JP3699222B2 - クアドラチャ合成装置およびmri装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クアドラチャ合成装置およびMRI装置に関し、さらに詳しくは、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置のクアドラチャコイル(quadrature coil)を他のRF(Radio Frequency)コイルとデカップリング(decoupling)することができるクアドラチャ合成装置およびMRI装置に関する。特に、複数のクアドラチャコイルを並べてフェイズドアレイコイル (phased array coil)を構成する場合に有用である。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のNMR(Nuclear Magnetic Resonance )信号伝送装置の一例を示す構成図である。
このNMR信号伝送装置500において、一方向に配列されたRFコイル51a,51b,…は、それぞれフェイズドアレイコイルの1チャネル分のRFコイルとして機能する。
前記RFコイル51aのコンデンサ52の一端には、当該コンデンサ52の容量との共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた共振用インダクタ53の一端を接続し、その共振用インダクタ53の他端には前記NMR信号の波長λに対し(λ/2)×n(nは0又は自然数)の長さを有する同軸ケーブル54の心線を接続し、前記コンデンサ52の他端には前記同軸ケーブル54の外部導体の一端を接続している。前記インダクタ53の他端と前記コンデンサ52の他端の間には、デカップリングダイオードDが接続されている。
前記同軸ケーブル54の心線の他端は、入力インピーダンスrを有するアンプ55の入力端子に接続している。前記アンプ55の出力信号は、MRI装置の本体の位相検波器などのMRI処理部(図示せず)へ送られる。
【0003】
他のチャネル(RFコイル51b,…)の構成は、上記第1チャネルの構成と同様である。
【0004】
図示せぬ送信コイルからRFパルスを送信するときは、誘起電圧が大きいためデカップリングダイオードDが導通状態になり、コンデンサ52とインダクタ53の並列共振が起る。これにより、前記送信コイルとRFコイル51a,…とがデカップリングされる。
【0005】
一方、NMR信号を受信するときは、誘起電圧が小さいためデカップリングダイオードDが遮断状態になる。そして、前記同軸ケーブル54の長さを半波長(λ/2)のn倍とする上記条件より、図6の点A,A’から当該同軸ケーブル54および前記アンプ55の側を見たときのインピーダンスは、前記入力インピーダンスrに等しくなる。したがって、図7に示すように、前記インダクタ53および入力インピーダンスrの直列回路を前記コンデンサ52に並列接続した等価回路が形成される。ところが、前記入力インピーダンスrは一般に2〜3Ω程度と比較的小さいため、実用上十分大きなQ値(Quality factor)で並列共振が起る。これにより、RFコイル51a,51b,…間が相互にデカップリングされる。
【0006】
図8は、従来のクアドラチャ合成装置の一例を示す構成図である。
このクアドラチャ合成装置600において、所定の並びに配列されたクアドラチャコイル1a,1b,…は、それぞれフェイズドアレイコイルの1チャネル分のRFコイルとして機能する。
前記クアドラチャコイル1aの第1コイル1a−1のコンデンサ2の両端には、適当な長さを有する同軸ケーブル63の心線および外部導体の一端を接続し、他端をクアドラチャハイブリッド(Quadrature Hybrid)6の第1入力端子に接続している。
また、前記クアドラチャコイル1aの第2コイル1a−2のコンデンサ7の両端には、適当な長さを有する同軸ケーブル64の心線および外部導体の一端を接続し、他端をクアドラチャハイブリッド6の第2入力端子に接続している。
前記クアドラチャハイブリッド6の第1出力端子には、適当な長さを有する同軸ケーブル65の心線および外部導体の一端を接続し、他端をアンプ13の入力端子に接続している。
前記クアドラチャハイブリッド6の第2出力端子は、接地抵抗Rgを介して接地されている。
第1コイル1a−1から取り出された第1信号と第2コイル1a−2から取り出された第2信号は、クアドラチャハイブリッド6で合成されてから、アンプ13で増幅される。
【0007】
他のチャネル(クアドラチャコイル1b,…)の構成も、上記第1チャネルの構成と同様である。
【0008】
なお、上記クアドラチャ合成装置600においては、送信コイルとクアドラチャコイル1a,…間のデカップリングおよびクアドラチャコイル1a,1b,…間のデカップリングについては考慮されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のクアドラチャ合成装置600では、送信コイルとクアドラチャコイル1a,…間のデカップリングおよびクアドラチャコイル1a,1b,…間のデカップリングについては考慮されていなかったため、カップリングを生じ、SNR(Signal to Noise Ratio)が低下してしまう問題点があった。
そこで、送信コイルとRFコイル51a,…間のデカップリングおよびRFコイル51a,51b,…間のデカップリングを考慮した上記従来のNMR信号伝送装置500の構成を適用することが考えられるが、この構成はRFコイル51a,…とアンプ55の間にクアドラチャハイブリッドを含まないことが前提となっているため、そのままではクアドラチャハイブリッドを含むクアドラチャ合成装置600に適用することができない問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、クアドラチャハイブリッドを含むクアドラチャ合成装置において、送信コイルとクアドラチャコイル間およびクアドラチャコイル間をデカップリングすることができる構成を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、上記クアドラチャ合成装置を用いたMRI装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、クアドラチャコイルの第1導出部および第2導出部からそれぞれ取り出した位相の異なる第1信号と第2信号とをクアドラチャハイブリッドを用いて合成してからアンプで増幅するクアドラチャ合成装置において、前記第1導出部に設けられた第1コンデンサの一端に第1端を接続し且つ当該第1コンデンサとの並列共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた第1共振用インダクタと、その第1共振用インダクタの第2端に一端を接続し且つ前記NMR信号の波長λに対して(λ/2)×n(nは0又は自然数)の長さを有する第1伝送路と、その第1伝送路の他端に第1端を接続すると共にクアドラチャハイブリッドの第1入力端子に第2端を接続し且つ第1端側インピーダンスが前記アンプの入力インピーダンスになり第2端側インピーダンスが前記クアドラチャハイブリッドの特性インピーダンスとなる第1インピーダンス変換回路と、前記第2導出部に設けられた第2コンデンサの一端に第1端を接続し且つ当該第2コンデンサとの並列共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた第2共振用インダクタと、その第2共振用インダクタの第2端に一端を接続し且つ前記NMR信号の波長λに対して(λ/2)×m(mは0又は自然数)の長さを有する第2伝送路と、その第2伝送路の他端に第1端を接続すると共にクアドラチャハイブリッドの第2入力端子に第2端を接続し且つ第1端側インピーダンスが前記アンプの入力インピーダンスになり第2端側インピーダンスが前記クアドラチャハイブリッドの特性インピーダンスとなる第2インピーダンス変換回路と、前記クアドラチャハイブリッドの第1出力端子に第1端を接続し且つ第1端側インピーダンスがクアドラチャハイブリッドの特性インピーダンスとなり第2端側インピーダンスが前記アンプの入力インピーダンスとなる第3インピーダンス変換回路と、その第3インピーダンス変換回路の第2端に一端を接続すると共に前記アンプの入力端子に他端を接続し且つ前記NMR信号の波長λに対し(λ/2)×k(kは0又は自然数)の長さを有する第3伝送路と、前記クアドラチャハイブリッドの第2出力端子を接地する接地回路とを具備したことを特徴とするクアドラチャ合成装置を提供する。
【0011】
上記第1の観点によるクアドラチャ合成装置では、第1インピーダンス変換回路の第2端から第3インピーダンス変換回路の第1端までの間がクアドラチャハイブリッドの特性インピーダンスに整合されている。また、第1伝送路の第1端から第2端までの長さが(λ/2)×nであり、第3伝送路の第1端から第2端までの長さが(λ/2)×kである。このため、第1共振用インダクタの第2端からクアドラチャハイブリッド側を見たときのインピーダンスは、アンプの入力インピーダンスと等しくなる。同様に、第2共振用インダクタの第2端からクアドラチャハイブリッド側を見たときのインピーダンスは、アンプの入力インピーダンスと等しくなる。ここで、アンプの入力インピーダンスは小さいから、実質的に、第1コンデンサと第1共振用インダクタの並列共振回路が形成される。同様に、第2コンデンサと第2共振用インダクタの並列共振回路が形成される。これらの並列共振回路は、他のRFコイルとの相互誘導に起因する誘導起電力に対して極めて高インピーダンスとなる。従って、他のRFコイルとデカップリングすることが出来る。
【0012】
第2の観点では、本発明は、クアドラチャコイルの第1導出部および第2導出部からそれぞれ取り出した位相の異なる第1信号と第2信号とをクアドラチャハイブリッドを用いて合成してからアンプで増幅するクアドラチャ合成装置において、前記第1導出部に設けられた第1コンデンサの一端に第1端を接続し且つ当該第1コンデンサとの並列共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた第1共振用インダクタと、その第1共振用インダクタの第2端からクアドラチャハイブリッド側を見たときのインピーダンスがアンプの入力インピーダンスと等しくなるように整合する第1のインピーダンス整合手段と、前記第2導出部に設けられた第2コンデンサの一端に第1端を接続し且つ当該第2コンデンサとの並列共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた第2共振用インダクタと、その第2共振用インダクタの第2端からクアドラチャハイブリッド側を見たときのインピーダンスがアンプの入力インピーダンスと等しくなるなるように整合する第2のインピーダンス整合手段とを具備したことを特徴とするクアドラチャ合成装置を提供する。
上記第2の観点の観点によるクアドラチャ合成装置では、第1のインピーダンス整合手段により、第1共振用インダクタの第2端からクアドラチャハイブリッド側を見たときのインピーダンスが、アンプの入力インピーダンスと等しくなるように整合する。同様に、第2のインピーダンス整合手段により、第2共振用インダクタの第2端からクアドラチャハイブリッド側を見たときのインピーダンスが、アンプの入力インピーダンスと等しくなるように整合する。ここで、アンプの入力インピーダンスは小さいから、実質的に、第1コンデンサと第1共振用インダクタの並列共振回路が形成される。同様に、第2コンデンサと第2共振用インダクタの並列共振回路が形成される。これらの並列共振回路は、他のRFコイルとの相互誘導に起因する誘導起電力に対して極めて高インピーダンスとなる。従って、他のRFコイルとデカップリングすることが出来る。
【0013】
第3の観点では、本発明は、上記構成のクアドラチャ合成装置と、そのクアドラチャ合成装置により合成された信号に基づいてMRI画像を生成するMRI画像生成手段と、当該MRI画像を表示するMRI画像表示手段とを具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第3の観点によるMRI装置は、上記構成のクアドラチャ合成装置を用いたものなので、上記第1の観点および第2の観点と同じ作用を奏する。従って、MRI装置におけるクアドラチャコイルを他のRFコイルと好適にデカップリングすることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す発明の実施形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態にかかるMRI装置を示す構成図である。
このMRI装置S1において、マグネットアセンブリ21は、内部に被検体を挿入するための空間部分(孔)を有し、この空間部分を取りまくようにして、被検体に一定の主磁場を印加する主磁場コイルと、勾配磁場を発生するための勾配磁場コイル(勾配磁場コイルはx軸,y軸,z軸の各コイルを備えており、これらの組み合わせによりスライス軸,位相エンコード軸,リード軸が決まる)と、被検体内の原子核のスピンを励起するRFパルスを送信する送信コイル等が配置されている。主磁場コイル,勾配磁場コイル,送信コイルは、それぞれ主磁場電源22,勾配磁場駆動回路23,RF電力増幅器24に接続されている。
計算機25は、パルスシーケンスを作成しシーケンス記憶回路26に渡す。
【0016】
シーケンス記憶回路26は、パルスシーケンスを記憶し、そのパルスシーケンスに基づいて勾配磁場駆動回路23を操作し、マグネットアセンブリ21の勾配磁場コイルから勾配磁場を発生させると共に、ゲート変調回路27を操作し、RF発振回路28の搬送波出力信号を所定タイミング・所定包絡線形状のパルス状信号に変調し、それをRFパルスとしてRF電力増幅器24に加え、RF電力増幅器24でパワー増幅した後、前記マグネットアセンブリ21の送信コイルに印加する。
【0017】
クアドラチャ合成装置100において、クアドラチャ合成回路V1は、クアドラチャコイル1a(又は1b,…)の2つの導出部からそれぞれ取り出した位相の異なるNMR信号をクアドラチャ合成し、アンプ13に入力する。一般に、クアドラチャコイルからは、90°だけ位相のずれた2つのNMR信号を取り出すことができ、それらのNMR信号をクアドラチャ合成することで、信号成分に対するノイズ成分の割合を低減できる。アンプ13は、合成された信号を増幅し、位相検波器29に入力する。なお、クアドラチャ合成装置100の構成および動作については、図2を参照して後で詳しく説明する。
【0018】
位相検波器29は、前記RF発振回路28の搬送波出力信号を参照信号とし、前記アンプ13から入力されたNMR信号を位相検波して、A/D変換器30に与える。A/D変換器30は、アナログ信号のNMR信号をディジタル信号のMRデータに変換し、計算機25に入力する。
【0019】
計算機25は、A/D変換器30からMRデータを読み込み、位相補正演算や画像再構成演算を行い、MRI画像を作成する。このMRI画像は、表示装置31にて表示される。
また、計算機25は、操作卓32から入力された情報を受け取るなどの全体的な制御を受け持つ。
【0020】
図2は、前記クアドラチャ合成装置100を示す構成図である。
このクアドラチャ合成装置100において、所定の並びに配列されたクアドラチャコイル1a,1b,…は、それぞれフェイズドアレイコイルの1チャネル分のRFコイルとして機能する。
前記クアドラチャコイル1aの第1コイル1a−1のコンデンサ2の一端には、当該コンデンサ2との共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた共振用インダクタ3の第1端を接続し、その共振用インダクタ3の第2端に前記NMR信号の波長λに対して(λ/2)×n(nは0又は自然数)の長さを有する同軸ケーブル4の心線の一端を接続し、当該同軸ケーブル4の外部導体の一端を前記コンデンサ2の他端に接続している。前記同軸ケーブル4の特性インピーダンスは、クアドラチャハイブリッド6の特性インピーダンスZo(例えば50Ω)と等しい。前記共振用インダクタ3の第2端と前記コンデンサ2の他端の間には、デカップリングダイオードDを接続している。
前記同軸ケーブル4の心線および外部導体の他端は、第1端側インピーダンスがアンプ13の入力インピーダンスrになり第2端側インピーダンスがクアドラチャハイブリッド6の特性インピーダンスZoとなるインピーダンス変換回路5の第1端に接続し、そのインピーダンス変換回路5の第2端は前記クアドラチャハイブリッド6の第1入力端子に接続している。前記インピーダンス変換回路5の第2端と前記クアドラチャハイブリッド6の第1入力端子を結ぶ伝送路の長さは任意でよい。
【0021】
また、前記クアドラチャコイル1aの第2コイル1a−2のコンデンサ7の一端には、当該コンデンサ7との共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた共振用インダクタ8の第1端を接続し、その共振用インダクタ8の第2端に前記NMR信号の波長λに対して(λ/2)×m(mは0又は自然数)の長さを有する同軸ケーブル9の心線の一端を接続し、当該同軸ケーブル9の外部導体の一端を前記コンデンサ7の他端に接続している。前記同軸ケーブル9の特性インピーダンスは、クアドラチャハイブリッド6の特性インピーダンスZoと等しい。前記共振用インダクタ8の第2端と前記コンデンサ7の他端の間には、デカップリングダイオードDが接続されている。
前記同軸ケーブル9の心線および外部導体の他端は、第1端側インピーダンスがアンプ13の入力インピーダンスrになり第2端側インピーダンスがクアドラチャハイブリッド6の特性インピーダンスZoとなるインピーダンス変換回路10の第1端に接続し、そのインピーダンス変換回路10の第2端は前記クアドラチャハイブリッド6の第2入力端子に接続している。前記インピーダンス変換回路10の第2端と前記クアドラチャハイブリッド6の第2入力端子を結ぶ伝送路の長さは任意でよい。
【0022】
前記クアドラチャハイブリッド6の第1出力端子には、第1端側インピーダンスが前記クアドラチャハイブリッド6の特性インピーダンスZoとなり第2端側インピーダンスが前記アンプ13の入力インピーダンスrとなるインピーダンス変換回路11の第1端を接続し、そのインピーダンス変換回路11の第2端に前記NMR信号の波長λに対して(λ/2)×k(kは0又は自然数)の長さを有する同軸ケーブル12の心線および外部導体の一端を接続し、当該同軸ケーブル12の他端を前記アンプ13の入力端子に接続している。なお、前記クアドラチャハイブリッド6の第1出力端子と前記インピーダンス変換回路11の第1端を結ぶ伝送路の長さは任意でよい。
前記クアドラチャハイブリッド6の第2出力端子は、接地抵抗Rg(例えば50Ω)を介して接地されている。
【0023】
第1コイル1a−1から取り出された第1信号と第2コイル1a−2から取り出された第2信号は、クアドラチャハイブリッド6で合成されてから、アンプ13で増幅される。
【0024】
他のチャネル(クアドラチャコイル1b,…)の構成も、上記第1チャネルの構成と同様である。
【0025】
図3は、前記インピーダンス変換回路5(10)の回路図である。
このインピーダンス変換回路5(10)は、インダクタ501,502の一端を第1端T1,T2とし、当該インダクタ501,502の他端間にコンデンサ503を接続し、それら他端を第2端T3,T4とした構成である。
前記インダクタ501,502のインダクタンスLmは、NMR信号の角周波数をωとするとき、
Lm=√{r×(Zo−r)}/{2×ω}
で定められる。
前記コンデンサ503の容量Cmは、
Cm=√{(Zo−r)/r}/{ω×Zo}
で定められる。
なお、前記インピーダンス変換回路11は、前記インピーダンス変換回路5(10)と同じ回路構成であるが、第1端と第2端とが逆となる。
【0026】
図4は、前記クアドラチャハイブリッド6の回路図である。
このクアドラチャハイブリッド6は、コンデンサ601,602の一端をそれぞれ第1入力端子P1および第2入力端子P2とし、当該コンデンサ601の一端とコンデンサ602の他端間にインダクタ603を接続すると共に当該コンデンサ601の他端とコンデンサ602の一端間にインダクタ604を接続し、当該コンデンサ602,601の他端をそれぞれ第1出力端子Paおよび第2出力端子Pbとした構成である。
上記の回路構成により、クアドラチャハイブリッド6は、前記第1入力端子P1に入力された信号と,前記第2入力端子P2に入力された信号の90°の位相差を解消してから両者を加算して得られるような信号を前記第1出力端子Paまたは前記第2出力端子Pbから出力することとなる(図2の例では、第1出力端子Paから出力する)。
【0027】
図2に戻り、マグネットアセンブリ21(図1参照)の送信コイルからRFパルスを送信するときは、クアドラチャコイル1a,…における誘起電圧が大きいためデカップリングダイオードDが導通状態になり、コンデンサ2とインダクタ3の並列共振およびコンデンサ7とインダクタ8の並列共振が起る。これにより、前記送信コイルとクアドラチャコイル1a,…とがデカップリングされる。
【0028】
一方、NMR信号を受信するときは、第1コイル1a−1における誘起電圧が小さいためデカップリングダイオードDが遮断状態になる。そして、第1インピーダンス変換回路5の第2端から第3インピーダンス変換回路11の第1端までの間がクアドラチャハイブリッド6の特性インピーダンスZoに整合されており、同軸ケーブル4の第1端から第2端までの長さが(λ/2)×nであり、同軸ケーブル12の第1端から第2端までの長さが(λ/2)×kであるから、図2の点A,A’からクアドラチャハイブリッド6側を見たときのインピーダンスは、アンプ13の入力インピーダンスrと等しくなる。同様に、共振用インダクタ8の第2端からクアドラチャハイブリッド6側を見たときのインピーダンスは、アンプ13の入力インピーダンスrと等しくなる。そこで、図5に示すように、前記インダクタ3および入力インピーダンスrの直列回路を前記コンデンサ2に並列接続した等価回路が形成される。ところが、前記入力インピーダンスrは一般に2〜3Ω程度と比較的小さいため、実用上十分大きなQ値で並列共振が起る。これにより、第1コイル1a−1が他のRFコイルとデカップリングされる。第2コイル1a−2についても同様である。従って、クアドラチャコイル1aが他のクアドラチャコイル1b,…とデカップリングされる。
他のクアドラチャコイル1b,…についても同様である。
【0029】
以上のMRI装置S1およびクアドラチャ合成装置100によれば、送信コイルとクアドラチャコイル1a,…間およびクアドラチャコイル1a,1b,…間をデカップリングすることが出来る。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、クアドラチャハイブリッドを含むクアドラチャ合成装置において、Q値の高いデカップリング用並列共振回路をクアドラチャコイルに形成できるようになる。このため、他のコイルとの干渉を好適に防止し、SNRを向上することが出来る。
また、本発明によれば、MRI装置において、上記クアドラチャ合成装置を用いることで、クアドラチャコイルを他のRFコイルと好適にデカップリングすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるMRI装置を示す構成図である。
【図2】図1のMRI装置におけるクアドラチャ合成装置を示す構成図である。
【図3】インピーダンス変換回路を示す回路図である。
【図4】クアドラチャハイブリッドの回路図である。
【図5】クアドラチャコイルに形成される並列共振回路を示す説明図である。
【図6】従来のNMR信号伝送装置の一例を示す構成図である。
【図7】RFコイルに形成される並列共振回路を示す説明図である。
【図8】従来のクアドラチャ合成装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
100 クアドラチャ合成装置
1a,1b クアドラチャコイル
1a−1,1b−1 第1コイル
1a−2,1b−2 第2コイル
2,7 コンデンサ
3,8 共振用インダクタ
4,9,12 同軸ケーブル
5,10,11 インピーダンス変換回路
6 クアドラチャハイブリッド
13 アンプ
25 計算機
29 位相検波器
30 A/D変換器
31 表示装置
D デカップリングダイオード
Rg 接地抵抗
S1 MRI装置
V1 クアドラチャ合成回路

Claims (2)

  1. クアドラチャコイルの第1導出部および第2導出部からそれぞれ取り出した位相の異なる第1信号と第2信号とをクアドラチャハイブリッドを用いて合成してからアンプで増幅するクアドラチャ合成装置において、
    前記第1導出部に設けられた第1コンデンサの一端に第1端を接続し且つ当該第1コンデンサとの並列共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた第1共振用インダクタと、
    その第1共振用インダクタの第2端に一端を接続し且つ前記NMR信号の波長λに対して(λ/2)×n(nは0又は自然数)の長さを有する第1伝送路と、
    その第1伝送路の他端に第1端を接続すると共にクアドラチャハイブリッドの第1入力端子に第2端を接続し且つ第1端側インピーダンスが前記アンプの入力インピーダンスになり第2端側インピーダンスが前記クアドラチャハイブリッドの特性インピーダンスとなる第1インピーダンス変換回路と、
    前記第2導出部に設けられた第2コンデンサの一端に第1端を接続し且つ当該第2コンデンサとの並列共振周波数がNMR信号の周波数に略合うようにインダクタンスを定めた第2共振用インダクタと、
    その第2共振用インダクタの第2端に一端を接続し且つ前記NMR信号の波長λに対して(λ/2)×m(mは0又は自然数)の長さを有する第2伝送路と、
    その第2伝送路の他端に第1端を接続すると共にクアドラチャハイブリッドの第2入力端子に第2端を接続し且つ第1端側インピーダンスが前記アンプの入力インピーダンスになり第2端側インピーダンスが前記クアドラチャハイブリッドの特性インピーダンスとなる第2インピーダンス変換回路と、
    前記クアドラチャハイブリッドの第1出力端子に第1端を接続し且つ第1端側インピーダンスがクアドラチャハイブリッドの特性インピーダンスとなり第2端側インピーダンスが前記アンプの入力インピーダンスとなる第3インピーダンス変換回路と、
    その第3インピーダンス変換回路の第2端に一端を接続すると共に前記アンプの入力端子に他端を接続し且つ前記NMR信号の波長λに対し(λ/2)×k(kは0又は自然数)の長さを有する第3伝送路と、
    前記クアドラチャハイブリッドの第2出力端子を接地する接地回路とを具備することを特徴とするクアドラチャ合成装置。
  2. 請求項1に記載のクアドラチャ合成装置と、そのクアドラチャ合成装置により合成された信号に基づいてMRI画像を生成するMRI画像生成手段と、当該MRI画像を表示するMRI画像表示手段とを具備したことを特徴とするMRI装置。
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