JP3700791B2 - Fas抗原融合蛋白、その蛋白をコードするDNA、そのDNAを含むベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そのベクターを有効成分とする治療剤、およびその宿主細胞を用いるスクリーニング方法 - Google Patents

Fas抗原融合蛋白、その蛋白をコードするDNA、そのDNAを含むベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そのベクターを有効成分とする治療剤、およびその宿主細胞を用いるスクリーニング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、(i) Fas抗原の膜貫通領域と機能発現領域を含むアミノ酸配列のC端末に、細胞核内受容体のリガンド結合領域を含むアミノ配列を結合させた融合蛋白、(ii)該融合蛋白をコードするDNA、(iii) 該DNAを含む発現ベクター、(iv)該発現ベクターで形質転換された形質転換体、(v) 上記発現ベクターを有効成分として含有するガンまたは自己免疫疾患の治療剤、および(vi)上記形質転換体を用いる、細胞核内受容体のリガンドの検出方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
最近、サイトカインやホルモンに代表される、重要な生理活性を有する液性因子の受容体が遺伝子操作によって解明されつつある。例えば、細胞核内受容体と総称される脂溶性ホルモンの受容体が挙げられる。種々の細胞核内受容体のアミノ酸配列を解析した結果、それらは共通の基本構造を有するリガンド依存性の転写因子であり、ひとつの遺伝子ファミリーを形成することが明らかとなった。すなわち、グルココルチコイド受容体、ブロジエステロン受容体、ミネラルコルチコイド受容体、アンドロジエン受容体、エストロジエン受容体などのステロイド受容体、レチノイドX受容体、レチノイン酸受容体等のレチノイド受容体、さらにビタミンD3 受容体や甲状腺ホルモン受容体からなるファミリーである。これらの受容体については、リガンド結合部位、標的DNAの配列を認識する部位などの機能領域が明確に分離していることがわかっている[Science, 240, 889 (1988)参照のこと。]が、リガンドが依然として不明である受容体も存在する。
【0003】
一般に、細胞核内受容体の機能発現はリガンド結合領域によって制御されている。例えば、リガンド(ステロイド)不存在下におけるステロイド受容体では、そのリガンド結合領域はHSP90というタンパク質と複合体を形成し不活性な状態にあるが、ステロイドがそのリガンド結合領域に結合すると、HSP90との複合体は解離し、受容体の機能発現領域(DNA認識部位)が標的DNAに結合し、標的遺伝子の発現を調節する。
【0004】
これに対して、レチノイド受容体、ビタミンD3 受容体および甲状腺ホルモン受容体における機能発現のメカニズムはまだ充分に解明されていないが、少なくともHSP90との複合体形成は起こらないと考えられている。この点、ステロイド受容体とは大きく異なる点である。そのほかにもレチノイド受容体、ビタミンD3 受容体および甲状腺ホルモン受容体はステロイド受容体とは異なった幾つかの性質を有しており(例えば、ステロイド受容体に比べてA/B領域が短く、従って全体の分子量も小さくなっている等)、このためこれらの受容体を大きなファミリー内におけるサブファミリーとして位置づけることが提唱されている。
【0005】
一方、Fas抗原は、プログラムされた細胞死(アポトーシス)に関与することが明確に示された膜蛋白である。ヨネハラ(Yonehara)等は、ヒト細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体を作製し、種々のヒト細胞に対し致死活性を示す抗Fas抗体を得た[J. Exp. Med., 169, 1747 (1989)参照のこと]。抗Fas抗体の認識する細胞表面分子のcDNAが単離され、ヒトFas抗原の構造が決定された[Cell, 66, 233 (1991)参照のこと]。Fas抗原は335個のアミノ酸からなり、N末端側16個のアミノ酸はシグナルペプチドと推定されている。分子の中央には疎水性アミノ酸17個よりなる膜貫通領域が存在し、N末端側157個のアミノ酸が細胞外領域、C末端側145個のアミノ酸が細胞質領域と考えられる。
【0006】
Fas抗原の構造は、ガン壊死因子(TNF)の受容体と類似しているため、Fas抗体によるアポトーシスはTNFの作用と類似したメカニズムで起こるものと推定されている。Fas抗原の機能領域も次第に明らかにされ、アポトーシスのシグナル伝達に必須の領域(機能発現領域)は175番目から304番目までのアミノ酸配列部分であることがわかっている[J. Biol. Chem., 268, 10932 (1993) 参照のこと]。さらに、マウスのFas抗原についても、そのアミノ酸配列が明らかになっており[J. Immunology, 148, 1274 (1992) 参照のこと]、ヒトのFas抗原に対して全体として49.3%のホモロジーを有している。また機能発現領域は、ヒトFas抗原の該領域に相当する、166番目から291番目までのアミノ酸配列であると考えられている。
【0007】
【従来の技術】
受容体はリガンド結合領域とシグナル伝達領域を有している。リガンド結合領域にリガンドが結合すると、シグナル伝達領域の立体構造が変化し、シグナルが別の蛋白やDNAに伝達される。
最近、ある受容体のリガンド結合領域と、異種の蛋白質のシグナル伝達領域とを結合した融合蛋白におけるシグナル伝達に関する研究が盛んに行なわれている。
例えば、ステロイド受容体のひとつであるエストロジエン受容体のリガンド(すなわち、エストロジエン)結合領域とヒトガン遺伝子c−Mycのシグナル伝達領域との融合蛋白をコードする遺伝子で形質転換された細胞は、エストロジエンの刺激によって細胞がガン化し、異常増殖することが判明した[Nature, 340,
66 (1989)参照のこと]。
【0008】
同様の実験が、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、エストロジエンの各受容体のリガンド結合領域とE1A(アデノウイルス)、c−Fos、v−Myb、C/EBP、v−Rel、GATA−1,2,3、GAL4−VP16、Rev(HIV)、c−Ab1、の各蛋白質の機能発現領域との融合蛋白において行なわれており[Cell, 54, 1073 (1988) 、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88,5114 (1991)、EMBO J., 10, 3713 (1991)、Science, 251, 288 (1991)、EMBO J., 11, 4641 (1992)、Genes Dev. (in press) 、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 1657 (1993) 、ibid., 87, 7787 (1990)、EMBO J., 12, 2809 (1993)参照のこと]、いずれも核内受容体に対応するリガンドが結合されることによってシグナルが伝達されることが確認されている。
【0009】
【発明の目的】
本発明者らは、前記した融合蛋白をガン治療に応用する目的で検討を重ねた結果、シグナル伝達蛋白としてFas抗原を用いることにした。実験では、まずマウスのFas抗原を用いてその可能性について検討した。
マウスFas抗原の機能発現領域は166番目から291番目までのアミノ酸配列部分であると考えられている。しかしながら、この部分を、リガンド結合蛋白としての種々のホルモン受容体のリガンド結合領域と結合させてもFas抗原のシグナルは伝達されなかった(実施例4参照のこと)。そこで、機能発現領域だけでなく膜貫通領域も含めた136番目から305番目までのアミノ酸配列部分を、ホルモン受容体のリガンド結合領域と融合させることによって、初めてシグナルを伝達させることに成功し、本発明を完成した。
【0010】
従来の技術で用いられた種々のシグナル伝達蛋白は、c−Ab1がキナーゼとして作用する以外はいずれも転写因子として作用し、目的とする蛋白質の機能の発現を制御するものばかりである。この点、本発明で用いられたFas抗原は細胞膜受容体であるため、膜に結合していないと、シグナルの伝達が行なわれないものと考えられる。このことは従来技術からはまったく予測されなかったことである。シグナル伝達蛋白としてFas抗原を用いた融合蛋白はこれまでまったく知られていない。従って本発明の融合蛋白および該蛋白をコードするDNAは新規な発明であると考えられる。また、本発明において、リガンド結合領域として用いる細胞核内受容体に、ステロイド受容体以外のサブファミリー受容体を用いてもシグナル伝達が行われることを初めて確認することができた。
【0011】
このサブファミリー受容体は、ステロイド受容体とは、その構成やシグナル伝達機構が異なっている点を考慮すれば、サブファミリー受容体のリガンド結合領域を結合した融合蛋白においてシグナル伝達が行なわれるかどうか不明であった。本発明はステロイド受容体だけでなく、細胞核内受容体であればいずれの受容体でもシグナル伝達のためのリガンド結合領域として用いることができることを証明したことであり、意義深いことである。
さらに、本発明者らは、該融合蛋白をコードするDNAを含むプラスミドによって形質転換された細胞を用いることにより、リガンドのアゴニスト/アンタゴニストのスクリーニングも行なえることを見い出した。
【0012】
【発明の開示】
本発明は、
(i) Fas抗原の膜貫通領域と機能発現領域を含むアミノ酸配列のC末端に、細胞核内受容体のリガンド結合領域を含むアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(ii) 該融合蛋白をコードするDNA、
(iii) 該DNAを含む複製または発現ベクター、
(iv) 該複製または発現ベクターで形質転換された宿主細胞、
(v) 該発現ベクターを有効成分として含有するガンまたは自己免疫疾患治療剤、または
(vi) 該宿主細胞を用いることを特徴とする細胞核内受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法
に関する。
【0013】
本発明の融合蛋白を構成するFas抗原および細胞核内受容体は、哺乳動物由来のもの、例えば、ヒト、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット由来のものが用いられる。Fas抗原および細胞核内受容体は、好ましくは互いに同じ種のものが用いられるが、異なった種のものを用いてもよい。本発明では互いに異なった種のものを用いてもシグナル伝達が行えることを確認している。例えばヒトのFas抗原とヒトの細胞核内受容体の組合せ、マウスのFas抗原とヒトの細胞核内受容体の組合せ、ヒトのFas抗原とラットの細胞核内受容体の組合せ、マウスのFas抗原とラットの細胞核内受容体の組合せ、ヒトのFas抗原とマウスの細胞核内受容体の組合せ、またはマウスのFas抗原とマウスの細胞核内受容体の組合せが好適に用いられる。
【0014】
本発明に用いられるFas抗原の膜貫通領域と機能発現領域を含むアミノ酸配列、および細胞核内受容体のリガンド結合領域を含むアミノ酸配列としては、各領域に相当する部分だけを用いてもよいが、それ以外に、各領域に相当する部分の両端(N末端および/またはC末端)に、フランキング領域(機能領域に関与しない領域、アミノ酸配列にして数10個、好ましくは60個以下)を含んだものを用いてもよい。さらに、所望の場合には、Fas抗原の膜貫通領域のN末端には、シグナルペプチド領域を含むアミノ酸配列を結合していてもよい。各領域に相当するアミノ酸配列としては、天然のアミノ酸配列だけでなく、本来のFas抗原が有するアポトーシス機能または細胞核内受容体が有するリガンド結合機能を損なわない程度に、アミノ酸が欠損、置換、付加および/または挿入されたものを用いることができる。
【0015】
本発明に用いられるFas抗原のうち、ヒトFas抗原の膜貫通領域と機能発現領域を含むアミノ酸配列としては、145番目のSerから319番目のValであり、マウスFas抗原では136番目のSerから305番目のLeuまでの配列が好適に用いられる。また、シグナルペプチド領域を含むアミノ酸配列としては、ヒトFas抗原では−16番目から23番目までの配列、そしてマウスFas抗原では−21番目から14番目までの配列が好適に用いられる。
【0016】
本発明に用いられる細胞核内受容体としては、グルココルチコイド受容体、ブロジエステロン受容体、ミネラルコルチコイド受容体、アンドロジエン受容体、エストロジエン受容体等のステロイド受容体、レチノイドX受容体、レチノイン酸受容体等のレチノイド受容体、ビタミンD3 受容体、または甲状腺ホルモン受容体が挙げられる。好適には、ヒトまたはラットのエストロジェン受容体、ヒトまたはマウスのレチノイドX受容体α、レチノイドX受容体βまたはレチノイドX受容体γあるいはヒトまたはマウスのレチノイン酸受容体α、レチノイン酸受容体βまたはレチノイン酸受容体γが用いられる。
【0017】
それぞれ受容体のリガンド結合領域は既に知られており[Science, 240, 889 (1988)参照のこと。]、例えば、ヒトグルココルチコイド受容体では528番目から777番目まで、ヒトブロジエステロン受容体では680番目から934番目まで、ヒトミネラルコルチコイド受容体では734番目から984番目まで、ヒトアンドロジエン受容体では676番目から919番目まで、ヒトエストロジエン受容体では311番目から551番目まで、ラットエストロジエン受容体では307番目から557番目まで、ヒトレチノイドX受容体αでは225番目から462番目まで、ヒトレチノイドX受容体βでは297番目から526番目まで、マウスレチノイドX受容体αでは230番目から467番目まで、マウスレチノイドX受容体βでは171番目から410番目まで、マウスレチノイドX受容体γでは229番目から463番目まで、ヒトレチノイン酸受容体αでは198番目から462番目まで、ヒトレチノイン酸受容体βでは191番目から448番目まで、ヒトレチノイン酸受容体γでは200番目から454番目まで、マウスレチノイン酸受容体αでは198番目から462番目まで、マウスレチノイン酸受容体βでは190番目から448番目まで、マウスレチノイン酸受容体γでは200番目から458番目まで、ヒトビタミンD3 受容体では192番目から427番目まで、ヒト甲状腺ホルモン受容体αでは183番目から410番目まで、ヒト甲状腺ホルモン受容体βでは232番目から456番目までのアミノ酸である。
【0018】
好適には、ヒトエストロジエン受容体の311番目から551番目まで、ラットエストロジエン受容体の307番目から557番目まで、ヒトレチノイドX受容体αの225番目から462番目まで、ヒトレチノイドX受容体βの297番目から526番目まで、マウスレチノイドX受容体αの230番目から467番目まで、マウスレチノイドX受容体βの171番目から410番目まで、マウスレチノイドX受容体γの229番目から463番目まで、ヒトレチノイン酸受容体αの198番目から462番目まで、ヒトレチノイン酸受容体βの191番目から448番目まで、ヒトレチノイン酸受容体γの200番目から454番目まで、マウスレチノイン酸受容体αの198番目から462番目まで、マウスレチノイン酸受容体βの190番目から448番目まで、マウスレチノイン酸受容体γの200番目から458番目までの配列が用いられる。より好適には、ヒトエストロジェン受容体の281番目から595番目まで、ラットエストロジエン受容体の286番目から600番目まで、ヒトレチノイン酸受容体αの176番目から462番目まで、またはマウスレチノイン酸受容体αの177番目から458番目までの配列が用いられる。
【0019】
本発明の融合蛋白中、好ましいものとしては、
(i) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトエストロジエン受容体の311番目から551番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(ii)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ラットエストロジエン受容体の307番目から557番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(iii) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイドX受容体αの225番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(iv)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイドX受容体βの297番目から526番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(v) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイドX受容体αの230番目から467番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
【0020】
(vi)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイドX受容体βの171番目から410番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(vii) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイドX受容体γの229番目から463番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(viii)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体αの198番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(ix)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体βの191番目から448番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(x) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体γの200番目から454番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
【0021】
(xi)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体αの198番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(xii) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体βの190番目から448番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、または
(xiii)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体γの200番目から458番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白が挙げられる。
【0022】
また、他の好ましいものとしては、
(i) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトエストロジエン受容体の311番目から551番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(ii)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ラットエストロジエン受容体の307番目から557番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(iii) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイドX受容体αの225番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(iv)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイドX受容体βの297番目から526番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
【0023】
(v) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイドX受容体αの230番目から467番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(vi)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイドX受容体βの171番目から410番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(vii) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイドX受容体γの229番目から463番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(viii)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体αの198番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(ix)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体βの191番目から448番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
【0024】
(x) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体γの200番目から454番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(xi)マウストFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体αの198番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(xii) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体βの190番目から448番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、または
(xiii)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体γの200番目から458番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白が挙げられる。
【0025】
本発明の融合蛋白中、より好ましいものとしては、
(i) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトエストロジエン受容体の281番目から595番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(ii)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ラットエストロジエン受容体の286番目から600番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(iii) ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体αの176番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(iv)ヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体αの177番目から458番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
【0026】
(v) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトエストロジエン受容体の281番目から595番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(vi)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ラットエストロジエン受容体の286番目から600番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(vii) マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体αの176番目から462番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白、
(viii)マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、マウスレチノイン酸受容体αの177番目から458番目までのアミノ酸配列を結合させた融合蛋白が挙げられる。
【0027】
本発明には、本発明の融合蛋白をコードするDNAも含まれる。
よく知られているように、ひとつのアミノ酸をコードするコドンは1〜6種類(例えば、メチオニン(Met)は1種類、ロイシン(Leu)は6種類)知られている。従って、アミノ酸配列を変えることなくDNAの塩基配列を変えることができる。
【0028】
本発明には、本発明の融合蛋白コードする全ての塩基配列群が含まれる。塩基配列を変えることによって、融合蛋白の生産性が向上することがある。
本発明の融合蛋白をコードするDNAは、以下の方法に従って作製することができる。
すなわち、
(i) Fas抗原と細胞核内受容体のアミノ酸配列のうち、必要とする領域を含むアミノ酸配列をコードするDNAをポリメラーゼチェインリアクション(PCR)法により増幅し、
(ii)適当なベクターに、Fas抗原より得られたPCR生成物を組み込み、続いて、細胞核内受容体より得られたPCR生成物を組み込むことにより行なわれる。
【0029】
より詳細に説明すると、
工程(i) は融合に必要な部品をPCR法により増幅する工程である。Fas抗原の場合は、膜貫通領域と機能発現領域を含むアミノ酸配列をコードする塩基配列を化学合成し、プライマーとして用いる。また、細胞核内受容体の場合は、リガンド結合領域を含むアミノ酸配列をコードする塩基配列を化学合成し、プライマーとして用いる。
得られたプライマーの5′ 末端には特定の制限酵素サイトを設けておく。またPCR法のテンプレートとしては、相当する哺乳動物、例えば、ヒト、マウス等の細胞または細胞株より単離、精製したmRNAを使用することができる。PCR法は、公知の方法により行われる。最近ではPCR自動化装置も普及しているので、該装置が好適に用いられる。
【0030】
工程(ii)は、ベクター中で両部品を融合する工程である。本工程に用いられるプラスミドベクターとしては大腸菌内で機能するもの(例えば、pBR322)や枯草菌内で機能するもの(例えば、pUB110)が多数知られているが、いずれであっても好適に用いられる。
また、直接発現ベクターに組み込むことも可能である。例えば、大腸菌で発現させる場合には、適当なプロモーター(例えば、trpプロモーター、lacプロモーター、λPLプロモーター、T7プロモーター等)の下流に、Fas抗原の当該PCR産物を接続し、次いでその下流に細胞核内受容体の当該PCR産物を接続して、大腸菌内で機能するベクター(例えば、pUC18、pUC19等)に挿入して発現ベクターを作成する。また、哺乳動物細胞で発現させる場合には、適当なベクター(例えば、レトロウイルスベクター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、SV40系ベクター等)中の適当なプロモーター(例えば、SV40プロモーター、LTRプロモーター、メタロチオネインプロモーター等)の下流に、Fas抗原の当該PCR産物、次いで細胞核内受容体の当該PCR産物を挿入して発現ベクターを作製する。好適には、pCMX(Cell, 66, 663 (1991)に記載されている。)が用いられる。
【0031】
哺乳動物細胞で発現させる場合には、所望によりFas抗原のシグナルペプチド領域をコードする塩基配列のPCR産物をプロモーターのすぐ下流に挿入することができる。
本発明には、本発明のDNAからなる複製または発現ベクターが含まれる。ベクターとしては、例えば、ori領域と、必要により上記DNAの発現のためのプロモーター、プロモーターの制御因子などからなるプラスミド、ウイルスまたはファージベクターが挙げられる。ベクターはひとつまたはそれ以上の選択的マーカー遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子、ブラスチサイジンS耐性遺伝子)を含んでいてもよい。
【0032】
本発明の融合蛋白を生産するための発現系(宿主−ベクター系)としては、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞の発現系が挙げられる。
例えば、大腸菌で発現させる場合には、前記の大腸菌内で機能する発現ベクターで形質転換した大腸菌(例えば、E. coli DH1、E. coli JM109、E. coli HB101株等)を適当な培地で培養して、その菌体より目的とするポリペプチドを得ることができる。また、バクテリアのシグナルペプチド(例えば、pelBのシグナルペプチド)を利用すれば、ペリプラズム中に目的とする融合蛋白を分泌することもできる。
【0033】
また、哺乳動物細胞で発現させる場合には、前記の哺乳動物細胞内で機能する発現ベクターで適当な哺乳動物細胞(例えば、サルCOS−7細胞、チャイニーズハムスターCHO細胞、マウスL細胞、マウス繊維芽細胞、ヒトガン細胞等)を形質転換し、形質転換体を適当な培地で培養することによって、目的とする融合蛋白を生産することができる。以上のようにして得られたポリペプチドは、一般的な生化学的方法によって単離精製することができる。
本発明には、本発明のDNAからなる複製または発現ベクターで形質転換された宿主細胞が含まれる。
【0034】
【発明の効果】
このようにして得られた本発明の融合蛋白は、ガンまたは自己免疫疾患治療剤として用いることができる。すなわち、本発明の融合蛋白をコードするDNAを含む発現ベクターをガン病巣部または自己免疫疾患病巣部にターゲティング法(例えば、リポソーム内に封じ込めて)により局所的に投与する。該ベクターは病巣部のガン細胞内に侵入し、遺伝子に入り込んで該融合蛋白を継続的に発現するようになる。しかる後に、本発明の融合蛋白の一部を構成する細胞核内受容体に対応するリガンド(例えば、該受容体としてレチノイドX受容体を用いた場合には9-cis-レチノイン酸、レチノイン酸受容体を用いた場合にはビタミンA)を投与する。ガン細胞内で生産された本発明の融合蛋白にリガンドが結合し、アポトーシスのシグナルが伝達される。かくしてガン細胞は死滅する。
【0035】
さらに、本発明の融合蛋白は、細胞核内受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング法として広範に利用することができる。すなわち、本発明の融合蛋白を常時発現している細胞に、検体を添加する。もし細胞が死ねば、検体はアゴニスト活性を有していることを示し、またアゴニスト存在下に細胞が生存すれば、検体はアンタゴニスト活性を有していることが判明する。
本発明のスクリーニング法は、大量のサンプルを短時間で処理することができるだけでなく、効果(結果)が細胞死となって表われるので、その判定が容易であるなどの点で、優れたスクリーニング法であると言える。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によって、より詳細に、かつより具体的に説明するが、もちろんこれによって本発明が制限されるものではない。
【0037】
実施例1 PCR生成物の調製
図1にPCRプライマーの調製方法の概念図を示す。図中、領域AはマウスFas抗原のシグナルペプチド領域を示し、領域BはマウスFas抗原の細胞外領域を示し、領域CはマウスFas抗原の膜貫通領域を示し、領域DはマウスFas抗原の細胞質領域を示し、領域Eはヒトレチノイン酸受容体αのリガンド結合領域を示し、そして領域Fはラットエストロジェン受容体のリガンド結合領域を示す。
【0038】
(1) マウスFas抗原のPCR生成物の調製
フクナガ(Fukunaga)らの報告(J. Immunology, 148, 1274 (1992) )に記載されたマウスFas抗原の構造により以下のプライマーを調製した。
F1:131番目から143番目までのアミノ酸配列:Pro Cys Thr Ala Thr Ser Asn Thr Asn Cys Arg Lys Gln の構造に相当し、5′側の一部に制限酵素NcoI及びKpnIのサイトを導入したプライマー(配列番号1)、
【0039】
5′-CACCATGGGTACCAGCAATACAAACTGCAGGAAAC-3′
を合成した。
F2:209番目から221番目までのアミノ酸配列:Glu Asp Met Thr Ile Gln Glu Ala Lys Lys Phe Ala Arg の構造に相当し、5′側の一部に制限酵素NcoI及びKpnIのサイトを導入したプライマー(配列番号2)、
【0040】
5′-GAAGCCATGGGTACCCAGGAAGCTAAAAAATTTGCTCGA-3′
を合成した。
F3:298番目から306番目(C末端)までのアミノ酸配列:Asn Glu Asn Glu Gly Gln Cys Leu Glu および3′非翻訳領域の一部に相当し、さらに3′- 側の一部にBamHI サイトを導入した3′−プライマー(配列番号3)、
【0041】
5′-TCAGGATCCAGACATTGTCCTTCATTTTCATT-3′
を合成した。
S1:Fas抗原cDNAの5′非翻訳領域の一部を含み−21番目から−14番目までのアミノ酸配列:Met Leu Trp Ile Trp Ala Val Leu の構造に相当し、5′側に制限酵素HindIII およびNotIのサイトを導入したプライマー(配列番号4)、
【0042】
5′-CTGAAGCTTCGCGGCCGCACCATGCTGTGGATCTGGGCTGTCCTG-3′
を合成した。
S2:Fas抗原のcDNAの一部、5番目から14番目までのアミノ酸配列:Ser Ile Ser Glu Ser Leu Lys Leu Arg Arg に相当し、3′側の一部にHindIII サイトを導入した3′−プライマー(配列番号5)、
【0043】
5′-CCTCCTAAGCTTTAAACTCTCGGAGATGCT-3′
を合成した。
マウスTセルライン、RLM−11(Cell, 68, 1109 (1992) に記載)より得られたmRNAを鋳型として用い、F1とF3のPCR産物をプライマーとして用いて、サーマルシークエンサー(モデルTSR−300、イワキガラス社製)を使用して、95℃で180秒×1→(95℃で60秒、55℃で60秒、72℃で60秒)×15→72℃で180秒の条件でRT−PCRを行った結果、約520bpの断片(以下Fas−TMと記す。)を得た。次に、前記と同じmRNAを鋳型をして用い、F2とF3のPCR産物をプライマーとして用いて、上記と同様の条件でPCRを行った結果、約280bpの断片(以下、Fas−△TMと記す。)を得た。さらに、前記と同じmRNAを鋳型として用い、S1とS2のPCR産物をプライマーとして用いて、上記と同様の条件でPCRを行った結果、約120bpの断片(以下、Fas−sigと記す。)を得た。
【0044】
(2) ヒトレチノイン酸α受容体のPCR生成物の調製
ギグレ (Giguere) ら(Nature, 330, 624 (1987)) に記載されたヒトレチノイン酸αの受容体の構造より以下のプライマーを調製した。
R1:173番目から182番目までのアミノ酸配列:Glu Cys Ser Glu Ser Tyr Thr Leu Thr Pro の構造に相当し、5′側の一部に制限酵素Bgl II のサイトを導入したプライマー(配列番号6)、
【0045】
5′-GGCAGATCTCTCTGAGAGCTACACGCTGACGCCG-3′
を合成した。
R2:456番目から462番目(C末端)までのアミノ酸配列:Ser Pro Ala Thr His Ser Pro および3′非翻訳領域の一部に相当し、3′側の一部にBamHI サイトを導入した3′−プライマー(配列番号7)、
【0046】
5′-CGTGGATCCTCACGGGGAGTGGGTGGCCGGGCT-3′
を合成した。
ヒト前骨骨髄性白血病細胞のHL−60より得られたmRNAを鋳型として用い、R1とR2をプライマーとして用いて、サーマルシークエンサー(モデルTSR−300)を使用して、実施例1−(1)と同様の条件でRT−PCRを行った結果、約870bpの断片(以下、RARαと記す。)を得た。
【0047】
(3) ラットエストロジェン受容体のPCR生成物の調製
コイケ(Koike )ら(Nucleic Acid Research, 15, 2499 (1987))に記載されたラットエストロジェン受容体の構造より以下のプライマーを調製した。
R3:282番目から292番目までのアミノ酸配列:Arg Asn Glu Met Gly Thr Ser Gly Asp Met Arg の構造に相当し、5′側の一部に制限酵素BamHIのサイトを導入したプライマー(配列番号8)、
【0048】
5′-CGAAAGGATCCGGGCACTTCAGGAGACATGAGA-3′
を合成した。R4:598番目から600番目(C末端)までのアミノ酸配列:Asn Thr Ile および3′非翻訳領域の一部に相当し、3′側の一部にBamHIサイトを導入した3′プライマー(配列番号9)、
【0049】
5′-TGGGGTACCTGGGAGTTCTCAGATGGTGTT-3′
を合成した。
PUCER6(埼玉医科大学、村松正實教授より供与された。Nucleic Acid Research, 15, 2499 (1987)に記載)より得られたmRNAを鋳型として用い、R3とR4をプライマーとして用いて、サーマルシークエンサー(モデルTSR−300)を使用して、実施例1−(1)と同様の条件でPCRを行った結果、約970bpの断片(以下、ERと記す。)を得た。
【0050】
実施例2 融合蛋白をコードするcDNAの構築
融合蛋白質の検出用シーケンスとしてインフルエンザ・ヘマグルチニンの構造の一部(Epi)を含む発現ベクターpCMXEPIを作製した。融合蛋白をコードするcDNAの構築図を図2に示す(図中、*は融合配列5のDNAを作製するときの(NheI)を示す。)。
まず、pCMXベクター(Cell, 66, 663 (1991)に記載)をHindIII-KpnIで開き、次の配列を有する合成ヌクレオチド(配列番号10)、
【0051】
5′-AGCTTGGCGCCACCATGGTGTACCCCTACGACGTGCCCGACTATGCCAGCCTGGGTAC-3′
を挿入したのち(pCMXEPI)、ベクターをKpnI−BamHIで開き、Fas抗原の膜貫通領域と機能発現領域を含むPCR生成物(Fas−TM)および機能発現領域のみを含むPCR生成物(Fas−△TM)(いずれも実施例1(1)で調製した。)のそれぞれのKpnI−BamHI断片を組み込んだ。これによって、Epiが直接、Fas抗原の膜貫通領域および機能発現領域、または機能発現領域と融合した配列が得られた。次にベクターをBamHI で開き、レチノイン酸受容体のリガンド結合領域(RARα、実施例1(2)で調製した。)のBgl II −BamHI断片を組み込んだ。必要な方向に組み込まれたプラスミドから、Epi−Fas−RARαの融合配列が得られた(以後、Epi−Fas−TM−RARαを融合配列1、またEpi−Fas−△TM−RARαを融合配列2と表わす)。一方、融合配列1、2それぞれの上流域のHind IIIサイトに、同末端を持つFas抗原のシグナル配列(Fas−sig)を導入した。方向を確認し、それぞれ融合配列1および2に相当するFas抗原のシグナル配列を持つ融合配列3および4を得た。
同様にして、Epi−Fas−TM−ERの融合配列を得た(以後、融合配列5と表わす)。
【0052】
実施例3 融合蛋白発現系の構築
融合蛋白発現系の概念を図3に示す(図中、*は融合配列5のDNAを作製するときの(NheI)を示す)。
イズミ(Izumi )らによって報告されているベクターpSV2bsr(Exp. Cell. Res.,197, 229, (1991)に記載)よりブラスチサイジンS耐性部分(EcoRI-PvuII 断片)を切り出した。発現ベクターpEFBOS(Nuc. Acid Res., 18, 5322 (1990)に記載)の2箇所のEcoRIサイトのうち、EF−1αプロモーターの3′側にあるもののみ欠失させ、残りのサイトに上記の断片(ブラスチサイジンS耐性部分)を平滑末端化した後に導入した。融合配列1、2をHindIII−BamHIで、融合配列3、4をNotI−BamHIで、さらに融合配列5をHindIII−NheIで切り出し、それぞれ平滑化した。ベクターpEFBOSbsrのマルチクローニングサイトにおけるBstXIサイトを平滑化し、上記の融合配列を導入した。
【0053】
得られた発現ベクターはEcoRIで線形化し、通常のカルシウムホスフェート法にてマウス繊維芽細胞、L929及びヒト癌細胞、HeLaに導入した。Exp. Cell. Res., 197, 229, (1991) に記載されている方法(プラスチサイジンS選択)にて、融合蛋白を常時発現している細胞を選択した。
【0054】
実施例4 ビタミンAによる殺細胞アッセイ
それぞれの融合蛋白を常時発現している細胞、例えばL929を2.5 ×104 個/100μlの割合で10%のFCS(牛胎児血清)を含むDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)に浮遊させ、96穴のマイクロタイタープレートに分配した。5%炭酸ガス中に、37℃にて24時間培養した。ビタミンAの最終濃度の2倍の濃度の試料を同培養液中に調整し、100μl を加えた。そのまま更に15時間培養し、上清を捨てた後にクリスタル・バイオレット(0.75%クリスタルバイオレットの50%エタノール溶液、0.25%のNaCl、1.75%のホルムアルデヒド、室温、20分)で生細胞を染色した(Cell, 66, 233 (1991)に記載の方法)Itohらの文献記載の方法)。PBS(フォスフェートバッファーセーライン)で2回洗浄した後、直接マイクロELISAリーダーで540nmの吸光度を測定した。
【0055】
図4にビタミンA処理時の生細胞数の経時変化を示す。また、図5にビタミンAの濃度変化を示す(図中、黒丸は融合蛋白発現系を導入した細胞であり、白丸は融合蛋白発現系を導入していない細胞である)。これらの結果は融合配列1を導入した細胞を用いた実験から得られたものである。1μMのビタミンAで誘発させた細胞死は、8時間後に90%以上完結する。また、15時間後検定におけるビタミンAの作用は濃度依存性であり、その50%作用濃度(IC50)は約0.1 μMであった。
【0056】
なお、融合配列2または4を導入した細胞では、上記の「リガンド特異的細胞死の誘導」現象は全く観測されなかった。Fas抗原のシグナル配列(Sig)を付加した融合配列3に於ける結果は、上記の融合配列1による結果と同様であり両者の効果は、ビタミンAの濃度依存性、反応の経時変化において区別出来ないものであった。
【0057】
以上の結果は、従来報告されていた転写因子等を用いた融合蛋白と異なり、Fas抗原の場合は、機能発現領域だけを融合させてもシグナル伝達は行われず、膜貫通領域が必須であることを示している。また、細胞核内受容体のサブファミリーのリガンド結合領域を結合された融合蛋白でもシグナルが伝達されることを示している。さらに、Fas抗原と細胞核内受容体が互いに異種動物のものであってもシグナルが伝達されること、および異種動物の細胞にアポトーシスを起こすことも確認された。
【0058】
実施例5 エストロジェンによる殺細胞アッセイ
実施例4と同様にして、それぞれの融合蛋白を常時発現している細胞を培養し、エストロジェンの添加後、培養、染色して吸光度を測定した。
図6にエストロジェンの濃度変化を示す(図中、黒四角は融合蛋白発現系を導入した細胞であり、白四角は融合蛋白発現系を導入していない細胞である)。15時間後検定におけるエストロジェンの作用は濃度依存性であり、その50%作用濃度(IC50)は約0.1 nMであった。この結果は、Fas抗原のアポトーシス機能は、ステロイド受容体のリガンド結合領域を結合した融合蛋白でも発現することを示している。
【0059】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
CACCATGGGT ACCAGCAATA CAAACTGCAG GAAAC
【0060】
配列番号:2
配列の長さ:39
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
GAAGCCATGG GTACCCAGGA AGCTAAAAAA TTTGCTCGA
【0061】
配列番号:3
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
TCAGGATCCA GACATTGTCC TTCATTTTCA TT
【0062】
配列番号:4
配列の長さ:45
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
CTGAAGCTTC GCGGCCGCAC CATGCTGTGG ATCTGGGCTG TCCTG
【0063】
配列番号:5
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
CCTCCTAAGC TTTAAACTCT CGGAGATGCT
【0064】
配列番号:6
配列の長さ:34
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
GGCAGATCTC TCTGAGAGCT ACACGCTGAC GCCG
【0065】
配列番号:7
配列の長さ:33
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
CGTGGATCCT CACGGGGAGT GGGTGGCCGG GCT
【0066】
配列番号:8
配列の長さ:33
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
CGAAAGGATC CGGGCACTTC AGGAGACATG AGA
【0067】
配列番号:9
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
TGGGGTACCT GGGAGTTCTC AGATGGTGTT
【0068】
配列番号:10
配列の長さ:58
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
AGCTTGGCGC CACCATGGTG TACCCCTACG ACGTGCCCGA CTATGCCAGC CTGGGTAC
【図面の簡単な説明】
【図1】 PCRプライマーの調製方法の概念図である。
【図2】 融合蛋白をコードするcDNAの構築図である。
【図3】 融合蛋白発現系の概念図である
【図4】 ビタミンAによるアポトーシスアッセイにおける投与時間と生細胞数の関係を示すグラフである。
【図5】 ビタミンAによるアポトーシスアッセイにおけるビタミンAの濃度と生細胞数の関係を示すグラフである。
【図6】 エストロジェンによるアポトーシスアッセイにおけるエストロジェンの濃度と生細胞数の関係を示すグラフである。

Claims (22)

  1. マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列またはヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列(ただし、Fas抗原の細胞外領域を含まない。)のC末端に、細胞核内受容体のリガンド結合領域を含むアミノ酸配列を結合させた融合蛋白。
  2. マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列またはヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列(ただし、Fas抗原の細胞外領域を含まない。)のN末端に、マウスFas抗原の−21番目から14番目までのアミノ酸配列またはヒトFas抗原の−16番目から23番目までのアミノ酸配列を結合させた請求項1記載の融合蛋白。
  3. 細胞核内受容体がステロイド受容体である請求項1または2項に記載の融合蛋白。
  4. 細胞核内受容体がエストロジェン受容体である請求項3記載の融合蛋白。
  5. 細胞核内受容体のリガンド結合領域を含むアミノ酸配列がヒトエストロジエン受容体の311番目から551番目までのアミノ酸配列、またはラットエストロジエン受容体の307番目から557番目までのアミノ酸配列である請求項4記載の融合蛋白。
  6. 細胞核内受容体がレチノイド受容体である請求項1または2項に記載の融合蛋白。
  7. 細胞核内受容体がレチノイドX受容体である請求項6記載の融合蛋白。
  8. 細胞核内受容体のリガンド結合領域を含むアミノ酸配列が、ヒトレチノイドX受容体αの225番目から462番目までのアミノ酸配列、ヒトレチノイドX受容体βの297番目から526番目までのアミノ酸配列、マウスレチノイドX受容体αの230番目から467番目までのアミノ酸配列、マウスレチノイドX受容体βの171番目から410番目までのアミノ酸配列、またはマウスレチノイドX受容体γの229番目から463番目までのアミノ酸配列である請求項7記載の融合蛋白。
  9. 細胞核内受容体がレチノイン酸受容体である請求項6記載の融合蛋白。
  10. 細胞核内受容体のリガンド結合領域を含むアミノ酸配列が、ヒトレチノイン酸受容体αの198番目から462番目までのアミノ酸配列、ヒトレチノイン酸受容体βの191番目から448番目までのアミノ酸配列、ヒトレチノイン酸受容体γの200番目から454番目までのアミノ酸配列、マウスレチノイン酸受容体αの198番目から462番目までのアミノ酸配列、マウスレチノイン酸受容体βの190番目から448番目までのアミノ酸配列、またはマウスレチノイン酸受容体γの200番目から458番目までのアミノ酸配列である請求項9記載の融合蛋白。
  11. 細胞核内受容体がビタミンD3受容体である請求項1または2項に記載の融合蛋白。
  12. 細胞核内受容体が甲状腺ホルモン受容体である請求項1または2項に記載の融合蛋白。
  13. マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、またはヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトエストロジエン受容体の281番目から595番目までのアミノ酸配列、またはラットエストロジエン受容体の286番目から600番目までのアミノ酸配列を結合させた請求項1記載の融合蛋白。
  14. マウスFas抗原の136番目から305番目までのアミノ酸配列のC末端に、またはヒトFas抗原の145番目から319番目までのアミノ酸配列のC末端に、ヒトレチノイン酸受容体αの176番目から462番目までのアミノ酸配列、またはマウスレチノイン酸受容体αの177番目から458番目までのアミノ酸配列を結合させた請求項1記載の融合蛋白。
  15. 請求項1に記載された融合蛋白をコードするDNA。
  16. 請求項1乃至12のいずれかの項に記載された融合蛋白をコードするDNA。
  17. 請求項13または14に記載された融合蛋白をコードするDNA。
  18. 請求項15に記載されたDNAを含む複製または発現ベクター。
  19. 請求項18に記載された複製または発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
  20. 請求項18に記載された発現ベクターを有効成分として含有するガンまたは自己免疫疾患の治療剤。
  21. 請求項19に記載された宿主細胞を用いることを特徴とする細胞核内受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法。
  22. 請求項19に記載された宿主細胞が、マウス繊維芽細胞L929またはヒトガン細胞HeLaであることを特徴とする、エストロジェン受容体、レチノイドX受容体またはレチノイン酸受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法。
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KR20220002751A (ko) * 2017-03-28 2022-01-06 셀 디자인 랩스, 인크. 키메라 폴리펩티드 및 그의 세포 막 내 국재화를 변경시키는 방법
KR102475696B1 (ko) * 2017-03-28 2022-12-09 셀 디자인 랩스, 인크. 키메라 폴리펩티드 및 그의 세포 막 내 국재화를 변경시키는 방법

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