JP3699211B2 - 車両用アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や自動二輪車等の車両を制動した際に、路面状況の変化や急激な制動力にも、車体を安定した姿勢に保ちながら停止できるようにした車両用アンチロックブレーキ制御装置に係り、詳しくは、アンチロックブレーキ作動中の急昇圧時にも、増圧制御を粗くすることなしに、通常制動時には充分に応答性を確保できるようにした車両用アンチロックブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や自動二輪車等の車両に用いられるアンチロックブレーキ制御装置(以下、ABSと表記する)は、一般に、パルサーギア及び車輪速センサと、エレクトロニックコントロールユニット(=電子制御装置、以下ECUという)及び液圧ユニットとを備えている。
このうち、パルサーギアは、車輪やアクスルと一体に回転可能に、また車輪速センサは、先端の検出部をパルサーギアの歯に近接させてそれぞれ配設され、車輪速センサにてパルサーギアの回転速度を検出して、車輪速センサに車輪の回転速度に比例した周波数の信号を発生するようになっている。またECUは、車輪側センサからの信号を受けて車輪速度を演算し、この車輪速度を基にスリップ率や車輪加減速度を算出する演算部と、これらを理論的に組合わせて、ブレーキ圧力に対する制御命令を発する制御部と、各構成部品やシステム全体の機能チェックと監視を行なうモニタ部とを持っており、制御部の制御命令は液圧ユニットへ送られる。
【0003】
上述の液圧ユニットは、液圧マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に配設され、ECUからの制御命令を受けて、電磁弁やポンプ、モータ等を駆動することにより、液圧マスタシリンダから車輪ブレーキに供給される圧液を増減するようになっており、車輪ブレーキに対するブレーキ圧力を直接的に増減する還流式の液圧ユニットを用いた従来例として、特開平7−47945号公報に示されるものがある。
【0004】
この液圧ユニットは、液圧マスタシリンダと車輪ブレーキとを結ぶ主流路に入口弁を介装し、該入口弁を常開型の電磁弁となすと共に、車輪ブレーキから入口弁を迂回して入口弁の上流側主流路に還流路を接続しており、また実施例には、常開型電磁弁にオリフィスを設けて入口弁の流量面積を抑制した構成が示されており、ABS制御時に、液圧マスタシリンダからのブレーキ圧力を入口弁で適度に絞ることにより、車輪ブレーキへ供給されるブレーキ圧力が急激に増圧することがないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成にあっては、ABSを制御しない通常の制動時にも、車輪ブレーキへ供給される圧液の流量がオリフィスによって絞られることとなり、車輪ブレーキの応答に遅れを生じるという不具合がある。また、ABS制御の場合にも、路面の摩擦係数が低μから高μへ変化した場合など、車輪ブレーキに急昇圧が必要な場合に、同じく車輪ブレーキの応答に遅れを生じる。
この対策として、入口弁のオリフィス径を大きくすることが考えられるが、単純にオリフィス径を大きくしただけでは、単位時間当たりの圧液の流量が増大してしまい、オリフィスを有しない場合と同様に、増圧制御が粗いものになってしまう。
【0006】
そこで本発明は、ABS制御中には、車輪ブレーキにきめ細かな増圧制御を行ないつつ、ABS制御中に、低μ路から高μ路へ急激にμ変化した場合等や、通常制動時にあっては、車輪ブレーキを速やかに急昇圧できるようにして、車輪ブレーキの応答性を高めることのできるアンチロックブレーキ制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的に従って、液圧マスタシリンダと車輪ブレーキとを結ぶ主流路に介装される入口弁が、オリフィスを備えた常開型電磁弁であって、該入口弁を開閉制御するエレクトロニックコントロールユニットを備えると共に、前記車輪ブレーキから入口弁を迂回して入口弁の上流側主流路に還流路を接続した車両用アンチロックブレーキ制御装置において、第1の発明は、前記主流路に前記入口弁を複数個並列に配設し、アンチロックブレーキ制御時に、これら入口弁のいずれか1つまたは複数個を増圧制御するとともに、前記エレクトロニックコントロールユニットが増圧モード出力中であって、前記いずれかの入口弁が増圧制御中の場合に、当該入口弁による増圧制御が所定時間以上継続した場合には、増圧制御をする入口弁を他の入口弁に切換えて行なうことを特徴としている。
【0008】
また、第2発明は、前記主流路に前記入口弁に複数個並列に配設し、アンチロックブレーキ制御時に、これら入口弁のいずれか1つまたは複数個を増圧制御するとともに、アンチロックブレーキ制御中に、車輪のスリップ率が所定値以下の状態が所定時間以上継続した場合には、増圧制御する入口弁の個数を増加して、増圧補強することを特徴とし、第3発明は、第1,第2発明において、前記複数の入口弁のオリフィスの単位時間当たりの流量を異ならしめたものであり、第4発明は、前記主流路に前記オリフィスの単位時間当たりの流量を異ならしめた入口弁を前記主流路に複数個並列に配設し、アンチロックブレーキ制御時に、これら入口弁のいずれか1つまたは複数個を増圧制御するとともに、前記エレクトロニックコントロールユニットにより低μ路と高μ路のどちらを走行しているかを判定し、低μ路走行の場合には、前記入口弁のうち、小流量の入口弁Bの作動を出力し、高μ路走行の場合には、大流量の入口弁A作動を出力することを特徴としている。
【0009】
上記第1発明の構成によれば、ABS制御時には、入口弁のいずれか1つまたは複数個で増圧制御を行ない、その他の弁を閉じておくことにより、増圧時の流路をオリフィスによって絞ることが可能となり、液圧マスタシリンダの高液圧が低液圧の車輪ブレーキへ急激に流れ込むのを抑制する。また、通常の制動時には、全ての入口弁が開状態となるため、複数のオリフィスによって、車輪ブレーキの通常の制動に必要な入口弁の総流路面積を確保して、車輪ブレーキに充分な圧液を供給する。さらに、増圧制御をする入口弁を他の入口弁に切換えて行なうので、入口弁1個当たりの作動回数が減少して、入口弁それぞれの耐久性が向上する。
【0010】
第2発明では、ABS制御中に、低μ路から高μ路へのμ変化等によって路面のμが低下し、車輪ブレーキに急昇圧が必要な場合に、全ての入口弁を同時に増圧制御することによって、車輪ブレーキへのブレーキ圧力が充分に確保されるので、増圧時の応答性を向上させることができるようになる。また、 第3発明では、第1,第2発明において、複数の入口弁のオリフィスの口径や長さ、或いは入口弁を開閉する時間比、即ちデューティ比を変えることによって、入口弁のオリフィスの単位時間当たりの圧液の流量が変更され、これらの入口弁を切換え若しくは時間をずらせて作動することにより、車輪ブレーキに対するブレーキ圧力を様々に設定することができて、汎用性が高まる。
【0011】
さらに、第4発明によれば、単位時間当たりの流量が異なる入口弁を、低μ路と高μ路とに応じて使い分けするので、きめ細かなABS制御ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、自動二輪車に適用した一形態例を図面に基づいて説明する。図中、図1は2つの入口弁を並列に用いた自動二輪車用液圧ブレーキ装置の概略図、図2〜図5は、図1の構成に基づいてABS制御を実行した場合の説明図で、図2は、同一の入口弁を所定時間毎に交互に切換えて増圧制御を行なう場合のフローチャート、図3は図2の切換え作動によるABS制御の波形図、図4は、オリフィスの単位時間当たりの流量が異なる2つの入口弁を切換えて増圧制御を行なう場合のフローチャート、図5は、一方の入口弁による増圧制御中に、増圧補強が必要となった場合、他方の入口弁を併せて増圧制御する場合のフローチャート、図6は、図5の同時作動によるABS制御の波形図である。
【0013】
図1に示す自動二輪車用の液圧ブレーキ装置1は、前輪ブレーキ系統2と後輪ブレーキ系統3にABS4の液圧ユニット13を組込んだABS付き液圧式ブレーキでこの液圧ブレーキ装置には、ブレーキレバーやブレーキペダル等のブレーキ操作子にてそれぞれ単独に操作される前輪ブレーキ用液圧マスタシリンダ5及び後輪用液圧マスタシリンダ6と、前輪7の両側に配設される一対の前輪ディスクブレーキ9,9と、後輪8の一側部に配設される後輪ディスクブレーキ10とが設けられている。
【0014】
ABS4は、前輪7,後輪8に組合わせされるパルサーギア11及び車輪速センサ12と、前輪ブレーキ系統2及び後輪ブレーキ系統3の液圧経路に跨がって配設される液圧ユニット13と、車輪速センサ12の信号によって液圧ユニット13を制御するECU14とからなっている。
【0015】
前輪ディスクブレーキ9,9と後輪ディスクブレーキ10は、本発明でいう車輪ブレーキで、前輪7,後輪8と一体に回転するディスクロータ15と、該ディスクロータ15を跨いでアクスル軸方向へ移動可能に配設されるキャリパボディ16とからなっている。
【0016】
ABS4のパルサーギア11は、ディスクロータ15と共に前輪7または後輪8に固着され、パルサーギア11に車輪速センサ12が近接して設けられており、車輪速センサ12にてパルサーギア11の回転速度が検出される。ECU14は、前・後輪7,8の車輪速度を演算する演算部と、ブレーキ圧力に対する制御命令を発する制御部と、各構成部品やシステム全体の機能チエックと監視とを行なうモニタ部とを持っており、このECU14には、上述の車輪速センサ12のほか、後述する入口弁A,B,Cと出口弁D,E及びポンプユニット17が、それぞれ電気的に接続されている。
【0017】
各車輪速センサ12で検出されたパルサーギア11の回転速度は、ECU14の演算部に、前・後輪7,8の回転速度に比例した周波数の信号として送られ、該演算部にて前・後輪7,8の車輪速度を演算し、更にこの車輪速度を基に、スリップ率や車輪加減速度が算出される。ECU14の制御部では、演算部の信号が理論的に組合わせされ、ブレーキ圧力に対する制御命令を、入口弁A,B,Cや出口弁D,E、ポンプユニット17に発して圧液の流量を制御する。
【0018】
前輪ブレーキ系統2の液圧マスタシリンダ5とキャリパボディ16,16とは、主流路18にてつながれ、また後輪ブレーキ系統3の液圧マスタシリンダ6とキャリパボディ16とは主流路19にてつながれており、これら主流路18,19に跨がって、上述の液圧ユニット13が介装されている。液圧ユニット13は、液圧マスタシリンダ5,6から、主流路18,19を通して前輪ディスクブレーキ9,9や後輪ディスクブレーキ10に供給される圧液を、主流路18,19に配設した入口弁A,B,C及び出口弁D,Eにて直接的に増減する還流式で、この液圧ユニット13には、入口弁A,B,Cと出口弁D,E及びポンプユニット17のほか、リザーバ20a,20bが設けられる。
【0019】
前輪ブレーキ系統2の主流路18は、液圧ユニット13内の中間部が並列の分岐流路18a,18bに分岐されており、入口弁A,Bはこの分岐流路18a,18bに介装され、また入口弁Cは、液圧ユニット13内で後輪ブレーキ系統3の主流路19に介装されている。入口弁A〜Cには、オリフィスA1,B1,C1を内蔵した2ポート2位置切換え型の常開型電磁弁が用いられており、ECU14からの制御命令を受けない非通電時には、オリフィスA1,B1,C1が分岐流路18a,18bや主流路19上に位置する開状態にあり、液圧マスタシリンダ5,6から分岐流路18a,18bや主流路19の上流側へ送られた圧液を、入口弁A〜CのオリフィスA1,B1,C1でそれぞれ所定流量に絞って、ディスクブレーキ9,9,10へ供給し、また入口弁A,B,Cと平行に設けられた逆止弁21,22によって、ディスクブレーキ9,9,10側から液圧マスタシリンダ5,6側への圧液の流れを許容するようになっている。
【0020】
前輪ブレーキ系統2の入口弁A,Bを迂回した主流路18の上流側と下流側には、還流路23が接続され、後輪ブレーキ系統3の入口弁Cを迂回した主流路19の上流側と下流側には、還流路24が接続されている。還流路23,24には一対の油圧ポンプ25,26をモータ27にて駆動する上述のポンプユニット17が跨がって配設され、前輪ブレーキ系統2の還流路23には、出口弁Dと油圧ポンプ25が、また後輪ブレーキ系統3の還流路24には、出口弁Eと油圧ポンプ26がそれぞれ介装されている。
【0021】
このように構成される本形態例は、ABS制御の場合にはECU14から液圧ユニット13に制御命令が出力され、ABS制御を行なわない通常の制動では、ECU14からの制御命令は出力されない。また通常制動時には、ECU14からの制御命令を受けない非通電状態にあって、常開型電磁弁の入口弁A〜Cが開いて主流路18,19が連通し、同じく常閉型電磁弁の出口弁D,Eが閉じていて、還流路23,24の連通が遮断されている。運転者のブレーキ操作によって、前・後輪ブレーキ系統2,3の液圧マスタシリンダ5,6に発生した圧液は、主流路18,19の上流側から入口弁A〜Cに入ってオリフィスA1,B1,C1で流量を絞られ、入口弁A〜Cから主流路18,19の下流側を通って、ディスクブレーキ9,9,10の各キャリパボディ16に送られ、前・後輪7,8の制動が行なわれる。
【0022】
主流路18の分岐流路18a,18bに、2つの入口弁A,Bを並列に設けた前輪ブレーキ系統2では、ABS制御を行なわない通常の制動時に、入口弁A,B(開)、出口弁D(閉)となり、液圧マスタシリンダ5から供給される圧液は、双方の入口弁A,BのオリフィスA1,B1による総流路面積によって、前輪ディスクブレーキ9,9に供給される。例えば、入口弁A,BのそれぞれのオリフィスA1,B1の口径を、従来の1つの入口弁のオリフィスと同径に設定すると、前輪ディスクブレーキ9,9に供給される圧液の流量は従来の2倍となる。
このように、前輪ブレーキ系統2では、ABS制御を行なわない通常の制動時にもABSを持たない場合と同様に、液圧マスタシリンダ5のブレーキ圧力を前輪ディスクブレーキ9,9へ供給できるようになる。
【0023】
一方、前輪ブレーキ系統2のABS制御では、路面のμ変化に応じて、前輪ディスクブレーキ9,9に対するブレーキ圧力が、ECU14の命令で減圧・保持・増圧の3つのモードに制御される。ブレーキ圧力を減少する減圧モードでは、入口弁A,B(閉)、出口弁D(開)となり、ブレーキ圧力を所定に保持する保持モードでは、入口弁A,B(閉)、出口弁D(閉)となり、更に、ブレーキ圧力を増加する増圧モードでは、入口弁A,B(開)、出口弁D(閉)となる。
【0024】
また、ECU14から前輪ブレーキ系統2に減圧モードの命令が出力されると、入口弁A,Bが閉じて主流路18が遮断され、出口弁Dが開いて還流路23が連通し、前輪ディスクブレーキ9,9側の圧液がリザーバ20a側へ流出して、前輪ディスクブレーキ9,9へ供給されるブレーキ圧力が減少する。これと同時に、ポンプユニット17のモータ27がポンプ25を作動し、リザーバ20aのブレーキ液を液圧マスタシリンダ5側へ還流する。
【0025】
保持モードの命令では、入口弁A,Bと出口弁Dとが閉となり、ディスクブレーキ9,9,側のブレーキ圧力が保持される。また、増圧モードの命令では、出口弁Dを閉じて還流路を遮断しておき、入口弁A,Bを開閉制御して、液圧マスタシリンダ5側の高圧液を前輪ディスクブレーキ9,9側へ供給する。
【0026】
2つの入口弁A,Bを並列に用いた前輪ブレーキ系統2では、ABS制御時に、入口弁A,Bのいずれか一方を増圧制御し、他方は閉弁しておくことにより、前輪ディスクブレーキ9,9への圧液の液量を、従来と同等またはそれ以上に絞ることが可能となり、液圧マスタシリンダ5側の高圧液が、前輪ディスクブレーキ9,9側の低圧液へ急激に流れ込むのを防止するので、前輪ディスクブレーキ9,9の液圧の上昇をできるだけ緩やかで且つ滑かに抑えて、きめ細かな増圧制御を行なうことができる。
【0027】
また、ABS制御中に、低μ路から高μ路への急激なμ変化があって、前輪ディスクブレーキ9,9に急昇圧が必要な場合や、ABS4を制御しない通常の制動の場合には、双方の入口弁A,Bを開弁することにより、入口弁A,Bにおける総流路面積を大きく確保し、前輪ディスクブレーキ9,9に必要な流量の圧液を供給して、前輪ディスクブレーキ9,9の応答性を大幅に向上することができる。
【0028】
また、前輪ブレーキ系統2の入口弁A,Bに、オリフィスA1,B1の単位時間当たりの圧液の流量が同じ同一能力の常開型電磁弁を適用するほか、オリフィスA1,B1の口径や長さの異なる常開型電磁弁を用いることによって、入口弁A,BのオリフィスA1,B1の単位時間当たりの圧液の流量を変更することができる。またECU14に、入口弁A,Bを交互に切換えて作動するサブルーチンや、時間を前後させて作動するサブルーチンを入力しておくことにより、前輪ディスクブレーキ9,9に供給されるブレーキ圧力を様々に設定することができて、路面のμ変化等に細かく対応することができるようになる。
【0029】
図2及び図3に示す前輪ブレーキ系統2のABS制御は、同一形状の入口弁A,Bを所定時間毎に切換えて行なう例を示しており、
図2及び図3において、
T1=入口弁A,Bのいずれか一方による増圧制御が他方に切換わるまでの所
定時間=所定増圧制御時間(=図3の増圧制御モードa+b+c)
T2=入口弁A,Bを所定増圧制御時間T1で切換えるための条件値
T3=入口弁A,Bの増圧制御時間を算出したタイマカウント積算値
T4=メインルーチンを回って本サブルーチンに再度入るまでのループタイム
(例えば3msec)
FA=入口弁Aのフラグ
FB=入口弁Bのフラグ
P1…入口弁Aによる増圧制御開始点
P2…入口弁Aから入口弁Bへの増圧制御切換え点
であり、入口弁A,Bのタイマカウント積算値T3のリセットは、イグニッションスイッチのOFF時に行なうものとする。また、本ABS制御を説明するに当たり、図1の構成を適宜参酌する。
【0030】
図2のフローチャートにおいて、ステップS1では、ABS4が制御中であるかを判定し、ABS制御中であれば、ステップS2で制御モードが増圧モードにあるかを判定し、増圧モード出力中であれば、ステップS3に移行する。また、ステップS1でABS制御中にない場合や、ステップS2でABS制御が増圧モードにない場合には、そのままルーチンを終了する。
【0031】
ステップS3では、現在入口弁Bで制御中かを確認するために、入口弁BのフラグFBが1かを判定し、フラグFBが0の場合にはステップS4に移行し、フラグFBが1の場合にはステップS10に移行する。また、イグニッションスイッチをONした後の最初の増圧制御は、このステップS3によって、一方の入口弁Aが優先して作動するようになっている。
【0032】
ステップS4では、入口弁Aのタイマカウント積算値T3から入口弁Bのタイマカウント積算値T3を引いた値を、入口弁A,Bの切換え条件T2と比較する。ここで、入口弁A,Bのタイマカウント積算値T3の差が切換え条件T2よりも小さい場合には、ステップS5に移行して入口弁Aの増圧制御の開始を命令し、更にステップS6で入口弁AのフラグFA=0であれば、ステップS7でフラグFA=1にして、ステップS8で入口弁BのフラグFB=0にしたのち、ステップS9へ入り、またステップS6で入口弁AのフラグFA=1であれば、そのままステップS9へ移行する。ステップS9では、入口弁Aのタイマカウント積算値T3に、入口弁AのループタイムT4,例えば3msecを1回分加算して、本ルーチンを終了する。
【0033】
一方、入口弁BのフラグFBが1で、ステップS10に移行した場合には、入口弁Bのタイマカウント積算値T3から入口弁Aのタイマカウント積算値T3を引いた値を、入口弁A,Bの切換え条件T2と比較し、入口弁A,Bのタイマカウント積算値T3の差が切換え条件T2よりも小さい場合には、入口弁Aの場合と同様に、入口弁Bの増圧制御をステップS11〜S15で行なって、本ルーチンを終了する。一方、ステップS10での入口弁A,Bのタイマカウント積算値T3の差が切換え条件T2以上の場合には、入口弁Bによる増圧制御を所定増圧制御時間T1行なったとして、増圧制御を入口弁Aに切換え、ステップS5より入口弁Aの制御に入る。
【0034】
また、前記ステップS4で、入口弁A,Bのタイマカウント積算値T2の差が切換え条件T2以上の場合には、入口弁Aによる増圧制御を所定増圧制御時間T1行なったとして、増圧制御を入口弁Bに切換え、ステップS11より入口弁Bの制御に入る。
【0035】
ステップS4において、イグニッションスイッチをONした後に入口弁Aによっ行なわれる最初の増圧制御では、入口弁A,Bのタイマカウント積算値T3の初期値が共に0であるため、ステップS4の切換え条件T2を例えば5secとした場合に、切換え条件T2と同じ5secの所定増圧制御時間T1で、入口弁Aから他方の入口弁Bへ切換えられる。
【0036】
また、ステップS4の入口弁Aによる最初の増圧制御が、他方の入口弁Bへ一旦切換えされた後の所定増圧制御時間T1は、切換え直後の入口弁A,Bのタイマカウント積算値の差が−T1,即ち−5secであるため、増圧制御中の一方から他方へ切換えに要する切換え条件T2,即ち5secを満たすためには、
2回目の切換え以降の所定増圧制御時間T1=T2−(−T2)=2×T2
で、10secとなる。
【0037】
図3の波形図は、2回目の切換え以降の増圧制御を示しており、点P1の増圧モード開始によって、入口弁Aによる増圧制御の作動が開始され、該入口弁Aによる増圧制御の繰返しが、a+b+cで、2回目の切換え以降の所定増圧制御時間T1=10secとなった場合に、点P2において、入口弁Bによる増圧制御に切換えられる。
図2のフローチャートと図3の波形図に基づく上述のABS制御によれば、同一能力の入口弁A,Bを所定時間毎に交互に切換えて用いるので、入口弁A,Bの作動時間が1つの場合の半分となり、作動時間の減少によって耐久性と信頼性を高めることができる。
【0038】
図4のフローチャートに示す前輪ブレーキ系統2のABS制御は、入口弁A,BのオリフィスA1,B1の口径や長さを変えて、入口弁AのオリフィスA1を流れる単位時間当たりの圧液の流量を、入口弁BのオリフィスB1のそれよりも大きく設定し、これら入口弁A,Bを路面のμ変化に応じて切換えるようにしている。
【0039】
まず、ステップS1では、車輪速センサ12から送られる回転速度に基づいて、ECU14が走行路面のμの判定を継続しており、ステップS2でABSが制御中であるかを判定し、ABS制御中であれば、ステップS3に入って増圧モードが出力中であるかを判定し、増圧モード出力中であれば、ステップS4に移行する。また、ステップS2でABS制御中にない場合や、ステップS3でABS制御が保持モードや減圧モードにある場合には、そのままルーチンを終了する。
【0040】
ステップS4では、現在低μ路と高μ路のどちらを走行しているかを判定し、低μ路走行の場合にはステップS5に入って、小流量の入口弁Bの作動を出力し、また高μ路走行の場合にはステップS6に入って、大流量の入口弁A作動を出力して、サブルーチンを終了する。
【0041】
図4のフローチャートに基づく上述のABS制御によれば、オリフィスA1,B1の単位時間当たりの流量を異ならせた入口弁A,Bを、低μ路と高μ路に応じて使い分けするので、このような使い分けができなかった従来に較べて、きめ細かなABS制御を行なうことができるようになる。また、オリフィスA1,B1の流量が異なる入口弁A,Bに、デューティ比を組合わせることもでき、このような組合わせによって、一層きめ細かなABS制御が行なえるようになるほか、入口弁A,BのオリフィスA1,B1の単位時間当たりの流量を同じに設定することにより、図2及び図3で例示したABS制御と同様に、入口弁A,Bを所定時間毎に交互に作動させることも可能である。
【0042】
図5のフローチャートと、図6の波形図による前輪ブレーキ系統2のABS制御は、入口弁A,Bのいずれか一方による増圧制御中に、走行中の路面が低μから高μに変化して、前輪ディスクブレーキ9,9に対する増圧補強を必要とした場合に、他方の入口弁を併せて増圧制御する場合を示している。
【0043】
図5及び図6において、
λ1=所定時間T1のカウントを開始するための所定スリップ率
(制動に好適な目標スリップ率を8〜20%の範囲とした場合に、例えば、λ1=5%)
λ2=入口弁Bが同時作動を終える所定スリップ率(所定スリップ率λ1にヒステリシスを見込んだ例えば、λ2=8%)
T5=前輪ディスクブレーキ9,9のスリップ率が、所定スリップ率λ1を越えて、双方の入口弁A,Bを同時作動するまでの所定時間(例えば、T5=100msec)
P3=低μ路から高μ路へ変化する点
P4=前輪7のスリップ率が、所定スリップ率λ1の例えば5%に低下した点
P5=他方の入口弁Bが同時作動する点
P6=他方の入口弁Bが作動を停止する点
である。
【0044】
図5のフローチャートにおいて、ステップS1では、ABS4が制御中であるかを判定し、ABS制御中であれば、ステップS2で制御モードが増圧モードにあるかを判定し、増圧モード出力中であれば、次のステップS3に移行する。ステップS3では、入口弁A,Bの双方が増圧制御中であるかを判定し、いずれか一方のみが増圧制御中の場合には、ステップS4に入って、車輪速センサ12から送られるパルサーギア11の回転情報を基に、ECU14で演算された前輪7のスリップ率を、所定スリップ率λ1と比較し、前輪7のスリップ率が、所定スリップ率λ1の例えば5%以下の場合には、そのまま次のステップS5に移行する。
【0045】
ステップS5では、増圧制御中の入口弁AまたはBのフラグFが1であるかを判定し、フラグF=1であれば次のステップS6に入り、またフラグFA=0であれば、ステップS7に入ってカウントタイマをONし、更にステップS8でフラグF=1としたのち、ステップS6へ移行する。ステップS6では、作動していない入口弁A,Bの他方を増圧制御するために、タイムカウント値がECU14に設定された所定時間T5に達しているかを判定し、タイムカウント値が所定時間T5の例えば、100msecに達している場合には、ステップS9で入口弁A,Bの同時作動を開始し、ステップS10に移行する。
【0046】
また、ステップS1でABS制御中にない場合や、ステップS2でABS制御が減圧または保持モードの場合、或いはステップS4で、前輪ディスクブレーキ9,9のスリップ率が所定スリップ率λ1の5%より大きい場合には、それぞれステップS11に入ってカウントタイマをOFFし、更にステップS12でフラグFを0にして、本ルーチンを終了する。一方、ステップS3で、入口弁A,Bが既に同時作動している場合には、ステップS10へ移行し、またステップS6で、タイムカウント値が所定時間T5の100msecに達していない場合には、ルーチンを終了する。
【0047】
ステップS10では、前輪7のスリップ率と、所定スリップ率λ2とを比較し、前輪7のスリップ率が、所定スリップ率λ2の例えば8%未満の場合には、ルーチンを終了する。また、ステップS10で、前輪7のスリップ率が、所定スリップ率λ2の8%以上の場合にはステップS13に入り、入口弁A,Bのいずれか一方のみの作動に切換えたのち、ステップS11,S12でカウントタイマをOFFし、ステップS12でフラグFを0にして、ルーチンを終了する。
【0048】
図6に示すABS制御の波形図では、低μ路において、制御モードが増圧・保持・減圧を繰返し、増圧モードにおいて一方の入口弁Aが増圧制御を行なっており、前輪7は、好適なスリップ率とされる8〜20%の間に設定される目標スリップ率近傍に制御された車輪速度で減速している。
【0049】
そして、図6の点P3で低μ路から高μ路へ入って、路面のμが急激に増大するいわゆるμジャンプが発生すると、前輪7のスリップ率が目標スリップ率以下に低下して、車輪速度が車体速度に近づき、前輪7のスリップ率が所定スリップ率λ1の5%まで低下した点P4から、所定時間T5のカウントが開始される。
【0050】
上述のようにして、前輪7のスリップ率が5%以下の状態が、所定時間T5の100msec継続すると、点P5において他方の入口弁Bが励磁され、入口弁Aと共に入口弁Bが同時作動する。このようにして、前輪ディスクブレーキ9,9には、入口弁A,Bを通して高圧液が増圧補強され、前輪7のスリップ率が高くなり、前輪7のスリップ率が、所定スリップ率λ2の8%となった点P6において、入口弁Bの増圧制御を停止し、以降は入口弁Aのみの増圧制御となる。
【0051】
図5のフローチャートと図6の波形図に基づく上述のABS制御によれば、走行路面が低μ路から高μ路へ急激に変化して、前輪ディスクブレーキ9,9に急昇圧が必要な場合に、双方の入口弁A,Bを同時作動することにより、前輪ディスクブレーキ9,9に充分な流量の圧液を確保することができるので、増圧時の応答性を向上させることが可能となり、精度に優れたABS制御を行なうことができる。
【0052】
尚、上述の形態例では、入口弁に、2ポート2位置切換え型の常開型電磁弁を用いて、出口弁と組合わせすることにより、制御モードを増圧・保持・減圧に切換えるようにしたが、入口弁に、3位置切換え型の常開型電磁弁を用いると、出口弁との組合わせを省くことができる。また、本発明に用いるオリフィス付きの入口弁は、主流路に3個以上の複数個を並列で設けてもよく、これら複数個の入口弁において、オリフィスの流量を任意に設定することにより、一層汎用性を高めることができる。また本発明は、自動二輪車の前輪ディスクブレーキ以外に、同じく自動二輪車の後輪ブレーキや自動車のブレーキにも適用が可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、第1発明によれば、オリフィスを備えた複数の入口弁を主流路に複数個並列に配設し、アンチロックブレーキ制御時に、これら入口弁のいずれか1つまたは複数個を増圧制御させ、他の入口弁は閉弁しておくことにより、車輪ブレーキへの液量を、従来と同等またはそれ以上に絞ることが可能となり、液圧マスタシリンダ側の高圧液が、車輪ブレーキ側の低圧液へ急激に流れ込むのを防止するので、車輪ブレーキの液圧の上昇をできるだけ緩やかで且つ滑かに抑えて、きめ細かな増圧制御が行なうことができる。また、アンチロックブレーキ制御中に、低μ路から高μ路へ急激にμ変化した場合等や、通常の制動時には、車輪ブレーキに急昇圧が必要な場合に、全ての入口弁を開弁することにより、入口弁での総流路面積を大きく確保し、車輪ブレーキに必要な流量の圧液を供給して、車輪ブレーキの応答性を大幅に向上することができる。さらに、エレクトロニックコントロールユニットが増圧モード出力中であって、複数の入口弁のうちのいずれかが増圧制御中の場合に、当該入口弁による増圧制御が所定時間以上継続した場合には、増圧制御をする入口弁を他の入口弁に切換えて行なうことにより、入口弁1個当たりの作動回数が減少して、アンチロックブレーキ制御装置の耐久性と信頼性を高めることができる。
【0054】
また、第2発明では、アンチロックブレーキ制御中に、車輪のスリップ率が所定値以下の状態が所定時間以上継続した場合には、増圧制御をする入口弁の個数を増加して増圧補強するので、路面の急激なμ変化等で路面のスリップ率が低下して、車輪ブレーキに急昇圧が必要な場合にも、低下したスリップ率を増加した入口弁の増圧制御によって目標値へ速やかに高めることができ、車輪ブレーキに対するブレーキ圧力を充分に確保して、増圧時における車輪ブレーキの応答性を向上することができるようになり、精度の高いアンチロックフレーキ制御が可能となる。さらに、これらの発明は、複数の入口弁のオリフィスの単位時間当たりの流量が異ならしめることによって、これら複数の入口弁を切換え若しくは時間をずらせて作動することにより、車輪ブレーキに対するブレーキ圧力を様々に設定することができて、汎用性を高めることができる。
【0055】
さらに、第4発明では、単位時間当たりの流量が異なる入口弁を、低μ路と高μ路とに応じて使い分けするので、きめ細かなABS制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例を示す自動二輪車用液圧ブレーキ装置の概略図
【図2】本発明の一形態例による同一の入口弁を所定時間毎に交互に切換えて増圧制御を行なう場合のフローチャート
【図3】図2の切換え作動によるABS制御の波形図
【図4】本発明の一形態例によるオリフィスの単位時間当たりの流量が異なる2つの入口弁を切換えて増圧制御を行なう場合のフローチャート
【図5】本発明の一形態例による一方の入口弁による増圧制御中に、増圧補強が必要となった場合、他方の入口弁を併せて増圧制御する場合のフローチャート
【図6】図5の同時作動によるABS制御の波形図
【符号の説明】
1…自動二輪車用の液圧ブレーキ装置
2…前輪ブレーキ系統
3…後輪ブレーキ系統
4…アンチロックブレーキ制御装置(=ABS)
5,6…液圧マスタシリンダ
7…前輪
8…後輪
9…前輪ディスクブレーキ
10…後輪ディスクブレーキ
11…パルサーギア
12…車輪速センサ
13…液圧ユニット
14…エレクトロニックコントロールユニット(=電子制御装置=ECU)
15…ディスクロータ
16…キャリパボディ
18,19…主流路
18a,18b…主流路18の分岐流路
23,24……還流路
A,B,C…入口弁
A1,B1,C1…入口弁A,B,Cのオリフィス
D,E…出口弁
T1…所定増圧制御時間
T2…入口弁A,Bを所定増圧制御時間T1で切換えるための条件値
T3…タイマカウント積算値
T4…ループタイム
T5…所定時間
F…フラグ
FA…入口弁Aのフラグ
FB…入口弁Bのフラグ
P1…入口弁Aによる増圧制御開始点
P2…入口弁Aから入口弁Bへの増圧制御切換え点
P3…路面が低μ路から高μ路へ変化する点
P4…前輪7のスリップ率が所定スリップ率λ1となる点
P5…他方の入口弁Bが同時作動する点
P6…他方の入口弁Bが増圧制御を停止する点
λ1,λ2…所定スリップ率
Claims (4)
- 液圧マスタシリンダと車輪ブレーキとを結ぶ主流路に介装される入口弁が、オリフィスを備えた常開型電磁弁であって、該入口弁を開閉制御するエレクトロニックコントロールユニットを備えると共に、前記車輪ブレーキから入口弁を迂回して入口弁の上流側主流路に還流路を接続した車両用アンチロックブレーキ制御装置において、
前記主流路に前記入口弁を複数個並列に配設し、
アンチロックブレーキ制御時に、これら入口弁のいずれか1つまたは複数個を増圧制御するとともに、
前記エレクトロニックコントロールユニットが増圧モード出力中であって、前記いずれかの入口弁が増圧制御中の場合に、当該入口弁による増圧制御が所定時間以上継続した場合には、増圧制御をする入口弁を他の入口弁に切換えて行なうことを特徴とする車両用アンチロックブレーキ制御装置。 - 液圧マスタシリンダと車輪ブレーキとを結ぶ主流路に介装される入口弁が、オリフィスを備えた常開型電磁弁であって、該入口弁を開閉制御するエレクトロニックコントロールユニットを備えると共に、前記車輪ブレーキから入口弁を迂回して入口弁の上流側主流路に還流路を接続した車両用アンチロックブレーキ制御装置において、
前記主流路に前記入口弁に複数個並列に配設し、
アンチロックブレーキ制御時に、これら入口弁のいずれか1つまたは複数個を増圧制御するとともに、
アンチロックブレーキ制御中に、車輪のスリップ率が所定値以下の状態が所定時間以上継続した場合には、増圧制御する入口弁の個数を増加して、増圧補強することを特徴とする車両用アンチロックブレーキ制御装置。 - 前記複数の入口弁のオリフィスの単位時間当たりの流量を異ならしめたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用アンチロックブレーキ制御装置。
- 液圧マスタシリンダと車輪ブレーキとを結ぶ主流路に介装される入口弁が、オリフィスを備えた常開型電磁弁であって、該入口弁を開閉制御するエレクトロニックコントロールユニットを備えると共に、前記車輪ブレーキから入口弁を迂回して入口弁の上流側主流路に還流路を接続した車両用アンチロックブレーキ制御装置において、
前記主流路に前記オリフィスの単位時間当たりの流量を異ならしめた入口弁を前記主流路に複数個並列に配設し、
アンチロックブレーキ制御時に、これら入口弁のいずれか1つまたは複数個を増圧制御するとともに、
前記エレクトロニックコントロールユニットにより低μ路と高μ路のどちらを走行しているかを判定し、低μ路走行の場合には、前記入口弁のうち、小流量の入口弁Bの作動を出力し、高μ路走行の場合には、大流量の入口弁A作動を出力することを特徴とする車両用アンチロックブレーキ制御装置。
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