JP3698382B2 - 電子放出素子及びこれを用いた表示装置 - Google Patents

電子放出素子及びこれを用いた表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子放出素子及びこれを用いた電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から電界電子放出表示装置のFED(field emission display)が、陰極の加熱を必要としない冷陰極の電子放出源のアレイを備えた平面形発光ディスプレイとして知られている。例えば、spindt型冷陰極を用いたFEDの発光原理は、冷陰極アレイが異なるもののCRT(cathode ray tube)と同様に、陰極から離間したゲート電極により電子を真空中に引出し、透明陽極に塗布された蛍光体に衝突させて、発光させるものである。
【0003】
しかしながら、この電界放出源は、微細なspindt型冷陰極の製造工程が複雑で、その工程数が多いので、製造歩留まりが低いといった問題がある。
また、面電子源として金属-絶縁-金属(MIM)構造の電子放出素子もある。MIM構造の電子放出素子には、基板上に下部Al層、膜厚10nm程度のAl2O3絶縁体層、膜厚10nm程度の上部Au層を順に形成した構造のものがある。これを真空中で対向電極の下に配置して下部Al層と上部Au層の間に電圧を印加するとともに対向電極に加速電圧を印加すると、電子の一部が上部Au層を飛び出し対向電極に達する。しかしながら、この素子を表示装置として使用するにはまだ放出電子量が不足している。これを改善するために、従来のAl2O3絶縁体層のさらなる数nm程度膜厚への薄膜化や、極薄膜のAl2O3絶縁体層の膜質及びAl2O3絶縁体層と上部Au層の界面を、より均一化することが必要であると考えられている。
【0004】
例えば、絶縁体層のさらなる薄膜化及び均一化のために陽極酸化法を用いて、化成電流を制御することにより電子放出特性を向上させる試みがなされている(特開平7-65710号公報)。
しかしながら、MIM構造の電子放出素子でも、まだ放出電流は1x10-6A/cm2程度で、放出電流比は1x10-3程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、電子放出効率の高い電子放出素子及びこれを用いた電子放出表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子放出素子は、金属又は半導体からなる電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成され真空空間に面する金属薄膜電極からなり、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出する電子放出素子であって、前記絶縁体層は誘電体からなり50nm以上の膜厚を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の電子放出素子は、絶縁体層は厚い膜厚を有するので、スルーホールが発生しにくく製造歩留まりが向上する。素子の放出電流は1x10-6A/cm2を越え1x10-3A/cm2程度であり、放出電流比は1x10-1が得られるので、表示素子とした場合、高輝度が得られ、駆動電流の消費及び発熱を抑制でき、さらに駆動回路への負担を低減できる。
【0008】
さらに、本発明の電子放出素子は、画素バルブの発光源、電子顕微鏡の電子放出源、真空マイクロエレクトロニクス素子などの高速素子に応用でき、さらに面状又は点状の電子放出ダイオードとして、赤外線又は可視光又は紫外線の電磁波を放出する発光ダイオード又はレーザダイオードとして動作可能である。
また、本発明の電子放出表示装置は、真空空間を挾み対向する一対の第1及び第2基板と、前記第1基板内面に設けられた複数の電子放出素子と、前記第2基板内面に設けられたコレクタ電極と、前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層と、からなる電子放出表示装置であって、前記電子放出素子の各々は、前記第1基板側に形成された金属又は半導体からなる電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極からなり、前記絶縁体層は、50nm以上の膜厚を有する誘電体からなることを特徴とする。
【0009】
またさらに、本発明の電子放出表示装置は、真空空間を挾み対向する一対の素子基板及び透明基板と、
前記素子基板に設けられそれぞれ平行に伸長する複数のオーミック電極と、
各々が前記オーミック電極上に形成された金属又は半導体からなる電子供給層、前記電子供給層上に形成された50nm以上の膜厚を有する誘電体の絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極からなる複数の電子放出素子と、
隣接する前記金属薄膜電極を電気的に接続しその一部上に、前記オーミック電極に垂直に伸長して架設され、それぞれが平行に伸長する複数のバス電極と、
前記透明基板に設けられそれぞれ平行に伸長しかつ前記金属薄膜電極からの放出電子を捕獲する複数のコレクタ電極と、前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層からなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、電子放出素子は、オーミック電極11を備えた基板10上に順に形成された、金属又は半導体からなる電子供給層12、絶縁体層13及び真空空間に面する金属薄膜電極15からなり、電子供給層及び金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出する電子放出素子である。絶縁体層13は誘電体からなり50nm以上の極めて厚い膜厚を有するものである。電子放出素子は、表面の薄膜電極を正電位Vdにし裏面オーミック電極を接地電位としたダイオードである。オーミック電極11と薄膜電極15との間に電圧Vdを印加し電子供給層12に電子を注入すると、ダイオード電流Idが流れ、絶縁体層13は高抵抗であるので、印加電界の大部分は絶縁体層にかかる。電子は、金属薄膜電極15側に向けて絶縁体層13内を移動する。金属薄膜電極付近に達した電子は、そこで強電界により一部は金属薄膜電極をトンネルし、外部の真空中に放出される。このトンネル効果によって薄膜電極15から放出された電子e(放出電流Ie)は、対向したコレクタ電極(透明電極)2に印加された高電圧Vcによって加速され、コレクタ電極に集められる。コレクタ電極に蛍光体が塗布されていれば対応する可視光を発光させる。
【0011】
電子放出素子の電子供給層の材料としてはSiが特に有効であるが、ゲルマニウム(Ge)、炭化シリコン(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、セレン化カドミウム(CdSe)など、IV族、III−V族、II−VI族などの単体半導体及び化合物半導体が、用いられ得る。
又は、電子供給層の材料としてAl, Au, Ag, Cuなどの金属でも有効であるが、Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Zn, Ga, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Cd, Ln, Sn, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Tl, Pb, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luも用いられ得る。
【0012】
絶縁体層の誘電体材料としては酸化珪素SiOx(xは原子比を示す)が特に有効であるが、 LiOx, LiNx, NaOx, KOx, RbOx, CsOx, BeOx, MgOx, MgNx, CaOx, CaNx, SrOx, BaOx, ScOx, YOx, YNx, LaOx, LaNx, CeOx, PrOx, NdOx, SmOx, EuOx, GdOx, TbOx, DyOx, HoOx, ErOx, TmOx, YbOx, LuOx, TiOx, TiNx, ZrOx, ZrNx, HfOx, HfNx, ThOx, VOx, VNx, NbOx, TaOx, TaNx, CrOx, CrNx, MoOx, MoNx, WOx, WNx, MnOx, ReOx, FeOx, FeNx, RuOx, OsOx, CoOx, RhOx, IrOx, NiOx, PdOx, PtOx, CuOx, CuNx, AgOx, AuOx, ZnOx, CdOx, HgOx, BOx, BNx, AlOx, AlNx, GaOx, GaNx, InOx, TiOx, TiNx, SiNx, GeOx, SnOx, PbOx, POx, PNx, AsOx, SbOx, SeOx, TeOxなどの金属酸化物又は金属窒化物でも、 LiAlO2, Li2SiO3, Li2TiO3, Na2Al22O34, NaFeO2, Na4SiO4, K2SiO3, K2TiO3, K2WO4, Rb2CrO4, Cs2CrO4, MgAl2O4, MgFe2O4, MgTiO3, CaTiO3, CaWO4, CaZrO3, SrFe12O19, SrTiO3, SrZrO3, BaAl2O4, BaFe12O19, BaTiO3, Y3Al5O12, Y3Fe5O12, LaFeO3, La3Fe5O12, La2Ti2O7, CeSnO4, CeTiO4, Sm3Fe5O12, EuFeO3, Eu3Fe5O12, GdFeO3, Gd3Fe5O12, DyFeO3, Dy3Fe5O12, HoFeO3, Ho3Fe5O12, ErFeO3, Er3Fe5O12, Tm3Fe5O12, LuFeO3, Lu3Fe5O12, NiTiO3, Al2TiO3, FeTiO3, BaZrO3, LiZrO3, MgZrO3, HfTiO4, NH4VO3, AgVO3, LiVO3, BaNb2O6, NaNbO3, SrNb2O6, KTaO3, NaTaO3, SrTa2O6, CuCr2O4, Ag2CrO4, BaCrO4, K2MoO4, Na2MoO4, NiMoO4, BaWO4, Na2WO4, SrWO4, MnCr2O4, MnFe2O4, MnTiO3, MnWO4, CoFe2O4, ZnFe2O4,FeWO4, CoMoO4, CoTiO3, CoWO4, NiFe2O4, NiWO4, CuFe2O4, CuMoO4, CuTiO3, CuWO4, Ag2MoO4, Ag2WO4, ZnAl2O4, ZnMoO4, ZnWO4, CdSnO3, CdTiO3, CdMoO4, CdWO4, NaAlO2, MgAl2O4,SrAl2O4, Gd3Ga5O12, InFeO3, MgIn2O4, Al2TiO5, FeTiO3, MgTiO3, NaSiO3, CaSiO3,ZrSiO4, K2GeO3,Li2GeO3, Na2GeO3, Bi2Sn3O9, MgSnO3, SrSnO3, PbSiO3, PbMoO4, PbTiO3, SnO2-Sb2O3, CuSeO4, Na2SeO3, ZnSeO3, K2TeO3, K2TeO4, Na2TeO3, Na2TeO4などの金属複合酸化物でも、
FeS, Al2S3, MgS, ZnSなどの硫化物、
LiF, MgF2, SmF3などのフッ化物、
HgCl, FeCl2, CrCl3などの塩化物、
AgBr, CuBr, MnBr2などの臭化物、
PbI2, CuI, FeI2などのヨウ化物、
又は、SiAlONなどの金属酸化窒化物でも有効である。
さらに、絶縁体層の誘電体材料としてダイヤモンド,フラーレン(C2n)などの炭素、或いは、Al4C3,B4C,CaC2,Cr3C2,Mo2C,MoC,NbC,SiC,TaC,TiC,VC,W2C,WC,ZrCなどの金属炭化物も有効である。なお、フラーレン(C2n)は炭素原子だけからなりC60に代表される球面篭状分子でC32〜C960などがあり、また、上式中、Ox,Nxのxは原子比を表す。以下、同じ。
【0013】
電子放出側の金属薄膜電極材料としてはPt, Au, W, Ru, Irなどの金属が有効であるが、Al, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Rh, Pd, Ag, Cd, Ln, Sn, Ta, Re, Os, Tl, Pb, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luも用いられ得る。
素子基板10の材質はガラスの他に、Al23,Si34、BN等のセラミックスでも良い。
【0014】
またこれらの製法としては、スパッタリング法が特に有効であるが、真空蒸着法、CVD(chemical vapor deposition)法、レーザアブレイション法、MBE(molecular beam epitaxy)法、イオンビームスパッタリング法でも有効である。
(実施例)
具体的に、電子放出素子を作製し特性を調べた。
【0015】
Alオーミック電極をスパッタリング法により膜厚300nmで形成したガラス基板の電極表面に、シリコン(Si)の電子供給層をスパッタリング法により膜厚5000nmで形成した。かかるSi基板を多数用意した。
次に、スパッタリング法により、かかるSi基板の電子供給層上に膜厚を0〜500nmに変化させてSiO2の絶縁体層を成膜し、かかるSiO2絶縁体基板を多数用意した。SiO2絶縁体層は、スパッタリング法を通して、Ar,Kr,Xeあるいはそれらの混合ガス、又はこれらの希ガスを主成分としO2,N2、H2などを混入した混合ガスを用いてガス圧0.1〜100mTorr好ましくは0.1〜20mTorr、成膜レート0.1〜1000nm/min好ましくは0.5〜100nm/minのスパッタ条件で成膜されている。スパッタリング装置のターゲットやスパッタ条件を適宜変えることにより、絶縁体層の単層又は多層、アモルファス又は結晶相、粒径、原子比は制御され得る。
【0016】
実施例のSiO2絶縁体層について、X線回折法で分析したところ結晶部分の回折強度Icとアモルファス相によるハロー強度Iaとが観測された。このことから絶縁体層のSiO2は多結晶相及び/又はアモルファス相であると推定できる。
最後に、各基板の多結晶又はアモルファスSiO2層の表面上にPt薄膜電極を膜厚10nmでスパッタ成膜し、素子基板を多数作成した。
【0017】
一方、透明ガラス基板の内面にITOコレクタ電極が形成されたものや、各コレクタ電極上に、R,G,Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層を常法により形成した透明基板を作成した。
これら素子基板及び透明基板を、薄膜電極及びコレクタ電極が向かい合うように平行に10mm離間してスペーサにより保持し、間隙を10-7Torr又は10-5Paの真空になし、電子放出素子を組立て、作製した。
【0018】
その後、多数の得られた素子について各SiO2層膜厚に対応したダイオード電流Id及び放出電流Ieを測定した。
図2並びに図3は、作製した電子放出素子にVdを0〜200Vで印加したときのSiO2層膜厚に対する、放出電流Ieの関係並びに電子放出効率(Ie/Id)の関係を示す。図2並びに図3から明らかなように、膜厚50nmから飽和するが、SiO2層膜厚300〜400nmの素子で最大放出電流1x10-3A/cm2、最大電子放出効率1x10-1程度が得られた。
【0019】
この結果より、200V以下の電界を加えることにより、1x10-6A/cm2以上の放出電流、1x10-3以上の電子放出効率が、膜厚50nm以上好ましくは、100〜400nmのSiO2誘電体層を有する素子から得られることが判明した。
また、蛍光体を塗布したコレクタ電極及び薄膜電極の間に約4kVの電圧を印加した状態では、SiO2層膜厚50nm以上の素子で薄膜電極に対応する形の均一な蛍光パターンが観測された。このことは、多結晶又はアモルファスSiO2層からの電子放出が均一であり、直線性の高いことを示し、電子放出ダイオードとして、赤外線又は可視光又は紫外線の電磁波を放出する発光ダイオード又はレーザダイオードとして動作可能であることを示している。
【0020】
スパッタリングで成膜した絶縁体層の表面をSEMで観察したところ、CVDで成膜したものと比べ20nm程度の粒塊からなることを特徴としていることが判った。50nm以上の膜厚を有しながらトンネル電流が流れるといった特異な現象はこの特徴に起因すると考えられる。すなわち、SiO2は本来絶縁体であるが、粒塊あるいは、その近傍に発生しやすい結晶欠陥や不純物などによりポテンシャルの低いバンドが多数現れる。電子はこのポテンシャルの低いバンドを介し次々にトンネリングし、結果として50nm以上の膜厚をもトンネルするのであると推定される。(図5参照)
図4に実施例の電子放出表示装置を示す。実施例は、一対の透明基板1及び素子基板10からなり、基板は真空空間4を挾み互いに対向している。図示する電子放出表示装置において、表示面である透明な前面板1すなわち透明基板の内面(背面板10と対向する面)には、例えばインジウム錫酸化物(いわゆるITO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などからなる透明なコレクタ電極2の複数が互いに平行に形成されている。また、コレクタ電極2は一体的に形成されていてもよい。放出電子を捕獲する透明コレクタ電極群は、カラーディスプレイパネルとするために赤、緑、青のR,G,B色信号に応じて3本1組となっており、それぞれに電圧が印加される。よって、3本のコレクタ電極2の上には、R,G,Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層3R,3G,3Bが真空空間4に面するように、それぞれ形成されている。
【0021】
一方、真空空間4を挾み前面板に対向するガラスなどからなる背面板10すなわち素子基板内面(前面板1と対向する面)には、インシュレータ層18を介してそれぞれ平行に伸長する複数のオーミック電極11が形成されている。このインシュレータ層18は、SiO2, SiNx, Al2O3, AlNなどの絶縁体からなり、基板10から素子への悪影響(アルカリ成分などの不純物の溶出や、基板面の凹凸など)を防ぐ働きをなす。オーミック電極の上に複数の電子放出素子Sが形成され、隣接する金属薄膜電極を電気的に接続しその一部上に、オーミック電極に垂直に伸長して架設され、それぞれが平行に伸長する複数のバス電極16と、が設けられている。電子放出素子Sはオーミック電極上に順に形成された電子供給層12、絶縁体層13及び金属薄膜電極15からなる。金属薄膜電極15は真空空間4に面する。また、金属薄膜電極15の表面を複数の電子放出領域に区画するため、開口を有した第2絶縁体層17が成膜される。この第2絶縁体層17はバス電極16を覆うことで不要な短絡を防止する。
【0022】
オーミック電極11の材料としては、Au、Pt、Al、W等の一般にICの配線に用いられる材料で、各素子にほぼ同電流を供給する均一な厚さである。
電子供給層12の材質は、シリコン(Si)が挙げられるが、本発明の電子供給層はシリコンに限られたものではなく他の半導体又は金属であり、アモルファス、多結晶、単結晶の何れでも良い。
【0023】
薄膜電極15の材質は、電子放出の原理から仕事関数φが小さい材料で、薄い程良い。電子放出効率を高くするために、薄膜電極15の材質は周期律表のI族、II族の金属が良く、たとえばMg、Ba、Ca、Cs、Rb、Li、Sr等が有効で、更に、それらの合金であっても良い。また、薄膜電極15の材質は極薄化の面では、導電性が高く化学的に安定な金属が良く、たとえばAu、Pt、Lu、Ag,Cuの単体又はこれらの合金等が望ましい。また、これらの金属に、上記仕事関数の小さい金属をコート、あるいはドープしても有効である。
【0024】
バス電極16の材料としては、Au、Pt、Al等の一般にICの配線に用いられる物で良く、各素子にほぼ同電位を供給可能ならしめるに足る厚さで、0.1〜50μmが適当である。
また、この表示装置の駆動方式としては単純マトリクス方式又はアクティブマトリクス方式が適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子放出素子の概略断面図である。
【図2】本発明による電子放出素子における電子放出電流のSiO2層膜厚依存性を示すグラフである。
【図3】本発明による電子放出素子における電子放出効率のSiO2層膜厚依存性を示すグラフである。
【図4】本発明による実施例の電子放出表示装置を示す概略斜視図である。
【図5】本発明による電子放出素子のバンド構造を示す図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 コレクタ電極
3R,3G,3B 蛍光体層
4 真空空間
10 素子基板
11 オーミック電極
12 電子供給層
13 絶縁体層
15 金属薄膜電極
16 バス電極
17 第2絶縁体層
18 インシュレータ層

Claims (5)

  1. 導体からなる電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成され真空空間に面する金属薄膜電極からなり、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電界を印加し電子を放出する電子放出素子であって、前記絶縁体層はSiOx, LiOx, LiNx, NaOx, KOx, RbOx, BeOx, MgOx, MgNx, CaOx, CaNx, SrOx, BaOx, ScOx, YOx, YNx, LaOx, LaNx, CeOx, PrOx, NdOx, SmOx, EuOx, GdOx, TbOx, DyOx, HoOx, ErOx, TmOx, YbOx, LuOx, TiOx, ZrOx, ZrNx, HfOx, HfNx, ThOx, VNx, NbOx, TaOx, TaNx, CrOx, CrNx, MoOx, MoNx, WOx, WNx, MnOx, ReOx, FeOx, FeNx, RuOx, CoOx, RhOx, IrOx, PdOx, CuOx, AgOx, ZnOx, CdOx, HgOx, BOx, BNx, AlOx, AlNx, GaOx, TiOx, SiNx, GeOx, PbOx, SbOx, SeOx, 又はTeOx (xは原子比を示す)からなり300nm乃至400nmの膜厚を有することを特徴とする電子放出素子。
  2. 真空空間を挾み対向する一対の第1及び第2基板と、前記第1基板内面に設けられた複数の電子放出素子と、前記第2基板内面に設けられたコレクタ電極と、前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層と、からなる電子放出表示装置であって、前記電子放出素子の各々は、前記第1基板側に形成された半導体からなる電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極からなり、前記絶縁体層は、300nm乃至400nmの膜厚を有するSiOx, LiOx, LiNx, NaOx, KOx, RbOx, BeOx, MgOx, MgNx, CaOx, CaNx, SrOx, BaOx, ScOx, YOx, YNx, LaOx, LaNx, CeOx, PrOx, NdOx, SmOx, EuOx, GdOx, TbOx, DyOx, HoOx, ErOx, TmOx, YbOx, LuOx, TiOx, ZrOx, ZrNx, HfOx, HfNx, ThOx, VNx, NbOx, TaOx, TaNx, CrOx, CrNx, MoOx, MoNx, WOx, WNx, MnOx, ReOx, FeOx, FeNx, RuOx, CoOx, RhOx, IrOx, PdOx, CuOx, AgOx, ZnOx, CdOx, HgOx, BOx, BNx, AlOx, AlNx, GaOx, TiOx, SiNx, GeOx, PbOx, SbOx, SeOx, 又はTeOx (xは原子比を示す)からなることを特徴とする電子放出表示装置。
  3. 真空空間を挾み対向する一対の素子基板及び透明基板と、前記素子基板に設けられそれぞれ平行に伸長する複数のオーミック電極と、各々が前記オーミック電極上に形成された半導体からなる電子供給層、前記電子供給層上に形成された300nm乃至400nmの膜厚を有する誘電体の絶縁体層及び前記絶縁体層上に形成され前記真空空間に面する金属薄膜電極からなる複数の電子放出素子と、隣接する前記金属薄膜電極を電気的に接続しその一部上に、前記オーミック電極に垂直に伸長して架設され、それぞれが平行に伸長する複数のバス電極と、前記透明基板に設けられそれぞれ平行に伸長しかつ前記金属薄膜電極からの放出電子を捕獲する複数のコレクタ電極と、前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層からなることを特徴とする電子放出表示装置。
  4. 前記金属薄膜電極の表面を複数の電子放出領域に画定する第2絶縁体層を有することを特徴とする請求項3記載の電子放出表示装置。
  5. 前記第2絶縁体層は前記バス電極を覆うことを特徴とする請求項4記載の電子放出表示装置。
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