JP3700679B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置及び電子機器の技術分野に属し、特に画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(以下適宜、TFT(Thin Film Transistor)と称す)を、基板上の積層構造中に備えた形式の電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなるプロジェクタ等の電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
TFTアクティブマトリクス駆動形式の液晶装置、EL(Electro-Luminescence)表示装置等の電気光学装置では、各画素に設けられた画素スイッチング用TFTのチャネル領域に入射光が照射されると光による励起で光リーク電流が発生してTFTの特性が変化する。特に、プロジェクタのライトバルブ用電気光学装置の場合には、入射光の強度が高いため、TFTのチャネル領域やその隣接領域に対する入射光の遮光を行うことは重要となる。
【0003】
そこで従来は、対向基板に設けられた各画素において、表示に寄与する光が透過或いは反射する開口領域を規定する遮光膜により、或いはTFTの上を通過すると共にAl(アルミニウム)等の金属膜からなるデータ線により、係るチャネル領域やその隣接領域を遮光するように構成されている。更に、TFTアレイ基板上において画素スイッチング用TFT下側にも、例えば高融点金属からなる遮光膜を設けることがある。このようにTFTの下側にも遮光膜を設ければ、TFTアレイ基板側からの裏面反射光や、複数の電気光学装置をプリズム等を介して組み合わせて一つの光学系を構成する場合に他の電気光学装置からプリズム等を突き抜けてくる投射光などの戻り光が、当該電気光学装置のTFTに入射するのを未然に防ぐことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各種遮光技術によれば、以下の問題点がある。
【0005】
即ち、先ず対向基板上やTFTアレイ基板上に遮光膜を形成する技術によれば、遮光膜とチャネル領域との間は、3次元的に見て例えば液晶層、電極、層間絶縁膜等を介してかなり離間しており、両者間へ斜めに入射する光に対する遮光が十分ではない。特にプロジェクタのライトバルブとして用いられる小型の電気光学装置においては、入射光は光源からの光をレンズで絞った光束であり、斜めに入射する成分を無視し得ない程に含んでいる。例えば、基板に垂直な方向から10度から15度程度傾いた成分を10%程度含むこともあるので、このような斜めの入射光に対する遮光が十分でないことは実践上問題となる。
【0006】
加えて、遮光膜のない領域から電気光学装置内に侵入した光が、基板或いは基板上に形成された遮光膜の上面やデータ線で反射された後に、係る反射光或いはこれが更に基板或いは遮光膜やデータ線で反射された多重反射光が最終的にTFTのチャネル領域に到達してしまう場合もある。
【0007】
特に近年の表示画像の高品位化という一般的要請に沿うべく電気光学装置の高精細化或いは画素ピッチの微細化を図るに連れて、更に明るい画像を表示すべく入射光の光強度を高めるに連れて、上述した従来の各種遮光技術によれば、十分な遮光を施すのがより困難となり、TFTのトランジスタ特性の変化により、フリッカ等が生じて、表示画像の品位が低下してしまうという問題点がある。
【0008】
尚、このような耐光性を高めるためには、単純に遮光膜の形成領域を広げれば良いようにも考えられるが、これでは、各画素の開口率を高めることが根本的に困難になり、表示画像が暗くなってしまうという問題点が生じる。
【0009】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、耐光性に優れており、明るく高品位の画像表示が可能な電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、画素電極と、該画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに画像信号を供給するデータ線と、前記薄膜トランジスタを構成する半導体層の少なくともチャネル領域及びその隣接領域を上側から覆うように形成された上側遮光膜と、前記少なくともチャネル領域及びその隣接領域を、下側から覆うように形成された下側遮光膜と、を備えており、前記上側遮光膜及び前記下側遮光膜は、前記画素電極に対応する各画素の開口領域に隅切りを規定するように張り出した張り出し部を有し、前記チャネル領域は、前記張り出し部の内側であって前記データ線の下側に配置されている。
【0011】
本発明の電気光学装置によれば、その動作時には、例えば薄膜トランジスタのソースに、データ線を介して画像信号が供給され、薄膜トランジスタのゲートに、走査線を介して走査信号が供給される。すると、例えば薄膜トランジスタのドレインに接続された画素電極を、薄膜トランジスタによりスイッチング制御することによって、アクティブマトリクス駆動方式による駆動を行なえる。そして、薄膜トランジスタを構成する半導体層の少なくともチャネル領域及びその隣接領域は、上側遮光膜によって、その上側から覆われているので、基板面に対して上方からの入射光が、薄膜トランジスタのチャネル領域及びその隣接領域に入射するのを、基本的に阻止できる。
【0012】
ここで特に、上側遮光膜は、データ線及び走査線が相交差する交差領域において、各画素の開口領域に隅切りを規定するように張り出した張り出し部を有する。例えば、四角形の開口領域を基準に考えれば、一から四つの隅切りがなされて、五角形から八角形の開口領域が、規定される。そして、チャネル領域は、このような隅切りを有する交差領域内に配置されている。従って、このような張り出し部が存在しない場合と比べて、基板面に対して上方から垂直に或いは斜めに進行する強力な入射光及びこれに基づく内面反射光及び多重反射光などが、薄膜トランジスタのチャネル領域及びその隣接領域に入射するのを、張り出し部を有する上側遮光膜によって有効に阻止できる。
【0013】
加えて、このような上側遮光膜は、格子状の遮光領域を少なくとも部分的に規定しており、当該上側遮光膜によって、各画素の非開口領域を精度よく規定できる。
【0014】
これらの結果、各画素の開口率を高めつつ、薄膜トランジスタにおける光リーク電流の発生やばらつきに起因した表示ムラ或いはフリッカなどを、効率的に低減でき、最終的に明るく高品位の画像を表示できる。
【0015】
本発明の電気光学装置の一の態様では、前記画素電極は、前記隅切りに対応して角が落とされた平面形状を有する。
【0016】
この態様によれば、画素電極についても隅切りが施されており、その平面形状は、例えば五角形から八角形などである。ところで、この種の電気光学装置における画素電極は、一般に例えばITO(Indium Tin Oxide)膜等をパターニングすることで形成している。従って、パターニングの際のレジスト残りに起因した膜残りが多少発生するので、相隣接する画素電極間には、ある程度の間隙をとることが望ましい。相隣接する画素電極間で電気的なショートが発生しかねないからである。そして、このような膜残りは、下地に段差或いは凹凸が大きい領域ほど発生し易くなる。しかるに、この種の電気光学装置において下地に段差或いは凹凸が大きくなるのは、走査線とデータ線との両者が積層されている、交差領域に他ならない。そこで、この態様では、膜残りが発生しやすい交差領域において局所的に、膜残りが根本的に減少するように、この領域内に対応する角が落とされた平面形状を有する画素電極を形成する。即ち、このような平面形状であれば、パターニングの際に、画素電極間のショートが発生し難くなる。これにより、交差領域から外れたデータ線に沿った遮光領域部分内や走査線に沿った遮光領域部分内における相隣接する画素電極の間隙を、両者間にショートを起こさずに狭めることが可能となる。よって、歩留まりを低下させること無く画素電極間の間隙を狭めることにより、画素ピッチの微細化を図り、当該技術分野における基本的要請である表示画像の高精細化を促進できる。
【0017】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記チャネル領域は、前記交差領域の中央に配置されている。
【0018】
この態様では、チャネル領域は、交差領域の中央に配置されており、特に隅切りが存在する分だけ、光が通過する各画素の開口領域から離間している。このため、チャネル領域に対する遮光性能を効率良く向上させられる。尚、「交差領域の中央に配置されている」とは、交差領域における重心等の中心点にチャネル領域の中心点が一致する場合の他、チャネル領域が交差領域内でその縁から多少なりともその中心点の側に寄って位置する場合も含む意味である。
【0019】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素電極に接続された蓄積容量を更に備えており、前記上側遮光膜は、前記蓄積容量を構成する固定電位側容量電極又は該固定電位側容量電極を含む容量線を兼ねる。
また、前記上側遮光膜の平面形状は、前記データ線と前記容量線が相交差して形成される。
【0020】
この態様によれば、蓄積容量によって、薄膜トランジスタを介して画素電極に書き込んだ電位を、その書き込み時間に比べて長期に亘って維持できる。そして特に、上側遮光膜は、蓄積容量を構成する固定電位側容量電極或いは容量線を兼ねるので、両者を別々に作り込む場合と比較して、基板上における積層構造及び製造方法の単純化を図れる。このような上側遮光膜は、金属膜、合金膜、金属シリサイド膜など導電性の遮光膜から構成すればよい。
【0021】
但し、本発明において蓄積容量を作り込む場合、上側遮光膜は、蓄積容量の画素電位側容量電極を兼ねてもよい。或いは、固定電位側容量電極及び画素電位側容量電極の両者を導電性の遮光膜から構成することも可能である。また、基板上における、これら両容量電極の上下配置は、どちらが上でも下でも構わない。
【0022】
或いは本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素電極に接続された蓄積容量を更に備えており、前記蓄積容量は、前記張り出し部に対向して形成されている。
【0023】
この態様によれば、各画素の開口領域側に張り出した張り出し領域の下をも有効利用して蓄積容量を作り込むので、限られた遮光領域内にて蓄積容量の増大を図れる。
【0024】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記少なくともチャネル領域及びその隣接領域を、下側から覆うと共に前記格子状の遮光領域を少なくとも部分的に規定する下側遮光膜を更に備える。
【0025】
この態様によれば、薄膜トランジスタを構成する半導体層の少なくともチャネル領域及びその隣接領域は、下側遮光膜によって、その下側から覆われているので、基板面に対して下方からの戻り光及びそれに起因する内面反射光或いは多重反射光が、薄膜トランジスタのチャネル領域及びチャネル隣接領域に入射するのを基本的に阻止できる。ここに「戻り光」とは例えば、基板の裏面反射や、当該電気光学装置をライトバルブとして複数用いた複板式プロジェクタにおける他のライトバルブから出射され合成光学系を突き抜けてくる光などの、入射光と反対方向に戻ってくる、表示に寄与しない光をいう。
【0026】
加えて、このような下側遮光膜は、格子状の遮光領域を少なくとも部分的に規定しており、同一基板上に形成された上側遮光膜及び下側遮光膜によって、各画素の非開口領域を精度よく規定できる。
【0027】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記下側遮光膜は、前記交差領域において、前記隅切りを規定するように張り出した張り出し部を有する。
【0028】
この態様によれば、上側遮光膜と同様に、下側遮光膜は交差領域において隅切りを規定する張り出し部を有する。従って、このような張り出し部が存在しない場合と比べて、基板面に対して下方から垂直に或いは斜めに進行する戻り光及びこれに基づく内面反射光及び多重反射光などが、薄膜トランジスタのチャネル領域及びその隣接領域に入射するのを、張り出し部を有する下側遮光膜によって有効に阻止できる。
【0029】
この態様では、前記下側遮光膜の平面形状は、前記上側遮光膜の平面形状と比べて、前記交差領域において一回り小さいように構成してもよい。
【0030】
このように構成すれば、通常戻り光よりも強力な入射光が、上側遮光膜の脇を抜けて下側遮光膜の表面で反射して、内面反射光が発生する事態を効果的に防止できる。
【0031】
本発明の他の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、画素電極と、該画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに画像信号を供給するデータ線と、前記薄膜トランジスタに走査信号を供給すると共に前記データ線と交差する走査線と、前記薄膜トランジスタを構成する半導体層の少なくともチャネル領域及びその隣接領域を下側から覆うと共に前記データ線及び前記走査線に沿った格子状の遮光領域を少なくとも部分的に規定する下側遮光膜とを備えており、前記下側遮光膜は、前記データ線及び前記走査線が相交差する交差領域において、前記画素電極に対応する各画素の開口領域に隅切りを規定するように張り出した張り出し部を有し、前記チャネル領域は、前記交差領域内に配置されている。
【0032】
本発明の他の電気光学装置によれば、下側遮光膜は、交差領域において、各画素の開口領域に隅切りを規定するように張り出した張り出し部を有する。従って、このような張り出し部が存在しない場合と比べて、基板面に対して下方から垂直に或いは斜めに進行する戻り光及びこれに基づく内面反射光及び多重反射光などが、薄膜トランジスタのチャネル領域及びその隣接領域に入射するのを、張り出し部を有する下側遮光膜によって有効に阻止できる。
【0033】
加えて、このような下側遮光膜は、格子状の遮光領域を少なくとも部分的に規定しており、当該下側遮光膜によって、各画素の非開口領域を精度よく規定できる。
【0034】
これらの結果、各画素の開口率を高めつつ、薄膜トランジスタにおける光リーク電流の発生やばらつきに起因した表示ムラ或いはフリッカなどを、効率的に低減でき、最終的に明るく高品位の画像を表示できる。
【0035】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記下側遮光膜は、遮光性の導電膜からなると共に前記走査線と複数個所で接続され且つ前記走査線に沿って延びており、前記走査線の冗長配線として機能する。
【0036】
この態様によれば、導電性の遮光膜からなる下側遮光膜は、走査線の冗長配線として機能するので、走査線の低抵抗化を図ることができ、言い換えれば、走査線の形成領域或いは走査線に沿った遮光領域部分の幅を狭めることも可能となる。よって、一層明るく高品位の画像表示が可能となる。
【0037】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記基板に電気光学物質層を介して対向配置された対向基板を更に備えており、前記開口領域の四隅のうち、少なくとも前記電気光学物質層における動作不良が相対的に大きい一又は複数の隅に、前記張り出し部が設けられている。
【0038】
この態様によれば、例えば液晶層の配向不良の如き、電気光学物質層の動作不良が大きい隅に対して、隅切りを規定する。従って、例えば液晶層の配向不良がラビング方向との関係で四隅に均等に発生しない場合の如き、動作不良が四隅に均等に発生しない場合に、当該動作不良となる領域を積極的に隠すことになる。よって、各開口領域の隅における光抜けの防止等により、コントラスト比を効率的に高めることができる。同時に、動作不良が小さい隅については、正常動作或いは正常に近い動作が行われるので、この部分を隠さないことで開口領域の一部として利用し、張り出し部の存在による各画素の開口率の低下を抑制することも可能となる。
【0039】
尚、このような張り出し部は、一つの開口領域に対して、動作不良の発生個所や程度に応じて、一箇所設けてもよいし、二箇所或いは三箇所設けてもよい。
【0040】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記基板又は前記基板に対向配置された対向基板に、前記画素電極に対向配置されたマイクロレンズを更に備える。
【0041】
この態様によれば、入射光は、マイクロレンズを介して、各画素の開口領域の中央寄りに導かれる。ここで特に、マイクロレンズにより適切に集光され表示に寄与する入射光は、交差領域にて隅切りを規定する上側遮光膜の張り出し部には、殆ど到達しない筈である。従って、張り出し部によって、マイクロレンズによって適切に集光されない光成分を遮光できるので、明るさを維持しつつ画質向上を図れる。
【0042】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素電極は、第1の周期で反転駆動されるための第1の画素電極群及び該第1の周期と相補の第2の周期で反転駆動されるための第2の画素電極群を含むと共に前記第1基板上に平面配列されており、前記張り出し部は、前記チャネル領域の中央を基準に前記第1の画素電極群の側に位置する二隅、又は前記第2の画素電極群の側に位置する二隅に設けられている。
【0043】
この態様によれば、その動作時に、(i)反転駆動時に各時刻において相互に逆極性の駆動電圧で駆動される相隣接する画素電極と(ii)反転駆動時に各時刻において相互に同一極性の駆動電圧で駆動される相隣接する画素電極との両者が存在している。このような両者は、例えば行毎に駆動電圧の極性をフィールド単位で反転させる1H反転駆動方式や、列毎に駆動電圧の極性をフィールド単位で反転させる1S反転駆動方式などの反転駆動方式を採るマトリクス駆動型の液晶装置等の電気光学装置であれば存在する。従って、異なる画素電極群に属する相隣接する画素電極の間には、横電界が生じる。しかるに本態様では、チャネル領域の中央を基準に第1の画素電極群の側に位置する二隅、又は第2の画素電極群の側に位置する二隅に隅切りが設けられている。このため、チャネル領域の付近における横電界が発生する領域を、張り出し部で遮光することができ、横電界による悪影響が表面化或いは顕在化するのを効果的に防止できる。これらの結果、高コントラストで明るい高品位の画像表示を行える。
【0044】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記開口領域の四隅に夫々、左右上下対称な張り出し部が設けられている。
【0045】
この態様によれば、開口領域の四隅に夫々、左右上下対称な張り出し部が設けられており、各画素の開口領域の平面形状は、張り出し部が存在しない場合と比較して、円形或いは多角形に近付く。この結果、円形或いは多角形に近い平面形状の開口領域を用いて、各開口領域内に光抜け領域や動作不良領域が低減された良好な画像表示を行うことも可能となる。特に、円形或いは円形に近いマイクロレンズを用いる場合に、このような構成を採ると、適切に集光される入射光を開口領域を介して通すと同時に適切に集光されない入射光を遮光できるので、大変有効である。
【0046】
本発明の電気光学装置の他の態様では、平面的に見て前記張り出し部に重なる領域に、前記薄膜トランジスタのドレイン電極が配置されている。
【0047】
この態様によれば、平面的に見て前記張り出し部に重なる遮光領域を利用して、薄膜トランジスタのドレイン電極を設けることができ、ドレイン電極の存在により、各画素の開口領域を狭めないように構成することも可能である。
【0048】
尚、上述した本発明の電気光学装置は、例えば、液晶装置として構築されてもよいし、EL表示装置として構築されてもよい。
【0049】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備してなる。
【0050】
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、明るく高品位の画像表示が可能な、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
【0051】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0053】
(電気光学装置の画素部における構成)
先ず本発明の実施形態における電気光学装置の画素部における構成について、図1から図5を参照して説明する。図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図3は、図2のA−A’断面図である。また、図4は、比較例における画素電極を抽出して、その平面パターンを示す部分拡大図であり、図5は、実施形態における画素電極を抽出して、その平面パターンを示す部分拡大図であり、尚、図3においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0054】
図1において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には夫々、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。蓄積容量70は、TFT30のドレイン領域と容量線300の間で形成される。
【0055】
図2において、電気光学装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
【0056】
また、半導体層1aのうち図中右上がりの細かい斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。特に本実施形態では、走査線3aは、当該ゲート電極となる部分において幅広に形成されている。このように、走査線3aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線3aがゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0057】
図2及び図3に示すように、容量線300は、走査線3a上に形成されている。容量線300は、平面的に見て走査線3aに沿ってストライプ状に伸びる本線部と、走査線3a及びデータ線6aの交点における該本線部からデータ線6aに沿って図2中上下に突出した突出部とを含んでなる。
【0058】
容量線300は、例えば金属又は合金を含む導電性の遮光膜からなり上側遮光膜の一例を構成すると共に固定電位側容量電極としても機能する。容量線300は、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。容量線300は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)等の他の金属を含んでもよい。或いは、容量線300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持ってもよい。
【0059】
他方、容量線300に対して、誘電体膜75を介して対向配置される中継層71は、蓄積容量70の画素電位側容量電極としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する中間導電層としての機能を持つ。
【0060】
このように本実施形態では、蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての中継層71と、固定電位側容量電極としての容量線300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより構築されている。
【0061】
そして、図2中縦方向に夫々伸びるデータ線6aと図2中横方向に夫々伸びる容量線300とが相交差して形成されることにより、TFTアレイ基板10上におけるTFT30の上側に、平面的に見て格子状の上側遮光膜が構成されており、各画素の開口領域を規定している。
【0062】
他方、TFTアレイ基板10上におけるTFT30の下側には、下側遮光膜11aが格子状に設けられている。下側遮光膜11aについても、容量線300と同様に各種金属膜等から形成される。
【0063】
本実施形態では特に、容量線300は、このような格子状の遮光領域のうち走査線3a及びデータ線6aが交差する交差領域において、各画素の開口領域に隅切りを規定する張り出し部401を有する。そして、このような隅切りを規定する張り出し部401に対向しても容量を形成するように、中継層71は、張り出し部402を有する。更に、下側遮光膜11aも、この交差領域において、各画素の開口領域に隅切りを規定する張り出し部411を有する。このような張り出し部401、402及び411に係る構成及び作用効果については後に詳述する。
【0064】
また図3において、容量電極としての中継層71と容量線300との間に配置される誘電体膜75は、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO膜、LTO膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄い程良い。
【0065】
図2及び図3に示すように、画素電極9aは、中継層71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。このように中継層71を中継層として利用すれば、層間距離が例えば2000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避しつつ比較的小径の二つ以上の直列なコンタクトホールで両者間を良好に接続でき、画素開口率を高めることが可能となり、コンタクトホール開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
【0066】
他方、データ線6aは、コンタクトホール81を介して、例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。尚、データ線6aと高濃度ソース領域1aとを中継層により中継接続することも可能である。
【0067】
容量線300は、画素電極9aが配置された画像表示領域からその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続することにより固定電位とされる。係る定電位源としては、TFT30を駆動するための走査信号を走査線3aに供給するための走査線駆動回路(後述する)や画像信号をデータ線6aに供給するサンプリング回路を制御するデータ線駆動回路(後述する)に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。更に、下側遮光膜11aについても、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、容量線300と同様に、画像表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続しても良い。
【0068】
図2及び図3において、電気光学装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
【0069】
図3に示すように、TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0070】
本実施形態では特に、画素電極9aの平面パターンは、単純な四角形ではなく、各画素の開口領域における隅切りに対応して、四角形の各角が落とされた形状を有する。即ち、図3において、容量線300の張り出し部401及び中継層71の張り出し部402に対応するように、隅切り部403を有する。画素電極9aに係るこのような構成及び作用効果については、図4及び図5を参照して後に詳述する。
【0071】
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0072】
このように構成された、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述のシール材により囲まれた空間に電気光学物質の一例である液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、TFTアレイ基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が混入されている。
【0073】
更に、画素スイッチング用TFT30の下には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の変化を防止する機能を有する。
【0074】
図3において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0075】
走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
【0076】
第1層間絶縁膜41上には中継層71及び容量線300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及びコンタクトホール85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
【0077】
第2層間絶縁膜42上にはデータ線6aが形成されており、これらの上には、中継層71へ通じるコンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
【0078】
以上図1から図3を参照して説明したように本実施形態によれば、チャネル領域1a’及びその隣接領域(即ち、図2及び図3に示した低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c)は、上側から上側遮光膜たる容量線300及びデータ線6aにより覆われている。従って、TFTアレイ基板10に垂直な方向からの入射光に対する遮光は、上側遮光膜たる容量線300及びデータ線6aにより高めることができる。他方、チャネル領域1a’及びその隣接領域は、下側から下側遮光膜11aにより覆われている。従って、TFTアレイ基板10の裏面反射光や、複数の電気光学装置をライトバルブとして用いた複板式のプロジェクタにおける他の電気光学装置から出射され合成光学系を突き抜けてくる光等の、戻り光に対する遮光は、下側遮光膜11aにより高めることができる。
【0079】
本実施形態では、対向基板20には、各画素の開口領域以外の領域に遮光膜23が格子状又はストライプ状に形成される。このような構成を採ることで、上述の如く上側遮光膜を構成する容量線300及びデータ線6aと共に当該遮光膜23により、対向基板20側からの入射光がチャネル領域1a’及びその隣接領域に侵入するのを、より確実に阻止できる。更に、遮光膜23は、少なくとも入射光が照射される面を高反射な膜で形成することにより、電気光学装置の温度上昇を防ぐ働きをする。尚、遮光膜23は好ましくは、平面的に見て容量線300とデータ線6aとからなる遮光層の内側に位置するように形成する。これにより、遮光膜23により、各画素の開口率を低めることなく、このような遮光及び温度上昇防止の効果が得られる。
【0080】
尚、このような対向基板20に形成される遮光膜23の平面パターンに係る各種変形形態については、図8から図15を参照して後述する。また、このような遮光膜23の材料については、容量線300と同様に各種金属膜等から形成されてもよく、樹脂から形成されてもよい。
【0081】
ここで、入射光は、TFTアレイ基板10に対して斜め方向から入射する斜め光を含んでいる。例えば、入射角が垂直から10度〜15度位までずれる成分を10%程度含む場合がある。更に、このような斜め光が、TFTアレイ基板10上に形成された下側遮光膜11aの上面で反射されて、当該電気光学装置内に、斜めの内面反射光が生成される。更にまた、このような斜めの内面反射光が当該電気光学装置内の他の界面で反射されて斜めの多重反射光が生成される。特に入射光は、戻り光に比べて遥かに強力であり、このような入射光に基づく斜めの内面反射光や多重反射光も強力である。加えて、戻り光についても、斜め方向から入射する光を含んでおり、これに基づく内面反射光や多重反射光も発生する。
【0082】
しかるに、本実施形態では特に、容量線300は、交差領域において、各画素の開口領域に隅切りを規定する張り出し部401を有する(図2参照)。同様に、下側遮光膜11aは、交差領域において、各画素の開口領域に隅切りを規定する張り出し部411を有する(図2参照)。そして、チャネル領域1a’は、交差領域内の中央に配置されており、隅切りが存在する分だけ入射光が通過する或いは戻り光が入射する各画素の開口領域から離間している。このため、チャネル領域1a’及びその隣接領域に対する遮光性能は、張り出し部401及び411の存在によって、飛躍的に高められている。即ち、張り出し部401及び411が存在しない場合と比べて、斜めに進行する強力な入射光や戻り光、更にこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などが、チャネル領域1a’及びその隣接領域に入射するのを有効に阻止できる。
【0083】
これらの結果、TFT30における光リーク電流の発生やばらつきに起因した表示ムラ或いはフリッカなどを、効率的に低減できる。
【0084】
加えて、本実施形態では、図2に示したように開口領域の四隅に夫々、左右上下対称な張り出し部が設けられている。従って、各画素の開口領域の平面形状は、張り出し部401等が存在しない場合と比較して、円形或いは多角形に近付く。よって、TFT30に対して四方についてバランスのとれた遮光を行うことができ、各開口領域内に光抜け領域や動作不良領域が低減された良好な画像表示を行える。
【0085】
また特に、各開口領域の入射光を概ね円形に集光するマイクロレンズを当該電気光学装置の対向基板20側或いはTFTアレイ基板10側に設ける場合には、集光された光の形状との関係で、このように四隅を隅切りして各画素の開口領域を円形に近付けることは有利である。より具体的には、マイクロレンズが設けられると、入射光は、マイクロレンズを介して、各画素の開口領域の中央寄りに導かれる。ここで特に、マイクロレンズにより適切に集光され表示に寄与する入射光は、集光されるが故に、張り出し部401及び411には、殆ど到達しない。従って、張り出し部401及び411によって、マイクロレンズによって適切に集光されない光成分を遮光できることになる。特に、アレイ状に相隣接するマイクロレンズの境界のうち交差領域に対向する部分はレンズの性質上、集光特性が悪い。よって、交差領域付近で局所的に遮光領域を増加させる張り出し部401及び411の存在は、集光特性が悪いマイクロレンズ部分を通過した光を遮光する、言い換えれば、集光特性が悪いマイクロレンズ部分を隠す意味からも大変有意義である。
【0086】
但し、このように四隅全てに張り出し部401及び411を設けるのではなく、四隅のうち、液晶層50における配向不良が相対的に大きい一又は複数の隅に、張り出し部401や張り出し部411を設けるように構成してもよい。例えば液晶層50の配向不良が、配向膜16及び22に対するラビング方向との関係で最も顕著となる隅についてのみ、このような張り出し部401や張り出し部411を設けるようにしてもよい。これにより、非開口領域が過度に広がるのを抑えつつ液晶層50の配向不良を隠すことで、コントラスト比を効率的に高めることができる。
【0087】
尚、本実施形態では、容量線300が張り出し部401を有し且つ下側遮光膜11aが張り出し部411を有するが、どちらか一方の張り出し部があるだけでもよい。この場合にも、何らの張り出し部も設けない場合と比較すれば、遮光性能を向上させることは可能である。
【0088】
ここで図4及び図5を参照して、画素電極9aにおける角が落とされた平面パターンに係る構成及び作用効果について説明を加える。
【0089】
図4に示した比較例では、画素電極9bは、四角形の平面パターンを有する。従って、交差領域及び交差領域以外の遮光領域において、左右上下に相隣接する画素電極9b間の間隙は、一定である。しかるに、画素電極9bは、ITO膜等をパターニングすることで形成しているので、パターニングの際のレジスト残りに起因した膜残りが多少発生する。特に、データ線6aと走査線3a等とが交差して大きな段差が生じる交差領域では、平坦な個所と比べてパターニングが困難であり、このような膜残りが発生しやすい。よって、左右上下に相隣接する画素電極9b間の一定間隙を、交差領域でも、膜残りがショートを引き起こさない程度にまで広げておく必要がある。
【0090】
これに対し、図5に示した本実施形態では、画素電極9aは、隅切り部403を含む平面パターンを有する。そして膜残りによるショートを避ける際の間隙を律則する交差領域において、隅切り部403の存在によって画素電極9a自体が殆ど又は全く存在しないので、この領域内における膜残りは考慮する必要がない。即ち、パターニングの際に本来的に膜残りが少ない、交差領域以外の遮光領域内にて、膜残りによるショートが発生しない程度にまで、画素電極9a間の間隙を狭めることが可能となる。よって、その分だけ、各画素の開口領域を広げること、即ち各画素の開口率を高めることができ、この際、装置歩留まり或いは信頼性を犠牲にすることもない。また、画素ピッチの微細化を進める上でも大変有利となり、高精細の画像表示も可能となる。
【0091】
加えて、例えば画素電極9a間の間隔を3μmとすれば、1μmの位置精度のステッパを用いても、図5に示した如き隅切り部403を有する画素電極9aであれば、比較的容易にして十分に高い信頼性でパターニングを行える。
【0092】
このように本実施形態では、画素電極9aが隅切り部403を有しているので、高開口率化による明るい画像表示を実行可能となる。しかも、隅切り部403に対応して、遮光性能を有する張り出し部401及び張り出し部411が設けられているので、隅切り部403で光り抜けが生じてコントラスト比を低下させることもない。
【0093】
他方で、本実施形態によれば、蓄積容量70は、このような隅切りを規定する遮光領域内にも作り込まれているので、容量値を増大しつつ、各画素の開口領域が狭まるのを効率良く回避できる。同様に、TFT30のドレイン電極についても、隅切りを規定する遮光領域内に配置して、各画素の開口領域を狭めないようにしてもよい。
【0094】
以上図1から図5を参照して説明したように本実施形態によれば、トランジスタ特性に優れた画素スイッチング用TFT30により、表示ムラやフリッカ等が低減されており、明るく高精細或いは高品位の画像表示を行える電気光学装置が実現される。
【0095】
以上説明した実施形態では、下側遮光膜11aを、周辺領域にて固定電位に落としたりフローティング電位とするが、下側遮光膜11aを、画像表示領域内にて容量線300に接続して固定電位に落としてもよい。この場合、下側遮光膜11aを容量線300の冗長配線として機能させることができ、容量線300の低抵抗化を図ることも可能となる。或いは、下側遮光膜11aを、走査線3aに沿って走査線3aと一画素毎に又は複数画素毎に接続して、且つ、下側遮光膜11aを走査線3a毎に分断された略ストライプ状に形成してもよい。この場合、下側遮光膜11aを走査線3aの冗長配線として機能させることができ、走査線3aの低抵抗化を図ることができる。加えて、このように下側遮光膜11aを冗長配線として用いることで、容量線300或いは走査線3aに沿った遮光領域の幅を狭めることも可能となる。
【0096】
以上説明した実施形態では、画素電極9aの下地面におけるデータ線6aや走査線3aに沿った領域に段差が生じるのを、TFTアレイ基板10に溝を掘って、又は下地絶縁膜12、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42、第3層間絶縁膜43に溝を掘って、データ線6a等の配線やTFT30等を埋め込むことにより平坦化処理を行ってもよい。或いは、第3層間絶縁膜43や第2層間絶縁膜42の上面の段差をCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等で研磨することにより、或いは有機SOG(Spin On Glass)を用いて平らに形成することにより、当該平坦化処理を行ってもよい。
【0097】
更に以上説明した実施形態では、画素スイッチング用TFT30は、好ましくは図3に示したようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査線3aの一部からなるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0098】
(画素電極パターンの変形形態)
次に、上述した実施形態で採用可能な画素電極の平面パターンについて、図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は夫々、図5に示した画素電極9aに代えて、本実施形態で採用可能な平面パターンを有する画素電極を示す。尚、図6及び図7においては、図1から図5に示したものと同様の構成要素には同様の参照符号を付し、その説明は省略する。
即ち図6に示すように、画素電極9cは、図中、下側に位置する二つの角が落とされた隅切り部403を有してもよい。
【0099】
或いは図7に示すように、画素電極9dは、図中、上側に位置する二つの角が落とされた隅切り部403を有してもよい。
【0100】
図6或いは図7に示す変形形態であっても、上述の如く交差領域にパターニング時の膜残りを少なくできるので、画素電極9a間の間隙を効率的に狭めることが可能となる。よって、その分だけ、各画素の開口領域を広げること、即ち各画素の開口率を高めることができ、この際、装置歩留まり或いは信頼性を犠牲にするもない。
【0101】
更に、例えば行毎に駆動電圧の極性をフィールド単位で反転させる1H反転駆動方式の場合、図6や図7中で、縦に相隣接する画素電極9c間或いは縦に相隣接する画素電極9d間で横電界が生じる。また例えば列毎に駆動電圧の極性をフィールド単位で反転させる1S反転駆動方式の場合、図6や図7中で、横に相隣接する画素電極9c間或いは縦に相隣接する画素電極9d間で横電界が生じる。しかも、このような横電界による液晶層50の配向不良は、各画素内の領域全体に均等に発生することは稀であり、配向膜16及び22に対するラビング方向に応じていずれかの隅にて発生しやすい。従って、このような配向不良の原因となる横電界が発生する画素電極間については、当該横電界を弱めるために、図6又は図7に示したように選択的に隅切り部403を設けるようにしてもよい。より具体的には、各画素内で、配向不良が生じる隅には、隅切りがなされるように構成するとよい。この結果、高コントラストで明るい高品位の画像表示を行える。
【0102】
尚、このような隅切り部403を設ける隅に対応させるように、前述の張り出し部401や張り出し部411を設けてもよい。或いは、隅切り部403を設けない隅にも、前述の張り出し部401や張り出し部411を設けてもよい。
【0103】
(対向基板上の遮光膜パターンの変形形態)
次に、上述した実施形態で採用可能な対向基板20上の遮光膜23の平面パターンについて、図8から図15を参照して説明する。図8から図15は夫々、実施形態において採用可能な、対向基板20側の遮光膜23の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。尚、図8から図15においては、図1から図5に示したものと同様の構成要素には同様の参照符号を付し、その説明は省略する。
上述の実施形態では、対向基板20上の遮光膜23は、格子状又はストライプ状であり、容量線300及びデータ線6aからなる上側遮光膜と比べて平面形状が一回り小さく、各画素の非開口領域を規定していない。即ち、係る上側遮光膜に対して、補助的な遮光膜であり、概ね熱対策用に設けられている。これに対し、図8から図11の変形形態では、対向基板20上の遮光膜23a〜23dは、係る上側遮光膜よりも少なくとも部分的に一回り大きく形成されており、少なくとも部分的に各画素の非開口領域を規定するように構成されている。そして、これらいずれの変形形態においても、張り出し部401に対向する領域にも遮光膜が設けられている。
【0104】
即ち図8の変形形態では、遮光膜23aは、上側遮光膜(即ち容量線300及びデータ線6a)が存在する遮光領域のうち交差領域にのみ、島状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23aを用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、交差領域付近における遮光性能を格段に高められる。また、交差領域における各画素の非開口領域を規定できる。
【0105】
図9の変形形態では、遮光膜23bは、上側遮光膜が存在する遮光領域のうち交差領域及び走査線3aに沿った領域にのみ、概ね横ストライプ状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23bを用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、交差領域付近及び走査線3aに沿った領域における遮光性能を格段に高められる。また、交差領域及び走査線3aに沿った領域における各画素の非開口領域を規定できる。
【0106】
図10の変形形態では、遮光膜23cは、上側遮光膜が存在する遮光領域のうち交差領域及びデータ線6aに沿った領域にのみ、概ね縦ストライプ状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23cを用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、交差領域付近及びデータ線6aに沿った領域における遮光性能を格段に高められる。また、交差領域及びデータ線6aに沿った領域における各画素の非開口領域を規定できる。
【0107】
図11の変形形態では、遮光膜23dは、上側遮光膜が存在する領域に、概ね格子状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23dを用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、格子状の非開口領域全体における遮光性能を格段に高められる。また、当該格子状の非開口領域を規定できる。
【0108】
以上のように図8から図11の変形形態では、対向基板20上の遮光膜23a〜23dによって、格子状の非開口領域が少なくとも部分的に規定されている。これに対し、図12から図15の変形形態では、対向基板20上の遮光膜23a’〜23d’は、係る上側遮光膜よりも一回り小さく形成されており、非開口領域を規定しないように構成されている。そして、これらいずれの変形形態においても、張り出し部401に対向する領域に、これより一回り小さい遮光膜が設けられている。
【0109】
即ち図12の変形形態では、遮光膜23a’は、上側遮光膜(即ち容量線300及びデータ線6a)が存在する遮光領域のうち交差領域にのみ、島状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23a’を用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、交差領域付近における遮光性能を格段に高められる。しかも、遮光膜23a’は、張り出し部401よりも一回り小さく形成されているので、製造時におけるTFTアレイ基板10と対向基板10との機械的な組みずれによって、遮光膜23a’が開口領域を狭める事態を有効に回避できる。
【0110】
図13の変形形態では、遮光膜23b’は、上側遮光膜が存在する遮光領域のうち交差領域及び走査線3aに沿った領域にのみ、概ね横ストライプ状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23b’を用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、交差領域付近及び走査線3aに沿った領域における遮光性能を格段に高められる。しかも、遮光膜23b’は、張り出し部401及び容量線300よりも一回り小さく形成されているので、製造時におけるTFTアレイ基板10と対向基板10との機械的な組みずれによって、遮光膜23b’が開口領域を狭める事態を有効に回避できる。
【0111】
図14の変形形態では、遮光膜23c’は、上側遮光膜が存在する遮光領域のうち交差領域及びデータ線6aに沿った領域にのみ、概ね縦ストライプ状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23c’を用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、交差領域付近及びデータ線6aに沿った領域における遮光性能を格段に高められる。しかも、遮光膜23c’は、張り出し部401及びデータ線6aよりも一回り小さく形成されているので、製造時におけるTFTアレイ基板10と対向基板10との機械的な組みずれによって、遮光膜23c’が開口領域を狭める事態を有効に回避できる。
【0112】
図15の変形形態では、遮光膜23d’は、上側遮光膜が存在する領域に、概ね格子状に対向基板20上に設けられている。このような遮光膜23d’を用いれば、画素スイッチング用TFT30に対して、格子状の非開口領域全体における遮光性能を格段に高められる。しかも、遮光膜23d’は、張り出し部401並びに容量線300及びデータ線6aよりも一回り小さく形成されているので、製造時におけるTFTアレイ基板10と対向基板10との機械的な組みずれによって、遮光膜23d’が開口領域を狭める事態を有効に回避できる。
【0113】
以上図8から図15を参照して説明したように、本実施形態では、容量線300、中継層402及び下側遮光膜11aの張り出し部や、画素電極9aの隅切り部について各種形態が採用可能であり、これらの多種多様な組み合わせが可能である。そしていずれの組み合わせを採用するかについては、実際の装置仕様に鑑み、実験的或いは経験的に最も好ましい組み合わせを決定して、これを採用すればよい。
【0114】
(電気光学装置の全体構成)
以上のように構成された各実施形態における電気光学装置の全体構成を図16及び図17を参照して説明する。尚、図16は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図17は、図16のH−H’断面図である。
【0115】
図16において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、画像表示領域10aの周辺を規定する額縁としての遮光膜53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定タイミングで供給することによりデータ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定タイミングで供給することにより走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図17に示すように、図16に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。
【0116】
尚、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0117】
以上図1から図17を参照して説明した実施形態では、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0118】
以上説明した実施形態における電気光学装置は、プロジェクタに適用されるため、3枚の電気光学装置がRGB用のライトバルブとして各々用いられ、各ライトバルブには各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、各実施形態では、対向基板20に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、画素電極9aに対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上に形成してもよい。このようにすれば、プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー電気光学装置について、各実施形態における電気光学装置を適用できる。あるいは、TFTアレイ基板10上のRGBに対向する画素電極9a下にカラーレジスト等でカラーフィルタ層を形成することも可能である。このようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、明るい電気光学装置が実現できる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー電気光学装置が実現できる。
【0119】
(電子機器の実施形態)
次に、以上詳細に説明した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに図18は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
【0120】
図18において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置100を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0121】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路である。
【図2】 実施形態の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】 図2のA−A’断面図である。
【図4】 比較例における画素電極の平面パターンを抜粋して示す部分平面図である。
【図5】 実施形態における画素電極の平面パターンを抜粋して示す部分平面図である。
【図6】 実施形態において採用可能な、画素電極の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図7】 実施形態において採用可能な、画素電極の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図8】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図9】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図10】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図11】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図12】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図13】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図14】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図15】 実施形態において採用可能な、対向基板側の遮光膜の平面パターンに係る変形形態を示す部分平面図である。
【図16】 実施形態の電気光学装置におけるTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図17】 図16のH−H’断面図である。
【図18】 本発明の電子機器の実施形態の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層
1a’…チャネル領域
1d…高濃度ソース領域
1e…高濃度ドレイン領域
3a…走査線
6a…データ線
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
11a…下側遮光膜
20…対向基板
21…対向電極
23…遮光膜
30…TFT
50…液晶層
70…蓄積容量
71…中継層
300…容量線
401、402、411…張り出し部
403…隅切り部

Claims (12)

  1. 基板上に、
    画素電極と、
    該画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタと、
    該薄膜トランジスタに画像信号を供給するデータ線と、
    前記薄膜トランジスタを構成する半導体層の少なくともチャネル領域及びその隣接領域を上側から覆うように形成された上側遮光膜と、
    前記少なくともチャネル領域及びその隣接領域を、下側から覆うように形成された下側遮光膜と、
    を備えており、
    前記上側遮光膜及び前記下側遮光膜は、前記画素電極に対応する各画素の開口領域に隅切りを規定するように張り出した張り出し部を有し、
    前記チャネル領域は、前記張り出し部の内側であって前記データ線の下側に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記画素電極は、前記隅切りに対応して角が落とされた平面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記画素電極に接続された蓄積容量を更に備えており、
    前記上側遮光膜は、前記蓄積容量を構成する固定電位側容量電極又は該固定電位側容量電極を含む容量線を兼ねることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記上側遮光膜の平面形状は、前記データ線と前記容量線が相交差して形成されてなることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
  5. 前記画素電極に接続された蓄積容量を更に備えており、
    前記蓄積容量は、前記張り出し部に対向して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  6. 前記下側遮光膜の平面形状は、前記上側遮光膜の平面形状と比べて、一回り小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記基板に電気光学物質層を介して対向配置された対向基板を更に備えており、
    前記開口領域の四隅のうち、少なくとも前記電気光学物質層における動作不良が相対的に大きい一又は複数の隅に、前記張り出し部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記基板又は前記基板に対向配置された対向基板に、前記画素電極に対向配置されたマイクロレンズを更に備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記画素電極は、第1の周期で反転駆動されるための第1の画素電極群及び該第1の周期と相補の第2の周期で反転駆動されるための第2の画素電極群を含むと共に前記第1基板上に平面配列されており、
    前記張り出し部は、前記チャネル領域の中央を基準に前記第1の画素電極群の側に位置する二隅、又は前記第2の画素電極群の側に位置する二隅に設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記開口領域の四隅に夫々、左右上下対称な張り出し部が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 平面的に見て前記張り出し部に重なる領域に、前記薄膜トランジスタのドレイン電極が配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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