第1の往復動ポンプ手段からの吐出流量のうち前記第2の往復動ポンプ手段へ吸入される流量を超える余剰流量を予め設定された圧力で吸収する分岐回路が前記第1の往復動ポンプ手段の吐出流路に接続され、
前記分岐回路が第1の往復動ポンプ手段の吐出圧を予め定められた設定圧力で前記吐出流路外へ放出する圧力制御弁回路を含み、
前記駆動原動機の制御が、
予め設定圧力値p に達した場合の負荷容器内の液体総容量W を負荷容器の容積V及び使用液体の前記設定圧力値p における圧縮率β に基づいて求めておき、
前記第2の往復動ポンプ手段の吐出行程によって負荷容器へ送られた高圧液体の負荷圧pを検出して、前記吐出行程に続く前記往復動ポンプ手段の吸入行程前に前記負荷圧pにおける前記液体の圧縮率βと負荷容器の容積Vに基づいて前記負荷圧pにおける負荷容器内の液体総容量Wを計算し、
液体総容量の差ΔW=W −Wと前記往復動ポンプ手段の予め定められた全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量Q との比ΔW/Q が1以上のときは前記往復動ポンプ手段を全ストローク長さで駆動し、
前記比ΔW/Q が1未満になったときには直後の前記往復動ポンプ手段の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、
この制限されたストローク長さにより、前記第2の往復動ポンプ手段では吸入行程を、第1の往復動ポンプ手段では吐出行程を行わせた後に前記第2の往復動ポンプ手段を直ちに吐出行程に反転させる
ものである。
【0014】
本発明の別の特徴による液体加圧装置(第2発明)は、第1発明において、第1と第2の往復動ポンプ手段がそれぞれプランジャポンプからなり、第1の往復動ポンプ手段を構成するプランジャポンプのプランジャは、第2の往復動ポンプ手段を構成するプランジャポンプのプランジャよりも大きな加圧断面積を有し、第1と第2のプランジャポンプの各プランジャが一体的に往復運動されるように駆動原動機により直線的に往復運動する駆動部材にそれぞれ連結されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の更に別の特徴による液体加圧装置(第3発明)は、前記第1発明において、第1の往復動ポンプ手段の吐出口に前記余剰流量によって蓄圧動作するアキュームレータが接続されていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の更に別の特徴による液体加圧装置の運転方法(第4発明)では、前記第1発明〜第3発明の何れかに記載された液体加圧装置の運転方法において、
第2の往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体によって既知の一定容積Vをもつ負荷容器内を予め定められた設定圧力値p に加圧するに際して、
前記負荷容器内が設定圧力値p に達した場合の負荷容器内の液体総容量W を負荷容器の容積V及び使用液体の前記設定圧力値p における圧縮率βに基づいて予め求めておき、
前記第2の往復動ポンプ手段の吐出行程によって負荷容器へ送られた高圧液体の負荷圧pを検出し、
前記吐出行程に続く前記往復動ポンプ手段の吸入行程前に前記負荷圧pにおける前記液体の圧縮率βと負荷容器の容積Vに基づいて前記負荷圧pにおける負荷容器内の液体総容量Wを計算し、
液体総容量の差ΔW=W −Wと前記往復動ポンプ手段の予め定められた全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量Q との比ΔW/Q が1以上のときは前記往復動ポンプ手段を全ストローク長さで駆動し、
前記比ΔW/Q が1未満になったときには直後の前記往復動ポンプ手段の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、
この制限されたストローク長さにより、前記第2の往復動ポンプ手段では吸入行程を、第1の往復動ポンプ手段では吐出行程を行わせた後に前記第2の往復動ポンプ手段を直ちに吐出行程に反転させる方法である。
【0019】
【作用】
第1発明による液体加圧装置では、第1の往復動ポンプ手段と第2の往復動ポンプ手段とは互いに等しいストローク長さで可逆的に連動し、即ち第1の往復動ポンプ手段が吸入行程にあるときは第2の往復動ポンプ手段は加圧吐出行程にあり、逆に第1の往復動ポンプ手段が加圧吐出行程にあるときには第2の往復動ポンプ手段は吸入行程にあり、また第2の往復動ポンプ手段は、単位ストローク長さ当りの押しのけ容積が前記第1の往復動ポンプ手段のそれよりも小さい。
【0020】
第1の往復動ポンプ手段は吸入行程においてリザーバなどから液体を吸入し、ストローク端で反転して加圧吐出行程に入ると、吸入した液体を加圧してその吐出流路に吐出する。従って第1の往復動ポンプ手段はリザーバなどから液体を自己吸引するので、従来のような給液用ポンプは用いなくても高圧液体を得ることができ、液体内に気泡を含ませない状態で液体を第1の往復動ポンプ手段に供給できる。このように、本発明では、給液ポンプが不要のため装置を簡略にでき、また液体が不必要に装置内で循環されないので、気泡の発生や液質の変化は殆ど生じることがない。
【0021】
第2の往復動ポンプ手段は、第1の往復動ポンプ手段が加圧吐出行程にあるときには第1の往復動ポンプ手段から吐出される既に或る中間圧力まで加圧された液体を吸入する。第1の往復動ポンプ手段がストローク端で反転して吸入行程に入ると第2の往復動ポンプ手段は加圧吐出行程に入る。この加圧吐出行程では、第2の往復動ポンプ手段は、先に吸入した中間圧力の液体を更に高圧に加圧して外部の負荷へ吐出する。このようにして往復のストローク運動の間に第1の往復動ポンプ手段と第2の往復動ポンプ手段による液体の二段加圧が行われ、これにより第2の往復動ポンプ手段による加圧量が限られていても、既に或る中間圧力まで加圧された液体を加圧することになるので、全体としての昇圧時間を短縮することができる。
【0022】
第2の往復動ポンプ手段は、単位ストローク長さ当りの押しのけ容積が前記第1の往復動ポンプ手段より小さく、したがって第1の往復動ポンプ手段の吐出流路には、第1の往復動ポンプ手段の加圧吐出行程において第2の往復動ポンプ手段に吸入される量より多い液体が第1の往復動ポンプ手段から吐出されてくる。この第1の往復動ポンプ手段からの吐出流量のうち第2の往復動ポンプ手段へ吸入される流量を超える余剰流量は、第1の往復動ポンプ手段の吐出流路に接続された分岐回路によって予め設定された圧力で吸収される。
【0023】
ここで、負荷として密閉空間を高圧液体で設定負荷圧まで加圧する場合、前記分岐回路による余剰流量の吸収を設定負荷圧より低い或る近傍圧力で行わせるように分岐回路の圧力設定を行うと、負荷圧が設定値より低い状態で第1の往復動ポンプ手段の吐出流路の圧力がこの近傍圧力に達するまでは余剰流量を直接負荷へ送ることができ、負荷の昇圧時間をさらに短縮することが可能である。
【0024】
また、前記第1発明においては、第1の往復動ポンプ手段の吐出圧を予め定められた設定圧力で前記吐出流路外へ放出する圧力制御弁回路が分岐回路に含まれている。この圧力制御弁回路は、例えばリリーフ弁による圧力設定回路であればよく、これによって第1の往復動ポンプ手段の吐出圧がリリーフ弁の設定圧力を超えようとするとリリーフ弁が開かれて余剰流量がタンクへ放出され、第1の往復動ポンプ手段の吐出流路の圧力がリリーフ弁の設定圧以下に保たれる。この場合、第1の往復動ポンプ手段の吐出圧がリリーフ弁の設定圧に達するまでの余剰流量は、第2の往復動ポンプ手段における加圧行程での圧縮分として利用されるか、あるいはそのまま負荷へ送られるか、何れにせよ有効利用されることになる。リリーフ弁の設定圧は負荷設定圧未満に設定されることは述べるまでもない。
【0025】
また、前記第1発明においては、第1の往復動ポンプ手段の吐出口に前記余剰流量によって蓄圧動作するアキュームレータが接続されている。このアキュームレータとしては、荷重による重量式、あるいはバネ式など種々のアキュームレータを用いることができるが、好ましくは気体圧力によって動力蓄積を行う特にブラダ式のアキュームレータを用いることにより、良好な蓄圧特性で装置重量を軽減することができる。また特にこのようなアキュームレータを分岐回路に設けた場合、第1の往復動ポンプ手段の吐出行程でアキュームレータに蓄圧された残圧が第1の往復動ポンプ手段の吸入行程でポンプのストローク運動を付勢する力として有効利用され、動力の軽減による効率の向上に寄与する効果が得られる。
【0026】
第1の往復動ポンプ手段からの吐出液体を第2の往復動ポンプ手段のポンプ室に導く接続流路には第2のチェック弁と第3のチェック弁との直列接続回路が設けられ、これらは第1の往復動ポンプ手段からの吐出液体による押込みでそれぞれ開かれる。第2のチェック弁と第3のチェック弁は、第1の往復動ポンプ手段の吸入行程又は第2の往復動ポンプ手段の吐出行程では接続流路内の逆流れを阻止するように閉鎖される。
【0027】
第2の往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体を負荷への出口へ導く吐出流路には第4のチェック弁が設けられ、この第4のチェック弁は、第2の往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体による押込みで開かれると共に、第2の往復動ポンプ手段が吸入行程にあるときは吐出流路内の逆流れを阻止するように閉鎖される。
【0028】
この場合、前記分岐回路は、第2のチェック弁と第3のチェック弁との間における前記接続流路から分岐させることができ、この場合の分岐回路には前述のように例えばリリーフ弁による圧力制御弁回路を接続することができる。また、分岐回路は第1のチェック弁と第2のチェック弁との間における前記接続流路から分岐させることもでき、この場合の分岐回路にはアキュームレータを接続して、前述した蓄圧動作によるポンプ動力軽減機能を果たすようにすることも可能である。
【0029】
この液体加圧装置では、第1と第2のチェック弁により第1の往復動ポンプ手段の給排流路の振り分けが行われ、第3と第4のチェック弁により第2の往復動ポンプ手段の給排流路の振り分けが行われる。特にこの場合、高圧側ポンプである第2の往復動ポンプ手段からの吐出液体を負荷へ導く吐出流路側の圧力が設定負荷圧よりも低いとき、低圧側ポンプである第1の往復動ポンプ手段からの吐出液体の余剰流量が第3のチェック弁を介して供給されてくると、そのうちの第2の往復動ポンプ手段への吸入量を超える分の余剰流量は第4のチェック弁を介して負荷へ送られる。この様に低圧領域では負荷への流量が多くなり、高圧領域になると流量が自動的に少なくなり、効率の良い昇圧が行われることになる。
【0030】
第2発明においては、第1と第2の往復動ポンプ手段がそれぞれプランジャポンプからなり、第1の往復動ポンプ手段を構成するプランジャポンプのプランジャは、第2の往復動ポンプ手段を構成するプランジャポンプのプランジャよりも大きな加圧断面積を有している。これら第1と第2のプランジャポンプの各プランジャは、駆動原動機により直線的に往復運動する駆動部材にそれぞれ連結されて一体的に往復運動される。この場合、駆動原動機としては好ましくは可変設定された反転周期および回転速度で周期的に反転する例えばサーボ電動機を利用することが好ましく、駆動部材はこの電動機の反転回転を直線往復運動に変換する例えばボールねじ機構によって構成することができる。
【0031】
このような一対のプランジャポンプとそのプランジャ駆動部材との組み合わせによる構成は、装置の駆動部の構成を単純なものとするものである。この発明の液体加圧装置では、第2の往復動ポンプ手段へは第1の往復動ポンプ手段が給液し、第1の往復動ポンプ手段はリザーバなどから液体を自己吸引するので、従来のような給液用ポンプは用いなくても高圧液体を得ることができ、従ってこの場合は装置の駆動源は前記一対のプランジャポンプのプランジャ駆動部材を往復運動させる駆動原動機だけでよい。
【0032】
第3発明による液体加圧装置では、前記第1発明において、第1の往復動ポンプ手段の吐出口に前記余剰流量によって蓄圧動作するアキュームレータが接続されている。このアキュームレータとしては、荷重による重量式、あるいはバネ式など種々のアキュームレータを用いることができるが、好ましくは気体圧力によって動力蓄積を行う特にブラダ式のアキュームレータを用いることにより、良好な蓄圧特性で装置重量を軽減することができる。また特にこのようなアキュームレータを分岐回路に設けた場合、第1の往復動ポンプ手段の吐出行程でアキュームレータに蓄圧された残圧が第1の往復動ポンプ手段の吸入行程でポンプのストローク運動を付勢する力として有効利用され、動力の軽減による効率の向上に寄与する効果が得られる。
【0033】
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかに記載の液体加圧装置の運転方法において、第2の往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体によって既知の一定容積Vをもつ負荷容器内を予め定められた設定圧力値p に加圧する際の装置の運転方法を提供するものであり、そこでは、液体加圧装置を始動してから負荷容器内の圧力が設定圧力値に達するまでの昇圧時間を短縮するために、往復動ポンプ手段を常に全ストロ−ク長さで運動させるのではなく、昇圧の最終段階では負荷容器内が設定負荷圧に達するのに必要なだけの最小限の吐出流量を計算し、ポンプ行程を計算値に相当するストローク長さに制限するように制御する。
【0034】
即ち、第4発明による液体加圧装置の運転方法では、往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体によって既知の一定容積Vをもつ負荷容器内を予め定められた設定圧力値p に加圧するに際して、前記負荷容器内が設定圧力値p に達した場合の負荷容器内の液体総容量(総体積)W を負荷容器の容積V及び使用液体の前記設定圧力値p における圧縮率β に基づいて予め求めておき、前記往復動ポンプ手段の吐出行程によって負荷容器へ送られた高圧液体の負荷圧pを検出し、前記吐出行程に続く前記往復動ポンプ手段の吸入行程前に前記負荷圧pにおける前記液体の圧縮率βと負荷容器の容積Vに基づいて前記負荷圧pにおける負荷容器内の液体総容量(総体積)Wを計算し、液体総容量の差ΔW=W−Wと前記往復動ポンプ手段の予め定められた全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量Q との比ΔW/Q が1以上のときには前記往復動ポンプ手段を全ストローク長さで駆動し、前記比ΔW/Q が1未満になったときには直後の前記往復動ポンプ手段の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、この制限されたストローク長さによる吸入行程の後に前記往復動ポンプ手段を直ちに吐出行程に反転させる。
【0035】
例えば使用液体として水を用いる場合で説明すると、設定圧力pM に達した場合の水の圧縮率βM から、この圧縮率βM で圧縮された状態で一定容積Vの負荷容器内を満たすに必要な水の総容量WM を計算する。
【0036】
まず、或る圧力pの状態にある水の圧縮率βは次式で計算される。但し、ここで圧力の単位は[kgf/cmm2]である。
β={P(p) - 1}/ P(p) …(1)
ここで、P(p)は、
P(p)={(2.996×108 +p× 9.8×104)/ 2.996×1080.1368
【0037】
容積Vの負荷容器内を圧力p[kgf/cmm2]の状態で満たすのに必要な水の容量Wは次式で計算される。
W=V/(1−β) …(2)
【0038】
したがって、容積Vの負荷容器内を設定圧力pM [kgf/cmm2]の状態で満たすのに必要な水の容量WM は、
M =V/(1−βM ) …(3)
ただし、
βM ={P(pM) - 1 }/ P(pM)
P(pM) ={(2.996×108 +pM × 9.8×104)/ 2.996×1080.1368
【0039】
負荷容器へ吐出される高圧水の負荷圧pを検出することにより、検出時点における高圧水の圧縮率βが前記式(1) により計算され、この圧縮率βと容器の容積Vとから式(2) によってその時点での容器内の水の総容量Wが計算される。
【0040】
このようにして往復動ポンプの吐出行程の終了時点における負荷圧pの値から式(1)(2)によってその時の水の総容量Wを計算し、負荷容器内が設定圧力値pM に達した場合の負荷容器内の水の総容量WM との差、即ちΔW=WM −Wを計算すると、容器内を設定圧力値にするには残りどれだけの容量の圧縮された水が容器内に供給されれば良いかが求められる。
【0041】
往復動ポンプの全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量Q0 はポンプに固有の値として既知であり、従ってΔWとQ0 との比ΔW/Q0 が設定圧力値までの加圧に必要なストローク数を与える。
【0042】
第4発明では、このようにして往復動ポンプの吐出行程の終了時点で計算された比ΔW/Q の値が1以上のときは、往復動ポンプを全ストローク長さで駆動し、比ΔW/Q の値が1未満になったときには、直後の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、しかもこの制限されたストローク長さによる吸入行程の後に往復動ポンプ手段を直ちに吐出行程に反転させるのである。
【0043】
このようにすることによって、昇圧の最終段階で往復動ポンプに無駄なストローク長さのポンプ行程を行わせることが防止され、吸入行程及び吐出行程の双方でストローク長さの無駄がなくなるので昇圧時間が一層短縮され、前記のように制限されたストローク長さでの吐出行程が終了した時点では負荷容器内が設定圧力値に達することになる。
【0044】
一般的にこの種の高圧往復動ポンプでは吸入行程と吐出行程との往復ストローク長さ時間は数十秒程度以上であるから、吐出行程の終了時点における負荷圧pを取り込んで吐出行程の開始までに必要な演算を済ませることは通常の電子技術で容易に可能である。
【0045】
尚、第4発明の運転方法は、第1発明〜第3発明のいずれにも適用可能であるだけでなく、一般的な単動もしくは復動ブースタによる高圧往復動ポンプで構成された液体加圧装置にも適用可能である。
【0046】
【実施例】
本発明の一実施例に係る液体加圧装置の構成を図1に示す。この実施例に係る液体加圧装置では、負荷として一定容積の食品加圧処理用圧力容器70に高圧液体を供給し、該容器70内の食品72を加圧処理する場合を例に示しているが、高圧液体噴射による材料切断等のためのノズル装置を負荷としても良いことは述べるまでもない。
【0047】
図1において、第1の往復動ポンプ手段としてのプランジャポンプ10Aは、低圧側シリンダ11Aと、このシリンダ11A内で往復動することによりポンプ室12Aの容積を周期的に変化させる比較的大径のプランジャ13Aとによって構成され、プランジャ13Aは、図示の矢印A方向に移動することによりポンプ室12Aに液体を吸入し(吸入行程)、逆に矢印B方向に移動することにより前記吸入行程で吸入した液体を加圧して吐出する(吐出行程)。
【0048】
第2の往復動ポンプ手段としてのプランジャポンプ10Bは、高圧側シリンダ11Bと、このシリンダ11B内で往復動することによりポンプ室12Bの容積を周期的に変化させる比較的小径のプランジャ13Bとによって構成され、プランジャ13Bは、図示の矢印B方向に移動することによりポンプ室12Bに液体を吸入し(吸入行程)、逆に矢印A方向に移動することにより前記吸入行程で吸入した液体を加圧して吐出する(吐出行程)。
【0049】
これらプランジャポンプ10Aと10Bの単位ストローク長さ当りの押しのけ容積は、それぞれのプランジャ13A,13Bの加圧断面積(ポンプ室12A,12Bの断面積)に応じて、プランジャポンプ10Aよりもプランジャポンプ10Bのほうが単位ストローク長さ当りの押しのけ容積が小さい。
【0050】
プランジャポンプ10Aと10Bは、シリンダハウジング11の両端に低圧シリンダ11Aと高圧シリンダ11Bとを一体に固定することにより、互いのプランジャ尾端が向き合うように逆向きにほぼ同軸上に配置され、互いに向き合ったプランジャ尾端の間は、駆動原動機により直線的に往復運動する駆動部材としての精密ボールねじ軸13によって一体に連結されている。このボールねじ軸13を周期的に軸方向に往復動させることにより、両プランジャ13A,13Bは互いに等しいストローク長さで可逆的に連動して一体的に往復運動し、これによりプランジャポンプ10Aと10Bは、一方が吸入行程にあるときには他方は吐出行程を行うように、いわゆるプッシュプル加圧動作を行うようになっている。
【0051】
プランジャポンプ10A,10Bの各プランジャ13A,13Bをボールねじ軸13によって一体的に往復運動させるために、シリンダハウジング11には図示しないサーボ制御装置によって周期的に回転方向が逆転されるように制御される可逆サーボモータ21が取りつけられ、また前記ボールねじ軸13とボールを介して精密に螺合する回転ナット14がハウジング11の固定位置にて回転自在に軸受されており、サーボモータ21の回転軸と回転ナット14との間は、歯付エンドレスベルト22による回転伝達機構により連結されている。これにより、モータ21が一方の方向に回転すると回転ナット14の回転によってボールねじ軸13が矢印A方向に移動し、モータ21が他方の方向に回転すると回転ナット14の回転によってボールねじ軸13が矢印B方向に移動する。
【0052】
液体はリザーバ16に貯えられており、リザーバ16内には入口としてのフィルタ付き吸引口18が液中に開口している。吸引口18とポンプ室12Aとの間を接続する供給流路32には第1のチェック弁42が設けられ、このチェック弁42は、低圧側プランジャポンプ10Aの吸入行程においては吸引口18から吸引される液体をポンプ室12Aに導入するように供給流路32を開くと共に、ポンプ10Aの吐出行程ではその吐出圧によって供給流路32を閉鎖することによりポンプ室12Aからの吐出液体がリザーバ16に逆流するのを阻止する。
【0053】
低圧側ポンプ室12Aと高圧側ポンプ室12Bとの間は接続流路34によって接続され、この接続流路34には、低圧側プランジャポンプ10Aからの吐出液体による押込みでそれぞれ開かれる第2のチェック弁44と第3のチェック弁46とが直列に設けられている。これらのチェック弁44と46は、それぞれポンプ室12A側からポンプ室12B側への液体流れを許容し、逆流れは阻止する向きに配置されている。
【0054】
高圧側プランジャポンプ10Bのポンプ室12Bから吐出される高圧液体を出口から負荷(圧力容器70)へ導くための吐出流路36には、第3のチェック弁46またはポンプ室12Bからの加圧液体による押込みで開かれる第4のチェック弁48が設けられ、このチェック弁48は負荷からの逆流を阻止する。
【0055】
低圧側プランジャポンプ10Aの吐出流路である前記接続流路34には、前記第2のチェック弁44と第3のチェック弁46との間の流路から分岐回路50が分岐されており、図1の実施例では、この分岐回路50は低圧側プランジャポンプ10Aの吐出圧の上限を設定するためのリリーフ弁52による圧力制御回路を含んでいる。このリリーフ弁52を有する分岐回路50は、後述のように、低圧側プランジャポンプ10Aからの吐出流量のうち高圧側プランジャポンプ10Bのポンプ室12Bへ吸入される流量を超える余剰流量を予め設定された圧力で吸収する。尚、接続流路34に接続された圧力計測器62はこのリリーフ弁52によって制御される流路の圧力を検出する低圧側圧力検出手段であり、また吐出流路36に接続された圧力計測器64は負荷圧を検出する高圧側圧力検出手段である。
【0056】
今、吐出流路36の出口に負荷としての圧力容器70を接続し、吐出流路36から吐出される高圧液体によって圧力容器70内の液体で満たされた加圧チャンバを設定圧力まで加圧する場合、サーボモータ21を図示しない制御装置によって予め設定された反転周期および回転速度で周期的に反転するように回転させると、この反転回転運動は、回転ナット14及びボールねじ軸13によって直線往復運動に変換され、ボールねじ軸13の両端に連結された一対のプランジャ13A,13Bがモータ21の設定周期及び速度に従って図中の矢印AB方向に一体的に往復運動する。
【0057】
このプランジャ13A,13Bの往復運動によって低圧側プランジャポンプ10Aと高圧側プランジャポンプ10Bとは互いに等しいストローク長さで可逆的に連動し、即ちプランジャ13A,13Bが矢印A方向に移動するときは低圧側プランジャポンプ10Aが吸入行程、高圧側プランジャポンプ10Bが吐出行程にあり、逆にプランジャ13A,13Bが矢印B方向に移動するときは低圧側プランジャポンプ10Aが吐出行程、高圧側プランジャポンプ10Bが吸入行程にあり、また高圧側プランジャポンプ10Bは、単位ストローク長さ当りの押しのけ容積が前記低圧側プランジャポンプ10Aのそれよりも小さい。
【0058】
プランジャ13A,13Bが矢印A方向に移動し始めると低圧側プランジャポンプ10Aは吸入行程に入り、プランジャ13Aの移動によってポンプ室12Aの容積が漸次増加することにより供給流路32を介してリザーバ16内の液体をポンプ室12A内に自己吸引する。この場合、供給流路32中の第1のチェック弁42は吸引口18側よりもポンプ室12A側が負圧になるので開かれ、一方、接続流路34中の第2のチェック弁44は、接続流路34側よりもポンプ室12A側が負圧になることによって閉じたままである。このように、低圧側プランジャポンプ10Aがリザーバ16から液体を自己吸引するので従来のような給液用ポンプはなくてもよく、液体が不必要に循環されないので、気泡の発生や液質の変化は殆ど生じることがない。
【0059】
矢印A方向への移動ストローク端でプランジャ13Aが反転して矢印B方向に移動し始めると低圧側プランジャポンプ10Aは吐出行程に入り、プランジャ13Aの移動によってポンプ室12Aの容積が漸次減少することによりポンプ室12A内の液体を加圧して接続流路34に吐出する。このときに低圧側プランジャポンプ10Aのポンプ室12Aから吐出される液体は、第1のチェック弁42を閉鎖すると共に接続流路34の第2のチェック弁44と第3のチェック弁46を押し開いて高圧側へ送られ、このとき高圧側プランジャポンプ10Bは吸入行程にあるので、チェック弁46から流出してくる液体はポンプ室12Bへ吸入される。
【0060】
低圧側プランジャポンプ10Aの吐出行程でチェック弁46から流出してくる液体は既に或る中間圧力まで加圧されており、高圧側プランジャポンプ10Bは吸入行程においてこの中間圧力に加圧された液体をポンプ室12Bに吸入する。低圧側プランジャポンプ10Aが矢印B方向の移動ストローク端で再び反転して吸入行程に入ると、高圧側プランジャポンプ10Bは吐出行程に入る。この吐出行程では、高圧側プランジャポンプ10Bは、先に吸入した中間圧力の液体を更に高圧に加圧して第4のチェック弁48を介して出口に接続された圧力容器70の加圧チャンバへ吐出する。
【0061】
このようにして往復のストローク運動の間に低圧側プランジャポンプ10Aと高圧側プランジャポンプ10Bによる液体の二段加圧が行われ、これにより高圧側プランジャポンプ10Bによる加圧量が限られていても、既に或る中間圧力まで加圧された液体を加圧することになるので、全体としての昇圧時間を短縮することができる。
【0062】
高圧側プランジャポンプ10Bは、単位ストローク長さ当りの押しのけ容積が前記低圧側プランジャポンプ10Aより小さく、したがって低圧側プランジャポンプ10Aの吐出流路(接続流路34)には、低圧側プランジャポンプ10Aの吐出行程において高圧側プランジャポンプ10Bに吸入される量より多い液体がポンプ室12Aから吐出されてくる。この低圧側プランジャポンプ10Aからの吐出流量のうち高圧側プランジャポンプ10Bのポンプ室12Bに吸入される流量を超える余剰流量は、低圧側プランジャポンプ10Aの吐出流路である接続流路34に接続された分岐回路50によってリリーフ弁52に予め設定された圧力で吸収され、リザーバ16へ還流される。
【0063】
ここで、負荷として液体で満たされた密閉空間としての加圧チャンバを高圧液体で設定圧まで加圧する場合、前記分岐回路50による余剰流量の吸収を設定圧より低い或る近傍圧力で行わせるようにリリーフ弁52の圧力設定を行うと、負荷圧が設定圧力値より低い状態で低圧側プランジャポンプ10Aの吐出流路である接続流路34の圧力がこの近傍圧力に達するまでは、余剰流量をチェック弁46からポンプ室12Bへ圧縮分として、或いは更にチェック弁48を介して圧力容器70に直接送ることができ、負荷の昇圧時間をさらに短縮することが可能である。
【0064】
なお、本実施例ではリリ−フ弁52による圧力制御回路を備えた分岐回路50を第2のチェック弁44と第3のチェック弁46の間から分岐させているが、この分岐回路50の代わりに、或いは分岐回路50に加えて、図2Aまたは図2Bに示すように、第1のチェック弁42と第2のチェック弁44との間の接続流路34から別の分岐回路50Aを分岐させ、この分岐回路50Aにアキュムレ−タ54または55を設けてもよい。
【0065】
図2Aのアキュームレータ54は、低圧側プランジャポンプ10Aからの吐出流量のうちの前記余剰流量を吸収することにより蓄圧動作し、その作動圧力値は前記リリーフ弁52と併用する場合はリリーフ弁52の設定圧より低い値とし、リリーフ弁52を安全弁として機能させるようにすることもできる。
【0066】
図2Aに示したアキュームレータ54は、気体圧力によって動力蓄積を行うブラダ式のアキュームレータであり、この形式のアキュームレータを用いた場合には、良好な蓄圧特性で装置重量を軽減することができる。また図2Bに示したアキュームレータ55は、スプリング56で付勢されたピストン57をシリンダ58内に有するバネ式アキュームレータであり、この例では、ピストン57が或る程度後退すると例えばリザーバ16などの外部へ開かれる開口59がシリンダ58に設けられており、これにより低圧側プランジャポンプ10Aの吐出圧が過大になったときに分岐回路50Aをリザーバ側に解放する安全弁機能をアキュームレータ55に持たせてある。尚、分岐回路50Aには例示した形式以外の例えば荷重による重量式など種々の形式のアキュームレータを用いることができ、本発明は図2Aおよび図2Bの例示に限定されるものではない。
【0067】
また、特にこのようなアキュームレータを有する分岐回路50Aをポンプ室12Aに常時連通するように設けることにより、低圧側プランジャポンプ10Aの吐出行程でアキュームレータに蓄圧された残圧が低圧側プランジャポンプ10Aの吸入行程でプランジャ13Aの矢印A方向への移動を付勢する力として有効利用され、ポンプ動力の軽減による効率の向上が可能である。
【0068】
以上に述べたような矢印AB方向の往復ポンプ行程の繰り返しにより、主に矢印A方向へのプランジャ移動による高圧側プランジャポンプ10Bの吐出動作のたびに負荷としての圧力容器70の加圧チャンバ内が段階的に昇圧され、その昇圧の様子は圧力計測器64による圧力検出によって監視され、容器70内が予め設定された圧力値に達したときはモータ21の駆動が停止される。
【0069】
本実施例において、サーボモータ21の反転周期の制御に関連して、プランジャ13A,13Bのストローク運動中の位置をモータ21のサーボ制御系に与えるために、サーボモータ21の回転出力系からプランジャ13A,13Bおよびボールねじ軸13からなる往復運動部までの適当な部位に、例えばパルスエンコーダ等の位置検出器を設けることは好ましいことである。
【0070】
この場合、前記位置検出器によるプランジャ位置の検出結果を高圧側圧力計測器64の検出圧力値と共に利用して、サ−ボモ−タ21の反転タイミングを変化させることにより、既知の一定容積Vをもつ圧力容器70内を設定圧力値pM に加圧するに際して、容器70内の圧力が設定圧力値に達するまでの昇圧時間を短縮するような運転制御を行うことができる。
【0071】
即ち、この場合は、プランジャポンプ10A,10Bを常に全ストロ−ク長さで往復動作させるのではなく、昇圧の最終段階では容器70内が設定圧pM に達するのに必要なだけの最小限の吐出流量を計算し、ポンプ行程を計算値に相当するストローク長さに制限するようにサーボモータ21を制御する。この運転方法の実施例について、図1および動作フローを示す図3と共に以下に説明する。
【0072】
今、高圧側プランジャポンプ10Bから吐出される高圧液体によって既知の一定容積Vをもつ圧力容器70内を予め定められた設定圧力値pM に加圧する場合を例にとると、まず圧力容器70内が設定圧力値pM に達した場合の容器内の液体総容量(総体積)WM を圧力容器70の容積V及び使用液体の設定圧力値pM における圧縮率βM に基づいて前述の式(3) により予め求めておく。
【0073】
高圧側プランジャポンプ10Bの吐出行程の完了時点における圧力容器70内の負荷圧pを圧力計測器64の検出結果から取り込み、この吐出行程に続く高圧側プランジャポンプ10Bの吸入行程前に、取り込まれた負荷圧pにおける前記液体の圧縮率βと圧力容器70の容積Vに基づいて前述の式(1)(2)により負荷圧pにおける圧力容器70内の液体の総容量Wを計算する。
【0074】
本実施例では使用液体として水を用いており、従って設定圧力pM [kgf/cm2] に達した場合の水の圧縮率βM は、
βM ={P(pM) - 1 }/ P(pM)
ただし、
P(pM) ={(2.996×108 +pM × 9.8×104)/ 2.996×1080.1368
である。
【0075】
この圧縮率βM で圧縮された状態で一定容積Vの圧力容器70内を満たすに必要な水の総容量WM は、前述式(3) の通り、
M =V/(1−βM
となる。
【0076】
同様に、任意の負荷圧p[kgf/cm2] の状態にある水の圧縮率βは、前述式(1) の通り、
β={P(p) - 1}/ P(p)
ここで、P(p)は、
P(p)={(2.996×108 +p× 9.8×104)/ 2.996×1080.1368
である。
【0077】
従って容積Vの圧力容器70内を圧力pの状態で満たすのに必要な水の総容量Wは、前述式(2) の通り、
W=V/(1−β)
となる。
【0078】
このようにして高圧側プランジャポンプ10Bの毎回の吐出行程の終了時点における負荷圧pの値から式(1)(2)によって水の総容量Wを計算し、圧力容器70内が設定圧力値pM に達した場合の容器内の総容量WM との差、即ちΔW=WM −Wを計算すると、容器70内を設定圧力値にするには残りどれだけの量の圧縮された水が容器内に供給されれば良いかが求められる。
【0079】
高圧側プランジャポンプ10Bの全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量をQ0 とすると、ΔWとQ0 との比ΔW/Q0 は設定圧力値までの加圧に必要なストローク数である。
【0080】
図3に示す制御動作のフローでは、高圧側プランジャポンプ10Bの吐出行程の終了時点で計算された比ΔW/Q0 の値が1以上のときは、プランジャを全ストローク長さで駆動し、比ΔW/Q0 の値が1未満になったときには、直後の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、しかもこの制限されたストローク長さによる吸入行程の後にポンプを直ちに吐出行程に反転させる。
【0081】
即ち、図3において、ステップ301は、装置の動作スタートに伴ってサーボモータ21によりボールねじ軸13と共に各プランジャ13A及び13Bを矢印B方向のストローク端(低圧側移動制限端)から矢印A方向に移動させ、低圧側プランジャポンプ10Aでは吸入行程を、高圧側プランジャポンプ10Bでは吐出行程を行なわせる動作ステップであり、このステップ301によってポンプ室12Bから吐出される高圧水がチェック弁48を介して圧力容器70へ供給されると、ステップ302では圧力計測器64の検出信号に基づいて負荷圧が設定圧力値に達したか否かが判定される。
【0082】
ステップ302で負荷圧が設定圧力値に達したことが判定された場合には、ステップ303に進んでサーボモータ21の駆動を停止し、プランジャの往復運動を停止するが、負荷圧が設定圧力値に達していないときには、ステップ304に進む。
【0083】
ステップ304では、前述したような位置検出器によるプランジャ13Bの位置検出結果に基づいてプランジャ13Bが矢印A方向のストローク端(高圧側移動制限端)に達したか否かが判定される。位置検出器からの制限端到達信号がOFFのときはプランジャ13Bが未だ高圧側移動制限端に達していないので、制御の流れは再びステップ302に戻り、この判定動作を繰り返す。プランジャ13Bが高圧側移動制限端に到達すると位置検出器からの制限端到達信号がONになり、制御の流れはステップ305に進む。
【0084】
ステップ304では、前述のようにその時点での圧力計測器64から取り込んだ負荷圧pの値から前述式(1)(2)によって容器70内の高圧水の総容量Wを計算し、また予め計算しておいたWM (圧力容器70内が設定圧力値pM に達した場合の容器70内の高圧水の総容量)との差、即ちΔW=WM −Wを計算し、更に高圧側プランジャポンプ10Bの全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量Q0 との比ΔW/Q0 を計算し、この計算された比ΔW/Q0 の値が1以上のときはプランジャ移動量の指令値として全ストローク長さを、また比ΔW/Q0 の値が1未満になったときにはプランジャ移動量の指令値として前記全ストローク長さと前記比との積に相当する制限されたストローク長さをサーボモータ21の制御系に与える。
【0085】
以上のようなプランジャ移動量の指令値がサーボ制御系に与えられるとステップ306による反転移動動作が行なわれる。このステップ306では、サーボモータ21によりボールねじ軸13と共に各プランジャ13A及び13Bを矢印A方向のストローク端(高圧側移動制限端)から矢印B方向に移動させ、低圧側プランジャポンプ10Aでは吐出行程を、高圧側プランジャポンプ10Bでは吸入行程を行なわせるが、そのときの矢印B方向へのプランジャ移動量はステップ305で与えられる指令値にしたがって制御される。
【0086】
即ち、ステップ305において計算された比ΔW/Q0 の値が1以上のときはプランジャ移動量の指令値として全ストローク長さが与えられるので、サーボモータ21はプランジャ13A,13Bを矢印B方向へ全ストローク長さだけ移動させ、その後、ステップ301に戻って反転させて再び矢印A方向への移動を行なう。この場合の指令値によるサーボモータ21の移動量の制御は、サーボモータ21の機械出力系の移動量を検出するエンコーダからの信号によるフィードバック制御で行なうことができ、あるいは単純に低圧側移動制限端に設けた位置検出器の作動による駆動方向の反転制御でもよい。
【0087】
一方、ステップ305において計算された比ΔW/Q0 の値が1未満になったときには、プランジャ移動量の指令値として前記全ストローク長さと前記比との積に相当する制限されたストローク長さが与えられるので、サーボモータ21はプランジャ13A,13Bを矢印B方向へこの制限されたストローク長さだけ移動させ、その後、ステップ301に戻って反転させて直ちに矢印A方向への移動を行なう。この場合の指令値によるサーボモータ21の移動量の制御は、サーボモータ21の機械出力系の移動量を検出するエンコーダからの信号によるフィードバック制御で行なうことができる。
【0088】
本実施例では、このようにして高圧側プランジャポンプ10Bについて毎回の吐出行程の終了時点で比ΔW/Q0 を計算し、比ΔW/Q0 の値が1以上のときはプランジャポンプを全ストローク長さで駆動し、比ΔW/Q0 の値が1未満になったときには直後の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、しかもこの制限されたストローク長さによる吸入行程の後にプランジャポンプを直ちに吐出行程に反転させる。
【0089】
これによって、昇圧の最終段階でプランジャポンプに無駄なストローク長さのポンプ行程を行わせることがなく、吸入行程及び吐出行程の双方でストローク長さの無駄がなくなるので昇圧時間が一層短縮され、前記のように制限されたストローク長さでの吐出行程が終了した時点では負荷容器内が設定圧力値に達することになり、ステップ303で装置の加圧動作が停止されることになる。
【0090】
尚、加圧動作が停止した後に負荷圧が設定圧力値から低下すれば、ステップ302、304を介して再びステップ305が開始され、低下圧力分の補給に見合った量だけの吸入行程と吐出行程が高圧側プランジャポンプ10Bによって行なわれる。この場合、設定圧力値からの圧力低下の大きさに対して制御フローの再開に適当な不感帯を与えておくことが好ましいことは述べるまでもない。
【0091】
具体的な数値例を示すと、全ストローク長さ当たりの単位押し退け容積Q0 が10[cc]の高圧プランジャポンプを用いて加圧した水により、容積200[cc]の圧力容器の加圧チャンバ内を設定圧力10000[kgf/cm2] に加圧した場合、式(3) においてP(pM)=1.2197、圧縮率βM =0.1801となるから、設定圧力での容器内の水の総容量WM は243.9[cc]となり、大気圧下での加圧を考えると、200[cc]の容積の容器内が水で満たされてから約40[cc]程度の圧縮分に相当する水が供給されれば容器内が設定圧に加圧されることが判る。
【0092】
本実施例による場合、高圧プランジャポンプの1ストローク時間は25.7秒(吸入行程10.0秒および吐出行程15.7秒)であり、容器内に水が満たされた後の吐出行程の開始で圧力計測器64による負荷圧の値が上昇し始めてから92.8秒後の4回目の吐出行程の終了時点で負荷圧が8400[kgf/cm2] を示し、そのときの圧縮率βは式(1) から0.1653、また容器内の水の総容量Wは式(2) から239.6[cc]である。
【0093】
設定圧での総容量との差ΔWは4.3[cc]であり、ΔW/Q0 =0.43となるから、次の吸入行程は全ストローク長さの43%に制限され、43%のストローク長さで高圧プランジャポンプが吸入行程を行なったのち、直ちに吐出行程に反転された。この吐出行程も残り43%のストローク長さを残していたが、これがストローク端に達したときには圧力計測器64による負荷圧の値が設定圧力値である10000[kgf/cm2] を示した。
【0094】
この場合、高圧プランジャポンプの昇圧動作の最終ストローク運動は吸入行程及び吐出行程が共に43%の制限されたストローク長さで行なわれており、従って毎回の動作を全ストロ−ク長さで行なうよりも設定圧力までの昇圧時間が短縮された。
【0095】
【発明の効果】
以上に述べたように、第1発明によれば、第1の往復動ポンプ手段がリザーバなどから液体を自己吸引するので、別の給液用ポンプを用いなくても高圧液体を得ることができ、液体内に気泡が生じたり液質を変化させたりすることも殆どなく、また第1の往復動ポンプ手段で或る中間圧力まで加圧された液体を第2の往復動ポンプ手段で同一ストローク量で可逆的に吸入して加圧するという二段加圧を行なうので、一回当たりのストローク動作による加圧量を大きくして昇圧時間を短縮することができる。
【0096】
また第2発明によれば、第1発明に加えて、第1のポンプ手段を構成する第1のプランジャポンプの加圧断面積よりも、第2のポンプ手段を構成する第2のプランジャポンプの加圧断面積を小さくし、これら両プランジャポンプのプランジャを、駆動原動機により直線往復運動される駆動部材に共通に連結したので、装置の駆動部の構成を簡略化することができると共に、装置の駆動源としては駆動部材を往復運動させる駆動原動機だけでよい。
【0097】
また第3発明によれば、第1発明に加えて、第1の往復動ポンプ手段の吐出圧を予め定められた設定圧力でリザーバなどへ放出する圧力制御回路を有する分岐回路を備えているので、第1の往復動ポンプ手段の吐出圧が設定圧力に達するまでは第2の往復動ポンプ手段の吸入量以外の余剰流量が圧縮分または負荷への供給分として有効利用され、昇圧時間の短縮が可能である。
【0098】
また第4発明によれば、第1発明に加えて、第1の往復動ポンプ手段の吐出口に前記余剰流量によって蓄圧動作するアキュームレータが接続されているので、蓄圧された残圧が第1の往復動ポンプ手段の吸入行程でポンプのストローク運動を付勢する力として有効利用され、動力の軽減による効率の向上に寄与する効果が得られる。
【0099】
また第5発明によれば、第1発明に加えて、第1と第2のチェック弁により第1の往復動ポンプ手段の給排流路の振り分けが行なわれ、第3と第4のチェック弁により第2の往復動ポンプ手段の給排流路の振り分けが行なわれ、高圧側の第2の往復動ポンプ手段からの吐出液体を負荷へ導く吐出流路側の圧力が設定圧力値よりも低いときには、低圧側の第1の往復動ポンプ手段からの吐出液体の余剰流量が第3のチェック弁から供給されてくると第2の往復動ポンプ手段への吸入量を超える分の余剰流量が第4のチェック弁を会して負荷へ直接送られ、従って低圧領域では負荷への流量が多くなり、高圧領域になるとこの流量が自動的に少なくなり、効率のよい昇圧を行なうことができる。
【0100】
更に第6発明によれば、高圧往復動ポンプで一定容積の負荷容器を加圧するに際して、往復動ポンプを常に全ストローク長さで動作させずに、昇圧の最終段階では負荷圧の検出と液体圧縮率に基づく計算によって、負荷容器内が設定圧力値に達するのに必要なだけの最小限の吐出流量を与えるストローク長さに制限するように制御してポンプを駆動するので、昇圧の最終段階でポンプに無駄な動作をさせずに済み、吸入行程及び吐出行程の双方でストローク長さの無駄がなくなるので昇圧時間が一層短縮されるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例に係る液体加圧装置の構成を示す模式説明図である。
【図2】A図とB図はそれぞれ図1の実施例の変形例を要部について示す模式説明図である。
【図3】本発明の一実施例に係る液体加圧装置の運転方法のフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
10A 低圧側プランジャポンプ(第1の往復動ポンプ手段)
10B 高圧側プランジャポンプ(第2の往復動ポンプ手段)
11 シリンダハウジング
11A 低圧側シリンダ
11B 高圧側シリンダ
12A 低圧側ポンプ室
12B 高圧側ポンプ室
13 精密ボールねじ軸(駆動部材)
13A 低圧側プランジャ
13B 高圧側プランジャ
14 回転ナット
16 リザーバ
18 吸引口
21 可逆サーボモータ(駆動原動機)
22 歯付エンドレスベルト装置
32 供給流路
34 接続流路
36 吐出流路
42 第1のチェック弁
44 第2のチェック弁
46 第3のチェック弁
48 第4のチェック弁
50 分岐回路
52 リリーフ弁(圧力制御弁回路)
54 アキュームレータ
55 アキュームレータ
62 低圧側圧力計測器
64 高圧側圧力計測器
70 圧力容器(負荷容器)
72 加圧処理食品

Claims (4)

  1. 吸入した液体を加圧して吐出する第1の往復動ポンプ手段と、
    単位ストローク長さ当りの押しのけ容積が前記第1の往復動ポンプ手段よりも小さく、且つ前記第1の往復動ポンプ手段と互いに等しいストローク長さで可逆的に連動することにより前記第1の往復動ポンプ手段から吐出される液体を吸入して更に高圧に加圧して外部へ吐出する第2の往復動ポンプ手段と、
    前記第1及び第2の往復動ポンプ手段を往復運動させる、可変設定された反転周期および回転速度で周期的に回転方向が逆転されるように制御される駆動原動機と、
    前記第2の往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体によって内部を加圧される既知の一定容積Vをもつ負荷容器と、
    第1の往復動ポンプ手段から第2の往復動ポンプ手段へ吐出された液体を逆流させない第1及び第2のチェック弁を配置した供給流路と、
    第2の往復動ポンプ手段から吐出された液体を逆流させない第3及び第4のチェック弁を配置した接続流路とを備え、
    前記第1の往復動ポンプ手段からの吐出流量のうち前記第2の往復動ポンプ手段へ吸入される流量を超える余剰流量を予め設定された圧力で吸収する分岐回路が前記第1の往復動ポンプ手段の吐出流路に接続され、
    前記分岐回路が第1の往復動ポンプ手段の吐出圧を予め定められた設定圧力で前記吐出流路外へ放出する圧力制御弁回路を含み、
    前記駆動原動機の制御が、
    予め設定圧力値p に達した場合の負荷容器内の液体総容量W を負荷容器の容積V及び使用液体の前記設定圧力値p における圧縮率β に基づいて求めておき、
    前記第2の往復動ポンプ手段の吐出行程によって負荷容器へ送られた高圧液体の負荷圧pを検出して、前記吐出行程に続く前記往復動ポンプ手段の吸入行程前に前記負荷圧pにおける前記液体の圧縮率βと負荷容器の容積Vに基づいて前記負荷圧pにおける負荷容器内の液体総容量Wを計算し、
    液体総容量の差ΔW=W −Wと前記往復動ポンプ手段の予め定められた全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量Q との比ΔW/Q が1以上のときは前記往復動ポンプ手段を全ストローク長さで駆動し、
    前記比ΔW/Q が1未満になったときには直後の前記往復動ポンプ手段の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、
    この制限されたストローク長さにより、前記第2の往復動ポンプ手段では吸入行程を、第1の往復動ポンプ手段では吐出行程を行わせた後に前記第2の往復動ポンプ手段を直ちに吐出行程に反転させる
    ものであることを特徴とする液体加圧装置。
  2. 第1と第2の往復動ポンプ手段がそれぞれプランジャポンプからなり、第1の往復動ポンプ手段を構成するプランジャポンプのプランジャが、第2の往復動ポンプ手段を構成するプランジャポンプのプランジャよりも大きな加圧断面積を有し、第1と第2のプランジャポンプの各プランジャが一体的に往復運動されるように駆動原動機により直線的に往復運動する駆動部材にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項1に記載の液体加圧装置。
  3. 第1の往復動ポンプ手段の吐出口に前記余剰流量により蓄圧動作するアキュームレータが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体加圧装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載された液体加圧装置の運転方法において、
    第2の往復動ポンプ手段から吐出される高圧液体によって既知の一定容積Vをもつ負荷容器内を予め定められた設定圧力値p に加圧するに際して、
    前記負荷容器内が設定圧力値p に達した場合の負荷容器内の液体総容量W を負荷容器の容積V及び使用液体の前記設定圧力値p における圧縮率β に基づいて予め求めておき、
    前記第2の往復動ポンプ手段の吐出行程によって負荷容器へ送られた高圧液体の負荷圧pを検出し、
    前記吐出行程に続く前記往復動ポンプ手段の吸入行程前に前記負荷圧pにおける前記液体の圧縮率βと負荷容器の容積Vに基づいて前記負荷圧pにおける負荷容器内の液体総容量Wを計算し、
    液体総容量の差ΔW=W −Wと前記往復動ポンプ手段の予め定められた全ストローク長さでの一回のポンプ行程による単位吐出量Q との比ΔW/Q が1以上のときは前記往復動ポンプ手段を全ストローク長さで駆動し、
    前記比ΔW/Q が1未満になったときには直後の前記往復動ポンプ手段の吸入行程におけるストローク長さを前記全ストローク長さと前記比との積に相当するストローク長さに制限し、
    この制限されたストローク長さにより、前記第2の往復動ポンプ手段では吸入行程を、第1の往復動ポンプ手段では吐出行程を行わせた後に前記第2の往復動ポンプ手段を直ちに吐出行程に反転させることを特徴とする液体加圧装置の運転方法。
JP13785294A 1994-05-30 1994-05-30 液体加圧装置及びその運転方法 Expired - Lifetime JP3701986B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13785294A JP3701986B2 (ja) 1994-05-30 1994-05-30 液体加圧装置及びその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13785294A JP3701986B2 (ja) 1994-05-30 1994-05-30 液体加圧装置及びその運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07324676A JPH07324676A (ja) 1995-12-12
JP3701986B2 true JP3701986B2 (ja) 2005-10-05

Family

ID=15208301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13785294A Expired - Lifetime JP3701986B2 (ja) 1994-05-30 1994-05-30 液体加圧装置及びその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3701986B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6196524B2 (ja) * 2013-10-22 2017-09-13 株式会社スギノマシン 液圧式拡管装置
JP6193291B2 (ja) * 2015-04-13 2017-09-06 三井造船株式会社 燃料供給装置
CN108245815B (zh) * 2018-02-27 2023-08-18 天津市仕杰达能源技术开发有限公司 一种室内、外液动增压消防栓及其增压方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07324676A (ja) 1995-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6068448A (en) Pressure hydraulic pump having first and second synchronously driven reciprocating pistons with a pressure control structure
EP2297468B1 (en) Apparatus for hydraulically actuating processing machines such as metal forming machines and method for actuating such metal forming machines
US5415532A (en) High effieciency balanced oscillating shuttle pump
US6558134B2 (en) Fluid intensifier pump system
JP3768405B2 (ja) 圧縮装置
JP4138897B2 (ja) ピストンポンプ
JP2007515589A (ja) ポンプ
US20100166573A1 (en) High-pressure generation device
US7066353B2 (en) Fluid powered additive injection system
EP3051146A1 (en) Hydraulic pressure generation unit with pneumatic actuation
GR3021021T3 (en) Pump for viscous material
JP3701986B2 (ja) 液体加圧装置及びその運転方法
EP3967878B1 (en) Diaphragm pump and blood purification apparatus using same
CN2559811Y (zh) 液力驱动无级调速双作用升压泵
JP3390892B2 (ja) 液体加圧処理装置
KR100851457B1 (ko) 축압기의 가스충전장치 및 이 가스충전장치를 갖춘 사출장치
WO2020222656A1 (en) A pumping system
JP2004360667A (ja) ダイヤフラムプランジャーポンプ
WO2011018244A1 (en) Pump device having a drive device for the piston of a fluid pump
CN216588973U (zh) 一种新型柱塞泵及喷涂机
JPH1024421A (ja) エアポンプ油圧発生装置
JP2002174181A (ja) 液体加圧装置
CN117231462B (zh) 柱塞压盘泵及其工作方法
JP4222573B2 (ja) 切削切断装置
NZ753080B (en) A Pumping System

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term